JP4682677B2 - 熱サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒に与えられた熱エネルギから動力を得るランキンサイクルに関する。
従来、熱サイクル装置として、冷凍サイクル装置と称されるものと、ランキンサイクル装置と称されるものとが知られている。冷凍サイクル装置は、動力によって冷媒を圧縮し、熱を搬送することによって、高温あるいは低温を提供する装置である。ランキンサイクル装置は、冷媒に与えられた熱エネルギから動力を得る装置である。ランキンサイクル装置としては、例えば、特許文献1、特許文献2に開示のものが知られている。このようなランキンサイクル装置は、例えば、廃熱を回収して発電用の動力を得る装置として、あるいは自動車の内燃機関の廃熱を回収して自動車の動力を得る装置として利用することができる。
特許第3356449号公報 実開昭63−92021号公報
本発明者らは、特願2003−390893号の特許出願において、車両に搭載されるエンジンの廃熱から熱エネルギを回収するランキンサイクルを備える車両用空調装置(冷凍サイクル)を提案している(以下、先願例と称す)。
図1を使用して先願例を説明すると、先願例には、冷媒を可逆回転機械10→放熱器11→気液分離器12→減圧器13→蒸発器14の順に流す空調運転モード(冷凍サイクル運転)を提供する冷凍サイクル装置としての構成部品が備えられている。
さらに、空調運転モードを提供するための冷凍サイクルを構成する配管と蒸気発生器30とを接続する液相配管31と、液相配管31に配置され、液相冷媒を蒸気発生器30に送る液体ポンプ32とを備え、冷媒を液体ポンプ32→蒸気発生器30→可逆回転機械10→放熱器11の順に流す廃熱回収運転モード(ランキンサイクル運転)を提供するランキンサイクル装置としての構成部品とが備えられている。
これにより、空調運転モード時には車室内空間の空調ができ、廃熱回収運転モード時にはエンジン20の廃熱を可逆回転機械10で動力として回収することができる。
しかし、先願例の熱サイクル装置では、車両用空調装置(冷凍サイクル)の運転状況等により気液分離器12内に溜まっている液相冷媒が少ない場合や、液体ポンプ32内部の温度上昇によって液体ポンプ32内部の液相冷媒が気化している場合には、液体ポンプ32内部に気相冷媒の気泡が入り込み液体ポンプ32が作動しても液相冷媒を蒸気発生器30へ送れない場合がある。これにより、廃熱回収運転モード(ランキンサイクル)が正常に起動しなくなってしまうおそれがあった。
また、液体ポンプ32が液相冷媒を蒸気発生器30へ送ることができる場合であっても、液体ポンプ32内に気相冷媒の気泡が混入すると、液体ポンプ32の作動効率(ポンプの消費動力に対する冷媒が輸送量)が低下する。つまり、蒸気発生器30へ送られる液相冷媒の量が少なくなりランキンサイクルの効率が低下するおそれがあった。
本発明のひとつの目的は、ランキンサイクル装置の起動不良のおそれを低減することである。
本発明の他の目的は、ランキンサイクル装置の効率低下のおそれを低減することがである。
本発明のさらに他の目的は、ランキンサイクル装置としての運転にも、冷凍サイクル装置としての運転にも供用可能な熱サイクル装置において、冷凍サイクル装置としての機能を利用して、ランキンサイクル装置の安定的な運転を可能とすることにある。
本発明は上記目的を達成するために以下に述べる技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、冷媒の流体エネルギと機械的な回転エネルギとを相互に変換する回転型流体機械(10、10b、10c)と、前記回転型流体機械(10、10b、10c)から供給される冷媒を凝縮させる凝縮器(11)と、前記凝縮器(11)から供給される冷媒を送る液体ポンプ(32、300)、および当該液体ポンプによって送られた冷媒を発熱体(20)の熱によって加熱する蒸気発生器(30)を含むランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)と、前記凝縮器(11)から供給される冷媒を蒸発させる蒸発器(14)を含む冷凍サイクル系統(10、11、13、14)と、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転に際して、前記蒸気発生器(30)にて冷媒を加熱することなく、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)の冷媒を前記回転型流体機械(10、10b、10c)によって圧縮し前記凝縮器(11)により冷媒を凝縮させる冷媒凝縮運転を行う制御装置(40)とを備えることを特徴とする熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、ランキンサイクル系統の運転に際して、冷凍サイクル系統の冷媒を回転型流体機械によって圧縮し凝縮器によって冷媒を凝縮させているため、ランキンサイクル系統へ液相の冷媒を供給することができる。この結果、ランキンサイクル系統の起動不良、あるいは運転中の効率低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、前記制御装置(40)は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させた後に、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が正常か異常かを判定する判定手段と、正常と判定した場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を継続させ、異常と判定した場合には、前記冷媒凝縮運転を行う制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、ランキンサイクル系統の異常を判定すると、冷媒凝縮運転が実行されるため、ランキンサイクル系統に液相の冷媒を供給でき、液相の冷媒が不足することに起因する異常状態を抑えることができる。
この発明のひとつの実施形態においては、冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の運転を一時停止して実行されることができる。他の実施形態においては、冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の運転を継続しながら、並行して実行されることができる。
請求項3に記載の発明では、さらに、前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ上流側部位に配置され、冷媒の圧力を測定する上流冷媒圧力センサ(42)と、前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ下流側部位に配置され、冷媒の圧力を測定する下流冷媒圧力センサ(43)とを備え、前記判定手段は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転時において、前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)と前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)との差値(P2−P1)が所定圧力値(P)よりも大きい場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常と判定し、前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)と前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)との差値(P2−P1)が前記所定圧力値(P)以下の場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定することを特徴とする請求項2に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、液相の冷媒が不足することに起因するランキンサイクル系統の異常を的確に判定することができる。
請求項4に記載の発明では、前記判定手段は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)運転時において、前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量より大きい場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が正常と判定し、前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量以下の場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定することを特徴とする請求項2に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、液相の冷媒が不足することに起因するランキンサイクル系統の異常を的確に判定することができる。
請求項5に記載の発明では、前記液体ポンプは、電動液体ポンプ(32)であり、前記仕事量は、前記電動液体ポンプ(32)が消費する電力量で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、ランキンサイクル系統の異常を簡単な構成で判定することができる。
請求項6に記載の発明では、さらに、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)により温度調節された空気を送風する送風手段(14a)を備え、前記制御装置(40)は、前記送風手段(14a)を作動させない状態の下で、前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、冷媒凝縮運転が、冷凍サイクル系統の冷房装置あるいは冷凍装置としての運転によって提供され、液相の冷媒を増加させる操作を提供する手段によって、送風手段を作動させない状態が提供される。この結果、液相の冷媒を確実に供給できる。
請求項7に記載の発明では、さらに、前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)を備え、前記制御装置(40)は、前記冷媒凝縮運転を開始してから、前記センサ(46、47)の測定した物理量が前記液体ポンプ(32)内部の冷媒が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間を、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、過剰な冷媒凝縮運転を抑えることができる。
請求項8に記載の発明では、前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで冷媒を凝縮させる熱交換器であって、さらに、前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)と、前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)とを備え、前記制御装置(40)は、前記外気温センサ(45)によって測定された外気温に基づいて前記液体ポンプ(32)内部の冷媒が過冷却状態となる目標温度を決定し、さらに、前記冷媒凝縮運転を開始してから、前記センサ(46、47)の測定した物理量が前記目標温度を示す値になるまでの時間を、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、過剰な冷媒凝縮運転を抑えることができる。
請求項9に記載の発明では、前記センサは、前記液体ポンプのハウジングの温度を測定する温度センサ(46)であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、簡単な構成を提供できる。
請求項10に記載の発明では、前記センサは、前記蒸発器(14)において冷媒と熱交換をした直後の空気の温度を測定する温度センサ(47)であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、簡単な構成を提供できる。
請求項11に記載の発明では、前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで冷媒を凝縮させる熱交換器であって、さらに、前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)を備え、前記制御装置(40)は、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間(T21)を前記外気温センサ(45)によって測定された温度に応じて決定する継続時間設定手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、過剰な冷媒凝縮運転を抑えることができる。
請求項12に記載の発明では、前記回転型流体機械は、冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機、又は動力を受けて冷媒を圧縮する圧縮機として可逆的に運転可能な可逆回転機械(10)であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、可逆的に膨張機または圧縮機として機能しうる回転型流体機械を用いることで、ランキンサイクル系統の運転に際して、回転型流体機械を圧縮機として機能させることで冷媒凝縮運転を実行することができる。
請求項13に記載の発明では、前記制御装置(40)は、前記回転型流体機械を前記膨張機として作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる前に、前記回転型流体機械を前記圧縮機として作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項12に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、回転型流体機械を可逆的に機能させてランキンサイクル系統の運転に先立つ冷媒凝縮運転を実現することができる。
請求項14に記載の発明では、前記可逆回転機械(10)は、前記液体ポンプ(32、300)と一体構造として構成されており、前記液体ポンプ(32、300)は、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)の運転時に、前記可逆回転機械(10)に吸入される気相冷媒により冷却されるように配置されていることを特徴とする請求項12または13に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、液体ポンプの温度を冷凍サイクル系統の運転によって低下させることができる。
請求項15に記載の発明では、前記回転型流体機械は、冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10)と、動力を受けて冷媒を圧縮する圧縮機(10b)とを備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、膨張機と圧縮機とを備えることで、ランキンサイクル系統の運転に際して、圧縮機を機能させることで冷媒凝縮運転を実行することができる。
請求項16に記載の発明では、前記制御装置(40)は、前記膨張機(10c)を作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる前に、前記圧縮機(10b)を作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項15に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、ランキンサイクル系統の運転に先立つ冷媒凝縮運転を実現することができる。
請求項17に記載の発明では、前記制御装置(40)は、前記膨張機(10c)を作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる際に、同時に、前記圧縮機(10b)を作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項15に記載の熱サイクル装置を採用する。
この発明によると、ランキンサイクル系統の運転の開始に際して、冷媒凝縮運転を実現することができる。冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の運転と平行して実行されることができる。
請求項18に記載の発明では、熱サイクル装置において、低圧の冷媒を蒸発させて低温側から熱を吸熱するとともに、蒸発した気相冷媒を圧縮して温度を上昇させて低温側から吸熱した熱を高温側に放熱させて、気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷凍サイクル(10、11、13、14)と、発熱体(20)の廃熱にて冷凍サイクル(10、11、13、14)の液相冷媒を加熱して気相冷媒を発生させる蒸気発生器(30)と、冷凍サイクル(10、11、13、14)から液相冷媒を取り出す液相冷媒取出部(12、52)と蒸気発生器(30)とを接続する液相配管(31)と、液相配管(31)に配置され、液相冷媒を蒸気発生器(30)に送る液体ポンプ(32、300)と、気相冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10)と、膨張機(10)にて膨張を終えた気相冷媒を凝縮させる凝縮器(11)とを有するランキンサイクル(10、11、30、32、300)と、冷凍サイクル(10、11、13、14)およびランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転状態を制御する制御手段(40)と、制御手段(40)からの信号により、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する場合と、冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転する場合とを切り換える切換手段(35a、36)とを備え、制御手段(40)は、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転に際して、蒸気発生器(30)にて前記気相冷媒を発生させることなく冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転して気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷媒凝縮運転を行うことをことを特徴とする。
これによれば、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する前に冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転することで、気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にすることができる。この結果、液体ポンプ(32、300)は液相冷媒取出部(12、52)から確実に液相冷媒を吸入して蒸気発生器30へ送ることができるので、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の起動不良が抑制される。
また、気相冷媒の気泡の混入による液体ポンプ(32、300)の作動効率の低下も抑制できるので、ランキンサイクルの効率低下を軽減できる。
請求項19に記載の発明では、熱サイクル装置において、低圧の冷媒を蒸発させて低温側から熱を吸熱するとともに、蒸発した気相冷媒を圧縮して温度を上昇させて低温側から吸熱した熱を高温側に放熱させて、気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷凍サイクル(10、11、13、14)と、発熱体(20)の廃熱にて冷凍サイクル(10、11、13、14)の液相冷媒を加熱して気相冷媒を発生させる蒸気発生器(30)と、冷凍サイクル(10、11、13、14)から液相冷媒を取り出す液相冷媒取出部(12、52)と蒸気発生器(30)とを接続する液相配管(31)と、液相配管(31)に配置され、液相冷媒を蒸気発生器(30)に送る液体ポンプ(32、300)と、気相冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10)と、膨張機(10)にて膨張を終えた気相冷媒を凝縮させる凝縮器(11)とを有するランキンサイクル(10、11、30、32、300)と、冷凍サイクル(10、11、13、14)およびランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転状態を制御する制御手段(40)と、制御手段(40)からの信号により、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する場合と、冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転する場合とを切り換える切換手段(35a、36)とを備え、制御手段(40)は、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転した後にランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常か異常かを判定し、正常と判定した場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転を継続し、異常と判定した場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転を停止し、冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転して液相冷媒を回収する冷媒凝縮運転を行い、冷媒凝縮運転の後に、再度ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転するようになっていることを特徴とする。
これによれば、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常の場合にのみ、冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転させて、請求項1と同様の効果を発揮させることができるので、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する前に冷凍サイクルを不必要に運転することを防止することができる。
請求項20に記載の発明では、請求項19に記載の熱サイクル装置において、液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ上流側部位に配置され、冷媒の圧力を制御手段(40)へ出力する上流冷媒圧力センサ(42)と、液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ下流側部位に配置され、冷媒の圧力を制御手段(40)へ出力する下流冷媒圧力センサ(43)とを備え、制御手段(40)は、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転時において、下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)から上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)を引いた値(P2−P1)が所定圧力値(P)よりも大きい場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常とし、下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)から上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)を引いた値(P2−P1)が所定圧力値(P)以下の場合には、ランキンサイクル(011、30、32)の運転が異常と判定するようになっていることを特徴とする。
ところで、液体ポンプ(32、300)が正常に作動している時は、上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)が下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)よりも小さくなる。これにより、具体的に差分値(P2−P1)が所定圧力値(P)以下の場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定できる。
請求項21に記載の発明のように、請求項19に記載の熱サイクル装置において、制御手段(40)は、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転時において、前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量より大きい場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常とし、液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量以下の場合には、ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定してもよい。
請求項22に記載の発明のように、請求項21に記載の熱サイクル装置において、液体ポンプは、電気により作動する電動液体ポンプ(32)とし、仕事量を電動液体ポンプ(32)が消費する電力量とすれば、具体的に仕事量を算出できる。
請求項23に記載の発明では、請求項18ないし22のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、膨張機は、冷凍サイクル(10、11、13、14)において気相冷媒を圧縮する圧縮機の機能を有する可逆回転機械(10)であり、可逆回転機械(10)は、液体ポンプ(32、300)と一体構造として構成されており、液体ポンプ(32、300)は、冷凍サイクル(10、11、13、14)の運転時に、可逆回転機械(10)に吸入される気相冷媒により冷却されるようになっていることを特徴とする。
これによれば、可逆回転機械(10)が圧縮機として機能する際に吸入される低温の気相冷媒により液体ポンプ(32、300)が冷却され、液体ポンプ(32、300)内部の液相冷媒が過冷却化され、液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の気化を防止できるので、液相冷媒を確実に蒸気発生器30へ送ることができる。
また、液体ポンプ(32、300)と膨張機(10)を一体構造としているので、液体ポンプ(32、300)および膨張機(10)を構成する部品の共通化により、流体機械の小型化を図ることもできる。
請求項24に記載の発明では、請求項18ないし23のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、冷凍サイクル(10、11、13、14)により空調された空気を送風する送風手段(14a)と、冷凍サイクルの運転を要求する運転要求手段(41)とを備え、制御手段(40)は、冷媒凝縮運転を行う場合に、運転要求手段(41)によって冷凍サイクル(10、11、13、14)の運転が要求されていないときは、送風手段(14a)を作動させないで冷媒凝縮運転を行うようになっていることを特徴とする。
これによれば、熱サイクル装置の操作者が冷凍サイクル(10、11、13、14)の運転を要求していないにもかかわらず、冷凍サイクル(10、11、13、14)が運転されてしまう冷媒凝縮運転において、温度および湿度の調整された空気が送風されないので、操作者に違和感を与えることなく冷媒凝縮運転をすることができる。なお、本発明における空調は、少なくとも温度調整または湿度調整を含む意味である。
請求項25に記載の発明では、請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで気相冷媒を凝縮する熱交換器であって、外気の温度を測定する外気温センサ(45)を備え、制御手段(40)は、冷媒凝縮運転を継続する継続時間(T21)を決定するようになっており、継続時間(T21)は、外気温によって決定される時間であることを特徴とする。
ところで、冷凍サイクルでは、気相冷媒が凝縮して液相冷媒になる凝縮温度と冷媒圧力は外気温によって決定される。すなわち、外気温が高い場合は冷媒圧力を高くして凝縮温度も高くする。一方、凝縮温度が高くなるほど液相冷媒は高い温度で過冷却化状態になる。
そこで、制御手段(40)に、外気温と冷凍サイクルの継続運転により液相冷媒が過冷却化するまで時間との関係に基づいて継続時間(T21)を決定させる。その結果、液相冷媒を確実に過冷却化できるので、液体ポンプ(32、300)が確実に液相冷媒を蒸気発生器30へ送ることができる。
請求項26に記載の発明では、請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)を備え、制御手段(40)は、冷媒凝縮運転を継続する継続時間を決定するようになっており、継続時間は、冷媒凝縮運転を開始してからセンサ(46、47)の測定した物理値が冷媒ポンプ(32)内部の冷媒の温度が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間であることを特徴とする。
これによれば、冷媒ポンプ(32)内部の冷媒が確実に液相になっているので、液体ポンプ(32、300)は確実に液相冷媒を蒸気発生器30に送ることができる。
例えば、熱サイクル装置使用環境における最低外気温によって決定される最低の冷媒凝縮温度よりも冷媒ポンプ(32)内部の冷媒温度が低くなるまで冷媒凝縮運転を継続することで、上記の効果を発揮できる。
請求項27に記載の発明では、請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで前記気相冷媒を凝縮する熱交換器であって、外気の温度を測定する外気温センサ(45)と、液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)とを備え、制御手段(40)は、外気温によって液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度が過冷却状態となる温度を決定し、さらに、冷媒凝縮運転を継続する継続時間を決定するようになっており、継続時間は、冷媒凝縮運転を開始してからセンサ(46、47)の測定した物理が前記液体ポンプ(32)内部の冷媒の温度が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間であることを特徴とする。
これによれば、請求項26と同様の効果を有するだけでなく、外気温によって液体ポンプ(32、300)内部の冷媒が過冷却状態となる温度を決定しているので、冷媒凝縮運転の継続時間を短縮させることができる。
請求項28に記載の発明のように、請求項26または27に記載の熱サイクル装置において、物理量を測定するセンサは、液体ポンプのハウジングの温度を測定する温度センサ(46)としてもよい。
請求項29に記載の発明のように、請求項26または27に記載の熱サイクル装置において、冷凍サイクル(10、11、13、14)は、低圧冷媒を空気と熱交換させて低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)を備え、物理量を測定するセンサは、蒸発器(14)通過直後の空気の温度を測定する温度センサ(47)としてもよい。
請求項30に記載の発明のように、請求項1ないし17のいずれか1つに記載の熱サイクル装置において、ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)は、発熱体(20)の熱を蒸気発生器(30)へ供給する場合と発熱体(20)の熱を蒸気発生器(30)へ供給しない場合とを切り替える切替弁(21)を有し、制御装置(40)は、切替弁(21)の作動を制御する機能を兼ね備え、さらに、制御装置(40)は、冷媒凝縮運転時に、発熱体(20)の熱を蒸気発生器(30)へ供給しないように切替弁(21)を切り替えるようになっていてもよい。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
この発明のひとつの実施形態においては、ランキンサイクル系統の運転に際して、冷凍サイクル系統が運転される。ひとつの特徴においては、冷凍サイクル系統の運転は、冷媒を回転型流体機械によって圧縮し凝縮器によって冷媒を凝縮させる冷媒凝縮運転を実行する。この冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統へ液相の冷媒を確実に供給することを可能とする。冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の起動前、起動直後の起動初期期間、あるいはランキンサイクル系統の運転期間中に実行されることができる。冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の起動を指示する信号と関連付けられて開始されることができる。
ランキンサイクル系統の運転開始の前に、冷媒凝縮運転を実行させると、ランキンサイクル系統の起動時に、液相の冷媒を確実に供給できる。冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統の起動前に、通常の空調運転として実行されることもできる。この場合、通常の空調運転として冷凍サイクル系統を運転している状態から、ランキンサイクル系統の運転が開始される。
ランキンサイクル系統の起動と同時に、あるいはランキンサイクル系統の起動の後わずかな遅れ時間の後に、冷媒凝縮運転を実行させると、起動時あるいはその直後の起動初期期間において、液相の冷媒を確実に供給できる。
ランキンサイクル系統の運転期間中に、冷媒凝縮運転を実行させると、ランキンサイクル系統の運転期間中に、液相の冷媒を確実に供給できる。冷媒凝縮運転は、ランキンサイクル系統への液相冷媒の供給の要否を判定することで開始することができる。例えば、ランキンサイクル系統を試運転して液相冷媒の要否をランキンサイクル系統の挙動から判定し、液相冷媒の供給が必要であると判定された場合に冷媒凝縮運転を開始させる構成をとることができる。また、経験的なデータの蓄積に基づいて液相の冷媒が不足する環境条件などの条件を設定しておき、この条件が満たされた場合に冷媒凝縮運転を開始させる構成をとることができる。
冷媒凝縮運転は、一定時間あるいは可変時間の運転の後に停止させることができる。例えば、固定の一定時間の運転の後に冷媒凝縮運転を停止させる構成をとることができる。
また、液相冷媒を供給できる状態に到達したこと、あるいはランキンサイクル系統に液相冷媒が安定して供給されている状態にあることを検出して冷媒凝縮運転を停止させる構成をとることができる。
冷媒凝縮運転は、冷凍サイクル系統の冷房装置あるいは冷凍装置としての運転によって提供されることができ、液相の冷媒を増加させる操作を提供する手段を伴うことができる。例えば、冷凍サイクル系統の蒸発器への送風手段を作動させない状態か、送風量を抑制した状態を提供する手段を設けることができる。
回転型流体機械は、膨張機としての機能と、圧縮機としての機能とを提供する装置により提供されうる。
回転型流体機械は、流体エネルギと回転による機械エネルギとを相互に変換するものであって、回転力を受けて流体を低圧から高圧へ圧縮し、流体の高圧から低圧への移動により回転を生じる。回転型流体機械は、容積型あるいは非容積型の機械によって提供されることができる。例えば、可逆的に膨張機または圧縮機として機能しうる可逆型の回転型流体機械を用いることができる。この場合、ランキンサイクル系統の運転と、冷凍サイクル系統の運転とは選択的に実行される。この構成の下では、ランキンサイクル系統の運転に先立って、冷凍サイクル系統によって冷媒凝縮運転を実行させることが可能となる。
また、回転型流体機械は、膨張機と圧縮機との両方を備えることができる。この場合、膨張機と圧縮機との選択的な運転に加えて、膨張機と圧縮機との同時運転をすることができる。
他の特徴においては、冷凍サイクル系統の運転は、液体ポンプを冷却する冷却運転を実行する。液体ポンプを冷却することで、気相冷媒に起因する不具合の発生を抑えることができる。冷却運転は、ランキンサイクル系統の運転開始前、および/または運転中に実行することができる。ランキンサイクル系統の運転を開始させる前に冷却運転を実行することで、液体ポンプにおける気相冷媒を低減することができ、ランキンサイクル系統の起動不良を抑えることができる。
また、ランキンサイクル系統の運転開始直後の起動初期期間に冷却運転を実行することでも、ランキンサイクル系統の起動不良を抑えることができる。また、ランキンサイクル系統の運転中に冷却運転を実行することで、ランキンサイクル系統の効率低下を抑えることができる。
ランキンサイクル系統を構成する液体ポンプは、冷凍サイクル系統を構成する圧縮機の吸入経路の近傍に配置されることができる。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る熱サイクル装置を、ランキンサイクルを備える車両用蒸気圧縮式冷凍機(冷凍サイクル)に適用したものであって、図1は本実施形態の全体構成図である。本実施形態のランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機は、走行用動力を発生させる熱機関であるエンジン20で発生した廃熱からエネルギを回収するとともに、蒸気圧縮式冷凍機で発生した冷熱および温熱を車室内空間の空調に利用するものである。
図1に示す可逆回転機械10は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機としての機能と、過熱蒸気を等エントロピ的に膨張させて動力を取り出す膨張機としての機能とを兼ね備える流体機械である。可逆回転機械10は、冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機、又は動力を受けて冷媒を圧縮する圧縮機として可逆的に運転可能な回転型の流体機械である。可逆回転機械10は、膨張機一体型圧縮機とも呼ばれうる。
モータジェネレータ10aは、可逆回転機械10を圧縮機として稼働させる場合には、可逆回転機械10に動力(回転力)を与える動力源として稼働する。一方、可逆回転機械10を膨張機として稼働させる場合には、膨張機、つまり可逆回転機械10にて回収された動力にて電力を発せさせる発電機として稼働する回転電機である。なお、可逆回転機械10の構造については、後述する。
放熱器11は、可逆回転機械10が圧縮機として稼働するときの吐出側に接続されており、外気に冷媒を放熱させる、つまり外気で冷媒を冷却する放冷器である。放熱器11から流出した冷媒は、気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器12(レシーバ)に流入する。
減圧器13は、気液分離器12で分離された液相冷媒を減圧膨張させるもので、本実施形態では、冷媒を等エンタルピ的に減圧するとともに、可逆回転機械10が圧縮機として稼働するとき可逆回転機械10に吸入される冷媒の過熱度が所定値となるように絞り開度を制御する温度式膨張弁を採用している。
蒸発器14は、減圧器13にて減圧された冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱器である。蒸発器14から流出した冷媒は再び可逆回転機械10に流入する。このように、圧縮機(可逆回転機械10)、放熱器11、気液分離器12、減圧器13および蒸発器14等にて低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍機(冷凍サイクル)が構成される。なお、蒸発器14には冷媒を蒸発させて吸熱されることで空調された空気を車室内送風するための送風機14aが備えられており、送風機14aは、電子制御装置40によって制御されている。
ところで、本実施形態では発熱体であるエンジン20を冷却するための冷却水が巡回するエンジン冷却回路が備えられている。エンジン冷却回路に配置される水ポンプ22は、エンジン冷却水を循環させるものであり、ラジエータ23はエンジン冷却水と外気とを熱交換してエンジン冷却水を冷却する熱交換器である。バイパス回路24は、ラジエータ23を迂回させて冷却水を流す迂回路であり、サーモスタット25はバイパス回路24に流す冷却水量とラジエータ23に流す冷却水量とを調節する流量調整弁である。
因みに、水ポンプ22はエンジン20から動力を得て稼働する機械式のポンプであるが、電動モータにて駆動される電動ポンプを用いてもよいことは言うまでもない。
また、エンジン冷却回路におけるエンジン20の冷媒流れ下流側部位、かつ冷凍サイクルにおける可逆回転機械10と放熱器11とを繋ぐ冷媒回路には、蒸気発生器30が配置されている。この蒸気発生器30は、冷媒回路を流れる冷媒とエンジン20の廃熱を回収したエンジン冷却水とを熱交換することにより冷媒を加熱するものである。
また、エンジン冷却回路において、三方弁21はエンジン20から流出したエンジン冷却水を蒸気発生器30に循環させる場合と循環させない場合とを切り替えるものである。なお、本実施形態では三方弁21の作動は、電子制御装置40により制御されている。
ところで、液相配管である第1バイパス回路31は、気液分離器12で分離された液相冷媒を蒸気発生器30のうち放熱器11側の冷媒出入口側に導く冷媒通路である。この第1バイパス回路31には、液相冷媒を循環させるための液ポンプ32および気液分離器12側から蒸気発生器30側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁33aが設けられている。なお、本実施形態では、液ポンプ32は電動式のポンプであり、液ポンプ32の作動は電子制御装置40により制御されている。
また、第2バイパス回路34は、可逆回転機械10が膨張機と稼働するときの冷媒出口側と放熱器11の冷媒入口側とを繋ぐ冷媒通路であり、この第2バイパス回路34には、可逆回転機械10が膨張機と稼働するときの冷媒出口側から放熱器11の冷媒入口側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁33bが設けられている。
なお、逆止弁33cは蒸発器14の冷媒出口側から圧縮機10の吸入側にのみ冷媒が流れることを許容するものである。また、蒸気発生器30と放熱器11との間に配置される開閉弁35aは、電子制御装置40によりその開閉が制御されるものである。さらに、制御弁36は、可逆回転機械10が圧縮機として作動する時には吐出弁、すなわち、可逆回転機械10側から蒸気発生器30側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁として機能し、膨張機として作動する時には開状態となるバルブであり、この制御弁36の作動も電子制御装置40により制御されている。このように、冷媒が可逆回転機械10、凝縮器11、気液分離器12、液ポンプ32等を流れるランキンサイクルが構成される。
また、電子制御装置40には、エンジン20からの吸熱後のエンジン冷却水の温度を検出する水温センサ44の検出温度TW、空調用電子制御装置41から発せられる空調装置運転信号(A/C運転要求信号)、液ポンプ32の上流側の圧力を検出する上流冷媒圧力センサ42の検出圧力P1、および液ポンプ32の下流側の圧力を検出する下流冷媒圧力センサ43の検出圧力P2入力される入力部が設けられている。
電子制御装置40は、水温センサ44の検出温度、つまり廃熱温度TwおよびA/C運転要求信号の有無等に基づいて予め記憶されたプログラムに従って制御弁36、液ポンプ32および三方弁21等の作動を制御する。
次に、可逆回転機械10の概略構造およびその作動を述べる。
図2(a)は可逆回転機械10が圧縮機として作動する場合を示し、図2(b)は可逆回転機械10が膨張機として作動する場合を示すものであり、本実施形態では、周知のベーン型の流体機械にて可逆回転機械10を構成している。
そして、可逆回転機械10を圧縮機として作動する際には、モータジェネレータ10aにてロータ10bを回転させて冷媒を吸入圧縮するとともに、制御弁36にて吐出された高圧冷媒がロータ10b側に逆流することが阻止される。
また、可逆回転機械10を膨張機として稼働させる際には、制御弁36を開いて蒸気発生器30にて生成された過熱蒸気を可逆回転機械10内に導入してロータ10bを回転させて熱エネルギを機械的エネルギに変換する。
次に、本実施形態に係るランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機(空調装置)の作動について述べる。本実施形態のランキンサイクルを有する蒸気圧縮式冷凍機は、以下の運転モードをA/C運転要求信号の有無および廃熱温度Twに基づいて制御手段40が切り換え制御するものであり、まず、空調運転モードおよび廃熱回収運転モードについて説明する。
1.空調運転モード この運転モードは、蒸発器14にて冷凍能力を発揮させながら放熱器11にて冷媒を放冷する運転モードである。なお、本実施形態では、蒸気圧縮式冷凍機で発生する冷熱、つまり吸熱作用を利用した冷房運転および除湿運転にのみ蒸気圧縮式冷凍機を運転させており、放熱器11で発生する温熱を利用した暖房運転は行っていないが、暖房運転時であっても蒸気圧縮式冷凍機の作動は冷房運転および除湿運転時と同じである。
具体的には、液ポンプ32を停止させた状態で、開閉弁35aを開弁し、制御弁36を吐出弁として機能させた状態でモータジェネレータ10aに通電してロータ10bを回転させるとともに、三方弁21を図1の破線で示すように作動させて蒸気発生器30を迂回させて冷却水を循環させるものである。
これにより、冷媒は、可逆回転機械(圧縮機)10→蒸気発生器30→放熱器11→気液分離器12→減圧器13→蒸発器14→可逆回転機械(圧縮機)10の順に循環する。なお、蒸気発生器30にはエンジン冷却水が循環しないので、蒸気発生器30にて冷媒は加熱されず、蒸気発生器30は単なる冷媒通路として機能する。
したがって、減圧器13にて減圧された低圧冷媒は、送風機14aによって室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発し、この蒸発した気相冷媒は可逆回転機械10にて圧縮されて高温となって放熱器11にて室外空気にて冷却されて凝縮する。
なお、本実施形態では、冷媒として代替フロン(HFC−134a)を利用しているが、高圧側にて冷媒が凝縮する冷媒であれば、HFC−134aに限定されるものではない。
2.廃熱回収運転モード この運転モードは、空調装置、つまり可逆回転機械10を停止させてエンジン20の廃熱を利用可能なエネルギとして回収するモードである。
具体的には、開閉弁35aを閉弁し、制御弁36を開放状態にして液ポンプ32を稼働させるとともに、三方弁21を図1の実線で示すように作動させてエンジン20から流出したエンジン冷却水を蒸気発生器30に循環させるものである。
これにより、冷媒は、気液分離器12→第1バイパス回路31→蒸気発生器30→可逆回転機械(膨張機)10→第2バイパス回路34→放熱器11→気液分離器12の順に循環する。
したがって、可逆回転機械10には、蒸気発生器30にて加熱された過熱蒸気が流入し、可逆回転機械10に流入した蒸気冷媒は、可逆回転機械10内で等エントロピ的に膨張しながらそのエンタルピを低下させていく。このため、可逆回転機械10は、低下したエンタルピに相当する機械的エネルギをモータジェネレータ10aに与え、モータジェネレータ10aにより発電された電力は、バッテリやキャパシタ等の蓄電器に蓄えられる。
また、可逆回転機械10から流出した冷媒は、放熱器11にて冷却されて凝縮し、気液分離器12に蓄えられ、気液分離器12内の液相冷媒は、液ポンプ32にて蒸気発生器30側に送られる。
以上に述べたように、廃熱回収運転モードでは、ラジエータ23にて熱として大気中に捨てられていた熱エネルギを電力等の容易に利用することができるエネルギに変換するので、車両の燃費、つまりエンジン20の燃料消費量を低減することができ得る。
また、廃熱回収運転モードでは、エンジン20の廃熱により発電するので、オルタネータ等の発電機をエンジン20にて駆動する必要性が低減し、エンジン20の燃料消費量をさらに低減することができる。
次に、電子制御装置40における制御について述べると、本実施形態では、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられた場合には、可逆回転機械10を圧縮機として稼働させるとともに、蒸気発生器30へのエンジン冷却水の供給を停止して空調運転モードを優先する。
逆に、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられていない場合であって、廃熱温度Twが所定温度以上のときには、蒸気発生器30にエンジン冷却水を供給するとともに、可逆回転機械10を膨張機として稼働させて廃熱回収運転モードを行う。
また、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられていない場合であって、廃熱温度Twが所定温度以下のときには、蒸気発生器30へのエンジン冷却水の供給を停止した状態で可逆回転機械10、つまりモータジェネレータ10aへの通電を停止する。
因みに、図3は上記した制御作動を示すフローチャートの一例であり、以下、このフローチャートの概略を説明する。車両の始動信号が投入されると同時に図3に示される制御プログラムが起動され、先ず、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられたか否かが判定される(S1)。
そして、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられた場合には、ランキンサイクルを運転せず、空調運転モードを稼働する(S2)。
また、A/C運転要求信号が空調用電子制御装置41から電子制御装置40に向けて発せられていない場合には、廃熱温度Twに基づいてランキンサイクルを運転するか否か、つまり廃熱回収運転モードを行うか否かを判定し(S3)、廃熱温度Twが所定温度以上のときには判定結果を1として、ランキンサイクルを運転し(S4)、廃熱温度Twが所定温度未満のときには判定結果を0として、ランキンサイクルを運転しない。
なお、本実施形態では廃熱温度Twに基づいてランキンサイクルを稼働させるか否かの判定においては、廃熱温度Twが下降過程にある場合は、所定温度Tw1以上のときに判定結果を1としてランキンサイクルを運転し、所定温度Tw1未満のときは判定結果を0としてランキンサイクルを運転しない。また、廃熱温度Twが上昇過程にある場合は、所定温度Tw1よりも所定温度高い所定温度Tw2以上のときに判定結果を1としてランキンサイクルを運転し、所定温度Tw2未満のときは判定結果を0として、ランキンサイクルを運転しないといった一定のヒステリシス制御判定を行っている。
次に、電子制御装置40がランキンサイクルを運転させる場合(S4)の制御を、図4を使用してより詳細に説明する。まず、カウンタ値がリセットされる(S410)。このカウンタ値は後に出てくる冷媒凝縮運転(S470〜S500)を何回行なったかを記憶しておくものである。
次に、タイマをリセットする(S420)。このタイマは、廃熱回収運転モードおよび空調運転モードが起動してから何秒経過したかを記憶しておくものである。その後、電子制御装置40は、液ポンプ32を起動して廃熱回収運転モードを起動する(S430)。その後、S440およびS450で所定時間T1(s)(本実施形態では20秒間)が経過するまで、廃熱回収運転モードが稼働される。
その後、電子制御装置40は、上流冷媒圧力センサ42の検出圧力P1と下流冷媒圧力センサ43の検出圧力P2の差圧P2−P1が設定圧力P(本実施形態では、0.3MPa)より大きいか否かを判定する(S460)。差圧P2−P1が設定圧力P(本実施形態では、0.3MPa)より大きい場合、つまり液ポンプ32が液相冷媒に圧力を与えている場合には、処理は図3中のS5へ流れる。
差圧P2−P1が設定圧力P(本実施形態では、0.3MPa)より小さい場合には、液ポンプ32が液相冷媒に圧力を加えられない状態、より詳しく述べると液相冷媒中に気相冷媒が混入して液ポンプ32が冷媒に圧力を与えることができない状態と判定し、冷媒凝縮運転(S470〜S500)を行う。
冷媒凝縮運転(S470〜S500)では、廃熱回収運転モード停止(S470)後に空調運転モードが起動する(S480)。その後、S490およびS500で所定時間T2(s)(本実施形態では10秒間)が経過するまで、空調運転モードを稼働する。そして、冷媒凝縮運転(S470〜S500)後、カウンタ値をカウンタ値+1にする。
S520では、カウンタ値が規定数C(本実施形態では3回)より大きいか否かを判定し、規定数C以下であればS420に処理が戻る。規定値Cより大きい場合は、ランキンサイクルに異常が発生していると判定し、システムを停止する。
なお、冷媒凝縮運転(S470〜S500)においては、A/C運転要求信号が発せられていないので、送風機14aを作動させない。これにより、空調された空気が車室内に送風されることがないので、乗員に違和感を与えることなく冷媒凝縮運転を行うことができる。
次に、第1実施形態による作用効果を列挙すると、(1)液相配管31内および液ポンプ32内に気相冷媒の気泡が混入することを防止できるため、液ポンプ32の冷媒不送りや冷媒の作動効率の低下を低減できる。
本実施形態では、ランキンサイクルが異常と判定された場合には、空調運転モード(冷凍サイクル)を稼働して、気相冷媒を凝縮させて液相冷媒とし、さらに、冷凍サイクル中の冷媒通路が複雑に入り組んでいる部分、例えば蒸発器14内に溜まっている冷媒を気液分離器12内に溜めることができる。その後、廃熱回収運転モード(ランキンサイクル)を稼働すれば、従来例のように液相配管31内に気泡が混入することを低減できる。
したがって、液ポンプ32は液相冷媒を確実に蒸気発生器30へ送ることができるので、廃熱回収運転モード(ランキンサイクル)を正常に起動および稼働することができる。
また、液相配管31および液ポンプ32への気相冷媒の気泡の混入による液ポンプ32の作動効率の低下も抑制できるので、ランキンサイクルの効率の低下を軽減できる。
(2)制御手段40が廃熱回収運転モード(ランキンサイクル)が正常か異常かを判定し、正常の場合には廃熱回収運転モードを継続実行し、異常の場合には空調運転モードを実行する。したがって、不必要に空調運転モードを実行することを防止できる。
(3)液ポンプ32の上流側圧力値P1と下流側圧力値P2の差分値P2−P1と所定圧力値Pとを比較するため、具体的に廃熱回収運転モードが正常か異常かを判定できる。
ところで、液ポンプ32が正常に作動している時は、上流冷媒圧力センサ42の検出圧力値P1が下流冷媒圧力センサ43の検出圧力値P2よりも小さくなる。これにより、具体的に差分値P2−P1が所定圧力値P以下の場合には、廃熱回収運転モードの稼働が異常と判定できる。
(4)廃熱回収運転モードにより、ラジエータ23にて熱として大気中に捨てられていた熱エネルギを電力等の容易に利用することができるエネルギに変換するので、車両の燃費、つまりエンジン20の燃料消費量を低減することができる。より詳しく説明すると、エンジン20の廃熱により発電を行うため、オルタネータ等の発電機をエンジン20にて駆動する必要性が低減し、エンジン20の燃料消費量を低減することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の上流冷媒圧力センサ42および下流冷媒圧力センサ43を無くし、液ポンプ32の消費電流を電子制御装置40で測定している以外は、第1実施形態と同構成である(図5参照)。また、図3で示す制御も第1実施形態と同様である。
但し、図6に示す図3中のS4の詳細については、本実施形態ではランキンサイクルの稼働が正常か否かの判定を液ポンプ32の消費電力量で判定している(S465)点が相違する。つまり、液ポンプ32が正常に作動して液冷媒を蒸気発生器30へ送ることができる場合には、液ポンプ32の消費電力量が所定の値よりも多くなるので、液ポンプ32がある所定消費電力量W(本実施形態では50W)より多い電力を消費している場合を正常として判定している。なお、本実施形態では電流センサを用いて液ポンプ32の消費電力量を測定している。
一方、所定消費電力量W以下の場合は、処理がS470へ進む。以下の作動については第1実施形態と同様である。
これによると、第1実施形態では必須の構成要素である上流冷媒圧力センサ42および下流冷媒圧力センサ43無しで廃熱回転運転モード(ランキンサイクル)が正常か異常かを判定できるため、熱サイクル装置全体としてのコストを低減することができる。
なお、本実施形態においても第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態と同構成であるが、S4中の制御(図4参照)の一部が図7に示すように異なる。より詳細に説明すると、電子制御装置40はS480で空調運転モードを起動した後、カウンタ値が0か否かを判定する(S485)。カウンタ値が0の場合には、S495、S505へ進み空調運転モードをT3(s)が経過するまで稼働する。このT3(s)は、T2(s)よりも短い所定時間であり、本実施形態では2秒である。一方、カウンタ値が0以外の場合には、空調運転モードをT2(s)(前述のように10秒)が経過するまで稼働し(S490、S500)、その後、処理をS510へと進める。以下の作動については第1実施形態と同様である。
ところで、気液分離器12の液冷媒が飽和液の場合には、気液分離器12内に液相冷媒が溜まっているにもかかわらず、液ポンプ32内の圧力が低い部分でキャビテーションが起こってしまう。このような場合には、空調運転モードを短時間起動して気液分離器12内の圧力を上昇させて液相冷媒を過冷却液とすればキャビテーションを低減させることができる。
本実施形態では、カウンタ値が0、つまり廃熱回収運転モードが異常と判定した後(図4中のS460)、1回目の空調運転モードを2回目以降よりも短くしている。これにより、無駄に空調運転モードを稼働することなく、速やかに廃熱回収運転モードを正常稼働させることができる。
なお、本実施形態においても第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
(第4実施形態)
第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態では、冷媒凝縮運転を行う時間T2(s)を予め定められた時間(10秒)に設定していたが、本実施形態ではT2を空調運転モードの運転状況に応じて変更する点が相違する。
図8は本実施形態における蒸気圧縮式冷凍機の全体構成図であり、図1に対して凝縮器11の空気流れ方向上流側に外気温センサ45が設けられている点のみが異なる。外気温センサ45の出力値Tamは電子制御装置40に入力され、電子制御装置40では外気温センサ45の出力値Tamに基づいて、冷媒凝縮運転を継続する継続時間T21(s)を決定する。
本実施形態では、Tamの値が大きくなるにしたがって、T21が長くなるように決定している。外気温が高い場合には、凝縮温度も高くなるため、液相冷媒を過冷却状態にできる温度も高くなる。しかしながら、サイクルを構成する他の部品の熱容量により冷媒を冷却するための時間が長時間となる。そこで、あらかじめ測定された外気温と液相冷媒を過冷却状態にできる時間との関係を電子制御装置40に記憶して、Tamの値によりT21を決定している。
また、本実施形態における電子制御装置40の制御フローは図9に示すように第1実施形態(図4)に対して、ステップS415にてTamの読み込みとT21の決定を行い、ステップS490およびステップS501では、継続時間T21(s)が経過するまで、空調運転モードの稼働する点が異なる。
これにより、液相冷媒を過冷却状態にするのに必要な空調運転モードの稼働時間を確保できるので、不必要な冷媒凝縮運転における空調運転モードの稼働時間を短縮することができる。さらに、第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
(第5実施形態)
第1実施形態ないし第4実施形態では、可逆回転機械10と液ポンプ32が別体に構成された実施形態を説明したが、本実施形態では図10の全体構成図に示すように、可逆回転機械10は、膨張圧縮部100、発電電動部200、液ポンプ部300および弁機構部107等が一体構造に構成されたものである。したがって、液ポンプ32および制御弁36は独立に設けられていない。
さらに、可逆回転機械10には、液ポンプ部300のポンプハウジングの温度を測定する液ポンプ部ハウジング温度センサ46が取り付けられ、液ポンプ部ハウジング温度センサ46の出力値Twpが電子制御装置40に入力されている点が相違する。その他の構成は第4実施形態と同様である。
次に、図11の断面図により、本実施形態における可逆回転機械10について説明する。可逆回転機械10は、気相冷媒を圧縮又は膨脹させる圧縮膨張部100、回転エネルギーが入力されることにより電気エネルギーを出力し、電力が入力されることにより回転エネルギーを出力する発電電動部200、廃熱回収運転モードを稼働する際に液相冷媒を圧縮膨張部100の側に圧送する液ポンプ部300などで構成されている。
圧縮膨張部100は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、ミドルハウジング101を介して発電電動部200のステータハウジング230に対して固定された固定スクロール(シェル)102、ミドルハウジング101と固定スクロール102との間の空間で旋回変位する可動部材をなす可動スクロール103、および作動室V1と高圧室104とを連通させる連通路105、106を開閉する弁機構部107等からなるものである。
ここで、固定スクロール102は、板状の基板部102aおよび基板部102aから可動スクロール103側に突出した渦巻状の歯部102bを有して構成され、一方、可動スクロール103は、歯部102bに接触して噛み合う渦巻状の歯部103b、および歯部103bが形成された基板部103aを有して構成されており、両歯部102b、103bが接触した状態で可動スクロール103が旋回することにより、両スクロール102、103により構成された作動室V1の体積が拡大縮小する。
シャフト108は、軸受108bによりミドルハウジング101に、および軸受108cによりステータハウジング230に回転可能に支持されており、その長手方向の一方の端部は回転中心軸に対して偏心した偏心部108aを有するクランクシャフトである。リップシール108dは、シャフト108とステータハウジング230との隙間から冷媒がステータハウジング230外に漏れ出すことを防止する軸封装置である。また、偏心部108aには、ベアリング103cを介して可動スクロール103が回転可能に連結されている。
自転防止機構109は、シャフト108が1回転する間に可動スクロール103が偏心部108a周りに1回転するようにするものである。このためシャフト108が回転すると、可動スクロール103は自転せずにシャフト108の回転中心軸周りを公転旋回し、かつ、作動室V1は、可動スクロール103の外径側から中心側に変位するほど、その体積が縮小するように変化する。なお、本実施形態では、自転防止機構109としてピン−リング(ピン−ホール)式を採用している。
連通路105は、ポンプモード時に最小体積となる作動室V1と高圧室104とを連通させて、圧縮された冷媒を吐出する吐出ポートであり、連通路106は廃熱回収運転モード時に最小体積となる作動室V1と高圧室104とを連通させて、高圧室104に導入された高温、高圧の過熱蒸気(すなわち、気相冷媒)を作動室V1に導く流入ポートである。
また、高圧室104は弁機構ハウジング107iと稼働スクロール102の基板部102aの歯部102bの構成される面の反対側の面との隙間に構成される空間であり、連通路105(以下、吐出ポート105と呼ぶ。)から吐出された冷媒の脈動を平滑化する機能を有するものであり、この高圧室104には、加熱器30および放熱器11側に接続される高圧ポート110が設けられている。
なお、蒸発器14および第2バイパス回路34側に接続される低圧ポート111は、ステータハウジング230に設けられて、発電電動部200内の内部空間230aおよびミドルハウジング101内を経由し作動室V1の最外径部と連通している。
次に弁機構部107の詳細を説明すると、高圧室104内において、稼働スクロール102の基板部102aの歯部102bの構成される面の反対側の面には吐出弁107aおよび弁止板107bがボルト107cにて固定されている。吐出弁107aは、吐出ポート105から吐出された冷媒が高圧室104から作動室V1に逆流することを防止するリード弁状の逆止弁であり、ストッパ107bは吐出弁107aの最大開度を規制する弁止板である。
スプール107dは、連通路106(以下、流入ポート106と呼ぶ。)を開閉する弁体であり、電磁弁107eは低圧ポート111側と背圧室107fとの連通状態を制御することにより背圧室107f内の圧力を制御する制御弁である。バネ107gは流入ポート106を閉じる向きの弾性力をスプール107dに作用させる弾性手段であり、絞り107hは所定の通路抵抗を有して背圧室107fと高圧室104とを連通させる抵抗手段である。なお、スプール107d、電磁弁107eおよびバネ107gは弁機構ハウジング107iに配置されており、背圧室107fおよび絞り107hは弁機構ハウジング107iに一体に構成されている。
そして、電磁弁107eを開くと、背圧室107fの圧力が高圧室104より低下してスプール107dがバネ107gを押し縮めながら紙面右側に変位するので、流入ポート106が開く。なお、絞り107hでの圧力損失は非常に大きいので、高圧室104から背圧室107fに流れ込む冷媒量は無視できるほど小さい。
逆に、電磁弁107eを閉じると、背圧室107fの圧力と高圧室104との圧力が等しくなるので、スプール107dはバネ107gの力により紙面下側に変位するので、流入ポート106が閉じる。つまり、スプール107d、電磁弁107e、背圧室107f、バネ107gおよび絞り107h等により流入ポート106を開閉するパイロット式の電気開閉弁が構成される。なお、電磁弁107eの制御は電子制御装置40にて行われる。
発電電動部200は、ステータ210およびステータ210の内周側で回転するロータ220とを備えるブラシレスDCモータである。ステータ210は、磁性材料、例えば鋼などにより形成された鉄芯に巻き線が巻かれたステータコイルであり、ステータハウジング230の内周部に固定されている。
ロータ220は、永久磁石が埋設されたマグネットロータであり、内周側には図示しないキー溝があり、キーにてシャフト108と一体に固定されている。
液ポンプ部300は、周知のスクロール型圧縮機構と同一構造を有するもので、具体的には、ポンプハウジング301を介して発電電動部200のステータハウジング230に固定された固定スクロール(シェル)302、ポンプハウジング301と固定スクロール302との間の空間で旋回変位する可動部材をなす可動スクロール303、および作動室V2等からなるものである。
ここで、固定スクロール302は、板状の基板部302aおよび基板部302aから可動スクロール303側に突出した渦巻状の歯部302bを有して構成され、一方、可動スクロール303は、歯部302bに接触して噛み合う渦巻状の歯部303b、および歯部303bが形成された基板部303aを有して構成されており、両歯部302b、303bが接触した状態で可動スクロール303が旋回することにより、両スクロール302、303により構成された作動室V2が後述する冷媒吸入ポート309側から冷媒吐出ポート308側へ
移動する。なお、液ポンプ部300のスクロール型圧縮機構の圧縮率は1になっており、作動室V2に液相冷媒が吸入されても、液相冷媒は圧縮されないので、液圧縮による冷ポンプ部300の動作不良は生じない。
ポンプシャフト304は、軸受304bによりポンプハウジング301に回転可能に支持されており、その長手方向の一方の端部は回転中心軸に対して偏心した偏心部304aを有するクランクシャフトである。また、ポンプシャフト304は、圧縮膨張部100および発電電動部200の構成部材にもなっているシャフト108の偏心部108aと反対側の端部にワンウェイクラッチ305を介して結合されている。
ワンウェイクラッチ305は、廃熱回収運転モードにおいてのみ、シャフト108の回転駆動力をポンプシャフト304に伝える機能を有する動力伝達手段である。また、可動スクロール303はベアリング303cを介して偏心部304aに回転可能に連結されている。
自転防止機構306、307は、ポンプシャフト304が1回転する間に可動スクロール303が偏心部304a周りに1回転するようにするものである。このためポンプシャフト304が回転すると、可動スクロール303は自転せずにポンプシャフト304の回転中心軸周りを公転旋回し、かつ、作動室V2は、可動スクロール103の外径側から中心側に変位していく。なお、本実施形態では、自転防止機構306、307としてピン−リング(ピン−ホール)式を採用している。
冷媒吐出ポート308は、液相冷媒を吐出するポートであり、作動室V2が液ポンプ部200の中心側に移動したときに作動室V2と連通する位置に配置されている。また、冷媒吸入ポート309は、液相冷媒を吸入するポートであり、作動室V2が液ポンプ部200の外径側に移動したときに作動室V2と連通する位置に配置されている。
なお、ポンプハウジング301には液ポンプ部ハウジング温度センサ46が取り付けられており、液ポンプ部ハウジング温度センサ46の出力値Twpは電子制御装置40に入力される。
次に、本実施形態におけるランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機の作動について述べる。
空調運転モードでは、電子制御装置40によって、可逆回転機械10の発電電動部200に電源が供給され、電磁弁107eは閉弁状態にされ、三方弁21は図10の破線で示すように切り替えられる。
発電電動部200に電源が供給されると、ロータ220とシャフト108が一体となって回転する。この回転によって、可逆回転機械10は低圧ポート111から気相冷媒を吸入して、作動室V1で気相冷媒を圧縮して、高圧ポート110より吐出する。
また、電磁弁107eを閉弁しているので、弁機構部107は可逆回転機械10側から蒸気発生器30側にのみ冷媒が流れることを許容する逆止弁として機能する。また、ワンウェイクラッチ305は空調運転モードではシャフト108の回転駆動力をポンプシャフト304に伝えないので、液ポンプ部300は作動しない。
よって、空調運転モードでは、第1実施形態と同様の冷凍サイクルを構成することができる。さらに、圧縮膨張部100の低圧ポート111から吸入される低圧の気相冷媒は蒸発器14で蒸発して低温になっているため、内部空間230aを通過する際にステータハウジング230の液ポンプ部300との接触面230bを介して、液ポンプ部300を冷却する。これによって、液ポンプ部300内部の液相冷媒が過冷却化されるので、空調運転モードの後に廃熱回収運転モードを稼働する場合に、液ポンプ部300は確実に液相冷媒を蒸気発生器30に送ることができるようになる。
次に、廃熱回収運転モードでは、電子制御装置40によって、電磁弁107eが開弁され、三方弁21が図10の実線で示すように切り替えられる。ここで、電子制御装置40は液ポンプ部300を駆動しないが、冷媒が圧縮膨張部100で膨張する際にシャフト108を回転させるため、その回転駆動力がワンウェイクラッチ305を介してポンプシャフト304に伝えられので、液ポンプ部300が作動する。
よって、廃熱回収運転モードでは、第1実施形態と同様のランキンサイクルを構成することができる。
ところで、廃熱回収運転モードでは、圧縮膨張部100の低圧ポート111から流出する低圧の気相冷媒は蒸気発生器30で過熱され高温になっている。この高温の気相冷媒も内部空間230aを通過するため、接触面230bを介して液ポンプ部300を加熱し、液ポンプ部300内の液相冷媒を加熱気化させてしまうことが懸念される。
しかしながら、廃熱回収運転モードでは、液ポンプ部300が稼働しており、液相冷媒は空調運転モードのように液ポンプ部300内部に留まらず、液ポンプ部300内部を通過していく。よって、液相冷媒は気化する前に蒸気発生器30へ送られていくので、液ポンプ部300内部の冷媒が気化する懸念は生じない。
次に、電子制御装置40における制御について述べると、本実施形態では第1実施形態と同様に、空調運転モードおよび廃熱回収モードを制御するが、ランキンサイクルを運転させる場合(S4)の制御が異なっている。
具体的には、図12に示すようにステップS416において、外気温Tam、液ポンプ部ハウジング温度Twpを読込み、冷媒凝縮運転を行うための空調運転モードの稼働については、ステップS502に示すように外気温Tam+α≧β×液ポンプ部ハウジング温度Twpとなるまで継続させている。
ここで、外気温Tamにより冷媒凝縮温度を把握することができ、液ポンプ部ハウジング温度Twpは液ポンプ部300内部の冷媒温度と相関関係を有しているので、液ポンプ部300内部の冷媒温度を把握することができる。さらに、液ポンプ部300内部の冷媒の温度が冷媒凝縮温度よりも低くなれば、液ポンプ部300内部の冷媒は過冷却状態の液相冷媒になっていることが判断できる。
そこで、本実施形態では、冷媒凝縮温度を外気温Tam+α(本実施形態ではα=15℃)として、β×液ポンプ部ハウジング温度Twpが外気温Tam+α以下になるまで冷媒凝縮運転を行うこととしている。βは制御用の乗数である。よって、冷媒凝縮運転後に廃熱回収モードを稼働させると、液ポンプ部内部の冷媒は過冷却状態になっているので、液ポンプ部300は確実に液相冷媒を蒸気発生器30に送ることができる。
もちろん、外気温Tamを測定していない場合でも、熱サイクル装置を使用する環境の最低外気温から最低の冷媒凝縮温度(例えば、10℃)を予め決定し、β×液ポンプ部ハウジング温度Twpが最低の冷媒凝縮温度以下になるまで冷媒凝縮運転を行うこととしてもよい。これによれば、外気温センサ45を不要にできるため、熱サイクル装置全体としてのコストを低減することができる。
なお、本実施形態においても第1実施形態で述べた作用効果(1)〜(4)を発揮することができる。
(第6実施形態)
第5実施形態では、液ポンプ部300のポンプハウジングの温度を測定する液ポンプ部ハウジング温度センサ46を設けた実施形態について説明したが、本実施形態では、図13に示すように、液ポンプ部ハウジング温度センサ46に代えて蒸発器14により熱交換された空気の温度を測定する蒸発器吹出温度センサ47を設けている。その他の構成は第5実施形態と同じである。
蒸発器吹出温度センサ47の出力する蒸発器吹出温度Teは空調運転モードにおける低圧の気相冷媒の温度であり、可逆回転機械10に吸入される低圧の気相冷媒の温度である。すなわち、液ポンプ部300を冷却する気相冷媒の温度と同じであるから、液ポンプ部300内部の温度と相関関係を有する。よって、図14のステップS417およびS503のように液ポンプ部ハウジング温度Twpに代えて、蒸発器吹出温度Teを用いることで、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
第1実施形態から第6実施形態までの実施形態では、冷凍サイクルでは圧縮機として機能し、ランキンサイクルでは膨張機として機能する可逆回転機械10を用いているが、本実施形態では、図15に示すように、可逆回転機械10を用いず、冷凍サイクル専用の圧縮機10bおよび、ランキンサイクル専用の膨張機10cによってランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機を構成している。
圧縮機10bは冷媒を吸入して圧縮させて吐出する機能を有し、電子制御装置40によって制御される電磁クラッチ48によりエンジン側プーリ49、ベルト50、圧縮機側プーリ51を介してエンジン20より駆動力を受けて作動する。
また、膨張機10cは第5実施形態と可逆回転機械10と同じ構造で、膨張部100、発電部200および液ポンプ部300が一体に構成されている。但し、膨張機10cは圧縮機として機能することがないので、シャフト108とポンプシャフト30はワンウェイクラッチなどを介さずに一体に結合されている。
電子制御装置40によって、圧縮機に駆動力が伝達されると冷媒は、圧縮機10b→放熱器11→気液分離器12→減圧器13→蒸発器14→圧縮機10bの順で循環するので、これにより、第1実施形態と同様の冷凍サイクルを構成することができる。
また、電子制御装置40が三方弁21をエンジン冷却水が蒸気発生器30を通るように切り替えると、蒸気発生器30で過熱された冷媒は膨張部100にて膨張し、発電部200および液ポンプ部300を作動させる。発電部200で発電された電力は電子制御装置40を介してバッテリに蓄電される。また、液ポンプ部300はさらに、液相冷媒を蒸気発生器30に送る。
膨張部100より流出した気相冷媒は膨張機10c→放熱器11→気液分離器12→液ポンプ部300→蒸気発生器30→膨張機10cの順で循環するので、これにより、第1実施形態と同様のランキンサイクルを構成することができる。
ここで、圧縮機10bの高圧冷媒吐出口と膨張機10cの低圧冷媒流出口が配管合流部で合流するが、圧縮機10bは吐出弁を備えているので、膨張機10cから流出した低圧冷媒が圧縮機10bの高圧冷媒出口から圧縮機10b内部に逆流することはない。さらに、圧縮機10bから吐出された高圧冷媒は、逆止弁33bにより膨張機10cの低圧冷媒流出口から膨張機10c内部に逆流することもない。
また、上流冷媒圧力センサ42、下流冷媒圧力センサ43および水温センサ44は第1実施形態と同様の物理量を測定し、測定値は電子制御装置40に入力されている。
よって、本実施形態では、第1実施形態と同様の制御を行うことができる。さらにこの実施形態では、冷凍サイクルとランキンサイクルを同時に運転することもできる。すなわち、ランキンサイクルによる廃熱回収運転モードを稼働させる前に、冷凍サイクルによる冷媒凝縮運転を行うことで、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、ランキンサイクルと同時に冷凍サイクルを運転させれば、冷凍サイクルによって気液分離器12に十分な量の液相冷媒を貯めることができ、液ポンプ部300に気相冷媒の気泡が入り込むことがなくなるので、液相冷媒を確実に蒸気発生器30へ送ることができる。
この実施形態の電子制御装置40は、ランキンサイクルの運転前に、冷凍サイクルを運転する。この冷凍サイクルの運転は、冷媒凝縮運転を提供する。ランキンサイクルを運転する前の冷凍サイクルの運転は、液相の冷媒を所定量溜めるために必要な時間とすることができる。
この実施形態の電子制御装置40は、冷凍サイクルが通常の空調運転をしている状態で、ランキンサイクルの運転が指令された場合、冷凍サイクルの通常の空調運転を冷媒凝縮運転として、ランキンサイクルの運転を開始する。
この実施形態の電子制御装置40は、ランキンサイクルが運転を開始した後も、冷凍サイクルとしての運転を継続する。ランキンサイクルの停止が指令される場合、例えば、熱源としてのエンジン冷却水温が過剰に低下した場合には、冷凍サイクルとしての運転を継続したままランキンサイクルの運転を停止する。電子制御装置40は、エンジン冷却水温が再び上昇すると、ランキンサイクルの運転を再開する。この再開時にも、再開前に冷凍サイクルが運転を継続しているので、冷媒凝縮運転が提供されている。
このような作動により、ランキンサイクルの起動不良が抑制される。また、ランキンサイクルの運転中には、安定した高効率の運転を実現できる。
(他の実施形態)
本発明を適用できるランキンサイクルを備える蒸気圧縮式冷凍機は、上述の実施形態で述べた構成に限られるものではなく、図16のようにランキンサイクルにおいて、蒸発器14を冷媒の凝縮器として使用し、蒸発器14下流の気液分離器52の液相冷媒を液ポンプ32で蒸気発生器30に送る構成のものであってもよい。また、図17のようにランキンサイクルにおける凝縮器53を、冷凍サイクルに配置される放熱器11および蒸発器14とは別に配置してもよい。
また、第3実施形態ないし第7実施形態の制御では、第1実施形態の冷媒圧力センサ42、43を用いた制御を適用した例を示したが、第2実施形態の液ポンプ消費電力量による制御を適用しても同様の効果を発揮できるのは当然である。また、第4実施形態ないし第7実施形態に第3実施形態の制御を適用してもよい。
また、第5実施形態または第6実施形態で用いた、液ポンプ32および液ポンプ部300内部の冷媒温度と相関を有する物理量として、蒸発器14の伝熱フィン温度や圧縮機の低圧ポート111の圧力を用いてもよい。
また、上述の実施形態では回収したエネルギを蓄電器にて蓄えたが、フライホィールによる運動エネルギ又はバネにより弾性エネルギ等の機械的エネルギとして蓄えてもよい。
また、上述の実施形態では、可逆回転機械10、圧縮機および膨張機としてベーン型およびスクロール型の流体機械を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、上述の実施形態では、廃熱回収運転モードを制御するに当たり、一定のヒステリシスを設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明の適用は、車両に限定されるものではない。
また、発熱体は内燃機関に限定されるものではなく、燃料電池(FC)等種々変更可能である。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
第1実施形態の全体構成図であり、先願例の説明図でもある。 第1実施形態の可逆回転機械の説明図である。 第1実施形態の電子制御装置の制御を示すフローチャートである。 第1実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第2実施形態の全体構成図である。 第2実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第3実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第4実施形態の全体構成図である。 第4実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第5実施形態の全体構成図である。 第5実施形態の可逆回転機械の断面図である。 第5実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第6実施形態の全体構成図である。 第6実施形態の電子制御装置の制御の要部を示すフローチャートである。 第7実施形態の全体構成図である。 第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍機の変形例を示す全体構成図である。 第1実施形態の蒸気圧縮式冷凍機の別の変形例を示す全体構成図である。
符号の説明
10…可逆回転機械(冷凍サイクル、ランキンサイクル、膨張機)、
11…放熱器(冷凍サイクル、ランキンサイクル、凝縮器)、
13…減圧器(冷凍サイクル)、14…蒸発器(冷凍サイクル)、
20…エンジン(発熱体)、30…蒸気発生器(ランキンサイクル)、
31…第1バイパス回路(液相配管)、
32…電動液体ポンプ(液体ポンプ、ランキンサイクル)、
35a…開閉弁(切換手段)、36…制御弁(切換手段)、
40…電子制御装置(制御手段)、42…上流冷媒圧力センサ、
43…下流冷媒圧力センサ、45…外気温センサ、
46…液ポンプ部ハウジング温度センサ、47…蒸発器吹出温度センサ、
100…圧縮膨張部、200…発電電動部、300…液ポンプ部(ランキンサイクル)。

Claims (30)

  1. 冷媒の流体エネルギと機械的な回転エネルギとを相互に変換する回転型流体機械(10、10b、10c)と、
    前記回転型流体機械(10、10b、10c)から供給される冷媒を凝縮させる凝縮器(11)と、
    前記凝縮器(11)から供給される冷媒を送る液体ポンプ(32、300)、および当該液体ポンプによって送られた冷媒を発熱体(20)の熱によって加熱する蒸気発生器(30)を含むランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)と、
    前記凝縮器(11)から供給される冷媒を蒸発させる蒸発器(14)を含む冷凍サイクル系統(10、11、13、14)と、
    前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転に際して、前記蒸気発生器(30)にて冷媒を加熱することなく、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)の冷媒を前記回転型流体機械(10、10b、10c)によって圧縮し前記凝縮器(11)により冷媒を凝縮させる冷媒凝縮運転を行う制御装置(40)とを備えることを特徴とする熱サイクル装置。
  2. 前記制御装置(40)は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させた後に、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が正常か異常かを判定する判定手段と、
    正常と判定した場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を継続させ、異常と判定した場合には、前記冷媒凝縮運転を行う制御手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の熱サイクル装置。
  3. さらに、前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ上流側部位に配置され、冷媒の圧力を測定する上流冷媒圧力センサ(42)と、
    前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ下流側部位に配置され、冷媒の圧力を測定する下流冷媒圧力センサ(43)とを備え、
    前記判定手段は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転時において、前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)と前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)との差値(P2−P1)が所定圧力値(P)よりも大きい場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常と判定し、
    前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)と前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)との差値(P2−P1)が前記所定圧力値(P)以下の場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定することを特徴とする請求項2に記載の熱サイクル装置。
  4. 前記判定手段は、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)運転時において、前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量より大きい場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が正常と判定し、
    前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量以下の場合には、前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定することを特徴とする請求項2に記載の熱サイクル装置。
  5. 前記液体ポンプは、電動液体ポンプ(32)であり、
    前記仕事量は、前記電動液体ポンプ(32)が消費する電力量で示されることを特徴とする請求項4に記載の熱サイクル装置。
  6. さらに、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)により温度調節された空気を送風する送風手段(14a)を備え、
    前記制御装置(40)は、前記送風手段(14a)を作動させない状態の下で、前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  7. さらに、前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)を備え、
    前記制御装置(40)は、前記冷媒凝縮運転を開始してから、前記センサ(46、47)の測定した物理量が前記液体ポンプ(32)内部の冷媒が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間を、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  8. 前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで冷媒を凝縮させる熱交換器であって、
    さらに、前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)と、
    前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)とを備え、
    前記制御装置(40)は、前記外気温センサ(45)によって測定された外気温に基づいて前記液体ポンプ(32)内部の冷媒が過冷却状態となる目標温度を決定し、さらに、前記冷媒凝縮運転を開始してから、前記センサ(46、47)の測定した物理量が前記目標温度を示す値になるまでの時間を、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間とすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  9. 前記センサは、前記液体ポンプのハウジングの温度を測定する温度センサ(46)であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱サイクル装置。
  10. 前記センサは、前記蒸発器(14)において冷媒と熱交換をした直後の空気の温度を測定する温度センサ(47)であることを特徴とする請求項7または8に記載の熱サイクル装置。
  11. 前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで冷媒を凝縮させる熱交換器であって、
    さらに、前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)を備え、
    前記制御装置(40)は、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間(T21)を前記外気温センサ(45)によって測定された温度に応じて決定する継続時間設定手段を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  12. 前記回転型流体機械は、冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機、又は動力を受けて冷媒を圧縮する圧縮機として可逆的に運転可能な可逆回転機械(10)であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  13. 前記制御装置(40)は、前記回転型流体機械を前記膨張機として作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる前に、前記回転型流体機械を前記圧縮機として作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項12に記載の熱サイクル装置。
  14. 前記可逆回転機械(10)は、前記液体ポンプ(32、300)と一体構造として構成されており、
    前記液体ポンプ(32、300)は、前記冷凍サイクル系統(10、11、13、14)の運転時に、前記可逆回転機械(10)に吸入される気相冷媒により冷却されるように配置されていることを特徴とする請求項12または13に記載の熱サイクル装置。
  15. 前記回転型流体機械は、冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10c)と、動力を受けて冷媒を圧縮する圧縮機(10b)とを備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  16. 前記制御装置(40)は、前記膨張機(10c)を作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる前に、前記圧縮機(10b)を作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項15に記載の熱サイクル装置。
  17. 前記制御装置(40)は、前記膨張機(10c)を作動させて前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)の運転を開始させる際に、同時に、前記圧縮機(10b)を作動させて前記冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする請求項15に記載の熱サイクル装置。
  18. 低圧の冷媒を蒸発させて低温側から熱を吸熱するとともに、蒸発した気相冷媒を圧縮して温度を上昇させて低温側から吸熱した熱を高温側に放熱させて、前記気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷凍サイクル(10、11、13、14)と、
    発熱体(20)の廃熱にて前記冷凍サイクル(10、11、13、14)の前記液相冷媒を加熱して気相冷媒を発生させる蒸気発生器(30)と、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)から前記液相冷媒を取り出す液相冷媒取出部(12、52)と前記蒸気発生器(30)とを接続する液相配管(31)と、前記液相配管(31)に配置され、前記液相冷媒を前記蒸気発生器(30)に送る液体ポンプ(32、300)と、前記気相冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10)と、前記膨張機(10)にて膨張を終えた前記気相冷媒を凝縮させる凝縮器(11)とを有するランキンサイクル(10、11、30、32、300)と、
    前記冷凍サイクル(10、11、13、14)および前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転状態を制御する制御手段(40)と、
    前記制御手段(40)からの信号により、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する場合と、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転する場合とを切り換える切換手段(35a、36)とを備え、
    前記制御手段(40)は、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転に際して、前記蒸気発生器(30)にて前記気相冷媒を発生させることなく前記冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転して前記気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷媒凝縮運転を行うことを特徴とする熱サイクル装置。
  19. 低圧の冷媒を蒸発させて低温側から熱を吸熱するとともに、蒸発した気相冷媒を圧縮して温度を上昇させて低温側から吸熱した熱を高温側に放熱させて、前記気相冷媒を凝縮させて液相冷媒にする冷凍サイクル(10、11、13、14)と、
    発熱体(20)の廃熱にて前記冷凍サイクル(10、11、13、14)の前記液相冷媒を加熱して気相冷媒を発生させる蒸気発生器(30)と、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)から前記液相冷媒を取り出す液相冷媒取出部(12、52)と前記蒸気発生器(30)とを接続する液相配管(31)と、前記液相配管(31)に配置され、前記液相冷媒を前記蒸気発生器(30)に送る液体ポンプ(32、300)と、前記気相冷媒を膨張させて動力を取り出す膨張機(10)と、前記膨張機(10)にて膨張を終えた前記気相冷媒を凝縮させる凝縮器(11)とを有するランキンサイクル(10、11、30、32、300)と、
    前記冷凍サイクル(10、11、13、14)および前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転状態を制御する制御手段(40)と、
    前記制御手段(40)からの信号により、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転する場合と、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転する場合とを切り換える切換手段(35a、36)とを備え、
    前記制御手段(40)は、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転した後に前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常か異常かを判定し、
    正常と判定した場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転を継続し、
    異常と判定した場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転を停止し、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)を運転して液相冷媒を回収する冷媒凝縮運転を行い、前記冷媒凝縮運転の後に、再度前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)を運転するようになっていることを特徴とする熱サイクル装置。
  20. 前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ上流側部位に配置され、冷媒の圧力を前記制御手段(40)へ出力する上流冷媒圧力センサ(42)と、
    前記液体ポンプ(32、300)の冷媒流れ下流側部位に配置され、冷媒の圧力を前記制御手段(40)へ出力する下流冷媒圧力センサ(43)とを備え、
    前記制御手段(40)は、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転時において、前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)から前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)を引いた値(P2−P1)が所定圧力値(P)よりも大きい場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常とし、
    前記下流冷媒圧力センサ(43)の検出圧力値(P2)から前記上流冷媒圧力センサ(42)の検出圧力値(P1)を引いた値(P2−P1)が前記所定圧力値(P)以下の場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定するようになっていることを特徴とする請求項19に記載の熱サイクル装置。
  21. 前記制御手段(40)は、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)運転時において、前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量より大きい場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が正常とし、
    前記液体ポンプ(32、300)の仕事量が所定仕事量以下の場合には、前記ランキンサイクル(10、11、30、32、300)の運転が異常と判定するようになっていることを特徴とする請求項19に記載の熱サイクル装置。
  22. 前記液体ポンプは、電気により作動する電動液体ポンプ(32)であり、
    前記仕事量は、前記電動液体ポンプ(32)が消費する電力量であることを特徴とする請求項21に記載の熱サイクル装置。
  23. 前記膨張機は、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)において前記気相冷媒を圧縮する圧縮機の機能を有する可逆回転機械(10)であり、
    前記可逆回転機械(10)は、前記液体ポンプ(32、300)と一体構造として構成されており、
    前記液体ポンプ(32、300)は、前記冷凍サイクル(10、11、13、14)の運転時に、前記可逆回転機械(10)に吸入される気相冷媒により冷却されるようになっていることを特徴とする請求項18ないし22のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  24. 前記冷凍サイクル(10、11、13、14)により空調された空気を送風する送風手段(14a)と、
    前記冷凍サイクルの運転を要求する運転要求手段(41)とを備え、
    前記制御手段(40)は、前記冷媒凝縮運転を行う場合に、前記運転要求手段(41)によって前記冷凍サイクル(10、11、13、14)の運転が要求されていないときは、前記送風手段(14a)を作動させないで前記冷媒凝縮運転を行うようになっていることを特徴とする請求項18ないし23のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  25. 前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで前記気相冷媒を凝縮する熱交換器であって、
    前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)を備え、
    前記制御手段(40)は、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間(T21)を決定するようになっており、
    前記継続時間(T21)は、前記外気温によって決定される時間であることを特徴とする請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  26. 前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)を備え、
    前記制御手段(40)は、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間を決定するようになっており、
    前記継続時間は、前記冷媒凝縮運転を開始してから前記センサ(46、47)の測定した物理が前記液体ポンプ(32)内部の前記冷媒の温度が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間であることを特徴とする請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  27. 前記凝縮器(11)は、外気と冷媒を熱交換することで前記気相冷媒を凝縮する熱交換器であって、
    前記外気の温度を測定する外気温センサ(45)と、
    前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度と相関を有する物理量を測定するセンサ(46、47)とを備え、
    前記制御手段(40)は、前記外気温によって前記液体ポンプ(32、300)内部の冷媒の温度が過冷却状態となる温度を決定し、さらに、前記冷媒凝縮運転を継続する継続時間を決定するようになっており、
    前記継続時間は、前記冷媒凝縮運転を開始してから前記センサ(46、47)の測定した物理が前記液体ポンプ(32)内部の冷媒の温度が過冷却状態となっていることを示す値になるまでの時間であることを特徴とする請求項18ないし24のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
  28. 前記物理量を測定するセンサは、前記液体ポンプのハウジングの温度を測定する温度センサ(46)であることを特徴とする請求項26または27に記載の熱サイクル装置。
  29. 前記冷凍サイクル(10、11、13、14)は、低圧冷媒を空気と熱交換させて前記低圧冷媒を蒸発させる蒸発器(14)を備え、
    前記物理量を測定するセンサは、前記蒸発器(14)通過直後の空気の温度を測定する温度センサ(47)であることを特徴とする請求項26または27に記載の熱サイクル装置。
  30. 前記ランキンサイクル系統(10、11、30、32、300)は、前記発熱体(20)の熱を前記蒸気発生器(30)へ供給する場合と前記発熱体(20)の熱を前記蒸気発生器(30)へ供給しない場合とを切り替える切替弁(21)を有し、
    前記制御装置(40)は、前記切替弁(21)の作動を制御する機能を兼ね備え、
    さらに、前記制御装置(40)は、前記冷媒凝縮運転時に、前記発熱体(20)の熱を前記蒸気発生器(30)へ供給しないように前記切替弁(21)を切り替えることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載の熱サイクル装置。
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