JP2012027972A - 抵抗変化型メモリデバイスおよびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1パストランジスタ(N01)が第1電圧V1の供給線とビット線BLの間に接続されており、第2パストランジスタ(N02)が第2電圧V2の供給線とソース線SLの間に接続されている。記憶素子(VRe)のセット動作時に第1パストランジスタをドレイン出力動作させ、リセット動作時に第2パストランジスタをソースフォロア動作させる。そのため、セット動作とリセット動作の切り換えが容易で、切り替えても大きな電圧または電流ストレスが記憶素子に印加されない。
【選択図】図10
Description
非特許文献2には、2つの電極間に導電性イオンの供給層と記憶層としての絶縁膜とを積層したメモリが開示されている。メモリセルは、記憶素子とアクセストランジスタとをアクティブマトリクス駆動可能な第1および第2共通線間に直列接続させて構成されている。
このようなメモリセルは、1つのトランジスタ(T)と1つの(可変)抵抗(R)を持つことから1T1R型の電流駆動方式メモリの一種であり、ReRAMと呼ばれる。
つまり、書き換えの頻度等の使用条件が異なれば、メモリセルにとって必要十分な書き換え電流・電圧ストレスも異なる。過剰な書き換え電流・電圧ストレスは、リークを増大させ、また、書き換え可能な回数を変動させる(低下させる)ため望ましくない。
言い換えると、ReRAMは、その時々に必要十分な書き換え電流・電圧ストレスを与えることを条件に、書き換え回数上限の保証と、データ保持特性の維持との両立が可能となる。
非特許文献1で提案されている手法では、アクセストランジスタのゲート電圧を調整して、記憶素子を高抵抗化あるいは低抵抗化するときに流す電流量を制御する。
図解されている書き込み線デコーダ200は、6つのNMOSトランジスタN1〜N6と、3つのインバータINV1〜INV3とを有する。
NMOSトランジスタN1とN2が直列接続されて、NMOSトランジスタN2のソースが接地されている。同様に、NMOSトランジスタN3とN4が直列接続されて、NMOSトランジスタN4のソースが接地されている。
NMOSトランジスタN1とN2の接続中点は、カラムスイッチとしてのNMOSトランジスタN5を介して書き込み線210に接続される。同様に、NMOSトランジスタN3とN4の接続中点は、カラムスイッチとしてのNMOSトランジスタN6を介して書き込み線220に接続される。
この制御により、書き込み電流IW1を流すときはNMOSトランジスタN1とN4がオン、NMOSトランジスタN2とN3がオフする。逆に、書き込み電流IW2を流すときはNMOSトランジスタN2とN3がオン、NMOSトランジスタN1とN4がオフする。
この発明では、ビット線にパストランジスタを配置し、そのパストランジスタのゲート電圧で書き込み電圧、消去電圧および電流を制御する方式を開示する。
この方式は、アクセストランジスタのゲート電圧を高くすることで低インピーダンス動作させ、代わりに定数(サイズ)の大きいパストランジスタのゲート電圧を制御する。このため、書き込み、消去の特性のばらつきを小さくできる利点がある。
特許文献1では、図1に示すNMOSトランジスタN1またはN3は、ドレインから入力される書き込み電流IWをソースから出力するため、トランジスタのドレイン電流の飽和特性を利用することになる。このため、NMOSトランジスタN1またはN3は電圧リミッタとして機能する。
これに対し、ReRAM等の他の抵抗変化型メモリでは、スピン注入メモリと比べ抵抗値変化が数桁に大きい。故に、ReRAM等の抵抗変化型メモリは、記憶素子の抵抗値が低抵抗から高抵抗に変化すると、ドレイン電流カーブの非飽和領域に動作点が遷移する。このため、高抵抗状態の記憶素子は、動作パルスの初期段階で動作点が遷移すると動作パルスが終了するまでの期間、大きな電圧ストレスに晒される。先に述べたように、特にReRAMは大きな電圧または電流ストレスで特性が変化しやすいため、この特許文献1に記載された書き込み電流反転制御をそのまま採用できない。
そして、本発明は、3線式メモリセルにおいて、セット動作とリセット動作の並行駆動に好適な駆動回路を有する抵抗変化型メモリと、その駆動方法を提供するものである。
前記メモリセルは、印加電圧の極性に応じて抵抗値が変化することでセット動作またはリセット動作がなされる記憶素子を含む。この記憶素子とアクセストランジスタとが、第1共通線と第2共通線との間に直列に接続されて、メモリセルが構成されている。
前記第1パストランジスタは、第1電圧を供給する第1供給線と前記第1共通線の間に接続されている。
前記第2パストランジスタは、第2電圧を供給する第2供給線と前記第1共通線との間に接続されている。
前記駆動回路は、前記記憶素子に対し、前記印加電圧をセット動作の向きで与えるときは前記第1パストランジスタをドレイン出力動作させる。また、前記駆動回路は、前記印加電圧をリセット動作の向きで与えるときは前記第2パストランジスタをソースフォロア動作させる。ソースフォロア動作とドレイン出力動作は、前記駆動回路が、前記第1および第2パストランジスタの各ゲート電圧と、前記第2共通線の電圧とを制御することで切り換えられる。
以上の構成は、アクセストランジスタが同時制御される複数のメモリセル配列において、メモリセルごとに、第1および第2共通線と、第1および第2パストランジスタを設けたアレイ構成に好適である。この場合、第1および第2共通線の共通線対ごと(言い換えると、メモリセルごと)に、第1および第2パストランジスタを有するため、当該メモリセル配列内の任意のメモリセルに対しセット動作とリセット動作の同時実行が可能となる。
また、本発明によれば、アクセストランジスタが同時制御される複数の3線式メモリセルにおいて、セット動作とリセット動作の並行駆動に好適な駆動方法を提供することができる。
1.第1の実施の形態:第1および第2パストランジスタがNMOS構成の実施形態である。
2.第2の実施の形態:第1および第2パストランジスタがPMOS構成の実施形態である。
[メモリセル構成]
図2(A)と図2(B)に、本発明の実施の形態に共通なメモリセルの等価回路図を示す。なお、図2(A)は書き込み電流、図2(B)は消去電流について、その向きを示すが、メモリセル構成自体は両図で共通する。
図2に図解するメモリセルMCは、「記憶素子」としての1つの可変抵抗素子Reと、1つのアクセストランジスタATとを有する。
可変抵抗素子Reの一端がソース線SLに接続され、他端がアクセストランジスタATのソースに接続され、アクセストランジスタATのドレインがビット線BLに、ゲートがワード線WLに、それぞれ接続されている。
なお、ビット線BLとソース線SLが図2では並行しているが、これに限らない。但し、後述するようにビット線BLとソース線SLは、同一の駆動回路によって電圧が制御されるため、ビット線BLとソース線SLを平行に配置することが望ましい。
本実施形態では、このようにメモリセルが第1共通線(ビット線BL)と、第2共通線(ソース線SL)と、アクセストランジスタATを制御する共通線(ワード線WL)との3つの線に接続された3線方式を前提とする。
図3に図解されているメモリセルMCにおいて、そのアクセストランジスタATが半導体基板100に形成されている。
ドレイン(D)はビット線コンタクトBLCを介して、第1配線層(1M)により形成されたビット線BLに接続されている。
可変抵抗素子Reを多層配線構造の何層目に形成するかは任意であるが、ここではおおよそ4〜5層目に可変抵抗素子Reが形成されている。
絶縁体膜102の材料としては、例えば、SiN,SiO2,Gd2O3等が挙げられる。
導体膜103の材料としては、例えば、Cu,Ag,Zr、Alから選ばれる1つ以上の金属元素を含有する金属膜、合金膜(例えばCuTe合金膜)、金属化合物膜等が挙げられる。なお、イオン化しやすい性質を有するならば、Cu,Ag,Zr,Al以外の金属元素を用いてもよい。また、Cu,Ag,Zr,Alの少なくとも一つと組み合わされる元素は、S,Se,Teのうちの少なくとも一つの元素であることが望ましい。導体膜103は、「導電性イオンの供給層」として形成されている。
なお、本実施形態においてソース線SLは、ビット線BLより上層の配線層で形成されている。ここでは、ビット線BLが第1層目の配線層(1M)で形成され、ソース線SLが4〜5層目の配線層で形成されている。ただし、ビット線BLとソース線SLが利用する配線層の上限関係は逆でもよいし、それぞれが何層目であるかも任意である。
図4は、一例として、窒化膜(SiN膜)104の開口部で下部電極101との接触面積が規制された絶縁体膜102がSiO2から形成され、導体膜103がCuTe合金ベースの合金化合物(Cu−Te based)から形成されている場合を示している。
すると、導体膜103に含まれるCu,Ag,Zr,Alが、イオン化して負極側に引き寄せられる性質を持つようになる。これら金属の導電性イオンが絶縁体膜102に注入される。そのため、絶縁体膜102の絶縁性が低下し、その低下とともに導電性を持つようになる。その結果、図4(A)に示す向きの書き込み電流Iwが流れる。この動作を書き込み(動作)またはセット(動作)という。
すると、絶縁体膜102に注入されていた導電性イオンが導体膜103に戻され、書き込み前の抵抗値が高い状態にリセットされる。この動作を消去(動作)またはリセット(動作)という。リセットでは、図4(B)に示す向きの消去電流Ieが流れる。
これに対し、どの状態(セットまたはリセット)をデータの書き込み状態とし、消去状態とするかは、任意に定義される。
ここで、図2に示す可変抵抗素子Reの回路シンボルの矢印は、通常、セット時(ここでは書き込み時)の電流と同じ向きとなっている。
但し、2値メモリ以外の3値以上の多値メモリに本発明を適用しても構わない。
なお、セット時に実際には、絶縁体膜102中の金属イオンの量によって、絶縁体膜102の抵抗値が変化していることから、絶縁体膜102を、データが記憶され保持される「記憶層」とみなすことができる。
図5に、抵抗変化型メモリデバイス(例えばICチップ)のブロック図を示す。
図解されている半導体メモリデバイスは、図2〜図4に示すメモリセルMCをマトリクス状に行(ロウ)方向にM個、列(カラム)方向にN個配置しているメモリセルアレイ1と、その周辺回路とを同一半導体チップに集積化したものである。ここで「N」と「M」は比較的大きな自然数であり、その具体的値は任意に設定される。
また、カラム方向に並ぶN個のメモリセルMCでアクセストランジスタATのドレインとソースの一方を共通接続するM本のビット線BL<0>〜BL<M−1>が、ロウ方向に所定間隔で配置されている。
同様に、カラム方向に並ぶN個のメモリセルMCで、アクセストランジスタATと反対側の可変抵抗素子Reの端部(電極)を共通接続するM本のソース線SL<0>〜SL<M−1>が、ロウ方向に所定間隔で配置されている。
メモリセルMCを接続する「第1共通線」としてのビット線BLと「第2共通線」としてのソース線SLが隣接して対で配線されている。以下、同じメモリセルMCに接続されたビット線BLとソース線SLを「共通線対」と呼ぶことがある。
セット・リセットドライバ10とセンスアンプ7により「カラム駆動回路」が構成される。カラム駆動回路は、本発明における「駆動回路」の主要部に相当する。なお、本発明における「駆動回路」は、セット・リセットドライバ10を含むがセンスアンプ7を含むことは必須でない。
プリデコーダ3は、入力されるアドレス信号をX系のロウアドレスと、Y系のカラムアドレスに分離する回路である。
ロウ駆動回路4は、X(アドレス)メインデコーダ、Y(アドレス)メインデコーダ、カラムスイッチ制御回路、および、ワード線(WL)ドライバを兼ねる回路である。
ロジックブロック16は、データ入出力やデータの退避やバッファリングを制御する制御系の論理回路部である。ロジックブロック16は、必要に応じてメモリセルアレイ1のカラムごとに書き込み禁止の制御を行う構成としてもよい。
なお、電源電圧から各種電圧を発生する回路、クロック信号の発生制御回路等は、図5において図示を省略している。
ロウ駆動回路4は、カラムスイッチ(CSW)の制御回路の機能を有し、その機能を実行する構成として、YSWドライバユニット6Aを複数有する。
ロウ駆動回路4は、WLドライバの機能を有し、その機能を実行する構成としてWLドライバユニット4Aをワード線数と同じN個有する。
Xセレクタ20、Yセレクタ30、YSWドライバユニット6AおよびWLドライバユニット4Aの具体的回路例は後述する。
Xアドレス信号(X0,X1,…)は、ロウ駆動回路4内のXセレクタ20に送られて、さらにデコードされ、その結果、WLドライバユニット4Aの選択信号としてXセレクト信号X_SEL<0>〜<N−1>を発生する。Xセレクト信号X_SEL<0>〜<N−1>は、N個のWLドライバユニット4Aのうち、対応するユニットに出力される。
Yアドレス信号(Y0,Y1,…)は、ロウ駆動回路4内のYセレクタ30に送られて、さらにデコードされ、その結果、YSWドライバユニット6Aの選択信号としてYセレクト信号Y_SELを発生する。Yセレクト信号Y_SELと、これを基にカラムスイッチ回路6を駆動するためのYSWドライバユニット6Aは、図5に示すカラムスイッチ回路6の構成により数や出力信号が異なる。
図5に図解するカラムスイッチ回路6は、共通線分離スイッチ部6Bと、放電スイッチ部6Cとを有する。
共通線分離スイッチ部6Bは、共通線対(BL<i>とSL<i>:i=0〜M−1)を1つ置きに選択するNMOSスイッチの集合である。共通線分離スイッチ部6Bにより、奇数番目のメモリカラム(メモリセルの列配列)と、偶数番目のメモリカラムが選択的にセット・リセットドライバ10に接続される。
一方、放電スイッチ部6Cは、共通線分離スイッチ部6Bと逆の動作を行う。
奇数番目のメモリカラムの共通線対がセット・リセットドライバ10に接続されているときは、偶数番目のメモリカラムの共通線対が放電スイッチ部6Cを介して接地電位に接続される。これとは逆に、偶数番目のメモリカラムの共通線対がセット・リセットドライバ10に接続されているときは、奇数番目のメモリカラムの共通線が放電スイッチ部6Cを介して接地電位に接続される。
セット・リセットドライバ10は、メモリセルアレイ1内の全メモリセル数の半数に対し、ワード線選択との協働で任意のメモリセルを選択駆動できる。
その場合、セット・リセットドライバ10は、メモリセルアレイ1内の全メモリセル数に対し、ワード線選択との協働で任意のメモリセルを選択駆動できる。動作速度の点では、全メモリセルへの任意アクセスが可能な共通線対ごとのドライバ配置が望ましい。共通線対ごとのドライバ配置について、その詳細回路例は後述する。
所定数のセット・リセットドライバ10に共通の制御電圧として、セットゲート電圧Vgsetを発生するセットゲート電圧発生回路12と、リセットゲート電圧Vgrstを発生するリセットゲート電圧発生回路13が、セット・リセットドライバ10に接続されている。セットゲート電圧発生回路12とリセットゲート電圧発生回路13は、セット・リセットドライバ10とともに、本発明における「駆動回路」に含まれる。
セットゲート電圧発生回路12とリセットゲート電圧発生回路13の具体的回路例は後述する。
(2)セットまたはリセット時にセット・リセットドライバ10、セットゲート電圧発生回路12およびリセットゲート電圧発生回路13を制御する。制御回路11は、この制御のための信号として、データ入力のイネーブル信号WENとビット線イコライズ信号BLEQを発生し、セット・リセットドライバ10に出力する。
(3)セットまたはリセット時と読み出し時に、プリデコーダ3とロウ駆動回路4とカラムスイッチ回路6を統括制御する。
(4)必要に応じて、ロジックブロック16を制御してデータ入出力やバッファリングを制御する。
I/Oバッファ9は、ロジックブロック16の制御により、外部からのデータを内部に取り込んで必要に応じてバッファリングする。バッファリング後のデータは、決められたタイミングで、セット・リセットドライバ10にセットまたはリセットの制御のために送出される。
また、I/Oバッファ9は、ロジックブロック16の制御により、セット・リセットドライバ10を経由してセンスアンプ7で読み出したデータをI/Oバッファ9を介して外部に排出する。
つぎに、Xセレクタ20、Yセレクタ30、WLドライバユニット4AおよびYSWドライバユニット6Aの回路例を説明する。
図6に図解されているXセレクタ20は、初段の4つのインバータINV0〜INV3、中段の4つのナンド回路NAND0〜NAND3、後段に接続されている他の4つのインバータINV4〜INV7から構成されている。
Xセレクタ20は、XアドレスビットX0,X1を入力し、そのデコード結果に応じて、Xセレクト信号X_SEL0〜X_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図6は2ビットデコードの例であるが、その入力されるXアドレス信号のビット数に応じて、図6の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図解されているYセレクタ30は、初段の4つのインバータINV8〜INV11、中段の4つのナンド回路NAND4〜NAND7、後段に接続されている他の4つのインバータINV12〜INV15から構成されている。
Yセレクタ30は、YアドレスビットY0,Y1を入力し、そのデコード結果に応じて、Yセレクト信号Y_SEL0〜Y_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図7は2ビットデコードの例であるが、その入力されるYアドレス信号のビット数に応じて、図7の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図解されているWLドライバユニット4Aは、WLドライバ4内にカラム方向のセル数(N−1)だけ設けられている。この(N−1)個のWLドライバユニット4Aは、図6に示すXセレクタ20等によって選択(活性化)された1つのXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1によって動作する。WLドライバユニット4Aは、Xセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1に応じた1本のワード線WL<0>またはワード線WL<1>を活性化する。
ナンド回路NAND8の一方入力にWL選択イネーブル信号WLENが入力され、他方入力にXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1が入力され、ナンド回路NAND8の出力がインバータINV16の入力に接続されている。インバータINV16の出力に接続されたワード線WL<0>またはワード線WL<1>が活性化または非活性となる。
図解されているYSWドライバユニット6Aは、ナンド回路NAND12と、その出力に接続されているインバータINV21とからなる。
ナンド回路NAND12の一方入力にYスイッチ・イネーブル信号YSWENが入力され、他方入力に図7に示すYセレクタ30により選択(活性化)された1つのYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1が入力される。
このYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1とYスイッチ・イネーブル信号YSWENがともに活性(ハイレベル)のときに、ナンド回路NAND12の出力がローレベルとなる。そのため、インバータINV21の出力に接続されたカラム選択信号YSW<0>またはYSW<1>が活性レベル(本例ではハイレベル)に遷移する。
図5に示すYSWドライバユニット6Aにおいて、カラムスイッチ回路6を制御するカラム選択の信号対(YSW_0,/YSW_0)が発生する。カラム選択の信号対(YSW_0,/YSW_0)は、図9と同じようなロジック構成のYSWドライバユニット6Aにより発生できる。
このカラム選択の信号対(YSW_0,/YSW_0)に基づいてカラムスイッチ回路6が動作することにより、共通線対(BL,SL)のセット・リセットドライバ10と接地電位に対する差動的な接続制御が可能となる。
つぎに、本実施形態の特徴的な構成であるセット・リセットドライバ10の詳細構成を説明する。
セット・リセットドライバ10は、メモリセルアレイ1とカラムスイッチ回路6を除く回路部分であり、図10では同じ構成のセット・リセットドライバ10が2つ分、示される。詳細は後述するが、この回路部が、同一ワード線に接続されたメモリセルの行配列内で任意のセルをセットしている最中に、他のセルをリセットすることができる構成となっている。
図10に示すカラムスイッチ回路6は、メモリカラムごとの5つのNMOSトランジスタ61,62,63,64,65から構成されている。
NMOSトランジスタ61は「第1共通線」としてのビット線BL<0>またはBL<1>の接続/遮断スイッチとして設けられている。NMOSトランジスタ62は、「第2共通線」としてのソース線SL<0>またはSL<1>の接続/遮断スイッチとして設けられている。NMOSトランジスタ61と62のゲートに、図5のYSWドライバユニット6A(詳細構成は図9)で発生したカラム選択信号YSW<0>またはYSW<1>が供給される。
この構成は、図5における共通線分離スイッチ部6Bと置き換え可能な回路部である。
NMOSトランジスタ64はビット線BLの放電スイッチであり、NMOSトランジスタ65はソース線SLの放電スイッチである。これらのスイッチは、図5の放電スイッチ部6Cを構成するトランジスタ群と等価な機能を果たす。
NMOSトランジスタ63が短絡スイッチとしてビット線BL<0>とソース線SL<0>との間、または、ビット線BL<1>とソース線SL<1>との間に接続されている。この追加的なスイッチにより、電荷イコライズが行われるため放電時間を短くできる。
5つのNMOSトランジスタ61〜65は、メモリカラムに共通なビット線イコライズ信号BLEQで制御される。ビット線イコライズ信号BLEQは、図5の制御回路11から与えられる。
メモリカラムごとのセット・リセットドライバ10は、4つのNMOSトランジスタ、2つのPMOSトランジスタ、2つのインバータおよび2つのナンド回路を有して構成される。
カラムごとのセット・リセットドライバ10の構成は同じなので、以下、図10の左側のセット・リセットドライバ10について回路素子の接続関係等を述べる。
本実施形態では、後述する「第1および第2パストランジスタ」がNMOS構成であるため、第1電圧V1が第2電圧V2より低い。この条件を満たして、メモリセルのセット、リセットが可能な電圧範囲ならば第1電圧V1と第2電圧V2は任意である。但し、図10の例では、第1電圧V1が基準電圧Vssであり、第2電圧V2が電源電圧Vddであるとする。
上記ノードN1と第2電圧V2(Vdd)の供給ノードとの間に、NMOSトランジスタN02と、PMOSトランジスタP02とが直列接続されている。NMOSトランジスタN02は、本発明における「第2パストランジスタ」に対応し、PMOSトランジスタP02は本発明における「第4制御トランジスタ」に対応する。
上記ノードN2と第2電圧V2(Vdd)の供給線との間に、PMOSトランジスタP01が接続されている。PMOSトランジスタP01は、本発明における「第1制御トランジスタ」に対応する。
ナンド回路NAND21およびNAND22の各第2入力に、データ入力のイネーブル信号WENが印加可能となっている。ナンド回路NAND21の第1入力にデータD<0>が供給され、ナンド回路NAND22の第1入力にデータD<0>の反転データ/D<0>が供給される。これらのデータは図5のI/Oバッファ9から与えられる。
ナンド回路NAND21の出力は、PMOSトランジスタP02のゲートを制御するとともに、インバータINV31を介してNMOSトランジスタN03のゲートを制御する。また、ナンド回路NAND22の出力は、PMOSトランジスタP01のゲートを制御するとともに、インバータINV32を介してNMOSトランジスタN04のゲートを制御する。
また、リセット動作時には、「第2パストランジスタ」としてのNMOSトランジスタN02のソース出力を、「第1共通線」であるビット線BL<0>に接続するようにすることで電圧制御するように動作する。
セット電流制御は、NMOSトランジスタN01のゲート電圧であるセットゲート電圧Vgsetで制御される。リセット電圧制御は、NMOSトランジスタN02のゲート電圧であるリセットゲート電圧Vgrstで制御される。
また、データDと反転データ/Dは、メモリカラムに任意の論理で与えられるため、同一ワード線に接続されたメモリセルの行配列内で、任意のメモリセルをリセットしている最中に他の任意のメモリセルをセット動作できる。
なお、この駆動回路動作は、後でさらに詳しく図を用いて説明する。
図11に、図5に示すセンスアンプ7の回路構成例を示す。
図10にも示すノードN1とN2に、図10のセット・リセットドライバ10とパラレルにセンスアンプ7(図11)が接続されている。なお、センスアンプ数は、最低でも、メモリセルの行配列内においてパラレルに読み出すデータビット数と同じ数あればよく、必ずしもメモリカラムごとに存在する必要はない。
センスアンプ7において、ビット線BLとの接続が制御されるノードN1と、電源電圧Vddの供給線との間にNMOSトランジスタ71と73、さらにPMOSトランジスタ74が直列接続されている。また、ソース線SLとの接続が制御されるノードN2と基準電圧Vssの供給線との間に、NMOSトランジスタ72が接続されている。
NMOSトランジスタ71と72がセンスアンプ接続制御を行うスイッチとして機能し、NMOSトランジスタ73がクランプトランジスタとして機能し、PMOSトランジスタ74が負荷MOSダイオードとして機能する。
PMOSトランジスタ74のソースが電源電圧Vddの供給線に接続され、そのドレインとゲートが、差動アンプ75の非反転入力「+」に接続されている。差動アンプ75の反転入力「−」には、図5の制御回路11から与えられる参照電位VREFが印加される。差動アンプ75の非反転入力「+」がセンスノードNsである。
SAイネーブル信号SAENが非活性の「L」レベルのときはセンスノードNsがダイオード接続されたPMOSトランジスタ74によりプルアップされ、その電位が比較基準である参照電位VREFより高いため、差動アンプ75の出力Doutも「H」レベルにある。
クランプ電圧Vclampは、所望のビット線クランプ電圧(VR)に、ソースゲート電圧Vgsを加えた電圧に予め制御される。そのため、ビット線クランプ電圧(VR)は比較的低い電圧である。SAイネーブル信号SAENは、読み出し対象でない非選択のビット線におけるセンスアンプ接続制御スイッチにも同時に印加されるため、このクランプ手段がないと、ビット線電位が高くなって非選択メモリセルの可変抵抗素子に電圧ストレスを与える読み出しディスターブが発生する。NMOSトランジスタ73によるBL電位のクランプは、この読み出しディスターブ対策のためである。
メモリセルの可変抵抗素子Reが低抵抗状態の場合に、センスノード電位が参照電位VREFより下がるため、差動アンプ75の出力Doutが反転する。差動アンプ75の出力Doutが反転しない場合はメモリセル抵抗が高いことを示す。
図12は、図10と同じ回路図であり、動作における電流経路を示すための図である。図13に動作波形図を示す。
図12において、図10と同一符号は同じ構成と接続関係を有することを表している。但し、図12の右側のセット・リセットドライバ10における第1パストランジスタに相当するNMOSトランジスタN11と、第2パストランジスタに相当するNMOSトランジスタN12は、左側と、参照符号の数字の二桁目が「0」から「1」に変えてある。
また、共通線対(BL,SL)は、ビット線イコライズ信号BLEQにより基準電圧Vssにイコライズされている。
このとき、NMOSトランジスタ61と62がオン状態で、当該メモリカラムが選択されている場合、ノードN1がビット線BL<0>に接続され、ノードN2がソース線SL<0>に接続されている。
ここで、アクセストランジスタATは単なるスイッチであるため、オン状態のアクセストランジスタATはセット動作、リセット動作の両方で低インピーダンス素子とみなしてよい。
したがって、ワード線WLは、例えば電源電圧Vddと同じ大きさの電圧振幅で電位が立ち上がる。電源電圧Vddと同じ振幅以外のアナログ電圧がドライブされているノードは、セットゲート電圧Vgsetが印加されるトランジスタのゲート、リセットゲート電圧Vgrstが印加されるトランジスタのゲートのみである。
図12に示すナンド回路NAND21の第1入力にデータD<0>が与えられ、ナンド回路NAND22の第1入力に、反転データ/D<0>が与えられているとする。
ここで、「D<0>=L」「/D<0>=H」がセット動作のデータ論理であり、逆に、「D<0>=H」「/D<0>=L」がリセット動作のデータ論理である。
リセットゲート電圧Vgrstおよびセットゲート電圧Vgsetは、それぞれの動作に適した許可電圧に制御されている(図13(D))
すると、反転データ/D<1>(=H)を入力する図12の右側構成において、ナンド回路NAND22の出力が「H」から「L」となって、PMOSトランジスタP01とNMOSトランジスタN04がオンする。このとき、データD<1>(=L)を入力するナンド回路NAND21は、その出力による制御トランジスタをオンさせない。
このため、図12の右側構成では、ソース線SL<1>に第2電圧(=Vdd)が印加され、ビット線BL<1>に第1電圧(=VssまたはGND電圧)が印加される(図13(F3),(F4))。
その結果、図12の向きにセット電流Isetが流れ、メモリセルMC<1>に対してセット動作(例えば低抵抗化)が行われる。
より詳細に、データ入力のイネーブル信号WENのパルスが立ち上がると、データ/D<0>(=H)を入力する図12の左側構成において、ナンド回路NAND21の出力が「H」から「L」となって、PMOSトランジスタP02とNMOSトランジスタN03がオンする。このとき、反転データD<0>(=L)を入力するナンド回路NAND22は、その出力による制御トランジスタをオンさせない。
このため、図12の左側構成では、ソース線SL<0>に第1電圧(=VssまたはGND電圧)が印加され、ビット線BL<1>に第2電圧(=Vdd)が印加される(図13(F1),(F2))。
その結果、セット側と逆向きのリセット電流Iresetが流れ、メモリセルMC<0>に対してリセット動作(例えば高抵抗化)が行われる。
その後、時間T2にて、ワード線WLの電位を立ちさげ、ビット線イコライズ信号BLEQによる共通線対の接地とイコライズ動作を再度行い、動作は完了する(図13(A1),(C))。
そのため、セット動作がなされるビット線BL<1>の電圧は、基準電圧Vssとなる(図13(F3))。その理由については、次の負荷曲線を用いた説明に委ねる。
なお、図13の動作波形図のようにセットとリセットの動作は同期していることが望ましいが、非同期または同期しているが一部重複して実行してもよい。このような動作が可能なように図10の駆動回路が構成されている。
つぎに、セット動作時に電流制御したときのメモリセルにかかる電圧を、負荷曲線を用いて説明する。
図14に、セット動作時の等価回路を示す。
このときアクセストランジスタATは十分低インピーダンスで動作しているため無視できると仮定する。
メモリセルが高抵抗状態HRSであるため、電流制御パストランジスタは線形領域動作し、カレントミラーが機能しなくなる。
このとき、パストランジスタの線形抵抗(=Rmos)とメモリセル抵抗(=Rcell)の分圧で決まる次式の電圧が印加される。
V(cell)=Vdd×Rcell/(Rcell+Rmos)
セット動作の終了後は、メモリセルが低抵抗状態LRSとなる。このときNMOSのドレイン電流カーブの飽和特性によって電流リミッタがかかり、メモリセルに流れる電流がセット電流Isetに制限される。このときメモリセルに印加される電圧は「Iset×Rcell(メモリセル抵抗)」に制限されている。
セット動作において、動作開始前では共通線対(BL,SL)が基準電圧(例えば接地電圧)に放電される状態であることから、高抵抗状態HRSのメモリセルに電圧ストレスがかからない。
接地解除(図13(C)のBLEQパルスの立ち下がり)後に、セット動作開始のトリガ(図13(E)のWENパルスの立ち上がり)がかかると、セット動作が開始される。
しかし、この電圧ストレスの印加時間は遷移的な極短い時間でしかないため、メモリセル特性に支障はなく信頼性の低下もない。
この反転動作では、動作点がNMOSトランジスタのドレイン飽和特性に沿って移動し、飽和領域に入り流れる電流が制限される。この低抵抗状態LRSに反転後の電流はセット電流Isetであり、図15(B)のように、「Rcell×Iset」といった比較的小さい電圧が可変抵抗素子の両端に印加されるが、この程度の電圧は電圧ストレスとならない。よって、セット動作への反転後もメモリセルの可変抵抗素子の信頼性確保が保証される。
つぎに、リセット動作時に電圧制御したときのメモリセルにかかる電圧を、負荷曲線を用いて説明する。
図16に、セット動作時の等価回路を示す。
このときアクセストランジスタATは十分低インピーダンスで動作しているため、電圧降下が無視できると仮定する。
NMOSトランジスタ(第2パストランジスタ)はソースフォロア動作するため、ソースゲート電圧Vgsに対して電流が増加するような負荷直線になる。
つまり、第1パストランジスタの線形抵抗(=Rmos)とメモリセル抵抗(=Rcell)の分圧で決まる、以下の式の電圧V(cell)がメモリセルに印加される。
V(cell)=(Vgrst−Vgs)×Rcell/(Rcell+Rmos)
リセット動作の終了後は、メモリセルが高抵抗状態HRSとなる。このとき第2パストランジスタは、ソース電位の上昇が制限され電圧リミッタとして働く。その結果、メモリセルに印加される電圧V(cell)は、図17(A)と同じ式で表され(図17(B)参照)、その大きさは、最大でもリセットゲート電圧Vgrst−Vgs未満に制限されている。
リセットゲート電圧Vgrstは、通常、電源電圧Vddの数分の1程度であり、さらにソースゲート電圧分下がった電圧ストレスがかかっても素子の動作信頼性に支障を与えない。
リセット動作において、動作開始前では共通線対(BL,SL)が基準電圧(例えば接地電圧)に放電される状態であることから、低抵抗状態LRSのメモリセルに電圧ストレスがかからない。
接地解除(図13(C)のBLEQパルスの立ち下がり)後に、セット動作開始のトリガ(図13(E)のWENパルスの立ち上がり)がかかると、リセット動作が開始される。
しかし、この電流ストレスの印加時間は遷移的な極短い時間でしかないため、メモリセル特性に支障はなく信頼性の低下もない。また、この電流ストレスは低抵抗状態LRSから高抵抗状態HRSに反転動作するときのトリガとして必要なため、電流駆動の可変抵抗素子としては想定内のストレスである。
この反転動作では、動作点がビット線電位の高い側に遷移するが、ビット線電位の上限が、第2パストランジスタのゲート印加電圧で制御でき、しかも、電源電圧Vddより十分小さい電圧とすることができる。この電圧印加は、素子の信頼性を損なうような電圧ストレスとならない。よって、リセット動作への反転後もメモリセルの可変抵抗素子の信頼性確保が保証される。
図解されたセットゲート電圧発生回路12は、定電流源121とNMOSトランジスタ122とを電源電圧Vddの供給線と接地電圧の供給線との間に直列接続し、NMOSトランジスタのドレインとゲートを共通化して第1パストランジスタのゲートに与えている。
これにより、セット電流Isetを定電流源121に設定すると、ミラー電流として流れる低抵抗化後の電流Imosをセット電流Isetとすることができる。定電流源121の設定電流を調整すると、メモリセルに流す電流や電圧を調整することができる。
一方、図10等に示すセット・リセットドライバ10のカラムごとの構成もメモリセルの配置密度を制限してしまう要因にならない。
なお、セット・リセットドライバ10を2つの行方向あるいは列方向の2つのメモリカラムで共有する構成を採用することも可能である。
つぎに、比較例を説明する。
図1に示す背景技術の電流切り換え動作は、セット動作,リセット動作がともに、NMOSトランジスタのドレインからソースに抜ける電流を与え、これをメモリセルに流す構成である。
この動作は、トランジスタのドレイン電流飽和特性に律速される点で、本実施形態で図14〜図16に示したドレイン出力動作と等価とみなせる。
そこで、以下の比較例では、リセット動作をドレイン出力で行う場合を説明し、その不利益を述べる。この不利益がないことが本発明の背景技術に対する効果である。
図18において、1T1R型メモリセルの中間ノードを符号Vmにより示し、メモリセルにかかる電位差をV(cell)とする。
リセット動作なので、初期状態は低抵抗状態LRSで、動作点はIcell=Imosとなるポイントになる。
メモリセルは低抵抗状態LRSであるが、電流リミッタによりIrst制御され、メモリセルに印加される電圧は「Irst×Rcell(メモリセル抵抗)」に制限されている。
メモリセルが高抵抗状態HRSになるため、電流制御のためのパストランジスタは線形領域で動作し、カレントミラーが機能しなくなる。
その結果、パストランジスタの線形抵抗(=Rmos)とメモリセル抵抗(=Rcell)の分圧で決まる電圧(図19(B)に示す式の電圧)がメモリセルにかかるようになる。その電圧はほとんどVdd−Vgsに等しい。
Vdd−Vgsはメモリセルにとって過大な電圧ストレスである場合がある。
ある一定のリセットパルスを印加した際、非常に早いタイミングでリセット動作が発生した場合、その発生からパルス終了までの長時間、強い電圧ストレスがかかってしまう。その結果、この動作を何度も繰り返している間に、メモリセル特性を大きく劣化させてしまうおそれがある。
また、本実施形態によれば、図1のように同じ電流発生回路からの電流の向きを切り替えて、セットとリセット動作を制御する駆動回路に比べて、メモリセルの特性を劣化させにくいという大きな利益が得られる。
図20に、第1の実施形態の図10に対応した本実施形態に関わる回路図を示す。図20では、図10と同じ機能の回路素子は同一符号を付している。
但し、同じ符号でも一部の素子で構成が異なる。具体的には、セット・リセットドライバ10を構成する第1および第2パストランジスタ、第1〜第4制御トランジスタは、参照しやすいように図10と同一符号を付しているが、チャネルの導電型が逆となっている。つまり、図10に示すセット・リセットドライバ10内のNMOSトランジスタは、図20では符号が同じであるものの、PMOSトランジスタとなっている。逆に、図10に示すセット・リセットドライバ10内のPMOSトランジスタは、図20では符号が同じであるものの、NMOSトランジスタとなっている。
一般に、読み出し回路が接続される共通線をビット線と呼び、そのため、ビット線は、ソース線に比べて電圧変化幅が大きく、電圧変化回数が多い。したがって、そのような電圧変化から可変抵抗素子を保護するために、非選択時にはオフされるアクセストランジスタATがビット線側に設けられる。但し、このような共通線からの電位変動の影響を考慮しない場合は、第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、「第1共通線」をビット線と定義することも可能である。
具体的に、第2の実施形態における「第1電圧」はハイレベルの電圧、例えば電源電圧Vddであり、「第2の電圧」はローレベルの電圧、例えば基準電圧Vssである。
ここで、第1パストランジスタ(N01:図20)が、図14のNMOSから図21ではPMOSに変更されている。また、第1電圧V1が電源電圧Vddとハイレベルの電圧となっている。さらに、図21では、セットゲート電圧発生回路12の構成が図14と異なる。
図21に示すセットゲート電圧発生回路12はメモリセルへ電流を流し込む回路なので、共通線(ここではSL、図14ではBL)の電位に対するMOSドレイン曲線と負荷直線が、図14の場合と逆になる。
このときアクセストランジスタATは十分低インピーダンスで動作しているため無視できると仮定する。
この図22(A)を、第1の実施形態に関わる図15(A)と比較すると、パストランジスタが接続された「第1共通線」をビット線BLからソース線SLに変更している。また、電流をメモリセルに流しこむ駆動方式に変更されたことに伴って、第1共通線電位(ここではSL電位)の大小の向きに対するMOSトランジスタのドレイン飽和特性カーブと負荷直線が共に逆転している。
但し、MOSトランジスタの線形領域に動作点が位置し、大きな電圧ストレスが可変抵抗素子に加わるが、状態遷移時の短い時間における過渡的な電圧印加であること自体は、第1の実施形態で説明したとおりである。
この図22(B)は、第1の実施形態に関わる図15(B)と対応するが、共通線電位の大小の向きに対する特性曲線と負荷直線が、図15(B)と反転している。
但し、セット動作後は電圧ストレスが緩和され、飽和特性を利用した電流リミッタによる過大な電流ストレスがかからない点では、第1の実施形態と同じである。
ここで、第2パストランジスタ(N02:図20)が、図14のNMOSから図23ではPMOSに変更されている。また、第2電圧V2が基準電圧Vssとローレベルの電圧となっている。
アクセストランジスタATは十分低インピーダンスで動作しているため無視できると仮定する。
なお、電流をメモリセルから第2パストランジスタで抜き出す駆動方式に変更されたことに伴って、第1の実施形態に関わる図17(A)と比較すると、セル電流Icellと電流Imosの関係が逆転している。
但し、図24(A)に示す比較的大きな電流ストレスは過渡的なものであって、抵抗変化のトリガとして必要なものなので、特性劣化につながるようなストレスでないことは第1の実施形態と同じである。
リセット後は電流ストレスが緩和される一方で、電圧ストレスは大きくなる。しかし、この電圧ストレスは第2パストランジスタのゲートに印加されるリセットゲート電圧Vgrstによるリミッタがかかる。しかも、この電圧は、リセットゲート電圧Vgrstからソースゲート電圧Vgs下がった電圧であり、電源電圧の数分の1と小さい電圧ストレスであるため、特性劣化につながる電圧ストレスとならない。この点では、図17(B)に示す第1の実施形態の場合と共通する。
なお、図10,図20に示すセット・リセットドライバ10の構成は一例であり、第1または第2共通線に、第1パストランジスタを介して第1供給線を接続し、第2パストランジスタを介して第1電圧と異なる第2電圧の共通線(第2供給線)を接続するものであればよい。
この構成によって、セット動作の一方をドレイン出力動作とし、他方をソースフォロア動作として、かつ、両動作の切り換えが容易に行える駆動回路が実現できる。
これらの場合、「記憶素子は、第1または第2パストランジスタのセット時とリセット時の動作点が当該第1または第2パストランジスタの飽和領域と非飽和領域間を遷移するほど大きく抵抗値が変化する可変抵抗変化素子である」ことが望ましい。
カルコゲナイト母材からなる金属イオンの移動によって抵抗が変化する導電性メモリ(ARAMを含む)に、本発明が適用可能である。
遷移金属酸化膜からなり、その中の酸素イオンの移動に伴って抵抗が変化するメモリに、本発明が適用可能である。
MRAM(SpinRAMを含む)などの磁性材料を利用して抵抗が変化するメモリに、本発明が適用可能である。
また、他の観点の分類では、印加電圧の極性を反転して抵抗変化させるバイポーラ型のメモリ(ReRAM、MRAM(SpinRAMを含む)、その他のメモリ)に、本発明は広く適用可能である。
その他、抵抗変化のメカニズムが以上に挙げたメモリと異なる場合でも、本発明の効果(ストレス緩和)が得られるほど抵抗変化が大きいメモリには全て、本発明が適用可能である。
Claims (19)
- 印加電圧の極性に応じて抵抗値が変化することでセット動作またはリセット動作がなされる記憶素子と、アクセストランジスタとが、第1共通線と第2共通線との間に直列接続させているメモリセルと、
第1電圧を供給する第1供給線と前記第1共通線との間に接続される第1パストランジスタと、
第2電圧を供給する第2供給線と前記第1共通線との間に接続される第2パストランジスタと、
前記記憶素子に対し、前記印加電圧をセット動作の向きで与えるときは前記第1パストランジスタがドレイン出力動作し、前記印加電圧をリセット動作の向きで与えるときは前記第2パストランジスタがソースフォロア動作するように、前記第1および第2パストランジスタの各ゲート電圧と、前記第2共通線の電圧とを制御する駆動回路と、
を有する抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記記憶素子は、前記第1または第2パストランジスタのセット時とリセット時の動作点が当該第1または第2パストランジスタの飽和領域と非飽和領域間を遷移するほど大きく抵抗値が変化する可変抵抗変化素子である
請求項1に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記アクセストランジスタが同時制御される複数の前記メモリセルを有し、
前記複数のメモリセルの配列内で、前記第1共通線と前記第2共通線との共通線対がメモリセルごとに配線され、
前記駆動回路は、前記第1および第2パストランジスタの各ゲート電圧と、前記第2共通線の電圧との制御を、前記共通線対ごとに独立して実行可能な構成を含む
請求項2記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、前記複数のメモリセルの配列内で、前記記憶素子のセット動作と、他の記憶素子のリセット動作を同じまたは重複した期間に実行することが可能な構成を含む
請求項3記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路内の前記第1および第2パストランジスタは第1導電型の絶縁ゲートトランジスタである
請求項3または4記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記第2電圧が前記第1電圧より高い
請求項5記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、
前記セット動作時に、前記第1電圧より高い電圧または前記第2電圧を前記第2共通線に印加する第2導電型の第1制御トランジスタと、
前記リセット動作時に、前記第2電圧より低い電圧または前記第1電圧を前記第2共通線に印加する第1導電型の第2制御トランジスタと、
を含む請求項6記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、
ソースに前記第1供給線が接続される第1導電型の前記第1パストランジスタと、
前記第1パストランジスタのドレインと前記第1共通線との間に接続される第1導電型の第3制御トランジスタと、
ドレインに前記第1共通線が接続される第1導電型の前記第2パストランジスタと、
前記第2パストランジスタのソースと前記第2供給線との間に接続される第2導電型の第4制御トランジスタと、
前記第1および第3制御トランジスタの組と、前記第2および第4トランジスタの組とを、入力データの論理に応じて差動で動作させるデータ入力部と、
を更に含む請求項7記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路内の前記第1および第2パストランジスタは第2導電型の絶縁ゲートトランジスタである
請求項3または4記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記第1電圧が前記第2電圧より高い
請求項9記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、
前記セット動作時に、前記第1電圧より低い電圧または前記第2電圧を前記第2共通線に印加する第1導電型の第1制御トランジスタと、
前記リセット動作時に、前記第2電圧より高い電圧または前記第1電圧を前記第2共通線に印加する第2導電型の第2制御トランジスタと、
を含む請求項10記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、
ソースに前記第1供給線が接続される第2導電型の前記第1パストランジスタと、
前記第1パストランジスタのドレインと前記第1共通線との間に接続される第2導電型の第3制御トランジスタと、
ドレインに前記第1共通線が接続される第2導電型の前記第2パストランジスタと、
前記第2パストランジスタのソースと前記第2供給線との間に接続される第1導電型の第4制御トランジスタと、
前記第1および第3制御トランジスタの組と、前記第2および第4トランジスタの組とを、入力データの論理に応じて差動で動作させるデータ入力部と、
を更に含む請求項11記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記セット動作は前記記憶素子の低抵抗化動作であり、前記リセット動作は前記記憶素子の高抵抗化動作である
請求項6または10記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記メモリセルは、2つの電極間に、
導電性イオンの供給層と、
当該導電性イオンの供給層に接し、前記2つの電極間の印加電圧の極性に応じて、前記導電性イオンの供給層から前記導電性イオンが注入され、あるいは、注入された導電性イオンが前記供給層へ戻される抵抗変化層と
を有する抵抗変化型メモリセルである
請求項1〜13の何れか記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記セット動作または前記リセット動作において、前記アクセストランジスタのゲートに、当該アクセストランジスタをオン可能な一定電圧が印加される
請求項1〜13の何れか記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 印加電圧の極性に応じて抵抗値が変化することでセット動作またはリセット動作がなされる記憶素子と、アクセストランジスタとが、第1共通線と第2共通線との間に直列接続させているメモリセルの駆動において、前記第1共通線の駆動経路として、第1パストランジスタを有する経路と第2パストランジスタを有する経路とを設け、
前記印加電圧をセット動作の向きで与えるときは前記第1パストランジスタがドレイン出力動作し、前記印加電圧をリセット動作の向きで与えるときは前記第2パストランジスタがソースフォロア動作するように、前記第1および第2パストランジスタの各ゲート電圧と、前記第2共通線の電圧とを制御する
抵抗変化型メモリデバイスの駆動方法。 - 前記記憶素子として、前記第1または第2パストランジスタのセット時とリセット時の動作点が当該第1または第2パストランジスタの飽和領域と非飽和領域間を遷移するほど大きく抵抗値が変化する可変抵抗変化素子を用いる
請求項16記載の抵抗変化型メモリデバイスの駆動方法。 - 前記第1パストランジスタがドレイン出力動作を行うときは前記第2パストランジスタを介した前記第1共通線への前記第2電圧の供給を遮断し、前記第2パストランジスタがソースフォロア動作を行うときは前記第1パストランジスタを介した前記第1共通線への前記第1電圧の供給を遮断するとともに、前記記憶素子にセット動作またはリセット動作が可能な電圧を印加するために、前記第2共通線の電圧を切り替える
請求項16記載の抵抗変化型メモリデバイスの駆動方法。 - 前記メモリセルがマトリクス配置されたメモリセルアレイに対し、前記アクセストランジスタが同時制御されるメモリセル配列内の1以上の記憶素子をセット動作する期間と同じまたは重複した期間で、同じメモリセル配列内の他の1以上の記憶素子をリセット動作する
請求項16〜18の何れか記載の不揮発性メモリデバイスの駆動方法。
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