JP5521612B2 - 不揮発性半導体メモリデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、2つの電極間の電荷放電速度が、記憶された情報の論理に応じて異なる可変セル抵抗Rcellを有する不揮発性半導体メモリデバイスに関する。
ビット線にプリチャージ電圧を印加し、その放電速度の違いを読み出す不揮発性メモリデバイスが知られている。
かかる読み出し方法が適用可能な不揮発性半導体メモリデバイスの代表的なものとして、(フラッシュ)EEPRPMが存在する。
一方で、FG型の(フラッシュ)EEPROMを置き換えるために、データ書き換えが高速な不揮発性メモリデバイスとして、抵抗変化型メモリデバイスが注目されている。
抵抗変化型メモリデバイスとして、可変セル抵抗Rcell内の導電膜に導電性イオンを入出力させたときの抵抗変化を記憶状態に対応させる、いわゆるReRAMが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
ReRAMの書き換え特性、保持特性等の信頼性を保証するため、更には多値メモリへの応用のため、一般的なフラッシュメモリ等と同様、書き込み、消去時にヴェリファイ読み出しする方式が検討されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
一般的なフラッシュメモリのヴェリファイ読み出し時の電流制御は、読み出し電流(センス電流)をほぼ一定にするため、メモリトランジスタのゲート電位を変えることによって、異なる閾値をヴェリファイする。この動作方式のメリットは動作電流が一定であるため、センスタイミング、センスノードの負荷等がヴェリファイする閾値にほとんど依存しない点である。
特開2002−260377号公報 特開2005−510005号公報 特開2004−164766号公報
K. Aratani, etc. "A Novel Resistance Memory with High Scalability and Nanosecondスイッチing", Technical Digest IEDM 2007, pp.783−786
しかし、ReRAMにはフラッシュメモリとは違う制約がある。
ReRAMの可変セル抵抗Rcellは2端子しかない。つまり、フラッシュメモリでいうソース端子、ドレイン端子と同様に電流が流れる2端子のみでゲート端子がない。ここで、ヴェリファイ時に異なる抵抗値を読み出す場合、読み出し時にReRAMに印加するプリチャージ電圧(=VR)を一定、ReRAMの可変セル抵抗Rcellの抵抗(セル抵抗)をRcellとする。すると、読み出し電流は(VR/Rcell)となる。これはセル抵抗Rcellが変われば読み出し電流が変わることを意味する。
ReRAMの場合、セル抵抗Rcellは記憶情報の論理に応じて数桁異なるので、以上の理由から、高速にヴェリファイ読み出しを行おうとすると、以下のようにセンスタイミングの制御が不可欠になる。
具体的に、ビット線電位(以下、BL電位)を可変セル抵抗Rcellによる放電によって低下させてヴェリファイ読み出しする際に、センスする抵抗が高抵抗である場合は、消去ヴェリファイ時のBL電位の放電が低速であるため、センスタイミングを遅くする必要がある。一方、センスする抵抗が低抵抗の場合は、書き込みヴェリファイ時のBL電位の放電が高速であるため、センスタイミングを早くする必要がある。この書き込みヴェリファイ時にセンスタイミングが遅くなるとBL電荷が消失してしまい正常なセンス動作ができなくなってしまう。
このように読み出そうとする情報の論理に応じて最適なセンスタイミングが異なることは、ReRAMに限らない。つまり、メモリトランジスタのゲート電圧制御を行わないで、ダイナミック放電読み出しでセル電流の大小を読み出す方式であるならば、フラッシュEEPROMなど、抵抗変化型メモリ以外の不揮発性メモリデバイスでも、最適なセンスタイミングのずれが生じる。
以下、このようなプリチャージ電荷の放電速度を、放電電流をほぼ一定とするように(トランジスタゲート電圧等で)規制しないで、そのまま読み出す方法を“ダイナミックリード”と呼ぶ。これに対し、放電電流をほぼ一定として読み出す方法を“スタティックリード”と呼ぶ。
ダイナミックリードとスタティックリードは、名称は別として、ReRAMに限らず不揮発性メモリの読み出し方式として知られ、通常、そのどちらか一方が用いられる。例えばReRAMの例に関し、前記特許文献1および2がダイナミックリード、前記特許文献3がスタティックリードを開示している。
スタティックリードのスタティックセンス方式は一般的にスタティックな安定電圧をセンスするため、読み出しタイミングが遅くなればなるほど高精度に読み出しができるメリットがある。
しかし、スタティックセンス方式では、そのセンス動作前のプリチャージ動作が必要な点や、電流負荷自体のセットアップが必要な点でダイナミックセンスほど高速に動作できない。
これに対しダイナミックセンス方式は、センス動作直前に再度プリチャージする必要がなく高速読み出しに適している。
その一方で、ダイナミックセンス方式は、高精度な読み出しができず誤動作マージンが狭いためタイミング設定が難しい。このタイミング設定の難しさは、読み出し対象の可変セル抵抗Rcellの抵抗変化の精度が高いときにしかダイナミックリードを適用できないことを意味する。
このようにダイナミックリードとスタティックリードは一長一短を有し、その両方の長所を生かし、ある程度高速でしかも比較的高い読み出し精度をもつ回路構成の不揮発性半導体メモリが望まれている。
本発明は、高速性と読み出し精度を満足可能な不揮発性半導体メモリデバイスを提供するものである。
本発明に関わる不揮発性半導体メモリデバイスは、2つの電極間の抵抗値が、記憶された情報の論理値に応じて可逆的に変化する2端子の記憶素子と、前記記憶素子の一方の電極に接続されたセル配線と、前記セル配線に接続されたセンスノードを有し、該センスノードの電位を、参照電位を基準として読み出すセンスアンプと、前記記憶素子を介して前記セル配線を放電または充電させたときの前記センスノードの電位の読み出しを、該センスノードに電流負荷を非接続とした状態で行うダイナミックセンス動作と、前記センスノードに前記電流負荷を接続した状態で前記読み出しを行うスタティックセンス動作とを切り替え可能な読み出し制御回路と、を有する
以上の構成によれば、例えば、あまり高い読み出し精度が不要なときはダイナミックセンス動作のみで記憶素子に記憶された情報の論理を読み出すように読み出し制御回路がセンスアンプを制御する。
一方、高い読み出し精度が要求されるときはスタティックセンス動作のみで記憶素子に記憶された情報の論理を読み出すように読み出し制御回路がセンスアンプを制御する。
さらに、高い読み出し精度が必要だが高速な読み出しを行うときは、例えばリード動作開始時にはダイナミックセンス動作と同様に電流負荷を切り離した状態でセル配線を高速に放電させる。高速充放電がある程度行われたら、セル配線の電位がセンスアンプのリードに十分でなくとも、その途中の段階でスタティックセンス動作と同様に電流負荷をセンスノードに繋げる。すると、セル配線の電位は可変セル抵抗Rcellの等価抵抗値に応じた電位に安定的に、かつ急速に変化することから、センスアンプのリードに十分な電位までセル配線電位が変化となる。そこでセンスアンプを起動することで、比較的高速でありながら安定的なセンシングが可能となる。
本発明によれば、高速性と読み出し精度を満足可能な不揮発性半導体メモリデバイスを提供することが可能となる。
第1〜第4の実施の形態ならびに変形例に共通なメモリセルの等価回路図である。 隣接する2つのメモリセル部分のデバイス断面構造図である。 可変セル抵抗(記憶素子)の断面と動作を示す図である。 第1〜第4の実施の形態に関わるICチップ(メモリデバイス)のブロック図である。 Xセレクタの回路図である。 Yセレクタの回路図である。 WLドライバユニット2つ分の回路図である。 CSWドライバユニットの回路図である。 第1の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図である。 ダイナミックリードのタイミングチャートである。 スタティックリードのタイミングチャートである。 ハイブリッドリードのタイミングチャートである。 リードモードの組み合わせ例を4例示す図表である。 第2の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図である。 ダイナミックリードのタイミングチャートである。 スタティックリードのタイミングチャートである。 ハイブリッドリードのタイミングチャートである。 第3の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図である。 ダイナミックリードのタイミングチャートである。 スタティックリードのタイミングチャートである。 ハイブリッドリードのタイミングチャートである。 第4の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図である。 ダイナミックリードのタイミングチャートである。 スタティックリードのタイミングチャートである。 ハイブリッドリードのタイミングチャートである。
本発明の実施形態を、ReRAMを例として、以下の順で図面を参照して説明する。
1.概説
2.第1の実施の形態:シングルエンド型センスアンプ。
3.第2の実施の形態:シングルエンド型センスアンプでセル電流の向きが逆。
4.第3の実施の形態:電流ミラー型センスアンプ。
5.第4の実施の形態:電流ミラー型センスアンプで電流の向きが逆。
<1.概説>
本発明が適用された不揮発性半導体メモリデバイスは、センスアンプのセンスノードに対する電流負荷の接続と非接続(切り離し)を制御可能な構成を含む“読み出し制御回路”を有することである。
この読み出し制御回路は、ダイナミックセンス動作と、スタティックセンス動作とを切り替え可能な回路であり、プリチャージのための構成も含む。
ここでダイナミックセンス動作とは、プリチャージ電圧をセル配線(例えばビット線)に与え、セル配線(ビット線)を、記憶素子(例えば、可変セル抵抗Rcell)を介して放電または充電させるセンスのための動作をいう。より詳細には、ダイナミック動作では、例えば、そのセル配線と可変セル抵抗Rcellを挟んで反対側の電極(または配線)との電圧差で、可変セル抵抗Rcellにセンス電流を流す。センスノード側にはプリチャージ電荷以外に外からの電荷供給源がないためセル配線電位は急速に降下または上昇する。セル配線電位が降下するか上昇するかは、プリチャージ電圧と上記反対側の電極(または配線)に与えられる電圧との極性(電圧の正負の向き)に依る。
スタティックセンス動作とは、センスノードにほぼ一定の電流を供給するまたは吸い出す電流負荷が接続された状態でのセル配線の充放電動作を含むセンスのための動作をいう。このようにセル配線に流れる電流を一定またはほぼ一定で規制すると、その分電位変化速度は遅くなるが、電位変化が可変セル抵抗Rcellの抵抗値に比例またはほぼ比例した速度をもつようになる。そのため、安定動作が可能である。この安定動作を前提とすると、センスアンプのタイミング制御がしやすく高精度な読み出しが可能となる。
これに対し、上記ダイナミックセンス動作では充放電が速いため高速性は高いが、センスアンプのしきい値設定と起動タイミングの制御が比較的難しい。したがって、例えば、抵抗変化メモリの場合、比較的抵抗値が大きく、かつ記憶情報に応じた抵抗変化も大きい場合など、ある特定の条件が揃わないとダイナミックセンス動作を適用することは好ましくない。
本発明の実施形態における読み出し制御回路は、例えば、読み出し対象が低抵抗なのか高抵抗なのかが予めある程度分かる場合、例えばヴェリファイ読み出し時に、その情報に応じて2つのセンス動作の切り替えを可能とする。その情報としては、ヴェリファイ読み出し動作の直前の動作(書き込みまたは消去の動作)を指令するリード信号またはイレース信号等を用い得る。
一方、通常読み出しでは、読み出し対象が低抵抗なのか高抵抗なのかが予め分からない。但し、ダイナミックセンス動作が適しているか、スタティックセンス動作が適しているかは、可変セル抵抗Rcellの記憶材料や構造、信頼性データ等に応じて分かるので、その適した方式を採用する。
一方、さらに別の形態では、ダイナミックセンス動作とスタティックセンス動作とを併用するハイブリッドセンス動作も可能である。その切り替え制御等については後述するが、2つのセンス動作の利点(高速性と高精度)を備えることから、ライトヴェリファイ読み出し、イレースヴェリファイ読み出し、通常読み出しのいずれにおいても、このハイブリッド方式は適用可能である。
以下、この3つのセンス動作の切り替えが可能な場合を例とし、また不揮発性メモリとしてはReRAMを例として、本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
<2.第1の実施の形態>
[メモリセル構成]
図1(A)と図1(B)に、本発明の実施の形態に共通なメモリセルの等価回路図を示す。なお、図1(A)は書き込み電流Iw、図1(B)は消去電流Ieについて、その向きを示すが、メモリセル構成自体は両図で共通する。
図1に図解するメモリセルMCは、“可変セル抵抗Rcell”としての1つのメモリセル抵抗Rcellと、1つのアクセストランジスタATとを有する。
メモリセル抵抗Rcellの一端がプレート線PLに接続され、他端がアクセストランジスタATのソースに接続され、アクセストランジスタATのドレインがビット線BLに、ゲートが“アクセス線”としてのワード線WLに、それぞれ接続されている。
なお、ビット線BLとプレート線PLが図1では直交しているが、ビット線BLとプレート線PLを平行に配置してもよい。
図2に、隣接する2つのメモリセルMCに対応する部分のデバイス構造を示す。図2は模式断面図であり、斜線を付していない。また、特に言及しない図2の空白部分は絶縁膜で充填され、あるいは他の部分(の一部)を構成する。
図2に図解されているメモリセルMCにおいて、そのアクセストランジスタATが半導体基板100に形成されている。
より詳細には、アクセストランジスタATのソース(S)とドレイン(D)となる2つの不純物領域が半導体基板100に形成され、その間の基板領域上にゲート絶縁膜を介在させてポリシリコン等からなるゲート電極が形成されている。ここではゲート電極がワード線WL1またはWL2を構成する。
ドレイン(D)は2つのメモリセルMCで共有され、第1配線層(1M)により形成されたビット線BLに接続されている。
ソース(S)上に、プラグ104とランディングパッド105(配線層から形成)とが繰り返し積み上げられ、その上にメモリセル抵抗Rcellが形成されている。メモリセル抵抗Rcellを多層配線構造の何層目に形成するかは任意であるが、ここではおおよそ4〜5層目にメモリセル抵抗Rcellが形成されている。
メモリセル抵抗Rcellは、下部電極101と、プレート線PLとなる上部電極との間に、絶縁体膜102と導体膜103を持つ膜構成(積層体)になっている。
絶縁体膜102の材料としては、例えば、SiN,SiO,Gd等が挙げられる。
導体膜103の材料としては、例えば、Cu,Ag,Zrから選ばれる1つ以上の金属元素を含有する金属膜、合金膜(例えばCuTe合金膜)、金属化合物膜等が挙げられる。なお、イオン化しやすい性質を有するならば、Cu,Ag,Zr以外の金属元素を用いてもよい。また、Cu,Ag,Zrの少なくとも一つと組み合わされる元素は、S,Se,Teのうちの少なくとも一つの元素であることが望ましい。導体膜103は、“イオン供給層”として形成されている。
図3に、メモリセル抵抗Rcellの拡大図に、電流の向きおよび印加電圧値の例を添えて示す。
図3は、一例として、絶縁体膜102がSiOから形成され、導体膜103がCuTe合金ベースの合金化合物(Cu−Te based)から形成されている場合を示している。
図3(A)では、絶縁体膜102側を負極側、導体膜103側を正極側とする電圧を下部電極101と上部電極(プレート線PL)とに印加する。例えば、ビット線BLを0[V]で接地し、プレート線PLに、例えば+3[V]を印加する。
すると、導体膜103に含まれるCu,Ag,Zrが、イオン化して負極側に引き寄せられる性質を持つようになる。これら金属の導電性イオンが絶縁体膜102に注入される。そのため、絶縁体膜102の絶縁性が低下し、その低下とともに導電性を持つようになる。その結果、図3(A)に示す向きの書き込み電流Iwが流れる。この動作を書き込み(動作)またはセット(動作)という。
これとは逆に図3(B)では、絶縁体膜102側を正極側、導体膜103側を負極側とする電圧を下部電極101と上部電極(プレート線PL)とに印加する。例えば、プレート線PLを0[V]で接地し、ビット線BLに、例えば+1.7[V]を印加する。
すると、絶縁体膜102に注入されていた導電性イオンが導体膜103に戻され、書き込み前の抵抗値が高い状態にリセットされる。この動作を消去(動作)またはリセット(動作)という。リセットでは、図3(B)に示す向きの消去電流Ieが流れる。
なお、以下、セットは“導電性イオンを絶縁体膜に十分注入すること”を言い、リセットは“導電性イオンを絶縁体膜から十分に引き抜くこと”をいう。
これに対し、どの状態(セットまたはリセット)をデータの書き込み状態とし、消去状態とするかは、任意に定義される。
以下の説明では、絶縁体膜102の絶縁性が低下してメモリセル抵抗Rcell全体の抵抗値が十分なレベルまで下がった場合をデータの“書き込み”(セット)に対応させる。逆に、絶縁体膜102の絶縁性が本来の初期状態に戻されメモリセル抵抗Rcell全体の抵抗値が十分なレベルまで上がった場合をデータの“消去”(リセット)に対応させる。
ここで、図1に示すメモリセル抵抗Rcellの回路シンボルの矢印は、通常、セット時(ここでは書き込み時)の電流と同じ向きとなっている。
上述したセットとリセットを繰り返すことにより、メモリセル抵抗Rcellの抵抗値を、高抵抗状態と低抵抗状態との間で可逆的に変化させる2値メモリが実現される。しかも、メモリセル抵抗Rcellは、電圧の印加を止めてもデータは保持されるため不揮発性メモリとして機能する。
なお、セット時に実際には、絶縁体膜102中の金属イオンの量によって、絶縁体膜102の抵抗値が変化していることから、絶縁体膜102を、データが記憶され保持される“記憶層”とみなすことができる。
このメモリセル抵抗Rcellを用いてメモリセルを構成し、メモリセルを多数設けることにより、抵抗変化型メモリのメモリセルアレイを構成することができる。抵抗変化型メモリは、このメモリセルアレイと、その駆動回路(周辺回路)とから構成される。
[ICチップ構成]
図4に、ICチップのブロック図を示す。
図解されている半導体メモリデバイスは、図1〜図3に示すメモリセルMCをマトリクス状に行(ロウ)方向に(M+1)個、列(カラム)方向に(N+1)個、配置しているメモリセルアレイ1を有する。半導体メモリデバイスは、メモリセルアレイ1と、その周辺回路を同一半導体チップに集積化したものである。ここで“N”と“M”は比較的大きな自然数であり、その具体的値は任意に設定される。
メモリセルアレイ1において、ロウ方向に並ぶ(M+1)個のメモリセルMCでアクセストランジスタATのゲート同士をそれぞれ共通接続する(N+1)本のワード線WL<0>〜WL<N>が、カラム方向に所定間隔で配置されている。また、カラム方向に並ぶ(N+1)個のメモリセルMCでアクセストランジスタATのドレイン同士をそれぞれ共通接続する(M+1)本のビット線BL<0>〜BL<M>が、ロウ方向に所定間隔で配置されている。
メモリセル抵抗RcellのアクセストランジスタATと反対側のノードをロウ方向に共通接続するプレート線PLが(N+1)本、カラム方向に所定間隔で配置されている。(N+1)本のプレート線PLは、その一方端が共通化され、メモリセルアレイ1の外部に引き出されている。
なお、プレート線PLはカラム方向に長く配置して、その本数を(M+1)本としてもよい。
周辺回路は、図4に示すように、X(アドレス)デコーダ(X Decoder)2、Y(アドレス)デコーダを兼ねるプリデコーダ(Pre DEC)3、WLドライバ(WL_DRV)4、BLIスイッチ5、CSWドライバ(CSW_DRV)6を含む。周辺回路は、カラムごとのセンスアンプ(Sense Amp)7、I/Oバッファ(Input/Output Buffer)9を含む。周辺回路は、書き込み・消去ドライバ(W/ E DRV)10、制御回路(CONT.)11、プレートドライバ(PLDRV)12および制御電圧発生回路(P_CIR)16を含む。
なお、センスアンプ7は図4では図示の都合上、そのようになっていないがメモリセル列ごとに設けられる。また、図4では、クロック信号の発生制御回路等は図示を省略している。
Xデコーダ2は、Xセレクタ(不図示)を基本単位として構成されている。Xデコーダ2は、プリデコーダ3から入力するXアドレス信号をデコードし、そのデコードの結果に基づいて、選択されたXセレクト信号X_SELをWLドライバ4に送る回路である。Xセレクタの詳細は後述する。
プリデコーダ3は、入力されるアドレス信号(Address)をXアドレス信号とYアドレス信号とに分離する。プリデコーダ3は、Xアドレス信号X_SELをXデコーダ2に送り、Yアドレス信号をYデコード部によりデコードする。
プリデコーダ3のYデコード部は、Yセレクタ(不図示)を基本単位として構成されている。プリデコーダ3は、入力するYアドレス信号をデコードし、そのデコードの結果に基づいて、選択されたYセレクト信号Y_SELをCSWドライバ6に送る回路である。Yセレクタの詳細は後述する。
WLドライバ4は、ワード線WLごとのWLドライバユニット(不図示)を(N+1)個含む。各WLドライバユニットの出力に、(N+1)本のワード線WL<0>〜WL<N>のうち、対応する1本のワード線が接続されている。Xデコーダ2から入力されるXセレクト信号X_SELに応じて、WLドライバユニットの1つが選択される。WLドライバユニットは、選択されたときに、その出力に接続されているワード線WLに所定電圧を印加する回路である。WLドライバユニットの詳細は後述する。
CSWドライバ6は、CSWドライバユニットを基本単位として構成されている。CSWドライバ6は、BLIスイッチ5を制御するための配線として、カラム選択線CSL<0>〜CSL<M>を駆動する回路である。なお、CSWドライバユニットの詳細は後述する。
BLIスイッチ5は、例えば、NMOSトランジスタ(PMOSトランジスタでも可)単独、あるいは、図4に示すトランスファゲートで構成されるスイッチ51の集合である。ここでは各スイッチ51がビット線BLごとに接続され、これが全部で(M+1)個存在する。
以下、BLIスイッチ5を構成する各スイッチが、トランスファゲートであるとする。
書き込み・消去ドライバ10はI/Oバッファ9に接続され、外部からのデータをI/Oバッファ9から入力し、入力データに応じてセンスアンプ7の保持データを変更可能に制御する。
センスアンプ7は、出力ノードがI/Oバッファ9に接続されている。センスアンプ7は、オン状態のスイッチ51を介して入力したビット線BLの電位変化を参照電位と比較する。
制御回路11は、書き込みイネーブル信号WRT、消去イネーブル信号ERS、データ読み出し信号RDを入力し、これらの3つの信号に基づいて動作する。
制御回路11には、以下の5つの機能を備える。
(1)WL選択イネーブル信号WLEをWLドライバ4内の個々のWLドライバユニットに与えるワード線制御の機能。
(2)CSWドライバ6を、プリデコーダ3を経由して(または直接)制御し、これによりスイッチ51を個別に導通または非導通とする機能。
(3)書き込みまたは消去時に、書き込み・消去ドライバ10に書き込みイネーブル信号WRT、消去イネーブル信号ERSを与えて動作電圧の供給を制御する機能。
(4)書き込みまたは消去時に、必要に応じて、プレートドライバ12に書き込みイネーブル信号WRT、消去イネーブル信号ERSを与えて動作電圧の供給を制御する機能。
(5)読み出しまたはヴェリファイ読み出し動作時に制御電圧発生回路16を制御して、クランプ電圧Vclamp等の出力を行う機能。
なお、制御回路11により出力される各種制御信号は、符号のみ図4に示し、レベル変化の詳細は後述する。
[制御系回路]
つぎに、Xデコーダ2の基本構成であるXセレクタと、プリデコーダ3のYデコーダ機能の基本構成であるYセレクタとを説明する。続いて、WLドライバ4の基本構成であるWLドライバユニットを説明する。
図5に、Xセレクタ20の回路例を示す。
図5に図解されているXセレクタ20は、初段の4つのインバータINV0〜INV3、中段の4つのナンド回路NAND0〜NAND3、後段に接続されている他の4つのインバータINV4〜INV7から構成されている。
Xセレクタ20は、XアドレスビットX0,X1を入力し、そのデコード結果に応じて、Xセレクト信号X_SEL0〜X_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図5は2ビットデコードの例であるが、Xデコーダ2は、その入力されるXアドレス信号のビット数に応じて、図5の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図6に、Yセレクタ30の回路例を示す。
図解されているYセレクタ30は、初段の4つのインバータINV8〜INV11、中段の4つのナンド回路NAND4〜NAND7、後段に接続されている他の4つのインバータINV12〜INV15から構成されている。
Yセレクタ30は、YアドレスビットY0,Y1を入力し、そのデコード結果に応じて、Yセレクト信号Y_SEL0〜Y_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図6は2ビットデコードの例であるが、プリデコーダ3は、その入力されるYアドレス信号のビット数に応じて、図6の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図7は、WLドライバユニット4Aの2つ分を示す回路図である。
図解されているWLドライバユニット4Aは、WLドライバ4内にカラム方向のセル数(N+1)だけ設けられている。
この(N+1)個のWLドライバユニット4Aは、図5に示すXセレクタ20等によって選択(活性化)された1つのXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1によって動作する。WLドライバユニット4Aは、Xセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1に応じた1本のワード線WL<0>またはWL<1>を活性化する。
図7に図解しているWLドライバユニット4Aは、ナンド回路NAND8とインバータINV16から構成されている。
ナンド回路NAND8の一方入力にWL選択イネーブル信号WLEが入力され、他方入力にXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1が入力され、ナンド回路NAND8の出力がインバータINV16の入力に接続されている。インバータINV16の出力に接続されたワード線WL<0>またはWL<1>が活性化または非活性となる。
図7に示すWL選択イネーブル信号WLEは図4の制御回路11で発生され、ロウデコーダ4に与えられる。
図8に、CSLドライバユニット6Aの2つ分の回路例を示す。
図解されているCSLドライバユニット6Aは、ナンド回路NAND12と、その出力に接続されているインバータINV21とからなる。
ナンド回路NAND12の一方入力にBLIイネーブル信号BLIEが入力され、他方入力に図6に示すYセレクタ30により選択(活性化)された1つのYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1が入力される。このYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1とBLIイネーブル信号BLIEがともに活性(ハイレベル)のときに、ナンド回路NAND12の出力がローレベルとなる。そのため、インバータINV21の出力に接続されたカラム選択線CSL<0>またはCSL<1>の電位が活性レベル(本例ではハイレベル)に遷移する。
カラム選択線CSL<0>またはCSL<1>の電位は、図4に示すように対応するスイッチ51のゲートに入力されている。
[カラム回路と定電流負荷の切り替えのための構成]
図9に、本実施の形態に関わるカラム回路構成の概略図を示す。
図9に図解する構成は、“セル配線”としての1本のビット線BLにメモリセルMC(アクセストランジスタATとメモリセル抵抗Rcelの直列接続体)が1つ接続されている様子を示す。メモリセルMCのアクセストランジスタATのゲートがワード線WLに接続され、アクセストランジスタATの可変セル抵抗Rcellと反対のソースまたはドレインがビット線BLに接続されている。また、そのもう片方がソースSL(ここではGNDの回路記号で示す)に接続されている。図9において、ビット線BLの負荷容量を符号“Cbl”の等価容量で示す。
符号“7A”により示す構成は、図4のセンスアンプ7を構成するビット線ごとのシングルエンドのセンスアンプ7Aである。
センスアンプ7Aの非反転入力(+)は、センスノードSNとつながっている。また、センスアンプ7Aの反転入力「−」には、一定の参照電位VREFが、図4の制御回路11または制御電圧発生回路16から入力されている。センスノードSNの電位を、図9ではセンスノード電位V0で表している。
センスノードSNに対して、読み出し印加電圧VRの印加を制御するプリチャージトランジスタ(PMOS)71が接続されている。プリチャージトランジスタ71は、図4では図示していないが、制御回路11から供給されるローアクティブのプリチャージ信号(/PRE)によって、そのゲートが制御される。なお、プリチャージトランジスタ71はビット線BL側に接続してもよい。また、読み出し印加電圧VRは、ビット線BLに接続された読み出し対象のメモリセル以外のメモリセルに、読み出しディスターブが発生しない大きさに設定される。
ビット線BLとセンスアンプ7AのセンスノードSN(非反転入力「+」)との間に、負荷分離スイッチ52が接続されている。負荷分離スイッチ52は、図4では図示を省略しているが、例えば、スイッチ51とビット線BLとの間にビット線ごとに設けられる。負荷分離スイッチ52は、ビット線BL(セル配線)を一定電圧に制御しセンスノードSNの電位を増幅する際にビット線BLをセンスノード側の負荷から切り離す役割がある。
負荷分離スイッチ52は、図示の例ではNMOSトランジスタ構成であるが、PMOSトランジスタ構成、または、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したトランスファゲート構成としてもよい。
より詳細に、負荷分離スイッチ52は以下のように動作する。
データの読み出し時に、負荷分離スイッチ52(NMOS)のゲートにクランプ電圧Vclampが、図4の制御電圧発生回路16から印加される。メモリセルMCの可変セル抵抗Rcellを充放電するときに、この負荷分離スイッチ52を通して電流が流れる。NMOS構成ではセンスノードSNから可変セル抵抗Rcellへ放電電流が流れることを前提とする。この場合、負荷分離スイッチ52のソース電位は、クランプ電圧Vclampから、そのゲートソース間電圧Vgsだけ下がった電圧(一定電位に)クランプ制御される。このクランプ電圧が安定した状態では、トランジスタがターンオフ点で維持されるため、ビット線BLからみたセンスノードSN側の負荷が切り離される。
本実施形態のカラム回路では、そのセンスノードSNに対して、定電流負荷部IRefが第1制御スイッチ72を介して接続される。これは、センスノードSNに対して電流負荷の切り替え制御のための構成であり、本発明の“読み出し制御回路”の一部となる。定電流負荷部IRefの電流の向きが、ここではセンスノードSNに正電荷(電流)を供給する向きであるため、第1制御スイッチ72はPMOSトランジスタ構成となっている。
なお、読み出し制御回路は、この構成の他に、図4の制御回路11および制御電圧発生回路16を含む。その他、読み出し時にメモリセルアレイの制御を行うXデコーダ2、プリデコーダ3、ロウデコーダ4、BLIスイッチ5およびCSWドライバ6、さらにはI/Oバッファ9等を任意に読み出し制御回路の概念に含めてよい。
[読み出し動作の概要]
図9の構成を前提とする読み出し動作は、以下のごとくである。
図9に示すシングルエンド型のセンスアンプ7Aは、センスノードSN電位Voと参照電位VREFを比較して記憶情報の論理判定(H/L判定)を行う。また、BL電位をNMOSソースフォロアでBL電位を前述した(Vclamp−Vgs)にクランプすることで、読み出し時のディスターブを回避する。
前記したように読み出しは、ダイナミックセンス動作と、図9に示す定電流負荷部IRefを電流負荷として用いるスタティックセンス動作の2種類が存在する。
ここで、1つのセルからセンスアンプが記憶論理を読み出し、その動作を複数のセンスアンプが並列動作する期間をリードサイクルと呼ぶ。1つのリードサイクルで上記ダイナミックセンス動作をすることを“ダイナミックリード”、1つのリードサイクルで上記スタティックセンス動作をすることを“スタティックリード”と呼ぶ。本実施形態では、さらに、1つのリードサイクル内で、最初にダイナミックセンス動作をして、そのサイクル途中からスタティックセンス動作をすることを“ハイブリッドリード”と呼ぶ。
本実施形態に関わる読み出し制御回路は、この3つのリードのモードを任意に切り替えることが可能である。図4では、図11の制御を受けた制御電圧発生回路16が図9に示す第1制御スイッチ72をオンまたはオフすることでこの3つのリードモードが実行される。
[ダイナミックリード]
図10(A)から図10(C2)に、ダイナミックリードのタイミングチャートを示す。
図10(A)に示すプリチャージ信号(/PRE)は時間T1〜T2までの一定期間アクティブローになるパルス信号である。また、ダイナミックリードでは、図9の第1制御スイッチ72に与えるローアクティブの第1負荷制御信号(/DC)は、“H”に常時設定されるため、第1制御スイッチ72がオンすることなく、したがって電流負荷が接続されることはない。
時間T1でプリチャージがされると図10(C1)および(C2)に示すように、センスノード電位Voが読み出しBL電圧VRにプリチャージされる。
時間T2でプリチャージが終了すると、センスノードがフローティングとなって、そのジャージ電圧によるセル放電が行われる。そのため、センスノード電位Voが急速に低下する。
なお図10(C1)は可変セル抵抗Rcellが低抵抗状態のとき、図10(C2)は可変セル抵抗Rcellが高抵抗状態のときのセンスノード電位変化を示す。また、2本の放電線は、可変抵抗セルの抵抗値がターゲット値を超えてヴェリファイ成功(OK)と判断されるべき場合と、書き込みまたは消去が不十分でヴェリファイ失敗(NG)と判断されるような場合を示す。例えば低抵抗時では、ターゲット抵抗値を10[kΩ]とすると、低抵抗化が十分な9[kΩ]のセンスノード電位をVo(RL)とし、低抵抗化が不十分な11[kΩ]のセンスノード電位をVo(RH)で示している。
このように抵抗変化型メモリでは、放電速度がセル抵抗値の大きさによって影響され、セル抵抗値が小さいほど放電が急激に行われる。また、時間と共に放電が進み、最終的にはセンスノード電位Voがゼロとなるまで電位変化が進むが、その傾きが抵抗値の大小によって大きく異なる。
ダイナミックリードの場合、高抵抗読み出しのときは放電速度がゆっくりであるが、低抵抗読み出しのときは読み出し電荷の消失が早い。そのため、参照電位VREFを放電十分と不十分の放電線の間に制御することが必要なことから、センスタイミングの設定が比較的難しい。
図11(A)〜(C2)に、同様な作図によりスタティックリードの場合を示す。
スタティックリードでは、図11(B)に示す第1負荷制御信号(/DC)が時間T2でアクティブである“L”に制御される。そのため、時間T2以降の放電が定電流駆動となる。定電流駆動では、定電流負荷部IRefが流す電流と、その負荷抵抗とで決まる安定点に電位変化が収束する。ここで負荷抵抗は、ビット線の配線抵抗やスイッチトランジスタのオン抵抗を含めたものであるが、その大きさの殆どを支配するのは可変セル抵抗Rcellである。よって、可変セル抵抗Rcellの大きさに応じた安定点にセンスノード電位が収束する。
図11(C1)に示す低抵抗時には、参照電位VREFを下回るものが、低抵抗化(書き込みまたは消去)が十分なOKセルであり、何時まで経っても下回らないものが、低抵抗化が不十分なNGセルである。それぞれの収束電位は、それぞれのセル抵抗値に応じて固有なものとなり、時間さえかければOKセルとNGセルの電位差(ウインドウ幅)が大きな状態が得られる。そこでセンスアンプ、起動すれば安定かつ確実な読み出し動作が可能である。
一方、図11(C2)に示す高抵抗時には、参照電位VREFより高い安定点を有するセルがOKセルであり、それを下回るセルがNGセルとなる。高抵抗時には、その判断がつくまで低抵抗時より時間がかかるが、時間さえかければ安定かつ確実な読み出しが可能である。
但し、スタティックリードは、ダイナミックリードより読み出し速度が遅い欠点がある。
なお、図10と図11は一例であり、例えば可変抵抗素子材料が変われば、その放電カーブの速度や安定点の振る舞いも種々変化する。
したがって、ダイナミックリードで読み出しが可能な抵抗材料もあれば、スタティックリードでなければ精度よい読み出しができない場合もある。
つぎに本実施形態で特有なリード法であるハイブリッドリードを説明する。
[ハイブリッドリード]
図12に、同様な作図によりスタティックリードの場合を示す。ハイブリッドリードは、ダイナミックリードの高速性とスタティックリードの安定性という両者の利点を兼ね備える。
より詳細には、定電流負荷部IRefをPMOSスイッチ(第1制御スイッチ72)で切り替え可能にして、センスタイミングに応じて、これを切り替える。このとき、センス前期または初期はダイナミックセンス方式(IRef非接続)、少なくともセンス後期はスタティックセンス方式(IRef接続)に切り替える。センス初期はダイナミックリードであるため高速読み出しが可能で、センス後期はスタティックリードであるためセンスタイミングに精度を要求しない安定動作が可能である。
図12(B)に示すように、第1負荷制御信号(/DC)のアクティブレベル(“L”)への遷移のタイミングが、図11(B)のスタティックリードの場合と異なっている。ハイブリッドリードでは、時間T2より遅れた時間T3で、図4の第1制御スイッチ72がターンオンし、アクティブリードからスタティックリードへの切り替えが行われる。したがって、それ以前は、アクティブリードにより急速に放電が進んでいたセンスノード電位は、時間T3からは電流負荷が接続されるため過剰放電が是正される。つまり、図12(C1)の低抵抗時では低抵抗化が不十分なNGセルは過剰放電であるため負荷電流による急速な充電によって安定点に比較的急激に変化する。これは、定電流負荷部IRefがセンスノードSNに近いことも急速充電に寄与する。一方、低抵抗化が十分なOKセルは安定点が参照電位VREFより低いため、そのまま安定点に移行する。
この動作は、ダイナミック放電線の傾きが違うだけで高抵抗時でも基本的に同じである。
以上のように、ハイブリッドリードでは、最初にダイナミック放電を行うため短時間にセンスノード電位が低いレベルまで低下し、電流負荷による放電が開始されると、その過剰低下の反作用で安定動作へ比較的短時間で移行させることがでる。ウインドウ幅が大きく、これがある程度開くとセンスアンプによるセンス動作が可能であることはスタティックリードの良さであり、高精度な読み出しが可能である。
なお、本実施形態で高精度な読み出しが可能なことは、例えばヴェリファイ読み出し時に、リファレンス電圧を細かなピッチで制御しても精度よく論理判別ができる利点をもたらす。
また、図11では作図の右端の時間でも未だ高抵抗時のNGセルが参照電位VREFを十分下回らないのでセンサアンプの起動には早すぎる。これに対し、図12では、時間T3から少し経った時点で参照電位VREFを基準とする規定の領域(本来収束すべき領域)にNGセルもOKセルも移行するので、その時点でセンスアンプの起動が可能である。よって、ハイブリッドリードでは、スタティックリードよりも時間にして数割の短縮が可能で、かつスタティックリードと同様な安定読み出しが可能となる。
時間T3のタイミングは任意に調整することが可能である。
[リードモードの組み合わせ例]
図13の図表に、ライトヴェリファイ読み出し、リードヴェリファイ読み出し、通常読み出しに対する、上記ダイナミックリード、上記スタティックリードおよび上記ハイブリッドリードの組み合わせ例を4例示す。
この組み合わせの情報は、制御回路11が自身で内部保持するか外部の制御手段から与えられたものを用いて、そのシーケンスを選択し、制御回路11が制御電圧発生回路16等を制御して、これを実行する。
この4つの例のように、ライトヴェリファイ読み出しでは、スタティックリード(S)またはハイブリッドリード(H)が実行されるが、ダイナミックリード(D)は放電が急速すぎて使用できない。
これとは対照的に、イレースヴェリファイ読み出しでは、スタティックリードに時間がかかりすぎるため実用的でない。
通常読み出しは、前述した可変セル抵抗材料等に応じて読み出し易い手法を任意に選択可能である。この例では、安定性を考慮してスッティックリード(S)またはハイブリッド(H)が望ましいが、ダイナミックリード(D)を排除するものではない。
<2.第2の実施の形態>
本実施形態以降は、センスアンプ等の回路構成の変形を示すものである。したがって、全体構成、変形に関わる以外の回路やブロック構成、さらには動作の基本は第1の実施形態と共通する。したがって、以下、変更点を中心に説明する。
図14に、第2の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図を示す。また、図15〜図17に、ダイナミックリード、スタティックリードおよびハイブリッドリードの制御波形とタイミングを示す。
主要なトランジスタの導電型は反転したことに対応して与えるパルスも判定されている(図15(A)、図15(B)、図16(A)、図16(B)、図17(A)および図17(B))。また、第1負荷制御信号(/DC)やプリチャージ信号(/PRE)も“/”をとった反転信号(ハイアクティブの信号)が制御回路11や制御電圧発生回路16から与えられる。
図14に示す回路構成が図9と異なるのは、可変セル抵抗Rcellに接続されるプレート線PLへの印加電圧が読み出しBL電圧VR(>0)となっており、逆にプリチャージトランジスタ71に接続される電圧線がGND電圧供給線となっている。つまり、セル電流の向きが逆となる。また、プリチャージトランジスタ71と第1制御スイッチ72がPMOSトランジスタからNMOSトランジスタに変更され、負荷分離スイッチ52がNMOSトランジスタからPMOSトランジスタに変更されている。第1制御スイッチ72に接続される電流源の向き(流す電流の向き)も逆となる。
それ以外のメモリセル側の構成は、図14と図9は共通し、基本的な動作も同じである。
したがって、放電と充電の関係が逆となり、このことを取捨すると放電(または充電)の時間的推移は第1および第2の実施形態ではほぼ同じとなる(但し波形的には反転している)
<3.第3の実施の形態>
図18に、第3の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図を示す。また、図19〜図21に、ダイナミックリード、スタティックリードおよびハイブリッドリードの制御波形とタイミングを示す。
読み出し対象のメモリセルMCが接続されたビット線BLに対して、負荷分離スイッチ52、プリチャージトランジスタ71および第1制御スイッチ72が接続されている点は、第1の実施形態と同じである。
一方、本実施形態におけるセンスアンプ7Bは、ミラー電流差動型となっている。図9のシングルエンド型ではセンスアンプ7Aの反転入力(−)は制御電圧発生回路16等から与えられるが、本実施形態ではメモリセルアレイ1内で内部生成する。
具体的には、動作対象の正規のメモリカラムと対照的な参照カラムを設ける。参照カラムには、メモリセルMCと類似した構成を有するので、ここでの説明は省略する。
参照セルを用いると回路規模は大きくなるが、図19〜図21に示すように、参照電位Vrefがセンスノード電位Voの変化に追従して変化するためタイミング設計が容易である。
<4.第4の実施の形態>
図22に、第5の実施形態に関わるカラム回路構成の概略図を示す。また、図23〜図25に、ダイナミックリード、スタティックリードおよびハイブリッドリードの制御波形とタイミングを示す。
シングルエンド型で行ったときと同様に、セル電流の向きを図18の場合と逆にするため、電圧の与え方とトランジスタの導電型を反転させている。
第3の実施形態と同様に、動作対象の正規のメモリカラムと対照的な参照カラムを設ける。参照カラムには、メモリセルMCと類似した構成を有するので、ここでの説明は省略する。
参照セルを用いると回路規模は大きくなるが、図23〜図25に示すように、参照電位Vrefがセンスノード電位Voの変化に追従して変化するためタイミング設計が容易である。
以上の4つの実施形態ではReRAMを例としたが、ReRAM以外の相変化メモリ等の抵抗変化型メモリに、本発明は広く適用できる。
また、フラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリにおいても、ワード線制御を行わない、つまり一定電流でない読み出し動作も可能な場合がある。例えばMCL−NORタイプではそのような動作の報告例もあり、このような動作であれば、読み出す情報の論理に応じて、あるいは、読み出しの種類(モード)に応じてセンスタイミングの乖離が著しい場合も存在する。
したがって、本発明は読み出し電流のダイナミックレンジが広い抵抗変化型メモリへの適用が望ましいが、以上の実施形態の記載は、他の不揮発性メモリへの適用を排除することを意味しない。
以上の第1〜第4の実施形態および第1変形例では、いわゆるダイナミック読み出し動作を行うReRAMにおいて、高速性と読み出し精度を満足可能な不揮発性半導体メモリデバイスを提供することが可能となった。
1…メモリセルアレイ、4…ロウデコーダ、5…BLIスイッチ、6…CSWドライバ、7,7A,7B…センスアンプ、9…I/Oバッファ、10…書き込み・消去ドライバ、11…制御回路、12…プレートドライバ、16…制御電圧発生回路、20…Xセレクタ、30…Yセレクタ、40…ロウデコーダユニット、51…スイッチ、負荷分離スイッチ52…、52…負荷分離スイッチ、60…CSWドライバ、71…プリチャージトランジスタ、72…第1制御スイッチ、101…下部電極、102…絶縁体膜、103…導体膜、Rcell…可変セル抵抗、MC…メモリセル、RC…参照セル、BL…ビット線、WL…ワード線、PL…プレート線、AT…アクセストランジスタ。

Claims (11)

  1. 2つの電極間の抵抗値が、記憶された情報の論理に応じて可逆的に変化する2端子の記憶素子と、
    前記記憶素子の一方の電極に接続されたセル配線と、
    前記セル配線に接続されたセンスノードを有し、該センスノードの電位を参照電位を基準として読み出すセンスアンプと、
    前記記憶素子を介して前記セル配線を放電または充電させたときの前記センスノードの電位の読み出しを、該センスノードに電流負荷を非接続とした状態で行うダイナミックセンス動作と、前記センスノードに前記電流負荷を接続した状態で前記読み出しを行うスタティックセンス動作とを切り替え可能な読み出し制御回路と、
    を有する不揮発性半導体メモリデバイス。
  2. 前記読み出し制御回路は、1つのリードサイクルで前記ダイナミックセンス動作を行うダイナミックリード、1つのリードサイクルで前記スタティックセンス動作を行うスタティックリード、1つのリードサイクルで前記ダイナミックセンス動作の後に前記スタティックセンス動作に切り替えるハイブリッドリードを任意に切り替え可能である
    請求項1に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  3. 前記読み出し制御回路は、前記情報の書き込み動作後のライトヴェリファイ読み出し、消去動作後のイレースヴェリファイ読み出しおよび通常読み出しの3つのリードモードに対して、前記ダイナミックリード、前記スタティックリードおよび前記ハイブリッドリードの組み合わせが予め設定され、当該設定された組み合わせで読み出し動作を制御する
    請求項2に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  4. 前記読み出し制御回路は、
    前記センスノードに接続されたプリチャージ部と、
    前記センスノードに第1制御スイッチを介して接続された定電流負荷部と、
    前記第1制御スイッチを制御する制御信号を発生する制御信号発生部と、
    を有する請求項1〜3の何れかに記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  5. 前記センスアンプは、一方入力に与えられる前記センスノードの電位を他方入力に与えられる参照電位と比較して増幅するシングルエンド型センスアンプである
    請求項4に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  6. 前記読み出し制御回路は、
    参照線と、
    前記参照線に接続され前記記憶素子と等価な抵抗値をもつ参照記憶素子と、
    前記参照線の参照ノードに第2制御スイッチを介して接続され、ゲートに前記参照電位が発生するダイオード接続トランジスタと
    1制御スイッチおよび前記第2制御スイッチを制御する制御信号を発生する制御信号発生部と、
    を有し、
    前記センスアンプは、
    前記センスノードに前記第1制御スイッチを介して接続され、ゲートが前記ダイオード接続トランジスタのゲートに接続されることで参照線電流のミラー電流が流れる、前記定電流負荷部としてのミラー電流負荷トランジスタを備え、
    一方入力が前記センスノードに接続されてセンスノード電位を、他方入力に与えられる前記参照電位と比較して増幅する電流ミラー型の差動センスアンプである
    請求項に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  7. 前記セル配線と前記センスノードとの間に、前記セル配線を一定電圧に制御しセンスノードの電位を増幅する際にセル配線をセンスノード側の負荷から切り離す負荷分離スイッチが接続されている
    請求項1〜6の何れかに記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  8. 前記負荷分離スイッチは、NMOSトランジスタ、PMOSトランジスタ、または、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを並列接続したトランスファゲート回路から形成されている
    請求項7に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  9. 前記負荷分離スイッチはNMOSトランジスタであり、当該NMOSトランジスタのゲートにクランプ電圧を前記読み出し制御回路から印加することによって、前記セル配線を、前記クランプ電圧から前記NMOSトランジスタのゲートとソース間の電圧だけ下がった電圧にクランプし、センス動作により電圧振幅が発生する前記センスノードと前記セル配線を負荷分離する
    請求項7に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  10. 前記記憶素子が、印加電圧の向きにより書き込み情報の論理が異なる抵抗変化型記憶素子である
    請求項1〜9の何れかに記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
  11. 前記記憶素子および前記参照記憶素子が、印加電圧の向きにより書き込み情報の論理が異なる抵抗変化型記憶素子である
    請求項6に記載の不揮発性半導体メモリデバイス。
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