JP4371149B2 - 半導体メモリデバイス、センスアンプ回路、および、メモリセルの読み出し方法 - Google Patents

半導体メモリデバイス、センスアンプ回路、および、メモリセルの読み出し方法 Download PDF

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本発明は、センス線を介してメモリセルに接続されるセンスアンプ回路を備える半導体メモリデバイスと、当該半導体メモリデバイスのセル読み出しに好適なセンスアンプ回路と、メモリセルの読み出し方法とに関する。
半導体メモリデバイスは、一般に、メモリセルのメモリ状態に応じてセル電流の大小が異なり、当該セル電流の大小に応じた記憶データを読み出す。近年、不揮発性メモリの開発が進展している。
2端子可変抵抗型の不揮発性メモリの一つとして、スピン注入メモリが知られている(特許文献1、2参照)。
スピン注入メモリは、磁性体に注入されたスピン偏極した伝導電子と、磁性体で磁化を担っている電子スピンとの相互作用によって、磁性体の磁化状態が変化する現象を応用したメモリである。
メモリ素子であるトンネル磁気抵抗素子(以下、TMRと記す)について説明する。
トンネル磁気抵抗素子TMRは、図1に示すように、トンネルバリア層101で隔たれた2枚の磁性体層からなる積層体が基本構造である。
磁性体層は、磁化状態が変化しないように設計された磁化固定層102、および、磁化固定層102の磁化方向に対して平行もしくは非平行が安定な磁化状態となるように設計された自由層103からなる。
2枚の磁性体層(磁化固定層102および自由層103)を持つ積層膜は、それらの磁化のなす角度によって導電率が変化する磁気抵抗効果(MR効果)を示す。メモリデータの読み出しは、この積層体の両端子に電圧を印加し、MR効果によって自由層103の磁化方向に応じて変化した抵抗に依存する電流を出力することで行われる。このときトンネル磁気抵抗素子TMR内で流れるトンネル電流によるMR効果をTMR効果と言う。
図2に、トンネル磁気抵抗素子TMRを応用したスピン注入メモリのセル構成を示す。また、図3に、メモリセルの等価回路図を示す。
図解されているメモリセルMCは、1つのトンネル磁気抵抗素子TMRと、1つのセレクトトランジスタSTとを有する。
トンネル磁気抵抗素子TMRの一端がビット線BLに接続され、他端がセレクトトランジスタSTのドレインに接続され、セレクトトランジスタSTのソースがソース線SLに、ゲートがワード線WLにそれぞれ接続されている。
次に、トンネル磁気抵抗素子TMRの電気的特性について説明する。
トンネル磁気抵抗素子TMRは、トンネル電流が流れることにより磁化反転(スピン注入磁化反転という)が生じ、これにより電気的メモリ特性、即ち抵抗値のヒステリシス特性が変化する。
図4に、トンネル磁気抵抗素子TMRの電流−電圧特性(ヒステリシス特性)を示す。図1を参照すると、磁化固定層102から自由層103に電流を流す方向が図4のセル電流の正方向である。自由層103の電位を基準に磁化固定層102に正または負の電圧を与えたのが図4の横軸に示すセル印加電圧である。
図示する電気的特性は、ゼロクロスして傾きが相対的に大きな低抵抗状態と、ゼロクロスして傾きが相対的に小さい高抵抗状態とが存在する。低抵抗状態にあるときに、セル印加電圧を増加すると、例えばセル印加電圧が+0.5〜+1[V]の間のある電圧で、図4に示す矢印Ahのように状態変化(高抵抗遷移)が生じる。また、高抵抗状態にあるとき、セル印加電圧を減らすと、例えばセル電圧が−0.5〜−1.0[V]の間のある電圧で、図4に示す矢印Alのようにもう一つの状態変化(低抵抗遷移)が生じる。
セル動作では、セル印加電圧を+1.0[V]にすることで高抵抗遷移、−1[V]にすることで低抵抗遷移を制御する。
以上の電気的特性から、2つの状態を2値データに対応させると、データ反転が可能であるため、メモリデータの書き込み動作が可能なことが分かる。具体的には、例えばセル印加電圧を+1.0[V]にすることにより“0”データの書き込み(Write0)が可能であり、逆に、セル印加電圧を−1.0[V]にすることにより“1”データの書き込み(Write1)が可能である。
メモリデータの読み出し動作では、磁気抵抗比(MR比)がある程度大きな電位状態、例えば0.3[V]程度をメモリセルに印加する。そして、このとき、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値が書き込み状態によって違いがあるため、この抵抗値を読み出すことにより、高抵抗状態(“0”データの書き込み状態)か、低抵抗状態(“1”データの書き込み状態)かの判別が可能である。
以上は、Write0(高抵抗遷移)側で読み出しを行う場合であるが、Write1(低抵抗遷移)でも同様に、例えば−0.3[V]のセル印加電圧で読み出しが可能である。
その際、読み出す抵抗値の差が大きければ、それだけデータ判別の容易性が高いため、読み出し時のセル印加電圧(読み出し電圧)が絶対値で大きいほど好ましい。しかし、読み出し電圧の絶対値を大きくすると、状態遷移を生じさせる遷移電圧とのマージンが取れなくなり、同一ビット線に接続されているメモリセルで誤書込みが生じる可能性がある(リードディスターブ)。リードディスターブ防止のためには、読み出し時にセル印加電圧を精密に制御する必要がある。また、MR比にセル印加電圧依存性がある場合、最適なMR比を確保した条件で読み出し動作を行う必要がある。
このような要請の下、リードディスターブマージンの確保のために、センスアンプの参照電圧を、トンネル磁気抵抗素子TMRを有するメモリセル(または参照セル)から発生させる技術が知られている(例えば特許文献3参照)。
特許文献3では、セル印加電圧を制限する手法として、センスノードとビット線間に電圧制限手段として機能し、電圧降下を生じさせる電圧ゲートトランジスタ(V-gate Tr.(NMOS))を挿入し、電圧ゲートトランジスタのゲート電圧をVBIAS(VddとGND電位の中間電位)に設定することにより、セルに印加するビット線電圧を制御する。
図5に、例えば上記特許文献3の手法を適用可能なカラム回路の一部を示す。
図解されているカラム回路では、GND電位で保持されたソース線SLとビット線BLとの間に、MR素子を持つメモリセルMCが接続され、さらに、ビット線BLと電源電圧Vddの供給線との間に電圧ゲートトランジスタMn(V-gate Tr.(NMOS))が接続されている。特に図示しないが、電圧ゲートトランジスタMnのゲートに、参照電圧を発生させる電圧発生回路が接続されている。電圧発生回路は、メモリセルを模し、かつ、メモリセルMR比の半分のMR比を持つ参照セルを有し、これによりVBIASを発生させて電圧ゲートトランジスタMnのゲートに与えている。
このカラム回路が、メモリセルアレイの列ごとに設けられているが、VBIASを与えるカラム回路と、電圧ゲートトランジスタで電圧制限を余り行わないように制御されるカラム回路を隣り合う対で形成し、その2つのカラム回路のビット線間にセンスアンプを接続させて読み出しを行う。
ビット線にビット線印加電圧を印加するスイッチとして機能するトランジスタのバラツキによるセル印加電圧への影響をキャンセルする例として、上記トランジスタのゲート電圧を負帰還アンプにより制御する手法がある(例えば特許文献4、5参照)。
図6に、例えば上記特許文献4に記載されている概略構成を示す。
図解されている回路では、GND電位で保持されたソース線SLとビット線BLとの間にMR素子を持つメモリセルMCが接続され、さらに、ビット線BLと電源電圧Vddの供給線との間にNMOSトランジスタMn(V-gate Tr.)と、電流源ISとを接続させている。
NMOSトランジスタMnのゲートに負帰還アンプNFAの出力が接続されている。負帰還アンプNFAの反転入力「−」はNMOSトランジスタMnのソースに接続され、非反転入力「+」に電位Vmtjが与えられている。
この構成ではNMOSトランジスタMnのソースが、そのバラツキに依存しないで一定電圧となる制御が可能である。
特開2003−17782P号公報 特開2006−196612号公報 特開2002−197853号公報 特開2004−103212号公報 特開2003−529879号公報
上記特許文献3では、電圧ゲートトランジスタMn(Vgate Tr.)をメモリセルアレイ内でカラムごとに有するため、電圧ゲートトランジスタMnの閾値電圧のバラツキがセル印加電圧に影響する。したがって、電圧ゲートトランジスタMnの閾値電圧のバラツキが、メモリセルMCのMR比マージンを低下させ、これにより読み出しディスターブが生じやすいという不利益が生じる。
上記特許文献4、5に記載の技術では、上記特許文献3で生じる不利益の要因となるトランジスタ閾値のばらつきは負帰還アンプによりキャンセルすることができる。ところが、負帰還アンプを構成するペアトランジスタの特性、特に閾値電圧がばらつくと、そのバラツキ成分がNMOSトランジスタMnのソースで制御される一定電圧の値に影響する。これにより、メモリセルMCのMR比マージンを低下させ、読み出しディスターブが生じやすいという不利益が生じる。
本発明に係る半導体メモリデバイスは、メモリセルと、センス線と、センス線を介して前記メモリセルに接続されるセンスアンプ回路とを備える。さらに本発明では、前記センスアンプ回路が、第1および第2差動入力を有し、第2差動入力に参照電圧が供給される差動センスアンプと、プルアップ部と、読み出しゲートトランジスタと、閾値補正部とを有する。
前記プルアップ部は、前記第1差動入力を一定電圧によってプルアップする。
前記読み出しゲートトランジスタは、前記センス線と前記第1差動入力間に接続され、セル電流に応じてセンス線電位が初期電圧から下がるとターンオンする。
前記閾値補正部は、前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生させ、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加する。
本発明で好適な、より具体的な構成では、前記センスアンプ回路は、前記差動センスアンプおよび前記プルアップ部に加え、ダイオード接続スイッチ回路部と、充放電スイッチ回路部とを有する。
前記ダイオード接続スイッチ回路部は、前記第1差動入力と前記センス線間に接続され、前記第1差動入力と制御端子の短絡によるダイオード接続の形成と解除が制御可能な前記読み出しゲートトランジスタを含む。
前記充放電スイッチ回路部は、ダイオード接続状態で、ダイオード接続経路をプリチャージしてフローティング状態とし、前記読み出しゲートトランジスタの閾値電圧に応じて、プリチャージ電圧を前記初期電圧の供給線に一部放電する。そして、センスアンプ回路は、前記ダイオード接続を解除し、前記第1差動入力の電圧を前記差動センスアンプにより電圧センスする。
本発明に係るセンスアンプ回路は、第1および第2差動入力を有し、第2差動入力に参照電圧が供給される差動センスアンプと、前記第1差動入力を一定電圧によってプルアップするプルアップ部と、センス線と、読み出しゲートトランジスタと、閾値補正部とを有する。
前記読み出しゲートトランジスタは、前記センス線と前記第1差動入力との間に接続され、セル電流に応じてセンス線電位が初期電圧から下がるとターンオンする。
前記閾値補正部は、前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加する。
当該センスアンプ回路は、前記センス線に所定の前記初期電圧を印加し、前記センス線を電位的にフローティング状態にしたときに前記センス線を流れる電流に応じて変化する前記センス線の電圧を検出する
本発明に係るメモリセルの読み出し方法は、ンス線とセンスノードとの間に接続され、セル電流に応じてセンス線電位が初期電圧から下がるとターンオンする読み出しゲートトランジスタを介して、メモリセルの記憶データを読み出すメモリセルの読み出し方法であって、前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加し、前記センス線に前記初期電圧を設定して、当該センス線をフローティング状態とする電圧設定ステップと、前記センスノードを一定電圧でプルアップした状態で前記センス線を前記メモリセルに接続し、セル電流に応じて変化する前記センスノードの電位変化を参照電圧と比較して検出する検出ステップと、を含む。
本発明で好適な、より具体的な方法によれば、前記電圧設定ステップは、さらに、前記読み出しゲートトランジスタを、制御端子が前記センスノードに接続されたダイオード接続状態とし、ダイオード接続経路をプリチャージしてフローティング状態にするステップと、前記センス線を初期電圧の供給線に電気的に接続し、前記プリチャージの電圧を、前記読み出しゲートトランジスタがカットオフするまで前記初期電圧の供給線に一部放電させるステップと、前記センス線と前記初期電圧の供給線との接続を解除するステップと、を含む。
この場合、さらに好適に、前記検出ステップでは、前記センス線と前記初期電圧の供給線の接続と前記ダイオード接続とを共に解除した状態で、カットオフ状態の前記読み出しゲートトランジスタを介して前記センスノードにフローティング状態で保持されている電圧を前記メモリセルに供給し、当該メモリセルに流れる電流に応じて変化する前記センスノードの保持電圧を電圧センスする。
本発明によれば、トランジスタのバラツキに依存しない一定な初期電圧をセンス線に安定に印加でき、これによりメモリセルの読み出しマージンが向上するという利益が得られる。
以下、本発明に係る半導体メモリデバイス、センスアンプ回路、および、メモリセルの読み出し方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
《第1実施形態》
<全体構成>
図7に、(N+1)×(N+1)のアレイ構成をもつ半導体メモリデバイスのブロック図を示す。
図解されている半導体メモリデバイスは、図3に示すメモリセルMCをマトリクス状に行(ロウ)方向に(N+1)個、列(カラム)方向に(N+1)個配置しているメモリセルアレイ1と、その周辺回路とを有する。なお、「N」は任意の正の整数であり、ロウ方向とカラム方向で異なる値をとり得る。
メモリセルアレイ1において、ロウ方向に並ぶ(N+1)個のメモリセルMCでセレクトトランジスタSTのゲート同士をそれぞれ共通接続する(N+1)本のワード線WL(0)〜WL(N)が、カラム方向に所定間隔で配置されている。また、カラム方向に並ぶ(N+1)個のメモリセルMCでトンネル磁気抵抗素子TMRの一端同士をそれぞれ共通接続する(N+1)本のビット線BL(0)〜BL(N)が、ロウ方向に所定間隔で配置されている。同様に、カラム方向に並ぶ(N+1)個のメモリセルMCでセレクトトランジスタSTのソース同士をそれぞれ共通接続する(N+1)本のソース線SL(0)〜SL(N)が、ロウ方向に所定間隔で配置されている。
周辺回路は、図7に示すように、Xアドレスデコーダ(X-Address Decoder)2、Yアドレスデコーダ(Y-Address Decoder)3、ロウデコーダ(Row Decoder)4、カラムデコーダ(Column Decoder)6、ビット線センスアンプ(BL S.A)7B、ソース線読み出しドライバ(SL Read Driver)7S、カラム選択スイッチ回路8、I/Oバッファ(Input/Output Buffer)9、ビット線書き込みドライバ(BL Write Driver)10B、ソース線書き込みドライバ(SL Write Driver)10S、制御回路11、および、駆動力発生回路(Power Generator)12を含む。
このうちビット線センスアンプ7Bが本発明の「センスアンプ回路」の一態様に該当する。
Xアドレスデコーダ2は、Xセレクタ20を基本単位として構成されている。Xアドレスデコーダ2は、入力するXアドレス信号(X-Address)をデコードし、そのデコードの結果に基づいて、選択されたXセレクト信号X_SELをロウデコーダ4に送る回路である。Xセレクタ20の詳細は後述する。
Yアドレスデコーダ3は、Yセレクタ30を基本単位として構成されている。Yアドレスデコーダ3は、入力するYアドレス信号(Y-Address)をデコードし、そのデコードの結果に基づいて、選択されたYセレクト信号Y_SELをカラムデコーダ6に送る回路である。Yセレクタ30の詳細は後述する。
ロウデコーダ4は、ワード線WLごとのロウデコーダユニット40を(N+1)個含む。各ロウデコーダユニット40の出力に、(N+1)本のワード線WL(0)〜WL(N)のうち、対応する1本のワード線が接続されている。Xアドレスデコーダ2から入力されるXセレクト信号X_SELに応じて、ロウデコーダユニット40の1つが選択される。ロウデコーダユニット40は、選択されたときに、その出力に接続されているワード線WLに所定電圧を印加する回路である。ロウデコーダユニット40の詳細は後述する。
カラムデコーダ6は、YSWゲート回路60を基本単位として構成されている。カラムデコーダ6は、カラム選択スイッチ回路8を制御するための信号として、Yスイッチ信号YSW、および、その反転信号(反転Yスイッチ信号YSW_)を、入力されるYセレクト信号Y_SELに応じて発生する回路である。YSWゲート回路60の詳細は後述する。
カラム選択スイッチ回路8は、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを、ソース同士、ドレイン同士で接続しているトランスミッションゲート(TG)を基本構成単位として、TGを2(N+1)個含む。図7において、TGの半分はソース線SLに接続されているため、以下、当該ソース線に接続されているTGをソース線TG8S(0)〜8S(N)と称する。また、TGの残り半分はビット線BLに接続されているため、当該ビット線に接続されているTGをビット線TG8B(0)〜8B(N)と称する。
ソース線TG8S(0)〜8S(N)の反メモリセルアレイ側の端子が1本のグローバルソース線GSLに共通接続されている。ソース線TG8S(0)〜8S(N)は、(N+1)本のソース線SL(0)〜SL(N)とグローバルソース線GSLの接続を制御する。
グローバルソース線GSLに、ソース線読み出しドライバ7Sとソース線書き込みドライバ10Sが接続されている。
ビット線TG8B(0)〜8B(N)の反メモリセルアレイ側の端子が1本のグローバルビット線GBLに共通接続されている。ビット線TG8B(0)〜8B(N)は、(N+1)本のビット線BL(0)〜BL(N)とグローバルビット線GBLの接続を制御する。
グローバルビット線GBLに、ビット線センスアンプ7Bとビット線書き込みドライバ10Bが接続されている。
ビット線センスアンプ7Bは、本実施形態の特徴部分であり、詳細は後述する。
制御回路11は、チップイネーブル信号CE、書き込みイネーブル信号WE、読み出しイネーブル信号REを入力し、これらの3つのイネーブル信号に基づいて動作する4つの制御回路を有する。この4つの制御回路とは、読み出し時にソース線読み出しドライバ7Sおよびビット線センスアンプ7Bを制御する読み出し制御(Read Control)回路11Aと、書き込み時にソース線書き込みドライバ10Sおよびビット線書き込みドライバ10Bを制御する書き込み制御(Write Control)回路11Bと、書き込みおよび読み出し時にロウデコーダ4を制御するワード線制御(WL Control)回路11Cと、書き込みおよび読み出し時にカラムデコーダ6を介してカラム選択スイッチ回路8を制御するカラムスイッチ制御(CSW control)回路11Dである。
なお、この4つの制御回路により出力される各種制御信号は、符号のみ図7で示し、詳細は後述する。
駆動力発生回路12は、電源供給を受けて電源電圧から各種電圧を発生する回路である。図7では、駆動力発生回路12から出力される各種電圧として、本実施形態の特徴部であるビット線センスアンプ7Bに出力するプリチャージ電圧VPRE、「初期電圧」としてのビット線印加電圧VBLおよび参照電圧VREFのみ示す。駆動力発生回路12は、この3つの電圧以外に、他の各種電圧の発生および供給を行うように構成してよい。
<制御系回路の構成例>
図8に、Xセレクタ20の回路例を示す。
図解されているXセレクタ20は、初段の4つのインバータINV0〜INV3、中段の4つのナンド回路NAND0〜NAND3、後段に接続されている他の4つのインバータINV4〜INV7から構成されている。
Xセレクタ20は、XアドレスビットX0,X1を入力し、そのデコード結果に応じて、Xセレクト信号X_SEL0〜X_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図8は2ビットデコードの例であるが、Xアドレスデコーダ2は、その入力されるXアドレス信号のビット数に応じて、図8の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図9に、Yセレクタ30の回路例を示す。
図解されているYセレクタ30は、初段の4つのインバータINV8〜INV11、中段の4つのナンド回路NAND4〜NAND7、後段に接続されている他の4つのインバータINV12〜INV15から構成されている。
Yセレクタ30は、YアドレスビットY0,Y1を入力し、そのデコード結果に応じて、Yセレクト信号Y_SEL0〜Y_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図9は2ビットデコードの例であるが、Yアドレスデコーダ3は、その入力されるYアドレス信号のビット数に応じて、図9の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図10に、ロウデコーダ4の基本構成であるロウデコーダユニット40の回路例を示す。図解されているロウデコーダユニット40は、ロウデコーダ4内にカラム方向のセル数(N+1)だけ設けられている(図7参照)。
この(N+1)個のロウデコーダユニット40は、図8に示すXセレクタ20等によって選択(活性化)された1つのXセレクト信号X_SELによって動作し、その信号に応じた1本のワード線WLを活性化するための回路である。
図10に図解しているロウデコーダユニット40は、ナンド回路NAND8とインバータINV16から構成されている。
ナンド回路NAND8の一方入力に書き込み選択イネーブル信号WLEが入力され、他方入力にXセレクト信号X_SELが入力され、ナンド回路NAND8の出力がインバータINV16の入力に接続されている。インバータINV16の出力に接続されたワード線WLが活性化、または非活性となる。
図11に、YSWゲート回路60の回路例を示す。
図解されているYSWゲート回路60は、1つのナンド回路NAND12と、その出力に接続されている1つのインバータINV21とからなる。
ナンド回路NAND12の一方入力にYスイッチ・イネーブル信号YSWEが入力され、他方入力に図9に示すYセレクタ30により選択(活性化)された1つのYセレクト信号Y_SELが入力される。このYセレクト信号Y_SELとYスイッチ・イネーブル信号YSWEがともに活性(ハイレベル)のときに、ナンド回路NAND12の出力がローレベルとなり、インバータINV21から活性レベル(ハイレベル)のYスイッチ信号YSWが、図7のカラム選択スイッチ回路8を構成するビット線TG8B(0)〜8B(N)およびソース線TG8S(0)〜8S(N)の何れか一のNMOSトランジスタのゲートに出力される。また、図11では図示を省略しているが、Yスイッチ信号YSWがインバータ等で反転され、その出力信号である反転Yスイッチ信号YSW_が、Yスイッチ信号YSWが出力される上記NMOSトランジスタと対を成すPMOSトランジスタのゲートに出力される。
つぎに、図7の読み出し制御回路11Aに設けられているセンスアンプ制御信号の発生回路例を説明する。
この信号発生回路は、例えば図12に示すように構成されている。図13(A)〜図13(E)は、その動作波形を示す図である。
図12に図解されている信号発生回路110は、6つの遅延回路(Delay)111(0)〜111(5)と、6つのナンド回路NAND9(0)〜NAND9(5)と、6つのインバータINV17(0)〜INV17(5)とを含む。それぞれ遅延回路、NAND回路、インバータが1つずつ直列接続されて遅延段が構成され、遅延段が6段直列接続されてディレイラインが形成されている。
なお、図12および図13の説明では便宜上、各遅延段の遅延時間は単位期間Tと一定とするが、後述する実際のデータ読み出し例のようにパルス長(持続時間:duration)およびパルス間隔は、動作の安定性等を考慮して任意に決めてよい。
図7における制御回路11に入力される読み出しイネーブル信号REから、図13(A)に示すように単位期間Tの8倍の持続時間を持つパルスとして、読み出しイネーブル信号RE_BUFが発生する。
読み出しイネーブル信号RE_BUFのパルスが、時間t0で初段の遅延回路111(0)に入力され、各段で単位期間Tの遅延が行われる。遅延段のタップ、即ちインバータINV17(0)〜INV17(5)の出力から遅延出力が得られる。図12では、時間t0で読み出しイネーブル信号RE_BUFの立ち上がりエッジが入力された遅延動作で、単位時間Tの経過ごとに各タップから出力される時間を(t1)〜(t6)により示す。
図12に示すナンド回路NAND9(0)〜NAND9(5)は、遅延入力が与えられる入力と異なる他の入力が共通接続されて、遅延回路111(0)の入力に接続されている。よって、時間t0から時間t7までは遅延動作が許可されるが、時間t8で遅延動作が停止され、各段の出力がローレベルに強制的に落とされる。
信号発生回路110は、遅延段のタップからの遅延出力から制御信号を発生する回路部が、4つの入力側のインバータINV19(0)〜INV19(3)と、4つのナンド回路NAND10(0)〜NAND10(3)と、4つの出力側のインバータINV18(0)〜INV18(3)とを含む。
このうち入力側の4つのインバータINV19(0)〜INV19(3)は、制御信号の立ち下がり(パルス停止)タイミングを4つのナンド回路NAND10(0)〜NAND10(3)に与えるために設けられている。
ナンド回路NAND10(0)の一方入力に初段の遅延出力が入力され、他方入力にインバータINV19(0)を介して、2段目の遅延出力が入力されている。ナンド回路NAND10(0)の出力はインバータINV18(0)で反転され、プリチャージ・イネーブル信号PREとして出力される。よって、プリチャージ・イネーブル信号PREは、図13(C)に示すように、時間t1で立ち上がり、時間t2で立ち下がる、持続時間(T)を持つパルスとなる。
出力にインバータINV18(1)が接続されたナンド回路NAND10(1)の一方入力に、初段の遅延出力が入力され、他方入力にインバータINV19(1)を介して、5段目の遅延出力が入力されている。
よって、インバータINV18(1)から出力される信号GDIODEが、図13(D)に示すように、時間t1で立ち上がり、時間t5で立ち下がる、持続時間(4T)を持つパルスとなる。後述するゲートダイオード接続信号GDIODE_(ローアクティブ)は、この信号GDIODEを反転して用いる。
出力にインバータINV18(2)が接続されたナンド回路NAND10(2)の一方入力に、3段目の遅延出力が入力され、他方入力にインバータINV19(2)を介して、4段目の遅延出力が入力されている。
よって、インバータINV18(2)から出力されるゲート設定信号GSETが、図13(E)に示すように、時間t3で立ち上がり、時間t4で立ち下がる、持続時間(T)を持つパルスとなる。
出力にインバータINV18(3)が接続されたナンド回路NAND10(3)の一方入力に、6段目(最終段)の遅延出力が入力され、他方入力がインバータINV19(3)を介して、遅延回路111(0)の入力に接続されている。
よって、インバータINV18(3)から出力される読み出し駆動イネーブル信号RDEが、図13(B)に示すように、時間t6で立ち上がり、時間t8で強制終了する(立ち下がる)、持続時間(2T)を持つパルスとなる。
以上のように発生された4つの制御信号は、適宜反転され、同期されて次に説明する駆動系回路に入力される。以下、この4つの信号を含め制御のための信号は、簡略化のため「信号(参照符号)」で表す。また、反転されてローアクティブとなる信号では、参照符号の末尾に「_」を付して、ローアクティブであることを表す。
<駆動系回路の構成>
図14(A)に、ソース線読み出しドライバ7S、ビット線センスアンプ7B、ソース線書き込みドライバ10S、ビット線書き込みドライバ10Bの回路例の構成と、メモリセルに対する接続関係を示す。また、図14(B)にビット線センスアンプ7Bの拡大図を示す。
図14(A)に示すメモリセルMC(M,M)は、Xアドレスが「M」、Yアドレスが「M」のメモリセルである(図7参照)。ここで示す2つの「M」は0以上、N以下の任意かつ独立に選択可能な数字を表す。メモリセルMC(M,M)はワード線WL(M)、ビット線BL(M)およびソース線SL(M)に接続されている。
ビット線BL(M)とグローバルビット線GBLとの間にTG8B(M)が接続され、ソース線SL(M)とグローバルソース線GSLとの間にTG8S(M)が接続されている。
ビット線書き込みドライバ10Bは、ライトドライバ80を含む。
ライトドライバ80は、図7の書き込み制御回路11Bから出力されるライトドライバイネーブル信号(WDE)の入力に応じて、I/Oバッファ9内の書き込みラッチ回路に保持されている反転入力データ電圧(/DIN)をグローバルビット線GBLに出力する回路である。
ライトドライバ80は、2つのPMOSトランジスタ81P,82P、2つのNMOSトランジスタ83N,84Nおよびインバータ85を有する。PMOSトランジスタ81P,82PとNMOSトランジスタ83N,84Nが、電源電圧線と基準電圧線(例えばGND線)との間に縦続接続されている。そのうちPMOSトランジスタ82PとNMOSトランジスタ83Nは、ゲート同士が接続され、当該共通ゲートに反転入力データ電圧(/DIN)が供給可能となっている。PMOSトランジスタ82PとNMOSトランジスタ83Nの接続点がグローバルビット線GBLに接続されている。PMOSトランジスタ81P、NMOSトランジスタ84Nおよびインバータ85により、インバータ85の入力に印加される信号(WDE)に応じて電源供給が制御される。
ソース線書き込みドライバ10Sも同様な構成のライトドライバ80を有する。ただし、ソース線書き込みドライバ10S内のライトドライバ80は、図7の書き込み制御回路11Bから出力される信号(WDE)の入力に応じて、I/Oバッファ9内の書き込みラッチ回路に保持されている入力データDINをグローバルソース線GSLに出力する回路である。よって、ソース線書き込みドライバ10S内のライトドライバ80では、PMOSトランジスタ82PとNMOSトランジスタ83Nとの共通ゲートに、入力データDINが供給可能となっており、PMOSトランジスタ82PとNMOSトランジスタ83Nのドレイン同士の接続点がグローバルソース線GSLに接続されている。
以上より、ソース線書き込みドライバ10S内のライトドライバ80と、ビット線書き込みドライバ10B内のライトドライバ80とは差動的に動作し、グローバルビット線GBLがハイレベルに駆動されるときは、グローバルソース線GSLがローレベルに駆動され、逆に、グローバルビット線GBLがローレベルに駆動されるときは、グローバルソース線GSLがハイレベルに駆動される。
図14(A)に示すソース線読み出しドライバ7Sは、図7の読み出し制御回路11Aから信号(RE_BUF)の供給を受けて動作する。
また、ビット線センスアンプ7Bは、読み出し制御回路11Aから信号(RE_BUF)、(/RDE)、(PRE)、(/GDIODE)、(GSET)の供給を受け、また、駆動力発生回路12から、プリチャージ電圧VPRE、「初期電圧」としてのビット線印加電圧VBLおよび参照電圧VREFの供給を受けて動作する。
ソース線読み出しドライバ7S内で、図14(A)に示すように、グローバルソース線GSLとGND電位との間に、NMOSトランジスタ70Nが接続されている。NMOSトランジスタ70Nは、ゲートに信号(RE_BUF)が入力されるため、読み出し期間中(図13(A)参照)オンし、グローバルソース線GSLにGND電位を設定する。
本実施形態に関わるビット線センスアンプ7Bは、図14(B)に示すように、5つのPMOSトランジスタ71P,72P,73P,74P,75Pと、4つのNMOSトランジスタ71N,74N,75N,76Nと、それぞれ1つのインバータINV、キャパシタCおよび差動センスアンプDAMPを有する。
このうち、NMOSトランジスタ75Nが、本発明との対応では「第1(読み出しゲート)トランジスタ」の一態様に該当する。また、PMOSトランジスタ73Pが本発明との対応では「第2トランジスタ」に、PMOSトランジスタ72Pが「第3トランジスタ」に、NMOSトランジスタ76Nが「第4トランジスタ」の各一態様に該当する。
さらに、本発明との対応で「ダイオード接続スイッチ回路部」にPMOSトランジスタ73PとNMOSトランジスタ75Nが含まれ、「充放電スイッチ回路部」にPMOSトランジスタ72PとNMOSトランジスタ74N,76Nが含まれる。PMOSトランジスタ74P,75Pが、本発明との対応で「プルアップ部」の一態様に該当する。また、NMOSトランジスタ71NとPMOSトランジスタ71Pはリセット回路部を構成する。
あるいは、読み出しゲートトランジスタ(NMOSトランジスタ75N)を除く上記ダイオード接続スイッチ回路部と、上記充放電スイッチ回路部との併せて、本発明では「閾値補正部」とも言う。
キャパシタCの一方電極がGND電位に接続され、他方電位がゲート電位VGの設定ノードに接続されている。よって、キャパシタCは、GND電位を基準にゲート電圧VGを保持する。
差動センスアンプDAMPは、センスアンプの増幅回路であり、その反転入力「−」に参照電圧VREFが入力され、非反転入力「+」に入力電圧VINが入力される。
電源電圧VDDの供給ノードと入力電圧VINの設定ノードとの間に、PMOSトランジスタ74P,75Pが縦続接続されている。
PMOSトランジスタ74Pは、信号(/RDE)により制御される。PMOSトランジスタ75Pはゲートとドレイン(入力電圧VINの設定ノード)が共通接続されている。
入力電圧VINの設定ノードとグローバルビット線GBLとの間に、NMOSトランジスタ75Nと74Nが縦続接続されている。NMOSトランジスタ75Nのゲートがゲート電圧VGの設定ノードに接続されている。また、NMOSトランジスタ74Nは信号(RDE)により制御される。詳細は後述するが、NMOSトランジスタ75Nは、その閾値電圧Vthgに応じたセル電流Icellの変動を抑制するトランジスタである。
入力電圧VINの設定ノードとプリチャージ電圧VPREの供給ノードとの間に、PMOSトランジスタ72Pが接続されている。また、入力電圧VINとゲート電圧VGの2つの設定ノード間に、PMOSトランジスタ73Pが接続されている。
PMOSトランジスタ72Pは信号(PRE_)により制御され、PMOSトランジスタ73Pは信号(/GDIODE)により制御される。
ゲート電圧VGの設定ノードとGND電位との間に、NMOSトランジスタ71Nが接続されている。一方、入力電圧VINの設定ノードと電源電圧VDDの供給ノードとの間にPMOSトランジスタ71Pが接続されている。
PMOSトランジスタ71Pは信号(RE_BUF)により制御され、NMOSトランジスタ71Nは、インバータINVが信号(RE_BUF)を入力して反転することにより発生する信号(RE_BUF_)により制御される。
NMOSトランジスタ74Nのドレインと、ビット線印加電圧VBLの供給ノードとの間にNMOSトランジスタ76Nが接続されている。NMOSトランジスタ76Nは、信号(GSET)により制御される。
<“L”データ読み出し動作>
図15(A)〜図15(H)に、メモリセルMC(M,M)から“L”データを読み出すときの信号波形図を示す。
図15において、時間T0〜T8が図13の時間t0〜t8に対応するが、時間T0〜T8は、図13に示す時間t0〜t8のように等間隔である必要ない。図13を参照すると、時間T1〜T2で入力電圧VINのプリチャージ(VIN Pre-Charge)が行われ、その後、時間T3〜T4で入力電圧VINのディスチャージ(VIN Dis-charge)が行われて、そのディスチャージによりNMOSトランジスタ75Nの閾値電圧Vthgに応じた入力電圧VINが設定される。
この入力電圧VINの設定ノードに対する充放電期間を含めて、時間T1〜T5をプリ読み出し(Pre-Read)期間という。
その後、時間T6〜T8で、差動センスアンプDAMPによるメモリセルの読み出し(Read)が実行される。
図15において、時間T0で読み出しサイクルが開始する。その前の、例えば時間Tsにおけるスタンバイ状態では、“L”データを保持しているメモリセルMC(M,M)内のトンネル磁気抵抗素子TMRが高抵抗状態となっている。
スタンバイ状態では、信号(RE_BUF)がローレベルであるため、図14(B)のPMOSトランジスタ71PとNMOSトランジスタ71Nがともにオンしている。よって、入力電圧VINの設定ノードが電源電圧VDDにリセットされ、ゲート電圧VGの設定ノードがGND電位で保持されている。
読み出しサイクルを通して書き込み駆動イネーブル信号WDEは非活性(ローレベル)である(図15(F))。
また、読み出しサイクル期間では、図10に示す書き込み選択イネーブル信号WLEが活性(ハイレベル)であるため、ロウデコーダユニット40は、Xセレクト信号X_SELに対応した1本のワード線WL(本例ではWL(M))を活性化し、ハイレベルにしておく。他のワード線は非活性(ローレベル)である。
時間T0で、信号(RE_BUF)がハイレベルに立ち上がると(図15(A))、図14(B)のPMOSトランジスタ71PとNMOSトランジスタ71Nがオフする。これにより、入力電圧VINの設定ノードを電源電圧VDDで保持し、ゲート電圧VGの設定ノードをGND電位で保持しているリセットが解除され、両設定ノードがフローティング状態になる。
また、図14(A)に示すソース線読み出しドライバ7S内のNMOSトランジスタ70Nがオンし、グローバルソース線GSLがGND電位に設定される。
時間T1で、信号(PRE)と信号(GDIODE)が活性化しハイレベルになると(図15(B)および(C))、図14(B)のPMOSトランジスタ72P,73Pがともにオンする。これにより、NMOSトランジスタ75Nは、そのドレインとゲートが接続されたダイオード接続状態となり、当該ダイオード接続経路上の入力電圧VINとゲート電圧VGの両設定ノードにプリチャージ電圧VPREが設定される(図15(H))。
その後、時間T2で信号(PRE)が立ち下がり(図15(B))、PMOSトランジスタ72Pのみオフする。このため、入力電圧VINとゲート電圧VGの両設定ノードを連結しているダイオード接続経路は、プリチャージ電圧VPREを保持したままフローティング状態となる。
このときの状態を図16に示す。
このときNMOSトランジスタ75Nのソース電位が十分低ければ、その電位は「VDD−Vthg」となるが、このときまで信号(GSET),信号(RDE)は非活性のままであるため(図15(D)と(E))、通常、NMOSトランジスタ75Nのソース電位は不定である。
ただし、NMOSトランジスタ75Nのソース電位が十分低ければ(あるいは、次に十分に低くなると)、NMOSトランジスタ75Nのソース電位は一義的に「入力電圧VIN(現在はVDD)−Vthg」となるため、実質的に、閾値電圧Vthgの値が読み出されているに等しい。
プリチャージ終了(時間T2)の後、電位が安定した時間T3にて、信号(GSET)をハイレベルに立ち上げ(図15(D))、NMOSトランジスタ76Nをオンする。これによりNMOSトランジスタ75Nのソース電位(=VIN−Vthg)がビット線印加電圧VBLに電位的に固定される。これによりNMOSトランジスタ75Nのソースとドレインに電圧が加わり、オンする。このNMOSトランジスタ75Nがオンする条件は、プリチャージ電圧VPREが、ビット線印加電圧VBLより、NMOSトランジスタ75Nの閾値電圧Vthg以上高い必要がある。
ディスチャージ後の状態を、図17に示す。
NMOSトランジスタ75Nがオンすると、電源電圧VDDで保持されていた入力電圧VINの設定ノードが、オン状態のNMOSトランジスタ75N,76Nを介してディスチャージされる。
これにより、図15(H)に示すように、入力電圧VINの設定ノード電位が低下する。このときPMOSトランジスタ73Pがオン状態で、NMOSトランジスタ75Nがダイオード接続状態にある。このため、入力電圧VINおよびゲート電圧VGは(VBL+Vthg)まで低下すると、NMOSトランジスタ75Nがカットオフし、その電位で一定になる(図15(H))。図17は、このカットオフ後の状態を示している。
なお、図17では説明簡易化のためNMOSトランジスタ76NをNMOS構成にしているが、電位状態次第ではPMOS構成、トランスファゲート等に使い分ける必要がある。
ディスチャージによって、ビット線印加電圧VBLに、NMOSトランジスタ75Nの閾値電圧Vthg分オフセットを持たせた入力電圧VINが設定される。
NMOSトランジスタ75Nを含め、図14(B)に示すビット線センスアンプ7B内の全てのNMOSトランジスタは、同じプロセスにより極めて接近したデバイス上の位置に形成されることから、トランジスタ特性が連動して変動する。また、メモリセルアレイ1内のNMOSトランジスタ、例えばセレクトトランジスタSTも、同様に連動して変動する。
よって半導体メモリデバイス内のNMOSトランジスタは、閾値電圧の変動が、その向き、大きさ(比率)において連動して変化する。よって、そのうちの1つを上記オフセットのための閾値電圧Vthgとすればよい。本実施形態では、閾値電圧がオフセットとして反映されるのは、ディスチャージ経路で、そのディスチャージ時にダイオード接続されているトランジスタ、すなわちNMOSトランジスタ75Nである。
ところで、図7において、ビット線センスアンプ7Bは1つしか示していないが、通常、1ビット読み出しではなく、数ビット〜1ワード線単位での読み出しとなる。例えば8ビット同時読み出しの場合は、メモリセルアレイ1を8つのカラムブロックに分け、そのブロックごとにグローバルビット線GBLとビット線センスアンプ7Bを設ける。
このような場合、図17に示すNMOSトランジスタ75Nの閾値電圧Vthgは複数(例えば8〜数十個)のビット線センスアンプ7Bで、それぞれ固有の値を持っている。
本実施形態では、それぞれ異なる値を有する閾値電圧Vthgに応じて入力電圧VINがビット線センスアンプ7Bごとに設定される。つまり、自己の回路がもつ閾値電圧Vthgを参照して自己参照的に、入力電圧VINの値が設定される。
次にセンシング動作する際に、メモリセルMC側から見ると、入力電圧VINは、それから閾値電圧Vthgを引いた値になるが、入力電圧VINが自己参照的に(VBL+Vthg)に各ビット線センスアンプ7Bで設定されるため、複数のビット線センスアンプ7Bのセンシング動作において読み出し対象のメモリセルには常に一定のビット線印加電圧VBLが与えられる。つまり、本実施形態のビット線センスアンプ7Bは、プロセス変動等によるバラツキに影響しないビット線電圧供給が可能である。
図15に戻り、時間T4で信号(GSET)を立ち下げると、NMOSトランジスタ76Nがオフし放電経路は遮断される。続く時間T5で信号(GDIODE)を立ち下げるとPMOSトランジスタ73Pがオフし、ダイオード接続が解除される。これによりプリ読み出しが終了する。
図18に、プリ読み出し終了後の状態を示す。
入力電圧VINの設定ノードは、それに接続されているPMOSトランジスタ72P,73P,74Pがすべてオフし、カットオフ状態のNMOSトランジスタ75Nを介して接続されているNMOSトランジスタ74N,76Nがオフしているため、フローティング状態となり、比較的大きなこれらのトランジスタの寄生容量に電荷が保持されている。このときVPRE>NIN>VBLの関係にあるから、ノイズによって入力電圧VINが大きく変動しようとすると、PMOSトランジスタ72Pからの電荷注入、NMOSトランジスタ76Nへの余剰電荷の排出等の電荷補償機能が働き、電位補償が行われる。すなわち、ノイズ変動を抑制して一定の入力電圧VINがダイナミックに保持される。
つぎに、図15(E)に示すように、時間T6にて信号(RDE)が立ち上がると、センシングが開始される。このセンシング期間の状態を図19に示す。
図19に示すPMOSトランジスタ74PとNMOSトランジスタ74Nが共にオンする。これにより、メモリセルMC(M,M)のセル電流Icellの経路が形成される。よって、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値に応じたセル電流Icellが入力電圧VINを供給電源として、オン状態のNMOSトランジスタ75N,74Nを通ってメモリセルMC(M,M)に流れる。
入力電圧VINの電圧低下は、PMOSトランジスタ74Pがオンし、当該PMOSトランジスタ74Pと、ダイオード接続されたPMOSトランジスタ75Pとを介して電流Iが入力電圧VINに供給されることによって補償される。
このとき、厳密には、NMOSトランジスタ75Nのサイズ、即ちゲート長やゲート幅等のバラツキがあっても、また、セル電流Icellが変化しても、ゲート電圧VGがキャパシタCに保持されて(VBL+Vthg)となっているため、NMOSトランジスタ75Nのソース電位はほぼビット線印加電圧VBLで維持される。
このときNMOSトランジスタ75Nは、セル電流Icellの大きさに応じて、ソース電位を基準にドレイン電位(入力電圧VIN)が変動する。この入力電圧VINの設定ノードは、セル電流Icellを電流−電圧変換するノードであり、その電位がセル電流に依存する。
本例では“L”データの読み出しでトンネル磁気抵抗素子TMRは高抵抗状態であるためセル電流Icellは比較的小さく、図15(H)に示すように、入力電圧VINはPMOSトランジスタ74P,75Pを介した電位プルアップにより、参照電圧VREFより高い値まで上昇し収束する。
なお、メモリセルMC(M,M)に与えるビット線印加電圧をVBLとするには、NMOSトランジスタ74Nのサイズを比較的大きくし、そのオン抵抗が無視できるように小さくするのが望ましい。
一方、差動センスアンプDAMPは、セル電流Icellに依存する入力電圧VINと参照電圧VREFを差動入力とし、差動入力差を増幅して出力VOUTに発生させる。参照電圧VREFは、トンネル磁気抵抗素子TMRが高抵抗状態と低抵抗状態の中間抵抗でセル電流Icellを流すとしたときの入力電圧VINの値に相当するように図12に示す駆動力発生回路12で発生され、差動センスアンプDAMPの反転入力「−」に供給されている。
その後、図15(A)と図15(E)に示すように、信号(RE_BUF)と信号(RDE)とを立ち下げると、当該読み出し動作が終了する。
差動センスアンプDAMPの出力VOUTは、読み出し出力データDOUTとして図7のI/Oバッファ9を通ってバス(I/Oバス)に排出される。
<“H”データ読み出し動作>
図20に、“H”データの読み出し動作時の波形図を示す。なお、ビット線センスアンプ7Bに対する動作制御は、上記“L”データ読み出し時と同じであるため、ここでの説明は省略する。
このときトンネル磁気抵抗素子TMRは低抵抗状態にあり、セル電流Icellが相対的に大きいため、一定のプルアップ力に対しセル電流Icellによるプルダウン力がより大きくなる。このため、図20(H)に示すように、入力電圧VINは参照電圧VREFより低い値で収束する。
差動センスアンプDAMPの出力VOUT(ハイレベル)は、読み出し出力データDOUTとして図7のI/Oバッファ9を通ってバス(I/Oバス)に排出される。
<データ書き込み動作>
以下、図14(A)ならびに図21〜図24を用いて書き込み動作を説明する。
図21は“L”データ書き込み動作時の波形図、図22は、当該動作時にセル電流Icellの流れる向きを示すセル回路図である。
“L”データ書き込み動作では、トンネル磁気抵抗素子TMRを低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる。
図21(A)〜図21(E)に示すように、書き込み動作を通して読み出し制御信号、即ち信号(RE_BUF)、(PRE)、(GDIODE)、(RDE)を非活性とする。また、ワード線WLを活性化しておく。
まず、入力データDIN(書き込みデータ)DIN、(/DIN)を確定した後(時間T1)、信号(WDE)のパルスを印加する(図21(F))。すると、図14(A)に示すソース線書き込みドライバ10Sから入力データDINがソース線SLに供給され、ビット線書き込みドライバ10Bから反転入力データ電圧(/DIN)がビット線BLに供給される。“L”データは入力データDINが電源電圧VDDレベル、反転入力データ電圧(/DIN)がGNDレベルであるから、ソース線SLとビット線BLの電位関係は図22に示すようになる。
このとき、トンネル磁気抵抗素子TMRの端子間に書き込み状態電位差が生じ、図4で示したようにトンネル磁気抵抗素子TMRが高抵抗状態に遷移する(矢印Ah)。
その後、時間T3で信号(WDE)を立ち下げて(図21)、ワード線WLを非活性にすると書き込みが終了する。
図23は“H”データ書き込みの動作におけるフローチャート、図24は、当該動作時にセル電流Icellの流れる向きを示すセル回路図である。
“H”データ書き込み動作では、トンネル磁気抵抗素子TMRを高抵抗状態から低抵抗状態に変化させる。
図23(A)〜図23(E)に示すように、書き込み動作を通して読み出し制御信号を図21と同様非活性とする。また、ワード線WLを活性化しておく。
まず、入力データDIN(書き込みデータ)DIN、(/DIN)を確定した後(時間T1)、信号(WDE)のパルスを印加する(図23(F))。すると、図14(A)に示すソース線書き込みドライバ10Sから入力データDINがソース線SLに供給され、ビット線書き込みドライバ10Bから反転入力データ電圧(/DIN)がビット線BLに供給される。“H”データは入力データDINがGNDレベル、反転入力データ電圧(/DIN)が電源電圧VDDレベルであるから、ソース線SLとビット線BLの電位関係は図24に示すようになる。
このとき、トンネル磁気抵抗素子TMRの端子間に書き込み状態電位差が生じ、図4で示したようにトンネル磁気抵抗素子TMRが低抵抗状態に遷移する(矢印Al)。
その後、時間T3で信号(WDE)を立ち下げて、ワード線WLを非活性にすると書き込みが終了する。
以上述べた第1実施形態において、ビット線センスアンプ7Bは、本発明の「センスアンプ回路」の一例を示すものである。
本発明のセンスアンプ回路は、差動センスアンプDAMPとプルアップ部(例えばPMOSトランジスタ74P,75P)の他に、閾値補正部を有することが特徴である。閾値補正部は、センス線(例えばNMOSトランジスタ75Nのソースに接続された配線)の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい所定のトランジスタ(第1実施形態では、NMOSトランジスタ75N)に対するダイオード接続の形成と解除により、初期電圧(例えばビット線電圧VBL)から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧(第1実施形態では「VBL+Vthg」)を、読み出しゲートトランジスタ(NMOSトランジスタ75N)の制御端子に印加するための回路である。
以下、上記広い概念の閾値補正部を他の回路により実現した第2実施形態を説明する。
《第2実施形態》
図25に、ソース線読み出しドライバ7S、ビット線センスアンプ7B、ソース線書き込みドライバ10S、ビット線書き込みドライバ10Bの回路例の構成と、メモリセルに対する接続関係を示す。
ここでソース線読み出しドライバ7S、ソース線書き込みドライバ10Sおよびビット線書き込みドライバ10Bの構成は、第1実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。また、第1実施形態で用いた図7〜図13、データ書き込みに関する図21〜図24も本第2実施形態で適用され、これらの図の説明は第1実施形態と同様であるため、ここでの説明を省略する。
<センスアンプ回路構成>
図25に図解するビット線センスアンプ7Bは、第1実施形態(図14)と同様に、入力電圧VINの設定ノードに対し、差動センスアンプDAMP、PMOSトランジスタ71P、NMOSトランジスタ75N(読み出しゲートトランジスタ)、ならびに、PMOSトランジスタ74P,75Pが接続されている。これらのトランジスタの役割は第1実施形態と同様である。
また、NMOSトランジスタ75Nのソースに接続されているセンス線とグローバルビット線GBLとの間に、第1実施形態と同様に、NMOSトランジスタ74Nが接続されている。このNMOSトランジスタ74Nの役割も第1実施形態と同じである。
ビット線センスアンプ7Bは、第1実施形態と同様に、読み出しイネーブル信号RE_BUFをインバータINVにより反転した信号により制御されるNMOSトランジスタ71Nを有する。ただし、本実施形態におけるNMOSトランジスタ71Nは、そのソースがセンス線(NMOSトランジスタ75Nのソース)に接続され、そのドレインが「初期電圧」としてのビット線電圧VBLの供給線に接続されている点で、第1実施形態と異なる。
また、本実施形態のビット線センスアンプ7Bの「閾値補正部」は、負帰還差動アンプを有する。
負帰還差動アンプは、アンプ部90と、NMOSトランジスタ71Nと76Nからなる「初期電圧設定部」と、NMOSトランジスタ94N,95NおよびインバータINVfからなる「負帰還回路部」と、NMOSトランジスタ73N、インバータINVcおよびキャパシタCからなる「ダイオード接続部」と、PMOSトランジスタ72Paと72Pbからなる「プリチャージ部」とを備える。
アンプ部90は、1対の第1および第2差動トランジスタ91N,92Nを有する。
第1および第2差動トランジスタ91N,92Nのソースが共通接続され、NMOSトランジスタ93Nを介してGND電位に接続されている。第1差動トランジスタ91Nのドレインと電源電圧VDDとの間にPMOSトランジスタ91Pが接続され、第2差動トランジスタ92Nのドレインと電源電圧VDDとの間にPMOSトランジスタ92Pが接続されている。PMOSトランジスタ91P,92Pのゲートが共通接続され、第1差動トランジスタ91NとPMOSトランジスタ92Pの接続ノード(以下、プリチャージノードNp)に接続されている。アンプ部90の出力である、第2差動トランジスタ92NとPMOSトランジスタ92Pの接続ノードがNMOSトランジスタ75N(読み出しゲートトランジスタ)のゲートに接続されている。
「負帰還回路部」を構成するNMOSトランジスタ94N,95Nが、「初期電圧」としてのビット線電圧VBLの供給線とセンス線間に縦続接続され、両トランジスタの接続点が第2差動トランジスタ92Nのゲートに接続されている。
NMOSトランジスタ94N,95Nが共にオンのとき負帰還ループが形成され、オフのときに負帰還ループが遮断される。NMOSトランジスタ94Nは信号(GSET)により制御され、NMOSトランジスタ95Nは、信号(GSET)をインバータINVfによって反転した信号により制御される。
「ダイオード接続部」を構成するNMOSトランジスタ73NがプリチャージノードNpと第1差動トランジスタ91NのゲートノードNgとの間に接続され、ゲートノードNgとGND電位間にキャパシタCが接続されている。NMOSトランジスタ73Nは、信号(/GDIODE)をインバータINVcにより反転した信号によって制御される。
「初期電圧設定部」を構成するNMOSトランジスタ76Nが、「初期電圧」としてのビット線電圧VBLの供給線とゲートノードNg間に接続されている。NMOSトランジスタ76Nは、読み出しイネーブル信号RE_BUFを反転した信号(/RE_BUF)により制御される。
「プリチャージ部」を構成するPMOSトランジスタ72Paが電源電圧VDDとプリチャージノードNp間に接続され、PMOSトランジスタ72Pbが電源電圧VDDと出力間に接続されている。PMOSトランジスタ72Paと72Pbは共に、読み出しイネーブル信号RE_BUFにより制御される。
<データ読み出し動作>
図26(A)〜図26(E)に、メモリセルMC(M,M)から“L”または“H”のデータを読み出すときの信号波形図を示す。
図26(A)〜図26(D)に制御信号のパルス波形と印加タイミングを示している。読み出し期間を規定する信号(RE_BUF)に対して信号(RDE)は第1実施形態と同様なパルス幅とタイミングを有するが、信号(GSET)と信号(GDIODE)のパルス幅とタイミングが第1実施形態と異なる(図13参照)。しかし、この変更は、図12に示す信号発生回路110において、パルスの立ち上がりと立ち下がりのタイミングを規定する引き出し線が接続される箇所の遅延回路の段数を、図26(C)および図26(D)の波形が得られるように変更することから容易である。
図26において、時間T0で読み出しサイクルが開始する。その前の、例えば時間Tsにおけるスタンバイ状態では、“L”データを保持しているメモリセルMC(M,M)ではトンネル磁気抵抗素子TMRが高抵抗状態となっており、“H”データを保持しているメモリセルMC(M,M)ではトンネル磁気抵抗素子TMRが低抵抗状態となっている。
スタンバイ状態では、信号(RE_BUF)がローレベルであるため、図25に示すNMOSトランジスタ71Nと76Nが共にオンし、センス線とゲートノードNgに初期電圧(ビット線電圧VBL)が印加されている。このとき信号(GSET)がローレベルであるためNMOSトランジスタ95Nがオンして負帰還ループが形成されている。よってアンプ部90の差動入力対が初期電圧でリセットされている。ゲートノードNgに印加された初期電圧(ビット線電圧VBL)は、キャパシタCに保持される。
また、PMOSトランジスタ71Pがオンし、入力電圧VINの設定ノードが電源電圧VDDにリセットされている。さらに、PMOSトランジスタ72Paと72Pbが共にオンし、アンプ部90の入力側のプリチャージノードNpと出力(NMOSトランジスタ75Nのゲート)が電源電圧VDDにプリチャージされている。
なお、特に図示しないが、第1実施形態と同様に、読み出しサイクルを通して書き込み駆動イネーブル信号WDEは非活性(ローレベル)である。また、読み出しサイクル期間では、図10に示す書き込み選択イネーブル信号WLEが活性(ハイレベル)であるため、ロウデコーダユニット40は、Xセレクト信号X_SELに対応した1本のワード線WL(本例ではWL(M))を活性化し、ハイレベルにしておく。他のワード線は非活性(ローレベル)である。
時間T0で、信号(RE_BUF)がハイレベルに立ち上がると(図26(A))、図25に示すNMOSトランジスタ71NとPMOSトランジスタ71Pがオフする。これにより、入力電圧VINの設定ノードのリセット動作が解除され、当該入力電圧VINの設定ノードが電源電圧VDDを保持したままフローティング状態となる。
さらに、アンプ部90の差動入力対についても所期電圧によるリセット動作が解除され、当該差動入力対(第1および第2差動トランジスタ91N,92Nのゲート)が、初期電圧(ビット線電圧VBL)を保持したまフローティング状態となる。なお、このとき負帰還ループは形成されたままなので、当該負帰還ループとセンス線にビット線電圧VBLが設定されてフローティング状態となる。
時間T0ではさらに、PMOSトランジスタ72Paと72Pbがオフして、プリチャージ動作も解除される。
また、図25に示すソース線読み出しドライバ7S内のNMOSトランジスタ70Nがオンし、グローバルソース線GSLがGND電位に設定される。
時間T1で、信号(GSET)と信号(GDIODE)が活性化しハイレベルになる(図26(C)と(D))。
信号(GSET)がハイレベルになると、図25に示すNMOSトランジスタ95Nがオフして負帰還ループを遮断するとともに、NMOSトランジスタ94Nがオンして第2差動トランジスタ92Nのゲートをビット線電圧VBLの供給線に接続して、電位固定する。
信号(GDIODE)がハイレベルになると、NMOSトランジスタ73Nがオンし、第1差動トランジスタ91Nがダイオード接続される。
このダイオード接続の前に第1差動トランジスタ91Nのドレインにプリチャージされていた電源電圧VDDが、ゲートに設定された初期電圧(ビット線電圧VBL)より十分高いと、ダイオード接続によって短い間、第1差動トランジスタ91Nがオンして自動的にカットオフする。この短い期間のディスチャージは、カレントミラー動作によって第1および第2差動トランジスタ91N,92Nのゲート電圧差が0になるまで行われる。ただし、ゲート電圧差が0になるのは第1および第2差動トランジスタ91N,92Nの閾値電圧差が0である理想的な場合であり、実際には、第2差動トランジスタ92Nのゲート電圧(ビット線電圧VBL)に対して、閾値電圧差ΔVthのオフセットが加算された電圧が第1差動トランジスタ91Nのゲートに生じることが多い。ここで「閾値電圧差ΔVth」は正負の極性を持つ微小電圧である。
ダイオード接続後のキャパシタCの保持電圧を「キャパシタ・プリチャージ電圧VCAP」と定義すると、当該キャパシタ・プリチャージ電圧VCAPは、図26(E)に示すように、時間T1を境に増加または減少し、所定のレベルに収束する。第1差動トランジスタ91Nがカットオフして、キャパシタ・プリチャージ電圧VCAPが安定したら、時間T4にて信号(GDIODE)を立ち下げる。
時間T1〜T4までの期間を図では「VCAPプリチャージ」と表記している。
その後、時間T5で信号(GSET)を立ち下げると、図25に示すNMOSトランジスタ94Nがオフしてビット線電圧VBLの供給が断たれると共に、NMOSトランジスタ95Nがオンして負帰還ループを再び形成する。以後、第2差動トランジスタ92Nに印加されるセンス線の電位を、第1差動トランジスタ91Nのゲートに保持されている電圧「VBL+ΔVth」を基準にアンプ部90がフィードバックして、NMOSトランジスタ75Nのゲート電圧をダイナミックに制御する。このため、アンプ部90の差動入力対をなすトランジスタに閾値電圧差があっても、センス線の電位はビット線電圧VBLに正確に制御される。この閾値電圧補正による読み出しゲートトランジスタのバイアス設定を「プリリード」と称し、時間T5までにデータ読み出しの準備が整う。
その後は、第1実施形態と同様に、時間T6にて信号(RDE)が立ち上がると、センシングが開始される(図26(B))。
図25に示すPMOSトランジスタ74PとNMOSトランジスタ74Nが共にオンする。これにより、メモリセルMC(M,M)のセル電流Icellの経路が形成される。よって、トンネル磁気抵抗素子TMRの抵抗値に応じたセル電流Icellが入力電圧VINを供給電源として、オン状態のNMOSトランジスタ75N,74Nを通ってメモリセルMC(M,M)に流れる。
入力電圧VINの電圧低下は、PMOSトランジスタ74Pがオンし、当該PMOSトランジスタ74Pと、ダイオード接続されたPMOSトランジスタ75Pとを介して電流Iが入力電圧VINに供給されることによって補償される。
このとき、NMOSトランジスタ75Nのサイズ、即ちゲート長やゲート幅等のバラツキのがあっても、また、セル電流Icellが変動しても、NMOSトランジスタ75Nのゲート電圧VGが負帰還アンプにより制御され、しかも、負帰還アンプの差動入力対の閾値電圧の影響がでないように予めキャパシタCの保持電圧が「VBL+ΔVth」に設定されているため、NMOSトランジスタ75Nのソース電位(センス線電位)は正確にビット線印加電圧VBLで維持される。
よって、セル電流の大小の違いに応じてプルダウン力が異なるため、記憶データが“H”の場合と“L”の場合で入力電圧VINに電位差が生じる。
この電位差を差動センスアンプDAMPが参照電圧VREFを基準に電圧センスすることにより、記憶データの論理に応じ増幅された振幅レベル(例えば、電源電圧VDDまたは接地電圧GND)の出力電圧VOUTが得られる。この入力電圧VINとVOUTの波形は、第1実施形態に関わる図15(H)および図20(H)の時間T6以降と同じである。
本実施形態によれば、負帰還アンプにより読み出しゲートトランジスタ(NMOSトランジスタ75N)の閾値電圧のバラツキの影響がキャンセルされ、しかも、負帰還アンプの入力差動対をなす第1および第2差動トランジスタ91N,92Nの閾値電圧差ΔVthの影響も排除される。このため、センスアンプ回路におけるトランジスタ特性のバラツキによってメモリセルのMR比マージン低下がなく、その結果、読み出しディスターブ耐性が高い半導体メモリデバイスが実現できる。
<変形例>
上述した第1および第2実施形態では、種々の変形が可能である。
図14および図25に示すビット線センスアンプ7Bに関し、以下の変形が可能である。
NMOSトランジスタ76Nは、ビット線印加電圧VBLを設定するためのトランジスタである。この電圧印加を精密に行うにはNMOSトランジスタ76NをPMOSトランジスタ、あるいは、トランスファゲートにするとよい。また、図7のカラム選択スイッチ回路8を構成するビット線TG8B(0)〜8B(N)が、図14に示すNMOSトランジスタ74Nの機能を果たすように制御可能であれば、NMOSトランジスタ74Nは省略可能である。
第1実施形態においてプリチャージ電圧VPREによるNMOSトランジスタ75Nのダイオード接続経路のプリチャージ動作をリセットの機能として捉えるならば、その前のリセット動作は不要である。その場合、PMOSトランジスタ71PとNMOSトランジスタ71Nも省略可能である。
なお、本発明との対応で「センス線」は、上記動作例ではグローバルビット線GBL、あるいは、グローバルビット線GBLからNMOSトランジスタ74Nを通りNMOSトランジスタ75Nのソースに至る線を言う。
図14(B)または図25のビット線センスアンプ7Bから差動センスアンプDAMPを省けば、電流−電圧変換回路そのものであり、この回路は、センスアンプ回路に限らず、広く応用が可能である。
第2実施形態について、図27に示すように、NMOSトランジスタ73N,94Nおよび95Nを共通の信号(PREE)で制御することも可能である。この場合、図26(C)に示す信号(GSET)と図26(D)に示す信号(GDIODE)に代えて、時間T1で立ち上がり、時間T4またはT5で立ち下がるパルス波形の信号(PREE)を用いる。ただし、図26に示すように、信号(GSET)のパルス終了より前に信号(GDIODE)のパルスを終了させると動作が確実で好ましい。
図28は、ソース線SL側にソース線センスアンプ(SL S.A)7SSを配置し、ビット線BL側にビット線読み出しドライバ(BL Read Driver)7BBを配置した、図7の変形例である。この変形例は第1および第2実施形態の何れにも適用できる。
グローバルソース線GSLとグローバルビット線GBLに対する接続関係を除くと、ソース線センスアンプ7SSは、図14(B)に示すソース線読み出しドライバ7Sと同様に構成でき、ビット線読み出しドライバ7BBは図14(A)に示すソース線読み出しドライバ7Sと同様に構成できる。
この場合、本発明との対応で「センス線」は、グローバルソース線GSL、あるいは、グローバルソース線GSLからNMOSトランジスタ74Nを通りNMOSトランジスタ75Nのソースに至る線を言う。
本実施形態はスピン注入メモリを例に説明したが、その他提案されている抵抗変化型メモリの読み出し動作においての適用も可能である。
例えば特開2001−127263号公報に記載されている相変化型メモリに適用可能である。
また、例えば特開2004−260162号公報に記載されているRRAM(可変抵抗材料による抵抗変化型ランダムアクセスメモリ)に適用可能である。
また、例えば特開2002−197853号公報に記載されているMRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)に適用可能である。
さらに本実施形態のビット線センスアンプ7B(またはソース線センスアンプ7SS)は、センス線に電流が流れる、流れない(または電流の大小)にメモリの記憶ビットを対応させて、その電流の有無(または大小関係)を検出するメモリに広く適用可能である。
例えば不揮発性メモリでは、フローティングゲートFG、窒化膜による電荷トラップ、その他の電荷蓄積手段に電荷を注入することでメモリトランジスタの閾値電圧を変化させ、上記電流の有無(または電流の大小)を発生させている。この場合、既に説明したように、一定のプルアップ力に対してプルダウン力が変化して電流−電圧変換が同様に行われるので、差動センスアンプDAMPに与える参照電圧VREFを最適化して、同様に記憶ビットの検出が可能である。なお、セル電流の有無(または大小関係)が記憶ビットに応じて発生するメモリならば、本発明は、抵抗変化型、不揮発性のメモリ以外、例えばDRAMやSRAMにも適用可能である。
本実施形態によれば、動作説明で記載した如く、ゲート電圧VGにより動作が非飽和領域で行われることがあり、セル電流Icellの電流経路に接続されているトランジスタ(NMOSトランジスタ75N)の特性、特に閾値電圧Vthgが異なるセンスアンプ回路でばらついたとしても、その変動分だけゲート電圧VG電位として自己参照的にフィードバックがかかるため、結果として特性(閾値電圧)のバラツキによる影響をキャンセルすることが可能である。これに加えて第2実施形態では、負帰還アンプを構成するトランジスタのバラツキも排除できる。これにより、読み出しマージン(例えば、MR比マージン)を大きくして、読み出し時のディスターブおよび誤動作を有効に防止することができる。
トンネル磁気抵抗素子の積層体構造図である。 スピン注入メモリのセル構成を示す立体図である。 スピン注入メモリのセル等価回路図である。 トンネル磁気抵抗素子ヒステリシス特性図である。 背景技術の一例を示すメモリのカラム回路図である。 背景技術の他の例を示すビット線電圧印加のための回路図である。 本発明の第1および第2実施形態に関わる半導体メモリデバイスのブロック図である。 Xセレクタの回路図である。 Yセレクタの回路図である。 ロウデコーダユニットの回路図である。 YSWゲート回路の回路図である。 制御信号発生回路の回路図である。 (A)〜(E)は制御信号発生の波形図である。 (A)は第1実施形態に関わる駆動系回路の回路図である。(B)は第1実施形態に関わるビット線センスアンプの回路図である。 (A)〜(H)は第1実施形態に関わる、“L”データ読み出し動作時の波形図である。 プリチャージ状態を示すセンスアンプ回路図である。 ディスチャージ状態を示すセンスアンプ回路図である。 ダイナミック保持状態を示すセンスアンプ回路図である。 センシング開始状態を示すセンスアンプ回路図である。 (A)〜(H)は第1実施形態に関わる、“H”データの読み出し動作時の波形図である。 (A)〜(G)は第1および第2実施形態に関わる“L”データ書き込み動作時の波形図である。 “L”データ書き込み動作時にセル電流が流れる向きを示すセル回路図である。 (A)〜(G)は第1および第2実施形態に関わる“H”データ書き込み動作時の波形図である。 “H”データ書き込み動作時にセル電流が流れる向きを示すセル回路図である。 第2実施形態に関わる駆動系回路の回路図である。 第2実施形態に関わるデータ読み出し動作時の波形図である。 第2実施形態に関わるビット線センスアンプの変形例を示す回路図である。 第1および第2実施形態において配置の変形例を示す半導体メモリデバイスのブロック図である。
符号の説明
1…メモリセルアレイ、2…Xアドレスデコーダ、20…Xセレクタ、3…Yアドレスデコーダ、30…Yセレクタ、4…ロウデコーダ、40…ロウデコーダユニット、6…カラムデコーダ、60…YSWゲート回路、7B…ビット線センスアンプ、7BB…ビット線読み出しドライバ、7S…ソース線読み出しドライバ、7SS…ソース線センスアンプ、8…カラム選択スイッチ回路、8S(0)〜8S(N)…ソース線TG、8B(0)〜8B(N)…ビット線TG、9…I/Oバッファ、10B…ビット線書き込みドライバ、10S…ソース線書き込みドライバ、11…制御回路、11A…読み出し制御回路、11B…書き込み制御回路、11C…ワード線制御回路、11D…カラムスイッチ制御回路、12…駆動力発生回路、90…(負帰還)アンプ部、MC…メモリセル、WL…ワード線、BL…ビット線、SL…ソース線、GBL…グローバルビット線、GSL…グローバルソース線、ST…セレクトトランジスタ、TMR…トンネル磁気抵抗素子、VIN…入力電圧、VG…ゲート電圧、VPRE…プリチャージ電圧、VBL…ビット線印加電圧、VREF…参照電圧、75N…NMOSトランジスタ(読み出しゲートトランジスタ)、Vthg…閾値電圧、Icell…セル電流

Claims (12)

  1. メモリセルと、
    センス線と、
    前記センス線を介して前記メモリセルに接続されるセンスアンプ回路と、
    を備え、
    前記センスアンプ回路は、
    第1および第2差動入力を有し、第2差動入力に参照電圧が供給される差動センスアンプと、
    前記第1差動入力を一定電圧によってプルアップするプルアップ部と、
    前記センス線と前記第1差動入力間に接続され、セル電流に応じてセンス線電位が初期電圧から下がるとターンオンする読み出しゲートトランジスタと、
    前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加する閾値補正部と、
    を有する半導体メモリデバイス。
  2. 前記センスアンプ回路は、
    第1および第2差動入力を有し、第2差動入力に参照電圧が供給される差動センスアンプと、
    前記第1差動入力を一定電圧によってプルアップするプルアップ部と、
    前記第1差動入力と前記センス線間に接続され、前記第1差動入力と制御端子の短絡によるダイオード接続の形成と解除が制御可能な前記読み出しゲートトランジスタを含むダイオード接続スイッチ回路部と、
    ダイオード接続状態で、ダイオード接続経路をプリチャージしてフローティング状態とし、前記読み出しゲートトランジスタの閾値電圧に応じて、プリチャージ電圧を前記初期電圧の供給線に一部放電する充放電スイッチ回路部と、
    を有し、
    前記ダイオード接続を解除し、前記第1差動入力の電圧を前記差動センスアンプにより電圧センスする
    請求項1に記載の半導体メモリデバイス。
  3. 前記充放電スイッチ回路部は、ダイオード接続状態で、ダイオード接続経路をプリチャージ電圧の設定後にフローティング状態とし、前記センス線を前記初期電圧の供給線に電気的に接続し、前記プリチャージ電圧を、前記読み出しゲートトランジスタがカットオフするまで前記初期電圧の供給線に一部放電することにより、前記初期電圧に前記閾値電圧を加えた電圧を前記第1差動入力に設定する
    請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
  4. 前記センス線と前記初期電圧の供給線の接続と、前記ダイオード接続とを共に解除し、前記カットオフ状態の前記読み出しゲートトランジスタを介して前記第1差動入力にフローティング状態で保持されている電圧を前記メモリセルに供給し、当該メモリセルに流れる電流に応じて変化する前記第1差動入力の保持電圧を前記差動センスアンプにより電圧センスする
    請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
  5. 前記ダイオード接続スイッチ回路部は、
    前記読み出しゲートトランジスタとしての第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタの第1差動入力接続端子と制御端子との間に接続されている第2トランジスタと、
    を有し、
    前記充放電スイッチ回路部は、
    前記プリチャージ電圧の供給線と前記第1差動入力間に接続されている第3トランジスタと、
    前記センス線に電気的に接続されている前記第1トランジスタのソースと前記初期電圧の供給線との間に接続されている第4トランジスタと、
    を有する請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
  6. 前記第1差動入力の電位をプルアップする前記プルアップ部に、前記差動センスアンプによる電圧センス時にオンして給電経路を確保する第5トランジスタを有する
    請求項5に記載の半導体メモリデバイス。
  7. 前記プリチャージ電圧は、前記初期電圧より、前記読み出しゲートトランジスタの閾値電圧以上高い電圧である
    請求項2に記載の半導体メモリデバイス。
  8. 第1および第2差動入力を有し、第2差動入力に参照電圧が供給される差動センスアンプと、
    前記第1差動入力を一定電圧によってプルアップするプルアップ部と、
    センス線と、
    前記センス線と前記第1差動入力との間に接続され、セル電流に応じてセンス線電位が初期電圧から下がるとターンオンする読み出しゲートトランジスタと、
    前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加する閾値補正部と、
    を有し、
    前記センス線に所定の前記初期電圧を印加し、前記センス線を電位的にフローティング状態にしたときに前記センス線を流れる電流に応じて変化する前記センス線の電圧を検出する
    センスアンプ回路。
  9. 前記第1差動入力と前記センス線との間に接続され、前記第1差動入力と前記制御端子の短絡によるダイオード接続の形成と解除が制御可能な前記読み出しゲートトランジスタを含むダイオード接続スイッチ回路部と、
    ダイオード接続状態で、ダイオード接続経路をプリチャージしてフローティング状態とし、前記読み出しゲートトランジスタの閾値電圧に応じて、プリチャージ電圧を前記初期電圧の供給線に一部放電する充放電スイッチ回路部と、
    を有し、
    前記ダイオード接続を解除し、前記第1差動入力の電圧を前記差動センスアンプにより電圧センスする
    請求項に記載のセンスアンプ回路。
  10. センス線とセンスノードとの間に接続され、セル電流に応じてセンス線の電位が初期電圧から下がるとターンオンする読み出しゲートトランジスタを介して、メモリセルの記憶データを読み出すメモリセルの読み出し方法であって、
    前記センス線の電位に対する閾値電圧の影響を排除したい前記読み出しゲートトランジスタに対するダイオード接続の形成と解除により、前記初期電圧から補正された電圧を発生し、当該補正された電圧を前記読み出しゲートトランジスタの制御端子に印加し、前記センス線に前記初期電圧を設定して、当該センス線をフローティング状態とする電圧設定ステップと、
    前記センスノードを一定電圧でプルアップした状態で前記センス線を前記メモリセルに接続し、セル電流に応じて変化する前記センスノードの電位変化を参照電圧と比較して検出する検出ステップと、
    を含むメモリセルの読み出し方法。
  11. 前記電圧設定ステップは、さらに、
    前記読み出しゲートトランジスタを、制御端子が前記センスノードに接続されたダイオード接続状態とし、ダイオード接続経路をプリチャージしてフローティング状態にするステップと、
    前記センス線を初期電圧の供給線に電気的に接続し、前記プリチャージの電圧を、前記読み出しゲートトランジスタがカットオフするまで前記初期電圧の供給線に一部放電させるステップと、
    前記センス線と前記初期電圧の供給線との接続を解除するステップと、
    を含む請求項10に記載のメモリセルの読み出し方法。
  12. 前記検出ステップでは、前記センス線と前記初期電圧の供給線の接続と前記ダイオード接続とを共に解除した状態で、カットオフ状態の前記読み出しゲートトランジスタを介して前記センスノードにフローティング状態で保持されている電圧を前記メモリセルに供給し、当該メモリセルに流れる電流に応じて変化する前記センスノードの保持電圧を電圧センスする
    請求項11に記載のメモリセルの読み出し方法。
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