JP4720912B2 - 抵抗変化型メモリデバイス - Google Patents
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Description
記憶素子は、2つの電極間に上記導電性イオンの供給層と絶縁膜を形成した積層構造を有する。
メモリセルは、記憶素子とアクセストランジスタとをアクティブマトリクス駆動可能な第1および第2共通線間に直列接続させて構成されている。このようなメモリセルは、1つのトランジスタ(T)と1つの(可変)抵抗(R)を持つことから1T1R型のメモリセルと呼ばれる。
この1T1R型メモリセルを有するメモリデバイスは、ReRAMと呼ばれる。
そのため書き換え回数に応じて、メモリセルに印加する最適な動作条件が変化する。つまり、書き換えの頻度等の使用条件が異なれば、メモリセルにとって必要十分な書き換え電流・電圧ストレスも異なる。過剰な書き換え電流・電圧ストレスは、リークを増大させ、また、書き換え可能な回数を変動させる(低下させる)ため望ましくない。
言い換えると、このタイプの不揮発性メモリデバイスは、その時々に必要十分な書き換え電流・電圧ストレスを与えることを条件に、書き換え回数上限の保証と、データ保持特性の維持との両立が可能となる。
ヴェリファイ動作を伴う駆動方法において、高速性を高める工夫が種々提案されている(特許文献1〜3および非特許文献1〜2)。
相変化メモリにおいても、ドレイン電圧(ビット線電圧)を制御する技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。この技術では、ビット線ドライバを複数設け、これを切り替える構成が開示されている。
特にReRAMは、印加電圧に応じて抵抗値が漸次変化するため、ビット線の設定電圧のバラツキに対し得られる抵抗値の大きさが敏感にばらつく。そのため、このような複数のビット線ドライバを切り替えて異なる電圧を設定する方法の採用は、ReRAMにおいては余り好ましくない。
また、この方法ではドライバ自体を切り替えるためビット線電圧の安定に時間がかかり、高速化にも不利と予想される。
そして何よりも、複数のビット線を同時制御して記憶データをワード単位あるいはページ単位で読み出す場合、特許文献4に記載の制御回路では回路規模が大きくなる。
本発明に関わる他の抵抗変化型メモリデバイスは、第1共通線と、第2共通線と、印加電圧に応じて抵抗値が変化する記憶素子とアクセストランジスタを、前記第2共通線と前記第1共通線との間に直列に接続させて各々が形成されている複数のメモリセルと、前記第1共通線および前記第2共通線を介して、前記複数のメモリセルを駆動する駆動回路とを備え、前記駆動回路は、前記第1共通線と所定電圧の供給ノードとの間に接続されたP型の共通線パストランジスタと、前記メモリセルの前記記憶素子を低抵抗状態と高抵抗状態の一方の側から他方の側に変化させるときは前記第1共通線を電流駆動し、前記記憶素子の状態を前記他方の側から前記一方の側に逆向きに変化させるときは前記第1共通線を電圧駆動する、前記共通線パストランジスタのゲートドライバ回路と、前記ゲートドライバ回路が前記P型の共通線パストランジスタを電流駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より高い値に制御し、前記ゲートドライバ回路が前記P型の共通線パストランジスタを電圧駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より低い値に制御する駆動電圧回路と、を有する。
この構成では、共通線パストランジスタは、第1共通線の負荷が大きい場合でも、その第1共通線の電圧または電流を、第1共通線とは異なる共通線パストランジスタの制御線を介して駆動する。この共通線パストランジスタの制御線を介した駆動によって、メモリセルに対する電圧や電流の駆動が十分となる。
以下、次の順で説明を行う。
1.第1の実施の形態:N型(共通線パストランジスタ)PTをソースの接地状態で駆動(図5,6)
2.第2の実施の形態:N型PTをドレインのVdd接続状態で駆動(図7,8)
3.第3の実施の形態:P型PTをドレインの接地状態で駆動(図9,10)
4.第4の実施の形態:P型PTをソースのVdd接続状態で駆動(図11,12)
5.第5の実施の形態:具体的IC構成と制御例(図13〜29)
6.変形例1:BLドライバ配置例1(図30)
7.変形例2:BLドライバ配置例2(図31)
8.変形例3:WLドライバ構成例(図34)
[メモリセル構成]
図1(A)と図1(B)に、本発明の実施の形態に共通なメモリセルの等価回路図を示す。なお、図1(A)は書き込み電流、図1(B)は消去電流について、その向きを示すが、メモリセル構成自体は両図で共通する。
図1に図解するメモリセルMCは、「記憶素子」としての1つの可変セル抵抗Rcellと、1つのアクセストランジスタATとを有する。
可変セル抵抗Rcellの一端がプレート線PLに接続され、他端がアクセストランジスタATのソースに接続され、アクセストランジスタATのドレインがビット線BLに、ゲートが“アクセス線”としてのワード線WLに、それぞれ接続されている。
ここでビット線BLが“第1共通線”の一例に該当し、プレート線PLが“第2共通線”の一例に該当する。なお、ビット線BLとプレート線PLが図1では直交しているが、ビット線BLとプレート線PLを平行に配置してもよい。
図2に図解されているメモリセルMCにおいて、そのアクセストランジスタATが半導体基板100に形成されている。
ドレインDは2つのメモリセルMCで共有され、第1配線層(1M)により形成されたビット線BLに接続されている。
なお、後述のように複数のプレート線PLをメモリセルアレイの縁部や外部で短絡してもよいし、各々のプレート線PLを独立に電圧制御してもよい。
導体膜103の材料としては、例えば、Cu,Ag,Znから選ばれる少なくとも1つの金属元素を含有する金属膜、合金膜(例えばCuTe合金膜)、金属化合物膜等が挙げられる。なお、イオン化しやすい性質を有するならば、Cu,Ag,Zn以外の金属元素を用いてもよい。導体膜103は、“導電性イオンの供給層”として形成されている。
図3は、一例として、絶縁体膜102がSiO2から形成され、導体膜103がCuTe合金ベースの合金化合物(Cu-Te based)から形成されている場合を示している。
すると、導体膜103に含まれるCu,Ag,Znが、イオン化して陰極側に引き寄せられる性質を持つようになる。これら金属の導電性イオンが絶縁体膜102に注入される。そのため、絶縁体膜102の絶縁性が低下し、その低下とともに導電性を持つようになる。その結果、図3(A)に示す向きの書き込み電流Iwが流れる。この動作を書き込み(動作)またはセット(動作)と言う。
すると、絶縁体膜102に注入されていた導電性イオンが導体膜103に戻され、書き込み前の抵抗値が高い状態にリセットされる。この動作を消去(動作)またはリセット(動作)と言う。リセットでは、図3(A)に示す向きの消去電流Ieが流れる。
これに対し、どの状態(セットまたはリセット)をデータの書き込み状態とし、消去状態とするかは、任意に定義される。
以下の説明では、絶縁体膜102の絶縁性が低下して可変セル抵抗Rcell全体の抵抗値が十分なレベルまで下がった場合をデータの“書き込み”(セット)に対応させる。逆に、絶縁体膜102の絶縁性が本来の初期状態に戻され可変セル抵抗Rcell全体の抵抗値が十分なレベルまで上がった場合をデータの“消去”(リセット)に対応させる。以上より、絶縁体膜102が“抵抗変化層”の実施例に該当する。
ここで、図1に示す可変セル抵抗Rcellの回路シンボルの矢印は、通常、セット時(ここでは書き込み時)の電流と同じ向きとなっている。
なお、セット時に実際には、絶縁体膜102中の金属イオンの量によって、絶縁体膜102の抵抗値が変化していることから、絶縁体膜102を、データが記憶され保持される“記憶層”とみなすことができる。
本実施の形態では、このようなデータ書き換えに伴う抵抗値の意図しない変化を補償するように、メモリセルに印加するバイアスを微調整することが可能なビット線の駆動回路構成を提案する。
図5と図6に、第1の実施の形態に関わるビット線の駆動回路をメモリセルMCとともに示す。
図5および図6に図解する駆動回路は、1つのトランジスタ(以下、共通線パストランジスタPT)と、共通線パストランジスタPTの駆動ゲート電圧VBLDの制御回路(以下、VBLDドライバ5)と、を有する。また、駆動回路は、BLドライバ10Aとプレートドライバ12とを含む。
ここでBLドライバ10Aは、ビット線電圧を細かい幾つもの電圧に駆動するドライバでなく、単に、電源電圧Vddと接地電圧GNDといったハイレベルとローレベルを切り替える2電源スイッチとしての役目がある。その点、特許文献4に記載されたビット線ドライバとは、回路規模も役目も異なる。
プレートドライバ12も、BLドライバ10Aと同様、電源電圧Vddと接地電圧GNDといったハイレベルとローレベルを切り替える2電源スイッチとしての役目がある。
このようなBLドライバ10Aとプレートドライバ12の動作によって、メモリセルMCに書き込み時と消去時では逆向きの電流を流すことができる。
プレートドライバ12とBLドライバ10Aが、“駆動電圧回路”の具体例に該当する。VBLDドライバ5は、本発明の“ゲートドライバ回路”の具体例に該当する。
スイッチSwAの一方端は電流制御型のゲート制御回路5Aの出力に接続され、スイッチSwBの一方端は電圧制御型のゲート制御回路5Bの出力に接続されている。
スイッチSwAとSwBの2つの他方端は、共に、共通線パストランジスタPTのゲートに接続されている。
スイッチSwAは書き込み時にオン、消去時にオフし、スイッチSwBは書き込み時にオフ、消去時にオンする。
NMOSトランジスタ52のドレインがドライバとしてのオペアンプOP1の非反転入力「+」に接続されている。オペアンプOP1の反転入力「−」と出力が短絡されている。オペアンプOP1の出力電圧(書き込み制御電圧VGW)がスイッチSwAを介して、共通線パストランジスタPTのゲートに印加可能になっている。
NMOSトランジスタ55のドレインがドライバとしてのオペアンプOP2の非反転入力「+」に接続されている。オペアンプOP2の反転入力「−」と出力が短絡されている。オペアンプOP2の出力電圧は、消去基準電圧VEに、NMOSトランジスタ55の閾値電圧Vtnを加えた電圧である。この消去制御電圧(VE+Vtn)がスイッチSwBを介して、共通線パストランジスタPTのゲートに印加可能になっている。
以下、図5に示す書き込み動作、図6に示す消去動作を、この順に説明する。
ワード線WLが活性化されると、図5に示す向きにセル電流Icell(書き込み電流Iw)が流れる。このセル電流Icellは、オン状態のスイッチSwAを介して電流制御型のゲート制御回路5Aから与えられる書き込み制御電圧VGWの大きさに応じて決まり、書き込み基準電流Iwrtのミラー電流(大きさがほぼ等しい電流)となる。このとき共通線パストランジスタPTは、所望の電流値を流すことができるようにドレインフォロア動作する。
ワード線WLが活性化されると、図6に示すように書き込み時とは逆の向きにセル電流Icell(消去電流Ie)が流れる。このセル電流Icellは、オン状態のスイッチSwBを介して電圧制御型のゲート制御回路5Bから与えられる消去制御電圧(VE+Vtn)の大きさに応じて決まる。
ここでNMOSトランジスタ55と共通線パストランジスタPTは同じIC内の近接した2つのNMOSトランジスタであるため、両者の閾値電圧はほぼ等しいことが普通である。この場合、ビット線動作電圧Vmは、共通線パストランジスタPTの閾値電圧がキャンセルされ、消去基準電圧VEとほぼ等しく制御される。
このとき共通線パストランジスタPTは、所望の電圧値をビット線BLに設定可能にソースフォロア動作する。
WLドライバユニット4Aは、正の電源電圧と接地電圧といったハイレベルとローレベルの2値電圧駆動で済むため、簡単な構成でよい。ワード線WLはトランジスのゲートを多数接続するため配線負荷(主として配線容量)が大きい。そのため、このような2値電圧駆動は、ワード線WLの大きな配線容量を充放電するときに要する時間的、エネルギー的な節約に寄与する。
書き込み時は共通線パストランジスタPTがドレインフォロア動作するためメモリセル印加電流を制御し、消去時は共通線パストランジスタPTがソースフォロア動作するためメモリセル印加電圧を制御している。このため、所望の電流や電圧の設定が容易で、高精度な駆動が可能である。
このとき書き込み基準電流Iwrt、消去基準電圧VEをそれぞれ発生する電流制御型のゲート制御回路5Aと電圧制御型のゲート制御回路5Bの配線負荷は、ビット線BL自体の配線負荷より格段に小さくできる。したがって、高速に書き込み基準電流Iwrt、消去基準電圧VEの切り替えが可能である。
駆動ゲート電圧VBLDはドライバ(オペアンプOP1,OP2)の出力で制御されるため、ビット線BLを出力の負荷とする共通線パストランジスタPTは、高速で出力を切り替えることが可能である。
一般的に、電源電圧線はインピーダンスを下げるため配線負荷が大きくなる。よって高速な電圧遷移ができない。
本方式では、共通線パストランジスタPTのゲート電圧の高速制御によってビット線BLの電圧を制御する。本方式において、ワード線WLの駆動電圧(電源電圧)の値は変えずに、電源電圧を印加するか否かをアクセストランジスタATを、そのゲート電圧制御によるスイッチング動作させる構成が採用可能である。
よって、ビット線BL駆動、ワード線WL駆動の双方で高速動作が可能となっている。
図7と図8に、第2の実施の形態に関わるビット線の駆動回路をメモリセルMCとともに示す。図7が書き込み時、図8が消去時に対応する。
図7を図5と比較すると、BLドライバ10Aとプレートドライバ12の電圧関係が逆転し、そのためセル電流Icellの向きも反対となっている。同様に、図8を図6と比較すると、BLドライバ10Aとプレートドライバ12の電圧関係が逆転し、そのためセル電流Icellの向きも反対となっている。
これとは逆に、図8の消去時にはスイッチSwAがオン、スイッチSwBがオフとなって、電流制御型のゲート制御回路5Aが駆動ゲート電圧VBLDの発生に寄与している。
名称の変更であるが、図7および図8においては、基準電流発生部51内の電流源が消去基準電流Iersを流し、電流源54が書き込み基準電流Iwrtを流すとしている。オペアンプOP1が消去制御電圧VGEを出力し、オペアンプOP2が書き込み制御電圧(VW+Vtn)を出力する。
つまり、本実施の形態においては、書き込み時にソースフォロア動作が実行され、消去時にドレインフォロア動作が実行される。
図9と図10に、第3の実施の形態に関わるビット線の駆動回路をメモリセルMCとともに示す。図9が書き込み時、図10が消去時に対応する。
図9を図5、図10と図6とをそれぞれ比較すると、共通線パストランジスタPTがNMOS型からPMOS型に変更されている。また、VBLDドライバ5もPMOS駆動のために構成が変更されている。
これとは逆に、図10の消去時にはスイッチSwAがオン、スイッチSwBがオフとなって、電流制御型のゲート制御回路5Aが駆動ゲート電圧VBLDの発生に寄与している。
名称の変更であるが、図9および図10においては、基準電流発生部51内の電流源が消去基準電流Iersを流し、電流源54が書き込み基準電流Iwrtを流すとしている。オペアンプOP1が消去制御電圧VGEを出力し、オペアンプOP2が書き込み制御電圧(VW+Vtp)を出力する。ここで符号“Vtp”はPMOSトランジスタの閾値電圧を表す。
図11と図12に、第4の実施の形態に関わるビット線の駆動回路をメモリセルMCとともに示す。図11が書き込み時、図12が消去時に対応する。
図11を図9と比較すると、BLドライバ10Aとプレートドライバ12の電圧関係が逆転し、そのためセル電流Icellの向きも反対となっている。同様に、図12を図10と比較すると、BLドライバ10Aとプレートドライバ12の電圧関係が逆転し、そのためセル電流Icellの向きも反対となっている。
これとは逆に、図12の消去時にはスイッチSwBがオン、スイッチSwAがオフとなって、電圧制御型のゲート制御回路5Bが駆動ゲート電圧VBLDの発生に寄与している。
名称の変更であるが、図11および図12においては、基準電流発生部51内の電流源が書き込み基準電流Iwrtを流し、電流源54が消去基準電流Iersを流すとしている。オペアンプOP1が書き込み制御電圧VGWを出力し、オペアンプOP2が消去制御電圧(VE+Vtp)を出力する。
第5の実施の形態は、より詳細なメモリデバイスのICチップ構成を例示する。ここでは、第1の実施の形態をより詳細にすることを説明し、その後、第2〜第4の実施の形態に関する変形を述べる。
[ICチップ構成]
図13に、第5実施の形態に関わるICチップのブロック図を示す。
図解されている半導体メモリデバイスは、図1〜図3に示すメモリセルMCをマトリクス状に行(ロウ)方向に(N+1)個、列(カラム)方向に(M+1)個配置しているメモリセルアレイ1と、その周辺回路とを有する。ここで“N”と“M”は比較的大きな自然数であり、その具体的値は任意に設定される。
なお、プレート線PLはカラム方向に長く配置して、その本数を(M+1)本としてもよい。
プリデコーダ3のYデコード部は、Yセレクタ30を基本単位として構成されている。プリデコーダ3は、入力するYアドレス信号をデコードし、そのデコードの結果に基づいて、選択されたYセレクト信号Y_SELをCSWドライバ6に送る回路である。Yセレクタ30の詳細は後述する。
共通ビット線CBLには、センスアンプ7と書き込み・消去ドライバ10が接続されている。センスアンプ7および書き込み・消去ドライバ10の構成例は後述する。センスアンプ7と書き込み・消去ドライバ10はI/Oバッファ9に接続され、外部からのデータをI/Oバッファ9、書き込み・消去ドライバ10を経由して書き込み、センスアンプ7で読み出したデータをI/Oバッファ9を介して外部に排出可能となっている。
VBLDドライバ5は、第1〜第4の実施の形態で図解した回路であり、さらに現実的な回路例は後述する。
制御回路11には、以下の4つの機能を備える。
(2)書き込み時にプレートドライバ12および書き込み・消去ドライバ10を制御する書き込み制御の機能
(3)書き込みおよび読み出し時にWLドライバ4を制御するワード線制御の機能
(4)書き込みおよび読み出し時にCSWドライバ6を介してカラムスイッチ8を制御するカラムスイッチ制御の機能
電源電圧から各種電圧を発生する回路、クロック信号の発生制御回路等は図示を省略している。
つぎに、Xデコーダ2の基本構成であるXセレクタ20と、プリデコーダ3のYダコーダ機能の基本構成であるYセレクタ30とを説明する。続いて、WLドライバ4の基本構成であるWLドライバユニット4Aと、CSWドライバ6の基本構成であるCSWドライバユニット6Aを説明する。
図14に図解されているXセレクタ20は、初段の4つのインバータINV0〜INV3、中段の4つのナンド回路NAND0〜NAND3、後段に接続されている他の4つのインバータINV4〜INV7から構成されている。
Xセレクタ20は、XアドレスビットX0,X1を入力し、そのデコード結果に応じて、Xセレクト信号X_SEL0〜X_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図14は2ビットデコードの例であるが、Xデコーダ2は、その入力されるXアドレス信号のビット数に応じて、図13の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図解されているYセレクタ30は、初段の4つのインバータINV8〜INV11、中段の4つのナンド回路NAND4〜NAND7、後段に接続されている他の4つのインバータINV12〜INV15から構成されている。
Yセレクタ30は、YアドレスビットY0,Y1を入力し、そのデコード結果に応じて、Yセレクト信号Y_SEL0〜Y_SEL3のいずれかを活性化する(たとえばハイレベルにする)回路である。
図15は2ビットデコードの例であるが、プリデコーダ3は、その入力されるYアドレス信号のビット数に応じて、図15の構成を拡張または多段展開することで、入力が2ビット以外でも対応可能に実現される。
図解されているWLドライバユニット4Aは、WLドライバ4内にカラム方向のセル数(N+1)だけ設けられている(図13参照)。
この(N+1)個のWLドライバユニット4Aは、図14に示すXセレクタ20等によって選択(活性化)された1つのXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1によって動作する。WLドライバユニット4Aは、Xセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1に応じた1本のワード線WL<0>またはWL<1>を活性化する。
ナンド回路NAND8の一方入力にWL選択イネーブル信号WLENが入力され、他方入力にXセレクト信号X_SEL0またはX_SEL1が入力され、ナンド回路NAND8の出力がインバータINV16の入力に接続されている。インバータINV16の出力に接続されたワード線WL<0>またはWL<1>が活性化または非活性となる。
図解されているCSWドライバユニット6Aは、ナンド回路NAND12と、その出力に接続されているインバータINV21とからなる。
ナンド回路NAND12の一方入力にYスイッチ・イネーブル信号YSWENが入力され、他方入力に図15に示すYセレクタ30により選択(活性化)された1つのYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1が入力される。このYセレクト信号Y_SEL0またはY_SEL1とYスイッチ・イネーブル信号YSWENがともに活性(ハイレベル)のときに、ナンド回路NAND12の出力がローレベルとなる。そのため、インバータINV21の出力に接続されたカラム選択線CSW<0>またはCSW<1>が活性レベル(本例ではハイレベル)に遷移する。
カラム選択線CSW<0>,CSW<1>,…は、図13では“CSW<M:0>と表記されカラムスイッチ8に入力されている。
制御回路11は、書き込み信号WRT、消去信号ERS、データ読み出し信号RDを入力し、WL選択イネーブル信号WLENやYスイッチ・イネーブル信号YSWENの他に、種々の制御信号を発生する。
図18に、センスアンプ7の第1の構成例を示す。
図18に図解するセンスアンプ7は、正の電源電圧と共通ビット線CBLとの間に基準電流IRefを流す電流源71、NMOSトランジスタ72,73を直列接続させている。
また、センスアンプ7は、電流源71とNMOSトランジスタ72との接続ノードの電位を電圧センスするセンス部74と、NMOSトランジスタ72のゲート電圧を制御するオペアンプ75とを有する。
オペアンプ75は、その非反転入力「+」にクランプ電圧VClamp(不図示のキャパシタの保持電圧等)が入力される。このクランプ電圧VClampは変更可能に保持される。オペアンプ75は、その反転入力「−」がNMOSトランジスタ72のソースに接続され、その出力がNMOSトランジスタ72のゲートに接続されることにより、ボルテージフォロア型の負帰還アンプを形成する。
図18に示す回路では、プレート電圧VPLATEとして基準電圧Vss(例えば接地電圧)がプレート線PLに与えられる。
図18に図示したとおり、NMOSトランジスタ72とオペアンプ75がボルテージフォロア型の負帰還回路を形成し、SABL電位をVclamp電位に制限する。このとき、メモリセル抵抗をRcellとすると、セル読み出し電流は“Vclamp/Rcell”で決まる。
このとき、センスアンプ7から基準電流IRefをメモリセルMCに流すように電流源71が動作する。しかし、メモリセルMCにはVclamp/Rcellで決まるセル読み出し電流しか流れない。そのため、セル読み出し電流と基準電流IRefにアンバランスが生じ、そのアンバランスがNMOSトランジスタ72のドレイン電位(センスノード電位SA1OUT)の変化となって生じる。NMOSトランジスタ72のドレイン電位変化は、インバータ等のセンス部74で増幅される。この増幅後の電位変化(信号)は、図13に示すI/Oバッファ9を介して外部に出力される。この増幅後の読み出し信号を以下、SA出力信号SAOUTと呼ぶ。
図19に示すように、プレート電圧VPLATEを正の電源電圧、例えば電源電圧Vddとし、電流源71をセンスノードと基準電圧(例えば接地電圧)間に接続する。またNMOSトランジスタ72をPMOS構成に変更し、オペアンプ75の入力の接続を図18の場合と逆にする。
これによりメモリセルMCには書き込み電流Iwと同じ向きの読み出しセル電流が流れるが、記憶データが書き換わらないように書き込みを防止する程度に弱いセル印加電圧とする必要がある。
このようなバイアス印加の向きでもメモリセルMCのセル抵抗Rcに応じた読み出しデータを得ることができる。
図20に、第1の実施の形態に対応する、より具体的なVBLDドライバ回路の例を示す。また、図21〜図23に、第2〜第4の実施の形態に対応する、より具体的なVBLDドライバ回路の例を示す。
図20〜図23において、図5〜図12と同じ構成は同一符号を付している。
図20〜図23の1つの回路を説明すれば、第1〜第4の実施の形態における記載から他の回路の構成や動作は容易に類推可能である。代表して第1の実施の形態に対応した図20の構成と動作を、つぎに説明する。
基準電流発生部51は、書き込み基準電流Iwrtによって決まるバイアス電流値をNMOSトランジスタ52に流し、NMOSトランジスタ52のドレイン(およびゲート)に発生した電圧をドライバ(オペアンプOP1)でバッファして、書き込み制御電圧VGWを発生させている。
基準電圧発生部53は、電流源54で発生した消去基準電流Iersによって決まるバイアス電流値をNMOSトランジスタ55に流す。そのときNMOSトランジスタ55のソース(およびゲート)に発生した電圧をドライバ(オペアンプOP2)でバッファすると、消去制御電圧(VE+Vtn)が発生する。
ドライバ(オペアンプOP2)の出力がTGスイッチ(SwB)に入力される。TGスイッチ(SwB)は、図13の制御回路11から与えられる消去イネーブル信号ERSEと、そのインバータ反転信号により制御される。
TGスイッチ(SwA)と(SwB)は何れか一方が選択されるか、または、両方選択されない。TGスイッチ(SwA)と(SwB)の出力が合流したノードに駆動ゲート電圧VBLDが発生する。
図24に、第1の実施の形態に対応した書き込み・消去ドライバ10の構成を示す。
第1の実施の形態に対応するため、共通線パストランジスタPTがNMOS構成であり、そのソースが接地されている。また、プレート線PLのプレート電圧VPLATEが正の電源電圧、例えばVddで保持されている。
具体的にVBLD接続制御部10Bは、ノア回路NOR1、インバータINV17、トランスファゲート回路TG1、NMOSトランジスタN1を1つずつ有する。
2入力のノア回路NOR1には、書き込みイネーブル信号WEと消去イネーブル信号ERSEが、図13の制御回路11から入力されている。ノア回路NOR1の出力はトランスファゲート回路TG1のPMOS側に接続されるとともに、インバータINV17を介してトランスファゲート回路TG1のNMOS側とNMOSトランジスタN1のゲートに入力されている。
一方、書き込み時、消去時以外では、オン状態のNMOSトランジスタN1によって制御MOSゲート電圧VWEGが基準電圧Vssに接続され、共通線パストランジスタPTがオフしてビット線BLをフローティング可能にする。
BLドライバ10Aは、共通線パストランジスタPTのソースと接地電位(ローレベル)との間にNMOSトランジスタNWを有し、共通線パストランジスタPTのソースと電源電圧Vdd(ハイレベル)との間にPMOSトランジスタPEを有している。
2入力のナンド回路NAND9には、入力データDINと書き込みイネーブル信号WEとが入力される。ナンド回路NAND9の出力がインバータINV18を介してNMOSトランジスタNWのゲートを制御する。このため、書き込みイネーブル信号WEが“H”でアクティブの期間に入力データDINの論理が“H”のときにNMOSトランジスタNWがオンする。NMOSトランジスタNWがオンすると、オン状態の共通線パストランジスタPTを介して接地電圧が共通ビット線CBLに伝達される。
入力データDINの論理と書き込み、消去の論理の対応関係が異なる場合、つまり、“DIN=L”が書き込み、“DIN=H”が消去の場合は、それに応じてインバータINV19の接続位置を変更可能である。
図25に、プレートドライバ12の構成例を示す。図25は、書き込み時に“VPLATE=Vdd”とし、消去時と読み出し時は“VPLATE=Vss”で動作させる場合を例にしている。
図25に図解するプレートドライバ12は、2段のインバータINV21,INV22を有している。図25では、後段のインバータ22のみ詳細な回路図を示している。
この回路は、後段のインバータINV22によって、書き込みイネーブル信号WEが“H”のときに“VPLATE=Vdd”で全プレート線PLを電源電圧Vddにプルアップする。また、書き込みイネーブル信号WEが“L”のとき、つまり消去時と読み出し時では全プレート線PLを“VPLATE=Vss”にプルダウンする。
次に、第1実施の形態の動作方法において、書き込み動作例を図26と図27を用いて説明する。
図26は、図19、図20および図24の各回路を接続した図である。図27は、書き込み動作波形図(タイミングチャート)である。
図27(A)に示す読み出しイネーブル信号RDEは、図19および図26に示すNMOSトランジスタ73のゲートに与えられる。読み出しイネーブル信号RDEが活性化(“H”)のときのみNMOSトランジスタ73がオンする。
図27(J)に示すプリチャージ信号PREは、図13には特に図示していないプリチャージ回路を活性化するための信号で、活性レベルは“H”である。
図27のうち、その他の信号や電圧、電流は既に説明した。
書き込みイネーブル信号WEが“L”なので、図25に示す回路で“VPLATE=Vss”となっている(図27(D))。
プリチャージ信号PREが“H”であるため、共通ビット線CBLの電位も“VPLATE=Vss”になっている(図27(J))。
書き込みイネーブル信号WEが“L”であるため、共通線パストランジスタPTのゲート電圧(制御MOSゲート電圧VWEG)がVssレベルで非活性となっている(図27(H))。
すると、プレート電圧VPLATEが電源電圧Vddにプルアップされる(図27(D),(J))。
同時にカラム選択線CSWを開く(図27(E))。このときプリチャージ信号PREが活性レベルであるため、ビット線BLの電位が共通ビット線CBL経由でプレート電圧VPLATEにプリチャージされる。
以上のプリチャージは、後にワード線WLを開いたときに過渡電流が流れることによる、ビット線BLの意図しない電位変動起因の誤動作(ディスターブ)を回避するために行う。
図27では書き込み基準電流Iwrt1を選択している状態から始まっている(図27(I)で“1”と表記)。このときの駆動ゲート電圧VBLDの値を、図27(H)では符号“VBLD1”により表す。図27(H)では、時間T0を境に制御MOSゲート電圧VWEGが基準電圧Vssより高い“VBLD1”レベルに変化している。この時点でワード線WLの電位は接地電位(=0V)なので(図27(G))、セル電流Icellは流れない(図27(L))。また、この時点で入力データDINを非活性(=0V)としているため(図27(M))、読み出しも行われない。
時間T1でほぼ同時に、ワード線WL電位を立ち上げる(図27(G))。この時点では書き込みが開始されていないため、プレート電圧VPLATEにプリチャージされたビット線BL電位がフローティングのまま変化しないため(図27(D)と(K))、セル電流Icellは流れない(図27(L))。
また、入力データDINは“L”(=0V)なので、仮にデータがビット線BLに入力されたとしてもセル電流Icellは流れない。
時間T3にて、入力データDINを“L”とすることで、書き込み電流Iwの印加は終了する。
このときセル電流は、図27(L)にも記載するように、“(Vdd−VClamp)/Rcell”に制限される。
この制限されたセル電流が、図26に示すセンスノード電位SA1OUTに変換されて、この電位がセンス部74で増幅されて読み出される。時間T5で読み出しイネーブル信号RDEを非活性に戻すと(図27(A))、1回目のヴェリファイ読み出し動作が完了する。
これに対し、プレート電圧VPLATEを“L”に下げて、消去方向(上記回路記号に含まれる矢印と逆の向き)に電流が流れるようなヴェリファイ読み出しも可能である。
この場合、図26において、図19に対応するセンスアンプ7の構成を、図18に示す構成と置き換えることで回路構成として対応可能となる。
この判定結果を受けて、追加書き込みパルスを印加する場合は、再度パルス印加する。その場合の動作について説明する。
図27における時間T5〜T10は、基本的に、時間T0〜T5までの動作の繰り返しとなる。ただし、時間T6でプリチャージが終了するまえの時点で、選択信号/Iwsel1〜/Iwsel4を/Iwsel2の活性状態に切り替える。すると書き込み制御電圧VGW電位が変化し、図27(H)に示すように、制御MOSゲート電圧VWEGの値が“VBLD1”から、より大きい“VBLD2”に遷移する。
よって、時間T7から始まる2回目の書き込み動作において、そのセル電流Icell(書き込み電流Iw)の値が“Iwrite1”から、より大きな“Iwrite2”に切り替わる。
ここでヴェリファイ読み出しの判定をパスした場合を説明する。
ヴェリファイ読み出しの判定をパスした場合、不図示の判定回路の制御によって書き込みイネーブル信号WEが“L”となる(図27の時間TE)。これにより、プレート電圧VPLATEも“L”に下がる。同時にワード線WL、カラム選択線CSWが立ち下がり、プリチャージ信号PREが活性レベル“H”にあるため、共通ビット線CBLがプリチャージされる。制御MOSゲート電圧VWEGは、“WE=L”によりVssレベルの非活性となる。
次に、第1実施の形態の動作方法において、消去動作例を図28と図29を用いて説明する。
図28は、図18、図20および図24の各回路を接続した図である。図29は、消去動作波形図(タイミングチャート)である。
図29において図27と同じ信号や電圧、電流は同一符号を付して重複記載を省略する。
書き込みイネーブル信号WEが“L”なので、図25に示す回路で“VPLATE=Vss”となっている(図29(D))。
プリチャージ信号PREが“H”であるため、共通ビット線CBLの電位も“VPLATE=Vss”になっている(図29(J))。
書き込みイネーブル信号WEが“L”であるため、共通線パストランジスタPTのゲート電圧(制御MOSゲート電圧VWEG)がVssレベルで非活性となっている(図29(H))。
このとき書き込みイネーブル信号WEが“L”であるため、プレート電圧VPLATEが基準電圧Vssを維持する(図29(D),(J))。
同時にカラム選択線CSWを開く(図29(E))。このときプリチャージ信号PREが活性レベルであるため、ビット線BLの電位が、共通ビット線CBL経由でプレート電圧VPLATEのローレベルの電位に固定される。
以上のプリチャージ(ローレベル固定)は、後にワード線WLを開いたときに過渡電流が流れることによる、ビット線BLの意図しない電位変動起因の誤動作(ディスターブ)を回避するために行う。
図29では消去基準電圧VE1を選択している状態から始まっている(図29(I)で“1”と表記)。このときの駆動ゲート電圧VBLDの値を、図29(H)では符号“VBLD1”により表す。図29(H)では、時間T0を境に制御MOSゲート電圧VWEGが基準電圧Vssより高い“VBLD1”レベルに変化している。この時点でワード線WLの電位は接地電位(=0V)なので(図29(G))、セル電流Icellは流れない(図29(L))。また、この時点で入力データDINを非活性(=Vdd)としているため(図29(M))、読み出しも行われない。
時間T1でほぼ同時に、ワード線WL電位を立ち上げる(図29(G))。この時点では消去が開始されていないため、プレート電圧VPLATEにプリチャージされたビット線BL電位がフローティング“L”状態のまま変化しないため(図29(D)と(K))、セル電流Icellは流れない(図29(L))。
また、入力データDINは“H”(=Vdd)なので、仮にデータがビット線BLに入力されたとしてもセル電流Icellは流れない。
時間T3にて、入力データDINを“H”とすることで、消去基準電圧VEの印加は終了する。
このときセル電流は、図29(L)にも記載するように、“(Vdd−VClamp)/Rcell”に制限される。
この制限されたセル電流が、図28に示すセンスノード電位SA1OUTに変換されて、この電位がセンス部74で増幅されて読み出される。時間T5で読み出しイネーブル信号RDEを非活性に戻すと(図29(A))、1回目のヴェリファイ読み出し動作が完了する。
これに対し、プレート電圧VPLATEを“H”に上げて、書き込み方向に電流が流れるようなヴェリファイ読み出しも可能である。
この場合、図28において、図18に対応するセンスアンプ7の構成を、図19に示す構成と置き換えることで回路構成として対応可能となる。
この判定結果を受けて、追加消去パルスを印加する場合は、再度パルス印加する。その場合の動作について説明する。
図29における時間T5〜T10は、基本的に、時間T0〜T5までの動作の繰り返しとなる。ただし、時間T6でプリチャージが終了するまえの時点で、選択信号Iesel1〜Iesel4をIesel2の活性状態に切り替える。すると消去基準電圧VEが変化し、図29(H)に示すように、制御MOSゲート電圧VWEGの値が“VBLD1”から、より大きい“VBLD2”に遷移する。
よって、時間T7から始まる2回目の消去動作において、そのセル電流Icell(消去電流Ie)を流すためのビット線BL(共通ビット線CBL)の電位の値が“VE1”から、より大きな“VE2”に切り替わる。
ここでヴェリファイ読み出しの判定をパスした場合を説明する。
ヴェリファイ読み出しの判定をパスした場合、不図示の判定回路の制御によって消去イネーブル信号ERSEが“L”となる(図29の時間TE)。これにより、ワード線WL、カラム選択線CSWの電位が立ち下がり、プリチャージ信号PREが活性レベル“H”にあるため、共通ビット線CBLが“L”にプリチャージ(より正確にはディスチャージ)される。制御MOSゲート電圧VWEGは、“ERSE=L”によりVssレベルの非活性となる。
変形例1は、BLドライバ配置に関する。変形例1は、第1〜第5の実施の形態の何れに対しても適用できるが、ここでは一例として、第1の実施の形態に適用した場合を説明する。
図30は、変形例1に関わるBLドライバ配置を示す。図30は、上下のメモリセルブロック(メモリサブアレイMSA)でVBLDドライバ5を共有する例である。VBLDドライバ5そのものの構成は第1の実施の形態に関わる図5や図6と共通する。
BLドライバ10A、VBLD接続制御部10Bの構成は図30のように簡単な構成でもよい。ただし、図24等のように各種制御信号によってBLドライバ10AやVBLD接続制御部10Bが制御されてよい。
その場合、選択信号/BLIDE、/BLIUEにより上下のメモリサブアレイMSA1とMSA2を選択させるとよい。この場合、共通線パストランジスタPTが図13に示すカラムスイッチ8の機能(サブアレイ選択)を一部担うように動作するとともに、駆動ゲート電圧VBLD電圧に基づくメモリセルMCへの印加電流・電圧の大きさの制御も実行できる。
共通線パストランジスタPTがカラムスイッチ8と共用できることは、変形例1に限定されず、第1〜第5の実施の形態や変形例2、3との併用も可能である。
変形例2では、VBLDドライバ5配置の他の例を示す。変形例2は、第1〜第5の実施の形態の何れに対しても適用できる。
図31は、変形例2に関わるBLドライバ配置を示す。
メモリセルアレイ1(図7)を、メモリサブアレイMSAに分割している。ここではメモリサブアレイMSAを4×4の16分割を例とする。
カラム方向(図31の上下の方向)に隣接する2つのメモリサブアレイMSA間で、センスアンプ7(S.Aと表記)の配列(SAライン7L)と、BLドライバ10A(例えば図24参照)のライン(BLDRライン10AL)とを2段に平行配置させている。そして、1対のSAライン7LとBLDRライン10ALごとにVBLDドライバ5とVBLD接続制御部10B(例えば図24参照)とを配置している。VBLDドライバ5とVBLD接続制御部10Bの対の集合は、VBLDRカラム5Cとして、メモリセルアレイ1のカラム方向辺の一方に沿って配置している。
このドライバ配置では、BLドライバを分散配置することで駆動ゲート電圧VBLD負荷を分散し、高速動作が可能である。また、メモリセルアレイ1の外にVBLDドライバ5等を配置することでメモリセルアレイ1のレイアウト密度を向上させることができる。メモリセルアレイ1のレイアウト密度向上は、配線負荷の低減に寄与するため、それ自体で、さらに動作速度の向上が見込める。
つぎに、以上の第1〜第5の実施の形態ならびに変形例1、2による効果を、比較例と対比して述べる。
図32は比較例の説明図、図33は本発明が適用された例の説明図である。
図32において符号5Xは、メモリセルMCのビット線BLの電源電圧そのものを制御するドライバを表す。このドライバを、BL電源ドライバ5Xと呼ぶ。このBL電源ドライバ5Xは、ビット線BLを電源電圧振幅で直接、充放電するドライバである点で、MOSゲート電圧を制御する、本発明が適用された上記VBLDドライバ5とは異なることに注意を要する。
いずれにしても、選択したビット線BL分のビット線負荷と非選択ビット線BLのスイッチMOSトランジスタとのとの接合容量も含めてビット線BLの電位を制御する必要がある。ビット線BL自体の負荷が大きい上、高転送レートを実現するために並列動作させるビット線数を増やすとBL電源線の電位を変動させるときの遅延(論理変化の待機時間)が大きくなり、結果として、高速動作が実現できなくなる。
この構成では、WLドライバ4の電源電圧を細かく制御するWL電源ドライバ4Yが設けられている。WL電源ドライバ4Yの制御により、書き換え印加電流の値を制御することができる。その際、ロウデコーダが選択したワード線WLの負荷と、非選択ワード線WLのスイッチMOSトランジスタとの接合容量も含めてワード線電位を制御する必要がある。ワード線WL自体の負荷が元々大きい上、WL電源線の電位を変動させるときの遅延(論理確定のための待機時間)が大きくなり、その結果、高速動作が実現できなくなる。
この制御では、負荷が大きいBL電源、WL電源としては、基準電圧Vss、電源電圧Vdd等の固定電源供給線を用いている。また、VBLDドライバ5内の低インピーダンス内部配線を電圧制御または電流制御する。また、電源電圧Vdd駆動のドライバを介して、共通線パストランジスタPTのゲート電圧を制御する。共通線パストランジスタPTのゲート負荷は、ビット線BLやワード線WLの負荷に比べると無視できるくらい小さい。多数の共通線パストランジスタPTを同時駆動する変形例2(図31)のような場合であっても、共通線パストランジスタPTのゲートはドライバ(オペアンプOP1,OP2)の出力で駆動する。このため、変形例2(図31)のような場合であっても、同時制御すべき共通線パストランジスタPTの個数に応じてドライバ能力を調整できる。よって、共通線パストランジスタPTを多数、例えばメモリセルアレイ1の行方向のメモリセル数と同じだけ同時駆動しても、高速動作が可能である。
書き込み時、消去時電流を稼ぐため、アクセストランジスタATのオン抵抗を下げる目的で、WL電源電圧を電源電圧Vdd以上に昇圧する構成も可能である。
また、セル電流読出し時の非選択メモリセルリークによる誤差を低減するためにWL電源電圧を基準電圧Vss(例えば接地電圧)未満に降圧する構成も可能である。
図34に示すWLドライバユニット4Aは、電源電圧Vdd〜Vss振幅の電源電圧を、VPP(>Vdd)〜Vss振幅の第1昇圧電源電圧に変換可能な第1昇圧段4Bを有する。また、WLドライバユニット4Aは、第1段の昇圧電源電圧を、VPP〜VNWL(<Vss)のさらに大きな振幅の第2昇圧電源電圧に変換可能な第2昇圧段4Cを有する。
第2昇圧段4CのみスルーさせてVPP〜Vss電源電圧を出力させる、第1昇圧段4Bと第2昇圧段4Cの両方をスルーさせてVdd〜Vssの素の電源電圧を出力させることも選択できる。その選択は、各段に設けたスルー用のインバータINV30,INV31を活性する、しないにより制御可能である。
Claims (8)
- 第1共通線と、
第2共通線と、
印加電圧に応じて抵抗値が変化する記憶素子とアクセストランジスタを、前記第2共通線と前記第1共通線との間に直列に接続させて各々が形成されている複数のメモリセルと、
前記第1共通線および前記第2共通線を介して、前記複数のメモリセルを駆動する駆動回路と
を備え、
前記駆動回路は、
前記第1共通線と所定電圧の供給ノードとの間に接続されたN型の共通線パストランジスタと、
前記メモリセルの前記記憶素子を低抵抗状態と高抵抗状態の一方の側から他方の側に変化させるときは前記第1共通線を電流駆動し、前記記憶素子の状態を前記他方の側から前記一方の側に逆向きに変化させるときは前記第1共通線を電圧駆動する、前記共通線パストランジスタのゲートドライバ回路と、
前記ゲートドライバ回路が前記N型の共通線パストランジスタを電流駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より低い値に制御し、前記ゲートドライバ回路が前記N型の共通線パストランジスタを電圧駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より高い値に制御する駆動電圧回路と、
を有する抵抗変化型メモリデバイス。 - 第1共通線と、
第2共通線と、
印加電圧に応じて抵抗値が変化する記憶素子とアクセストランジスタを、前記第2共通線と前記第1共通線との間に直列に接続させて各々が形成されている複数のメモリセルと、
前記第1共通線および前記第2共通線を介して、前記複数のメモリセルを駆動する駆動回路と
を備え、
前記駆動回路は、
前記第1共通線と所定電圧の供給ノードとの間に接続されたP型の共通線パストランジスタと、
前記メモリセルの前記記憶素子を低抵抗状態と高抵抗状態の一方の側から他方の側に変化させるときは前記第1共通線を電流駆動し、前記記憶素子の状態を前記他方の側から前記一方の側に逆向きに変化させるときは前記第1共通線を電圧駆動する、前記共通線パストランジスタのゲートドライバ回路と、
前記ゲートドライバ回路が前記P型の共通線パストランジスタを電流駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より高い値に制御し、前記ゲートドライバ回路が前記P型の共通線パストランジスタを電圧駆動するときは前記所定電圧を前記第2共通線の電圧より低い値に制御する駆動電圧回路と、
を有する抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記アクセストランジスタの制御電圧を制御するアクセス線が複数設けられ、複数の前記アクセス線に、アクセス対象のメモリセル内で前記アクセストランジスタのオンとオフを制御する2値電圧駆動のアクセス制御回路が接続されている
請求項1または2に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記第1共通線ごとに前記複数のメモリセルと前記共通線パストランジスタとが接続されたメモリセルアレイのカラム構成部を、複数列配置してメモリセルアレイが形成され、
前記第2共通線が、複数の前記カラム構成部に対し共通に接続されている
請求項3に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記カラム構成部が、前記メモリセルの並びと同じ方向内で対をなして配置され、
対をなす2つのカラム構成部に対し、1つの前記共通線パストランジスタが共通に接続されている
請求項4に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記共通線パストランジスタは、第1共通線と、データの書き込み、消去および読み出しのためのドライバとを接続するカラムスイッチを兼ねる
請求項1または2に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記駆動回路は、前記複数のメモリセルの各メモリセルに対し、前記記憶素子を高抵抗状態と低抵抗状態の一方から他方に遷移させるときと、他方から一方に遷移させるときの各々で、前記共通線パストランジスタがオンする時間だけ持続するパルスの印加回数を、当該パルスの印加ごとに行う検証読み出しの結果に応じて制御する
請求項1または2に記載の抵抗変化型メモリデバイス。 - 前記メモリセルは、
2つの電極間に導電性イオンの供給層と、
当該導電性イオンの供給層に接し、前記2つの電極間の印加電圧に応じて、前記導電性イオンの供給層から前記導電性イオンが注入され、あるいは、注入された導電性イオンが前記供給層へ戻される抵抗変化層と
を有する抵抗変化型メモリセルである
請求項1〜7の何れか一項に記載の抵抗変化型メモリデバイス。
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