JP5250726B1 - 抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置 - Google Patents

抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置 Download PDF

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Abstract

リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大とを両立可能とする抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法を提供する。その抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法では、“1”データ(LR)書き込みでは(S2でNo)、抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態に遷移させるための弱HR化電圧パルスセット(19)を印加する弱HR化書き込み処理(弱書き込みステップS60)を先ず実行し、引き続き、抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態からLR状態に遷移させるためのLR化電圧パルスセット(14)を印加するLR書き込み処理を実行する(LR化のための通常書き込みステップS6)。

Description

本発明は、電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置に関する。
近年、高速動作が可能で、かつ、大記憶容量化に適した不揮発性記憶装置として、抵抗変化型不揮発性記憶素子(以下、単に「抵抗変化素子」ともいう。)で構成されたメモリセルを有する抵抗変化型不揮発性記憶装置(以下、単に「不揮発性記憶装置」ともいう。)の研究開発が進んでいる。ここで、抵抗変化素子とは、電気的信号によって抵抗値が可逆的に変化する性質を有し、さらにはこの抵抗値に対応したデータを不揮発的に記憶することが可能な素子をいう。
抵抗変化素子を用いた不揮発性記憶装置として、互いに直交するように配置されたビット線とワード線との交点近傍の位置に、トランジスタと抵抗変化素子を直列に接続した、いわゆる1T1R型と呼ばれるメモリセルをマトリックス状にアレイ配置した不揮発性記憶装置が一般的に知られている。1T1R型において、2端子の抵抗変化素子の一端はビット線またはソース線に接続され、他の一端はトランジスタのドレインまたはソースに接続される。トランジスタのゲートはワード線に接続される。トランジスタの他の一端は抵抗変化素子の一端が接続されていないソース線またはビット線に接続される。ソース線は、ビット線またはワード線と平行に配置される。
また、別のメモリセルの構成として、互いに直交するように配置されたビット線とワード線との交点の位置に、ダイオードと抵抗変化素子とを直列に接続した、いわゆる1D1R型と呼ばれるクロスポイント型メモリセルをマトリックス状にアレイ配置した不揮発性記憶装置も一般的に知られている。
以下、代表的な従来の抵抗変化素子を説明する(特許文献1)。
特許文献1では、絶縁体膜(具体的には、アモルファスGd)と導体膜(具体的には、CuTe)から成るイオン伝導型抵抗変化素子で構成された可変抵抗素子が開示されている。
図14は、特許文献1で示されている可変抵抗素子の断面の模式図である。可変抵抗素子5は、2つの電極1および2の間に導体膜3と絶縁体膜4とが積層された積層構造を持つ構成を備える。ここでは、導体膜3に用いる材料としては、例えば、Cu、Ag、Znから選ばれる1つ以上の金属元素を含有する金属膜、合金膜(例えばCuTe合金膜)、金属化合物膜等が開示されている。また、絶縁体膜4の材料としては、例えば、アモルファスGd、SiO等の絶縁体が開示されている。
図14に示す可変抵抗素子5への書き込みについては、電極1の電位が電極2の電位よりも高くなる電圧を印加すると、金属元素のイオンが電極2に引き寄せられて、絶縁体膜4内に入っていく。そして、金属イオンが電極2まで到達すると、上下の電極1および電極2の間が導通して低抵抗化(LR化)する。このようにして、可変抵抗素子5へのデータの書き込み(LR化)が行われる。逆に、電極1の電位が電極2の電位よりも低くなる電圧を印加すると、金属元素がイオン化して電極1に引き寄せられて、絶縁体膜4から抜けていくため、上下の電極1および電極2の間の絶縁性が増して、高抵抗化(HR化)する。このようにして、可変抵抗素子5へのデータの消去(HR化)が行われる。
図15Aおよび図15Bは、1回のデータ記録を行う場合に可変抵抗素子5に印加する電圧パルスの波形を示す図である。
図15Aは、書き込み(“1”データの記録)を行う場合のパルス波形を示す図である。ここでは、先ず、逆極性の電圧パルスとして消去電圧パルスPEを印加し、その後、記録すべき情報に対応する極性の電圧パルスPWを印加している。即ち、2つの電圧パルスPEおよびPWのセットにより、“1”データの記録を行う電圧パルスP1が構成されている。
図15Bは、消去(“0”データの記録)を行う場合のパルス波形を示す図である。ここでは、先ず、逆極性の電圧パルスとして書き込み電圧パルスPWを印加し、その後、記録すべき情報に対応する極性の電圧パルスPEを印加している。即ち、2つの電圧パルスPWおよびPEのセットにより、“0”データの記録を行う電圧パルスP0が構成されている。
図15Aおよび図15Bに示した電圧パルスP1およびP0を用いて、可変抵抗素子5にデータの記録を行うことにより、同じ極性の電圧パルスPW或いはPEが連続する回数が2回以下に制限される。これにより、同一極性の電圧パルスPW或いはPEが多数回連続して印加されることによる可変抵抗素子5の抵抗値の変化(LR状態が高抵抗方向に変動すること、HR状態が低抵抗方向に変動すること)を抑制することができ、書換え寿命が向上する。
特開2007−4935号公報(図1、図2) 国際公開第2008/149484号 国際公開第2009/050833号
ここで、背景技術で開示された従来の技術をまとめると、特許文献1では、記録すべき情報に対応する一方の極性の電圧が可変抵抗素子に印加される前に、他方の極性の電圧を可変抵抗素子に印加することで書き換え寿命を向上させるデータ記録方法が開示されている。
そして、このような抵抗変化素子をメモリセルとして用いることで、例えばフラッシュメモリなど一般的に知られている不揮発性メモリに比べ、高速なメモリが構成できることが期待できる。
しかしながら、抵抗変化素子を用いたメモリセルにおいて、動作ウィンドウを拡大すべく、高抵抗化電圧パルスの振幅を大きくすると、低抵抗状態のリテンション特性(つまり、データ保持特性)が悪化し、逆に、低抵抗状態のリテンション特性がより良好となるように、より低い高抵抗化電圧パルスを印加すると、高抵抗状態の抵抗値が減少し、その結果、動作ウィンドウが低減し、信頼性が低下するという課題がある。つまり、従来の技術では、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上とがトレードオフの関係となり、これらを両立させることは困難であるという問題がある。なお、動作ウィンドウとは、高抵抗状態におけるメモリセルがとり得る抵抗値の最小値と低抵抗状態のメモリセルがとり得る抵抗値の最大値との差(抵抗変化動作における抵抗値のマージン)をいう。また、リテンション特性とは、データが壊れることなく長時間にわたって保持される能力(データ保持特性)をいう。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大とを両立可能とする抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法の一形態は、抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法であって、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、前記書き込み方法は、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるためのステップとして、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを含み、前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の一形態は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設された抵抗変化層とを有する抵抗変化型不揮発性記憶素子と、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に情報を書き込む書き込み回路とを備え、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、前記書き込み回路は、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるために、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを実行し、前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい。
本発明により、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上の両立化が可能となり、抵抗変化型不揮発性記憶装置の信頼性が大幅に向上可能となる。
よって、高速動作が可能で、かつ、大記憶容量化に適した抵抗変化型不揮発性記憶装置の提供が待望される今日において、本発明の実用的意義は極めて大きい。
図1Aは、本発明の高抵抗(HR)化ベリファイ書き込みの動作を説明するHR化書き込みフロー図である。 図1Bは、本発明の低抵抗(LR)化ベリファイ書き込みの動作を説明するLR化書き込みフロー図である。 図1Cは、本発明のメモリセルアレイの全ビットをHR状態とLR状態に書き換えた場合における、平均HR抵抗値と平均LR抵抗値のHR化電圧VH依存性を示す特性図である。 図1Dは、本発明のメモリセルアレイ全ビットをLR状態にセットした場合の150℃で66時間のリテンションにおける平均LR電流変化量のHR化電圧VH依存性を示す特性図である。 図2は、本発明のHR化ベリファイ書き込みとLR化ベリファイ書き込みを繰返し交互に実施した場合における書き換え電圧の動作点を説明するための図である。 図3は、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みの動作を説明するLR化書き込みフロー図である。 図4Aは、本発明の弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを実施した場合における動作ウィンドウの効果を説明するための図である。 図4Bは、本発明の弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを実施した場合におけるLRリテンション特性向上の効果を説明するための図である。 図5は、本発明の弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを実施した場合における書き換え電圧の動作点を説明するための図である。 図6は、本発明の弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを実施した場合における平均LR電流の減少量の弱HR化電圧VHwへの依存性を示す特性図である。 図7は、本発明におけるメモリセルのパルスVR特性を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の構成図である。 図9は、本発明の実施の形態に係るセンスアンプの構成の一例を示す回路図である。 図10は、本発明の実施の形態に係るセンスアンプにおける判定レベルを説明するための図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る各動作における設定電圧を説明するための図である。 図12Aは、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作タイミングを示す図(LR化書き込みにおける弱HR化電圧パルスセットの印加のタイミングチャート)である。 図12Bは、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作タイミングを示す図(弱HR化電圧パルスセットを印加した後のLR化書き込みにおけるLR化電圧パルスセットの印加のタイミングチャート)である。 図12Cは、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作タイミングを示す図(HR化電圧パルスセットの印加のタイミングチャート)である。 図12Dは、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作タイミングを示す図(データの読み出しサイクルのタイミングチャート)である。 図13は、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置における書き込みフロー図である。 図14は、従来の可変抵抗素子の断面の模式図である。 図15Aは、従来の可変抵抗素子に対して書き込みを行う場合のパルス波形を示す図である。 図15Bは、従来の可変抵抗素子に対して消去を行う場合のパルス波形を示す図である。 図16は、従来の抵抗変化素子を用いた1T1R型メモリセルの構成を示す模式図である。
(本発明の基礎となった知見)
本願発明者らは、上記開示内容を踏まえ、抵抗変化型不揮発性記憶装置の1つとして、遷移金属の一つであるタンタル(Ta)を用い、その酸素不足型の酸化物(酸化タンタル)の抵抗変化層とスイッチ素子とでメモリセルを構成した抵抗変化型不揮発性記憶装置を検討している。
ここで、酸素不足型の酸化物とは、酸素が化学量論的組成から不足した酸化物をいう。
ここで、本発明の課題を説明するための準備として、酸素不足型のTa酸化物(TaO、0<x<2.5)を抵抗変化層とする抵抗変化素子について、実験で得られたいくつかの特性を説明する。なお、これらの詳細は関連特許である特許文献2および特許文献3に開示されている。
図16は、従来の抵抗変化素子を用いた1T1R型メモリセルの構成(1ビット分の構成)を示す模式図である。図16に示されるように、1T1R型メモリセルは、通常、NMOSトランジスタ104と抵抗変化素子100とから構成されている。
図16に示されるように、抵抗変化素子100は、下部電極100a、第1の抵抗変化層(ここでは、前記酸素不足型のTa酸化物から構成される低抵抗なタンタル酸化物層(TaO、0<x<2.5))100b−1と第2の抵抗変化層(ここでは、高抵抗なタンタル酸化物層(TaO、x<y))100b−2とを積層して構成される抵抗変化層100b、および上部電極100cが積層されて形成さている。下部電極100aから下部電極端子105が引き出され、上部電極100cから上部電極端子102が引き出されている。また、選択トランジスタ(つまり、スイッチ素子の一例)であるNMOSトランジスタ104は、ゲート端子103を備える。抵抗変化素子100の下部電極端子105とNMOSトランジスタ104のソースまたはドレイン(N+拡散)領域が直列に接続され、抵抗変化素子100と接続されていない他方のドレインまたはソース(N+拡散)領域は、下部端子101として引き出され、基板端子は、接地電位に接続されている。ここでは、高抵抗な第2の抵抗変化層100b−2を、NMOSトランジスタ104と反対側の上部電極端子102側に配置している。
ここで、上部電極100cの材料としては、関連特許である上記特許文献3に開示されている様に、例えば、Pt(白金)、Ir(イリジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、W(タングステン)またはCu(銅)などが使用できる。また、上記特許文献3には、抵抗変化層100bの構成元素であるTaよりも標準電極電位が高い電極材料と抵抗変化層との界面付近で抵抗変化が起こりやすく、逆に標準電極電位がTaよりも低い電極材料では、抵抗変化が起こりにくくなっており、さらに、電極材料と抵抗変化層を構成する金属の標準電極電位の差が大きいほど抵抗変化が起こりやすく、差が小さくなるにつれて、抵抗変化が起こりにくくなっていることが開示されている。なお、一般に、標準電極電位は、酸化され易さの一つの指標であり、この値が大きければ酸化されにくく、小さければ酸化されやすい事を意味する。特に、標準電極電位が高いPt、Irを電極に用いた場合が、良好な抵抗変化動作が得られ、望ましい。
また、図16に示されたメモリセルでは、上部電極端子102を基準として下部端子101に所定電圧(例えば、第1のしきい値電圧)以上の電圧(低抵抗化電圧パルス)が印加された場合、上部電極100c界面近傍で還元が起こり、抵抗変化素子100は低抵抗状態に遷移し、一方、下部端子101を基準として上部電極端子102に別の所定電圧(例えば、第2のしきい値電圧)以上の電圧(高抵抗化電圧パルス)が印加された場合、上部電極100c界面近傍で酸化が起こり、抵抗変化素子100は高抵抗状態に遷移する。ここで、低抵抗化電圧パルスの印加方向を負電圧方向と定義し、高抵抗化電圧パルスの印加方向を正電圧方向と定義する。
しかしながら、上述したように、抵抗変化素子を用いたメモリセルにおいて、動作ウィンドウを拡大すべく、高抵抗化電圧パルスの振幅を大きくすると、低抵抗状態のリテンション特性(つまり、データ保持特性)が悪化し、逆に、低抵抗状態のリテンション特性がより良好となるように、より低い高抵抗化電圧パルスを印加すると、高抵抗状態の抵抗値が減少し、その結果、動作ウィンドウが低減し、信頼性が低下するという課題がある。つまり、従来の技術では、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上とがトレードオフの関係となり、これらを両立させることは困難であるという問題がある。なお、動作ウィンドウとは、高抵抗状態におけるメモリセルがとり得る抵抗値の最小値と低抵抗状態のメモリセルがとり得る抵抗値の最大値との差(抵抗変化動作における抵抗値のマージン)をいう。また、リテンション特性とは、データが壊れることなく長時間にわたって保持される能力(データ保持特性)をいう。
以下、本発明の課題について詳細に説明する。ここでは、図16に示すような、上部電極100cがIr(イリジウム)、下部電極100aがTaN(窒化タンタル)、第1の抵抗変化層100b−1がタンタル酸化物層(TaO、0<x<2.5)、第2の抵抗変化層100b−2がタンタル酸化物層(TaO、x<y)で構成される抵抗変化素子100から構成される1T1R型メモリセルについて、書き込み特性とリテンション特性を示し、その課題を説明する。
ここで、実験に用いたサンプルは、抵抗変化層100bの面積が0.25μm(=0.5μm×0.5μm)であり、下部電極100aに接する第1の抵抗変化層100b−1(TaO:x=1.54、膜厚:30nm)、および上部電極100cに接する第2の抵抗変化層100b−2(TaO:y=2.47、膜厚:6nm)を有している。スイッチ素子であるNMOSトランジスタ104は、ゲート幅Wが0.44μm、ゲート長Lが0.18μm、およびゲート絶縁膜の膜厚Toxが3.5nmである。
第2の抵抗変化層100b−2(TaO2.47)は、上部電極100cの製造工程前に、スパッタリングにより成膜された第1の抵抗変化層100b−1(TaO1.54)の上にスパッタリングにより成膜され、第1の抵抗変化層100b−1(TaO1.54)と比べて酸素含有率が高く、つまり、抵抗値が非常に高く絶縁体に近い構造をもつ。よって、抵抗変化動作するためには最初に一定のフォーミング電圧を所定時間印加し第2の抵抗変化層100b−2中に導電パスを形成することが必要である。
ところで、図16に示した抵抗変化素子100を用いた1T1R型メモリセルを行列状に並べたメモリセルアレイ(例えば、64kbit)について、図1Aに示す高抵抗(HR)化ベリファイ書き込み(つまり、ベリファイを伴う高抵抗化書き込み)をメモリセルアレイ全ビットに実施した。また、図1Bに示す低抵抗(LR)化ベリファイ書き込み(つまり、ベリファイを伴う低抵抗化書き込み)をメモリセルアレイの全ビットに実施した。そして、メモリセルアレイの全ビットをHR状態とLR状態に書き換えた場合における、平均HR抵抗値と平均LR抵抗値のHR化電圧VH依存性を示す特性図を図1Cに、また、メモリセルアレイの全ビットを低抵抗(LR)状態にセットした場合の150℃で66時間のリテンション特性評価における平均LR電流の減少量のHR化電圧VH依存性を示す特性図を図1Dに示す。ここで、平均LR電流の減少量とは、リテンションの前後において、低抵抗状態にあるメモリセルが一定電圧の印加の下で流れる電流が減少した程度、言い換えると、低抵抗状態における抵抗値の増加度である。この値は、低抵抗状態におけるリテンション特性の劣化度を示す。
なお、この1T1R型メモリセルを行列状に並べたメモリセルアレイを備えた不揮発性記憶装置は、これらの動作を実現するような回路で構成されており、主要部分については後述でも説明するため、ここでは詳細は省略する。また、本明細書では、メモリセルの高抵抗化(または低抵抗化)とは、厳密には、メモリセルに含まれる抵抗変化素子(つまり、抵抗変化型不揮発性記憶素子)が高抵抗化(または低抵抗化)することを意味する。
図1Aは、任意の1ビットのHR化ベリファイ書き込みの動作を説明するHR化書き込みフロー図である。図16に示した1T1R型メモリセルにおいて、高抵抗(HR)化電圧パルスセット13を印加し、その後、書き込み対象セルのセル電流が所定のHRセル電流レベルよりも少なくなったかどうか(つまり、HR化書き込みが完了したかどうか)を判定する(HR化ベリファイS1)。ここで、もし、HR化ベリファイS1の判定がフェイル(Fail)した場合、再度、高抵抗化電圧パルスセット13が書き込み対象セルに印加され、HR化ベリファイS1の判定が行われる。この動作は、以降、HR化ベリファイS1の判定でパス(Pass)となるまで繰り返される。
ここで、HR化電圧パルスセット13は、例えば、図16に示すメモリセルのゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、下部端子101に+1.0Vの電圧印加(このとき、上部電極端子102には、接地電位を印加)する負電圧のプレ電圧パルス15(プレ電圧Vph=−1.0V、パルス幅50ns)と、ゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、上部電極端子102にHR化電圧VH(例えば、+1.8V〜+2.4V)の電圧印加(このとき、下部端子101には、接地電位を印加)する正電圧の高抵抗(HR)化電圧パルス16(HR化電圧VH、パルス幅50ns)の2パルスから構成されている。
なお、このように、抵抗変化素子を高抵抗化する際に通常の高抵抗(HR)化電圧パルス16の直前に高抵抗化電圧とは逆極性の弱い電圧パルス(負電圧のプレ電圧パルス15)を印加する(いわゆる弱反転書き込みをする)理由は、高抵抗化後における抵抗変化素子の抵抗値をより増加させる(高抵抗化能力をより高くする)ためである。これにより、動作ウィンドウが拡大される。
図1Bは、任意の1ビットのLR化ベリファイ書き込みの動作を説明するLR化書き込みフロー図である。図16に示した1T1R型メモリセルにおいて、低抵抗(LR)化電圧パルスセット14を印加し、その後、書き込み対象セルのセル電流が所定のLRセル電流レベルよりも多くなったかどうか(つまり、LR化書き込みが完了したかどうか)を判定する(LR化ベリファイS2)。ここで、もし、LR化ベリファイS2の判定がフェイル(Fail)した場合、再度、低抵抗化電圧パルスセット14が書き込み対象セルに印加され、LR化ベリファイS2の判定が行われる。この動作は、以降、LR化ベリファイS2の判定でパス(Pass)となるまで繰り返される。
ここで、LR化電圧パルスセット14は、例えば、図16に示すメモリセルのゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、上部電極端子102に+1.1Vの電圧印加(このとき、下部端子101には、接地電位を印加)する正電圧のプレ電圧パルス17(プレ電圧Vpl=+1.1V、パルス幅50ns)と、ゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、下部端子101に+2.4Vの電圧印加(このとき、上部電極端子102には、接地電位を印加)する負電圧の低抵抗(LR)化電圧パルス18(LR化電圧VL=−2.4V,パルス幅50ns)の2パルスから構成されている。
なお、このように、抵抗変化素子を低抵抗化する際に通常の低抵抗(LR)化電圧パルス18の直前に低抵抗化電圧とは逆極性の弱い電圧パルス(正電圧のプレ電圧パルス17)を印加する(いわゆる弱反転書き込みをする)理由は、低抵抗化後における抵抗変化素子の抵抗値をより低下させる(低抵抗化能力をより高くする)ためである。これにより、動作ウィンドウが拡大される。
図1Cにおいて、縦軸は、メモリセルの抵抗値である。ここで、抵抗値測定は、図16のメモリセルのゲート端子103にゲート電圧VG=1.8Vを印加し、上部電極端子102に+0.4Vの電圧を印加(このとき、下部端子101には、接地電位を印加)して測定した。本図には、メモリセルアレイの全ビットをHR状態にセットした場合の平均HR抵抗値、および、メモリセルアレイの全ビットをLR状態にセットした場合の平均LR抵抗値がプロットされている。また横軸は、HR化電圧VHである。ここでは、LR化電圧VLを固定したまま、HR化電圧VHを高くしていったときの平均HR抵抗値、および、平均LR抵抗値がプロットされている。
図1Cに示すように、LR化電圧VL(−2.4V)を固定したまま、HR化電圧VHを高くすると、平均HR抵抗値は、単調増加するが、平均LR抵抗値はほとんど変わらないため、動作ウィンドウは単調増加する。つまり、本図から、HR化電圧VHを高くすることで、動作ウィンドウを拡大できることが分かる。
図1Dにおいて、縦軸は、150℃で66時間放置後の平均LR電流の減少量であり、横軸は、図1Cと同一である。ここで電流測定は、図16のメモリセルのゲート端子103にゲート電圧VG=1.8Vを印加し、上部電極端子102に+0.4Vの読み出し電圧を印加(このとき、下部端子101には、接地電位(0V)を印加)して測定した。また、LR化電圧VLを固定したまま、HR化電圧VHを高くしていったときの平均LR電流の減少量をプロットしている。
図1Dに示すように、LR化電圧VL(−2.4V)を固定したまま、HR化電圧VHを高くすると、平均LR電流の減少量は、単調増加し、LRリテンション特性は、悪化する。つまり、本図から、HR化電圧VHを高くすることで、低抵抗状態におけるリテンション特性が悪化することが分かる。
このように、HR化電圧VHとLR化電圧VL(−2.4V)の書き換え電圧バランスについて、動作ウィンドウを拡大するためにHR化電圧VHを高くすると、リテンション特性に与えるHR化電圧VHの影響の方が大きくなり、LRリテンション特性が悪化してしまう。
図2は、図1Aに示したHR化ベリファイ書き込みと図1Bに示したLR化ベリファイ書き込みを繰り返し交互に実施した場合における、書き換え電圧の動作点を説明するための図である。
図2において、横軸は、印加した負電圧の絶対値であり、縦軸は、印加した正電圧の絶対値である。図2では、点Bは、図1C、Dの点Bに対応し、高抵抗化電圧パルスセット13として、先ずプレ電圧Vph(−1.0V)を印加し、その後、HR化電圧VH(+2.0V)を印加するHR化時の動作点を示す。点Cは、図1Cおよび図1Dの点Cに対応し、高抵抗化電圧パルスセット13として、先ずプレ電圧Vph(−1.0V)を印加し、その後、HR化電圧VH(+2.4V)を印加するHR化時の動作点を示す。点Aは、低抵抗化電圧パルスセット14として、先ずプレ電圧Vpl(+1.1V)を印加し、その後、LR化電圧VL(−2.4V)を印加するLR化時の動作点を示している。
図2に示された点Bと点Aの動作点間でメモリセルを動作させると、LRリテンション特性は平均LR電流の減少量が比較的小さくなり、良好だが、HR化電圧VH(2.0V)は若干低いため、動作ウィンドウが狭くなってしまう。
一方、点Cと点Aの動作点間でメモリセルを動作させると、動作ウィンドウは拡大するが、HR化電圧VHを2.0Vから2.4Vに高めたことにより、LR化電圧VL(−2.4V)との書き換え電圧バランスにおいて、リテンション特性に与えるHR化電圧の影響の方が大きくなり、LR状態のリテンション特性は悪化する。
このように、HR化電圧VHに対して、動作ウィンドウとLRリテンション特性は、トレードオフの関係にあり、一義的にHR化電圧VHとLR化電圧VLの適正な組み合わせ(つまり、2つの動作点)を見出すのは、非常に困難であるということがわかった。
そこで、本願の発明者らは、このような事情を鑑みて、高抵抗状態にある抵抗変化素子を低抵抗状態に遷移させる場合には、高抵抗状態にある抵抗変化素子に対して低抵抗化電圧パルスを印加して低抵抗状態に遷移させる前に、一旦、弱い高抵抗(弱HR)状態(つまり、新たな動作点)を経由させる弱高抵抗化電圧パルスセットを印加することにより、リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大の両立が可能になる抵抗変化型不揮発性記憶素子の新たな書き込み方法の検討を行った。ここで、弱い高抵抗(弱HR)状態とは、2つの抵抗状態(第1抵抗状態、第2抵抗状態)を可逆的に遷移する抵抗変化型不揮発性記憶素子が、第1抵抗状態における抵抗値と第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態である。
より詳しくは、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法の一形態は、抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法であって、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、前記書き込み方法は、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるためのステップとして、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを含み、前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい。
これにより、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態から第2抵抗状態に変化せしめるときに、単に通常書き込みステップを実施するのではなく、一旦、弱書き込みステップで抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態にセットした後に通常書き込みステップで第2抵抗状態に遷移させる。よって、抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1抵抗状態から第2抵抗状態に遷移するのではなく、第1抵抗状態よりも第2抵抗状態に近い中間抵抗状態から第2抵抗状態に遷移するので、より深い第2抵抗状態に遷移する。その結果、動作ウィンドウを維持したまま、第2抵抗状態におけるリテンション特性が改善される。
たとえば、LR書き込み前に弱HR書き込みを1度実施する。これにより、LR化時には、一旦弱HR状態に遷移させ、その後のLR化書き込みで書き込み電圧バランスをLR化方向にシフトさせることができる。その結果、相対的にLR化能力を向上できるようになり、リテンション特性が向上される。一方、HR化時には、十分高いHR化電圧で書き込みができるようになり、HRにおける抵抗値が増加し、動作ウィンドウの拡大も同時に可能となる。その結果、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の両立化が可能となり、不揮発性記憶装置の信頼性が大幅に向上される。
ここで、前記第3電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値より小さくてもよい。これにより、弱書き込みステップでは、通常書き込みステップでの電圧(第1電圧)よりも絶対値が小さい電圧(第3電圧)が用いられるので、通常書き込みステップよりも小さい消費電流で弱書き込みステップが行われる。
また、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記第2電圧と極性が同じで、かつ、前記第4電圧よりも絶対値が小さい第5電圧のパルスを印加した後に、前記第1電圧のパルスを印加してもよい。
これにより、通常書き込みステップにおいて、通常の電圧のパルスを印加する前に、極性が異なる弱い電圧のパルスによる書き込み(弱反転書き込み)が行われるので、書き込み能力が向上され、動作ウィンドウが拡大される。
また、さらに、前記通常書き込みステップの後に、前記第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する判定ステップを含み、前記通常書き込みステップと前記判定ステップとは、前記判定ステップで前記第2抵抗状態への書き込みが完了したと判定されるまで、繰り返してもよい。
これにより、第2抵抗状態への書き込みが完了するまで通常書き込みが繰り返され、不完全な書き込みが回避される。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置の一形態は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設された抵抗変化層とを有する抵抗変化型不揮発性記憶素子と、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に情報を書き込む書き込み回路とを備え、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、前記書き込み回路は、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるために、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを実行し、前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい。
これにより、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態から第2抵抗状態に変化せしめるときに、一旦、弱書き込みステップで抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態にセットした後に通常書き込みステップで第2抵抗状態に遷移させる。よって、抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1抵抗状態から第2抵抗状態に遷移するのではなく、第1抵抗状態よりも第2抵抗状態に近い中間抵抗状態から第2抵抗状態に遷移するので、より深い第2抵抗状態に遷移する。その結果、動作ウィンドウを維持したまま、第2抵抗状態におけるリテンション特性が改善される。
ここで、前記第3電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値より小さくてもよい。これにより、弱書き込みステップでは、通常書き込みステップでの電圧(第1電圧)よりも絶対値が小さい電圧(第3電圧)が用いられるので、通常書き込みステップよりも小さい消費電流で弱書き込みステップが行われる。
また、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記第2電圧と極性が同じで、かつ、前記第4電圧よりも絶対値が小さい第5電圧のパルスを印加した後に、前記第1電圧のパルスを印加してもよい。
これにより、通常書き込みステップにおいて、通常の電圧のパルスを印加する前に、極性が異なる弱い電圧のパルスによる書き込み(弱反転書き込み)が行われるので、書き込み能力が向上され、動作ウィンドウが拡大される。
また、さらに、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子の情報を読み出す読み出し回路と、前記書き込み回路と前記読み出し回路とを制御するとともに、前記読み出し回路によって読み出された情報を参照することで、前記書き込み回路による前記通常書き込みステップの後に前記第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する制御回路とを備え、前記制御回路は、前記第2抵抗状態への書き込みが完了したと判定できるまで、前記書き込み回路による前記抵抗変化型不揮発性記憶素子の前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態への書き込みと、前記判定とを繰り返すように、前記書き込み回路と前記読み出し回路とを制御してもよい。
これにより、第2抵抗状態への書き込みが完了するまで通常書き込みが繰り返され、不完全な書き込みが回避される。
また、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、当該抵抗変化型不揮発性記憶素子と直列接続され、導通状態または非導通状態になる選択素子とともにメモリセルを構成し、前記書き込み回路は、前記メモリセルに含まれる前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記弱書き込みステップおよび前記通常書き込みステップを実行してもよい。
これにより、メモリセルを構成する抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大の両立が可能な書き込みが実行される。
また、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、前記第1抵抗状態では、前記第2抵抗状態よりも高い抵抗値をもってもよい。これにより、低抵抗化書き込みにおいて、リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大の両立が可能な書き込みが実行される。
(実施の形態)
次に、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
なお、本実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶素子は、図16に示される抵抗変化素子100と同じ構成を備えてもよい。つまり、本実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶素子は、以下の特徴を有してもよい。
抵抗変化層100bは、下部電極100aと上部電極100cとの間に介在され、下部電極100aと上部電極100cとの間に与えられる電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する層である。例えば、下部電極100aと上部電極100cとの間に与えられる電圧の極性に応じて高抵抗状態と低抵抗状態とを可逆的に遷移する層である。抵抗変化層100bは、下部電極100aに接続する第1の抵抗変化層100b−1と、上部電極100cに接続する第2の抵抗変化層100b−2の少なくとも2層を積層して構成される。
第1の抵抗変化層100b−1は、酸素不足型の第1の金属酸化物で構成され、第2の抵抗変化層100b−2は、第1の金属酸化物よりも酸素不足度が小さい第2の金属酸化物で構成されている。抵抗変化素子の第2の抵抗変化層100b−2中には、電気パルスの印加に応じて酸素不足度が可逆的に変化する微小な局所領域が形成されている。局所領域は、酸素欠陥サイトから構成されるフィラメントを含むと考えられる。
「酸素不足度」とは、金属酸化物において、その化学量論的組成(複数の化学量論的組成が存在する場合は、そのなかで最も抵抗値が高い化学量論的組成)の酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。化学量論的組成の金属酸化物は、他の組成の金属酸化物と比べて、より安定でありかつより高い抵抗値を有している。
例えば、金属がタンタル(Ta)の場合、上述の定義による化学量論的組成の酸化物はTaであるので、TaO2.5と表現できる。TaO2.5の酸素不足度は0%であり、TaO1.5の酸素不足度は、酸素不足度=(2.5−1.5)/2.5=40%となる。また、酸素過剰の金属酸化物は、酸素不足度が負の値となる。なお、本明細書中では、特に断りのない限り、酸素不足度は正の値、0、負の値も含むものとして説明する。
酸素不足度の小さい酸化物は化学量論的組成の酸化物により近いため抵抗値が高く、酸素不足度の大きい酸化物は酸化物を構成する金属により近いため抵抗値が低い。
「酸素含有率」とは、総原子数に占める酸素原子の比率である。例えば、Taの酸素含有率は、総原子数に占める酸素原子の比率(O/(Ta+O))であり、71.4atm%となる。したがって、酸素不足型のタンタル酸化物は、酸素含有率は0より大きく、71.4atm%より小さいことになる。例えば、第1の金属酸化物層を構成する金属と、第2の金属酸化物層を構成する金属とが同種である場合、酸素含有率は酸素不足度と対応関係にある。すなわち、第2の金属酸化物の酸素含有率が第1の金属酸化物の酸素含有率よりも大きいとき、第2の金属酸化物の酸素不足度は第1の金属酸化物の酸素不足度より小さい。
抵抗変化層100bを構成する金属は、タンタル以外の金属を用いてもよい。抵抗変化層100bを構成する金属としては、遷移金属、またはアルミニウム(Al)を用いることができる。遷移金属としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。遷移金属は複数の酸化状態をとることができるため、異なる抵抗状態を酸化還元反応により実現することが可能である。
例えば、ハフニウム酸化物を用いる場合、第1の金属酸化物の組成をHfOとした場合にxが0.9以上1.6以下であり、かつ、第2の金属酸化物の組成をHfOとした場合にyがxの値よりも大である場合に、抵抗変化層100bの抵抗値を安定して高速に変化させることができる。この場合、第2の金属酸化物の膜厚は、3〜4nmとしてもよい。
また、ジルコニウム酸化物を用いる場合、第1の金属酸化物の組成をZrOとした場合にxが0.9以上1.4以下であり、かつ、第2の金属酸化物の組成をZrOとした場合にyがxの値よりも大である場合に、抵抗変化層100bの抵抗値を安定して高速に変化させることができる。この場合、第2の金属酸化物の膜厚は、1〜5nmとしてもよい。
第1の金属酸化物を構成する第1の金属と、第2の金属酸化物を構成する第2の金属とは、異なる金属を用いてもよい。この場合、第2の金属酸化物は、第1の金属酸化物よりも酸素不足度が小さい、つまり抵抗が高くてもよい。このような構成とすることにより、抵抗変化時に下部電極100aと上部電極100cとの間に印加された電圧は、第2の金属酸化物に、より多くの電圧が分配され、第2の金属酸化物中で発生する酸化還元反応をより起こしやすくすることができる。
また、第1の抵抗変化層100b−1となる第1の金属酸化物を構成する第1の金属と、第2の抵抗変化層100b−2となる第2の金属酸化物を構成する第2の金属とを、互いに異なる材料を用いる場合、第2の金属の標準電極電位は、第1の金属の標準電極電位より低くてもよい。標準電極電位は、その値が高いほど酸化しにくい特性を表す。これにより、標準電極電位が相対的に低い第2の金属酸化物において、酸化還元反応が起こりやすくなる。なお、抵抗変化現象は、抵抗が高い第2の金属酸化物中に形成された微小な局所領域中で酸化還元反応が起こってフィラメント(導電パス)が変化することにより、その抵抗値(酸素不足度)が変化すると考えられる。
例えば、第1の金属酸化物に酸素不足型のタンタル酸化物(TaO)を用い、第2の金属酸化物にチタン酸化物(TiO)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。チタン(標準電極電位=−1.63eV)はタンタル(標準電極電位=−0.6eV)より標準電極電位が低い材料である。このように、第2の金属酸化物に第1の金属酸化物より標準電極電位が低い金属の酸化物を用いることにより、第2の金属酸化物中でより酸化還元反応が発生しやすくなる。その他の組み合わせとして、高抵抗層となる第2の金属酸化物にアルミニウム酸化物(Al)を用いることができる。例えば、第1の金属酸化物に酸素不足型のタンタル酸化物(TaO)を用い、第2の金属酸化物にアルミニウム酸化物(Al)を用いてもよい。
積層構造の抵抗変化層100bにおける抵抗変化現象は、いずれも抵抗が高い第2の金属酸化物中に形成された微小な局所領域中で酸化還元反応が起こって、局所領域中のフィラメント(導電パス)が変化することにより、その抵抗値が変化すると考えられる。
つまり、第2の金属酸化物に接続する上部電極100cに、下部電極100aを基準にして正の電圧を印加したとき、抵抗変化層100b中の酸素イオンが第2の金属酸化物側に引き寄せられる。これによって、第2の金属酸化物中に形成された微小な局所領域中で酸化反応が発生し、酸素不足度が減少する。その結果、局所領域中のフィラメントが繋がりにくくなり、抵抗値が増大すると考えられる。
逆に、第2の金属酸化物に接続する上部電極100cに、下部電極100aを基準にして負の電圧を印加したとき、第2の金属酸化物中の酸素イオンが第1の金属酸化物側に押しやられる。これによって、第2の金属酸化物中に形成された微小な局所領域中で還元反応が発生し、酸素不足度が増加する。その結果、局所領域中のフィラメントが繋がりやすくなり、抵抗値が減少すると考えられる。
酸素不足度がより小さい第2の金属酸化物に接続されている上部電極100cは、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)など、第2の金属酸化物を構成する金属及び下部電極100aを構成する材料と比べて標準電極電位が、より高い材料で構成する。また、酸素不足度がより高い第1の金属酸化物に接続されている下部電極100aは、例えば、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)など、第1の金属酸化物を構成する金属と比べて標準電極電位が、より低い材料で構成してもよい。標準電極電位は、その値が高いほど酸化しにくい特性を表す。
すなわち、第2の電極の標準電極電位V2、第2の金属酸化物を構成する金属の標準電極電位Vr2、第1の金属酸化物を構成する金属の標準電極電位Vr1、第1の電極の標準電極電位V1との間には、Vr2<V2、かつV<Vなる関係を満足してもよい。さらには、V2>Vr2で、Vr1≧V1の関係を満足してもよい。
上記の構成とすることにより、上部電極100cと第2の金属酸化物の界面近傍の第2の金属酸化物中において、選択的に酸化還元反応が発生し、安定した抵抗変化現象が得られる。
まず、抵抗変化型不揮発性記憶素子に対するいくつかの書き込み基礎データを最初に説明する。
図3は、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の新たな弱HR化経由LR化ベリファイ書き込み(つまり、弱HR(高抵抗)状態を経由させる、ベリファイを伴う低抵抗化書き込み)の動作を説明するLR化書き込みフロー図である。図3において、図1Bと同じ構成要素については、同じ符号を用い、説明を省略する。図1Bに示すLR化書き込みフローとの違いは、LR化電圧パルスセット14の印加前に、弱HR(高抵抗)化電圧パルスセット19を1度印加する点である。なお、弱HR化(弱高抵抗化)とは、抵抗変化型不揮発性記憶素子を弱HR状態にセットすることである。弱HR化電圧の絶対値は、HR化しきい値電圧(LR状態からHR状態への遷移が開始する電圧)の絶対値より大きく、通常のHR化電圧の絶対値より小さくてもよい。
ここで、弱HR化電圧パルスセット19は、弱HR化のための電圧パルスセットであり、例えば、図16に示すメモリセルのゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、下部端子101に+1.7Vの電圧印加(このとき、上部電極端子102には、接地電位を印加)する負電圧の弱HR化用LR化電圧パルス20(弱HR化用LR化電圧VLw=−1.7V、パルス幅50ns)と、ゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加し、上部電極端子102に+1.6Vの電圧印加(このとき、下部端子101には、接地電位を印加)する正電圧の弱HR化電圧パルス21(弱HR化電圧VHw=+1.6V,パルス幅50ns)の2パルスから構成されている。
いま、抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧(例えば、LR化電圧VL)のパルスが印加されると第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態(例えば、高抵抗状態HR)から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態(例えば、低抵抗状態LR)へと変化し、一方、第1電圧(例えば、LR化電圧VL)とは極性が異なる第2電圧(例えば、HR化電圧VH)のパルスが印加されると第2抵抗状態(例えば、低抵抗状態LR)から第1抵抗状態(例えば、高抵抗状態HR)へと変化する特性を有するものとする。
ここで、弱HR化用LR化電圧パルス20は、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態から第2抵抗状態に変化せしめるための2つのステップである弱書き込みステップおよび通常書き込みステップのうち、弱書き込みステップにおける前半処理(つまり、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第2抵抗状態にする処理)のための電圧パルスである。弱HR化用LR化電圧パルス20の電圧(弱HR化用LR化電圧VLw)は、第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)と同極性で絶対値が異なる電圧(第3電圧)である。この第3電圧(ここでは、弱HR化用LR化電圧VLw)の絶対値は、第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)の絶対値より小さくしてもよい。弱書き込みステップでの消費電流を通常書き込みステップでの消費電流よりも抑えることができるからである。
また、弱HR化電圧パルス21は、弱書き込みステップにおける後半処理(つまり、抵抗変化型不揮発性記憶素子を、第1抵抗状態における抵抗値と第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させる処理)のための電圧パルスである。弱HR化電圧パルス21の電圧(弱HR化電圧VHw)は、第2電圧(例えば、電圧VH)と同極性で絶対値が小さい電圧(第4電圧)である。この第4電圧(ここでは、弱HR化電圧VHw)の絶対値は、第3電圧(弱HR化用LR化電圧VLw)の絶対値よりも小さい。これは、後述するように、第4電圧(ここでは、弱HR化電圧VHw)は、抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態にセットする電圧であり、一方、第3電圧(ここでは、弱HR化用LR化電圧VLw)は、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第2抵抗状態(中間抵抗状態ではない安定した抵抗状態の一つ)にセットする電圧であるからである。
図4Aは、図1Cと同様の平均HR抵抗値と平均LR抵抗値のHR化電圧VH依存性を示す特性図に、本発明の図3に示す弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合の平均HR抵抗値(黒三角印)と平均LR抵抗値(白三角印)とを追加した図、つまり、動作ウィンドウの効果を説明するための図である。
図4Bは、図1Dと同様の150℃で66時間のリテンションにおける平均LR電流の減少量のHR化電圧VH依存性を示す特性図に、本発明の図3に示す弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合の平均LR電流の減少量(白丸印)を追加した図、つまり、LRリテンション特性向上の効果を説明するための図である。
図4A、図4Bにおいて、縦軸と横軸は、それぞれ、図1Cと図1Dと同一のため、ここでは詳しい説明は省略する。
図4Aに示すように、弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合の平均HR抵抗値(黒三角印)と平均LR抵抗値(白三角印)は、図1Cで説明したHR化電圧VHが2.4Vの結果(点Cの平均HR抵抗値及び平均LR抵抗値)と同様の値である。ここでは、HR化電圧VHを2.4Vと高く設定しているので、その効果により、平均HR抵抗値を増加させることができ、その結果、動作ウィンドウが拡大可能となっている。
一方、図4Bに示すように、弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合の平均LR電流の減少量(白丸印)は、HR化電圧VHが1.8Vと同等の平均LR電流の減少量(つまり、LRリテンション特性)にまで顕著に良化している。
このように、弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合には、HR化電圧VHが2.4Vでの動作ウィンドウを維持しつつ、LR状態のリテンション特性を飛躍的に良化させることができる。よって、リテンション特性の向上と動作ウィンドウの拡大とを両立させることができる。
図5は、図1Aに示したHR化ベリファイ書き込みと図3に示した弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを繰り返し交互に実施した場合における、書き換え電圧の動作点を説明するための図である。
図5において、横軸と縦軸は、図2と同一であり、かつ、図2と同じ構成要素については、同じ符号を用い、詳しい説明を省略する。
図5では、点Dは、HR状態に対して、弱HR化電圧パルスセット19として、先ず弱HR化用LR化電圧VLw(例えば、−1.7V)を印加し、その後、十分低いHR状態に遷移させるため、通常のHR化電圧VH(2.4V)よりも十分に低い弱HR化電圧VHw(+1.6V)を印加する弱HR化時(つまり、弱HR状態)の動作点を示す。その後、このような通常のHR状態よりも低いHR状態(つまり、弱HR状態)に対して、通常の低抵抗化電圧パルスセット14を印加することにより、電圧バランスがLR化方向にシフトし、リテンション特性が向上可能となるLR状態(動作点A)に遷移する。
このように、HR化時には、動作点Aから動作点Cに遷移させ、つまり、十分高いHR化電圧で書き込み、これによって、動作ウィンドウを拡大させ、一方、LR化時には、動作点Cから動作点Dへと一旦弱HR状態に遷移させ、続いて、動作点Dから動作点Aへ遷移させることで、直接、動作点Cから動作点Aに遷移させる場合に比べて、書き込み電圧バランスがLR化方向にシフトし、相対的にLR化能力が向上できる。よって、リテンション特性も同時に向上可能となり、動作ウィンドウの拡大とLRリテンション特性の向上の両立化が可能となる。
1)リテンション特性の弱HR化電圧VHwへの依存性
次に、リテンション特性の弱HR化電圧VHwへの依存性を図6に示す。
図6は、図3で説明した弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みを行った場合の平均LR電流の減少量を縦軸に、弱HR化電圧VHwを横軸に取った図、つまり、平均LR電流の減少量の弱HR化電圧VHwへの依存性を示す特性図である。
図6に示されるように、弱HR化電圧VHwを1.4Vに低下させた場合、つまり、さらに弱いHR状態を経由させてLR状態にセットした場合には、弱HR化電圧VHwが1.6Vの時よりもLRリテンション特性がさらに良化している。一方、弱HR化電圧VHwを1.8Vに増加させると、弱HR化経由LR化ベリファイ書き込みの効果が小さくなり、LR状態のリテンション特性は、悪化方向にシフトする。
このように、弱HR化電圧VHw(低抵抗化時において、抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態に遷移させるための電圧パルスの電圧)としては、LR状態からHR状態に遷移可能な電圧範囲(つまり、LR状態の抵抗変化型不揮発性記憶素子をHR状態へ遷移させるしきい値電圧よりも高く)で、かつ、可能な限り弱いHR状態を形成するために、通常のHR化電圧VHよりも十分低い電圧であってもよい。
2)パルスVR特性
次に、図16に示すメモリセルのパルスVR特性(パルス電圧の印加による抵抗値の変化を示す電圧・抵抗特性)を図7に例示する。図7は、横軸に上部電極端子102と下部端子101間に印加されるパルス(パルス幅50ns、ゲート端子103にゲート電圧VG=2.4Vを印加)の電圧VPを示し、縦軸にパルスを印加した後の上部電極端子102と下部端子101間のメモリセルの抵抗値(測定電圧は0.4V、ゲート端子103にゲート電圧VG=1.8Vを印加)を示している。図中のスタートの位置(HR状態)から、負電圧方向に電圧レベルを徐々に低下させて行くと、印加パルス電圧VPが−1.6Vの時に、HR状態からLR状態(10kΩ程度)に遷移し、さらに印加パルス電圧VPを低下させて行くと、−1.8Vで飽和(8kΩ程度)傾向となる。これは、NMOSトランジスタ104がソースフォロワで動作するため、ゲート電圧VG(2.4V)からNMOSトランジスタ104のしきい値電圧(約0.6V)分低下した電圧(1.8V)しか下部電極端子105に供給できなくなり、抵抗変化素子100に印加される端子間電圧の絶対値が1.8Vで飽和するためである。引き続き、印加パルス電圧VPを増加させて行くと、1.2Vを超えたときから徐々にメモリセルの抵抗値が上昇し、高抵抗化し始め、VPが1.4Vから1.6V程度では、弱い(低い)HR状態(破線丸E:約28kΩ〜約51kΩ)に遷移し、さらに印加パルス電圧VPを2.4Vまで増加させると、約670kΩに達する。その後、引き続き、印加パルス電圧VPを低下させて行くと、ほぼ測定開始時のHR状態に復帰する。
以上、上記、1)リテンション特性の弱HR化電圧VHwへの依存性、および、2)パルスVR特性の基礎データから、図3に示す本発明の弱HR化電圧パルスセット19としては、以下の条件を満たしてもよい。
i)弱HR化用LR化電圧VLw(第3電圧の一例)の絶対値は、HR状態からLR状態への抵抗変化が可能なしきい値電圧(ここでは、1.6V)以上必要。
ii)弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は、弱HR状態を形成するために、LR状態からHR状態に遷移可能な電圧範囲で(つまり、LR状態からHR状態に遷移させるしきい値電圧よりも高く)、かつ、可能な限り弱いHR状態を形成するために、通常のHR化電圧VHよりも十分低い電圧(例えば、1.4V〜1.6V程度)であってもよい。つまり、いま、パルスVR特性として、LR状態の抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して印加する電圧を徐々に上げていった場合に印加電圧が電圧Vthを超えたところで抵抗変化型不揮発性記憶素子がHR状態への遷移を開始(抵抗値が上昇)し、印加電圧が電圧VHになったところでHR状態への遷移が完了する特性であるとする。この場合には、弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は、電圧Vthより大きく、かつ、電圧VH(第2電圧の一例)よりも小さい電圧であってもよい。さらには、弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は、電圧VH(第2電圧の一例)よりも十分に低い(電圧Vthに近い)電圧であってもよい。
iii)弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は、弱HR化用LR化電圧VLw(第3電圧の一例)の絶対値よりも小さい。弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は、上述したように、抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態にセットする電圧であり、一方、弱HR化用LR化電圧VLw(第3電圧の一例)は、抵抗変化型不揮発性記憶素子を低抵抗状態(中間抵抗状態ではない安定した抵抗状態の一つ)にセットする電圧であることから、このような関係(弱HR化電圧VHw(第4電圧の一例)は弱HR化用LR化電圧VLw(第3電圧の一例)の絶対値よりも小さい)となる。
以上のように、本実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法は、第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)のパルスが印加されると第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態(ここでは、HR状態)から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態(ここでは、LR状態)へと変化し、一方、第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)とは極性が異なる第2電圧(ここでは、HR化電圧VH)のパルスが印加されると第2抵抗状態(ここでは、LR状態)から第1抵抗状態(ここでは、HR状態)へと変化する特性を有する抵抗変化型不揮発性記憶素子を対象とする書き込み方法であって、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態(ここでは、HR状態)から第2抵抗状態(ここでは、LR状態)に変化せしめるためのステップとして、(1)弱書き込みステップ(ここでは、弱HR化)と、(2)通常書き込みステップ(ここでは、LR化)と、(3)判定ステップとを含む。
ここで、弱書き込みステップ(ここでは、弱HR化電圧パルスセット19の印加)では、弱HR化用LR化電圧パルス20によって抵抗変化型不揮発性記憶素子を第2抵抗状態(ここでは、LR状態)にした後に、弱HR化電圧パルス21によって抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態(ここでは、HR状態)における抵抗値と第2抵抗状態(ここでは、LR状態)における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態(ここでは、弱HR状態)に遷移させる。
また、通常書き込みステップ(ここでは、LR化電圧パルスセット14の印加)では、抵抗変化型不揮発性記憶素子(ここでは、弱HR状態の抵抗変化型不揮発性記憶素子)にプレ電圧パルス17を印加した後、LR化電圧パルス18を印加して第2抵抗状態(ここでは、LR状態)に遷移させる。
また、判定ステップでは、第2抵抗状態(ここでは、LR状態)への書き込みが完了したか否かを判定する。なお、通常書き込みステップと判定ステップとは、判定ステップで第2抵抗状態(ここでは、LR状態)への書き込みが完了したと判定されるまで繰り返される。
より詳しくは、弱書き込みステップ(ここでは、弱HR化電圧パルスセット19の印加)では、抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)と同極性の第3電圧(ここでは、負の弱HR化用LR化電圧VLw)のパルスを印加することによって抵抗変化型不揮発性記憶素子を第2抵抗状態(ここでは、LR状態)にし、引き続き、第2電圧(ここでは、HR化電圧VH)と同極性で絶対値が小さい第4電圧(ここでは、弱HR化電圧VHw)のパルスを印加することによって抵抗変化型不揮発性記憶素子を中間抵抗状態(ここでは、弱HR状態)に遷移させる。このとき、第4電圧(ここでは、弱HR化電圧VHw)の絶対値は、しきい値電圧(ここでは、HR化しきい値電圧)より大きく、第3電圧(ここでは、弱HR化用LR化電圧VLw)の絶対値よりも小さくてもよい。
また、通常書き込みステップ(ここでは、LR化電圧パルスセット14の印加)では、抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)のパルスを少なくとも1回印加する。具体的には、通常書き込みステップ(ここでは、LR化電圧パルスセット14の印加)では、抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、第2電圧と極性が同じで、かつ、第4電圧よりも絶対値が小さい第5電圧(ここでは、プレ電圧Vpl)のパルスを印加した後に第1電圧(ここでは、LR化電圧VL)のパルスを印加する。
このような書き込み方法によって、動作ウィンドウの拡大とLRリテンション特性の向上の両立化が可能となる。
[本発明の実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶装置]
本願発明者らは、上述した基礎データから得られた知見に基づき、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上の両立を可能とする書き込み(つまり、弱HR化経由LR化書き込み)を実施する不揮発性記憶装置を考案した。以下、本発明の実施の形態として、図16に示された抵抗変化素子を用いた1T1R型の不揮発性記憶装置について説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置200の構成を示すブロック図である。
この抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、主要な構成要素として、(1)第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に配設された抵抗変化層とを有する抵抗変化型不揮発性記憶素子(ここでは、抵抗変化素子R11、R12、R13、R14、・・・)と、(2)抵抗変化型不揮発性記憶素子に情報を書き込む書き込み回路(ここでは、書き込み回路206)と、(3)抵抗変化型不揮発性記憶素子の情報を読み出す読み出し回路(ここでは、センスアンプ204)と、(4)書き込み回路と読み出し回路とを制御するとともに、読み出し回路によって読み出された情報を参照することで、書き込み回路による通常書き込みステップの後に第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する制御回路(ここでは、制御回路210)と、を備える。
抵抗変化型不揮発性記憶素子は、当該抵抗変化型不揮発性記憶素子と直列接続され、導通状態または非導通状態になる選択素子(ここでは、NMOSトランジスタN11、N21、N31・・・)とともにメモリセル(ここでは、メモリセルM11、M12、・・・)を構成している。
書き込み回路(ここでは、書き込み回路206)は、抵抗変化型不揮発性記憶素子を第1抵抗状態から第2抵抗状態に変化せしめるために、上述したように、弱書き込みステップと、弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを実行する回路である。
読み出し回路(ここでは、センスアンプ204)は、抵抗変化型不揮発性記憶素子の情報を読み出す回路である。
制御回路(ここでは、制御回路210)は、書き込み回路と読み出し回路とを制御するとともに、読み出し回路によって読み出された情報を参照することで、書き込み回路による通常書き込みステップの後に第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する回路である。この制御回路は、第2抵抗状態への書き込みが完了したと判定できるまで、書き込み回路による抵抗変化型不揮発性記憶素子の第1抵抗状態から第2抵抗状態への書き込みと、判定とを繰り返すように、書き込み回路と読み出し回路とを制御する。
以下、この抵抗変化型不揮発性記憶装置200の詳細について、説明する。
図8に示すように、本実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、半導体基板上に、メモリ本体部201を備えており、メモリ本体部201は、図16に示された1T1R型メモリセルで構成されたメモリセルアレイ202と、行選択回路208、ワード線ドライバWLDおよびソース線ドライバSLDから構成される行ドライバ207と、列選択回路203と、データの書き込みを行うための書き込み回路206と、選択ビット線に流れる電流量を検出することによって高抵抗状態をデータ「0」と判定し、また低抵抗状態をデータ「1」と判定するセンスアンプ204と、端子DQを介して入出力データの入出力処理を行うデータ入出力回路205と、書き込み用電源211とを備える。
さらに、外部から入力されるアドレス信号を受け取るアドレス入力回路209と、外部から入力されるコントロール信号に基づいて、メモリ本体部201の動作を制御する制御回路210とを備えている。
メモリセルアレイ202は、半導体基板の上に形成された、互いに交差するように配列された複数のワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・および複数のビット線BL0、BL1、BL2、・・・と、これらのワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・、およびビット線BL0、BL1、BL2、・・・の交点に対応してそれぞれ設けられた複数のNMOSトランジスタN11、N12、N13、N14、・・・、N21、N22、N23、N24、・・・、N31、N32、N33、N34、・・・(以下、「トランジスタN11、N12、・・・」と表す)と、トランジスタN11、N12、・・・と1対1に直列接続された複数の抵抗変化素子R11、R12、R13、R14、・・・、R21、R22、R23、R24、・・・、R31、R32、R33、R34、・・・(以下、「抵抗変化素子R11、R12、・・・」と表す)とを備える(対応する個々がメモリセルM11、M12、M13、M14、・・・、M21、M22、M23、M24、・・・M31、M32、M33、M34、・・・(以下、「メモリセルM11、M12、・・・」と表す)を構成している)。
図8に示すように、トランジスタN11、N21、N31、・・・のゲートはワード線WL0に接続され、トランジスタN12、N22、N32、・・・のゲートはワード線WL1に接続され、トランジスタN13、N23、N33、・・・のゲートはワード線WL2に接続され、トランジスタN14、N24、N34、・・・のゲートはワード線WL3に接続されている。
また、トランジスタN11、N21、N31、・・・およびトランジスタN12、N22、N32、・・・はソース線SL0に共通に接続され、トランジスタN13、N23、N33、・・・およびトランジスタN14、N24、N34、・・・はソース線SL2に共通に接続されている。すなわち、ソース線SL0、SL2、・・・は、ワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・に対して平行となり、ビット線BL0、BL1、BL2、・・・に対して交差(本実施の形態では、垂直に立体交差)するように配置されている。なお、上記の構成例では、ソース線はワード線と平行に配置されているが、ビット線と平行に配置してもよい。また、ソース線は、プレート線として接続されるトランジスタに共通の電位を与える構成としているが、行選択回路/ドライバと同様の構成のソース線選択回路/ドライバを有し、選択されたソース線と非選択のソース線を異なる電圧(極性も含む)で駆動する構成としてもよい。
また、抵抗変化素子R11、R12、R13、R14、・・・はビット線BL0に接続され、一方、抵抗変化素子R21、R22、R23、R24、・・・はビット線BL1に接続され、さらに、抵抗変化素子R31、R32、R33、R34、・・・はビット線BL2に接続されている。このように、本実施の形態におけるメモリセルアレイ202では、抵抗変化素子R11、R21、R31、・・・がNMOSトランジスタN11、N21、N31・・・を介さずに、対応するビット線BL0、BL1、BL2、・・・に直接接続される構成を取っている。
制御回路210は、データの書き込みサイクルにおいては、データ入出力回路205に入力された入力データDinに応じて、書き込み用電圧の印加を指示する書き込み信号を書き込み回路206へ出力する。他方、データの読み出しサイクルにおいては、制御回路210は、読み出し動作を指示する読み出し信号をセンスアンプ204へ出力する。
行選択回路208は、書き込みおよび読み出しの対象となるメモリセルを特定するために複数のワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・のいずれかを選択する機能を有し、そのために、アドレス入力回路209から出力された行アドレス信号を受け取り、この行アドレス信号に応じて、行ドライバ207より、複数のワード線WL0、WL1、WL2、WL3、・・・のうちの何れかに対応するワード線ドライバ回路WLDより、その選択されたワード線に対して、所定の電圧を印加する。
また同様に、行選択回路208は、書き込みおよび読み出しの対象となるメモリセルを特定するために複数のソース線SL0、SL2、・・・のいずれかを選択する機能を有し、そのために、アドレス入力回路209から出力された行アドレス信号を受け取り、この行アドレス信号に応じて、行ドライバ207より、複数のソース線SL0、SL2、・・・のうちの何れかに対応するソース線ドライバ回路SLDより、その選択されたソース線に対して、所定の電圧を印加する。
列選択回路203は、書き込みおよび読み出しの対象となるメモリセルを特定するために複数のビット線BL0、BL1、BL2、・・・のいずれかを選択する回路である。
書き込み回路206は、制御回路210から出力された書き込み信号を受け取った場合、列選択回路203により選択されたビット線に対して書き込み用電圧を印加する。
書き込み用電源211は、ワード線用電圧Vwおよびソース線用電圧Vsを行ドライバ207に供給し、また、ビット線用電圧Vbを書き込み回路206に供給する。
図9は、図8におけるセンスアンプ204の詳細な構成の一例を示す回路図である。
センスアンプ204は、一例として、ミラー比が1対1のカレントミラー回路218と、サイズが等しいクランプトランジスタ219および220と、基準回路221と、差動アンプ224とから構成される。基準回路221は、読み出し用基準電流生成回路702と、LR化用基準電流生成回路703と、HR化用基準電流生成回路705とから構成される。
読み出し用基準電流生成回路702では、選択トランジスタ222と読み出し用基準抵抗Rrefが直列に接続されたブランチの一端が接地電位に接続され、他方の端子がクランプトランジスタ219のソース端子と接続されている。また、選択トランジスタ222のゲート端子には、読み出しイネーブル信号C1が入力され、読み出しイネーブル信号C1により、選択トランジスタ222は、導通/非導通状態を切り換えられる。
同様に、LR化用基準電流生成回路703では、選択トランジスタ223とLR化ベリファイ用の基準抵抗RL(RL<Rref)が直列に接続されたブランチの一端が接地電位に接続され、他方の端子がクランプトランジスタ219のソース端子と接続されている。また選択トランジスタ223のゲート端子には、LR化ベリファイイネーブル信号C2が入力され、LR化ベリファイイネーブル信号C2により、選択トランジスタ223は、導通/非導通状態を切り換えられる。
同様に、HR化用基準電流生成回路705では、選択トランジスタ227とHR化ベリファイ用の基準抵抗RH(RH>Rref)が直列に接続されたブランチの一端が接地電位に接続され、他方の端子がクランプトランジスタ219のソース端子と接続されている。また選択トランジスタ227のゲート端子には、HR化ベリファイイネーブル信号C3が入力され、HR化ベリファイイネーブル信号C3により、選択トランジスタ227は、導通/非導通状態を切り換えられる。
また、クランプトランジスタ219および220は、ゲート端子にクランプ電圧VCLP(VCLP<VDD)が入力され、クランプトランジスタ220のソース端子は、列選択回路203とビット線を介して、メモリセルと接続され、クランプトランジスタ219および220のドレイン端子は、それぞれカレントミラー回路218を構成するトランジスタ225および226のドレイン端子と接続される。クランプトランジスタ220のドレイン端子電位は、差動アンプ224により、基準電圧VREF(一例として1.1V)と比較され、基準電圧VREFより高いか低いかが検知判定され、その判定結果がセンスアンプ出力SAOとしてデータ入出力回路205に伝達される。
図10は、センスアンプ204の判定レベルを説明するための図である。センスアンプ204は、図10に示すように、HR状態にあるメモリセルの抵抗値とLR状態にあるメモリセルの抵抗値との間に、読み出し用基準抵抗Rrefと、それより小さいLR化ベリファイ用基準抵抗RL(RL<Rref)と、読み出し用基準抵抗Rrefより大きいHR化ベリファイ用基準抵抗RH(RL<Rref<RH)の3つの判定レベルを有する。
なお、LR化ベリファイ用基準抵抗RLは、抵抗変化素子のLR化書き込みが完了したか否かを判定するために、また、HR化ベリファイ用基準抵抗RHは、抵抗変化素子のHR化書き込みが完了したか否かを判定するために用いられる。また、読み出し用基準抵抗Rrefは、抵抗変化素子が高抵抗状態にあるか低抵抗状態にあるかを判定するために用いられる。
[本発明の実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作]
以上のように構成された抵抗変化型不揮発性記憶装置200について、まず、主要な回路ブロックの動作を説明し、その後、抵抗変化型不揮発性記憶装置200の読み出し動作および書き込み動作を説明する。
まず、図9に示されるセンスアンプ204の動作を説明する。センスアンプ204は、抵抗変化素子をLR化するLR化書き込み工程では、書き込み回路206が抵抗変化素子に弱HR化電圧パルスセット19を印加し、引き続き、LR化電圧パルスセット14を印加後、列選択回路203とビット線を介して、対象メモリセルと接続される。メモリセルには、クランプ電圧VCLPからクランプトランジスタ219および220のしきい値電圧(Vth)分低下した電圧(VCLP−Vth)より大きな電圧が印加されない構成となっている。
一方、基準回路221では、LR化ベリファイイネーブル信号C2により、選択トランジスタ223が活性化されて導通状態になり、LR化用基準抵抗RLが選択される。その他の選択トランジスタ222および227は、それぞれ、読み出しイネーブル信号C1およびHR化ベリファイイネーブル信号C3により非活性化されて非導通状態にされ、基準電流Iref(≒(VCLP−Vth)/RL)が流れる。
従って、基準電流Irefがカレントミラー回路218により転写され、負荷電流ILとしては、Irefとほぼ同じ電流(IL=Iref)が流れる。この負荷電流ILとメモリセル電流Icの大小関係がクランプトランジスタ220で比較される。その比較結果に依存して、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が基準電圧VREF(一例として1.1V)より高くなるか低くなるかが差動アンプ224により検知され、差動アンプ224は、センスアンプ出力SAOとして、その検知結果を出力する。
ここで、弱HR化電圧パルスセット19を印加し、引き続き、LR化電圧パルスセット14を印加後の抵抗変化素子の抵抗値をRLtとした場合に、メモリセル電流Ic(=(VCLP−Vth)/RLt)が流れる。この時、負荷電流IL>メモリセル電流Icならば、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、所定時間後に基準電圧VREFより高くなり、センスアンプ出力SAOは、Lレベルを出力する。つまり、行選択回路208および列選択回路203で選択されたメモリセル(選択メモリセル)が、LR化用基準抵抗RLより高い抵抗状態の場合には、センスアンプ204は、“0”を出力、つまり、フェイルと判定する。
一方、負荷電流IL<メモリセル電流Icならば、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、所定時間後に基準電圧VREFより低くなり、センスアンプ出力SAOは、Hレベルを出力する。つまり、選択メモリセルが、LR化ベリファイ用基準抵抗RLより低い抵抗状態の場合には、センスアンプ204は、“1”を出力、つまり、パスと判定し、対象メモリセルのLR化書き込みが完了していることを示す。
次に、HR化書き込み工程では、センスアンプ204は、書き込み回路206が抵抗変化素子にHR化電圧パルスセット13を印加後、列選択回路203とビット線を介して、対象メモリセルと接続される。メモリセルには、LR化書き込み工程と同様に、クランプ電圧VCLPからクランプトランジスタ219および220のしきい値電圧(Vth)分低下した電圧(VCLP−Vth)より大きな電圧が印加されない構成となっている。
一方、基準回路221は、HR化ベリファイイネーブル信号C3により、選択トランジスタ227が活性化され、導通状態になり、HR化用基準抵抗RHが選択され、その他の選択トランジスタ222、223は、読み出しイネーブル信号C1および、LR化ベリファイイネーブル信号C2により非活性化され、非導通状態にされ、基準電流Iref(≒(VCLP−Vth)/RH)が流れる。
従って、基準電流Irefがカレントミラー回路218により転写され、負荷電流ILとしては、Irefとほぼ同じ電流が流れ(IL=Iref)、この負荷電流ILとメモリセル電流Icの大小関係がクランプトランジスタ220で比較される。
ここで、HR化電圧パルスセット13を印加後の抵抗変化素子の抵抗値をRHtとした場合に、メモリセル電流Ic(=(VCLP−Vth)/RHt)が流れる。この時、負荷電流IL<メモリセル電流Icならば、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、所定時間後に基準電圧VREFより低くなり、センスアンプ出力SAOは、Hレベルを出力する。つまり、選択メモリセルが、HR化用基準抵抗RHより低い抵抗状態の場合には、センスアンプ204は、“1”を出力、つまり、フェイルと判定する。
一方、負荷電流IL>メモリセル電流Icならば、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、所定時間後に基準電圧VREFより高くなり、センスアンプ出力SAOは、Lレベルを出力する。つまり、選択メモリセルが、HR化ベリファイ用基準抵抗RHより高い抵抗状態の場合には、センスアンプ204は、“0”を出力、つまり、パスと判定し、対象メモリセルのHR化書き込みが完了していることを示す。
また、読み出し時には、基準回路221は、読み出しイネーブル信号C1により、選択トランジスタ222が活性化され、導通状態になり、読み出し用基準抵抗Rrefが選択される。その他の選択トランジスタ223および227は、LR化ベリファイイネーブル信号C2、HR化ベリファイイネーブル信号C3により非活性化され、非導通状態にされ、基準電流Iref(=(VCLP−Vth)/Rref)が流れる。
従って、基準電流Irefがカレントミラー回路218により転写され、負荷電流ILとしては、Irefとほぼ同じ電流(IL=Iref)が流れる。この負荷電流ILとメモリセル電流Icの大小関係がクランプトランジスタ220で比較される。その比較結果に依存して、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が基準電圧VREFより高くなるか低くなるかが検知され、差動アンプ224は、センスアンプ出力SAOを出力する。
ここで、高抵抗状態のメモリセルの抵抗値をRhr、低抵抗状態のメモリセルの抵抗値をRlr(Rhr>Rref>Rlr)とした場合に、選択メモリセルが高抵抗状態である時には、メモリセル電流Ic(=(VCLP−Vth)/Rhr)が流れる。この時、負荷電流IL>メモリセル電流Icとなり、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、基準電圧VREFより高くなり、センスアンプ出力SAOは、Lレベルを出力する。つまり、選択メモリセルが読み出し用基準抵抗Rrefより高い高抵抗状態(Rhr)の場合には、センスアンプ204は、“0”データと判定する。
一方、選択メモリセルが低抵抗状態である時には、メモリセル電流Ic(=(VCLP−Vth)/Rlr)が流れる。この時、負荷電流IL<メモリセル電流Icとなり、クランプトランジスタ220のドレイン端子電圧が、基準電圧VREFより低くなり、センスアンプ出力SAOは、Hレベルを出力する。つまり、選択メモリセルが読み出し用基準抵抗Rrefより低い低抵抗状態(Rlr)の場合には、センスアンプ204は、“1”データと判定する。
次に、図11を参照して、低抵抗(LR)化書き込み、高抵抗(HR)化書き込み、読み出し動作の際にメモリセルに印加される電圧パルスと、メモリセルに当該電圧パルスを印加するためにワード線(WL)、ソース線(SL)、およびビット線(BL)に印加される電圧の一例とについて説明する。ワード線(WL)、ソース線(SL)、およびビット線(BL)に印加される電圧は、以下に述べるように、書き込み用電源211にて生成される。
図11において、ワード線用電圧Vwは、ワード線ドライバ回路WLDからワード線に印加され、ソース線用電圧Vsは、ソース線ドライバ回路SLDからソース線に印加され、ビット線用電圧Vbは、書き込み回路206および列選択回路203を介してビット線に印加される。
先ず、LR化書き込みのための弱HR化電圧パルスセット19の印加において、弱HR化用LR化電圧パルス20(負パルス)の印加におけるビット線BL電圧は、振幅Vb(ここでは、1.7V)の電圧パルスを表し、続く弱HR化電圧パルス21(正パルス)の印加におけるビット線BL電圧は、振幅Vb(ここでは、1.6V)の電圧パルスを表す。
LR化書き込みのためのLR化電圧パルスセット14の印加、また、HR化電圧パルスセット13の印加での正パルス、負パルス印加でも、同様にビット線BL電圧は、振幅Vbの電圧パルスを表す。ここで、弱HR化電圧パルス21の振幅は、HR化しきい値電圧より大きく、LR化電圧パルスセット14の正パルス電圧の振幅はHR化しきい値電圧より小さい電圧であってもよい。また、弱HR化用LR化電圧パルス20の振幅は、消費電流低減のため、通常のLR化パルスの振幅より小さくてもよい。
また、読み出し時、LR化ベリファイ読み出し時、およびHR化ベリファイ読み出し時において、読み出し電圧Vreadは、センスアンプ204でクランプした読み出し用電圧で、読み出しディスターブが発生しない(つまり、抵抗変化素子の抵抗状態が変化しない)ように調整された電圧値(ここでは、0.4V)に対応している。また、VDDは抵抗変化型不揮発性記憶装置200に供給される電源電圧に対応している。
以上の様に構成された抵抗変化型不揮発性記憶装置200のデータ書き込みおよび読み出しのサイクルの一例について、図12A〜図12D、図8の本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置200の構成図を参照しながら説明する。
図12A〜図12Dは、本発明の実施の形態に係る抵抗変化型不揮発性記憶装置200の動作例を示すタイミングチャートの一例である。電圧は、図11に示した印加例の値を用いている。なお、以下の説明は、1つのメモリセル(例えば、メモリセルM11)に対してデータの書き込みおよび読み出しをする場合についてなされている。
図12Aは、メモリセルM11に対する、LR化書き込みにおける弱HR化電圧パルスセットの印加のタイミングチャートを示している。この弱HR化電圧パルスセットの印加(つまり、弱書き込みステップ)では、メモリセルM11に弱HR化用LR化電圧パルス20と弱HR化電圧パルス21が印加される。
先ず、弱HR化用LR化電圧パルスの印加サイクルにおいては、最初に選択ビット線BL0、ソース線SL0を、それぞれ電圧0Vに設定する。次に選択ビット線BL0、ソース線SL0を、それぞれ電圧Vs(ここでは、1.7V)および電圧Vb(ここでは、1.7V)に設定する。次に、選択するワード線WL0を電圧Vw(ここでは、2.4V)に設定するが、この時は、図8の選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN11は、まだオフ状態である。この段階では、図8のNMOSトランジスタN11のドレイン端子と、ソース端子はともに同電位となり、トランジスタのオン・オフに関係なく電流は流れない。
次に、選択ビット線BL0を時間tlw(ここでは、50ns)の間、電圧0Vに設定し、その後、再度電圧Vb(ここでは、1.7V)となるパルス波形を印加する。この段階で、図8のメモリセルM11には、弱HR化用LR化電圧VLw(ここでは、−1.7V)の負電圧パルスが印加され、メモリセルM11の抵抗値が高抵抗値から低抵抗値に遷移する。その後、ワード線WL0を電圧0Vに設定し、弱HR化用LR化電圧パルスの印加が完了する。ただし、この方法に限定されるわけではない。
引き続き、弱HR化電圧パルス印加サイクルにおいては、最初に選択ビット線BL0、ソース線SL0をそれぞれ電圧0Vに設定する。次に、選択するワード線WL0を電圧Vw(ここでは、2.4V)に設定し、図8の選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN11をオンする。
次に、選択ビット線BL0を時間thwの間、電圧Vb(ここでは、1.6V)に設定し、その後、再度電圧0Vとなるパルス波形を印加する。この段階で、図8のメモリセルM11には弱HR化電圧VHw(ここでは、+1.6V)の正電圧パルスが印加され、メモリセルM11の抵抗値が低抵抗状態から弱い(低い)HR状態(つまり、中間抵抗状態)になるような書き込みが行われる。ただし、この方法に限定されるわけではない。
図12Bは、メモリセルM11に対する、弱HR化電圧パルスセットを印加した後のLR化書き込みにおけるLR化電圧パルスセットの印加(つまり、LR化用の通常書き込みステップ)のタイミングチャートを示している。このLR化電圧パルスセットの印加では、メモリセルM11に正電圧のプレ電圧パルス17とLR化電圧パルス18が印加される。
正電圧のプレ電圧パルス17印加サイクルは、弱HR化電圧パルス印加サイクルとビット線に印加される電圧Vbが異なるのみで、同じ回路動作をするため、ここでは、詳しい説明は省略するが、図8のメモリセルM11に、正電圧のプレ電圧Vpl(ここでは、+1.1V)の電圧パルスが印加されても、図7のパルスVR特性から推察されるように、抵抗値的には、ほとんど変化せず、前状態の弱HR状態のままである。
引き続き実施されるLR化電圧パルス18印加サイクルは、弱HR化用LR化電圧パルス印加サイクルとビット線に印加される電圧Vb、ソース線に印加される電圧Vsが異なるのみで、同じ回路動作をするため、ここでは、詳しい説明は省略するが、図8のメモリセルM11には、弱HR状態(つまり、中間抵抗状態)に対して、LR化電圧VL(ここでは、−2.4V)の負電圧パルスが印加されることにより、リテンション特性的にLR化方向に電圧バランスをシフトさせることができ、メモリセルM11の抵抗値が深い低抵抗値(リテンション特性の向上が可能となるLR状態)に遷移する。
図12Cは、メモリセルM11に対する、HR化電圧パルスセットの印加のタイミングチャートを示している。このHR化電圧パルスセットの印加では、メモリセルM11に負電圧のプレ電圧パルス15とHR化電圧パルス16が印加される。
負電圧のプレ電圧パルス15印加サイクルは、図12Aに示した弱HR化用LR化電圧パルス印加サイクルとビット線に印加される電圧Vb、ソース線に印加される電圧Vsが異なるのみで、同じ回路動作をするため、ここでは、詳しい説明は省略するが、図8のメモリセルM11に、負電圧のプレ電圧Vph(ここでは、−1.0V)の電圧パルスが印加されても、図7のパルスVR特性から推察されるように、抵抗値的には、ほとんど変化せず、前状態のLR状態のままである。
引き続き実施されるHR化電圧パルス16印加サイクルは、弱HR化電圧パルス印加サイクルとビット線に印加される電圧Vbが異なるのみで、同じ回路動作をするため、ここでは、詳しい説明は省略するが、図8のメモリセルM11には、LR状態に対して、HR化電圧VH(ここでは、+2.4V)の正電圧パルスが印加されることにより、メモリセルM11の抵抗値が所定の高抵抗値に遷移する。
図12Dは、メモリセルM11に対するデータの読み出しサイクルのタイミングチャートを示している。この読み出しサイクルにおいては、最初に選択ビット線BL0およびソース線SL0を電圧0Vに設定する。次に、選択するビット線BL0を読み出し電圧Vreadにプリチャージする。
次に、選択するワード線WL0を電圧VDD(VDD>Vread)に設定し、選択メモリセルM11のNMOSトランジスタN11をオンすると共に、選択ビット線BL0をディスチャージし、その後、所定期間後にセンスアンプ204により、選択メモリセルM11に流れる電流値を検出することで、記憶されているデータをデータ「0」またはデータ「1」と判定する。その後、ワード線WL0を電圧0Vに設定し、データの読み出し動作を完了する。
読み出し動作については、センスアンプ204において、読み出し用基準抵抗Rrefが用いられ、LR化ベリファイ読み出し時には、LR化ベリファイ用基準抵抗RLが用いられ、HR化ベリファイ読み出し時には、HR化ベリファイ用基準抵抗RHが用いられる点を除けば、図12Dに示される読み出し方法は、LR化ベリファイ読み出し時とHR化ベリファイ読み出し時で同様である。
次に、本実施の形態における抵抗変化型不揮発性記憶装置200における書き込み動作の一例について、図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図13において、抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、書き込み動作の開始に際して(S0)、データを書き込むアドレス空間の初期アドレスのメモリセル(例えば、M11)を図8に示すように選択する(S1)。そして、“0”データ(HR化)書き込みでは(S2でYes)、HR化電圧パルスセット13を印加するHR書き込み処理を実行し(S3)、一方、“1”データ(LR化)書き込みでは(S2でNo)、弱HR化電圧パルスセット19を印加する弱HR化書き込み処理(弱書き込みステップS60)を先ず実行し、引き続き、LR化電圧パルスセット14を印加するLR書き込み処理を実行する(通常書き込みステップS6)。次に選択メモリセルはセンスアンプ204に接続され、HR化、またはLR化ベリファイ読み出し処理がなされ(判定ステップS4またはS7)、HR書き込みの場合には、メモリセルの抵抗値が、HR化ベリファイ用基準抵抗RHよりも高くなり、ベリファイ判定結果がPassするまで、一方、LR書き込みの場合には、メモリセルの抵抗値が、LR化ベリファイ用基準抵抗RLよりも低くなり、ベリファイ判定結果がPassするまで、HR書き込み処理(S3)、または、LR書き込み処理(S6)が繰り返される(S5またはS8でNO)。ただし、メモリセルに動作不具合があった場合、際限なく書き込み動作が続けられることから追加書き込み回数の上限を設定(ここでは、5回)した。抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、ベリファイ判定でPassすれば(S5またはS8でYES)、次のアドレスがあれば(S9でNo)、次のアドレスの書き込み処理に移り(S10)、無ければ(S9でYes)、終了する(S11)。このようなフローによって、HR書き込みでは、HR化ベリファイ用基準抵抗RHより高抵抗状態に、一方、LR書き込みでは、LR化ベリファイ用基準抵抗RLより低抵抗状態に書き込め、所定の動作ウィンドウを確保した書き込みが可能となる。
ここで、ステップS4およびステップS7は、図12Dのタイミングチャートに対応し、ステップS3は、図12Cのタイミングチャートに対応し、ステップS60は、図12Aのタイミングチャートに対応し、ステップS6は、図12Bのタイミングチャートに対応している。
このように、本実施の形態では、LR時において弱HR化経由LR化書き込みを導入することにより、HR化時には、十分高いHR化電圧で書き込み、動作ウィンドウを拡大し、一方、LR化時には、一旦弱HR状態に遷移させ、その後のLR化書き込みで書き込み電圧バランスをLR化方向にシフトさせることができ、相対的にLR化能力を向上できる。そのため、リテンション特性も同時に向上可能となり、動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上の両立化が可能となる。
以上、本発明に係る抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されない。
たとえば、上記実施の形態では、HR化電圧パルスセット13とLR化電圧パルスセット14とは、2パルスで構成されたが、書き込み時間の短縮および消費電流低減のため、それぞれ、HR化電圧パルス16のみ、LR化電圧パルス18のみの1パルス構成としても良い。
また、図8に示した抵抗変化型不揮発性記憶装置200の構成では、スイッチ素子であるNMOSトランジスタに1つの抵抗変化素子を接続した、所謂1T1R型メモリセルであったが、本発明は、この1T1R型メモリセルに限定されるものではない。例えば、スイッチ素子として、双方向ダイオードを用いた1D1R型メモリセルに適用しても良い。
また、抵抗変化素子の構成、または材料の種類が変われば、好ましい弱HR化電圧VHwの範囲は変わる可能性があるが、適宜、最適電圧条件を探索し直せば良い。
また、本実施の形態では、LR化書き込み時に、弱HR化書き込みを実施したが、これとは反対に、必要に応じて、HR化書き込み時に、弱LR化書き込みを入れても良い。つまり、本発明に係る書き込み方法(弱書き込みステップとそれに続く通常書き込みステップ)は、LR化時だけに限定されるものではなく、HR化時に適用してもよい。その場合には、各ステップで印加する電圧の極性を全て反転すればよい。
また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、当業者が思いつく各種変形を施したり、実施の形態における構成要素を任意に組み合わせたりして実現される抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法も、本発明に含まれる。
本発明は、抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法および抵抗変化型不揮発性記憶装置として、特に、電気的信号に基づいて可逆的に抵抗値が変化する抵抗変化素子とトランジスタ等のスイッチ素子とで構成されたメモリセルを有する抵抗変化型不揮発性記憶装置において、実用的な電圧範囲で書き込みが行え、かつ、抵抗変化型不揮発性記憶装置の動作ウィンドウの拡大とリテンション特性の向上を同時に実現できるので、携帯電話やノートパソコン等の電子機器に使用される、高信頼性メモリを実現するのに有用である。
1、2 電極
3 導体膜
4 絶縁体膜
5 可変抵抗素子
13 高抵抗(HR)化電圧パルスセット
14 低抵抗(LR)化電圧パルスセット
15 負電圧のプレ電圧パルス
16 高抵抗(HR)化電圧パルス
17 正電圧のプレ電圧パルス
18 低抵抗(LR)化電圧パルス
19 弱高抵抗(HR)化電圧パルスセット
20 弱HR化用LR化電圧パルス
21 弱HR化電圧パルス
100 抵抗変化素子
100a 下部電極
100b 抵抗変化層
100b−1 第1の抵抗変化層
100b−2 第2の抵抗変化層
100c 上部電極
101 下部端子
102 上部電極端子
103 ゲート端子
104 NMOSトランジスタ
105 下部電極端子
200 抵抗変化型不揮発性記憶装置
201 メモリ本体部
202 メモリセルアレイ
203 列選択回路
204 センスアンプ
205 データ入出力回路
206 書き込み回路
207 行ドライバ
208 行選択回路
209 アドレス入力回路
210 制御回路
211 書き込み用電源
218 カレントミラー回路
219、220 クランプトランジスタ
221 基準回路
222、223、227 選択トランジスタ
224 差動アンプ
225、226 トランジスタ
702 読み出し用基準電流生成回路
703 LR化用基準電流生成回路
705 HR化用基準電流生成回路

Claims (10)

  1. 抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法であって、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、
    前記書き込み方法は、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるためのステップとして、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを含み、
    前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、
    前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、
    前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい
    抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法。
  2. 前記第3電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値より小さい
    請求項1記載の抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法。
  3. 前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記第2電圧と極性が同じで、かつ、前記第4電圧よりも絶対値が小さい第5電圧のパルスを印加した後に、前記第1電圧のパルスを印加する
    請求項1または2に記載の抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法。
  4. さらに、前記通常書き込みステップの後に、前記第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する判定ステップを含み、
    前記通常書き込みステップと前記判定ステップとは、前記判定ステップで前記第2抵抗状態への書き込みが完了したと判定されるまで、繰り返される
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶素子の書き込み方法。
  5. 第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設された抵抗変化層とを有する抵抗変化型不揮発性記憶素子と、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に情報を書き込む書き込み回路と、を備え、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、第1電圧のパルスが印加されると、第1情報の記憶に用いられる第1抵抗状態から第2情報の記憶に用いられる第2抵抗状態へと変化し、前記第1電圧とは極性が異なる第2電圧のパルスが印加されると、前記第2抵抗状態から前記第1抵抗状態へと変化する特性を有し、
    前記書き込み回路は、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態に変化せしめるために、弱書き込みステップと、前記弱書き込みステップに続く通常書き込みステップとを実行し、
    前記弱書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧と同極性で絶対値が異なる第3電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記第2抵抗状態にした後に、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第2電圧と同極性で絶対値が小さい第4電圧のパルスを印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を、前記第1抵抗状態における抵抗値と前記第2抵抗状態における抵抗値との間の抵抗値をもつ中間抵抗状態に遷移させ、
    前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して前記第1電圧のパルスを少なくとも1回印加することによって前記抵抗変化型不揮発性記憶素子を前記中間抵抗状態から前記第2抵抗状態に遷移させ、
    前記第4電圧の絶対値は、前記第3電圧の絶対値よりも小さい
    抵抗変化型不揮発性記憶装置。
  6. 前記第3電圧の絶対値は、前記第1電圧の絶対値より小さい
    請求項5記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
  7. 前記書き込み回路は、前記通常書き込みステップでは、前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記第2電圧と極性が同じで、かつ、前記第4電圧よりも絶対値が小さい第5電圧のパルスを印加した後に、前記第1電圧のパルスを印加する
    請求項5または6に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
  8. さらに、
    前記抵抗変化型不揮発性記憶素子の情報を読み出す読み出し回路と、
    前記書き込み回路と前記読み出し回路とを制御するとともに、前記読み出し回路によって読み出された情報を参照することで、前記書き込み回路による前記通常書き込みステップの後に前記第2抵抗状態への書き込みが完了したか否かを判定する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記第2抵抗状態への書き込みが完了したと判定できるまで、前記書き込み回路による前記抵抗変化型不揮発性記憶素子の前記第1抵抗状態から前記第2抵抗状態への書き込みと、前記判定とを繰り返すように、前記書き込み回路と前記読み出し回路とを制御する
    請求項5〜7のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
  9. 前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、当該抵抗変化型不揮発性記憶素子と直列接続され、導通状態または非導通状態になる選択素子とともにメモリセルを構成し、
    前記書き込み回路は、前記メモリセルに含まれる前記抵抗変化型不揮発性記憶素子に対して、前記弱書き込みステップおよび前記通常書き込みステップを実行する
    請求項5〜8のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
  10. 前記抵抗変化型不揮発性記憶素子は、前記第1抵抗状態では、前記第2抵抗状態よりも高い抵抗値をもつ
    請求項5〜9のいずれか1項に記載の抵抗変化型不揮発性記憶装置。
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