JP2012014669A - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1導電部13Aは、それぞれ第1方向に延在し、且つ、第1方向と直交する第2方向に配列された2以上の第1導電パターン22Aと、各第1導電パターン22A間に電気的に絶縁された第1絶縁部24Aとを有し、第2導電部13Bは、それぞれ第2方向に延在し、且つ、第1方向に配列された2以上の第2導電パターン22Bと、各第2導電パターン22B間に電気的に絶縁された第2絶縁部24Bとを有し、上面から見たとき、多数の格子が配置された形態とされ、さらに、第1絶縁部24Aと第2絶縁部24Bとが対向することによる組合せパターン54が形成され、組合せパターン54は、格子が2以上配列された大きさの開口が形成された形態を有する。
【選択図】図7
Description
しかし、将来的な観点から見ると、以下のような問題が生じるおそれがある。現在、投影型静電容量方式のタッチパネルは、PDA(携帯情報端末)や携帯電話等の小サイズへの適用が主となっているが、パーソナルコンピュータ(パソコン)用のオペレーションシステム(OS)がマルチタッチ方式を標準対応するようになったことから、パソコン用ディスプレイ等への適用による大サイズ化が進むと考えられる。
また、本発明の他の目的は、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができるタッチパネルを提供することを目的とする。
[2] 第1の本発明において、前記金属細線の線幅が1〜9μmであることを特徴とする。
[3] 第2の本発明に係る導電シートは、基体と、基体の一方の主面に形成された第1導電部と、基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、前記第1導電パターンは、2以上の第1大格子が前記第1方向に直列に接続されて構成され、前記第2導電パターンは、2以上の第2大格子が前記第2方向に直列に接続されて構成され、各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記金属細線の線幅が1〜15μmであり、前記小格子の一辺の長さが50〜500μmであることを特徴とする。
[4] 第2の本発明において、前記金属細線の線幅が1〜9μmであることを特徴とする。
[5] 第2の本発明において、前記第1大格子の辺部における直線部と前記第2大格子の辺部における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする。
[6] 第2の本発明において、前記投影距離は100〜400μmであることを特徴とする。
[7] 第2の本発明において、前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターン間に電気的に絶縁された第1絶縁部を有し、前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターン間に電気的に絶縁された第2絶縁部を有し、上面から見たとき、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる組合せパターンが形成され、前記組合せパターンは、前記格子が2以上配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする。
[8] 第2の本発明において、前記組合せパターンは、前記小格子が2以上配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする。
[9] 第2の本発明において、各前記第1大格子間に第1接続部が電気的に接続され、各前記第2大格子間に第2接続部が電気的に接続され、前記第1接続部及び前記第2接続部は、それぞれ前記小格子のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子が配置されて構成されていることを特徴とする。
[10] 第2の本発明において、前記組合せパターンは、前記中格子1つ分の大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする。
[11] 第2の本発明において、前記組合せパターンは、複数の前記小格子がほぼ十字形状に配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする。
[12] 第2の本発明において、前記第1大格子のうち、第1の辺部は、該第1の辺部に沿って連続する直線部から多数の針状の線がくし歯状に張り出した形態を有し、前記第1の辺部と対向する第2の辺部は、該第2の辺部に沿って連続する直線部が形成された形態を有し、前記第2大格子のうち、前記基体を介して前記第1大格子の前記第1の辺部と対向する第3の辺部は、該第3の辺部に沿って連続する直線部が形成された形態を有し、前記基体を介して前記第1大格子の前記第2の辺部と対向する第4の辺部は、該第4の辺部に沿って連続する直線部から多数の針状の線がくし歯状に張り出した形態を有することを特徴とする。
[13] 第2の本発明において、前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターン間に配列された金属細線による複数の第1補助線からなる第1絶縁部を有し、前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターン間に配列された金属細線による複数の第2補助線からなる第2絶縁部を有し、上面から見たとき、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して配置された形態とされ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる組合せパターンが形成され、前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、互いに交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする。
[14] 第2の本発明において、前記第1補助線は、前記第1大格子と非接続とされた直線状に形成され、前記第2補助線は、前記第2大格子と非接続とされた直線状に形成されていることを特徴とする。
[15] 第2の本発明において、前記第1補助線及び前記第2補助線の各長さは、前記小格子の一辺の長さとほぼ同じであることを特徴とする。
[16] 第2の本発明において、前記小格子は、正方形状を有し、前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、直交して交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする。
[17] 第2の本発明において、前記小格子は、ひし形状を有し、前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、前記小格子を構成するひし形状の頂角とほぼ同一の角度で交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする。
[18] 第3の本発明に係る導電シートは、表示装置の表示パネル上に配置されるタッチパネルの導電シートであって、第1基体と、該第1基体の主面に形成された第1導電部とを有する第1導電シートと、第2基体と、該第2基体の主面に形成された第2導電部とを有する第2導電シートとを有し、前記第2導電シート上に前記第1導電シートが積層され、前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各前記第1導電パターンの端部に接続された第1端子配線パターンと、前記第1導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第1端子配線パターンが接続された複数の第1端子とを有し、前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された2以上の第2導電パターンと、各前記第2導電パターンの端部に接続された第2端子配線パターンと、前記第2導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第2端子配線パターンが接続された複数の第2端子とを有することを特徴とする。
[19] 第3の本発明において、前記第1導電シート及び前記第2導電シートを上面から見たとき、複数の前記第1端子が配列された部分と、複数の前記第2端子が配列された部分とが隣接していることを特徴とする。
[20] 第3の本発明において、各前記第1導電パターンの端部と対応する前記第1端子配線パターンとがそれぞれ第1結線部を介して接続され、各前記第2導電パターンの端部と対応する前記第2端子配線パターンとがそれぞれ第2結線部を介して接続され、複数の前記第1結線部が前記第2方向に沿って直線状に配列され、複数の前記第2結線部が前記第1方向に沿って直線状に配列されていることを特徴とする。
[21] 第4の本発明に係る導電シートの使用方法は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各第1導電パターン間に電気的に絶縁された第1絶縁部とを有する第1導電シートと、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンと、各第2導電パターン間に電気的に絶縁された第2絶縁部とを有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、且つ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによって、前記格子が2以上配列された大きさの開口が形成されるように配置されることを特徴とする。
[22] 第5の本発明に係る導電シートの使用方法は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各第1導電パターン間に配列された金属細線による複数の第1補助線からなる第1絶縁部とを有する第1導電シートと、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンと、各第2導電パターン間に配列された金属細線による複数の第2補助線からなる第2絶縁部とを有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、且つ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによって、前記第1補助線と前記第2補助線とが、互いに交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする。
[23] 第6の本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、上述した第1の本発明に係る導電シートを有することを特徴とする。
また、本発明に係るタッチパネルは、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる。
タッチパネル100は、センサ本体102と図示しない制御回路(IC回路等で構成)とを有する。センサ本体102は、図3、図4及び図5Aに示すように、上述した第1導電シート10Aと後述する第2導電シート10Bと積層されて構成された第1の実施の形態に係るタッチパネル用導電シート(以下、第1積層導電シート50Aと記す)と、その上に積層された保護層106(図5Aでは保護層106の記述を省略している)とを有する。第1積層導電シート50A及び保護層106は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置108における表示パネル110上に配置されるようになっている。センサ本体102は、上面から見たときに、表示パネル110の表示画面110aに対応した領域に配されたセンサ部112と、表示パネル110の外周部分に対応する領域に配された端子配線部114(いわゆる額縁)とを有する。
そして、センサ部112に対応した部分に、多数の第2導電パターン22Bが配列され、端子配線部114には各第2結線部40bから導出された複数の第2端子配線パターン41bが配列されている。
なお、第1端子配線パターン41aの導出形態を上述した第2端子配線パターン41bと同様にし、第2端子配線パターン41bの導出形態を上述した第1端子配線パターン41aと同様にしてもよい。
また、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41bとが上下で重ならないようにしているため、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41b間での寄生容量の発生が抑制され、応答速度の低下を抑えることができる。
端子配線部114の面積をさらに小さくするには、隣接する第1端子配線パターン41a間の距離、隣接する第2端子配線パターン41b間の距離を狭くすることが考えられるが、この場合、マイグレーションの発生防止を考慮すると、10μm以上50μm以下が好ましい。
この第2積層導電シート50Bは、図8に示すように、上述した第1積層導電シート50Aとほぼ同様の構成を有するが、図9に示すように、第1大格子14Aの第1辺部28a〜第4辺部28dがそれぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、図10に示すように、第2大格子14Bの第5辺部28e〜第8辺部28hがそれぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有する点で異なる。
この第3積層導電シート50Cは、上述した第1積層導電シート50Aとほぼ同様の構成を有するが、図12に示すように、第1導電シート10Aの第1導電部13Aにおける第1絶縁部24Aに、第1大格子14Aと接続されない金属細線による第1補助線52aが形成され、図13に示すように、第2導電シート10Bの第2導電部13Bにおける第2絶縁部24Bに、第2大格子14Bと接続されない金属細線による第2補助線52bが形成されている点で異なる。
この第4積層導電シート50Dは、上述した第2積層導電シート50Bとほぼ同様の構成を有するが、図15に示すように、第1導電シート10Aの第1導電部13Aにおける第1絶縁部24Aに、第1大格子14Aと接続されない第1補助線52aが形成され、図16に示すように、第2導電シート10Bの第2導電部13Bにおける第2絶縁部24Bに、第2大格子14Bと接続されない第2補助線52bが形成されている点で異なる。
従って、この場合も、第1絶縁部24Aと第2絶縁部24Bとの組合せパターン54は、図17に示すように、第1補助線52aと第2補助線52bとが直交して交差し、且つ、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bと交差しない形態を有することになるため、第1導電パターン22A間、並びに第2導電パターン22B間に、複数の小格子18がほぼ十字形状に配列された大きさの開口が配置されるということがなくなり、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界が目立つということがなくなる。その結果、全体として、あたかも多数の小格子18が敷き詰められたような見栄えとなり、視認性の向上において有効となる。しかも、第1導電パターン22A間の電気的絶縁、並びに第2導電パターン22B間の電気的絶縁を確保することができる。
この第6積層導電シート50Fは、上述した第2積層導電シート50Bとほぼ同様の構成を有するが、図21及び図22に示すように、小格子18、第1大格子14A、第2大格子14B、中格子20がひし形となっている点と、上述した第4積層導電シート50Dと同様に、第1絶縁部24Aに、第1大格子14Aと接続されない第1補助線52a(図21参照)が形成され、第2絶縁部24Bに、第2大格子14Bと接続されない第2補助線52b(図22参照)が形成されている点で異なる。
上述の例では、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを投影型静電容量方式のタッチパネル100に適用した例を示したが、その他、表面型静電容量方式のタッチパネルや、抵抗膜式のタッチパネルにも適用することができる。
あるいは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bをスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bをインクジェットにより形成するようにしてもよい。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
[第1透明基体12A、第2透明基体12B]
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、プラスチックフイルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフイルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフイルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような導電性フイルムは透明性が要求されるため、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの透明度は高いことが好ましい。
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層(第1大格子14A、第1接続部16A、第2大格子14B、第2接続部16B、小格子18等の導電部)となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bとした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層16中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層16中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1〜4/1であることがさらに好ましい。1/1〜3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bを得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤層16よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
[露光]
本実施の形態では、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを露光と現像等によって形成する。すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
以上の工程を経て導電シートは得られるが、得られた導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましく、1〜10オーム/sq.の範囲にあることがより好ましい。また、現像処理後の導電シートに対しては、さらにカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属性銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
本実施の形態の導電性金属部の線幅(第1導電部13A及び第2導電部13Bの線幅)は、下限は1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は15μm、10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。線間隔(ここでは小格子18の互いに対向する辺の間隔)は30μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以上400μm以下、最も好ましくは100μm以上350μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における「光透過性部」とは、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおける第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられる金属銀部の厚さは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.001mm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、且つ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する第1導電シート10A及び第2導電シート10Bであっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
[積層導電シート]
積層導電シートには、反射防止層やハードコート層などの機能層を付与してもよい。
比較例1及び2、実施例1〜6に係る導電シートについて、表面抵抗及び透過率を測定し、モアレ及び視認性を評価した。比較例1及び2、実施例1〜6の内訳並びに測定結果及び評価結果を表3に示す。
<実施例1〜6、比較例1、2>
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体12A及び第2透明基体12B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
露光のパターンは、第1導電シート10Aについては図1及び図4に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図4及び図6に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体12A及び第2透明基体12Bに行った。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
作製した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電部(第1導電パターン22A、第2導電パターン22B)の線幅は1μm、小格子18の一辺の長さは50μm、大格子(第1大格子14A及び第2大格子14B)の一辺の長さは3mmであった。
(実施例2)
導電部の線幅を5μmとし、小格子18の一辺の長さを50μmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例3)
導電部の線幅を9μmとし、小格子18の一辺の長さを150μmとし、大格子の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例4)
導電部の線幅を10μmとし、小格子18の一辺の長さを300μmとし、大格子の一辺の長さを6mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例5)
導電部の線幅を15μmとし、小格子18の一辺の長さを400μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例6)
導電部の線幅を20μmとし、小格子18の一辺の長さを500μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
導電部の線幅を0.5μmとし、小格子18の一辺の長さを40μmとし、大格子の一辺の長さを3mmとした点以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(比較例2)
導電部の線幅を25μmとし、小格子18の一辺の長さを500μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、比較例1と同様にして、比較例3に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
検出精度の良否を確認するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値である。
(透過率の測定)
透明性の良否を確認するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを分光光度計を用いて透過率を測定した。
比較例1及び2、実施例1〜6について、第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して積層導電シートを作製し、その後、液晶表示装置の表示画面に積層導電シートを貼り付けてタッチパネルを構成した。その後、タッチパネルを回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させる。その状態で、回転盤をバイアス角−45°〜+45°の間で回転し、モアレの目視観察・評価を行った。
モアレの評価は、液晶表示装置の表示画面から観察距離1.5mで行い、モアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られた場合を△、モアレが顕在化した場合を×とした。
(視認性の評価)
上述のモアレの評価に先立って、タッチパネルを回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させた際に、線太りや黒い斑点がないかどうか、また、タッチパネルの第1大格子14A及び第2大格子14Bの境界が目立つかどうかを肉眼で確認した。
これに対して、実施例1〜6のうち、実施例1〜5は、導電性、透過率、モアレ、視認性共に良好であった。実施例6はモアレの評価及び視認性の評価が実施例1〜5よりも劣っているが、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られる程度であり、表示装置の表示画像が見え難くなるということはなかった。
実施例11〜25に係る積層導電シートについて、視認性を評価した。実施例11〜25の内訳並びに評価結果を表4に示す。
(実施例11)
上述した第1実施例に示す第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して、実施例11に係る積層導電シートを作製した。この実施例11では、後述する表4にも示すように、導電部(第1導電パターン22A、第2導電パターン22B)の線幅が5μm、小格子18の一辺の長さが50μm、大格子(第1大格子14A及び第2大格子14B)の一辺の長さが3mmで(第1実施例の実施例2と同じ)、第3方向及び第4方向へのずれ量(以下、ずれ量と記す)が2.5μmである。
(実施例12、13)
実施例12及び13は、それぞれ導電部の線幅を8μm、小格子18の一辺の長さを150μm、大格子の一辺の長さを5mmとし、ずれ量を25μm及び75μmとした点以外は、上述した実施例11と同様にして、それぞれ積層導電シートを作製した。
(実施例14〜16)
実施例14、15及び16は、それぞれ導電部の線幅を8μm、小格子18の一辺の長さを250μm、大格子の一辺の長さを5mmとし、ずれ量を25μm、75μm及び125μmとした点以外は、上述した実施例11と同様にして、それぞれ積層導電シートを作製した。
(実施例17〜20)
実施例17、18、19及び20は、それぞれ導電部の線幅を10μm、小格子18の一辺の長さを300μm、大格子の一辺の長さを6mmとし、ずれ量を25μm、75μm、125μm及び150μmとした点以外は、上述した実施例11と同様にして、それぞれ積層導電シートを作製した。
(実施例21〜25)
実施例21〜25は、それぞれ導電部の線幅を15μm、小格子18の一辺の長さを500μm、大格子の一辺の長さを10mmとし、ずれ量を25μm、75μm、125μm、150μm及び250μmとした点以外は、上述した実施例11と同様にして、それぞれ積層導電シートを作製した。
(視認性の評価)
実施例11〜25について、液晶表示装置の表示画面に積層導電シートを貼り付けてタッチパネルを構成した。その後、液晶表示装置を駆動して白色を表示させた際に、線太りや黒い斑点がないかどうか、また、タッチパネルの第1大格子14A及び第2大格子14Bの境界が目立つかどうかを肉眼で確認した。
実施例31〜45に係る積層導電シートについて、視認性を評価した。実施例31〜45の内訳並びに評価結果を後述する表5に示す。
(実施例31〜45)
実施例31〜45は、露光のパターンを、第1導電シート10Aについて図12に示すパターンとし、第2導電シート10Bについて図13に示すパターンとした点以外は、上述した実施例11〜25と同様にして、積層導電シートを作製した。
12A…第1透明基体 12B…第2透明基体
14A…第1大格子 14B…第2大格子
16A…第1接続部 16B…第2接続部
18…小格子 20…中格子
20a〜20h…第1中格子〜第8中格子
22A…第1導電パターン 22B…第2導電パターン
24A…第1絶縁部 24B…第2絶縁部
28a〜28h…第1辺部〜第8辺部
50A〜50F…第1積層導電シート〜第6積層導電シート
52a…第1補助線 52b…第2補助線
54…組合せパターン 100…タッチパネル
102…センサ本体 106…保護層
110…表示パネル 112…センサ部
114…端子配線部 116a…第1端子
116b…第2端子
Claims (23)
- 基体と、
基体の一方の主面に形成された導電部とを有し、
前記導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の導電パターンを有し、
前記導電パターンは、2以上の大格子が前記第1方向に直列に接続されて構成され、
各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
前記金属細線の線幅が1〜15μmであり、
前記小格子の一辺の長さが50〜500μmであることを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記金属細線の線幅が1〜9μmであることを特徴とする導電シート。 - 基体と、
基体の一方の主面に形成された第1導電部と、
基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、
前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、
前記第1導電パターンは、2以上の第1大格子が前記第1方向に直列に接続されて構成され、
前記第2導電パターンは、2以上の第2大格子が前記第2方向に直列に接続されて構成され、
各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
前記金属細線の線幅が1〜15μmであり、
前記小格子の一辺の長さが50〜500μmであることを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記金属細線の線幅が1〜9μmであることを特徴とする導電シート。 - 請求項3又は4記載の導電シートにおいて、
前記第1大格子の辺部における直線部と前記第2大格子の辺部における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項5記載の導電シートにおいて、
前記投影距離は100〜400μmであることを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターン間に電気的に絶縁された第1絶縁部を有し、
前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターン間に電気的に絶縁された第2絶縁部を有し、
上面から見たとき、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる組合せパターンが形成され、
前記組合せパターンは、前記格子が2以上配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項7記載の導電シートにおいて、
前記組合せパターンは、前記小格子が2以上配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項3〜8のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
各前記第1大格子間に第1接続部が電気的に接続され、
各前記第2大格子間に第2接続部が電気的に接続され、
前記第1接続部及び前記第2接続部は、それぞれ前記小格子のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子が配置されて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項9記載の導電シートにおいて、
前記組合せパターンは、前記中格子1つ分の大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記組合せパターンは、複数の前記小格子がほぼ十字形状に配列された大きさの開口が形成された形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記第1大格子のうち、第1の辺部は、該第1の辺部に沿って連続する直線部から多数の針状の線がくし歯状に張り出した形態を有し、前記第1の辺部と対向する第2の辺部は、該第2の辺部に沿って連続する直線部が形成された形態を有し、
前記第2大格子のうち、前記基体を介して前記第1大格子の前記第1の辺部と対向する第3の辺部は、該第3の辺部に沿って連続する直線部が形成された形態を有し、前記基体を介して前記第1大格子の前記第2の辺部と対向する第4の辺部は、該第4の辺部に沿って連続する直線部から多数の針状の線がくし歯状に張り出した形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターン間に配列された金属細線による複数の第1補助線からなる第1絶縁部を有し、
前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターン間に配列された金属細線による複数の第2補助線からなる第2絶縁部を有し、
上面から見たとき、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して配置された形態とされ、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる組合せパターンが形成され、
前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、互いに交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項13記載の導電シートにおいて、
前記第1補助線は、前記第1大格子と非接続とされた直線状に形成され、
前記第2補助線は、前記第2大格子と非接続とされた直線状に形成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項14記載の導電シートにおいて、
前記第1補助線及び前記第2補助線の各長さは、前記小格子の一辺の長さとほぼ同じであることを特徴とする導電シート。 - 請求項14記載の導電シートにおいて、
前記小格子は、正方形状を有し、
前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、直交して交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項14記載の導電シートにおいて、
前記小格子は、ひし形状を有し、
前記組合せパターンは、前記第1補助線と前記第2補助線とが、前記小格子を構成するひし形状の頂角とほぼ同一の角度で交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする導電シート。 - 表示装置の表示パネル上に配置されるタッチパネルの導電シートであって、
第1基体と、該第1基体の主面に形成された第1導電部とを有する第1導電シートと、
第2基体と、該第2基体の主面に形成された第2導電部とを有する第2導電シートとを有し、
前記第2導電シート上に前記第1導電シートが積層され、
前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各前記第1導電パターンの端部に接続された第1端子配線パターンと、前記第1導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第1端子配線パターンが接続された複数の第1端子とを有し、
前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンと、各前記第2導電パターンの端部に接続された第2端子配線パターンと、前記第2導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第2端子配線パターンが接続された複数の第2端子とを有することを特徴とする導電シート。 - 請求項18記載の導電シートにおいて、
前記第1導電シート及び前記第2導電シートを上面から見たとき、
複数の前記第1端子が配列された部分と、複数の前記第2端子が配列された部分とが隣接していることを特徴とする導電シート。 - 請求項18記載の導電シートにおいて、
各前記第1導電パターンの端部と対応する前記第1端子配線パターンとがそれぞれ第1結線部を介して接続され、
各前記第2導電パターンの端部と対応する前記第2端子配線パターンとがそれぞれ第2結線部を介して接続され、
複数の前記第1結線部が前記第2方向に沿って直線状に配列され、
複数の前記第2結線部が前記第1方向に沿って直線状に配列されていることを特徴とする導電シート。 - それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各第1導電パターン間に電気的に絶縁された第1絶縁部とを有する第1導電シートと、
それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンと、各第2導電パターン間に電気的に絶縁された第2絶縁部とを有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、
前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、且つ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによって、前記格子が2以上配列された大きさの開口が形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。 - それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンと、各第1導電パターン間に配列された金属細線による複数の第1補助線からなる第1絶縁部とを有する第1導電シートと、
それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンと、各第2導電パターン間に配列された金属細線による複数の第2補助線からなる第2絶縁部とを有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、
前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとが交差して、多数の格子が配置された形態とされ、且つ、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンとの間に、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによって、前記第1補助線と前記第2補助線とが、互いに交差し、且つ、前記第1導電パターン及び前記第2導電パターンと交差しない形態を有することを特徴とする導電シートの使用方法。 - 請求項1〜20のいずれか1項に記載の導電シートを有することを特徴とする静電容量方式タッチパネル。
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