JP5698103B2 - 導電性フイルム及びタッチパネル - Google Patents
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Description
このような将来の動向において、従来の電極は、ITO(酸化インジウムスズ)を用いていることから、抵抗が大きく、適用サイズが大きくなるにつれて、電極間の電流の伝達速度が遅くなり、応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。
そこで、金属製の細線(金属細線)にて構成した格子を多数並べて電極を構成することで表面抵抗を低下させることが考えられる。金属細線を電極に用いたタッチパネルとしては、例えば、特許文献1〜4が知られている。
[2] 第1の本発明において、前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、それぞれ前記格子の頂点を山又は谷とする凹凸形状とされていることを特徴とする。
[3] 第1の本発明において、前記連結部を構成する複数の前記導線がそれぞれ直線状に形成されていることを特徴とする。
[4] 第1の本発明において、前記導電パターン間に、前記導電パターンと非接続とされた金属細線によるダミーパターンが形成されていることを特徴とする。
[5] 第1の本発明において、前記ダミーパターンは、一方の前記導電パターンにおける接続部と他方の前記導電パターンにおける接続部との間に配置されていることを特徴とする。
[6] 第1の本発明において、前記パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする。
[7] 第2の本発明に係る導電性フイルムは、基体と、前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、前記第1導電部は、複数の第1パッド部がそれぞれ第1接続部を介して接続された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、前記第2導電部は、複数の第2パッド部がそれぞれ第2接続部を介して接続された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、各前記第1パッド部は、一方の第1接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の第1接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する第1連結部とを有し、各前記第2パッド部は、一方の第2接続部から延びる第3渦巻き部と、他方の第2接続部から延びる第4渦巻き部と、前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部とを連結する第2連結部とを有し、前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、前記第1連結部及び前記第2連結部が複数の導線にて構成され、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1連結部と前記第2連結部とが略直交するように配置され、各記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第1長辺部と、少なくとも1つの第1長辺部から直交して延びる金属細線による第1張り出し部とを有し、前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部の各周縁は、前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第2長辺部と、少なくとも1つの第2長辺部から直交して延びる金属細線による第2張り出し部とを有することを特徴とする。
[8] 第2の本発明において、前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部の各周縁は、それぞれ前記格子の頂点を山又は谷とする凹凸形状とされていることを特徴とする。
[9] 第2の本発明において、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、隣接する前記第1導電パターン間に前記第2接続部が位置し、隣接する前記第2導電パターン間に前記第1接続部が位置するように配置されていることを特徴とする。
[10] 第2の本発明において、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1導電パターンにおける前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部との間に、前記第2導電パターンにおける前記第3渦巻き部又は前記第4渦巻き部が位置し、前記第2導電パターンにおける前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部との間に、前記第1導電パターンにおける前記第1渦巻き部又は前記第2渦巻き部が位置するように配置されていることを特徴とする。
[11] 第2の本発明において、前記第1導電パターン間に、前記第1導電パターンと非接続とされた金属細線による第1ダミーパターンが形成され、前記第2導電パターン間に、前記第2導電パターンと非接続とされた金属細線による第2ダミーパターンが形成されていることを特徴とする。
[12] 第2の本発明において、前記第1ダミーパターンは、一方の前記第1導電パターンにおける前記第1接続部と他方の前記第1導電パターンにおける前記第1接続部との間に配置され、前記第2ダミーパターンは、一方の前記第2導電パターンにおける前記第2接続部と他方の前記第2導電パターンにおける前記第2接続部との間に配置されていることを特徴とする。
[13] 第2の本発明において、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1ダミーパターン間に前記第2接続部が位置し、前記第2ダミーパターン間に前記第1接続部が位置するように配置されていることを特徴とする。
[14] 第2の本発明において、前記第1導電パターンの前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部を構成する前記格子の数が前記第2導電パターンの前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部を構成する前記格子の数よりも少ないことを特徴とする。
[15] 第2の本発明において、前記第1パッド部及び前記第2パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする。
[16] 第2の本発明において、前記第1張り出し部が形成された前記第1長辺部と、前記第2張り出し部が形成されていない前記第2長辺部とが対向していることを特徴とする。
[17] 第2の本発明において、前記第1張り出し部が形成されていない前記第1長辺部と、前記第2張り出し部が形成された前記第2長辺部とが対向していることを特徴とする。
[18] 第3の本発明に係るタッチパネルは、表示装置の表示パネル上に設置された導電性フイルムを備えるタッチパネルであって、前記導電性フイルムは、基体と、前記基体の一方の主面に形成された導電部とを有し、前記導電部は、複数のパッド部がそれぞれ接続部を介して接続された金属細線による2以上の導電パターンを有し、各前記パッド部は、一方の接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する連結部とを有し、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、前記連結部が複数の導線にて構成され、各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、前記第1渦巻き部及び各前記第2渦巻き部の各周縁は、前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の長辺部と、少なくとも1つの長辺部から直交して延びる金属細線による張り出し部とを有することを特徴とする。
[19] 第4の本発明に係るタッチパネルは、表示装置の表示パネル上に設置された導電性フイルムを備えるタッチパネルであって、前記導電性フイルムは、基体と、前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、前記第1導電部は、複数の第1パッド部がそれぞれ第1接続部を介して接続された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、前記第2導電部は、複数の第2パッド部がそれぞれ第2接続部を介して接続された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、各前記第1パッド部は、一方の第1接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の第1接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する第1連結部とを有し、各前記第2パッド部は、一方の第2接続部から延びる第3渦巻き部と、他方の第2接続部から延びる第4渦巻き部と、前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部とを連結する第2連結部とを有し、前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、前記第1連結部及び前記第2連結部が複数の導線にて構成され、前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1連結部と前記第2連結部とが略直交するように配置され、各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第1長辺部と、少なくとも1つの第1長辺部から直交して延びる金属細線による第1張り出し部とを有し、前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部の各周縁は、前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第2長辺部と、少なくとも1つの第2長辺部から直交して延びる金属細線による第2張り出し部とを有することを特徴とする。
[20] 第3の本発明において、前記パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする。
[21] 第4の本発明において、前記第1パッド部及び前記第2パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする。
上述の説明は、第4方向を主体に格子28の並べ方を示したものであって、第3方向を主体にした形態や、第3方向と第4方向とを複合した形態でも説明することができることはもちろんである。
タッチパネル100に適用した第1導電性フイルム10Aは、図5に示すように、センサ部112に対応した部分に、上述した多数の第1導電パターン20Aが配列され、端子配線部114には各第1結線部36Aから導出された金属細線による複数の第1端子配線パターン38Aが配列されている。
1つの第2導電パターン20Bは、2以上の第2パッド部16Bがそれぞれ第2接続部18Bを介してy方向(第2方向)に配列されて構成されている。そして、2以上の第2導電パターン20Bがx方向(第1方向)に配列されている。
図4に示すように、端子配線部114のうち、第2導電性フイルム10Bの一方の長辺側の周縁部には、その長さ方向中央部分に、複数の第2端子116Bが前記一方の長辺の長さ方向に配列形成されている。また、センサ部112の一方の短辺(第2導電性フイルム10Bの一方の短辺に最も近い短辺:x方向)に沿って複数の第2結線部36B(例えば奇数番目の第2結線部38B)が直線状に配列され、センサ部112の他方の短辺(第2導電性フイルム10Bの他方の短辺に最も近い短辺:x方向)に沿って複数の第2結線部36B(例えば偶数番目の第2結線部36B)が直線状に配列されている。
なお、第1端子配線パターン38Aの導出形態を上述した第2端子配線パターン38Bと同様にし、第2端子配線パターン38Bの導出形態を上述した第1端子配線パターン38Aと同様にしてもよい。
(2) 隣接する第1導電パターン20A間に第2導電パターン20Bの第2接続部18Bが位置し、隣接する第2導電パターン20B間に第1導電パターン20Aの第1接続部18Aが位置するように配置される。このとき、第1導電パターン20Aと第2接続部18Bとの境界においては各格子28の頂点が重なり、且つ、格子28の辺間の投影距離が格子28の一辺の長さとほぼ同等となり、複数の格子28が配列された形態となる。これは、第2導電パターン20Bと第1接続部18Aとの境界においても同様である。
(3) 第1導電パターン20Aにおける第1渦巻き部24Aと第2渦巻き部24Bとの間に、第2導電パターン20Bにおける第3渦巻き部24C又は第4渦巻き部24Dが位置し、第2導電パターン20Aにおける第3渦巻き部24Cと第4渦巻き部24Dとの間に、第1導電パターン20Aにおける第1渦巻き部24A又は第2渦巻き部24Bが位置するように配置される。このとき、第1渦巻き部24Aと第3渦巻き部24C又は第4渦巻き部24Dとの境界並びに第2渦巻き部24Bと第3渦巻き部24C又は第4渦巻き部24Dとの境界においては各格子28の頂点が重なり、且つ、格子28の辺間の投影距離が格子28の一辺の長さとほぼ同等となり、複数の格子28が配列された形態となる。これは、第3渦巻き部24Cと第1渦巻き部24A又は第2渦巻き部24Bとの境界並びに第4渦巻き部24Dと第1渦巻き部24A又は第2渦巻き部24Bとの境界においても同様である。
(4) 第1方向(x方向)の第1ダミーパターン22A間に第2接続部18Bが位置し、第2方向(y方向)の第2ダミーパターン22B間に第1接続部18Aが位置するように配置される。このとき、第1ダミーパターン22Aと第2接続部18Bとの境界においては各格子28の頂点が重なり、且つ、格子28の辺間の投影距離が格子28の一辺の長さとほぼ同等となり、複数の格子28が配列された形態となる。これは、第2ダミーパターン22Bと第1接続部18Aとの境界においても同様である。
(5) 第1張り出し部34Aが形成された第1長辺部32Aと、第2張り出し部34Bが形成されていない第2長辺部32Bとが対向し、第1張り出し部34Aが形成されていない第1長辺部32Aと、第2張り出し部34Bが形成された第2長辺部32Bとが対向して配置され、複数の格子28が配列された形態となる。
(6) 第1ダミーパターン22Aと第2ダミーパターン22Bとが対向し、第1ダミーパターン22Aの金属細線が除去された部分を第2ダミーパターン22Bの金属細線が補い、第2ダミーパターン22Bの金属細線が除去された部分を第1ダミーパターン22Aの金属細線が補うように配置され、複数の格子28が配列された形態となる。
これにより、複数の第1端子116A及び複数の第2端子116Bを、2つのコネクタ(第1端子用コネクタ及び第2端子用コネクタ)あるいは1つのコネクタ(第1端子116A及び第2端子116Bに接続される複合コネクタ)及びケーブルを介して制御回路に電気的に接続することができる。
第1結線部36Aをセンサ部112の一方の長辺に沿って配列し、第2結線部36Bをセンサ部112の両側の短辺に沿って配列するようにしたので、端子配線部114の面積を低減することができる。これは、タッチパネル100を含めた表示パネル110の小型化を促進させることができると共に、表示画面110aを印象的に大きく見せることができる。また、タッチパネル100としての操作性も向上させることができる。
その他、上面から見たときに、隣接する第1端子配線パターン38A間に第2端子配線パターン38Bを配置することによって、端子配線部114の面積を小さくすることが考えられるが、パターンの形成ずれがあると、第1端子配線パターン38Aと第2端子配線パターン38Bとが上下で重なり、配線間の寄生容量が大きくなるおそれがある。これは応答速度の低下をもたらす。そこで、このような配置構成を採用する場合は、隣接する第1端子配線パターン38A間の距離を50μm以上100μm以下にすることが好ましい。
例えば相互容量方式を採用した場合も、格子28の数が多い第2パッド部16Bに蓄積された信号電荷を読み出す形態となるため、入力に対する出力ダイナミックレンジを大きくすることができ、検出信号のS/N比の向上、検出感度の向上、検出精度の向上を図ることができる。
上述の例では、第2導電性フイルム10B上に第1導電性フイルム10Aを積層して積層導電性フイルム50を構成したが、その他、第1導電性フイルム10A上に第2導電性フイルム10Bを積層して積層導電性フイルム50を構成してもよい。
第1パッド部16Aへの第1張り出し部34Aの形成を省略し、第2パッド部16Bの各第2長辺部32Bにそれぞれ第2張り出し部34Bを形成するようにしてもよいし、反対に、第2パッド部16Bへの第2張り出し部34Bの形成を省略し、第1パッド部16Aの各第1長辺部32Aにそれぞれ第1張り出し部34Aを形成するようにしてもよい。
すなわち、第1透明基体12Aの両面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層に対して一括露光を行って、第1透明基体12Aの一主面に第1導電パターン20Aを形成し、第1透明基体12Aの他主面に第2導電パターン20Bを形成する。
先ず、図10のステップS1において、長尺の感光材料140を作製する。感光材料140は、図11Aに示すように、第1透明基体12Aと、該第1透明基体12Aの一方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第1感光層142aという)と、第1透明基体12Aの他方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第2感光層142bという)とを有する。
すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bを形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行うことによって、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bを形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bをスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bをインクジェットにより形成するようにしてもよい。
本実施の形態に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bの製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
[第1透明基体12A、第2透明基体12B]
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、プラスチックフイルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフイルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフイルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。積層導電性フイルム50に使用される第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bのような導電性フイルムは透明性が要求されるため、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの透明度は高いことが好ましい。
第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bの導電層(第1パッド部16A、第1接続部18A、第2パッド部16B、第2接続部18B、格子28等の導電部)となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、積層導電性フイルム50とした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態に用いられるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
次に、第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bの作製方法の各工程について説明する。
本実施の形態では、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第1導電パターン20A及び第2導電パターン20Bを露光と現像等によって形成する。すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25℃〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
以上の工程を経て導電性フイルムは得られるが、得られた導電性フイルムの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましい。前記下限値は、1オーム/sq.であることが好ましく、10オーム/sq.であることがさらに好ましい。前記上限値は、70オーム/sq.であることが好ましく、50オーム/sq.であることがさらに好ましい。また、現像処理後の導電性フイルムに対しては、さらにカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
本実施の形態の導電性金属部の線幅(金属細線の線幅)は、下限は1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は15μm以下、10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。格子28の一辺の長さは100μm以上400μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは150μm以上300μm以下、最も好ましくは210μm以上250μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、第1パッド部16A、第1接続部18A、第2パッド部16B、第2接続部18B、格子28等の導電部を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状の開口率は、90%である。
本実施の形態における「光透過性部」とは、第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
本実施の形態に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bにおける第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
なお、本実施の形態に係る第1導電性フイルム10Aや第2導電性フイルム10Bの製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る第1導電性フイルム10Aや第2導電性フイルム10Bの製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号公報に記載のものを挙げることができる。
本実施の形態に係る導電性フイルム10A、10Bには、反射防止層やハードコート層などの機能層を付与してもよい。
現像処理済みの金属銀部にカレンダー処理を施して平滑化するようにしてもよい。これによって金属銀部の導電性が顕著に増大する。カレンダー処理は、カレンダーロールにより行うことができる。カレンダーロールは通常一対のロールからなる。
カレンダー処理に用いられるロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等のプラスチックロール又は金属ロールが用いられる。特に、両面に乳剤層を有する場合は、金属ロール同士で処理することが好ましい。片面に乳剤層を有する場合は、シワ防止の点から金属ロールとプラスチックロールの組み合わせとすることもできる。線圧力の上限値は1960N/cm(200kgf/cm、面圧に換算すると699.4kgf/cm2)以上、さらに好ましくは2940N/cm(300kgf/cm、面圧に換算すると935.8kgf/cm2)以上である。線圧力の上限値は、6880N/cm(700kgf/cm)以下である。
カレンダーロールで代表される平滑化処理の適用温度は10℃(温調なし)〜100℃が好ましく、より好ましい温度は、金属メッシュパターンや金属配線パターンの画線密度や形状、バインダー種によって異なるが、おおよそ10℃(温調なし)〜50℃の範囲にある。
実施例1〜8、参考例1及び2に係る積層導電性フイルムについて、表面抵抗及び透過率を測定し、モアレ及び視認性を評価した。実施例1〜8、参考例1及び2の内訳並びに測定結果及び評価結果を表3に示す。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体12A及び第2透明基体12B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
露光のパターンは、第1導電性フイルム10Aについては図1及び図3に示すパターンで、第2導電性フイルム10Bについては図7及び図8に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体12A及び第2透明基体12Bに行った。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
作製した第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bの導電部(第1導電パターン20A、第2導電パターン20B)の線幅は1μm、格子28の一辺の長さは100μm、パッド部(第1パッド部16A及び第2パッド部16B)の一辺の長さは3mmである。
(実施例2)
導電部の線幅を3μmとし、格子28の一辺の長さを150μmとした点以外は、パッド部の一辺の長さを4mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例3)
導電部の線幅を4μmとし、格子28の一辺の長さを210μmとし、パッド部の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例4)
導電部の線幅を5μmとし、格子28の一辺の長さを250μmとし、パッド部の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例5)
導電部の線幅を8μmとし、格子28の一辺の長さを300μmとし、パッド部の一辺の長さを6mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例6)
導電部の線幅を9μmとし、格子28の一辺の長さを300μmとし、パッド部の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例7)
導電部の線幅を10μmとし、格子28の一辺の長さを300μmとし、パッド部の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(実施例8)
導電部の線幅を15μmとし、格子28の一辺の長さを400μmとし、パッド部の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
導電部の線幅を0.5μmとし、格子28の一辺の長さを40μmとし、パッド部の一辺の長さを3mmとした点以外は、実施例1と同様にして、参考例1に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
(参考例2)
導電部の線幅を25μmとし、格子28の一辺の長さを500μmとし、パッド部の一辺の長さを12mmとした点以外は、実施例1と同様にして、参考例2に係る第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを作製した。
検出精度の良否を確認するために、第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値である。
(透過率の測定)
透明性の良否を確認するために、第1導電性フイルム10A及び第2導電性フイルム10Bを分光光度計を用いて透過率を測定した。
実施例1〜8、参考例1及び2について、第2導電性フイルム10B上に第1導電性フイルム10Aを積層して積層導電性フイルム50を作製し、その後、液晶表示装置の表示画面に積層導電性フイルム50を貼り付けてタッチパネル100を構成した。その後、タッチパネル100を回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させる。その状態で、回転盤をバイアス角−45°〜+45°の間で回転し、モアレの目視観察・評価を行った。
モアレの評価は、液晶表示装置の表示画面から観察距離1.5mで行い、モアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られた場合を△、モアレが顕在化した場合を×とした。
上述のモアレの評価に先立って、タッチパネル100を回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させた際に、線太りや黒い斑点がないかどうか、また、タッチパネル100の第1パッド部16A及び第2パッド部16Bの境界が目立つかどうかを肉眼で確認した。
これに対して、実施例1〜8のうち、実施例1〜7は、導電性、透過率、モアレ、視認性共に良好であった。実施例8はモアレの評価及び視認性の評価が実施例1〜7よりも劣っているが、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られる程度であり、表示装置の表示画像が見え難くなるということはなかった。
本発明に係る導電性フイルム及びタッチパネルは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
12A…第1透明基体 12B…第2透明基体
14A…第1導電部 14B…第2導電部
16A…第1パッド部 16B…第2パッド部
18A…第1接続部 18B…第2接続部
20A…第1導電パターン 20B…第2導電パターン
22A…第1ダミーパターン 22B…第2ダミーパターン
26A…第1連結部 26B…第2連結部
28…格子 30…導線
32A…第1長辺部 32B…第2長辺部
34A…第1張り出し部 34B…第2張り出し部
50…積層導電性フイルム 100…タッチパネル
102…センサ本体
Claims (21)
- 基体と、
前記基体の一方の主面に形成された導電部とを有し、
前記導電部は、複数のパッド部がそれぞれ接続部を介して接続された金属細線による2以上の導電パターンを有し、
各前記パッド部は、一方の接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する連結部とを有し、
前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、
前記連結部が複数の導線にて構成され、
各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、
前記第1渦巻き部及び各前記第2渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の長辺部と、
少なくとも1つの長辺部から直交して延びる金属細線による張り出し部とを有することを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項1記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、それぞれ前記格子の頂点を山又は谷とする凹凸形状とされていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項1記載の導電性フイルムにおいて、
前記連結部を構成する複数の前記導線がそれぞれ直線状に形成されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項1記載の導電性フイルムにおいて、
前記導電パターン間に、前記導電パターンと非接続とされた金属細線によるダミーパターンが形成されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項4記載の導電性フイルムにおいて、
前記ダミーパターンは、一方の前記導電パターンにおける接続部と他方の前記導電パターンにおける接続部との間に配置されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性フイルムにおいて、
前記パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする導電性フイルム。 - 基体と、
前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、
前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、複数の第1パッド部がそれぞれ第1接続部を介して接続された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、
前記第2導電部は、複数の第2パッド部がそれぞれ第2接続部を介して接続された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、
各前記第1パッド部は、一方の第1接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の第1接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する第1連結部とを有し、
各前記第2パッド部は、一方の第2接続部から延びる第3渦巻き部と、他方の第2接続部から延びる第4渦巻き部と、前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部とを連結する第2連結部とを有し、
前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、
前記第1連結部及び前記第2連結部が複数の導線にて構成され、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1連結部と前記第2連結部とが略直交するように配置され、
各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、
前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第1長辺部と、
少なくとも1つの第1長辺部から直交して延びる金属細線による第1張り出し部とを有し、
前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第2長辺部と、
少なくとも1つの第2長辺部から直交して延びる金属細線による第2張り出し部とを有することを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部の各周縁は、それぞれ前記格子の頂点を山又は谷とする凹凸形状とされていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、隣接する前記第1導電パターン間に前記第2接続部が位置し、隣接する前記第2導電パターン間に前記第1接続部が位置するように配置されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1導電パターンにおける前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部との間に、前記第2導電パターンにおける前記第3渦巻き部又は前記第4渦巻き部が位置し、前記第2導電パターンにおける前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部との間に、前記第1導電パターンにおける前記第1渦巻き部又は前記第2渦巻き部が位置するように配置されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1導電パターン間に、前記第1導電パターンと非接続とされた金属細線による第1ダミーパターンが形成され、
前記第2導電パターン間に、前記第2導電パターンと非接続とされた金属細線による第2ダミーパターンが形成されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項11記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1ダミーパターンは、一方の前記第1導電パターンにおける前記第1接続部と他方の前記第1導電パターンにおける前記第1接続部との間に配置され、
前記第2ダミーパターンは、一方の前記第2導電パターンにおける前記第2接続部と他方の前記第2導電パターンにおける前記第2接続部との間に配置されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項12記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1ダミーパターン間に前記第2接続部が位置し、前記第2ダミーパターン間に前記第1接続部が位置するように配置されていることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1導電パターンの前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部を構成する前記格子の数が前記第2導電パターンの前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部を構成する前記格子の数よりも少ないことを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7〜14のいずれか1項に記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1パッド部及び前記第2パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7又は15記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1張り出し部が形成された前記第1長辺部と、前記第2張り出し部が形成されていない前記第2長辺部とが対向していることを特徴とする導電性フイルム。 - 請求項7又は16記載の導電性フイルムにおいて、
前記第1張り出し部が形成されていない前記第1長辺部と、前記第2張り出し部が形成された前記第2長辺部とが対向していることを特徴とする導電性フイルム。 - 表示装置の表示パネル上に設置された導電性フイルムを備えるタッチパネルであって、
前記導電性フイルムは、
基体と、
前記基体の一方の主面に形成された導電部とを有し、
前記導電部は、複数のパッド部がそれぞれ接続部を介して接続された金属細線による2以上の導電パターンを有し、
各前記パッド部は、一方の接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する連結部とを有し、
前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、
前記連結部が複数の導線にて構成され、
各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、
前記第1渦巻き部及び各前記第2渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の長辺部と、
少なくとも1つの長辺部から直交して延びる金属細線による張り出し部とを有することを特徴とするタッチパネル。 - 表示装置の表示パネル上に設置された導電性フイルムを備えるタッチパネルであって、
前記導電性フイルムは、
基体と、
前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、
前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、
前記第1導電部は、複数の第1パッド部がそれぞれ第1接続部を介して接続された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、
前記第2導電部は、複数の第2パッド部がそれぞれ第2接続部を介して接続された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、
各前記第1パッド部は、一方の第1接続部から延びる第1渦巻き部と、他方の第1接続部から延びる第2渦巻き部と、前記第1渦巻き部と前記第2渦巻き部とを連結する第1連結部とを有し、
各前記第2パッド部は、一方の第2接続部から延びる第3渦巻き部と、他方の第2接続部から延びる第4渦巻き部と、前記第3渦巻き部と前記第4渦巻き部とを連結する第2連結部とを有し、
前記第1渦巻き部〜前記第4渦巻き部とがそれぞれ複数の格子が組み合わされて構成され、
前記第1連結部及び前記第2連結部が複数の導線にて構成され、
前記第1導電パターンと前記第2導電パターンは、前記第1連結部と前記第2連結部とが略直交するように配置され、
各前記格子の一辺の長さが100〜400μmであり、各前記格子の線幅が1〜15μmであり、
前記第1渦巻き部及び前記第2渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第1長辺部と、
少なくとも1つの第1長辺部から直交して延びる金属細線による第1張り出し部とを有し、
前記第3渦巻き部及び前記第4渦巻き部の各周縁は、
前記格子の一辺が連続して直線的に並ぶ2以上の第2長辺部と、
少なくとも1つの第2長辺部から直交して延びる金属細線による第2張り出し部とを有することを特徴とするタッチパネル。 - 請求項18記載のタッチパネルにおいて、
前記パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とするタッチパネル。 - 請求項19記載のタッチパネルにおいて、
前記第1パッド部及び前記第2パッド部の一辺の長さが3〜10mmであることを特徴とするタッチパネル。
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