JP2011113149A - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents

導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シートを提供する。
【解決手段】第1導電シート10Aは、第1透明基体上に、2以上の導電性の第1大格子14Aが形成され、各第1大格子14Aは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、各第1大格子14Aの辺の形状は、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有する。例えば第1大格子14Aの第1辺部28aと該第1辺部28aと対向する第4辺部28dの各矩形波形状が互い違いとなり、第1大格子14Aの第2辺部28bと該第2辺部28bと対向する第3辺部28cの各矩形波形状が互い違いとなるようにしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関し、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関する。
一般に、静電容量方式のタッチパネルは、人間の指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて指先の位置を検出する位置入力装置であるが、この静電容量方式のタッチパネルとしては、表面型と投影型とがある。表面型は、構造が簡便ではあるが、同時に2点以上の接触(マルチタッチ)を検知することができない。一方、投影型は、例えば液晶表示装置の画素構成のように、多数の電極がマトリクス状に配列して構成され、より具体的には、垂直方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第1電極群が水平方向に配列され、水平方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第2電極群が垂直方向に配列されて構成され、複数の第1電極群及び複数の第2電極群で容量変化を順次検出していくことで、マルチタッチが検出できる構成となっている。この投影型静電容量方式のタッチパネルの先行技術として例えば特許文献1記載の静電容量型入力装置が挙げられる。
特開2008−310551号公報
しかしながら、特許文献1に記載の静電容量型入力装置は、基体の一主面に第1電極群及び第2電極群を形成するようにしているため、第1電極群と第2電極群との短絡防止を目的とした隙間を形成しなければならず、指先の位置の検知精度が劣るという問題がある。また、第1電極群と第2電極群とが交差する部分(交差部)が短絡しないように、例えば第1電極群を構成する電極の接続部上に絶縁層を介して第2電極群を構成する電極の接続部を形成するようにしており、その結果、各交差部が局部的に厚く形成されてしまい、タッチパネル面を見たときに、各交差部が斑点(黒い斑点)として表示され、視認性が著しく劣化するという問題もある。しかも、絶縁層並びに絶縁層上に接続部を形成するためのマスクパターンが必要になることから、製造工程が複雑になり、製造コストが高価格化するという問題がある。
そこで、透明基板の一主面に第1電極群を形成し、透明基板の他主面に第2電極群を形成することが考えられる。
しかし、将来的な観点から見ると、以下のような問題が生じるおそれがある。現在、投影型静電容量方式のタッチパネルは、PDA(携帯情報端末)や携帯電話等の小サイズへの適用が主となっているが、パーソナルコンピュータ(パソコン)用のオペレーションシステム(OS)がマルチタッチ方式を標準対応するようになったことから、パソコン用ディスプレイ等への適用による大サイズ化が進むと考えられる。
このような将来の動向において、従来の電極は、ITO(酸化インジウムスズ)を用いていることから、抵抗が大きく(数10オーム/sq.)、適用サイズが大きくなるにつれて、電極間の電流の伝達速度が遅くなり、応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート及び導電シートの使用方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる静電容量方式タッチパネルを提供することを目的とする。
[1] 第1の本発明に係る導電シートは、基体上に、2以上の導電性の大格子が形成され、各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、各前記大格子の辺の形状は、2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有することを特徴とする。
[2] 第1の本発明において、各前記大格子の辺の前記矩形波形状は、2以上の前記小格子が配列されて構成されていることを特徴とする。
[3] 第1の本発明において、前記基体上に、隣接する前記大格子間を電気的に接続する接続部が形成され、2以上の前記大格子が前記接続部を介して一方向に配列されていることを特徴とする。
[4] 第1の本発明において、2以上の前記大格子が前記接続部を介して第1方向に配列されて1つの透明導電パターンが構成され、2以上の前記透明導電パターンが前記第1方向と直交する第2方向に配列され、隣接する前記透明導電パターン間は電気的に絶縁された絶縁部が配されていることを特徴とする。
[5] 第2の本発明に係る導電シートは、基体の一方の主面に、2以上の導電性の第1大格子が形成され、前記基体の他方の主面に、2以上の導電性の第2大格子が形成され、各前記第1大格子及び各前記第2格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、各前記1大格子及び各前記第2格子の辺の形状は、2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有することを特徴とする。
[6] 第2の本発明において、各前記1大格子及び各前記第2格子の辺の前記矩形波形状は、2以上の前記小格子が配列されて構成されていることを特徴とする。
[7] 第2の本発明において、前記基体の一方の主面に、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する第1接続部が形成され、前記基体の他方の主面に、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する第2接続部が形成され、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1透明導電パターンが構成され、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2透明導電パターンが構成され、2以上の前記第1透明導電パターンが前記第2方向に配列され、2以上の前記第2透明導電パターンが前記第1方向に配列され、隣接する前記第1透明導電パターン間は電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、隣接する前記第2透明導電パターン間は電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが前記基体を間に挟んで対向していることを特徴とする。
[8] 第1又は第2の本発明において、前記小格子は多角形状であることを特徴とする。
[9] 第1又は第2の本発明において、前記小格子は正方形状であることを特徴とする。
[10] 第3の本発明に係る導電シートの使用方法は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された2以上の導電性の第1大格子を有する第1導電シートと、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された2以上の導電性の第2大格子を有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、各前記第1大格子及び各前記第2大格子の辺の形状は、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置されると共に、前記第1大格子の辺と前記第2大格子の辺とが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする。
[11] 第4の本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、第2の本発明に係る導電シートを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る導電シート及び導電シートの使用方法によれば、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適となる。
また、本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、基体上に形成される透明導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる。
第1導電シートに形成される第1透明導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第1導電シートを一部省略して示す断面図である。 タッチパネル用導電シートを一部省略して示す分解斜視図である。 図4Aはタッチパネル用導電シートの一例を一部省略して示す断面図であり、図4Bはタッチパネル用導電シートの他の例を一部省略して示す断面図である。 第2導電シートに形成される第2透明導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第1導電シートと第2導電シートを組み合わせてタッチパネル用導電シートとした例を一部省略して示す平面図である。
以下、本発明に係る導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネルの実施の形態例を図1〜図6を参照しながら説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
第1の実施の形態に係る導電シート(以下、第1導電シート10Aと記す)は、図1に示すように、第1透明基体12A(図2参照)の一主面上に、2以上の導電性の第1大格子14Aが形成され、各第1大格子14Aは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、各第1大格子14Aの辺の形状は、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有する。各第1大格子14Aの辺の矩形波形状は、2以上の小格子18が配列されて構成されている。また、隣接する第1大格子14A間には、これら第1大格子14Aを電気的に接続する第1接続部16Aが形成されている。第1接続部16Aは、小格子18のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子20(20a〜20d)が配置されて構成されている。小格子18は、ここでは一番小さい正方形状とされている。
さらに、2以上の第1大格子14Aが第1接続部16Aを介してx方向(第1方向)に配列されて1つの第1透明導電パターン22Aが構成され、2以上の第1透明導電パターン22Aがx方向と直交するy方向(第2方向)に配列され、隣接する第1透明導電パターン22A間は電気的に絶縁された第1絶縁部24Aが配されている。
より具体的には、第1大格子14Aの4つの辺部、すなわち、隣接する第1大格子14Aと接続していない一方の頂点部分26aに隣接する第1辺部28a及び第2辺部28b、並びに隣接する第1大格子14Aと接続していない他方の頂点部分26bに隣接する第3辺部28c及び第4辺部28dは、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、特に、第1大格子14Aの第1辺部28aと該第1辺部28aと対向する第4辺部28dの各矩形波形状が互い違いとなり、第1大格子14Aの第2辺部28bと該第2辺部28bと対向する第3辺部28cの各矩形波形状が互い違いとなるようにしている。
第1接続部16Aは、4つ分の小格子18を含む大きさを有する中格子20が4つ(第1中格子20a〜第4中格子20d)、ジグザグ状に配列された形状を有する。すなわち、第1中格子20aは、第2辺部28bと第4辺部28dとの境界部分に存在し、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第2中格子20bは、第1中格子20aの1つの辺(第2辺部28bの直線部30)に隣接し、正方形状の空間が形成された形状、すなわち、4つ分の小格子18をマトリクス状に配列し、中央の十字を取り外したような形状を有する。第3中格子20cは、第1中格子20aに隣接すると共に、第2中格子20bに隣接して配され、第2中格子20bと同様の形状を有する。第4中格子20dは、第3辺部28cと第1辺部28aとの境界部分に存在し、第2中格子20bに隣接すると共に、第4中格子20dに隣接して配され、第1中格子20aと同様に、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。そして、小格子18の配列ピッチをPsとしたとき、中格子20の配列ピッチPmは2×Psの関係を有している。
このように、第1導電シート10Aにおいては、1つの第1透明導電パターン22Aを、2以上の第1大格子14Aを第1接続部16Aを介してx方向に配列して構成し、各第1大格子14Aを、それぞれ2以上の小格子18を組み合わせて構成し、各第1大格子14Aの辺の形状を、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有するようにしたので、1つの電極を1つのITO膜にて形成する構成よりも大幅に電気抵抗を低減することが可能となる。従って、この第1導電シート10Aを用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネルの大サイズ化を促進させることができる。
次に、上述の第1導電シート10Aを用いたタッチパネル用の1組の導電シート、すなわち、本実施の形態に係るタッチパネル用導電シート50について図3〜図6を参照しながら説明する。
このタッチパネル用導電シート50は、図3及び図4Aに示すように、上述した第1導電シート10Aと後述する第2導電シート10Bとが積層されて構成されている。
第1導電シート10Aは、上述したので、ここではその重複説明を省略するが、図3に示すように、各第1透明導電パターン22Aの一方の端部側に存在する第1大格子14Aの開放端は、第1接続部16Aが存在しない形状となっている。各第1透明導電パターン22Aの他方の端部側に存在する第1大格子14Aの端部は、第1外部配線40Aに電気的に接続されている。
一方、第2導電シート10Bは、図3及び図4Aに示すように、第2透明基体12Bの一主面上に、2以上の導電性の第2大格子14Bが形成され、各第2大格子14Bは、図5に示すように、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、各第2大格子14Bの辺の形状は、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有する。また、隣接する第2大格子14B間には、これら第2大格子14Bを電気的に接続する第2接続部16Bが形成されている。第2接続部16Bは、小格子18のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子20が配置されて構成されている。
さらに、2以上の第2大格子14Bが第2接続部16Bを介してy方向(第2方向)に配列されて1つの第2透明導電パターン22Bが構成され、2以上の第2透明導電パターン22Bがy方向と直交するx方向(第1方向)に配列され、隣接する第2透明導電パターン22B間は電気的に絶縁された第2絶縁部24Bが配されている。
より具体的には、第2大格子14Bの4つの辺部、すなわち、隣接する第2大格子14Bと接続していない一方の頂点部分26aに隣接する第5辺部28e及び第6辺部28f、並びに隣接する第2大格子14Bと接続していない他方の頂点部分26bに隣接する第7辺部28g及び第8辺部28hは、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、特に、第2大格子14Bの第5辺部28eと該第5辺部28eと対向する第8辺部28hの各矩形波形状が互い違いとなり、第2大格子14Bの第6辺部28fと該第6辺部28fと対向する第7辺部28gの各矩形波形状が互い違いとなるようにしている。
また、第2接続部16Bは、4つ分の小格子18を含む大きさを有する中格子20が4つ(第5中格子20e〜第8中格子20h)、ジグザグ状に配列された形状を有する。すなわち、第5中格子20eは、第6辺部28fと第8辺部28hとの境界部分に存在し、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第6中格子20fは、第5中格子20eの1つの辺(第6辺部28fの第2番目の直線部30)に隣接し、正方形状の空間が形成された形状、すなわち、4つ分の小格子18をマトリクス状に配列し、中央の十字を取り外したような形状を有する。第7中格子20gは、第5中格子20eに隣接すると共に、第6中格子20fに隣接して配され、第6中格子20fと同様の形状を有する。第8中格子20hは、第7辺部28gと第5辺部28eとの境界部分に存在し、第6中格子20fに隣接すると共に、第7中格子20gに隣接して配され、第5中格子20eと同様に、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。この第2導電シート10Bにおいても、小格子18の配列ピッチをPsとしたとき、中格子20の配列ピッチPmは2×Psの関係を有している。
図3に示すように、各第2透明導電パターン22Bの一方の端部側に存在する第2大格子14Bの開放端は、第2接続部16Bが存在しない形状となっている。各第2透明導電パターン22Bの他方の端部側に存在する第2大格子14Bの端部は、第2外部配線40Bに電気的に接続されている。
そして、例えば第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層してタッチパネル用導電シート50としたとき、図6に示すように、第1透明導電パターン22Aの第1接続部16Aと第2透明導電パターン22Bの第2接続部16Bとが第1透明基体12A(図4A参照)を間に挟んで対向し、第1透明導電パターン22Aの第1絶縁部24Aと第2透明導電パターン22Bの第2絶縁部24Bとが第1透明基体12Aを間に挟んで対向した形態となる。なお、第1透明導電パターン22Aと第2透明導電パターン22Bの各線幅は同じであるが、図6では、第1透明導電パターン22Aと第2透明導電パターン22Bの位置がわかるように、第1透明導電パターン22Aの線幅を太く、第2透明導電パターン22Bの線幅を細くして誇張して図示してある。
積層した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを上面から見たとき、第1導電シート10Aに形成された第1大格子14Aの隙間を埋めるように、第2導電シート10Bの第2大格子14Bが配列された形態となる。このとき、第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bにおける各矩形波形状の凹部42aの開口部分が第2大格子14Bの第6辺部28f及び第8辺部28hの各矩形波形状の凸部18bの先端部分にて接続されたような形状となって、結果的に小格子18が連続して配列された形態となり、同様に、第1大格子14Aの第3辺部28c及び第4辺部28dにおける各矩形波形状の凹部42aの開口部分が第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gの各矩形波形状の凸部42bの先端部分にて接続されたような形状となって、結果的に小格子が連続して配列された形態となり、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界をほとんど見分けることができない状態となる。つまり、矩形波形状の凹部42aの開口部分と凸部42bの先端部分との重なりにより、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、視認性が向上する。なお、第1絶縁部24Aと第2絶縁部24Bとが対向する部分は、十字形状の開口が形成されることになるが、上述した線太りと異なり、光を遮るということがないため、外部に目立つということがほとんどない。
また、第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分を上面から見たとき、第2接続部16Bの第5中格子20eと第7中格子20gとの交点が第1接続部16Aの第2中格子20bのほぼ中心に位置し、第2接続部16Bの第6中格子20fと第8中格子20hとの交点が第1接続部16Aの第3中格子20cのほぼ中心に位置することとなり、これら第1中格子20a〜第8中格子20hの組み合わせによって、複数の小格子18が形成された形態となる。すなわち、第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分に、第1接続部16Aと第2接続部16Bの組み合わせによって、複数の小格子18が配列された形態となり、周りの第1大格子14Aを構成する小格子18や第2大格子14Bを構成する小格子18と見分けがつかなくなり、視認性が向上する。
そして、このタッチパネル用導電シート50をタッチパネルとして使用する場合は、第1導電シート10A上に保護層を形成し、第1導電シート10Aの多数の第1透明導電パターン22Aから導出された第1外部配線40Aと、第2導電シート10Bの多数の第2透明導電パターン22Bから導出された第2外部配線40Bとを、例えば位置演算を行うIC回路に接続する。
指先を保護層上に接触させることで、指先に対向する第1透明導電パターン22Aと第2透明導電パターン22Bからの信号がIC回路に伝達される。IC回路では、供給された信号に基づいて指先の位置を演算する。従って、同時に2つの指先を接触させても、各指先の位置を検出することが可能となる。
このように、タッチパネル用導電シート50においては、該タッチパネル用導電シート50を用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネルの大サイズ化を促進させることができる。しかも、第1導電シート10Aの第1大格子14Aと第2導電シート10Bの第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、また、第1接続部16Aと第2接続部16Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられることから、局部的に線太りが生じる等の不都合がなくなり、全体として、視認性が良好となる。
また、このタッチパネル用導電シート50においては、第1大格子14Aの4つの辺(第1辺部28a〜第4辺部28d)並びに第2大格子14Bの4つの辺(第5辺部28e〜第8辺部28h)の形状がいずれも矩形波形状であって、各辺の形状が等価的に同一となっていることから、第1大格子14Aや第2大格子14Bの端部での電荷の局在化が抑制され、指先位置の誤検出を防ぐことができる。
上述した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおいては、第1接続部16A及び第2接続部16Bを構成する中格子20の配列ピッチPmを小格子18の配列ピッチPsの2倍に設定したが、その他、1.5倍、3倍等、中格子の数に応じて任意に設定することができる。中格子20の配列ピッチPmは、その間隔が狭すぎたり、大きすぎたりすると、大格子14の配置が難しくなり、見栄えが悪くなることがあることから、小格子18の配列ピッチPsの1〜10倍が好ましく、1〜5倍がより好ましい。
また、小格子18のサイズ(1辺の長さや対角線の長さ等)や、第1大格子14Aを構成する小格子18の個数、第2大格子14Bを構成する小格子18の個数も、適用されるタッチパネルのサイズや分解能(配線数)に応じて適宜設定することができる。
上述のタッチパネル用導電シート50では、図3及び図4Aに示すように、第1透明基体12Aの一主面に第1透明導電パターン22Aを形成し、第2透明基体12Bの一主面に第2透明導電パターン22Bを形成するようにしたが、その他、図4Bに示すように、第1透明基体12Aの一主面に第1透明導電パターン22Aを形成し、第1透明基体12Aの他主面に第2透明導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。また、第1導電シート10Aと第2導電シート10Bとはその間に他の層が存在してもよく、第1透明導電パターン22Aと第2透明導電パターン22Bとが絶縁状態であれば、それらが対向して配置されてもよい。
次に、第1導電シート10Aや第2導電シート10Bを製造する方法としては、例えば第1透明基体12A上及び第2透明基体12B上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって、露光部及び未露光部にそれぞれ金属銀部及び光透過性部を形成して第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。なお、さらに金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行うことによって、第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bをスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおいて、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いる方法を中心にして述べる。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
ここで、本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの各層の構成について、以下に詳細に説明する。
[第1透明基体12A、第2透明基体12B]
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。第1タッチパネル用導電シート50Aや第2タッチパネル用導電シート50Bに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような透明導電性フィルムは透明性が要求されるため、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの透明度は高いことが好ましい。
[銀塩乳剤層]
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層(第1大格子14A、第1接続部16A、第2大格子14B、第2接続部16B、小格子18等の導電部)となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、第1タッチパネル用導電シート50Aや第2タッチパネル用導電シート50Bとした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態に用いられるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本実施の形態の銀塩乳剤層16中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層16中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1〜4/1であることがさらに好ましい。1/1〜3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する第1タッチパネル用導電シート50Aや第2タッチパネル用導電シート50Bを得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
<溶媒>
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤層16よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
次に、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの作製方法の各工程について説明する。
[露光]
本実施の形態では、第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第1透明導電パターン22A及び第2透明導電パターン22Bを露光と現像等によって形成する。すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
[現像処理]
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
以上の工程を経て導電シートは得られるが、得られた導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましく、1〜10オーム/sq.の範囲にあることがより好ましい。また、現像処理後の導電シートに対しては、さらにカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
[物理現像及びめっき処理]
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属性銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
[酸化処理]
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
[導電性金属部]
本実施の形態の導電性金属部の線幅は、5μm以上200μm(0.2mm)以下から選択可能であるが、タッチパネルの材料としての用途である場合、5μm以上50μm以下が好ましい。さらに好ましくは5μm以上30μm以下、最も好ましくは5μm以上20μm以下である。線間隔は30μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以上400μm以下、最も好ましくは100μm以上350μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、第1大格子14A、第1接続部16A、第2大格子14B、第2接続部16B、小格子18等の導電部を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状の開口率は、90%である。
[光透過性部]
本実施の形態における「光透過性部」とは、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
[第1導電シート10A及び第2導電シート10B]
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおける第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられる金属銀部の厚さは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.001mm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、且つ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
導電性金属部の厚さは、タッチパネルの用途としては、薄いほど表示パネルの視野角が広がるため好ましく、視認性の向上の点でも薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する第1導電シート10A及び第2導電シート10Bであっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
(現像処理後の硬膜処理)
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
Figure 2011113149
Figure 2011113149
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体12A及び第2透明基体12B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
(露光)
露光のパターンは、第1導電シート10Aについては図1及び図3に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図3及び図5に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体12A及び第2透明基体12Bに行った。小格子18の配列ピッチPsを200μmとし、中格子20の配列ピッチPmを2×Psとした。また、小格子18の導電部の厚みを2μmとし、幅を10μmとした。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
(現像処理)
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
〔評価〕
(表面抵抗測定)
表面抵抗率の均一性を評価するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値である。
(視認性の評価)
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを貼り合わせて、タッチパネル用導電シート50を作製し、肉眼で、線太りや黒い斑点がないかどうかを確認した。
(評価結果)
表面抵抗は、第1導電シート10A及び第2導電シート10B共に、5オーム/sq.であり、A4サイズの大きさを有する投影型静電容量方式のタッチパネルに十分に適用できることがわかった。
また、タッチパネル用導電シート50は、線太りや黒い斑点は確認されず、視認性は良好であった。
なお、本発明に係る導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネルは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A…第1導電シート 10B…第2導電シート
12A…第1透明基体 12B…第2透明基体
14A…第1大格子 14B…第2大格子
16A…第1接続部 16B…第2接続部
18…小格子 20…中格子
20a〜20h…第1中格子〜第8中格子
22A…第1透明導電パターン 22B…第2透明導電パターン
24A…第1絶縁部 24B…第2絶縁部
28a〜28h…第1辺部〜第8辺部
50…タッチパネル用導電シート

Claims (11)

  1. 基体上に、2以上の導電性の大格子が形成され、
    各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
    各前記大格子の辺の形状は、2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有することを特徴とする導電シート。
  2. 請求項1記載の導電シートにおいて、
    各前記大格子の辺の前記矩形波形状は、2以上の前記小格子が配列されて構成されていることを特徴とする導電シート。
  3. 請求項1又は2記載の導電シートにおいて、
    前記基体上に、隣接する前記大格子間を電気的に接続する接続部が形成され、
    2以上の前記大格子が前記接続部を介して一方向に配列されていることを特徴とする導電シート。
  4. 請求項3記載の導電シートにおいて、
    2以上の前記大格子が前記接続部を介して第1方向に配列されて1つの透明導電パターンが構成され、
    2以上の前記透明導電パターンが前記第1方向と直交する第2方向に配列され、
    隣接する前記透明導電パターン間は電気的に絶縁された絶縁部が配されていることを特徴とする導電シート。
  5. 基体の一方の主面に、2以上の導電性の第1大格子が形成され、
    前記基体の他方の主面に、2以上の導電性の第2大格子が形成され、
    各前記第1大格子及び各前記第2格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
    各前記1大格子及び各前記第2格子の辺の形状は、2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有することを特徴とする導電シート。
  6. 請求項5記載の導電シートにおいて、
    各前記1大格子及び各前記第2格子の辺の前記矩形波形状は、2以上の前記小格子が配列されて構成されていることを特徴とする導電シート。
  7. 請求項5又は6記載の導電シートにおいて、
    前記基体の一方の主面に、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する第1接続部が形成され、
    前記基体の他方の主面に、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する第2接続部が形成され、
    2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1透明導電パターンが構成され、
    2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2透明導電パターンが構成され、
    2以上の前記第1透明導電パターンが前記第2方向に配列され、
    2以上の前記第2透明導電パターンが前記第1方向に配列され、
    隣接する前記第1透明導電パターン間は電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、
    隣接する前記第2透明導電パターン間は電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、
    前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、
    前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが前記基体を間に挟んで対向していることを特徴とする導電シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
    前記小格子は多角形状であることを特徴とする導電シート。
  9. 請求項8記載の導電シートにおいて、
    前記小格子は正方形状であることを特徴とする導電シート。
  10. それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された2以上の導電性の第1大格子を有する第1導電シートと、
    それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された2以上の導電性の第2大格子を有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、
    各前記第1大格子及び各前記第2大格子の辺の形状は、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、
    前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置されると共に、前記第1大格子の辺と前記第2大格子の辺とが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。
  11. 請求項5記載の導電シートを有することを特徴とする静電容量方式タッチパネル。
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