JP2011026753A - 印刷用紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によって、不透明度が85%以上である、2以上の層を有する印刷用紙であって、印刷用紙の坪量が70g/m2以下であり、紫色顔料および/または青色顔料が複数の層に存在し、JIS P 8150の方法によって測定される前記印刷用紙の色相が、紫外線を含む測定においてa*値が0以上7未満、b*値が−15以上−3未満である、上記印刷用紙が提供される。
【選択図】なし
Description
(1) 不透明度が85%以上である、2以上の層を有する印刷用紙であって、前記印刷用紙の坪量が70g/m2以下であり、紫色顔料および/または青色顔料が複数の層に存在し、JIS P 8150の方法によって測定される前記印刷用紙の色相が、紫外線を含む測定においてa*値が0以上7未満、b*値が−15以上−3未満である、上記印刷用紙。
(2) 紫色顔料および/または青色顔料の含有量が0.7〜3.5mg/m2である、(1)に記載の印刷用紙。
(3) 原料パルプ中の化学パルプの含有量が60重量%以上である、(1)または(2)に記載の印刷用紙。
(4) 前記印刷用紙が、原紙層、顔料塗工層を有する塗工紙であり、前記顔料が、原紙層と顔料塗工層に存在する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の印刷用紙。
(5) 前記印刷用紙が、原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層を有する塗工紙であり、前記顔料が、原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層から選ばれる2以上の層に存在する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の印刷用紙。
(6) 前記印刷用紙が、原紙層、クリア塗工層を有する非塗工紙であり、前記顔料が、原紙層とクリア塗工層に存在する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の印刷用紙。
本発明においては、印刷用紙に、紫色顔料および/または青色顔料を含有させる。本発明において色材とは、白色以外の有色の顔料または染料をいう。顔料とは、水や油や有機溶剤などに不溶または難溶性または分散状態で存在する白色あるいは有色の粉体であり、無機と有機のものがある。本発明においては、無機、有機いずれのものでも良い。染料とは、可視光線を選択吸収または反射して固有の色を持つ有機色素のうち、適当な染色法により繊維や顔料等に染着するものをいい、溶媒(水や有機溶剤など)に可溶である。本発明においては、染料を併用してもよいが、耐光性に優れ、紙の経時による変色・着色を防止するという観点から紫色顔料および/または青色顔料を使用する。
本発明における紫色顔料および/または青色顔料の含有量は特に限定されるものではないが、顔料合計で、印刷用紙1m2あたり、0.7mg以上3.5mg以下であることが好ましく、0.9mg以上3.0mg以下であることがより好ましい。一般に0.7mgより少ないと、顔料による光の吸収が少ないため、不透明度に寄与する隠蔽性が不足するため、好ましくない。また、一般に3.5mgより多いと、顔料による光の吸収量が多く、不透明度向上に大きく寄与するものの、色相が0点から大きく外れ、白色とは感じられなくなるため、好ましくない。顔料の含有量は、上記範囲内で、原料あるいは原紙などの白色度により適宜調節できる。
合計量(mg/m2)
={原紙坪量(g/m2)×原紙中のパルプ含有率×原紙中の青色顔料と紫色顔料の含有量(mg/パルプ1g)}
+[サイズプレス液の塗工量(両面)(g/m2)×{サイズプレス液中の青色顔料と紫色顔料の合計重量部/サイズプレス液中の全固形分重量部}
+顔料塗工液の塗工量(両面)(g/m2)×{顔料塗工液中の青色顔料と紫色顔料の合計重量部/顔料塗工液中の全固形分重量部}]×1000
顔料が含有される層
本発明の青色・紫色顔料は、印刷用紙のいずれの層に含有されていてもよいが、印刷用紙を構成する層の2以上に存在することが必要である。紫色顔料および/または青色顔料を複数の層に存在させることによって、印刷用紙の見た目の白色度や不透明度を安定して向上させることができ、印刷用紙の色むらを抑制することができる。本発明において、青色・紫色顔料が存在する2以上の層とは異なる層である。原紙の両面に同一の層(例えば両面に設けられた塗工層)が存在し、この二つの塗工層が青色・紫色顔料を含む場合は、2の層に青色・紫色顔料が存在することには該当しない。
本発明の印刷用紙は公知の方法により製造することができる。例えば、本発明の印刷用塗工紙は、以下に記載する抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して基紙を製造することができ、次いでコーターパートにて後述する塗工液を基紙上に塗工した後、アフタードライヤーパート、カレンダーパート、リールパート、ワインダーパートなどに供して製造することができる。また、印刷用非塗工紙の場合、抄紙原料をワイヤーパートにて抄紙し、次いでプレスパート、プレドライヤーパートに供して原紙を製造し、その原紙上に水溶性高分子(バインダー)をクリア塗工して製造することができる。
本発明の印刷用紙は少なくとも原紙層を有する。本発明に用いる原紙は、単層抄きであっても多層抄きであってもよい。本発明の原紙が多層構造を有している場合、原紙を構成する複数の層のいずれか1層以上に紫色顔料および/または青色顔料を含有させればよい。紫色顔料および/または青色顔料を原紙層に存在させるためには、紫色顔料および/または青色顔料を含有する抄紙原料から原紙を抄紙すればよい。本発明の原紙の製法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。
本発明の原紙に用いるパルプ原料としては、化学パルプを使用することができる。化学パルプ以外にも、用途に応じて各種パルプを使用することができ、例えば、脱墨パルプ(DIP)、砕木パルプ(GP)、リファイナー砕木パルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、セミケミカルパルプ(SCP)などが挙げられる。脱墨パルプとしては、上質紙、中質紙、下級紙、新聞紙、チラシ、雑誌などの選別古紙やこれらが混合している無選別古紙を原料とする脱墨パルプなどを使用することができる。また、本発明において脱墨パルプを使用する場合は、上質紙を中心に選別した高白色度のパルプを配合することが好ましい。
本発明においては、原紙の填料として公知の填料を任意に使用でき、例えば、重質炭酸カルシム、軽質炭酸カルシウム、クレー、シリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物、カオリン、焼成カオリン、デラミカオリン、ホワイトカーボン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、ケイ酸ナトリウムの鉱産による中和で製造される非晶質シリカ等の無機填料や、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン系樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂などの有機填料を単用又は併用できる。この中でも、中性抄紙やアルカリ抄紙における代表的な填料である重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウムが不透明度向上のためにも好ましく使用される。紙中填料率は特に制限されないが、1〜40固形分重量%が好ましく、10〜35固形分重量%がさらに好ましい。
本発明における原紙の抄紙方法は特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網抄紙機、オントップフォーマー、ギャップフォーマ、丸網抄紙機、長網抄紙機と丸網抄紙機を併用した板紙抄紙機、ヤンキードライヤーマシン等を用いて行うことができる。抄紙時のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよいが、中性またはアルカリ性が好ましい。抄紙速度は、特に限定されない。
本発明の原紙の坪量は60g/m2以下が好ましく、より好ましくは20〜60g/m2、更に好ましくは20〜40g/m2である。一般に、坪量が高い紙は、紙厚もあり不透明度が高いのに対して、坪量が低い紙は、紙厚が薄いため不透明度が低くなるところ、本発明によれば、低坪量でありながら不透明度を高くすることができる。
クリア塗工
本発明の印刷用紙は、上述した原紙の片面または両面にクリア(透明)塗工層を有していてもよい。原紙上にクリア塗工を施すことにより、原紙の表面強度や平滑性を向上させることができ、また、顔料塗工をする際の塗工性を向上させることができる。本発明においては、クリア塗工層に紫色顔料および/または青色顔料を含有させることができ、その場合、クリア塗工の塗工液中に紫色顔料および/または青色顔料を配合し、それを原紙上に塗工すればよい。クリア塗工の量は、片面あたり固形分で0.1〜1.0g/m2が好ましく、0.2〜0.8g/m2がより好ましい。
本発明の印刷用紙は、顔料塗工により顔料塗工層を設けて塗工紙とすることもできる。本発明の印刷用紙における顔料塗工層は、単層であっても多層であってもよい。本発明においては単層が好ましい。本発明の顔料塗工層が多層構造を有している場合、顔料塗工層を構成する複数の層のいずれか1層以上に紫色顔料および/または青色顔料を含有させればよい。紫色顔料および/または青色顔料を顔料塗工層に存在させるためには、紫色顔料および/または青色顔料を含有する塗料を用いて顔料塗工を行えばよい。本発明において塗工方法は特に制限されず、公知の原料を用いて公知の方法によることができる。
本発明においては、オンラインソフトキャレンダ、オンラインチルドカレンダなどにより塗工前の原紙にプレカレンダー処理を行い、原紙を予め平滑化しておくことが、塗工後の塗工層を均一化する上で好ましい。この場合、処理線圧は、好ましくは30〜100kN/m、より好ましくは50〜100kN/mである。また、プレカレンダー処理する際の原紙の水分率も重要であり、水分率は3〜5%が好ましい。
本発明の印刷用塗工紙は、以上のように得られた原紙上に、顔料と接着剤を主成分とする塗工液を塗工・乾燥して塗工層を設けることができる。塗工は、原紙の表面片面でも両面でも良いが、カールしない、表裏の物性が異ならないということから、両面塗工が好ましい。
本発明の塗工層に用いる顔料(白色顔料)の種類は、塗工紙用に従来から用いられているものを使用することができ、例えば、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを必要に応じて単独または2種類以上混合して使用することができる。また、顔料の種類としては、高い白色度の観点から、重質炭酸カルシウムおよび軽質炭酸カルシウムが好ましく、また不透明度をも向上させる観点から、粒子径や形状が揃った軽質炭酸カルシウムが特に好ましい。嵩高な塗工層構造は光を効率的に散乱するためである。
本発明で使用する接着剤(バインダー)について、特に制限はなく、塗工紙用に従来から用いられている接着剤を使用することができる。例えば、好ましい接着剤として、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤;カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類;酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリン等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用することができる。
[塗工液の調整]
本発明において、塗工液の調製方法は特に限定されず、コータの種類によって適宜調整できる。ブレード方式のコータを用いる場合は、塗工液の固形分濃度は40〜70重量%が好ましく、より好ましくは60〜70重量%である。塗工液粘度は60rpmで測定したB型粘度が500〜1000mPa・sの範囲であることが好ましい。
本発明においては、通常用いられるコータであればいずれを用いても良い。オンマシンコータでもオフマシンコータでも良く、オンマシンコータであれば、サイズプレスコータ、ゲートロースコータなどのロールコータ、ビルブレイドコータ、ブレードメタリングサイズプレスコータなどのコータを使用できる。塗工速度は、特に限定されないが、現在の技術ではブレードコータでは500〜1800m/分、サイズプレスコータでは500〜3000m/分が好ましい。
本発明における塗工液の塗工量は、片面あたり固形分で2〜15g/m2が好ましく、5〜12g/m2がより好ましく、5〜10g/m2がさらに好ましい。本発明においては、塗工量が少ない場合において優位性が高く、より不透明度向上の効果が発揮できる。
本発明において、湿潤塗工層を乾燥させる方法に制限はなく、例えば蒸気過熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等各種の方法が単独もしくは併用して用いることができる。
本発明においては、以上のように製造した紙を必要に応じて表面処理する。好ましい態様において、本発明の印刷用紙は、スーパーカレンダーや高温ソフトニップカレンダー等のカレンダーで表面処理を行うことができる。表面処理により、印刷用紙の平滑度や光沢性を向上させることができる。本発明においては、ソフトニップカレンダ処理が好ましい。ソフトニップカレンダ処理をすることにより、白色度、不透明度共に向上する。ソフトニップカレンダ処理において、金属ロールの表面温度が20℃〜60℃の線圧は、30〜60kN/m、より好ましくは、40〜60kN/mである。また、金属ロールの表面温度が40℃〜250℃の高温ソフトニップカレンダ処理であれば、線圧は60〜400kN/m、好ましくは、150〜300kN/m、より好ましくは100〜350kN/mである。温度を上げると、塗工紙の表面の光沢、平滑度が向上する。
[坪量]
本発明の印刷用紙の坪量は70g/m2以下である。一般に、坪量が高い紙は、紙厚もあり不透明度が高いが、坪量が低い紙は、紙厚が薄いため不透明度が低くなるところ、本発明によれば、低坪量でありながら不透明度を高くすることができる。本発明においては、坪量が低い領域で効果を発揮しやすく、より効果が現れやすいのは、坪量が60g/m2以下の場合である。
本発明の印刷用紙の色相は、JIS P 8150に規定される紫外線を含む測定においてa*値が0以上7未満かつb*値が−15以上−3未満であることが好ましく、a*値が0以上5未満かつb*値が−10以上−5未満であることがより好ましく、a*値が0以上5未満かつb*値が−9以上−5未満であることがさらに好ましい。このようにb*を比較的低くすることによって、印刷用紙の見た目の白さを増強できるとともに、不透明度を向上させ、印刷時の裏抜けを防止することができる。
本発明の印刷用紙の紙中灰分は、非塗工紙の場合、10重量%以上であることが好ましく、塗工紙の場合、30重量%以上であることが好ましい。印刷用紙の灰分が10重量%より少ないと不透明度が十分に向上しない。
本発明の印刷用紙は、蛍光増白強度が5.5以下であっても十分な白色度を得ることができるが、白色度を向上させる観点から蛍光増白強度は4.0以上であることが好ましい。
本発明によれば、印刷用紙の不透明度を85%以上とすることができる。
以下に記載する品質評価方法で、本発明の印刷用紙の品質を評価した。
(1)色相測定方法(a*、b*):JIS P8150に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む光源にて測定した。
(2)ISO白色度測定方法:JIS P8148に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む光源にて測定した。
(3)不透明度測定方法:JIS P8149に準拠し、村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて測定した。
(4)灰分測定方法:JIS P8251に準拠して測定した。
(5)蛍光増白強度:村上色彩(株)社製色差計CMS−35SPXにて、紫外光を含む光源にて測定したISO白色度の値から、紫外光を含まない光源にて測定した白色度の値を引いた差を、蛍光増白強度とした。
(6)色合い:印刷用紙表面の色合いを室内蛍光灯照明下で目視にて評価した。
(7)見た目の白さ:印刷用紙表面の白さを室内蛍光灯照明下で目視にて評価した。色の白さについては白色度が必ずしも人の目で見たときの白さと相関しているわけではないためである。目視の評価は4段階とした。◎:とても白い、○:白い、△:ややくすんで見える、あるいはやや黄ばんで見える、×:くすんで見える、あるいは黄ばんで見える。
(8)印刷時の裏抜け:オフセット輪転機で片面に墨ベタ印刷を施した印刷用紙を、印刷裏側から観察し、裏抜けを目視にて評価した。目視の評価は4段階とした。◎:裏の印刷部が殆ど認識できない、○:裏の印刷部が目立たない、△:印刷部がやや目立つ、×:印刷部が目立ち、裏面の画質或いは見た目を劣化させている。
(9)色むら:印刷用紙の色むらを、以下の基準により目視により4段階で評価した。◎:色むらが認識できない、○:目立つ色むらはない、△:色むらがある、×:色むらが目立つ。
[材料]
サイズプレス液、塗工液に配合した各材料は以下の通りである。
1.酸化澱粉(日本コーンスターチ(株)製SK−20)
2.顔料
・微粒軽質炭酸カルシウム
・微粒カオリン(ハイドラグロス CaMin社製)
3.色材
・青色顔料(EMT−ブルーDS−18 東洋インキ製造(株)社製)
・紫色顔料(SAバイオレットC12896 御国色素(株)社製)
・黒色顔料(SAブラックA035 御国色素(株)社製)
4.蛍光染料(BLANKOPHOR NCC LIQUID ケミラジャパン(株))
5.接着剤
・スチレン−ブタジエン系合成高分子ラテックス
6.水溶性高分子
・尿素リン酸エステル化澱粉(日本食品化工(株)製スターコート16)
[紙料の調成]
広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を65%、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を35%含有するパルプスラリーを調成し、填料として表1に記載の配合割合で軽質炭酸カルシウムを添加し、内添紙力剤としてカチオン性紙力増強剤を対パルプ0.5%添加して紙料を調成した。実施例5においては紙料に顔料を添加した。
表1に示す配合で、各材料を常温にて混合攪拌し、固形分濃度が8重量%のサイズプレス液を得た。なお、色材の配合量は、酸化澱粉100重量部に対する値である。このサイズプレス液の塗工量は、すべての実施例および比較例で0.5g/m2とした。
顔料として、微粒軽重質炭酸カルシウムを85部、微粒カオリンであるハイドラグロス(CaMin社製)を15部を配合し、全顔料に対して、モノマー組成が主にスチレンおよびブタジエンである合成高分子ラテックスを7部、水溶性高分子としてリン酸エステル化澱粉を4部配合し、さらに蛍光染料を4部配合し、さらに、表1に示す配合で色材を常温にて混合攪拌し、固形分濃度が67重量%の塗工液を得た。なお、色材、接着剤、水溶性高分子の配合量は、顔料100重量部に対する値である。
上記の紙料を用いて、抄紙速度が1100m/分にて、ツインワイヤーを有する抄紙機で抄紙して、上記のサイズプレス液(表面処理液)をゲートロールコータにて塗工量片面あたり0.5g/m2になるように、両面にサイズプレスして乾燥し、坪量41.8g/m2の原紙を得た。
抄紙、塗工を連続してオンラインで行ったため、塗工速度、カレンダー速度も1100m/分であった。さらに高温ソフトニップカレンダで4ニップ、最高処理温度200℃、最高処理線圧250kN/mの条件で表面処理して印刷用塗工紙を得た。
Claims (6)
- 不透明度が85%以上である、2以上の層を有する印刷用紙であって、
前記印刷用紙の坪量が70g/m2以下であり、
紫色顔料および/または青色顔料が複数の層に存在し、
JIS P 8150の方法によって測定される前記印刷用紙の色相が、紫外線を含む測定においてa*値が0以上7未満、b*値が−15以上−3未満である、印刷用紙。 - 紫色顔料および/または青色顔料の含有量が0.7〜3.5mg/m2である、請求項1に記載の印刷用紙。
- 原料パルプ中の化学パルプの含有量が60重量%以上である、請求項1または2に記載の印刷用紙。
- 前記印刷用紙が、原紙層、顔料塗工層を有する塗工紙であり、前記顔料が、原紙層と顔料塗工層に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用紙。
- 前記印刷用紙が、原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層を有する塗工紙であり、前記顔料が、原紙層、クリア塗工層、顔料塗工層から選ばれる2以上の層に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用紙。
- 前記印刷用紙が、原紙層、クリア塗工層を有する非塗工紙であり、前記顔料が、原紙層とクリア塗工層に存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷用紙。
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