JP2007223086A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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潤一 早川
Masaya Tosaka
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Abstract

【課題】 塗工ムラが無くかつ、白紙部分が高白であるインクジェット記録用紙を得る。
【解決手段】 支持体上にアンダー層とインク受容層とを、この順に互いに接するように設けたインクジェット記録用紙であって、前記アンダー層表面及び前記インク受容層表面のCIELABによる知覚色度指数a*及びb*を用いて下記式で求められるAの値が7以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
A={(a*−a*+(b*−b*1/2
ここで、a*,b*:アンダー層表面の知覚色度指数
a*,b*:インク受容層表面の知覚色度指数

【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録に用いるインクジェット記録用紙に関する。
インクジェット記録用紙は、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料と結着剤を含有するインク受理層を設けた構成にであり、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。そして、近年のインクジェットプリンターの目覚しい進歩や、デジタルカメラの著しい普及により、インクジェット記録用紙に要求される品質も年々高くなってきている。
ところで、インクジェット記録方式に用いる記録用紙は、いわゆる上質紙・PPC用紙に似た風合いの普通紙タイプのものと、インク受理層を有することが明らかにわかる塗工紙タイプのものに大別される。さらに塗工紙タイプの記録媒体は、インク受理層に光沢を有するグロスタイプと、光沢を有さないマットタイプとに大別される。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においては、品質要求が厳しく、技術開発が活発に行われている。
そして、このような塗工紙タイプのインクジェット用記録媒体に要求される品質特性としては、インク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないことの他に、非印字部(白紙部)の白色度が高いこと等が挙げられる。これら特性を向上するためには、インク受容層の改善が必要となってくる。
特に白紙部の白色度の向上に関しては例えば、高白色タイプの蛍光染料をインク受容層中に含有する技術が報告されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、インク受理層表面のまたは支持体表面の知覚色度指数(a*及びb*)を特定の範囲にすることにより色再現性を良好にする技術が報告されている。(例えば、特許文献3参照)
特開2002−2101号公報 特開2003−266923号公報 特開平10−181194号公報
しかしながら、前記技術においては高白のインク受容層を得るために蛍光増白剤を配合するため、インク受容層塗工液の塗工性が低下し、インク受容層に塗工ムラが発生するという問題があった。また、多量の蛍光増白剤を配合したインク受容層と支持体の色合いが異なるため、わずかな塗工ムラであっても目立ち、著しく美観を損ねていた。
また、支持体自体を高白にした場合においてもインク受容層の色合いとは異なるため、同様に塗工ムラが発生し問題となっていた。従って本発明は塗工ムラが無くかつ、白紙部分が高白であるインクジェット記録用紙を得ることを目的とするものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、支持体上にアンダー層とインク受容層を互いに接するようにこの順に設け、支持体表面に設けられたアンダー層表面の色度指数(a*及びb*)と、前記アンダー層上に設けられたインク受容層等表面の色度指数(a*及びb*)がある一定の関係を満たす際に、最終的に得られるインクジェット記録用紙のインク受容層表面に塗工ムラが見えなくなる(又は目立たない)ことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、支持体上にアンダー層とインク受容層とを、この順に互いに接するように設けたインクジェット記録用紙であって、前記アンダー層表面及び前記インク受容層表面のCIELABによる知覚色度指数a及びbを用いて下記式で求められるAの値が7以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
A={(a*−a*+(b*−b*1/2
ここで、a*,b*:アンダー層表面の知覚色度指数
a*,b*:インク受容層表面の知覚色度指数
さらに、前記アンダー層及び、インク受容層に着色顔料を配合して色度指数を調整することが好ましい。
本発明においては、白紙部分を高白にするためにインク受容層に着色剤を添加した場合においても、インク受容層最表面に塗工ムラや塗工欠陥がみえないインクジェット記録用紙を得ることができる。
以下本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット用記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、アンダー層とインク受容層を設けたものである。本発明においてはアンダー層とインク受容層表面の知覚度指数を前述した式で計算されるAの値は7以下であり、特に6以下であることが好ましい。前記Aの値が7を超えると塗工量変動による色むらやストリーク等の欠点が目立ち、問題となる。なお、ストリークとはインク受容層を塗工する際に生じる細長いキズであり、インク受容層塗工液中に存在する異物(例えば未分散の顔料等)が、塗工機のコーターヘッドにつまること等が原因で発生する。
本発明における知覚色度指数はCIELAB(Commission Internationale de l“Echairage”奨励のL*a*b*色彩系略語)による知覚色度指数であり、色相と彩度とからなる色知覚の属性を表すL*a*b*表色系の座標a*,b*のことである。これはJIS Z 8730に規定されている。
<着色顔料>
本発明においては、アンダー層、インク受容層に着色顔料や、着色染料を配合することで知覚色度指数の値を調整できる。保存性の点から着色顔料を用いることが好ましい。視覚的に白く見えるという点から、ブルーやマゼンタの着色顔料又は染料を用いることが好ましく、具体的にはコバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルーの顔料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫等のマゼンタの顔料を単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。
<支持体>
本発明に使用される支持体は、シート状のものであればいずれのものを用いることが可能であるが、透気性を有するものが好ましい。例えば塗工紙、未塗工紙等の紙を、支持体に好適に用いることができる。前記紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。尚、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、不透明度を向上させるため、前記紙中に填料を含有させることが好ましいが、この填料は、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂微粒子等、公知の填料の中から適宜選択して使用することができる。操業性の点から、前記紙の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から紙のステキヒトサイズ度は5秒以上であることが望ましい。
支持体の白色度を向上するためには、高白色のパルプや蛍光染料を用いるという方法があるが、特に保存性の点から高白色のパルプを用いることが好ましい。なお、高白色のパルプとしては、ISO白色度が85以上95%以下のものが好ましい。85%以下のパルプでは最終的な記録媒体として十分な白色度を達成できず、ISO白色度が95%以上のパルプは、パルプの繊維が短くなり地合が悪くなる傾向にある。なお、パルプのISO白色度はJIS P 8212に規定された方法に従い測定する。
<アンダー層>
本発明において、アンダー層は、支持体とインク受容層の間に設けられ、顔料と水溶性高分子を含有する結着剤とを含む。
[結着剤]
水溶性高分子は、アンダー層用塗工液の塗工液物性を確保するためのものであり、水溶性高分子が結着剤に含まれないと塗工液の塗工液物性が適度なものとならない。結着剤に用いる水溶性高分子としては特に制限はないが、透明性が高い結着剤であるポリビニルアルコール(以下、適宜「PVA」と称する)を用いると、印字部の発色濃度が向上するので好ましい。特に、完全ケン化ポリビニルアルコールがより好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は好ましくは500〜2400、より好ましくは1000〜2000である。
なお、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、適宜「EVA」と称する)を結着剤として併用すると、塗工層強度が高くなり断裁時の紙粉が軽減される。又、エチレン・酢酸ビニル共重合体自身の水に対する接触角が他の合成樹脂(例えばスチレンブタジエン共重合体(SBR))より小さいため、アンダー層のインク吸収性が良好となる。特に、以下のポリビニルアルコール・エチレン・酢酸ビニルグラフト共重合体を用いた場合に、これらの効果が大となる。
エチレン・酢酸ビニル共重合体は、例えば、乳化剤としてポリビニルアルコールを存在させた水系で、エチレンと酢酸ビニルとを共重合させたエマルジョンの乾燥体である。重合開始剤は主にエチレン及び酢酸ビニルに対して作用するが、反応条件や乳化剤であるポリビニルアルコールの量により、ポリビニルアルコール鎖からエチレン・酢酸ビニル共重合体が枝分かれし、成長したポリビニルアルコール・エチレン・酢酸ビニルグラフト共重合体のエマルジョンが生成する場合がある。本発明に用いるエチレン・酢酸ビニル共重合体としては、ポリビニルアルコールにエチレン・酢酸ビニル共重合体がグラフト化した分子が多くなっているエマルジョンを用いることが好ましい。なお、上記したエマルジョンや後述する顔料等を含む塗工液を塗布後、乾燥することにより、アンダー層が形成される。
又、エチレン・酢酸ビニル共重合体のガラス転移点(Tg)が0℃以下であり、エマルジョンの粒子径が1μm以下であることが好ましい。Tgを0℃以下とすると、カッター裁断時の切り口が良好になり、塗工層(アンダー層及びインク受容層)の脱落が少なくなり、紙粉の発生がより一層軽減する傾向にある。これは、塗工層(アンダー層及びインク受容層)の柔軟性が高くなるためと考えられる。又、粒子径を1μm以下とすると、アンダー層の透明性が高くなり、(特に染料インクの場合に)印字発色濃度が向上する傾向にある。上記した裁断時の切口の改善効果は、特に後述するキャスト法によってインク受容層を設けた場合に大きい。一方、Tgが0℃を超える場合、塗工層の柔軟性が低下するため、断裁時の紙粉発生量が多くなる傾向にある。一方、粒子径が1μmを超えると透明性が低下し、得られた塗工層の透明性も低下するため印字発色濃度も低下する傾向にある。
アンダー層用結着剤中のエチレン・酢酸ビニル共重合体の配合量は特に制限されないが、顔料100質量部に対して10〜50質量部が好ましく、より好ましくは20〜40質量部である。エチレン・酢酸ビニル共重合体の配合量が50質量部を超えると、結着剤の
疎水性が顕著になってインク吸収性が低下する傾向にある。
また、アンダー層用結着剤中の水溶性高分子(例えばPVA)の配合量も特に制限されないが、塗工層強度、インク吸収性、塗工適性等を具備する点から、顔料100質量部に対して2〜50質量部が好ましく、より好ましくは3〜25質量部である。
[顔料]
アンダー層に用いる顔料は主に合成シリカを含有し、合成シリカの20質量%以上が2次粒子径5〜15μmの合成シリカである。これにより、アンダー層の塗工層強度が向上し、断裁時の紙粉発生を低減できる。特にゲル法により製造された合成シリカを用いると塗工層強度が向上し、又、沈降法で製造された合成シリカを用いると発色性が向上するので好ましい。2次粒子径が5μm未満であると、塗工層強度が低下し、断裁時に紙粉が多く発生する。塗工層強度を向上するためには合成シリカの2次粒子径は大きい方が好ましく、7μm以上であることがより好ましいが、15μmを超えると層の空隙が多くなり過ぎて、アンダー層上に設けるインク受容層が均一に形成されない。又、15μmを超えると、アンダー層用塗工液の塗工性が低下し、生産性が低下するため好ましくない。合成シリカの2次粒子径はレーザー回折・散乱法で測定することができる。
又、上記合成シリカ全体のうち、2次粒子径5〜15μmの合成シリカの割合が20質量%未満であると、アンダー層のインク吸収性は良好であるが、塗工層強度が低下する。
上記2次粒子径を持つ合成シリカの配合量は多い方が好ましく、好ましくはアンダー層用の顔料における合成シリカ全体の30質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。合成シリカのすべてが上記2次粒子径を持つ合成シリカであってもよい。又、顔料全体に占める合成シリカの割合は、90質量%以上が好ましい。
[その他の成分]
アンダー層には上記各成分の他、本発明の効果を損なわない限り、後述するインク受容
層に含有することができる公知の顔料や、公知の結着剤を併用することができる。また、
その他添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤
、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を、適宜アンダー
層に配合することもできる。
[塗工方法]
次に、支持体にアンダー層を設ける方法について説明する。
本発明において、アンダー層は支持体の片面あるいは両面に1層以上の層として設けることができる。また複数層のアンダー層を設ける場合は、その本発明の範囲ないで塗工液配合が異なっても良い。アンダー層の塗工量は3〜30g/mであることが好ましく、更に好ましくは5〜20g/mである。3g/mを下回る場合は支持体を十分に覆うことができず、塗工紙にムラが発生したりする。30g/mを越える場合塗工層強度が十分ではなくアンダー層剥落の原因となる。
本発明において、アンダー層を形成する塗工液を塗工する装置には、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ゲートロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ショートドゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、スプレーコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシンまたはオフマシンで使用することができる。
また、アンダー層を塗工する前にまたは塗工後にマシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置で表面処理することも可能である。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録媒体においてはアンダー層上に1層以上のインク受容層が設けられる。インク受容層は前述した顔料や結着剤等から成り、インク中の着色成分を保持する機能を有する。インク受容層に用いる顔料としては、アンダー層に使用する顔料と同様のものを使用することができ、例えば合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、軽質炭酸カルシウム−シリカ複合粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、水和アルミナ(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、モンモリロナイト、プラスチックピグメント等の顔料を単独で、もしくは2種類以上併用して使用することもできる。
本発明においては、透明性が高く、インクジェット記録を行った際の発色性が向上する剛性非晶質シリカや、アルミナを用いることが好ましい。
高分子化合物はアンダー層に使用する結着剤と同様のもの、例えばポリビニルアルコール及びその誘導体、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、塩化ビニルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、尿素エマルジョン、アルキッドエマルジョン及びこれらの誘導体を単独または併用して用いることができる。
なお、結着剤を用いなくても皮膜を形成できる、いわゆる自己結着機能を有する顔料(例えばコロイダルシリカ)を、インク受容層に用いる場合は結着剤を併用しなくてもよいし、インク受容層を結着剤単独で形成することも可能である。
また、インク受容層には必要に応じ顔料分散剤、流動性改善剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、表面性改質剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、pH調整剤、柔軟剤、インク定着剤等、各種の助剤を添加することもできる。
[キャストコート]
本発明においてはインク受容層を、キャストコート法によっても設けると銀塩写真に匹敵する高光沢が得られる。この際、アンダー層の顔料に軽質炭酸カルシウム−シリカ複合物を含有する場合、顔料粒子の形状から、アンダー層には適度な空隙が発生し透気性が向上するため、インク受容層塗工液をキャストドラムに押し当てて乾燥させる際の蒸発した蒸気が抜けやすくなり乾燥しやすく、キャストドラムの曇りや塗工層のトラレといったトラブルが少なくなる。
キャストコート法はアンダー層上にインク受容層用塗工液を塗工して可塑状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法である。本発明においては直接法、凝固法、再湿潤法のうちいずれの方法を用いることができるが、高い光沢を得られるという点からは凝固法が、生産性を向上するという点からは再湿潤法が好ましい。
再湿潤法キャストコート法にてインク受容層を支持体上に設ける場合は、インク受容層用塗工液を支持体上に塗工乾燥し、乾燥状態の塗工層に、結着剤を可塑化するする作用を持つ処理液を塗布し、その後加熱した鏡面に圧着し、光沢を付与する。再湿潤法キャストコート法の場合は、処理液を塗布する際にインク受容層が乾燥状態であるため、鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、表面の微小な凹凸が多くなり光沢感は若干落ちる傾向にあるが、塗工速度を他の方法に比較して高くすることが可能になるため、生産性が向上する。
凝固法キャストコート法にてインク受容層を支持体上に設ける場合は、インク受容層用塗工液を支持体上に塗工し、その塗工層が湿潤状態の内に結着剤を凝固(あるいは架橋)する作用を持つ処理液を塗布し、その後加熱した鏡面に圧着し、光沢を付与する。例えば、結着剤としてカゼインを用いた場合はカゼインを凝固させる作用を有する化合物をを含有する水溶液、又結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合にはポリビニルアルコールを凝固させる作用を持つ化合物を含有する水溶液であればいずれのものも使用することができる。結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、特にホウ酸とホウ酸塩とを含有する処理液を用いることが好ましい。混合して用いることにより、適度な固さの凝固を得ることが容易となり、良好な光沢感を有するインクジェット記録用のキャストコート紙を得ることが出来る。
アンダー層上にインク受容層用塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた塗工する方法の中から適宜選択して使用することができる。処理液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等があげられるが、特に限定されない。
インク受容層の塗工量は、アンダー層の表面を覆い、かつ十分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、片面当たり、固形分換算で3〜30g/m2であることが好ましい。さらに好ましい範囲は5g/m2〜20g/m2である。30g/m2を超えると、鏡面ドラムからの剥離性が低下し塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。
本発明のインクジェット記録媒体においては、前記のアンダー層、インク受容層に加えて、該インク受容層の上に光沢度調整、摩擦係数の調整などを目的に、有機又は無機微粒子や高分子化合物等から成るオーバーコート層を設けることもできる。また、本発明においては必要に応じてインク受容層を設ける面とは反対側の支持体上に筆記性、帯電防止性、防汚性、滑り性等を付与するためのバック層を設けることも可能である。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
<実施例1>
(支持体の製造)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)100部からなるパルプスラリ−に対し、タルク10部、合成サイズ剤0.1部、及び歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。抄紙の際、デンプンを紙の両面に片面当り固形分で2.5g/mとなるように塗布し、坪量190g/m2の支持体を得た。
(アンダー層の形成)
この支持体の片面に、下記塗工液Aを用いて塗工量が15g/mとなるようにブレードコーターで塗工し、140℃で送風乾燥しアンダー層を設けた。
(インク受容層の形成)
上記アンダー層の上に、ロールコーターを用いて塗工液Bを10.5g/m塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、凝固液Cを塗工層に塗布して塗工層を凝固させた。次いで、プレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に塗工層を圧着して鏡面を写し取り、210g/mのインクジェット記録用紙を得た。
塗工液A:顔料として沈降法シリカ(ファインシールX−37B:株式会社トクヤマ社製の湿式法シリカ、比表面積287m/g)100部を配合し、結着剤としてスチレンブタジエンラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)10部及びポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)30部を配合し、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)10部を配合し、着色顔料(EMTブルーDS−18:東洋インキ製造株式会社)を0.024部配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
塗工液B:顔料として、ピーナツ状のコロイダルシリカ(クォートロンPL−1:扶桑化学工業株式会社、一次粒子径14nm、二次粒子径33.4nm、一次粒子径に対する二次粒子径の比が2.39)60部と、気相法シリカ(アエロジル380S:日本アエロジル株式会社の商品名、一次粒子径5nm、比表面積約380m2/g)20部と、沈降法シリカ(ファインシールX−37B:株式会社トクヤマ社製の湿式法シリカ、比表面積287m/g)20部とを配合し、結着剤として部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−617:株式会社クラレの商品名、ケン化度95%、重合度1700)10部を配合し、離型剤(メイカテックスHP50:明成化学工業社製)を2部配合し、着色顔料(EMTブルーDS−18:東洋インキ製造株式会社)を0.037部配合して濃度20%の塗工液を調製した。
凝固液C:ホウ砂(Na24で換算)5%、ホウ酸(H3BOで換算)5%とし、離型剤(メイカテックスHP50:明成化学工業社製)0.25%、浸透剤(パイオニンD−3120−W:竹本油脂株式会社製の商品名)0.5%、及びリンゴ酸0.25%を配合して凝固液を調製した。
<実施例2>
塗工液Bを塗工量が11.5g/m2となるように塗工した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<実施例3>
塗工液Aに着色顔料0.036部、塗工液Bに着色顔料0.009部を添加した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<実施例4>
塗工液Bを塗工量が11.5g/m2となるように塗工した以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<実施例5>
塗工液Aに着色顔料0.049部を添加した以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<実施例6>
塗工液Bを塗工量が11.5g/m2となるように塗工した以外は実施例5と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<比較例1>
塗工液Aの着色顔料は無し、塗工液Bに着色顔料0.092部を添加した以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<比較例2>
塗工液Bを塗工量が11.5g/m2となるように塗工した以外は比較例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<比較例3>
塗工液Aに着色顔料0.049部添加、塗工液Bの着色顔料は無しにした以外は比較例1と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
<比較例4>
塗工液Aを塗工量が16g/m2となるように塗工した以外は比較例3と同様にしてインクジェット記録用紙を作成した。
Figure 2007223086
(評価)
実施例および比較例で得られたインクジェット記録用紙の評価を、以下に示す方法により行った。
<色差>
白色度用高速分光光度計(CMS−35SPX:(株)村上色彩技術研究所社製)を用いて、支持体上に設けたアンダー層表面及びそのアンダー層上に設けたインク受容層表面の知覚色度指数を測定し、以下の式よりA(色差)を求めた。
A={(a*−a*+(b*−b*1/2
ここで、a*,b*:アンダー層表面の知覚色度指数
a*,b*:インク受容層表面の知覚色度指数
<塗工量変動による色むら>
インク受容層表面の色むらを蛍光灯の条件下で目視により判断した。
○:色むらが少ない
×:色むらが多い
<塗工欠点>
アンダー層又はキャスト層の塗工の際に削れて出来る細長いキズ(ストリーク)の有無を目視によって判断した。
○:傷はあるが目立たない
×:はっきりとした傷が目立つ
表1より、本発明品である実施例1〜6では色むら・塗工欠点がともに少ないインクジェット記録用紙であったのに対し、色差が7を超える比較例1〜4においては色むら、塗工欠点がともに大きく、劣るものであることがわかる。

Claims (2)

  1. 支持体上にアンダー層とインク受容層とを、この順に互いに接するように設けたインクジェット記録用紙であって、前記アンダー層表面及び前記インク受容層表面のCIELABによる知覚色度指数a*及びb*を用いて下記式で求められるAの値が7以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
    A={(a*−a*+(b*−b*1/2
    ここで、a*,b*:アンダー層表面の知覚色度指数
    a*,b*:インク受容層表面の知覚色度指数
  2. 前記アンダー層及び、インク受容層に着色顔料を配合することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。



JP2006044719A 2006-02-22 2006-02-22 インクジェット記録用紙 Pending JP2007223086A (ja)

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