JP2010080047A - 半導体メモリ素子のパワーアップ回路 - Google Patents

半導体メモリ素子のパワーアップ回路 Download PDF

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Abstract

【課題】パワードロップによるパワーアップ信号の無用なリセットを防止し、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保するパワーアップ回路を提供する。
【解決手段】電源電圧のレベル変化に応じて線形的に変化する電源電圧レベルフォロワ部200と、前記電源電圧の下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部210Aと、前記電源電圧の上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応し、第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部210Bと、前記電源電圧の下降時に前記第1電源電圧感知部から出力された第1感知信号に応答して、その出力信号を遷移させ、前記電源電圧の上昇時に第2電源電圧感知部から出力された第2感知信号に応答して、その出力信号を遷移させるためのトリガ部220とを備える。
【選択図】図3

Description

この発明は、半導体メモリの設計技術に関し、特に半導体メモリ素子の電源回路に関し、より詳しくは半導体メモリ素子のパワーアップ回路に関する。
半導体メモリ素子には、一般に、様々な形態のロジックと安定した素子動作を保証するための内部電源発生ブロックが存在する。これらのロジックは、メモリ素子に電源が供給されて本格的に動作する前に特定の値に初期化されていなければならない。また、内部電源の場合、メモリの内部ロジックの電源端子にバイアスを供給するが、これら内部電源が電源電圧VDDの印加時に適正な電圧レベルを有していなければ、ラッチアップ(latch-up)のような破壊現象などの問題が生じ、素子の信頼性を保証することが困難になる。このように、メモリの内部ロジックの初期化と内部電源の不安定によるラッチアップを防止するために、半導体メモリ素子の内部にはパワーアップ回路が設けられている。
パワーアップ回路は、半導体メモリ素子の初期化動作時に外部から電源電圧VDDが印加されれると、直ちにメモリ内部のロジックが電源電圧VDDのレベルに応答して動作するのではなく、電源電圧VDDのレベルが所定の臨界レベル以上に上昇してから動作するようになっている。
パワーアップ回路の出力信号であるパワーアップ信号は、外部から印加された電源電圧VDDのレベル上昇を感知して、電源電圧VDDが臨界レベルより低い区間では論理レベル「ロー」の状態を維持し、電源電圧VDDが臨界レベル以上に安定化すると、論理レベル「ハイ」に遷移される。これとは反対に、外部から印加される電源電圧VDDのレベルが降下する場合には、パワーアップ信号は、電源電圧VDDが臨界レベルより高い区間ではそのまま論理レベル「ハイ」の状態を維持し、電源電圧VDDが臨界レベル以下に低下すると、論理レベル「ロー」に遷移される。
通常、電源電圧VDDが印加された後、パワーアップ信号が論理レベル「ロー」の状態である場合、メモリの内部ロジックに含まれているラッチが予定された値に初期化され、内部電源発生ブロックの初期化もこの際に行われる。
一方、パワーアップ信号が遷移する電源電圧VDDの臨界レベルは、すべてのロジックが正常なスイッチング動作を行なうための電圧レベルであって、通常、MOSトランジスタの閾電圧を基準として一定部分においてマージンをさらに有するように設計する。このマージンの程度は、パワーアップトリガレベルを閾電圧程度に設定すれば、一般のデジタルロジックの場合は初期化に問題がないが、アナログ回路からなる内部電源回路(例えば、VPP発生器のような昇圧電源発生回路)の場合には動作効率が低下し、パワーアップトリガの後にラッチアップを引き起こすこともある。こうした理由からパワーアップトリガレベルを、これらアナログ回路が安定した値を生成できるようにMOSトランジスタの閾電圧よりある程度のマージンをさらに有するようにする。
図1は、従来技術に係るパワーアップ回路を示す回路図である。
図1を参照すると、従来技術に係るパワーアップ回路は、電源電圧VDDと接地電圧VSSを利用して電源電圧VDDのレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧Vaを提供する電源電圧レベルフォロワ部100と、バイアス電圧Vaに応答して電源電圧VDDの臨界レベルへの変化を感知するための電源電圧感知部110と、電源電圧感知部110から出力された感知信号をバッファリングしてパワーアップ信号pwrupを出力するバッファ部120とを備えて構成されている。
ここで、電源電圧レベルフォロワ部100は、電源電圧端VDDと接地電圧端VSSとの間に設けられて電圧ディバイダを構成する第1及び第2抵抗(R1及びR2)を備えている。
そして、電源電圧感知部110は、電源電圧端VDDとノードN1との間に接続され、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP0と、接地電圧端VSSとノードN1との間に接続され、バイアス電圧Vaをゲート入力とするNMOSトランジスタMN0と、ノードN1から出力された感知信号detを入力とするインバータINV0とを備えている。ここで、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP0は、PMOSトランジスタMP0の有効抵抗値と同じ抵抗値を有する他の負荷素子に替えることができる。
一方、バッファ部120は、電源電圧感知部110から出力された感知信号detの反転信号detbを入力とする、従属接続された4つのインバータINV1、INV2、INV3、INV4で具現されるインバータチェーンを備えている。
図2は、図1に示すパワーアップ回路の動作タイミング波形図である。
図2を参照すると、電源電圧レベルフォロワ部100の出力信号であるバイアス電圧Vaは、下記の式[数1]によって表される。
Figure 2010080047
すなわち、電源電圧VDDレベルの上昇により、バイアス電圧Vaが電源電圧感知部110のNMOSトランジスタMN0の閾電圧以上に上昇すると、NMOSトランジスタMN0がターンオンされて、負荷として作用するPMOSトランジスタMP0とNMOSトランジスタMN0に流れる電流量の変化に応じて感知信号detのレベルが変化する。
感知信号detは、初期にNMOSトランジスタMN0がターンオフされているため、電源電圧に従って上昇する。一方、バイアス電圧Vaが上昇するにつれて、NMOSトランジスタMN0の電流駆動力が増加し、電源電圧VDDの特定レベルで感知信号detが「ロー」に遷移するようになるが、この過程で感知信号detのレベルがインバータINV0の論理閾値を超えると、インバータINV0の出力信号detbが遷移しながら、電源電圧VDDレベルに従って増加するようになる。インバータINV0の出力信号detbは、バッファ部120でバッファリングされてパワーアップ信号pwrupを論理レベルローからハイに遷移させる。
一方、パワーオフ時には、電源電圧VDDが所定の臨界レベル以下に降下すると、電源電圧感知部110でそれを感知して、パワーアップ信号pwrupを論理レベル「ロー」に遷移させる。
ところが、パワーが印加されて電源電圧VDDが安定化した後に半導体メモリ素子がある動作を行なう場合、パワーノイズあるいは素子の一時的動作による電流消耗と抵抗によるパワー消耗により瞬間的なパワードロップ(power drop)が生じて、パワーアップ回路がこうした瞬間的な電源電圧VDDの電圧降下を感知してパワーアップ信号pwrupが論理レベル「ロー」にリセットされる現象が生じることもある。このような現象は、半導体メモリ素子の動作電圧が低電圧化しつつある現状を考慮すると、その発生可能性は非常に高いといえる。
もちろん、電源電圧VDDの電圧レベルが再び回復されることによって、パワーアップ信号pwrupも論理レベル「ハイ」に戻るが、このように半導体メモリ素子の動作中にパワーアップ信号pwrupがリセットされると、内部ロジック等の初期化が進められて半導体メモリ素子の誤動作を起こす要因となる。
したがって、ある程度のパワードロップが発生しても、パワーアップ信号pwrupの無用なリセットが生じないようにするため、電源電圧VDDの電圧レベルを臨界レベルに設定することが好ましい。
しかし、このようにパワードロップによるパワーアップ信号pwrupの無用なリセットを防止するために、パワーアップ信号pwrupが遷移される電源電圧VDDの臨界レベルを下げると、その分、低い電源電圧VDDレベルでメモリの内部ロジックの初期化が行なわれ、それによって安定した初期化ができなくなるという問題点がある。こうした問題点は、半導体メモリ素子の動作電圧が低くなるほどより大きい問題を引き起こす。
したがって、前述した従来のパワーアップ回路を用いる場合、パワーアップ信号pwrupが遷移される電源電圧VDDの臨界レベルを調節することで、パワードロップによるパワーアップ信号pwrupの無用なリセットを防止し、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保することは、実質的に不可能である。
特開平8−321758号公報 米国特許第5,510,741号明細書
この発明は、上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、パワードロップによるパワーアップ信号の無用なリセットを防止するとともに、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保することができる半導体メモリ素子のパワーアップ回路を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路は、接地電圧端に対して電源電圧端が呈する電源電圧のレベル変化に応じて線形的に変化する第1及び第2バイアス電圧を提供するための電源電圧レベルフォロワ部と、前記第1バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部と、前記第2バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応し、第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部と、前記電源電圧の下降時に前記第1電源電圧感知部から出力された第1感知信号に応答して、その出力信号を遷移させ、前記電源電圧の上昇時に第2電源電圧感知部から出力された第2感知信号に応答して、その出力信号を遷移させるためのトリガ部とを備えてなることを特徴とする。
また、この発明に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路は、接地電圧端に対して電源電圧端が呈する電源電圧のレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧を提供するための電源電圧レベルフォロワ部と、前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部と、前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応し、第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部と、前記電源電圧の下降時に前記第1電源電圧感知部から出力された第1感知信号に応答して、その出力信号を遷移させ、前記電源電圧の上昇時に第2電源電圧感知部から出力された第2感知信号に応答して、その出力信号を遷移させるためのトリガ部とを備えてなることを特徴とする。
この発明では、パワーアップ信号が遷移される電源電圧VDDの臨界レベルを電源電圧VDDの上昇時と下降時とでそれぞれ異なる値を設定することによって、電源電圧VDDの上昇時と下降時のパワーアップ信号の遷移特性が異なるようしている。電源電圧VDDの上昇時の臨界レベルは相対的に高く設定し、電源電圧VDDの下降時の臨界レベルは相対的に低く設定すると、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保するともに、パワードロップによるパワーアップ信号の無用なリセットを防止することができる。
この発明によれば、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保するとともに、パワードロップによるパワーアップ信号の無用なリセットを防止でき、これによって、半導体メモリ素子の誤動作を防止して信頼度を改善できるという、効果を奏する。こうした効果は、特に近年普及しつつある、低い動作電圧を用いる半導体メモリ素子に適用した場合、より優れた効果が得られる。
従来技術に係るパワーアップ回路を示す回路図である。 図1に示すパワーアップ回路の動作タイミング波形図である。 この発明の一実施形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路の構成を示す回路図である。 図3に示すパワーアップ回路の動作タイミング波形図である。 この発明の他の実施形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路の構成を示す回路図である。
以下、この発明の好ましい実施の形態を添付する図面を参照して説明する。
図3は、この発明の一実施の形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路の構成を示す回路図である。
図3を参照すると、本実施の形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路は、電源電圧VDDと接地電圧VSSを利用して電源電圧VDDのレベル変化に応じて線形的に変化する第1及び第2バイアス電圧(V1及びV2)を提供するための電源電圧レベルフォロワ部200と、第1バイアス電圧V1に応答して電源電圧VDDの下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部210Aと、第2バイアス電圧V2に応答して電源電圧VDDの上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する、第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部210Bと、電源電圧VDDの下降時に第1電源電圧感知部210Aから出力された第1感知信号に応答してその出力信号を遷移させ、電源電圧VDDの上昇時に第2電源電圧感知部210Bから出力された第2感知信号に応答してその出力信号を遷移させるためのトリガ部220と、トリガ部220の出力信号をバッファリングしてパワーアップ信号pwrupを出力するためのバッファ部230とを備える。
この実施形態に係るパワーアップ回路の構成をより詳細に説明すると、まず、電源電圧レベルフォロワ部200は、電源電圧端VDDと接地電圧端VSSとの間に設けられて電圧ディバイダを構成する第1ないし第3抵抗R1、R2、R3を備えてなる。ここで、第1ないし第3抵抗R1、R2、R3のそれぞれは、図に示すように受動素子で具現できるだけでなく、MOSトランジスタのような能動素子でも具現することができる。
そして、第1電源電圧感知部210Aは、電源電圧端VDDとノードN2との間に接続され、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP1と、接地電圧端VSSとノードN2との間に接続され、第1バイアス電圧V1をゲート入力とするNMOSトランジスタMN1と、ノードN2から出力された第1感知信号det1を入力とするインバータINV5とを備えてなる。ここで、PMOSトランジスタMP1は、抵抗のような他の負荷素子に替えることができる。
また、第2電源電圧感知部210Bは、電源電圧端VDDとノードN3との間に接続され、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP2と、接地電圧端VSSとノードN3との間に接続され、第2バイアス電圧V2をゲート入力とするNMOSトランジスタMN2と、ノードN3から出力された第2感知信号det2を入力とするインバータINV6とを備えてなる。ここで、PMOSトランジスタMP2は、抵抗のような他の負荷素子に替えることができる。
一方、トリガ部220は、電源電圧端VDDとノードN4との間に接続され、第1電源電圧感知部210Aの出力信号det1bをゲート入力とするPMOSトランジスタMP3と、接地電圧端VSSとノードN4との間に接続され、第2電源電圧感知部210Bの出力信号det2bをゲート入力とするNMOSトランジスタMN3と、ノードN4に接続され、2つのインバータINV7、INV8からなるインバータラッチとを備えてなる。
また、バッファ部230は、トリガ部220の出力信号を入力とする、2つのインバータINV9、INV10で具現されるインバータチェーンを備えてなる。
図4は、図3に示すパワーアップ回路の動作タイミング波形図であって、以下、これを参照して、この実施形態に係るパワーアップ回路の動作を説明する。
まず、電源電圧レベルフォロワ部200から出力される第1及び第2バイアス電圧(V1及びV2)は、下記の式[数2]及び[数3]で表される。
Figure 2010080047
Figure 2010080047
すなわち、第1電源電圧感知部210Aでは、電源電圧VDDが印加さてそのレベルの上昇により、第1バイアス電圧V1がNMOSトランジスタMN1の閾電圧以上に上昇すると、NMOSトランジスタMN1がターンオンされてPMOSトランジスタMP1とNMOSトランジスタMN1に流れる電流量の変化に応じて第1感知信号det1のレベルが変化する。第1感知信号det1は、初期にNMOSトランジスタMN1がターンオフされているため、電源電圧VDDに従って上昇する。一方、第1バイアス電圧V1がNMOSトランジスタMN1の閾電圧以上に達すると、第1感知信号det1が「ロー」に遷移するようになるが、この過程で第1感知信号det1のレベルがインバータINV5の論理閾値を超えると、インバータINV5の出力信号det1bは、論理レベル「ハイ」に遷移しながら、電源電圧VDDレベルの上昇に従って上昇する。
一方、第2電源電圧感知部210Bも前述した第1電源電圧感知部210Aのような原理で動作する。すなわち、第2バイアス電圧V2がNMOSトランジスタMN2の閾電圧を超えると、第2感知信号det2が「ロー」に遷移するようになるが、この過程で第1感知信号det2のレベルがインバータINV6の論理閾値を超えると、インバータINV6の出力信号det2bは、論理レベル「ハイ」に遷移しながら、電源電圧VDDレベルの上昇に従って上昇する。
この場合、第1バイアス電圧V1が第2バイアス電圧V2に比べて常に高い電位を維持するため、電源電圧VDDの上昇時には、第1電源電圧感知部210AのNMOSトランジスタMN1が第2電源電圧感知部210BのNMOSトランジスタMN2に比べて先にターンオンされ、これによって、第2感知信号det2が第1感知信号det1に比べて高い電源電圧VDDレベルで遷移される。これとは反対に、電源電圧VDDの下降時には、第1電源電圧感知部210AのNMOSトランジスタMN1が第2電源電圧感知部210BのNMOSトランジスタMN2に比べて後でターンオフされ、これによって、第1感知信号det1が第2感知信号det2に比べて低い電源電圧VDDレベルで遷移される。
以下、第1感知信号det1が遷移する電源電圧VDDレベルを第1臨界レベルとし、第2感知信号det2が遷移する電源電圧VDDレベルを第2臨界レベルと称する。電源電圧VDDの第1臨界レベルは、第2臨界レベルに比べて低い値を有する。
パワーの印加時に第1電源電圧感知部210Aの出力信号det1bと第2電源電圧感知部210Bの出力信号det2bは、いずれも論理レベル「ロー」の値を有するため、トリガ部220のPMOSトランジスタMP3のプルアップ動作により、ノードN4は電源電圧VDDに従って上昇する。
電源電圧VDDが上昇し続けて第1臨界レベルに到達すると、第1電源電圧感知部210Aの出力信号det1bが先に論理レベル「ハイ」に遷移する。このとき、電源電圧VDDが第1臨界レベル以上であり、第2臨界レベルより低い電圧レベルを有する領域では、第2電源電圧感知部210Bの出力信号det2bが論理レベル「ロー」の状態であるため、インバータラッチによりノードN4は論理レベル「ハイ」の状態を維持する。一方、電源電圧VDDが上昇し続けて第2臨界レベルに到達すると、第2電源電圧感知部210Bの出力信号det2bが論理レベル「ハイ」に遷移するようになり、これによって、トリガ部220のNMOSトランジスタMN3がターンオンされて、ノードN4を論理レベルローにする。インバータラッチの出力信号は、バッファ部230でバッファリングされてパワーアップ信号pwrupが論理レベル「ロー」から「ハイ」に遷移する。
他方、電源電圧VDDの下降時には、トリガ部220のノードN4が論理レベル「ロー」の状態を維持し、電源電圧VDDが下降し続けて第2臨界レベルに到達すると、第2電源電圧感知部210Bの出力信号det2bが先に論理レベル「ロー」に遷移する。このとき、電源電圧VDDが第2臨界レベル以下であり、第1臨界レベルより高い電圧レベルを有する領域では、第1電源電圧感知部210Aの出力信号det1bが論理レベル「ハイ」の状態であるため、インバータラッチによりノードN4は論理レベル「ハイ」の状態を維持する。
さらに、電源電圧VDDが下降し続けて第1臨界レベルに到達すると、第1電源電圧感知部210Aの出力信号det1bが論理レベル「ロー」に遷移するようになり、これによって、トリガ部220のPMOSトランジスタMP3がターンオンされて、ノードN4を論理レベル「ハイ」にする。インバータラッチの出力信号は、バッファ部230でバッファリングされてパワーアップ信号pwrupが論理レベル「ハイ」から「ロー」に遷移する。
以上述べたように、この実施形態に係るパワーアップ回路は、電源電圧VDDの上昇時には相対的に高い臨界レベルでパワーアップ信号pwrupの遷移が起きるようにし、電源電圧VDDの下降時には相対的に低い臨界レベルでパワーアップ信号pwrupの遷移が起きるようになっている。
ところが、こうした電源電圧VDDの下降時の動作は、パワーオフ時にのみならず、半導体メモリ素子の動作中に不用意にパワードロップが発生した場合にも適用される。そのため、パワードロップが発生して電源電圧VDDのレベルがある程度下降する場合には、相対的に低い臨界レベルを基準としてパワーアップ信号pwrupの遷移が起きるため、パワーアップ信号pwrupの無用なリセットを防止することができる。そして、前述したように、パワー印加時に相対的に高い電源電圧VDDレベルでパワーアップ信号pwrupの遷移が起きるため、メモリの内部ロジックの安定した初期化に必要なマージンを確保することができる。
図5は、この発明の他の実施形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路の構成を示す回路図である。
図5を参照すると、この実施形態に係る半導体メモリ素子のパワーアップ回路は、電源電圧VDDと接地電圧VSSを利用して電源電圧VDDのレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧Vaを提供するための電源電圧レベルフォロワ部300と、バイアス電圧Vaに応答して電源電圧VDDの第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部310Aと、バイアス電圧Vaに応答して電源電圧VDDの第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部310Bと、電源電圧VDDの下降時に第1電源電圧感知部310Aから出力された第1感知信号に応答してその出力信号を遷移させ、電源電圧VDDの上昇時に第2電源電圧感知部310Bから出力された第2感知信号に応答してその出力信号を遷移させるためのトリガ部320と、トリガ部320の出力信号をバッファリングしてパワーアップ信号pwrupを出力するためのバッファ部330とを備えてなる。
すなわち、この実施形態に係るパワーアップ回路は、前述した実施形態のパワーアップ回路と違って、電源電圧VDDのレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧を1つのみ利用する。したがって、電源電圧レベルフォロワ部300と第1電源電圧感知部310A、第2電源電圧310Bを除いたトリガ部320、バッファ部330等の構成は、前述した実施形態と同じである。
電源電圧レベルフォロワ部300は、電源電圧端VDDと接地電圧端VSSとの間に設けられて電圧ディバイダを構成する第1及び第2抵抗(R1及びR2)を備えてなる。
そして、第1電源電圧感知部310Aは、電源電圧端VDDとノードN5との間に接続され、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP4と、接地電圧端VSSとノードN5との間に接続され、バイアス電圧Vaをゲート入力とするNMOSトランジスタMN4と、ノードN5から出力された第1感知信号det1を入力とするインバータINV11とを備えてなる。ここで、PMOSトランジスタMP4は、抵抗のような他の負荷素子に替えることができる。
また、第2電源電圧感知部310Bは、電源電圧端VDDとノードN6との間に接続され、接地電圧VSSをゲート入力とするPMOSトランジスタMP5と、接地電圧端VSSとノードN6との間に接続され、バイアス電圧Vaをゲート入力とするNMOSトランジスタMN5と、ノードN6から出力された第2感知信号det2を入力とするインバータINV12とを備えてなる。ここで、PMOSトランジスタMP5は、抵抗のような他の負荷素子に替えることができる。
上述のように、この実施形態に係るパワーアップ回路は、第1電源電圧感知部310Aと第2電源電圧感知部310Bが同じバイアス電圧Vaを印加される。
この場合、第1電源電圧感知部310Aと第2電源電圧感知部310Bで互いに異なる電源電圧VDDレベルを感知するためには、NMOSトランジスタMN4、MN5のサイズを異なるように設定するか、PMOSトランジスタMP4、MP5のような負荷素子の有効抵抗値を異なるように設定すればよい。
すなわち、第2電源電圧感知部310BのNMOSトランジスタMN5の幅を第1電源電圧感知部310AのNMOSトランジスタMN4の幅に比べて小さく設定すれば、プルダウン駆動力が低下して第2感知信号det2が遷移する電源電圧VDDレベル(第2臨界レベル)が第1感知信号det1が遷移する電源電圧VDDレベル(第1臨界レベル)に比べて相対的に高くなる。また、第2電源電圧感知部310Bの負荷PMOSトランジスタMP5の有効抵抗値が第1電源電圧感知部310Aの負荷PMOSトランジスタMP4の有効抵抗値に比べて小さく設定する場合にも、同じ結果が得られる。
この実施形態に係るパワーアップ回路の動作及び作用効果は、前述した一実施形態の動作(図4参照)と同じであるため、動作の説明は省略する。
なお、この発明は、以上説明した実施の形態に限られるものではない。この発明の趣旨から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。例えば、前述した実施の形態ではバッファ部を配置する場合を一例として説明したが、場合によっては別途のバッファ部を配置しないこともある。
200、300 … 電源電圧レベルフォロワ部
210A、310A … 第1電源電圧感知部
210B、310B … 第2電源電圧感知部
220、320 … トリガ部
230、330 … バッファ部

Claims (4)

  1. 電源電圧のレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧を提供するための電源電圧レベルフォロワ部と、
    前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部と、
    前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応し、前記第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部と、
    前記電源電圧の下降時に前記第1電源電圧感知部から出力された第1感知信号に応答して、その出力信号を遷移させ、前記電源電圧の上昇時に前記第2電源電圧感知部から出力された第2感知信号に応答して、その出力信号を遷移させるためのトリガ部とを備えてなり、
    前記第1および第2電源電圧感知部の各々は、
    ゲート入力とする前記バイアス電圧を感知するトランジスタを備え、
    前記第2電源電圧感知部のトランジスタの幅が前記第1電源電圧感知部のトランジスタの幅より小さい
    半導体メモリ素子のパワーアップ回路。
  2. 請求項1に記載の半導体メモリ素子のパワーアップ回路において、
    前記第1および第2電源電圧感知部の各々は、
    電源電圧端とノードとの間に接続された負荷素子と、
    前記ノードに接続されたインバータとを備え、
    前記トランジスタは、接地電圧端と前記ノードとの間に接続されたNMOSトランジスタで具現する
    ことを特徴とする回路。
  3. 電源電圧のレベル変化に応じて線形的に変化するバイアス電圧を提供するための電源電圧レベルフォロワ部と、
    前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の下降時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応する第1臨界レベルへの変化を感知するための第1電源電圧感知部と、
    前記バイアス電圧に応答して、前記電源電圧の上昇時のパワーアップ信号の遷移レベルに対応し、前記第1臨界レベルより相対的に高い電圧レベルを有する第2臨界レベルへの変化を感知するための第2電源電圧感知部と、
    前記電源電圧の下降時に前記第1電源電圧感知部から出力された第1感知信号に応答して、その出力信号を遷移させ、前記電源電圧の上昇時に前記第2電源電圧感知部から出力された第2感知信号に応答して、その出力信号を遷移させるためのトリガ部とを備えてなり、
    前記第1および第2電源電圧感知部の各々は、
    電源電圧端と接地電圧端との間に直列接続された負荷素子と、
    前記バイアス電圧を感知するトランジスタとを備え、
    前記第2電源電圧感知部の負荷素子の有効抵抗値が前記第1電源電圧感知部の負荷素子の有効抵抗値より小さい
    半導体メモリ素子のパワーアップ回路。
  4. 請求項3に記載の半導体メモリ素子のパワーアップ回路において、
    前記負荷素子は、前記電源電圧端と前記トランジスタとの間に接続され、接地電圧をゲート入力とするPMOSトランジスタで具現する
    ことを特徴とする回路。
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