JP2009229772A - 平版印刷版用自動現像装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体上の画像記録層が画像露光された平版印刷版4と現像液とを接触させて該平版印刷版4を現像する現像部6と、現像液が付着した前記平版印刷版4を乾燥させる乾燥部10と、を備えた平版印刷版用自動現像装置2であって、前記乾燥部10が、前記現像部6の直後に設けられ、前記現像部6の出口から前記乾燥部10において前記平版印刷版4を搬送する搬送ロール38aまでの間の前記平版印刷版4の搬送経路が、前記前記現像部6の出口からの送り出し方向に沿っており、前記搬送ロール38aが、前記平版印刷版4の乾燥が済んだ位置に設けられている。
【選択図】図1
Description
請求項2記載の発明は、前記現像部の出口には、前記平版印刷版を送り出す一対の搬出ロールが設けられており、前記搬送ロールが、前記一対の搬出ロールの間を通過して搬送される平版印刷版の搬送ラインと前記一対の搬出ロールの中心を結ぶ線分が直交するように設けられていることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、前記現像液の主成分が1〜15質量%の界面活性剤を含み、かつpHが2〜10であることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、前記現像液の成分に1〜15質量%の水溶性樹脂を含むことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、前記現像部の出口の搬出ロールのゴム硬度が20〜45度(JIS K6253 タイプAの測定方法による)であることを特徴としている。
尚、現像部出口の一対の搬出ロールの間を通過して搬送される平版印刷版の搬送ラインと前記一対の搬出ロールの中心を結ぶ線分が直交するように設けられているようにすれば、現像部出口の一対の搬出ロールから乾燥部の搬送ロールまでの間の搬送経路は、現像部出口からの送り出し方向に略沿うこととなる。
従来の自動現像機では、図3のように現像出口の搬送ロールの中心を結ぶ線と、版の搬送ラインとを直角よりも小さい角度φにしていたが、その場合は、版の先端付近に現像液が多く絞り残りがあり、その状態のまま本発明のように現像→乾燥の処理をすると、べとついたり処理ムラの原因となった。これに対し、従来システムでは、現像後、水洗/保護剤(通称ガム)塗布の処理があるので、処理ムラがあっても問題とならなかった。
また、現像液のpHを2〜10と低pHにすれば、環境保護に寄与し、安全であるため取り扱いが容易となる。さらに、10以上の高pHの現像液は、大気中の二酸化炭素によるpHの経時変化が大きいのに対し、2〜10と低pHの現像液では、pHの経時変化が少なく、経時による現像液の疲労を考慮する必要がなくなり、自動現像装置の設計が容易となる。そして、現像液に界面活性剤を1〜15質量%添加することで、低pHにすることによる現像性の低下を補うことができる。
また、現像液に水溶性樹脂を含むことによって非画像部保護膜を形成することができる。それにより、現像後の水洗、ガム処理が不要となり廃液量を削減することができる。さらに、現像装置の小型化を図ることができると共に、現像装置の保守を容易とすることができる。
〈実施の形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る自動現像装置の構成図である。
図1に示すように、この自動現像装置2は、感光性平版印刷版(以下「PS版」という。)4を現像しかつガム処理も行なう現像部6と、現像後のPS版4を乾燥する乾燥部10とを備えている。
自動現像機を用いる場合、例えば、現像槽20内の現像液58をポンプで汲み上げてPS版4に吹き付けて処理する方式、PS版4を現像槽20内の現像液58中に浸漬して処理する方式、実質的に未使用の現像液58を一版毎に必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式のいずれの方式が一般的には用いられるが、現像液の飛散防止という観点からすれば、現像液58中に浸漬して処理する方式が優れている。自動現像装置2の現像部6は、PS版4を現像槽20内で現像液に浸漬して処理しており、搬送ローラ22およびブラシローラ24は現像槽20内の現像液58に浸る位置に設けられている。PS版4は、搬送ローラ22等により搬送される過程で、現像槽20を潜り、現像槽20内の現像液58に浸漬されて画像記録層の画像部となる部分を残し、それ以外の不要な画像記録層を現像液によって溶解除去される。
なお、ローラ硬度の測定は、JIS K6253 タイプAの測定方法によるものである。
ローラ外径は20〜200mmで、好ましくは30〜150mmである、外径が大きいと現像液の絞り性が向上するが装置が大きくなりコスト高になる。ローラ外径の中でゴム肉厚は2mm〜30mmである。好ましくは3mm〜25mm、好ましくは5mm〜20mmである。ゴム肉厚が厚いほど現像液の絞り性は向上するが芯金径が細くなりたわみが発生する。
搬送ローラは両端でニップする。そのためローラ中央は撓みのためニップ力が弱まる。そこで、ローラ形状はローラの両端に向かって薄くなっている、所謂、クラウン形状に形成されているものを使用できる。クラウン量は0.4から2.0mmが好ましい(特開平9−43809参照)。
しかも、外部タンク55をおいて現像液58を循環させているので、常時現像液の液面を一定レベルに維持することが出来、現像処理が安定する。
また、従来装置ではまだ現像能力がある現像液でも一部廃液として捨てられる構成となっていたが、本発明では現像液を循環させることで、現像液の現像能力を100%利用することができ、現像液の寿命をコントロールできる。
しかも、オーバーフローにより簡易に液面の高さをコントロールできる。
そして、水溶性樹脂を含むことによって既存の自動現像機の持つ構成部品を有効利用でき、小改良で大きな効果を得ることができる。
図2は本発明の実施の形態2に係る自動現像装置の構成図である。尚、上述した実施の形態1に係る自動現像装置2と共通する符号は同一機能を示すので、重複説明は省略する。
自現機 Haase社(ドイツ)製 TOPLINE OE40、
現像液タンク容量 92リットル、
本発明における外置きタンクの容量は8リットル、合計100リットル、
外置きタンクと本体現像タンクとの液循環用ポンプ容量は毎分200cc、
現像液: (A)水溶液1を作製した。単位は[g]である。水溶液1のpHは4.3であった。
水 8970 g
アニオン界面活性剤(下記化学式) 400 g
酵素変性馬鈴薯澱粉 400 g
ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 50 g
第一燐酸アンモニウム 10 g
クエン酸 10 g
EDTA−4−ナトリウム塩 10 g
pH 4.3、
支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミニウム表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。
その後、スプレーによる水洗を行った。
この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。
この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
・下記の下塗り化合物(1) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
・下記バインダーポリマー(1)(重量平均分子量8万) 0.54g
・重合性化合物 0.40g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(東亜合成(株)製、アロニックスM−315)
・重合性化合物
エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート 0.08g
(日本化薬(株)製、SR9035、EO付加モル数15、分子量1000)
・下記増感色素(1) 0.06g
・下記重合開始剤(2) 0.18g
・下記連鎖移動剤(1) 0.07g
・ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤 バインダーポリマー(1):10質量部、
溶剤 シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量部/20質量部/40質量部)
・熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
・下記水溶性フッ素系界面活性剤(1) 0.001g
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04g
(旭電化工業(株)製、プルロニックL44)
・テトラエチルアミン塩酸塩 0.01g
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
・メチルエチルケトン 8.0g
ポリビニルアルコール(ケン化度98モル%、重合度500) 40g
ポリビニルピロリドン(重量平均分子量5万) 5g
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(重量平均分子量7万)0.5g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.5g
水 950g
現像処理 総面積2000m2を約1ヶ月かけて現像。補充無し。現像液総使用量は100リットルであった。
自現機 Haase社(ドイツ)製 TOPLINE OE40
現像液タンク容量 92リットル
現像液 高アルカリ現像液 pH 12
処方 純水 950.0
EDTA(テトラジアミン四酢酸塩) 1.5
炭酸カリウム 2.2
KOH(48%) 1.5
ポリエチレンナフチルエーテル(C=14) 46.0
平版印刷版原版:富士フイルム社製 CTPプレート LP−NNV(光重合型CTP平版印刷版)
現像処理 総面積2000m2を約1ヶ月かけてOE40で現像。現像性能を維持するために上記現像液を補充した。総使用量は258リットルに達した。
本発明における平版印刷版原版を、350nm〜450nmの光源で画像露光した後、pHが2〜10の水溶液の存在下、擦り部材で版面を擦ることにより、保護層および非露光部の感光層を除去し、アルミニウム板支持体表面に画像を形成することができる。
本発明において用いられる水溶液は、pHが2〜10の水溶液である。例えば、水単独または水を主成分(水を60質量%以上含有)とする水溶液が好ましく、特に、一般的に公知な湿し水と同様組成の水溶液、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。特に、界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液が好ましい。該水溶液のpHは、より好ましくは4〜9.5、さらに好ましくは5〜9である。該水溶液中の界面活性剤の含有量は、好ましくは1.0質量%〜15質量%であり、さらに好ましくは2.0質量%〜10質量%である。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能であり、水溶液に、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40重量%未満が望ましい。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の水溶液中における含有量は、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
本発明に用いる平版印刷版原版について説明する。
本発明の製版方法に用いる平版印刷版原版は、露光部の感光層が硬化するネガ型感光層を有する。ネガ型感光層としては、特に限定はされないが、現像されやすさおよび良好な耐刷性が得られる点から、疎水性バインダーポリマー、重合開始剤および重合性化合物を含有するラジカル重合性の感光層が好ましい。以下、感光層の構成成分について説明する。
本発明の感光層に使用可能な疎水性バインダーポリマーとしては、非水溶性ポリマーが好ましく用いられる。さらに、本発明に使用可能な疎水性バインダーポリマーは、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基などの酸基を実質的に含有しないものが好ましく、バインダーポリマーの酸価(ポリマー1gあたりの酸含率を化学等量数で表したもの)は、0.3meq/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1meq/g以下である。
すなわち、本発明に使用可能な疎水性バインダーポリマーは、水およびpH10以上の水溶液に対し不溶であることが好ましく、疎水性バインダーポリマーの水およびpH10以上の水溶液に対する溶解度が、0.5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1質量%以下である。このような疎水性バインダーポリマーを用いることによって、感光層の膜強度、耐水性および着肉性が向上して、耐刷性の向上が得られる。
このような疎水性バインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂から選ばれる高分子が好ましい。なかでも、アクリル樹脂が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルまたはアラルキルエステルと(メタ)アクリル酸エステルのエステル残基(−COOR)のRに−CH2CH2O−単位または−CH2CH2NH−単位を含む(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が特に好ましい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好ましいアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。好ましい(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジルが挙げられる。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル酸共重合体およびポリウレタンがより好ましい。
疎水性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
疎水性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜90質量%であり、10〜70質量%であるのが好ましく、10〜60質量%であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
本発明に用いられる重合開始剤は、光または熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物である。このようなラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などから、適宜、選択して用いることができる。
きる。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこに添加してもよい。これらの重合開始剤は、感光層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは0.8〜20質量%の割合で添加することができる。
赤外線を放射する光源を用いて画像様露光を行う平版印刷版原版の感光層には、前記の重合開始剤と組み合わせて赤外線吸収剤を用いることができる。一般的に、赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有しており、この際発生した熱により、重合開始剤が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
250〜420nmの光を放射する光源を用いて画像様露光を行う平版印刷版原版の感光層には、前記の重合開始剤と組み合わせて増感色素を用いることによりラジカル発生効率を高めることもできる。
本発明における感光層に用いる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、および単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
本発明においては、上記の感光層構成成分および後述のその他の構成成分を感光層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて感光層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
本発明の感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。
以下、それらについて説明する。
本発明において、感光層には、現像性の促進および塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、現像性の向上、マイクロカプセルの分散安定性の向上などのため、親水性ポリマーを含有させることができる。
親水性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
親水性ポリマーの感光層への含有量は、感光層全固形分の20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
本発明では、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
本発明の感光層には、焼き出し画像生成のため、酸またはラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
本発明の感光層には、感光層の製造中または保存中において、ラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
本発明の感光層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
本発明の感光層は可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。可塑剤の含有量は、感光層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
本発明の感光層は、画像部の硬化皮膜強度向上のために、無機微粒子を含有してもよい。無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲内であると、感光層中に安定に分散して、感光層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、感光層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
本発明の感光層は、現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有することができる。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類およびそのエーテルまたはエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類およびその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類およびその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類およびその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類およびその塩や、テトラエチルアミン塩酸塩等の有機4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明の感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散または溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独または混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の感光層は、同一または異なる上記各成分を同一または異なる溶剤に分散、または溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<保護層>
本発明の平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)を設けることが好ましい。本発明に用いられる保護層は25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)未満で極端に低い場合は、製造時・生保存時に不要な重合反応が生じたり、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じる。逆に、酸素透過性Aが20(mL/m2・day)を超えて高すぎる場合は感度の低下を招く。酸素透過性Aは、より好ましくは1.5≦A≦12 (mL/m2・day)、更に好ましくは2.0≦A≦10.0(mL/m2・day)の範囲である。また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが望ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、本発明の平版印刷版原版における保護層には、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2-5 D4 O10(OH,F,O)2
〔ただし、AはK,Na,Caの何れか、BおよびCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSiまたはAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状な親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
せる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸ま
たはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決め
られる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することは
できないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度
5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形
成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であるのが好ましく、1.5〜4
.0g/m2であるのがより好ましい。この範囲内で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画
像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明の平版印刷版原版においては、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を設けることが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基を有する化合物が挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜30mg/m2であるのがより好ましい。
支持体に表面処理を施した後または下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、Si(OC3 H7 )4 、Si(OC4 H9 )4 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
4 感光性平版印刷版(PS版)
6 現像部
10 乾燥部
12 側板
14 挿入口
16 搬入ローラ
18 ゴムブレード
20 現像槽
22 搬送ローラ
24 ブラシローラ
26 スクイズローラ(搬出ローラ)
27 版検出センサ
28 バックアップローラ
36 乾燥手段
38 串ローラ(搬送ローラ)
40 排出口
46 通路
50 制御装置
51 制御ROM及びRAM
52 時間計測部
55 現像液貯留タンク(外部タンク)
58 現像液
60 遮蔽蓋
62 ゴムブレード
71 現像液循環用ポンプ
73 電導度センサ
74 現像液供給ポンプ
80 第1循環用配管
90 第2循環用配管
98 表示装置
99 警報装置
Claims (5)
- 支持体上の画像記録層が画像露光された平版印刷版と現像液とを接触させて該平版印刷版を現像する現像部と、現像液が付着した前記平版印刷版を乾燥させる乾燥部と、を備えた平版印刷版用自動現像装置であって、
前記乾燥部が、前記現像部の直後に設けられ、
前記現像部の出口から前記乾燥部において前記平版印刷版を搬送する搬送ロールまでの間の前記平版印刷版の搬送経路が、前記現像部の出口からの送り出し方向に沿っており、
前記搬送ロールが、前記平版印刷版の乾燥が済んだ位置に設けられていることを特徴とする平版印刷版用自動現像装置。 - 前記現像部の出口には、前記平版印刷版を送り出す一対の搬出ロールが設けられており、
前記搬送ロールが、前記一対の搬出ロールの間を通過して搬送される平版印刷版の搬送ラインと前記一対の搬出ロールの中心を結ぶ線分が直交するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版用自動現像装置。 - 前記現像液の主成分が1〜15質量%の界面活性剤を含み、かつpHが2〜10であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の平版印刷版用自動現像装置。
- 前記現像液の成分に1〜15質量%の水溶性樹脂を含むことを特徴とする請求項3に記載の平版印刷版用自動現像装置。
- 前記現像部の出口の搬出ロールのゴム硬度が20〜45度(JIS K6253 タイプAの測定方法による)であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の平版印刷版用自動現像装置。
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