JP2009207500A - ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する乳飲料 - Google Patents

ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する乳飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】 乳成分の浮上が抑制され、長期間保存しても凝集が起こらない、乳化安定性の高い乳飲料を提供する。
【解決手段】 HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳飲料であって、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が5/1〜1/5の範囲であることを特徴とする乳飲料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルを含有した乳化安定性に優れた乳飲料に関するものである。
近年、消費者の嗜好を反映してコーヒー豆本来の味を強調したコーヒー飲料が数多く製造、販売されているが、乳成分が入ったコーヒー飲料においては、保存時における乳成分の分離が従来より問題となっていた。乳成分を含有したコーヒーにおいては、長時間の保存とともに上部に乳成分が浮上する。この現象はミルクコーヒーなどではよく知られているが、時間の経過とともに浮上した乳成分が凝集、合一して、いわゆるネックリングの状態へと至る。この場合、再分散性は悪くなり、再分散後も乳成分の塊が上部に浮遊した状態となる。
特に最近では、缶入り飲料に代わり、PETボトル入り飲料が普及してきているため、乳成分の乳化安定性がより重要視されている。これは、PETボトルは透明容器なので消費者はコーヒーの外観を見ることができ、PETボトル飲料において乳成分の分離が起こった場合には、消費者に不快な印象を与え、商品価値が低下したり、クレームの原因につながる可能性があるためである。
自動販売機で加温下に長時間保存した場合でも、良好な乳化安定性と風味を維持するミルクコーヒーを製造するために、構成脂肪酸がパルミチン酸を主体とするモノエステル含量が高いHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルと構成脂肪酸がステアリン酸を主体とするHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせて添加する方法が知られている(特許文献1)。
また、PETボトル入りの乳飲料における長期間の乳化安定性を維持するために、構成脂肪酸がパルミチン酸を主体とするモノエステル含量が高いHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルと20重量%塩化ナトリウム水溶液中1重量%濃度で測定した曇点が90℃以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせて添加する方法が知られている(特許文献2)。
最近では、焙煎コーヒー豆量が多く、様々な焙煎度の豆を使用したPETボトル入り飲料が増えつつあるが、焙煎が深いコーヒー豆の抽出液と乳成分を含むコーヒー飲料では、乳成分の浮上が速くなることが知られている。
特開平7-289164号公報 特開2000-333599号公報
しかしながら、従来の技術では、焙煎コーヒー豆量が多く焙煎が深いミルクコーヒーにおいて、乳化安定性が充分満足のいくものは得られてなかった。
そこで、焙煎コーヒー豆量が多い場合や、焙煎が深いコーヒー豆を使用した場合でも、乳成分の浮上が抑制され、長期間保存しても凝集が起こらないコーヒー飲料の開発が望まれていた。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、乳飲料に特定の乳化安定剤を配合した場合に、乳成分の浮上が抑制され、乳化安定性が良好になることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳飲料であって、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が5/1〜1/5の範囲である乳飲料に存する。
本発明の別の要旨は、HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳飲料用乳化安定剤であって、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が5/1〜1/5の範囲である乳飲料用乳化安定剤に存する。
本発明の乳飲料は、特定の乳化安定剤を添加することにより、加熱殺菌後に乳成分の浮上を抑制することができ、さらに、長期保存後の乳化安定性も良好である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の乳飲料は、HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有したものである。
[HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル]
HLB10以上のショ糖脂肪酸エステルとしては、モノエステル含量は通常50重量%以上であり、構成脂肪酸としてはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。構成脂肪酸は、炭素数16〜18の脂肪酸が好ましく、飽和脂肪酸が好ましい。その中でも、乳化安定性および抗菌性の点から、70重量%以上がパルミチン酸またはステアリン酸のものが好ましく、モノエステル含量が70重量%以上であり、構成脂肪酸の80重量%以上がパルミチン酸であるショ糖脂肪酸エステルが最も好ましい。HLBは、15以上が好ましく、16以上が更に好ましい。HLBは通常22以下であり、好ましくは18以下である。HLB10以上のショ糖脂肪酸エステルの乳飲料への添加量としては、0.03〜0.1重量%が好ましい。
[ポリグリセリン脂肪酸エステル]
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。その中でも、炭素数14〜18の脂肪酸が好ましく、飽和脂肪酸が好ましい。特にミリスチン酸を主成分とするものが好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重合度としては、通常平均重合度が2〜20、好ましくは平均重合度が4〜12である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、20重量%塩化ナトリウム水溶液中1重量%で測定した曇点範囲が80以上であるものが好ましく、特に、20重量%塩化ナトリウム水溶液中1重量%で測定した曇点範囲が90℃以上である高親水性のポリグリセリン脂肪酸エステルが最も好ましい。
このような曇点範囲を有するポリグリセリン脂肪酸エステルは、通常ポリグリセリンに対して脂肪酸の仕込比率を小さくし、アルカリ触媒存在下に、180〜260の温度で反応させることにより得られる。一般に、仕込み比率は脂肪酸がポリグリセリン脂肪酸エステルに対して2モル倍以下であり、アルカリ金属触媒はK2CO3,KOH,Na2CO3,NaOHなどをポリグリセリンに対して5×10-7〜1モル倍用いる。
20重量%塩化ナトリウム水溶液中1重量%で測定した曇点範囲が90℃以上のポリグリセリン脂肪酸エステルは、通常、アルカリ触媒の量を減じ(例えば、K2CO3,KOH,Na2CO3,NaOHなど、ポリグリセリンに対して5×10-7〜0.1モル倍用いる)て、2段階反応で後半の温度を高める方法、例えば、反応温度180〜260でのエステル化反応後に、さらに反応温度を10〜50℃上昇させて1〜4時間反応させる方法を用いることができる(特開平7−145104号公報参照)。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(以下、「PoGE」と略することがある)の分析には、これまで種々の化学的分析方法が用いられてきた。例えば、エステル化度や残存脂肪酸量を把握するため、酸価、ケン化価、水酸基価がしばしば用いられ、また、石鹸あるいは残存触媒量を知るための灰分の分析等による評価方法も用いられてきた。しかし、PoGEの原料のポリグリセリン(以下、「PoG」と略することがある)は、グリセリンの重縮合物であり、精製が困難であるため、重合度分布を有し、直鎖状重合体ばかりでなく分岐重合体や環状重合体等を含む。従って、そのエステル体であるPoGEは、PoG骨格が異なる種々のエステル化度のPoGEと未反応PoGとを含む組成物となる。さらに、PoGEには、エステル化反応に使用されるアルカリ触媒と原料の脂肪酸との反応で生ずる副生成物の石鹸や、エステル化反応が不十分な場合及び化学量論量を超えた脂肪酸が過剰に使われた場合等には未反応の脂肪酸が含まれることもある。
このように、PoGEは複雑な混合物であるために、従来の化学分析では、PoGEの総合的特性を特定することが困難であった。例えば、PoGEの平均エステル化度が近似又は同じであっても、乳化安定性等の物性が格段に異なることもあり、平均エステル化度や未反応PoG等従来の化学的分析手法のみでは物性を十分に把握できず、物性評価方法において不都合が生じていた。そこで、ポリグリセリン脂肪酸エステル組成物の総合的特性規定として、近年「曇点」が採用されている。
一般に曇点は、エチレンオキシドより誘導された非イオン界面活性剤水溶液が温度の上昇により2相に分離し不均質となる現象の起こる温度として定義され、ポリオキシエチレン系界面活性剤の物性評価方法として良く知られている(油脂用語辞典:日本油化学協会編(幸書房))。曇点はポリグリセリン脂肪酸エステルの構造・組成に敏感であり、脂肪酸石鹸を反映するので、親水性の程度や組成の違いをより正確に識別することができる。さらに、簡便に測定できることからポリグリセリン脂肪酸エステル組成物の特徴を代表する物性としてもっとも優れている。従って、ポリグリセリン脂肪酸エステル組成物においては、曇点はHLB(親水性と疎水性のバランス)等よりも有用な指標になる。
ポリグリセリンは多数の水酸基を持つために、ポリオキシエチレン系の界面活性剤と比較すると、PoGEは全般的に曇点が高く、水の沸点を超えることもある。その様な場合、適当な塩水溶液を用いることにより、容易に測定することができる(特開平9−157386号)。通常、親水性が高いほど曇点は高くなり、エステル化率が同じであってもモノエステル含量が多いほど曇点は高くなる。
曇点測定法としては、通常、1〜30重量%の塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム水溶液にポリグリセリン脂肪酸エステルを溶解した後、測定する必要がある。その条件は対象となる試料の溶解性により異なるが、本発明の場合、先ず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1重量%となるように20重量%塩化ナトリウム水溶液に分散し、加熱しながら攪拌し、均一な水溶液とする。そして得られたポリグリセリン脂肪酸エステル均一水溶液を、0℃以上100℃以下の任意の温度で2〜5℃刻みに振とう攪拌・静置し、ポリグリセリン脂肪酸エステルが油状あるいはゲル状の如く分離し、不均一水溶液となった状態を測定する。この不均一状態を「曇点」と呼び、本発明ではその温度を求める。0℃未満では氷
の融点以下、100℃を超えると水の沸点以上になるため、正確な曇点測定が困難となる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの乳飲料への添加量は、通常、0.01〜0.1重量%である。
[HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル]
HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルとしては、モノエステル含量は、通常0重量%以上50重量%以下、好ましくは30重量%以上50重量%以下であり、ジエステル以上のエステル含量は、通常50重量%以上100重量%以下、好ましくは50重量%以上70重量%以下である。構成脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられる。その中でも、炭素数14〜18の脂肪酸が好ましく、飽和脂肪酸が好ましい。その中でも、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸のものが好ましく、特に、乳飲料の沈殿防止の目的に使用されているモノエステル含量が30重量%、ジエステル以上のエステル含量が70重量%であり、構成脂肪酸の70重量%以上がステアリン酸であるショ糖脂肪酸エステルが最も好ましい。水への分散性を考慮した場合、HLBは通常5以上であり、9以下であることが好ましい。HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの乳飲料への添加量は、通常、0.01〜0.1重量%である。
本発明の乳飲料における各成分の添加量は、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が99/1〜1/99であることが好ましく、5/1〜1/5であることが更に好ましい。特に、この重量比が1/1である時が最も好ましく、乳成分の浮上抑制に効果がある。ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10以上のショ糖脂肪酸エステルとの重量比は、特に制限はないが、通常0.5〜1/1、好ましくは0.6〜0.7/1である。
[コーヒー抽出液]
本発明の乳飲料で用いるコーヒー豆は特に限定されず、同一の種類のコーヒー豆を使用しても、2種類以上のコーヒー豆を混合して用いてもよい。通常は焙煎されたコーヒー豆が使用される。焙煎の方法としては、直火式焙煎機や熱風式焙煎機などの装置を使用し、200〜300℃の温度で目標のL値になるまで加熱を行う。
L値とはコーヒー豆の焙煎の程度を表す指標として用いられている。L値はコーヒー焙煎豆の明度を色差計で測定した値であり、黒をL値0で、白をL値100で表す。従って、コーヒー焙煎豆の焙煎が深いほど焙煎豆の色は黒っぽくなるためL値は低い値となり、コーヒー飲料の苦みが強くなる。逆に、焙煎が浅いほどL値は高い値となり、酸味が強くなる。通常、コーヒー飲料の製造には、L値が15〜35の焙煎度のコーヒー豆が使用されるが、L値が15未満では、コーヒー飲料の苦みが強く好ましくない。L値が35を超えると酸味が強くなり好ましくない。
次に焙煎されたコーヒー豆を所定の粒度となるように、コーヒーミルなどを用いて粉砕し、熱水で抽出を行う。具体的には、通常、粉砕したコーヒー豆を90〜98℃の熱水中に投入し、10分間ほど攪拌後、濾過により不溶分を取り除くことにより、コーヒー抽出液が得られる。
本発明の乳飲料は、コーヒー抽出液の含有量は生豆換算で通常5〜10重量%であり、好ましくは5〜7重量%である。コーヒー抽出液の含有量が生豆換算で5重量%未満の場合には、本発明の乳化安定剤の組み合わせであっても、乳成分の浮上の抑制が不十分となる場合がある。また、コーヒー抽出液の含有量が生豆換算で10重量%を超える場合には、コーヒーの苦みが強すぎてミルクコーヒーとして好ましくない。
[乳成分]
本発明の乳飲料に用いる乳成分としては、牛乳、全脂粉乳、スキンミルクパウダー、フレッシュクリーム等が挙げられるが、脱脂粉乳などの蛋白質とバターやミルクオイル等の乳脂とを個別に加えて調整してもよい。中でも牛乳は粉乳よりも口当たりの滑らかさが損なわれないため好ましく用いることができる。乳飲料中の乳成分の含量は、牛乳換算で通常4〜60重量%、好ましくは8〜25重量%である。
[その他の成分]
本発明の乳飲料には、その他の乳化安定剤、砂糖、香料、ビタミンなどの公知の配合剤等を加えてもよい。その他の乳化安定剤として、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド等を例示できる。
[乳飲料]
本発明の乳飲料としては、ミルクコーヒー、ミルクティー等が挙げられるが、ミルクコーヒーであることが好ましい。
[乳飲料の調製方法]
本発明の乳飲料は、通常、HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳化安定剤を予め調製し、これと他の成分とを混合することにより調製する。この乳化安定剤には、乳飲料に加えるその他の成分を含有させてもよい。乳化安定剤中に含まれるHLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルの合計の含有率は、通常50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは90〜100重量%である。乳化安定剤中に含まれる各乳化剤の配合比率は、通常、上述の乳飲料中の各乳化剤の配合比率と同じである。本発明の乳化安定剤の乳飲料に対する添加量は通常0.05〜0.3重量%である。尚、本発明の乳飲料は、HLB10未満のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10以上のショ糖脂肪酸エステルを、個別に他の成分と混合することによっても調製することができる。
本発明の乳飲料は、通常、コーヒーや紅茶抽出液と砂糖および牛乳等の乳成分を混合した後、乳化安定剤の水溶液を混合し、さらに重曹を加えてpHを調整した後にホモジナイザーを用いて均質化処理を行なう。
通常、乳飲料のpHを調整するために加熱殺菌前にpH調整剤(炭酸水素ナトリウム等)が添加されるが、炭酸水素ナトリウムの添加量が多いと、炭酸水素ナトリウムの加熱臭が生じ、コーヒー本来の香りが変化するため、ミルクコーヒーのpHとしては5.0〜7.0が好ましく、6.0〜6.6がより好ましい。
このようにして調製した乳飲料は加熱による殺菌が施される。殺菌方法は、レトルト殺菌、UHT殺菌のいずれでもよいが、本発明では、UHT殺菌を施すのが好ましい。本発明で用いるUHT殺菌は、殺菌温度130〜150℃で、121℃の殺菌価(F0)が10〜50に相当するような超高温殺菌である。UHT殺菌は飲料に直接蒸気を吹き込むスチームインジェクション式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームインフュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチューブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方法で行うことができ、例えばプレート式殺菌装置を用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、比、%および部いずれも重量比、重量%および重量部を表す。
[実施例1〜3]
L値26の焙煎コーヒー豆(コロンビアEX)0.65kgを95の脱塩水6.5kgで
抽出し、コーヒー抽出液を得た。コーヒー抽出液6kg、牛乳0.8kg、グラニュー糖0.5kg、及び表−1に記載の乳化安定剤0.007kgを脱塩水0.993kgに50℃で溶解して調製した水溶液を加えて全量を10kgとした。この溶液に重曹を加えて殺菌後のpHが6.4となるように調整し、これを高圧ホモジナイザーを用いて60〜70℃の温度で150kg/50kgの圧力で均質化後、プレート式UHT殺菌装置(日阪製作所STS-100)により殺菌温度137℃、殺菌時間(ホールド時間)60秒の条件で殺菌し(F0=40)、無菌状態で500mlPETボトルに充填し、冷却することによりミルクコーヒーを得た。
殺菌直後のコーヒーについて、HOLIBA社製、LA−500によりメジアン粒径(粒径の出現頻度の合計が50%となる粒径)測定を行った。また、FormulAction社製、TurbiScan MA2000によりクリームオフ量(乳化安定性)について評価した。さらに、これらのミルクコーヒーを40℃で2ヶ月保存し、乳成分の浮上により液面に形成したミルクリングの再分散性について評価した。評価結果を表−1に示す。
[比較例1]
表―1に記載の乳化安定剤を用いた以外は、実施例1〜3と同様に行った。評価結果を表−1に示す。
[比較例2]
表―1に記載の乳化安定剤を用いた以外は、実施例1〜3と同様に行った。評価結果を表−1に示す。
なお、表−1における乳化安定性は以下のように評価した。
<Turbiscan MA2000によるクリームオフ量の測定>
光源を一定時間間隔でサンプル管の上下方向にスキャンすることにより、サンプルからの後方散乱光を検出し、測定時間に対して後方散乱光強度の変化率を観測することにより、クリームオフの状態を把握することができる。サンプル管上部の測定により、クリームオフ量の情報が得られる。時間とともに後方散乱光強度の変化率が正に大きくなるほどクリームオフ量が多く、乳化安定性は劣る。そこで、乳成分浮上速度(測定時間と後方散乱光強度の変化率をプロットして得られる直線の傾き)を算出し、表−1における乳化安定性を次のように評価した。
*クリームオフ量評価基準
◎:乳成分浮上速度が4dB(%)/day未満
○:乳成分浮上速度が4dB(%)/day以上5dB(%)/day未満
△:乳成分浮上速度が5dB(%)/day以上6dB(%)/day未満
×:乳成分浮上速度が6dB(%)/day以上
dB(%)は後方散乱光強度の変化率であるdeltaBackscatteringの略
なお、表−1におけるミルクリング再分散性は以下のように評価した。
*ミルクリング再分散性評価基準
◎:軽く揺らしただけで分散する
○:暫く揺らすと分散する
△:クリームが壁面に付着し分散しにくい
Figure 2009207500

Claims (7)

  1. HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳飲料であって、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が5/1〜1/5の範囲であることを特徴とする乳飲料。
  2. ポリグリセリン脂肪酸エステルが、20重量%塩化ナトリウム水溶液中1重量%濃度で測定した曇点が80℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の乳飲料。
  3. UHT殺菌された請求項1〜2のいずれかに記載の乳飲料。
  4. 乳飲料がミルクコーヒーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳飲料。
  5. 含有されるコーヒー抽出液が、L値が15〜35の焙煎度のコーヒー豆より抽出されたものであることを特徴とする請求項4に記載の乳飲料。
  6. コーヒー抽出液の含有量が生豆換算で5〜10重量%である請求項4または5に記載の乳飲料。
  7. HLB10以上のショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びHLB10未満のショ糖脂肪酸エステルを含有する乳飲料用乳化安定剤であって、ポリグリセリン脂肪酸エステル/HLB10未満のショ糖脂肪酸エステルの重量比が5/1〜1/5の範囲であることを特徴とする乳飲料用乳化安定剤。
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