JP3106935B2 - 缶入りミルク飲料およびその製造方法 - Google Patents

缶入りミルク飲料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はミルク成分を含有す
る缶入り飲料に関し、特に振盪直後に有効な消泡効果が
得られ、開缶時の缶外への噴き出しを防止できるように
した缶入り飲料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ミルクコーヒーやミルクティ
ーなどに代表されるミルク成分を含有する飲料(以下、
ミルク飲料という)が缶入りで販売されている。飲料を
充填する缶の材質は、鉄またはアルミがほとんどであ
り、缶胴と缶蓋の2部分で構成された2ピースアルミ
缶、2ピース鉄缶の場合には、薄肉化された缶胴のへこ
みを防止するために、缶内に窒素を充填することにより
缶内を陽圧にする技術が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、2ピー
ス陽圧缶を用いた缶入り飲料の場合、消費者が開缶前に
缶を振盪したり、あるいは自動販売機からの取り出し時
や運搬時に缶が振盪された場合に、缶内のヘッドスペー
スに相当量の泡が発生し、開缶と同時に泡が飛沫となっ
て缶の開口部から外方へ噴き出すことがあるという問題
があった。特にミルク飲料は、これに含まれている牛乳
蛋白質の主成分であるカゼインが起泡しやすい成分であ
るうえに、内容物を均一に分散させるために開缶前によ
く振盪させることが一般的に行なわれる。このことか
ら、ミルク飲料を陽圧缶に充填する際には、振盪によっ
て発生した泡が開缶時に缶外へ噴き出してしまうのが大
きな問題であり、このことが缶入りミルク飲料において
2ピース陽圧缶を採用する際のネックとなっていた。
【0004】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、陽圧缶に充填されたミルク飲料を振盪直後に開缶し
ても、内容物の缶外への噴き出しを防止できるようにし
た缶入りミルク飲料およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の請求項1記載の缶入りミルク飲料は、ミルク
成分と消泡用乳化剤と分散用乳化剤とを含有し、陽圧缶
に充填された飲料であって、前記消泡用乳化剤が平均粒
子径4.5〜9μmの状態で分散されていることを特徴
とするものである。また請求項2記載の缶入りミルク飲
料は、ミルク成分とHLB値が7以下の消泡用乳化剤と
HLB値が10以上の分散用乳化剤とを含有し、陽圧缶
に充填された飲料であって、動的表面張力が55mN/
m以下であることを特徴とするものである。本発明の缶
入りミルク飲料は、ミルク成分と消泡用乳化剤と分散用
乳化剤とを含有する調合液をホモジナイザーで均質化処
理する工程を有する缶入りミルク飲料の製造方法におい
て、ホモジナイザーを通過した後の消泡用乳化剤の平均
粒子径が4.5〜9μmとなるように均質化処理条件を
設定することによって好適に製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の缶入りミルク飲料は、ミルク成分を含有する飲
料であって、陽圧缶に充填されたものである。本発明に
係るミルク飲料には消泡用乳化剤および分散用乳化剤が
添加されている。本発明で用いられる消泡用乳化剤は、
ミルク飲料に添加して消泡効果が得られるものであり、
例えばHLB値が7以下のショ糖脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂
肪酸エステル等の脂肪酸エステルが好適に用いられる。
消泡用乳化剤は、表面張力が低く、HLB値が低いもの
が好ましい。また2種以上の消泡用乳化剤を混合して用
いてもよい。また本発明で用いられる分散用乳化剤は、
消泡用乳化剤をミルク飲料に分散させるために添加され
るもので、例えばHLB値が10以上のショ糖脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の脂肪酸エス
テルが好適に用いられる。また2種以上の分散用乳化剤
を混合して用いてもよい。
【0007】ミルク飲料に含有される消泡用乳化剤の量
は、合計で10〜600ppmの範囲から好ましく選択
される。消泡用乳化剤の含有量がこれよりも多いとフレ
ーバー的に好ましくなく、またこれよりも少ないと消泡
効果が低いので好ましくない。ミルク飲料に含有される
分散用乳化剤の量は、合計で5〜100ppmの範囲か
ら好ましく選択される。分散用乳化剤の含有量がこれよ
りも多いと起泡性を高めてしまい、また少ないと消泡効
果が低いので好ましくない。
【0008】そして本発明の缶入りミルク飲料は、消泡
用乳化剤が平均粒子径4.5〜9μmの状態で好ましく
分散されている。本発明において、消泡用乳化剤の平均
粒子径は、例えば消泡用乳化剤が分散されている溶液を
少量ガラスプレートに滴下し、純水で2〜3倍に薄め、
光学顕微鏡を用いて200倍で写真撮影をし、写真上に
写された全ての粒子について粒子径を計測し、その重量
平均粒度分布を求めることによって好適に測定すること
ができる。このように光学顕微鏡を用いて粒子径を測定
する場合は、被測定溶液が透明であることが好ましく、
したがって、ミルク飲料の製造条件を予め設定するため
に粒子径を測定する場合等は、ミルク飲料の代わりに、
ミルク飲料中の起泡しやすい成分であるカゼインをミル
ク飲料と同程度に含むカゼイン溶液を好ましく用いるこ
とができる。
【0009】以下、本発明のミルク飲料において、消泡
用乳化剤の平均粒子径を4.5〜9μmの範囲に好まし
く調製する理由について説明する。すなわち、ミルク飲
料中の消泡用乳化剤による消泡効果は、消泡用乳化剤の
平均粒子径によって変化し、したがって、消泡用乳化剤
を最適な粒子径で分散させることが望ましい。図11は
後述するように消泡用乳化剤の平均粒子径と、陽圧缶に
充填されたミルク飲料の振盪後開缶時の噴き出し量との
関係を示したものである。
【0010】ここで、本発明におけるミルク飲料の噴き
出し量の値は以下の試験法により得られるものをいう。
まず、ミルク飲料250gを液体窒素滴下法を用いて陽
圧缶に充填する。このときの充填内圧は2.0kg/cm2
(29℃において)とし、充填後のヘッドスペースは1
5mmとし、次にミルク飲料を充填した陽圧缶を125
℃で、30分間レトルト処理する。この後、この陽圧缶
を、振盪機を用いて17.8Gの加速度、25cmの振
幅で、10回振盪し、3秒後に開缶して開缶時の噴き出
し量を測定する。
【0011】図11に示されるように、消泡用乳化剤の
粒子径が比較的小さい領域では、粒子径が大きくなるに
従って噴き出し量が低下する傾向が見られるが、粒子径
がある大きさ以上になると、噴き出し量を低減させる効
果が得られないことが認められる。一般に、ミルク飲料
を陽圧缶に充填し振盪直後に開缶したときの噴き出し量
の許容範囲は0.4g以下とされており、したがって、
これを達成するためには消泡用乳化剤の平均粒子径を
4.5〜9.0μmの範囲とするのが好ましい。ところ
で、缶入りミルク飲料中における消泡用乳化剤の粒子径
は、ミルク飲料調製時のホモジナイザーを通過する過程
でほぼ決まる。したがって、ホモジナイザーによる均質
化処理条件を、消泡性乳化剤の粒子径が好適な値となる
ように調整することによって、最終製品である缶入りミ
ルク飲料中の消泡用乳化剤の平均粒子径を、好ましい範
囲とすることができる。
【0012】また本発明の缶入りミルク飲料は、動的表
面張力の値が55mN/m以下となるように好ましく調
製されている。本発明における動的表面張力の値とは、
以下に説明する最大気泡圧法により測定したもので、気
泡生成速度0.83秒における値をいう。
【0013】図1は、最大泡圧法による動的表面張力の
測定装置の例を示す概略構成図である。図中符号51は
被測定溶液、52はテフロンチューブ、53は圧力セン
サをそれぞれ示す。テフロンチューブ52は、その先端
部が被測定溶液51の水面に対して垂直になるように、
被測定溶液51中に挿入されている。またこのテフロン
チューブ52にコンプレッサー(図示せず)から空気や
不活性ガスを送気して被測定溶液51内に泡を発生させ
るようになっている。そして泡が発生する速度を例えば
1秒間に1〜10個まで変化させるとともに、そのとき
の泡の内部の圧力を圧力センサ53で検知するようにな
っている。圧力センサ53で検知される泡内部の圧力の
最大値は、動的表面張力に比例しており、Laplac
eの式により被測定溶液の動的表面張力の値が求められ
る。すなわち、泡内部の圧力の最大値をPmax、テフロ
ンチューブ52の先端における水圧(テフロンチューブ
2の先端の深さによる)をP0、テフロンチューブ52
の内径をrとするとき、動的表面張力σは、σ=(Pma
x−P0)r/2で求められる。
【0014】以下、本発明のミルク飲料の動的表面張力
を55mN/m以下に好ましく調製する理由について説
明する。すなわち本発明者らは、ミルク飲料の動的表面
張力の値が、陽圧缶に充填されたミルク飲料の振盪後開
缶時の噴き出し量と相関関係にあり、動的表面張力の値
によってミルク飲料に添加されている消泡性乳化剤の消
泡効果を評価することができることを知見した。図13
は後述するように、ミルク飲料に相当するカゼイン溶液
に消泡用乳化剤および分散用乳化剤を添加した被測定溶
液の噴き出し量と動的表面張力との関係(気泡生成速度
0.83秒)を示すものである。このように噴き出し量
と動的表面張力との間には相関関係があることが認めら
れる。一般に、ミルク飲料を陽圧缶に充填し振盪直後に
開缶したときの噴き出し量の許容範囲は0.4g以下と
されており、したがってこれを達成するためには消泡用
乳化剤が分散されたミルク飲料の気泡生成速度0.83
秒における動的表面張力の値を、55mN/m以下とす
るのが好ましい。
【0015】ここで、消泡用乳化剤による消泡効果を評
価するのに動的表面張力が好適である理由は次のように
考えられる。すなわち、界面活性物質(消泡用乳化剤)
による消泡のメカニズムは、界面活性物質の泡膜への
吸着、侵入、拡張、破泡の4つの過程に分けられ
ることが知られている(S. Ross : J. Phys. Colloid C
hem., 54, 429 (1950))。したがってミルク飲料を振盪
した直後に大きな消泡効果を得るには、泡膜への吸着速
度が速い消泡用乳化剤を用いるのが有効であると考えら
れる。そして、この消泡用乳化剤の泡膜への吸着は、動
的表面張力測定時の泡内部の圧力の減少として検出する
ことができる。したがって動的表面張力の値が小さいほ
どより多くの消泡用乳化剤が泡膜に吸着していることを
示し、より大きな消泡効果が得られることがわかる。ま
た泡の発生速度が速い状態で動的表面張力が小さいほど
消泡用乳化剤の泡膜への吸着速度が速く、振盪後の速い
段階で有効な消泡効果が得られると考えられる。これに
対して静的表面張力は、溶液中に界面活性物質(消泡用
乳化剤)を添加して平衡に達した後の値であるので、こ
れを用いて振盪直後の消泡効果を評価することはできな
いと考えられる。
【0016】ミルク飲料の動的表面張力は、消泡用乳化
剤および分散用乳化剤の種類および含有量、消泡用乳化
剤の平均粒子径によって変化する。したがって、ミルク
飲料に添加する消泡用乳化剤の選定、およびホモジナイ
ザーによる均質化処理条件の設定を適宜行なうことによ
り、動的表面張力の値を好適な値とすることができる。
【0017】本発明の缶入りミルク飲料は、例えば次の
ようにして製造することができる。図2は、ミルク飲料
としてミルクコーヒーを例にとり、缶入りミルクコーヒ
ーを製造する工程の例を示した工程図である。まず、予
め次のようにして消泡剤を調製する。すなわち、分散用
乳化剤を常温の水に分散させた後、70℃±2℃に昇温
する。この分散液に、予め溶融しておいた消泡用乳化剤
を添加し、液温を70℃±3℃に保持した状態で、約1
0分間攪拌する。この攪拌は、例えばハンドミキサーま
たはスターラーを好適に用いて行ない、分散用乳化剤の
分散液と消泡用乳化剤の溶融液とが完全に混ざるように
攪拌する。この後、液温70℃±3℃にて1時間保持し
た後、急冷し、さらにエタノールを添加して軽く混合し
て消泡剤とする。
【0018】缶入りコーヒーを製造するには、まず、コ
ーヒ豆を15〜95℃で抽出し、得られた抽出液を冷却
後、ネル袋にて濾過する。この濾液に重ソウ、砂糖、全
粉乳および脱粉乳、コーヒーフレーバーを加え、さらに
予め調製した消泡剤を添加して調合し、調合液とする。
次いでこの調合液をホモジナイザーに投入し、均質化処
理を行なう。図3はホモジナイザーの例を示した概略構
成図であり、図4はディスク部を説明するための断面図
である。図中符号1は投入部、2はシリンダー部、3は
ディスク部、4は圧力計をそれぞれ示す。これらの図
中、矢印はコーヒー調合液の流れを示している。
【0019】このホモジナイザーにおいて、投入部1か
ら投入されたコーヒー調合液は、シリンダー部2から、
ディスク部3へ送り出される。ディスク部3へ送られる
調合液の圧力は圧力計4によって測定されるようになっ
ている。ディスク部3は高圧用ディスク部11および低
圧用ディスク部21を備えており、それぞれのディスク
部11,21における調合液の圧力を高圧用ハンドル1
2、低圧用ハンドル22で制御できるようになってい
る。そして調合液は、まずディスク部3の入口10から
高圧用ディスク部11へ送られ、高圧用ディスク13が
保持するオリフィスにより遠心力とせん断力を受けなが
ら高圧用ディスク部11内を通過し、続いて低圧用ディ
スク部21へ送られる。低圧用デイスク部21で、調合
液は低圧用ディスク23が保持するオリフィスにより遠
心力とせん断力を受けながら低圧用ディスク部21内を
通過して出口5から吐出されるようになっている。
【0020】本発明において、コーヒ調合液は、このホ
モジナイザーによる均質化工程において、消泡用乳化剤
の平均粒子径が4.5〜9μmに好ましく調整される。
すなわち、高圧用ディスク部11および低圧用デイスク
部21における調合液の圧力を調整することによって、
各ディスク部11,21へ送られてディスク13,23
に接触する部分(図中符号14,24で示す)を通過す
る際の粒子径が制御されるので、これによってホモジナ
イザーから吐出されるコーヒー調合液中の消泡用乳化剤
の平均粒子径が4.5〜9μmとなるように調整する。
そして、このようにして均質化処理され、消泡用乳化剤
の粒子径が調整されたコーヒー調合液に対して、さらに
フラッシュバスト、150メッシュトレーナーによる濾
過を行ないミルク飲料とする。得られたミルク飲料を液
体窒素滴下法を用いて陽圧缶に充填し、巻き締めした
後、121℃で30分間レトルト処理することによっ
て、缶入りミルク飲料製品が得られる。
【0021】以下、実験例を示して本発明の効果を明ら
かにする。以下の実験例においては、ミルク飲料の代り
に、ミルク飲料中の起泡しやすい成分であるカゼインを
0.87wt%含有する溶液を用いることがある。 (被測定溶液調製例)以下のようにして、カゼイン0.
87wt%、消泡用乳化剤200ppm、分散用乳化剤
25ppmを含有する被測定溶液を調製した。消泡用乳
化剤としては、食品添加物として認められており、表面
張力が低く、HLB値が0に近い親油性の乳化剤である
ショ糖ラウリン酸エステル(L195;三菱化学株式会
社製)を、また分散用乳化剤としては、変敗防止を主目
的としてミルクコーヒーに添加されている乳化剤である
ショ糖パルミチン酸エステル(P1670;三菱化学株
式会社製)を用いた。
【0022】まずカゼイン8.7gを、0.1N−Na
OH 387mlに溶かして全体を1000gとし、ス
タラーで全体が透明になるまで攪拌した後、1N/HC
lを用いてpH6.6になるように調製してカゼイン溶
液とした。これとは別に、分散用乳化剤としてP167
0を1.5g計り取り、これに純水48gを加えてスタ
ーラーで均一に分散させた後、70℃の湯煎中で全体が
透明になるまで攪拌した。この溶液に、さらに消泡用乳
化剤としてL195を12gを加え、ハンドミキサーま
たはスターラーを用いて70℃の湯煎中で約10分間攪
拌した。このようにして得られた乳化剤のエマルション
溶液を、上記カゼイン溶液に対して、L195の濃度が
200ppmとなるように加え、スターラで約30分間
攪拌したものを被測定溶液(0.87%−カゼイン、2
00ppm−L195、25ppm−P1670溶液)
とした。尚、以下の実験例で用いられる乳化剤の種類や
添加量が異なる被測定溶液についても、同様の手順で調
製することができる。
【0023】(参考例1)図5は、上記被測定溶液調製
例1で得られた被測定溶液(0.87%−カゼイン、2
00ppm−L195、25ppm−P1670溶液)
(図中○で示す)、および乳化剤を含有しない0.87
%−カゼイン溶液(図中●で示す)について、測定温度
と泡立ち量との関係を調べた結果を示したものである。
泡立ち量の測定は、被測定溶液を約100ml計り取
り、これを底にボールフィルタを備えたメスシリンダー
に入れ、底からN2ガスを300ml/分の流量で送気
し、20秒後の泡体積を読み取った。この図に示される
ように、測定温度25℃において、L195およびP1
670を添加したことによる消泡効果が顕著に認められ
る。このことから、以下の実験例において、乳化剤とし
てL195および/またはP1670を用いた場合に
は、測定温度を25℃に設定した。
【0024】(参考例2)図6は、ミルク飲料の泡立ち
量と、このミルク飲料を陽圧缶に充填し振盪直後に開缶
したときの噴き出し量とを測定した結果を示したもので
ある。ミルク飲料はL195の粒子径およびP1670
の濃度を変えて数種類調製し、それぞれのミルク飲料溶
液について泡立ち量と噴き出し量を測定した。この図に
示されるように噴き出し量と泡立ち量との間には相関関
係があることが認められる。したがって、ミルク飲料の
泡立ち量を低減させることができれば、すなわち消泡用
乳化剤による消泡効果が得られれば、缶入りミルク飲料
の噴き出しを防止することができることが認められる。
【0025】(実験例1)以下のようにして、ミルク飲
料中に分散している消泡用乳化剤の粒子径の調整を行な
った。すなわち、上記被測定溶液調製例1において、乳
化剤のエマルション溶液をカゼイン溶液に加えてこれら
を攪拌混合する際の攪拌速度を変えて、3種類の被測定
溶液a,b,cを調製した。図7〜図9は、このように
して得られたそれぞれの被測定溶液の光学顕微鏡写真で
あり、図7は被測定溶液a、図8は被測定溶液b、図9
は被測定溶液cである。攪拌力(攪拌速度)はa>b>
cである。この写真上に写されている粒子は、L195
であることがさらなる実験により確認された。またこの
写真上に写された全ての粒子について、粒子径を測定し
た。その結果得られた各被測定溶液a,b,c中におけ
るL195の粒度分布を図10に示す。被測定溶液aの
平均粒子径は3.1μm、被測定溶液bの平均粒子径は
5.0μm、被測定溶液cの平均粒子径は7.1μmで
あった。これの結果より、消泡用乳化剤が受ける攪拌力
を変えることによって、消泡用乳化剤の平均粒子径を調
整できることが認められる。
【0026】(実験例2)図11は、消泡用乳化剤の平
均粒子径と噴き出し量の関係を調べた結果を示したもの
である。尚、平均粒子径の制御は上記実験例1と同様に
攪拌速度を変えて行なった。図11において、○は消泡
用乳化剤としてL195を添加した被測定溶液(0.8
7%−カゼイン、200ppm−L195、25ppm
−P1670溶液)の測定結果を示したものである。測
定温度は25℃とした。この結果より、L195の平均
粒子径が7μm付近において噴き出し量が最も少ないこ
とが認められる。またL195の平均粒子径が約4〜9
μmの範囲内であれば、噴き出し量が0.3g以下とな
ることが認められる。
【0027】(実験例3)上記実験例2において、消泡
用乳化剤としてL195に代えてショ糖ステアリン酸エ
ステル(S170;三菱化学株式会社製)を用いた他は
同様にして、消泡用乳化剤の平均粒子径と噴き出し量の
関係を調べた。その結果を図11に●で示す。ただし、
本実験例においては起泡を阻止する効果は消泡剤の融点
付近で最もよく発揮されることから測定温度を62.5
℃とした。この結果より、S170の平均粒子径が5μ
m付近において噴き出し量が最も少ないことが認められ
る。またS170の平均粒子径が約3〜7μmの範囲内
であれば、噴き出し量が0.3g以下となることが認め
られる。
【0028】(実験例4)界面への吸着という観点か
ら、ミルク飲料中における消泡用乳化剤と他の成分との
相互作用を明らかにするために、以下の実験を行なっ
た。すなわち、下記の水、カゼイン溶液、L195を添
加した溶液、およびP1670を添加した溶液を被測定
溶液として用い、動的表面張力を測定した。 被測定溶液 0.87wt%カゼイン溶液 被測定溶液 0.87wt%カゼイン+200ppm
L195溶液 被測定溶液 0.87wt%カゼイン+25ppmP
1670溶液 被測定溶液 0.87wt%カゼイン+200ppm
L195+25ppmP1670溶液 被測定溶液 純水 被測定溶液 25ppmP1670水溶液 被測定溶液 200ppmL195水溶液
【0029】動的表面張力の測定は、図1に示した最大
泡圧法を原理とする装置(動的表面張力計BP2、CR
USS社製)を用いて行なった。なお、被測定溶液中へ
の送気には内径1.4mmのテフロン製のキャピラリー
を用い、その先端の水面からの深さは10mmとした。
また被測定溶液の温度は25℃±0.3℃に制御した。
気泡生成速度を0.05〜0.83秒/個の範囲で変化
させて、被測定溶液の動的表面張力を測定した。その結
果を図12に示す。
【0030】またこれとは別に、上記被測定溶液〜
について静的表面張力を測定した。静的表面張力の測定
は、Wilhelmy法を原理とする自動表面張力計K
12(CRUSS社製)を用いて行なった。被測定溶液
をスターラーで60秒間攪拌した後、経時的に表面張力
を測定し、30回目の値を測定値として図12中にあわ
せてプロットした。尚、被測定溶液の温度は25℃と
し、1回当りの測定時間は20秒とした。
【0031】図12において、被測定溶液、、、
およびを比べると、純水に対して、P1670のみ
を添加した溶液、およびL195のみを添加した溶液
は、わずかに動的表面張力の値を低減させたに過ぎな
かったが、カゼインのみを添加した溶液は純水に比
べて顕著に動的表面張力の値を下げている。一方、静的
表面張力については、P1670のみを添加した溶液
、およびL195のみを添加した溶液は非常に低い
値となっている。このことから、純水中においてP16
70およびL195は界面への吸着速度が遅いが、平衡
状態では界面に多く吸着しており、これに対してカゼイ
ンは比較的吸着速度が速いと考えられる。
【0032】またカゼイン溶液とカゼイン+L195
溶液とを比較すると、両者の動的表面張力はほぼ同様
に変化していることから、この動的表面張力の測定を行
なった気泡生成時間内では、カゼインのみが界面に吸着
し、カゼイン溶液中のL195は吸着していないと考え
られる。ただし、静的表面張力はカゼイン溶液に比べ
てカゼイン+L195溶液は大きく低減しているの
で、平衡状態ではカゼイン溶液中のL195も界面に吸
着していると考えられる。カゼイン溶液とカゼイン+
P1670溶液を比較すると、気泡生成時間が0.5
秒以上の領域でカゼイン+P1670溶液が動的表面
張力を大きく下げている。またP1670水溶液と比
べても、カゼイン+P1670溶液は動的表面張力を
大きく下げている。このことからP1670はカゼイン
と共存することにより、界面への吸着速度を速める性質
を有すると考えられる。
【0033】さらにカゼイン+L195+P1670溶
液は、カゼイン+P1670溶液に比べて、気泡生
成時間が0.5秒以上の領域で動的表面張力を更に数m
N/m下げている。そして上述のように、L195水溶
液およびカゼイン+L195溶液では、L195に
よる動的表面張力を下げる効果は得られていないことか
ら、消泡用乳化剤として用いられるL195は、カゼイ
ンおよびP1670と共存することにより吸着速度を速
め、振盪直後の消泡効果が得られると考えられる。ま
た、このような溶液の組成の違いによる消泡用乳化剤の
吸着速度の差異は、気泡生成時間が好ましくは0.05
〜0.83秒、特に好ましくは0.83秒のときの動的
表面張力の値に顕著に反映されていることが認められ
る。
【0034】(実験例5)図13は、上記実験例4にお
いて、各被測定溶液の動的表面張力の差異が顕著であっ
た気泡生成速度0.83秒における動的表面張力の値
と、噴き出し量の関係を調べた結果を示したものであ
る。被測定溶液としては、カゼイン濃度が0.87wt
%、L195濃度が200ppm、P1670の濃度が
0、8.3ppm、または25ppmの溶液を用いた。
P1670の濃度を変化させることにより、あるいはL
195をカゼイン溶液に分散させる際の攪拌条件を変化
させることにより被測定溶液の動的表面張力を変化させ
た。動的表面張力の測定は、上記実験例4と同様に行な
った。この図に示されるように噴き出し量と動的表面張
力との間には相関関係があり、気泡生成速度0.83秒
における動的表面張力の値が51mN/m以下であれ
ば、噴き出し量が0.3g以下となることが認められ
る。
【0035】(実験例6)図14は、上記実験例1で消
泡用乳化剤の粒子径の調整を行なった被測定溶液a,
b,cの動的表面張力および静的表面張力を測定した結
果を示すものである。尚、比較のために、L195およ
びP1670を添加しない0.87%カゼイン溶液につ
いても同様に測定し、●でプロットした。この図に示さ
れるように、L195の平均粒子径が大きいほど、動的
表面張力の値が大きく低下している。そして、被測定溶
液b(平均粒子径5.0μm)、および被測定溶液c
(平均粒子径7.1μm)は、気泡生成速度0.83秒
における動的表面張力が51mN/m以下であることか
ら、その噴き出し量が0.3g以下であると考えられ
る。このことは上記実験例2の結果と一致する。
【0036】(比較実験例1)分散用消泡剤(P167
0)を添加しない溶液(0.87wt%カゼイン+20
0ppmL195溶液)について、平均粒子径を変化さ
せて動的表面張力の測定を行なった。上記実験例1にお
いて、P1670を添加しない以外は同様にして、3種
類の被測定溶液d,e,fを調製した。上記実験例1と
同様にして各被測定溶液d,e,f中におけるL195
の粒度分布を測定したところ、図15のような結果が得
られた。被測定溶液dの平均粒子径は4.6μm、被測
定溶液eの平均粒子径は5.7μm、被測定溶液fの平
均粒子径は6.2μmであった。
【0037】図16は、これらの被測定溶液d,e,f
の動的表面張力および静的表面張力を測定した結果を示
すものである。尚、比較のために、L195を添加しな
い0.87%カゼイン溶液の動的表面張力を測定し、●
でプロットした。この結果より、カゼイン+L195の
溶液中に分散用消泡剤が共存しない場合には、L195
の粒子径の差異が動的表面張力に与える効果はほとんど
見られなかった。また51mN/m以下の動的表面張力
の値も得られなかった。このことからミルク飲料中にお
いて、消泡用乳化剤は分散用乳化剤と共存することによ
りはじめて消泡効果を発揮できることが認められる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)ミルクコーヒーに消泡用乳化剤(L195
+S170)および分散用乳化剤(1670)を添加し
てミルク飲料を調製し、これを陽圧缶に充填して缶入り
ミルク飲料を製造した。ミルク飲料中のL195の濃度
は50ppm、S170の濃度は50ppm、P167
0の濃度は10ppmとした。製造に先立ち、ホモジナ
イザーによる均質化条件を設定した。すなわち、得よう
とするミルク飲料中におけるL195およびS170の
平均粒子径が約4.5〜9.0μmとなるようにホモジ
ナイザーのディスク部の圧力を設定した。
【0039】まず、消泡剤を調製した。すなわち、P1
670を常温の水に分散させた後、70℃±2℃に昇温
し、これに予め溶融しておいたL195およびS170
の混合物を添加し、液温を70℃±3℃に保持した状態
で、約10分間攪拌した。この攪拌はハンドミキサーを
用い、両液が完全に混ざるように攪拌した。この後、液
温70℃±3℃にて1時間保持した後、急冷し、さらに
エタノールを添加して軽く混合して消泡剤を得た。
【0040】缶入りコーヒーを製造するには、まず、コ
ーヒ豆を15〜95℃で約30分ほど抽出し、得られた
抽出液を冷却後、ネル袋にて濾過した。この濾液に重ソ
ウ、砂糖、全粉乳および脱粉乳、コーヒーフレーバーを
加え、さらに予め調製した消泡剤を添加して調合し、調
合液とした。ここで、全粉乳の添加量は0.8wt%、
脱粉乳の添加量は1.7wt%とし、消泡剤の添加量は
L195、S170、およびP1670が所定の濃度と
なるように添加した。次にこの調合液をホモジナイザー
に投入し、予め設定した圧力条件で均質化処理を行なっ
た。処理温度は50〜60℃とした。この後、さらにフ
ラッシュバスト、150メッシュトレーナーによる濾過
を行ないミルク飲料を得た。得られたミルク飲料を液体
窒素滴下法を用いて陽圧缶に充填し、巻き締めした後、
121℃で30分間レトルト処理を行ない缶入りミルク
飲料製品とした。
【0041】得られたミルク飲料中のL195およびS
170の平均粒子径を測定したところ5.0〜7.0μ
mであった。また得られたミルク飲料の動的表面張力
(気泡生成速度0.83秒)を測定したところ、測定温
度25℃における値は51mN/m、測定温度62.5
℃における値は47mN/mであった。さらに、缶入り
ミルク飲料の噴き出し量を測定したところ、25℃にお
いて0.320g、62.5℃において0.0115g
であった。
【0042】(比較例1)上記実施例1において、ホモ
ジナイザーによる均質化条件を、得ようとするミルク飲
料中におけるL195およびS170の平均粒子径が約
3.0〜4.0μmとなるように設定した他は同様にし
てミルク飲料を調製し、陽圧缶に充填して缶入りミルク
飲料を得た。得られたミルク飲料中のL195およびS
170の平均粒子径を測定したところ3.5μmであっ
た。また得られたミルク飲料の動的表面張力(気泡生成
速度0.83秒)を測定したところ、測定温度25℃に
おける値は60mN/m、測定温度62.5℃における
値は57mN/mであった。さらに、缶入りミルク飲料
の噴き出し量を測定したところ、25℃において1.1
7g、62.5℃において0.420gであった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1記
載の缶入りミルク飲料は、ミルク成分と消泡用乳化剤と
分散用乳化剤とを含有し、陽圧缶に充填された飲料であ
って、前記消泡用乳化剤が平均粒子径4.5〜9μmの
状態で分散されていることを特徴とするものである。し
たがって、消泡用乳化剤の粒子径が消泡効果を得るのに
好ましい範囲に調整されているので、消泡用乳化剤によ
る消泡効果を効率よく得ることができる。そして消泡用
乳化剤の粒子径をこの範囲に調整すれば、陽圧缶に充填
された缶入りミルク飲料を振盪直後に開缶しても、内容
物の缶外への噴き出しを防止することができる。
【0044】本発明の請求項2記載の缶入りミルク飲料
は、ミルク成分とHLB値が7以下の消泡用乳化剤とH
LB値が10以上の分散用乳化剤とを含有し、陽圧缶に
充填された飲料であって、動的表面張力が55mN/m
以下であることを特徴とするものである。消泡用乳化剤
による消泡効果は動的表面張力の値によって好適に評価
することができ、ミルク飲料に消泡用乳化剤と分散用乳
化剤を添加して、動的表面張力の値がこの範囲となるよ
うに調製すれば、陽圧缶に充填された缶入りミルク飲料
を振盪直後に開缶しても、内容物の缶外への噴き出しを
防止することができる。
【0045】本発明の缶入りミルク飲料の製造方法は、
ミルク成分と消泡用乳化剤と分散用乳化剤とを含有する
調合液をホモジナイザーで均質化処理する工程を有する
缶入りミルク飲料の製造方法において、ホモジナイザー
を通過した後の消泡用乳化剤の平均粒子径が4.5〜9
μmとなるように均質化処理条件を設定することを特徴
とするものである。したがって、消泡用乳化剤の粒子径
を、消泡効果を得るのに好ましい範囲に調整することが
でき、消泡用乳化剤による消泡効果を効率よく得ること
ができる。そして消泡用乳化剤の粒子径をこの範囲に調
整することによって、陽圧缶に充填された缶入りミルク
飲料を振盪直後に開缶しても、内容物が缶外へ噴き出す
のを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る動的表面張力を測定する装置の
例を示した概略構成図である。
【図2】 本発明に係る缶入りミルクコーヒーの製造例
を示す工程図である。
【図3】 本発明で好適に用いられるホモジナイザーの
例を示した概略構成図である。
【図4】 図3のホモジナイザーのディスク部を説明す
るための断面図である。
【図5】 本発明に係る参考例で得られた泡立ち量と測
定温度との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明に係る参考例で得られた泡立ち量と噴
き出し量との関係を示すグラフである。
【図7】 本発明に係る実験例で得られた粒子径を測定
するための光学顕微鏡写真である。
【図8】 本発明に係る実験例で得られた粒子径を測定
するための光学顕微鏡写真である。
【図9】 本発明に係る実験例で得られた粒子径を測定
するための光学顕微鏡写真である。
【図10】 本発明に係る実験例で得られた粒度分布を
示すグラフである。
【図11】 本発明に係る実験例で得られた平均粒子径
と噴き出し量との関係を示すグラフである。
【図12】 本発明に係る実験例で得られた動的表面張
力および静的表面張力の測定結果を示すグラフである。
【図13】 本発明に係る実験例で得られた動的表面張
力と噴き出し量との関係を示すグラフである。
【図14】 本発明に係る実験例で得られた動的表面張
力および静的表面張力の測定結果を示すグラフである。
【図15】 比較実験例における粒度分布を示すグラフ
である。
【図16】 比較実験例における動的表面張力および静
的表面張力の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
100 ホモジナイザー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 貞雄 静岡県駿東郡小山町菅沼1500番地 三菱 マテリアル株式会社 アルミ缶開発セン ター内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 9/15 - 9/158 A23L 2/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミルク成分と消泡用乳化剤と分散用乳化
    剤とを含有し、陽圧缶に充填された飲料であって、前記
    消泡用乳化剤が平均粒子径4.5〜9μmの状態で分散
    されていることを特徴とする缶入りミルク飲料。
  2. 【請求項2】 ミルク成分とHLB値が7以下の消泡用
    乳化剤とHLB値が10以上の分散用乳化剤とを含有
    し、陽圧缶に充填された飲料であって、動的表面張力が
    55mN/m以下であることを特徴とする缶入りミルク
    飲料。
  3. 【請求項3】 ミルク成分と消泡用乳化剤と分散用乳化
    剤とを含有する調合液をホモジナイザーで均質化処理す
    る工程を有する缶入りミルク飲料の製造方法において、
    ホモジナイザーを通過した後の消泡用乳化剤の平均粒子
    径が4.5〜9μmとなるように均質化処理条件を設定
    することを特徴とする缶入りミルク飲料の製造方法。
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KR20050084764A (ko) * 2002-12-03 2005-08-29 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 슈크로오스 지방산 에스테르와 폴리글리세린 지방산 에스테르를 함유하는 우유 음료
JP6071551B2 (ja) * 2012-12-28 2017-02-01 麒麟麦酒株式会社 発酵発泡ワイン様二酸化炭素吹込飲料及びその製造方法
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