JP2002119211A - L値24以下の焙煎コーヒー豆より得られるコーヒー抽出液及び乳成分を含有する均一なコーヒー - Google Patents
L値24以下の焙煎コーヒー豆より得られるコーヒー抽出液及び乳成分を含有する均一なコーヒーInfo
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Abstract
ーヒー抽出液及び乳成分を含有する均一なコーヒーの提
供。 【解決手段】20%塩化ナトリウム水溶液中1重量%濃
度で測定した曇点が80℃以上であるポリグリセリン脂
肪酸エステル、又は有機酸モノグセリドのアルカリ金属
塩を含有するコーヒー。上記にHLB5〜9の蔗糖脂脂
肪酸エステルを含有するもの、更にL値が24以下の焙
煎コーヒー豆より得られるコーヒー抽出液、乳成分及び
HLB10以上の蔗糖脂肪脂酸エステルを含有するコー
ヒー。上記のコーヒー抽出液と乳成分を含有した液をU
HT処理するコーヒーの製造方法。
Description
ものである。詳しくは、乳成分を含有し、乳化剤を添加
することにより乳成分相とコーヒー相の2相分離が抑制
されたコーヒーに関するものである。
豆本来の味を強調したコーヒー飲料が数多く製造、販売
されているが、乳成分が入ったコーヒー飲料において
は、保存時における乳成分の分離が従来より問題となっ
ていた。乳成分を含有したコーヒーにおいては、長時間
の保存とともに上部に乳成分が浮上する。この現象はミ
ルクコーヒーなどではよく知られているが、時間の経過
とともに浮上した乳成分が凝集、合一して、いわゆるネ
ックリングの状態へと至る。この場合、再分散性は悪く
なり、再分散後も乳成分の塊が上部に浮遊した状態とな
る。
Tボトル入り飲料が普及してきているため、乳成分の乳
化安定性がより重要視されている。これは、PETボト
ルは透明容器なので消費者はコーヒーの外観を見ること
ができ、PETボトル飲料において乳成分の分離が起こ
った場合には、消費者に不快な印象を与え、商品価値が
低下したり、クレームの原因につながる可能性がある。
コーヒー豆量が多く、様々な焙煎度の豆を使用したPE
Tボトル入り飲料が増えつつあるが、焙煎が深いL値2
4以下の焙煎コーヒー豆の抽出液と乳成分を含むコーヒ
ーをUHT殺菌すると、乳成分相とコーヒー相が2相に
分離する現象が見られていた。
の抽出液と乳成分を含み、乳成分相とコーヒー相が相分
離せず、かつ長期間保存しても乳成分の凝集が起こらな
いコーヒーの開発が望まれていた。
L値が24以下の焙煎コーヒー豆の抽出液および乳成分
を含有するコーヒーに、特定の乳化安定剤を添加した場
合に、乳成分相とコーヒー相の2相分離が完全に抑制で
き、さらに、乳化安定性も良好であることを見出し、本
発明に到達した。
以下の焙煎コーヒー豆より得られるコーヒー抽出液、乳
成分、及び20%塩化ナトリウム水溶液中1重量%濃度
で測定した曇点が80℃以上であるポリグリセリン脂肪
酸エステルを含有するコーヒーに存する。第2の要旨
は、L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得られるコー
ヒー抽出液、乳成分、及び有機酸モノグリセリドのアル
カリ金属塩を含有するコーヒーに存する。
ヒー豆より得られるコーヒー抽出液、乳成分、HLB5
〜9の蔗糖脂肪酸エステル、及びHLB10以上の蔗糖
脂肪酸エステルを含有するコーヒーに存する。第4の要
旨は、L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得られるコ
ーヒー抽出液と乳成分を含有した液をUHT処理するこ
とを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のコー
ヒーの製造方法に存する。
本発明のコーヒーは、L値24以下のコーヒー焙煎豆よ
り得られるコーヒー抽出液、乳成分、および特定の乳化
安定剤を含有する。L値とはコーヒー豆の焙煎の程度を
表す指標として用いられている。L値はコーヒー焙煎豆
の明度を色差計で測定した値であり、黒をL値0で、白
をL値100で表す。従って、コーヒー焙煎豆の焙煎が
深いほど焙煎豆の色は黒っぽくなるためL値は低い値と
なり、コーヒー飲料の苦みが強くなる。逆に、焙煎が浅
いほどL値は高い値となり、酸味が強くなる。
5〜35の焙煎度のコーヒー豆が使用されるが、2相分
離が問題となるコーヒー焙煎豆のL値は24以下であ
る。L値が24を越えると、UHT殺菌を行っても2相
分離は起こらず、通常の乳成分含有コーヒーに見られる
ような乳成分が均一に分散した状態となる。おそらく、
L値24以下の焙煎コーヒー豆からは電解質が多く抽出
され、この電解質の影響により、相分離が起こるものと
推定される。尚、L値が15未満では、コーヒー飲料の
苦みが強く好ましくない。
ず、同一の種類のコーヒー豆を使用しても、2種類以上
のコーヒー豆を混合して用いてもよい。焙煎の方法とし
ては、直火式焙煎機や熱風式焙煎機などの装置を使用
し、200〜300℃の温度でL値が24以下になるま
で加熱を行う。次に焙煎されたコーヒー豆を所定の粒度
となるように、コーヒーミルなどを用いて粉砕し、熱水
で抽出を行う。具体的には、粉砕したコーヒー豆を90
〜98℃の熱水中に投入し、10分間ほど攪拌後、濾過
により不溶分を取り除くことにより、コーヒー抽出液が
得られる。
は、牛乳、全脂粉乳、スキンミルクパウダー、フレッシ
ュクリーム等が挙げられるが、脱脂粉乳などの蛋白質と
バターやミルクオイル等の乳脂とを個別に加えて調整し
てもよい。中でも牛乳は粉乳よりも口当たりの滑らかさ
が損なわれないため好ましく用いることができる。本発
明のコーヒーは、コーヒー抽出液の含有量は生豆換算で
5〜10重量%であることが好ましく、乳成分の含有量
が牛乳換算で4〜25重量%であることが好ましい。
ために、乳化安定剤として、20%塩化ナトリウム水溶
液中1重量%で測定した曇点範囲が80℃以上のポリグ
リセリン脂肪酸エステルを含有することが好ましい。ポ
リグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと脂肪酸
との反応により得られるエステル体と未反応ポリグリセ
リンの混合物である。ポリグリセリン脂肪酸エステル中
の残存ポリグリセリンの量は、70重量%以下であるこ
とが好ましい。このような曇点範囲を有するポリグリセ
リン脂肪酸エステルを得るためにはポリグリセリンに対
して脂肪酸の仕込比率を小さくし、アルカリ触媒存在下
に、180〜260℃の温度で反応させることにより得
られる。一般に、仕込み比率は脂肪酸がポリグリセリン
脂肪酸エステルに対して2モル倍以下であり、アルカリ
金属触媒はK2CO3,KOH,Na2CO3,NaOHな
どをポリグリセリンに対して5x10−7〜1モル倍用
いる。
重量%で測定した曇点範囲が90℃以上のものがより好
ましく、通常、アルカリ触媒の量を減じ(例えば、K2
CO 3,KOH,Na2CO3,NaOHなど、ポリグリ
セリンに対して5×10−7〜0.1モル倍用いる)
て、2段階反応で後半の温度を高める方法、例えば、反
応温度180〜260℃でのエステル化反応後に、さら
に反応温度を10〜50℃上昇させて1〜4時間反応さ
せる方法を用いることができる。(特開平7−1451
04号公報参照)。
塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウム水溶液にポリグリセ
リン脂肪酸エステルを溶解した後、測定する必要があ
り、その条件は対象となる試料の溶解性により異なる
が、本発明の測定法について説明する。本発明の場合、
先ず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1重量%となる
ように20重量%塩化ナトリウム水溶液に分散し、加熱
しながら攪拌し、均一な水溶液とする。そして得られた
ポリグリセリン脂肪酸エステル均一水溶液を、0℃以上
100℃以下の任意の温度で2〜5℃刻みに振とう攪拌
・静置し、ポリグリセリン脂肪酸エステルが油状あるい
はゲル状の如く分離し、不均一水溶液の状態になる温度
を測定する。この温度が本発明でいうところの「曇点」
である。0℃未満では氷の融点以下、100℃を越える
と水の沸点以上となるために、正確な曇点測定が困難と
なる。本明細書では、100℃でも不均一水溶液になら
ない場合、曇点≧100℃と表す。曇点80℃以上と
は、曇点が80〜100℃の範囲にある場合及び100
℃でも不均一水溶液にならない場合を含む。
脂肪酸の具体例としては、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸などの炭素数
14〜22の飽和または不飽和の脂肪酸が挙げられ、特
にミリスチン酸を主成分とするものが好ましい。ポリグ
リセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの重
合度としては、通常、平均重合度が2〜20、好ましく
は平均重合度が4〜12である。
測定した曇点が80℃以上のポリグリセリン脂肪酸エス
テルのコーヒーへの添加量は、通常、0.01〜0.1
重量%である。本発明のコーヒーは、2相分離を抑制す
るために、乳化安定剤として下記一般式(1)で表され
る有機酸モノグリセリドのアルカリ金属塩を好ましく用
いることができる。
2つ以上のカルボキシル基を有する多価カルボン酸から
1個のカルボキシル基を除いた残基を表す。) 式中、R1CO−は脂肪酸残基であり、脂肪酸の具体例
としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、オレイン酸などの炭素数8〜22の飽和または不
飽和の脂肪酸が挙げられるが、飲料中で使用する場合は
風味の点からステアリン酸を主成分とするものが好まし
い。
多価カルボン酸から1個のカルボキシル基を除いた残基
であり、この多価カルボン酸としては、例えばコハク
酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、
アジピン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸などが
挙げられるが、中でも通常食品用途に使用されるコハク
酸、クエン酸、ジアセチル酒石酸を好ましく用いること
ができ、特にコハク酸が好ましい。
ン酸やコハク酸などの酸無水物と構成脂肪酸の炭素数が
8〜22の脂肪酸モノグリセリドを反応させることによ
り得られる。反応は通常、無溶媒条件下で行われ、例え
ば無水コハク酸と構成脂肪酸の炭素数が18のモノグリ
セリドの反応では、温度120℃前後において90分程
度で反応が完了する。このとき、脂肪酸モノグリセリド
が完全に融解してから酸無水物を添加するのが好まし
い。また、酸無水物と脂肪酸モノグリセリドの比率は重
量比で1/1〜2/1がよく、酸無水物が少ない場合は
未反応の脂肪酸モノグリセリドが多量に存在し、一方酸
無水物が多すぎると脂肪酸モノグリセリドに有機酸が2
分子結合したものや他のエステル化など多数の副反応が
おこることから好ましくない。脂肪酸モノグリセリドは
構成脂肪酸の炭素数が同じものを使用しても炭素数が異
なるものを複数混合したものを用いてもよい。また、有
機酸の酸無水物も同種の有機酸から得られる酸無水物を
使用しても複数の有機酸から得られる酸無水物を用いて
もよい。さらに、反応中は生成物の着色、臭気を防止す
るために、反応器内を不活性ガスで置換することが好ま
しい。かくして得られた酸無水物と脂肪酸モノグリセリ
ドとの反応混合物は、有機酸モノグリセリドの他に有機
酸、未反応モノグリセリド、ジグリセリド、その他オリ
ゴマーを有している。本発明においては、このような混
合物をそのまま用いても構わないが、有機酸モノグリセ
リドの純度を高めたい場合は、蒸留モノグリセリドとし
て市販されているものが使用できる。
られた前記一般式(1)で表される有機酸モノグリセリ
ドを無機酸のアルカリ金属塩により中和して使用する。
この場合、有機酸モノグリセリドを予め中和したものも
使用できるが、有機酸モノグリセリドとアルカリ金属塩
を粉体の状態で混合し、この粉体混合物を水と混合し、
水中で有機酸モノグセリドのアルカリ金属塩を生成させ
る方が、有機酸モノグリセリドの分解を押さえることか
らも好ましい。
アルカリ金属塩であり、例えば炭酸水素カリウム、炭酸
カリウムなどのようなカリウム塩、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムのようなナトリウム塩を用いること
ができるが、中でも炭酸カリウムを用いると有機酸モノ
グリセリド水溶液の粘度を低下させることができ、好ま
しい。
対して当量中和できる量だけ添加するのが好ましく、添
加量が少なすぎる場合は有機酸モノグリセリドのカルボ
ン酸部分のイオン化が不十分であるために水中で上手く
分散せず、添加量が多すぎる場合は、水中に分散した時
に系全体のpHに悪影響をおよぼし、その結果、コーヒ
ーの風味が悪くなることがある。
有量は、通常、コーヒー中0.001〜0.1重量%で
ある。上述の様に、乳化安定剤として、20%塩化ナト
リウム水溶液中1重量%濃度で測定した曇点が80℃以
上であるポリグリセリン脂肪酸エステル、または有機酸
モノグセリドのアルカリ金属塩を含有させる場合には、
抗菌剤としてHLBが10以上のショ糖脂肪酸エステル
を併用することが好ましい。本発明のコーヒーは、乳成
分を含有するために、UHT殺菌を行なってもコーヒー
中に耐熱芽胞菌が残存する可能性があるためである。併
用するショ糖脂肪酸エステルとしては、モノエステル含
量が50%以上であり、構成脂肪酸の70%以上がパル
ミチン酸またはステアリン酸のものが好ましく、特に、
抗菌性を有する乳化剤として広く利用されている、モノ
エステル含量が70%以上であり、構成脂肪酸の80%
以上がパルミチン酸であるショ糖脂肪酸エステルが最も
好ましい。ショ糖脂肪酸エステルの添加量としては、
0.03〜0.1重量%が好ましい。HLBは15以上
が好ましく、一般には17以下である。
ために、HLB5〜9のショ糖脂肪酸エステル及びHL
B10以上のショ糖脂肪酸エステルを併用することがで
きる。HLB5〜9のショ糖脂肪酸エステルとしては、
モノエステル含量が30%以上50%以下であり、かつ
ジエステル以上のエステル含量が50%以上70%以下
であり、構成脂肪酸の70%以上がステアリン酸のもの
が好ましく、特に乳飲料の沈殿防止の目的に使用されて
いるモノエステル含量が30%、ジエステル以上のエス
テル含量が70%であり、構成脂肪酸の70%以上がス
テアリン酸であるショ糖脂肪酸エステルが最も好まし
い。
しては、モノエステル含量が50%以上であり、構成脂
肪酸の70%以上がパルミチン酸またはステアリン酸の
ものが好ましく、特に、抗菌性を有する乳化剤として広
く利用されている、モノエステル含量が70%以上であ
り、構成脂肪酸の80%以上がパルミチン酸であるショ
糖脂肪酸エステルが最も好ましい。HLB5〜9のショ
糖脂肪酸エステルの添加量としては0.01〜0.1重
量%が好ましく、HLB10以上のショ糖脂肪酸エステ
ルの添加量としては、0.03〜0.1重量%が好まし
い。HLBは15以上が好ましく、一般には17以下で
ある。
剤、砂糖、香料、ビタミンなどの公知の配合剤等を加え
てもよい。その他の乳化安定剤として、レシチン、リゾ
レシチン、ジグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル等を添加して例示できる。通常、コーヒー
のpHを調整するために加熱殺菌前にpH調整剤(炭酸水素
ナトリウム等)が添加されるが、炭酸水素ナトリウムの
添加量が多いと、炭酸水素ナトリウムの加熱臭が生じ、
コーヒー本来の香りが変化する。このため、アイスコー
ヒーのpHとしては、5.0〜7.0が好ましく、6.0〜6.6がよ
り好ましい。
ーヒー豆より得られたコーヒー抽出液と砂糖および牛乳
等の乳成分を混合した後、乳化剤の水溶液を混合し、さ
らに重曹を加えてpHを調整した後にホモジナイザーを
用いて均質化処理を行なう。このようにして調製したコ
ーヒー飲料は加熱による殺菌が施されるが、本発明で
は、UHT殺菌を施す。本発明で用いるUHT殺菌は、殺
菌温度130〜150℃で、121℃の殺菌価(F0)が1
0〜50に相当するような超高温殺菌である。UHT殺
菌は飲料に直接蒸気を吹き込むスチームインジェクショ
ン式や飲料を水蒸気中に噴射して加熱するスチームイン
フュージョン式などの直接加熱方式、プレートやチュー
ブなど表面熱交換器を用いる間接加熱方式など公知の方
法で行うことができ、例えばプレート式殺菌装置を用い
ることができる。
〜40分といったレトルト殺菌を施した場合には2相分
離が起こらないため本発明は達成されない。レトルト殺
菌した場合に相分離が起こらないのは、レトルト殺菌の
方がUHT殺菌よりも殺菌の条件が過酷であるため、そ
の熱エネルギーにより乳脂肪の表面の蛋白質が熱分解さ
れ、熱分解された蛋白質自体が乳化剤として機能するた
めであると推定される。
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。また、比、%および
部はいずれも重量比、重量%および重量部を表す。 [製造例]デカグリセリン(平均重合度9.15、平均分子
量695、水酸基価900)188g(0.27モル)とミリスチン酸
(純度99%、平均分子量228)62g(0.27モル)を加熱ジ
ャケット付き攪拌型反応槽に仕込み、25%水酸化ナトリ
ウム0.025g(対原料合計0.0025wt%)を加えて、窒素気
流下、240℃に昇温して3時間反応させた後、更に260℃
で4時間反応させてデカグリセリンミリスチン酸エステ
ル234gを得た。 [実施例1〜4]L値24の焙煎コーヒー豆(コロンビ
アEX)500gを95℃の脱塩水5000gで抽出し、
コーヒー抽出液を得た。コーヒー抽出液2917g、牛
乳600g、グラニュー糖300g、及び表1に記載の
乳化剤5gを脱塩水495gに50℃で溶解して調製し
た水溶液を加えて全量を5000gとした。この溶液に
重曹を加えて殺菌後のpHが6.6となるように調整
し、これを高圧ホモジナイザーを用いて60〜70℃の
温度で150kg/50kgの圧力で均質化後、プレー
ト式UHT殺菌装置(日阪製作所STS-100)により殺菌
温度137℃、殺菌時間(ホールド時間)60秒の条件
で殺菌し(F0=40)、無菌状態で350mLPET
ボトルに充填し冷却することによりミルクコーヒーを得
た。得られたミルクコーヒーを5℃で保存してもミルク
相とコーヒー相の2相分離は観察されなかった。
径(粒径の出現頻度の合計が50%となる粒径)測定を
行い、ミルク相の安定性について評価した。粒径測定は
HOLIBA社製、LA−500を用いた。また、Fo
rmalAction社製、TurbiScan MA2
000によりクリームオフ量(乳化安定性)を測定し
た。評価結果を表1に示す。 [比較例1]乳化安定剤を添加しない以外は、実施例1
〜4と同様に行った。殺菌直後にミルク相とコーヒー相
の2相分離が観察された。評価結果を表1に示す。 [比較例2]乳化安定剤としてステアリン酸モノグリセ
リドを添加した以外は、実施例1〜4と同様に行った。
しかし、殺菌直後にミルク相とコーヒー相の2相分離が
観察された。評価結果を表1に示す。 [比較例3]乳化安定剤としてデカグリセリンステアリ
ン酸エステルBを添加した以外は、実施例1〜4と同様
に行った。殺菌後5℃で保存するとミルク相とコーヒー
相の2相にやや分離した。評価結果を表1に示す。な
お、表1における乳化安定性は以下のように評価した。
るクリームオフ量の測定>光源を一定時間間隔でサンプ
ル管の上下方向にスキャンすることにより、サンプルか
らの後方散乱光を検出し、測定時間に対して後方散乱光
強度の変化率を観測することにより、クリームオフの状
態を把握することができる。サンプル管上部の測定によ
り、クリームオフ量の情報が得られる。時間とともに後
方散乱光強度の変化率が正に大きくなるほどクリームオ
フ量が多く、乳化安定性は劣る。そこで、表1における
乳化安定性を次のように評価した。
%未満 △:25時間での後方散乱光強度の変化率が8%以上1
0%未満 ×:25時間での後方散乱光強度の変化率が10%以上
することにより、加熱殺菌後にコーヒー相と乳成分相の
2相分離を抑制することができ、さらに、乳化安定性も
良好であるため、消費者に不快な印象を与えることも無
い。
Claims (5)
- 【請求項1】L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得ら
れるコーヒー抽出液、乳成分、及び20%塩化ナトリウ
ム水溶液中1重量%濃度で測定した曇点が80℃以上で
あるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するコーヒー - 【請求項2】L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得ら
れるコーヒー抽出液、乳成分、及び有機酸モノグリセリ
ドのアルカリ金属塩を含有するコーヒー - 【請求項3】HLB10以上の蔗糖脂肪酸エステルを含
有する請求項1または2に記載のコーヒー - 【請求項4】L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得ら
れるコーヒー抽出液、乳成分、HLB5〜9の蔗糖脂肪
酸エステル、及びHLB10以上の蔗糖脂肪酸エステル
を含有するコーヒー - 【請求項5】L値が24以下の焙煎コーヒー豆より得ら
れるコーヒー抽出液と乳成分を含有した液をUHT処理
することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載
のコーヒーの製造方法。
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