JP2009022247A - 培養容器及び培養組織回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞シートを移植用の支持体に容易に載置できる培養容器を提供する。
【解決手段】培養容器1は、一体的に形成された基底板2と側板3を有する。基底板2の上面2aには培養板4が載置されている。培養板4の上面には培養面4aが形成されている。培養面4aは温度応答性を有する。細胞シートは培養面4a上にて培養される。細胞シートが培養されたら、細胞シートを培養板4とともに取り出し、細胞シートの上面を支持体Uに貼り付ける。続いて、温度を低下させて細胞シートと培養面4aとの接着力を低下させることにより細胞シートを支持体に移す。
【選択図】図1

Description

この発明は、医学、生物学、生化学等の分野において組織の培養に用いられる培養容器、及び、それにより培養された組織の回収方法に関する。
培養容器は、生体組織から採取された細胞、細菌、カビ等の各種組織の培養に広く用いられている。代表的な培養容器としてペトリ皿(Petri Dish)がある。ペトリ皿は、組織が培養される面(培養面)を有する底板と、培養面を取り囲むように底板の周端に形成された側壁とを有する。底板は円盤状に成形されたものが多い。
ペトリ皿は、ポリスチレン(polystyrene)等の高分子素材からなり、射出成形法等の加工法により成形される。また、電離放射線を照射して高分子の結合を分断することにより、培養面の構造の方向性を除去したペトリ皿が普及している。更に、薬剤等を用いて培養面をコーティングすることにより、培養面に機能を持たせたペトリ皿も開発されている(たとえば特許文献1、2を参照)。
ペトリ皿で組織(特に細胞)を培養する場合、その培養工程はもちろん、培養された組織をペトリ皿から回収する工程も次のような理由から重要である。
培養中の細胞は、細胞外マトリクス(extracellular matrix)と呼ばれる結合組織を細胞膜外に形成する。細胞外マトリクスは、接着タンパクを分泌する。この接着タンパクは細胞同士を接着し、それによりシート状に増殖した細胞組織(細胞シート)が得られる。
また、接着タンパクは、細胞と培養面を接着するようにも作用する。したがって、細胞シートを回収する際には、細胞と培養面との接着を解除する必要がある。そのために、従来では接着タンパクを分解する酵素を培養液中に添加していた。
しかし、この分解酵素は細胞間の接着タンパクをも分解するため、細胞シートを形成する細胞がバラバラに分離してしまう。そのため、細胞が懸濁した状態の培養液を遠心分離器にかけるなどして細胞を回収していた。
一方、培養された細胞シートをシート形状のまま使用したいとの要望が従来からあった。しかし、上記のような以前の培養手法ではこの要望に応えることはできなかった。
近年、この状況を打開する技術が開発された。それは、ペトリ皿の培養面に温度応答性を持たせるものである(たとえば特許文献1を参照)。温度応答性とは、培養される組織に対する接着力が温度に応じて変化する性質である。
温度応答性を持つ培養面は、たとえば次のようにして形成される。まず、スピンコート等の手法により、N−イソプロピルアクリルアミド(IPAAm)液を培養面に均一の厚さに塗布する。次に、電子線を照射し、IPAAmと培養面との間に共有結合を生じさせる。続いて、共有結合を形成しなかったIPAAmを高圧洗浄で除去する。最後に、滅菌処理を施す。
なお、この方法では電子線が照射された部分のみに共有結合が形成されることから、電子線の照射範囲を制御することで、任意形状の温度応答性表面を形成することが可能である。電子線の照射範囲を制御する方法としては、たとえば遮蔽マスクを用いる方法や、電子線を走査する方法などがある。
このようにして温度応答性が付与された培養面は、培養時の温度である37度では接着タンパクと強く結合する。それにより、培養された細胞シートは培養面に接着している。
細胞シートを回収する際には、ペトリ皿を冷水に浸けるなどして温度を20度程度まで下げる。すると、培養面上のIPAAmの分子形状が変化して接着タンパクとの結合が失われ、細胞が培養面から分離される。このとき、細胞間の接着タンパクは分解されないため、細胞同士は接着状態を保持している。したがって、ペトリ皿から細胞シートをそのまま回収できる。
なお、細胞シートは非常に薄く、ペトリ皿から剥離する際に丸まったり損傷したりし易い。そのため、実際の剥離作業においては、一般に、細胞シートの上面に紙を付着させ、この状態で温度を20度程度まで低下させる。そして、紙と細胞シートとを一体的にペトリ皿から回収するようになっている。
ペトリ皿から回収された細胞シートは、たとえば移植用の支持体に載置される。支持体は、たとえばプラスティックや金属等の剛性を有する材料からなる。細胞シートを支持体に載置する作業は、次のようにして行われる。まず、細胞シートに付着した紙の反対の面を支持体の表面に接触させる。紙は培養液を含んでいるので、その表面張力により紙が支持体に貼り付く。次に、細胞シートと支持体との間に位置する紙を慎重に引き抜いて、細胞シートを支持体に接触させる。
このとき、細胞シートとペトリ皿とを結合していた細胞外マトリクス(接着タンパク)は、支持体との接触面の反対側の面に位置している。すなわち、支持体に載置された細胞シートの細胞外マトリクスは、露出した状態となっている。
細胞シートを移植する際には、細胞外マトリクス側の面を生体組織に接触させる。そうすることで、細胞外マトリクスから分泌される接着タンパクの作用により、細胞シートが生体組織に速やかに接着する。
特開2006−296719号公報 特開2006−325532号公報
しかしながら、上記のような紙を用いた作業は手間が掛かる上、無菌状態で行うことが難しかった。更には、細胞シートが丸まってしまうなどの失敗が生じ易く、長時間掛けて培養した細胞シートが無駄になることもあった。
これらの事情を勘案すると、紙を使わずに、細胞シートをペトリ皿から直接に支持体に貼り付けられれば好適である。しかし、従来のペトリ皿等の培養容器では、側壁が邪魔になり、そのような作業工程を実現することは不可能である。
なお、側壁が邪魔になりにくい大型のペトリ皿を用いることも考えられるが、次のような新たな問題が生じてしまう。
第1に、培養中に汚染(雑菌等の繁殖、不潔物の接触、培養液への異常成分の混入など)が生じた場合に、大きなサイズの細胞シート全体を破棄しなければならない。また、ペトリ皿のサイズが大きくなるほどに汚染のリスクも増大すると考えられる。
第2に、培養に際しては、培養面の単位面積あたり所定個数の細胞を播種する必要があるので、大型のペトリ皿を用いる場合には、種となる細胞を多量に用意しなければならない。
第3に、大型の細胞シートが形成されると、これを必要な大きさに切り分ける必要が生じる。細胞シートを切る作業は、無菌状態で行うことが難しい。また、細胞シートが丸まってしまうなどの失敗も生じ易い。
また、従来のペトリ皿は、円形の培養面を有しているので、一般に円形の細胞シートが培養される。しかし、帯状等の好適な形状の細胞シートを用いるのが便利なことが多い。円形の細胞シートから帯状等の細胞シートを作成するには、円形の細胞シートを切断する作業が必要であり、汚染や失敗のリスクが増大してしまう。
なお、帯状の細胞シートを作成するために、表面が矩形状等の底板を有するペトリ皿を用いることも考えられる。しかし、角の部分に細胞が付着し易く、細胞シートの生長に偏りが生じ、細胞シートの均一性が失われてしまう。
また、表面が円形の底板上に帯状の培養面(細胞が付着する面)が形成されたペトリ皿を用いることも考えられる。しかし、播種する細胞の数は底板の表面の面積に比例し、また、回収できる細胞シートは培養面上に形成された部分だけであるので、培養面以外の領域に播種された細胞が無駄になる。なお、円の内部に含まれる長方形の面積は、円の面積よりもかなり小さくなることを考慮すると、播種された細胞のうちの半数かそれ以上が無駄になってしまう。
なお、以上ではペトリ皿の場合について詳しく説明したが、組織の培養に用いられる培養容器一般においても同様の問題が生じる。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、培養された細胞シートを移植用の支持体に容易に載置することが可能な培養容器及び培養組織回収方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、好適な形状の細胞シートを容易に作成することが可能な培養容器及び培養組織回収方法を提供することを他の目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、組織が培養される培養面を有する底板と、前記培養面を取り囲むように前記底板の周縁に沿って形成された側板とを備える培養容器であって、前記培養面を含む前記底板の一部又は全部とその他の部分とが分離可能とされていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記底板が、円盤状に形成され、かつ、互いの底辺を向かい合わせて配置された2つの略台形状の培養面を有することを特徴とする。
また、請求項30に記載の発明は、組織が培養される培養面を有する底板と前記培養面を取り囲むように前記底板の周縁に沿って形成された側板とを有する培養容器によって培養された組織を回収する方法であって、前記培養面を含む前記底板の一部又は全部とその他の部分とを分離するステップと、前記分離後の前記培養面から培養された組織を回収するステップとを含んでいることを特徴とする。
請求項1に記載の発明に係る培養容器によれば、培養面を含む底板の一部又は全部とその他の部分とが分離可能に構成されているので、培養面上に生成された細胞シートを底板の一部又は全部とともに取り出し、そのまま移植用の支持体に細胞シートを移すことができる。したがって、培養された細胞シートを移植用の支持体に容易に載置することが可能である。
また、請求項3に記載の発明に係る培養容器によれば、底板が、円盤状に形成され、かつ、互いの底辺を向かい合わせて配置された2つの略台形状の培養面を有するので、2つの略台形状の細胞シートを生成することができる。これらの細胞シートを適宜に並べることにより、帯状等の好適な形状の細胞シートを作成することが可能である。
また、請求項30に記載の発明に係る培養組織回収方法によれば、培養面を含む底板の一部又は全部とその他の部分とを分離し、分離後の培養面から培養された組織を回収することができるので、培養面上に生成された細胞シートを底板の一部又は全部とともに取り出し、そのまま移植用の支持体に細胞シートを移すことができる。したがって、培養された細胞シートを移植用の支持体に容易に載置することが可能である。
この発明に係る培養容器及び培養組織回収方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈培養容器〉
培養容器は、たとえば生体に移植される細胞の培養などに使用される。以下、培養容器の様々な具体例を説明する。なお、これらの具体例に示す技術思想を適宜に組み合わせた培養容器を作成することが可能である。
[第1の具体例]
培養容器の第1の具体例を図1に示す。図1(A)は、培養容器1の側方断面図である。図1(B)は、培養容器1の上面図である。以下、特に指摘しない限り、図1(A)における上方を「上」と称し、下方を「下」と称する。
培養容器1は基底板2と側板3を有する。基底板2と側板3は、それぞれ、たとえばポリスチレン等の任意の素材により形成される。基底板2と側板3は一体的に形成されている。基底板2は円盤状である。側板3は、基底板2のエッジ部分(周縁)から上方に延びる円筒状の板として形成されている。
このように、培養容器1は、上方が開放され、下方に基底板2を有する扁平な円筒状の容器である。なお、培養容器1は、上方の開放部分を覆う蓋(図示せず)とともに用いられることが多い。培養容器1は、基底板2の下面2bをテーブルT上に接触させるように配置される(図2参照)。培養組織に埃や菌等が付着することを避けるときには、上記の蓋が用いられる。
基底板2の上面2aには培養板4が載置される。培養板4は、たとえばポリスチレン等の任意の素材により形成される。なお、培養板4は、たとえば組織の生長状態を顕微鏡で観察するために、光を透過する素材で形成されることが望ましい。培養板4は円盤状である。基底板2と培養板4は、この発明の「底板」の一例である。
培養板4の上面には培養面4aが形成されている。培養面4aは、たとえば、培養板4の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
親和性変更素材とは、培養される組織との親和性(細胞親和性;培養される細胞との接着力の度合い)が外部からの作用によって変化する素材を意味する。親和性変更素材としては、細胞培養時の環境下において細胞親和性の高いものが用いられる。親和性変更素材の例としては、温度の変化に応じて親和性が変化する素材(温度応答性素材)や、所定波長の光を受けたときに親和性が変化する素材(光応答性素材)などがある。温度応答性素材としては、たとえば上記特許文献1や特開2006−8975号公報に記載されたものがある。また、光応答性素材としては、たとえば特開2005−210936号公報や特開2006−8975号公報に記載されたものがある。なお、温度の変化や光の照射以外の外部からの作用によって細胞親和性が変化する素材を用いることも可能である。
培養面4aは、図1(B)に示すように、培養板4の上面のエッジ部分を除いて形成される。これは次のような理由による。エッジ部分にも培養面を形成した場合、エッジ部分にも細胞が増殖して接着することがある。これ自体には問題は無いが、もし細胞が基底板2にまで増殖すると、培養板4を基底板2から取り外す際に(後述)、細胞シートが損傷を受けるおそれが生じる。培養板4のエッジ部分のマージンは、このような事態を防止するために有効である。なお、このマージンの幅は、たとえば0.5〜1.0mm程度ないしはそれ以上であることが望ましい。
このような培養容器1の使用例を説明する。ここでは、培養面4aを形成する親和性変更素材は、37度程度の温度で細胞親和性が高く、20度程度の温度で細胞親和性が低い温度応答性素材であるとする。
まず、培養面4a上に細胞を播種する。次に、図2に示すように、培養容器1内に培養液Lを注ぎ入れる。培養液Lは、細胞面4aが液中に浸る量だけ使用される。以上の準備の後に培養が開始される。このとき、培養される細胞の環境温度が37度程度になるように温度が調整される。温度の調整は、培養環境の調整を行うための公知の培養装置により行う(たとえば特開2006−166747号公報を参照)。
このような環境下で細胞を培養することにより細胞シートSが生成される。細胞シートSは、温度応答性素材の細胞親和性により培養面4aに接着している。
細胞シートSが生成されたら、培養板4を基底板2から取り外す。続いて、図3に示すように、培養板4上に生成された細胞シートSの上面を移植用の支持体Uに密着させる。この状態で、温度を20度程度まで低下させる。それにより温度応答性素材の細胞親和性が低下するので、細胞シートSを培養板4から容易に剥離させることができる(図4を参照)。以上で、培養板4から支持体Uに細胞シートSを移す作業は終了となる。
支持体Uに密着している細胞シートSは、培養面4aに接着されていた面、つまり細胞外マトリクス(接着タンパク)が存在する面が開放されている。この面(移植面)は、図4における下方向の面である。
次に、支持体Uに密着している細胞シートSを生体組織に移植する。この作業は、図5に示すように、支持体Uに密着している細胞シートSの移植面を生体組織B(患部等)に密着させることにより行う。支持体Uは、適宜なタイミングで細胞シートSから剥離される。
このように、細胞シートSは、細胞外マトリクスが存在する移植面が生体組織Bに密着するように移植される。それにより、細胞外マトリクスから分泌される接着タンパクが、細胞シートSと生体組織Bとを接着させるように作用し、生体組織Bに対する細胞シートSの定着を促す。
以上のような培養容器1によれば、培養面4aを含む底板の一部(培養板4)と、その他の部分(基底板2及び側板3)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートSを培養板4とともに回収し、細胞シートSを支持体Uに容易に載置することができる。
[第2の具体例]
培養容器の第2の具体例を図6に示す。図6は、培養容器10の側方断面図である。培養容器10は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板12と側板13を有する。基底板12と側板13は一体的に形成されている。
基底板12の上面12aには培養板14が載置される。培養板14は、細胞の培養時に使用される培養液よりも大きな比重を有する。そのために、培養板14は、たとえば、ガラス等の比重の大きな素材からなる板状部材14aの表面を、ポリスチレン等の任意の素材でコーティングして形成される。
なお、板状部材14aの材質は、使用される培養液の比重に応じて決定することができる。一般に、培養液の比重は生理食塩水と同程度である。
培養板14を構成する各素材は、組織の生長状態を顕微鏡で観察するために、光を透過する素材で形成されることが望ましい。
培養板14の上面には、組織の培養領域となる培養面が形成されている。培養面は、たとえば、培養板14の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
板状部材14aは、この発明の「固定部材」の一例である。また、基底板12と培養板14は、この発明の「底板」の一例である。
このような培養容器10によれば、培養面を含む底板の一部(培養板14)と、その他の部分(基底板12及び側板13)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板14とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器10は、培養板14の比重を培養液の比重よりも大きくする板状部材14aを備えている。それにより、培養容器10を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板14が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。特に、特に培養初期には、細胞シートが薄いために損傷を受けやすいが、培養容器10によれば、細胞シートに損傷を与えずに培養液の交換等を行うことができる。
[第3の具体例]
培養容器の第3の具体例を図7に示す。図7は、培養容器20の側方断面図である。培養容器20は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板22と側板23を有する。基底板22と側板23は一体的に形成されている。
基底板22の上面22aには培養板24が載置される。培養板24は、細胞の培養時に使用される培養液よりも大きな比重を有する。そのために、培養板24は、そのエッジ部分におもり24aが埋め込まれている。培養板24のそれ以外の部分は、ポリスチレン等の任意の素材からなる。
おもり24aは、たとえば金属等の比重の大きな素材により形成されている。おもり14aの材質は、使用される培養液の比重に応じて決定できる。おもり24aは、培養板24の中央領域を取り囲むように設けられていてもよいし、複数のおもり24aを分散させて配置してもよい。後者の場合、培養板24を安定させるために、複数のおもり24aを等間隔で配置させることが望ましい。
細胞シートを顕微鏡で観察するために、少なくともおもり24aを除く領域は、透明な素材で形成されることが望ましい。上記のように、おもり24aは、培養板24のエッジ部分に設けられる。したがって、不透明な素材によりおもり24aが形成されたとしても、細胞シートの観察の妨げになりにくい。
培養板24の上面には、組織の培養領域となる培養面が形成されている。培養面は、たとえば、培養板24の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
おもり24aは、この発明の「固定部材」の一例である。また、基底板22と培養板24は、この発明の「底板」の一例である。
このような培養容器20によれば、培養面を含む底板の一部(培養板24)と、その他の部分(基底板22及び側板23)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板24とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器20は、培養板24の比重を培養液の比重よりも大きくするおもり24aを備えている。それにより、培養容器20を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板24が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
[第4の具体例]
培養容器の第4の具体例を図8に示す。図8は、培養容器30の側方断面図である。培養容器30は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板32と側板33を有する。基底板32と側板33は一体的に形成されている。
基底板32の上面32aには培養板34が載置される。培養板34は、ポリスチレン等の任意の素材により形成される。培養板34のエッジ部分には、たとえば鉄等の強磁性体の素材からなる強磁性部材34aが埋め込まれている。なお、強磁性部材34aは、第3の具体例のようにおもりとしても作用するものであってもよい。
細胞シートを顕微鏡で観察するために、少なくとも強磁性部材34aを除く領域は、透明な素材で形成されることが望ましい。
培養板34の上面には、組織の培養領域となる培養面が形成されている。培養面は、たとえば、培養板34の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
培養容器30は、図8に示すように、テーブルT上に配置された磁石部材M上に載置される。磁石部材Mは、たとえばシート状に成形されたゴム磁石である。培養容器30を磁石部材M上に載置すると、磁石部材Mは強磁性部材34aに対して引力を及ぼす。この引力の強さは、培養板34の質量と、培養液中で培養板34に左右する浮力とを考慮し、培養液中の培養板34が移動したり浮き上がったりしない程度に設定できる。
強磁性部材34aは、この発明の「固定部材」の一例である。また、基底板32と培養板34は、この発明の「底板」の一例である。
このような培養容器30によれば、培養面を含む底板の一部(培養板34)と、その他の部分(基底板32及び側板33)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板34とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器30は、磁石部材M上に載置することで、強磁性部材34aが磁石部材Mに引き付けられ、それにより培養板34が基底板32に対して分離可能に固定される。したがって、培養容器30を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板34が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
なお、培養板34を基底板32から分離する際には、培養容器30を磁石部材Mから遠ざければよい。また、基底板32を抑えつつ、磁石部材Mの引力を超える力で培養板34を引き出すことで、培養板34を基底板32から分離してもよい。
培養容器30は、テーブルT上に配置された磁石部材M上に載置されて使用されるが、基底板に磁石部材を埋め込んでも同様の効果を得ることが可能である。
また、培養板に磁石を埋め込んでもよい。この場合、鉄等の強磁性体からなるテーブル上に培養容器を載置して細胞を培養する。また、テーブル上に鉄板等の強磁性部材を配置し、この強磁性部材上に培養容器を載置してもよい。また、基底板に強磁性部材を埋め込んでもよい。このような培養容器によっても、培養容器30と同様の効果が得られる。
[第5の具体例]
培養容器の第5の具体例を図9に示す。図9は、培養容器40の側方断面図である。培養容器40は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板42と側板43を有する。基底板42と側板43は一体的に形成されている。
基底板42の上面42aには培養板44が載置される。上面42aのたとえば中央領域には凸部42bが形成されている。凸部42bは、たとえば、上方に向かうに連れて径が増大する形状を有する。培養板44の下面のたとえば中央領域には凹部44aが形成されている。凹部44aは、たとえば、上方に向かうに連れて径が増大する形状を有する。
凸部42bと凹部44aは同一の形状(たとえば円形)に成形されている。また、凸部42bの上面(径が最大の部分)の径は、凹部44aの開口径よりも僅かに小さく設計される。
基底板42(凸部42b)及び/又は培養板44(凹部44a)は、変形可能な弾性部材、たとえばポリスチレン等により形成されている。このような凸部42bと凹部44aとの組み合わせにより、基底板42の一部と培養板44の一部とが分離可能に係合される。すなわち、基底板42や側板43を抑えつつ培養板44を引き上げることで、凸部42b及び/又は凹部44aが変形し、培養板44を基底板42から取り外すことができる。逆に、凸部42aと凹部44の位置を合わせ、培養板44を基底板42に押さえつけることで、基底板42に培養板44を装着することができる。
凸部42bと凹部44aは、この発明の「係合機構」の一例である。また、基底板42と培養板44は、この発明の「底板」の一例である。
培養板44の上面には、組織の培養領域となる培養面が形成されている。培養面は、たとえば、培養板44の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
このような培養容器40によれば、培養面を含む底板の一部(培養板44)と、その他の部分(基底板42及び側板43)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板44とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器40によれば、凸部42bと凹部44aにより培養板44が基底板42に固定されるので、培養容器40を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板44が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
培養容器40では、基底板42の凸部42bと培養板44の凹部44aとが係合するように構成されているが、凹凸が逆の係合機構を採用することも可能である。
たとえば、図10に示す培養容器50は、基底板52の上面52aに凹部52bを有し、培養板54の下面に凸部54aを有する。基底板52は側板53と一体的に形成されている。更に、基底板52(凹部52b)及び/又は培養板54(凸部54a)は、ポリスチレン等の変形可能な弾性素材によって形成される。このような培養容器50によっても、培養容器40と同様の効果が得られる。
[第6の具体例]
培養容器の第6の具体例を図11に示す。図11は、培養容器60の側方断面図である。培養容器60は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板62と側板63を有する。基底板62と側板63は一体的に形成されている。基底板62の上面62aには培養板64が載置される。
側板63の内面63aには突出部63bが設けられている。突出部63bは、側板63と一体的に形成されていてもよいし、内面63aに接合されていてもよい。突出部63bは、基底板62の上面62aから、培養板64の厚さよりも僅かに上方に設けられることが望ましい。突出部63bの先端は、培養板64の上面(培養面側)よりも上方に位置している。突出部63bは、内面63aを一周に亘って設けられてもよい。また、複数の突出部63aが所定間隔(たとえば等間隔)を介して設けられてもよい。
側板63(突出部63b)及び/又は培養板64は、ポリスチレン等の変形可能な弾性部材により形成される。それにより、培養板64は基底板62に対して分離可能とされる。すなわち、側板63を抑えつつ培養板64を引き上げることで、突出部63b及び/又は培養板64が変形し、培養板64を基底板62から分離することができる。逆に、培養板64のエッジ部分を突出部63b上に配置し、培養板64を基底板62に向けて押し込むことで、突出部63b及び/又は培養板64が変形し、突出部63bの下方位置に培養板64を装着することができる。
突出部63bは、この発明の「突出部材」の一例である。また、基底板62と培養板64は、この発明の「底板」の一例である。
培養板64の上面には、組織の培養領域となる培養面が形成されている。培養面は、たとえば、培養板64の上面に親和性変化素材を定着することで形成される。
このような培養容器60によれば、培養面を含む底板の一部(培養板64)と、その他の部分(基底板62及び側板63)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板64とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器60によれば、突出部63bが培養板64の移動(特に上方への移動)を制限するように作用するので、培養容器60を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板64が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
[第7の具体例]
基底板と培養板とを接合することにより、基底板に対して培養板を分離可能に固定することが可能である。そのような培養容器の具体例を図12に示す。図12は、培養容器70の拡大側方断面図である。なお、図12では側板は省略されている。培養容器70の基底板72は、側板と一体的に形成されている。
基底板72の上面には、粘着材75を介して培養板74が載置される。粘着材75は、たとえば基底板72の上面に塗布される。その上に培養板74を配置することにより当該構成が実現される。粘着材75は、たとえば37度程度で粘着性が高く、それより低い所定温度で粘着性が低下する素材(つまり温度応答性素材)からなる。粘着材75は、この発明の「接合部材」の一例であり、少なくとも培養時に基底板72と培養板74とを接合する。
このような培養容器70によれば、培養面を含む底板の一部(培養板74)と、その他の部分(基底板72及び側板)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板74とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器70によれば、粘着材75が基底板72と培養板74を接合するように作用するので、培養容器70を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板74が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
接合部材を有する培養容器の他の具体例を図13に示す。培養容器80の基底板82は、側板(図示せず)と一体的に形成されている。基底板82の上面には、親和性変化素材(温度応答性素材、光応答性素材等)からなる接合層85が設けられている。また、培養板84の下面にも同様の親和性変化素材からなる接合層86が設けられている。各接合層85、86は、たとえば当該面に塗布される。
接合層85、86の間には接着タンパク層87が設けられている。接着タンパク層87は、生体細胞の細胞外マトリクスから分泌された接着タンパクからなる。また、人工的に合成された接着タンパクを用いて接着タンパク層87を形成してもよい。
各接合層85、86と接着タンパク層87は、たとえば、37度程度の温度で強く接合し、20度程度の温度で接合力が弱くなる。接合層85、86及び接着タンパク層87は、この発明の「接合部材」の一例である。
このような培養容器80によれば、培養面を含む底板の一部(培養板84)と、その他の部分(基底板82及び側板)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板84とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器80によれば、接合部材が基底板82と培養板84を接合するように作用するので、培養容器80を移動する際や、培養液を交換する際に、培養板84が動いたり浮かび上がったりして細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
更に、培養容器80の接合部材は、外部からの作用(温度変化、光の照射等)によって接合力が変化するので、細胞シートを培養容器80から容易に回収できる。
[第8の具体例]
培養容器の第8の具体例を図14に示す。図14は、培養容器90の側方断面図である。培養容器90は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板92と側板93を有する。基底板92と側板93は一体的に形成されている。基底板92の上面92aには培養板94が載置される。
基底板92の上面92aには凹部92bが形成されている。また、培養板94の下面には凸部94aが形成されている。凹部92bと凸部94aは、培養板94を基底板92上に載置したときに、互いに係合する位置に形成されている。
凹部92bと凸部94aは、基底板92に対する培養板94の側壁93の方向(水平方向)への移動を制限するように作用する。凹部92bと凸部94aは、この発明の「移動制限手段」の一例である。
このような培養容器90によれば、培養面を含む底板の一部(培養板94)と、その他の部分(基底板92及び側板93)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板94とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器90によれば、移動制限手段が培養板94の水平方向への移動を制限するので、特に培養時に培養容器90が水平方向に移動して細胞シートに損傷を与える事態を防止できる。
なお、培養容器90においては、基底板92に凹部92bが設けられ、培養板94に凸部94aが設けられているが、これとは逆に、基底板に凸部が設けられ、培養板に凹部が設けられた構成を適用することも可能である。
[第9の具体例]
培養容器の第9の具体例を図15に示す。図15は、培養容器100の側方断面図である。培養容器100は、第1の具体例の培養容器1と同様に基底板102と側板103を有する。基底板102と側板103は一体的に形成されている。基底板102の上面102aには培養板104が載置される。
第8の具体例と同様に、基底板102の上面102aには凹部102bが形成され、培養板104の下面には凸部104aが形成されている。
培養板104のエッジ部分には、所定の器具109と係合する係合部104bが形成されている。器具109としては、たとえば鉤付きピンセットが用いられる。鉤付きピンセットの先端には鉤部が設けられている。係合部104aは、この鉤部と係合する切り欠きである。なお、培養板104の縁端と側板103の内面との間には、器具109の先端部を挿入可能な間隙が設けられている。ユーザは、この間隙に器具109の先端を挿入して係合部104bに係合させ、器具109とともに培養板104を引き上げることにより、培養板104を取り出すことができる。
このような培養容器100によれば、培養面を含む底板の一部(培養板104)と、その他の部分(基底板102及び側板103)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを培養板104とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
また、培養容器100によれば、係合部104bを備えているので、器具109を用いて容易に培養板104を取り出せる。
なお、培養容器100においては培養板104に一つの係合部が設けられているが、二つ以上の係合部を設けることも可能である。また、培養板を取り出すための器具の形態は任意である。このとき、器具に応じた形態の係合部が培養板に設けられる。
[第10の具体例]
培養容器の第10の具体例を図16〜図18に示す。図16は培養容器110の上面図、図17は側方断面図、図18は斜視図である。
培養容器110は、底板112と側板113を有する。底板112や側板113は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。底板112と側板113は一体的に形成されている。前述の具体例では、底板は複数(2枚)の板状部材により構成されるが、この具体例の培養容器110では、底板112は1枚の板状部材により構成される。この板状部材(底板112)は、後述のように分割可能に形成されている。
底板112の上面112aには、円形状の培養面112Aが設けられている。円形状の培養面112Aは、その中心位置が上面112aの中心位置に一致するように形成されている。培養面112Aは、たとえば、上面112aに親和性変化素材を定着することにより形成される。
底板112の下面112bには、底板112の径方向に沿って複数の溝112cが形成されている。すなわち、複数の溝112cは放射状に形成されている。また、下面112bには、培養面112Aのエッジ部分に沿った溝112dが形成されている。溝112dは、たとえば、培養面112Aのエッジよりも僅かに外側に形成される。溝112cは、培養面112Aの裏面には形成されず、溝112dと底板112のエッジ部分とを結ぶように形成される。
また、側板113の外面には、上下方向(上面112aに直交する方向)に沿って複数の溝113aが形成されている。溝113aは、径方向の溝112cと同じ個数だけ設けられている。溝112cと溝113aは、底板112と側板113の境界位置で連結している。
各溝112c、112d、113aは、底板112や側板113を分割するためのものである。そのために、各溝112c、112d、113aは、たとえばV字状に形成される。また、各溝112c、112d、113aは、たとえば、最深部における肉厚が0.1〜0.5mm程度となるように形成される。なお、各溝112c、112d、113aの形状や深さは、底板112や側板113の材質や厚さや分割態様に応じて適宜に決定することができる。
培養容器110は、培養面112A上に細胞シートが形成された後に、溝112c、112d、113aに沿って複数に分割される。図18は、分割後の培養容器110の形態を表している。分割作業は、たとえばペンチ等の工具を用いて行うことができる。
このような培養容器110によれば、培養面112Aを含む底板112の一部(底板112の中央部分)と、その他の部分(底板112の周辺領域及び側板113)とが分離可能に構成されているので、培養された細胞シートを底板112の中央部分とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
なお、底板112や側板113の材質がポリスチレンである場合、事前にX線を照射して高分子を切断することにより、底板112や側板113を溝112c、112d、113aに沿って容易に分割することができる。また、X線の照射により分子の方向性を除去することにより、溝112c、112d、113aに沿って綺麗に分割でき、細かい破片が出ることも少なくなる。したがって、培養面112Aを含む底板112の中央部分を容易に取り出すことができ、細胞シートを損傷する可能性も低い。
[第11の具体例]
培養容器の第11の具体例を図19〜図21に示す。図19は培養容器120の側方断面図、図20は底板122と側板123の連結部分の拡大側方断面図、図21は底板122の斜視図である。
培養容器120は、底板122と側板123を有する。底板122や側板123は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。底板122と側板123は、後述のように分解可能に連結されている。底板122は1枚の板状部材により構成される。
底板122の上面122aには、図21に示すように円形状の培養面122Aが設けられている。培養面122Aは、その中心位置が上面122aの中心位置に一致するように形成されている。培養面122Aは、たとえば、上面122aに親和性変化素材を定着することにより形成される。
底板122と側板123の連結部分には連結部材124が設けられている。底板122の周端部には、図20に示すように凹部122cが形成されている。連結部材124は、リング形状の部材であり、凹部122cに嵌め込まれている。連結部材124は、たとえばゴムやシリコン等の摩擦力が大きく伸縮可能な弾性部材により形成される。
側板123の下端部分の内面側には、図20に示すように切り欠き部123aが形成されている。切り欠き部123aの中間位置付近には凹部123bが形成されている。
連結部材124は、側板123の凹部123に嵌め込まれる。すなわち、凹部122cと凹部123bの双方に連結部材124を嵌め込むことで、底板122と側板123とが連結される。連結部材124は、この発明の「嵌合部材」の一例である。
連結部材124は、前述のように摩擦力の大きな材質で形成されているので、底板122と側板123は確実に連結される。また、側板123を抑えつつ底板122を下方に引き抜くことで、培養容器120を底板122と側板123に容易に分解することができる。
このような培養容器120によれば、培養面122Aを有する底板122と側板123とが分解可能に構成されているので、培養された細胞シートを底板122とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートを容易に載置することができる。
なお、底板122の凹部122cを側板123の凹部123bよりも深く形成することが望ましい。それにより、連結部材124が底板122に装着されたままで培養容器120を分解でき、連結部材124が外れて細胞シートに触れて損傷する事態を防止できる。
[第12の具体例]
培養容器の第12の具体例を図22〜図24に示す。図22は培養容器130の上面図、図23と図24は側方断面図である。
培養容器130は、底板132と側板133を有する。底板132や側板133は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。底板132は1枚の板状部材により構成される。底板132の上面132aには、図22に示すように矩形状の培養面132Aが設けられている。培養面132Aは、その中央位置が上面132aの中央位置に一致するように形成されている。培養面132Aと側板133との間には、たとえば1mm程度のマージンが設けられる。それにより、培養される細胞が側板133に到達することを防止できる。培養面132Aは、たとえば、上面132aに親和性変化素材を定着することにより形成される。
底板132と側板133は、図23に示すように接着部材134により連結される。接着部材134は、たとえば、ポリジメチルシロキサンやシリコンゴムのような、滅菌可能な粘着性樹脂からなる。
底板132と側板133の接合方法の例を説明する。まず、ポリジメチルシロキサンを側板133の下端部に塗布し、しばらく放置して固化させる。次に、固化したポリジメチルシロキサンの上から更にポリジメチルシロキサンを塗布する。そして、これを半分程度固化させてから底板132に押し当てて底板132と側板133とを接合する。このような接合方法により、培養液の液漏れが起こらないように底板132と側板133を連結することができる。
このようにして底板132と側板133とを接合すれば、接着部材134を冷却して接着部材134を固化させることにより、底板132と側板133とを分離できる。接着部材134の冷却は、たとえば、底板132を冷却手段(天板を冷却可能なテーブル等)の上に載置することで行う。
このような培養容器130によれば、培養面132Aを有する底板132と側板133とが分解可能に構成されているので、培養された細胞シートSを底板132とともに回収し、移植用の支持体に細胞シートSを容易に載置することができる。特に、接着部材134を冷却するだけで、細胞シートSを容易に回収できる。
[第13の具体例]
培養容器の第13の具体例を図25〜図27に示す。図25は培養容器140の上面図、図26と図27は細胞シートの並べ方を表す図である。
培養容器140は、底板と側板143を有する。底板や側板143は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。底板は1枚の板状部材により構成される。底板及び側板143は、たとえば、前述した具体例のいずれかの形態を有する。
底板の上面142aには、図25に示すように、2つの略台形状の培養面142A、142Bが設けられている。培養面142A、142Bは、互いの底辺(平行な2辺のうちの長い方の辺)を向かい合わせるように配置されている。その中央位置が上面132aの中央位置に一致するように形成されている。このような培養面142A、142Bの形状及び配置は、円形の底板の上面142aの面積を有効利用するためである。すなわち、このような形状及び配置により、一定面積の上面142aで大きな面積の細胞シートを培養することが可能となる。各培養面142A、142Bは、たとえば、上面142aに親和性変化素材を定着することにより形成される。
このような培養面142A、142Bを有する培養容器140によれば、略台形状の2つの細胞シートSA、SBが生成される。細胞シートSA、SBは、同じ培養容器140で同じ条件(温度や湿度等)で培養されるので、高い均一性を有する。
図26は細胞シートSA、SBの使用例を表す。細胞シートSA、SBは、このように帯状(長い平行四辺形状)に並べて生体組織に移植することができる。このとき、移植用の支持体上に帯状に並べて載置してから移植してもよいし、細胞シートSA、SBをそれぞれ支持体に載置し、移植部位に帯状に並べて貼り付けてもよい。
なお、細胞シートSA、SBの間の間隙は、移植後の細胞シートSA、SBの増殖により自然に埋まる。また、この間隙は、支持体が変形(湾曲等)した際に、細胞シートに皺が寄ることを防止する作用を奏する。それにより、柔軟性を有する操作性の良い支持体を効果的に使用することが可能となる。
図27は細胞シートSA、SBの他の使用例を表す。この使用例では、複数の培養容器140が使用される。各培養容器140から、上記と同様に一組の細胞シートSA、SBが生成される。このようにして生成された複数組の細胞シートSA、SBを図27のように並べることで、広い範囲の移植部位に対応可能である。なお、移植部位の大きさに応じて、使用する培養容器140の個数を決定できる。
[第14の具体例]
培養容器の第14の具体例を図28〜図30に示す。図28は培養容器150の上面図、図29は細胞シートの並べ方を表す図、図30は培養板の上面図である。
培養容器150は、基底板と側板153を有する。基底板や側板153は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。基底板の上面152aには2つの培養板154、155が載置されている。
培養板154、155には、それぞれ、略台形状の培養面154A、155Aが設けられている。培養面154A、155Aが互いの底辺を向かい合わせる状態で、培養板154、155は上面152aに載置されている。各培養面154A、155Aは、たとえば、培養板154、155に親和性変化素材を定着することにより形成される。
このような培養面154A、155Aを有する培養容器150によれば、略台形状の2つの細胞シートSC、SDが生成される。細胞シートSC、SDは、同じ培養容器150で同じ条件で培養されるので、高い均一性を有する。
細胞シートSC、SDは、それぞれ培養板154、155とともに取り出され、図29に示すように帯状に並べて生体組織に移植することができる。このとき、移植用の支持体上に帯状に並べて載置してから移植してもよいし、細胞シートSC、SDをそれぞれ支持体に載置し、移植部位に帯状に並べて貼り付けてもよい。
なお、細胞シートSC、SDの間の間隙は、移植後の細胞シートSC、SDの増殖により自然に埋まる。また、この間隙は、支持体が変形(湾曲等)した際に、細胞シートに皺が寄ることを防止する作用を奏する。それにより、柔軟性を有する操作性の良い支持体を効果的に使用することが可能となる。
また、複数の培養容器150を用いて複数組の細胞シートSC、SDを生成し、図27に示すように並べることにより、広い範囲の移植部位に対応することが可能となる。このとき、移植部位の大きさに応じて、使用する培養容器150の個数を決定できる。
培養板154、155の代わりに、図30に示す培養板156を用いることが可能である。培養板156には、略台形状の培養面156Aが設けられている。培養板156のエッジ部分(培養面156Aの外側)には、おもり156a、156b、156cが設けられている。各おもり156a、156b、156cは、たとえば金属等の比重の大きな素材により形成される。それにより、培養板156の比重が培養液の比重よりも大きくなり、培養時に培養板156が移動したり浮かび上がったりしないようになっている。
[第15の具体例]
培養容器の第15の具体例を図31、図32に示す。図31は培養容器160の上面図、図32は細胞シートの並べ方を表す図である。
培養容器160は、底板と側板163を有する。底板や側板163は、ポリスチレン等の任意の素材で形成される。底板の上面162aには2つの培養面164A、165Aが形成されている。
各培養面164A、165Aは、それぞれ、略台形状に形成されている。培養面164A、165Aは、互いの底辺を向かい合わせるように配置されている。各培養面164A、165Aは、たとえば上面162aに親和性変化素材を定着することにより形成される。
底板の下面には、円形上の基底板の径方向に溝162cが形成されている。また、底板の下面には、培養面164A、165Aの僅かに外側に溝162dが形成されている。更に、底板の下面には、培養面164A、165Aの底面の間に、底板を横切るように溝162eが形成されている。
側板163の外面には、上面162aに直交する方向に複数の溝163aが形成されている。各溝163aは、底板と側板163との境界位置において、底板の溝162c、162eと連結している。なお、各溝162c、162d、162e、163aは、たとえばV字形状に形成されている。また、各溝162c、162d、162e、163aの厚さは適宜に決定できる。
このような培養容器160によれば、前述した第10の具体例と同様に培養容器160を溝162c、162d、162e、163aに沿って分割し、培養面164Aを有する底板の一部164と、培養面165Aを有する底板の一部165を回収することができる。
培養面164、165には、それぞれ、略台形状の細胞シートSE、SFが生成される。細胞シートSE、SFは、同じ培養容器160で同じ条件で培養されるので、高い均一性を有する。
細胞シートSE、SFは、それぞれ底板の一部164、165とともに回収され、図32に示すように帯状に並べて生体組織に移植することができる。このとき、移植用の支持体上に帯状に並べて載置してから移植してもよいし、細胞シートSE、SFをそれぞれ支持体に載置し、移植部位に帯状に並べて貼り付けてもよい。
なお、細胞シートSE、SFの間の間隙は、移植後の細胞シートSE、SFの増殖により自然に埋まる。また、この間隙は、支持体が変形(湾曲等)した際に、細胞シートに皺が寄ることを防止する作用を奏する。それにより、柔軟性を有する操作性の良い支持体を効果的に使用することが可能となる。
また、複数の培養容器160を用いて複数組の細胞シートSE、SFを生成し、図27に示すように並べることにより、広い範囲の移植部位に対応することが可能となる。このとき、移植部位の大きさに応じて、使用する培養容器160の個数を決定できる。
[変形例]
以上に説明した培養容器の変形例を説明する。
上記の具体例では、培養面の個数は1つ又は2つであるが、3つ以上の培養面を有していてもよい。
たとえば角膜や網膜の移植手術のように、小さな細胞シートを生成する場合に、図33に示す培養容器170を用いることができる。培養容器170は、一体的に形成された基底板と側板173を有する。基底板の上面172aには、培養板174が載置される。培養板174には、複数の小さな培養面174Aが設けられている。培養板174のエッジ部分には、切り欠き部174a、174bが形成されている。切り欠き部174a、174bは、第9の具体例と同様に、所定の器具と係合する係合部として作用する。ユーザは、細胞シートが培養された後に、所定の器具を用いて培養板174を容易に取り出すことができる。
上記の具体例では、培養面の形状は略台形、円形又は矩形であるが、これら以外の形状の培養面を適宜に形成することが可能である。たとえば、培養面の形状を略平面充填形状にすることができる。平面充填形状とは、平面を埋め尽くす性質を有する図形の形状を意味する。平面充填形状には、たとえば、三角形、四角形、向かい合う3組の辺が平行かつ長さが等しい六角形などがある。また、2種類以上の図形の組み合わせにより平面を充填するものでもよい。このような平面充填形状の培養面を用いれば、平面充填形状の細胞シートを生成することができる。それにより、帯状等の任意形状の細胞シートを適宜に作成することが可能となる。
[培養組織回収方法]
この発明に係る培養組織回収方法について説明する。この培養組織回収方法は、培養された組織(細胞シート)を培養組織から回収する方法である。培養組織は、上記の具体例に示したように、組織が培養される培養面を有する底板と、培養面を取り囲むように底板の周縁に沿って形成された側板とを有する。
まず、培養面を含む底板の一部又は全部とその他の部分とを分離する。分離方法としては、次の2種類がある。第1に、底板が基底板と培養板とを有する場合(つまり複数の板状部材からなる場合)には、培養板を基底板及び側板から分離する。第2に、底板が一枚の板状部材からなる場合には、底板を分割することにより、培養面を含む底板の一部をその他の部分から分離する。
次に、分離後の培養面から培養された細胞シートを回収する。この作業は、培養面上に生成された細胞シートを移植用の支持体に直接に移すことで行う。
このような培養組織回収方法によれば、培養された細胞シートを移植用の支持体に容易に載置することが可能である。
この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略図である。図1(A)は培養容器の側方断面図である。図1(B)は培養容器の上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略側方図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略側方図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略側方図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略斜視図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略斜視図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の使用例を説明するための概略側方断面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態により培養された細胞シートの並べ方の一例を表す概略図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態により培養された細胞シートの並べ方の一例を表す概略図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態により培養された細胞シートの並べ方の一例を表す概略図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の構成の一例を表す概略上面図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態により培養された細胞シートの並べ方の一例を表す概略図である。 この発明に係る培養容器の実施の形態の変形例の構成の一例を表す概略上面図である。
符号の説明
1 培養容器
2 基底板
2a 上面
2b 下面
3 側板
4 培養板
4a 培養面
U 移植用の支持体

Claims (30)

  1. 組織が培養される培養面を有する底板と、前記培養面を取り囲むように前記底板の周縁に沿って形成された側板とを備える培養容器であって、
    前記培養面を含む前記底板の一部又は全部とその他の部分とが分離可能とされている、
    ことを特徴とする培養容器。
  2. 前記底板は複数の培養面を有し、
    前記複数の培養面をそれぞれ分離可能とした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の培養容器。
  3. 前記底板は、円盤状に形成され、かつ、互いの底辺を向かい合わせて配置された2つの略台形状の培養面を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の培養容器。
  4. 前記培養面は、略平面充填形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の培養容器。
  5. 前記底板は、円盤状に形成され、かつ、円形状の培養面を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の培養容器。
  6. 前記底板は、一方の面に前記培養面を有する1枚の板状部材である、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の培養容器。
  7. 前記一方の面は、前記培養面を含む第1領域と、その他の部分からなる第2領域とを有し、
    前記板状部材は、前記第1領域と前記第2領域とを分離させるように分割可能とされている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の培養容器。
  8. 前記板状部材の他方の面には、前記第1領域と前記第2領域との境界の裏側位置に沿って溝が形成されており、
    前記板状部材は、前記溝に沿って分割可能とされている、
    ことを特徴とする請求項7に記載の培養容器。
  9. 前記側板の外面には、前記一方の面に直交する方向に沿って溝が形成されており、
    前記側板は、該溝に沿って分割可能とされている、
    ことを特徴とする請求項8に記載の培養容器。
  10. 前記板状部材の溝と前記側板の溝とは、前記板状部材と前記側板との境界位置で連結している、
    ことを特徴とする請求項9に記載の培養容器。
  11. 前記板状部材と前記側板とが分離可能とされている、
    ことを特徴とする請求項6に記載の培養容器。
  12. 前記板状部材と前記側板とを分解可能に連結する連結手段を備える、
    ことを特徴とする請求項11に記載の培養容器。
  13. 前記板状部材の周端部には第1凹部が形成され、
    前記側板の下端の内面には第2凹部が形成され、
    前記連結手段は、前記第1凹部及び前記第2凹部の双方に嵌合されて、前記板状部材と前記側板とを連結する嵌合部材を含む、
    ことを特徴とする請求項12に記載の培養容器。
  14. 前記連結手段は、前記板状部材と前記側板とを接着する接着部材を含む、
    ことを特徴とする請求項12に記載の培養容器。
  15. 前記底板は、前記側板と一体に形成された基底板と、一方の面に培養面を有し、他方の面が前記基底板に接するように前記基底板上に載置される培養板とを含む、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の培養容器。
  16. 前記底板は、前記基底板に対して前記培養板を分離可能に固定する固定手段を含む、
    ことを特徴とする請求項15に記載の培養容器。
  17. 前記固定手段は、前記培養板に設けられ、前記培養板の比重を培養液よりも大きくする部材を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  18. 前記固定手段は、前記培養板に設けられ、強磁性体の素材からなる部材を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  19. 前記固定手段は、前記培養板に設けられた磁石を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  20. 前記基底板及び/又は前記培養板は、変形可能な弾性素材からなり、
    前記固定手段は、前記基底板の一部と前記培養板の一部とを前記変形により分離可能に係合させる係合機構を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  21. 前記固定手段は、前記側板又は前記基底板から突出し、先端が前記培養板の前記一方の面側に位置して前記培養板の移動を制限する突出部材を含み、
    前記培養板及び/又は前記突出部材は、変形可能な弾性素材からなる、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  22. 前記固定手段は、前記基底板と前記培養板とを接合する接合部材を含む、
    ことを特徴とする請求項16に記載の培養容器。
  23. 前記接合部材は、外部からの作用によって接合力が変化する素材からなる部材を含む、
    ことを特徴とする請求項22に記載の培養容器。
  24. 前記底板は、前記基底板に対する前記培養板の前記側板の方向への移動を制限する移動制限手段を含む、
    ことを特徴とする請求項15に記載の培養容器。
  25. 前記移動制限手段は、前記基底板及び前記培養板の一方に形成された凹部と、他方に形成されて前記凹部に係合する凸部とを含む、
    ことを特徴とする請求項24に記載の培養容器。
  26. 前記培養板は、前記培養板を前記基底板から分離するための所定の器具と係合する係合部を備える、
    ことを特徴とする請求項15に記載の培養容器。
  27. 培養面は、培養される組織との親和性が外部からの作用によって変化する親和性変化素材を前記底板に定着して形成される、
    ことを特徴とする請求項1〜請求項26のいずれか一項に記載の培養容器。
  28. 前記親和性変化素材は、温度の変化に応じて前記親和性が変化する温度応答性素材である、
    ことを特徴とする請求項27に記載の培養容器。
  29. 前記親和性変化素材は、所定波長の光を受けたときに前記親和性が変化する光応答性素材である、
    ことを特徴とする請求項27に記載の培養容器。
  30. 組織が培養される培養面を有する底板と前記培養面を取り囲むように前記底板の周縁に沿って形成された側板とを有する培養容器によって培養された組織を回収する方法であって、
    前記培養面を含む前記底板の一部又は全部とその他の部分とを分離するステップと、
    前記分離後の前記培養面から培養された組織を回収するステップと、
    を含んでいることを特徴とする培養組織回収方法。
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