JP2006271369A - 生化学用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 細胞を培養した後、その細胞の標本を比較的簡単に作製することができ、たとえ壊れやすい細胞であっても、細胞を破壊することなく自然のままの標本を作製することの可能な生化学用容器。
【解決手段】 底板2とその底板2の周囲を囲む側壁枠3からなる生化学用容器1であって、底板2と側壁枠3が、互いに分離できる分離自在部6を介して接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 底板2とその底板2の周囲を囲む側壁枠3からなる生化学用容器1であって、底板2と側壁枠3が、互いに分離できる分離自在部6を介して接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、底板とその底板の周囲を囲む側壁枠からなる生化学用容器に関する。
このような生化学用容器としては、例えば、細胞培養容器があり、従来、底板と側壁枠を別体に構成して、その底板と側壁枠を接着剤により接着して強固に一体化した細胞培養容器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記特許文献に記載の細胞培養容器では、その細胞培養容器を使用して細胞を培養した後、培養した細胞を標本にするには、細胞培養容器の底板上にある細胞を剥がして標本にする必要がある。
したがって、標本の作製に細心の注意を必要とし、標本作製作業が煩雑化するばかりか、壊れやすい細胞の場合には、底板から剥がす際に細胞が破壊するおそれもある。
したがって、標本の作製に細心の注意を必要とし、標本作製作業が煩雑化するばかりか、壊れやすい細胞の場合には、底板から剥がす際に細胞が破壊するおそれもある。
本発明は、このような従来の問題点に着目したもので、その目的は、細胞を培養した後、その細胞の標本を比較的簡単に作製することができ、たとえ壊れやすい細胞であっても、細胞を破壊することなく自然のままの標本を作製することの可能な生化学用容器を提供することである。
本発明の第1の特徴構成は、底板とその底板の周囲を囲む側壁枠からなる生化学用容器であって、前記底板と側壁枠が、互いに分離できる分離自在部を介して接続されているところにある。
本発明の第1の特徴構成によれば、生化学用容器を構成する底板と側壁枠が、互いに分離できる分離自在部を介して接続されているので、生化学用容器の底板上で細胞を培養した後、培養後の細胞と一緒に底板を側壁枠から取り外すことにより、底板ごと標本にすることができる。
したがって、比較的簡単に標本を作製することができるとともに、たとえ壊れやすい細胞であっても、標本作製時に細胞を破壊するおそれもなく自然のままの標本を作製することができる。
したがって、比較的簡単に標本を作製することができるとともに、たとえ壊れやすい細胞であっても、標本作製時に細胞を破壊するおそれもなく自然のままの標本を作製することができる。
本発明の第2の特徴構成は、上記第1の特徴構成を有する生化学用容器において、前記側壁枠が、外側に位置する外枠とその外枠に内嵌自在な内枠で構成され、前記外枠から内方へ延出する外枠フランジと前記内枠の下端部が前記分離自在部を形成して、それら外枠フランジと内枠下端部の間に前記底板が挟み込まれて接続されているところにある。
本発明の第2の特徴構成によれば、側壁枠が、外側に位置する外枠とその外枠に内嵌自在な内枠で構成され、外枠から内方へ延出する外枠フランジと内枠の下端部が分離自在部を形成して、それら外枠フランジと内枠下端部の間に底板が挟み込まれて接続されているので、外枠と内枠の嵌合を外すことによって、底板を簡単に取り外して標本を作製することができ、場合によっては、外枠と内枠の再使用も可能となる。
本発明の第3の特徴構成は、上記第2の特徴構成を有する生化学用容器において、前記内枠下端部から内方へ延出する内枠フランジが設けられ、その内枠フランジと前記外枠フランジが前記分離自在部を形成して、それら両フランジの間に前記底板と共に止水用パッキンが挟み込まれているところにある。
本発明の第3の特徴構成によれば、内枠下端部から内方へ延出する内枠フランジが設けられ、その内枠フランジと前記外枠フランジが分離自在部を形成しているので、両フランジの間に底板を確実に挟み込むことができるのに加えて、それら両フランジの間に底板と共に止水用パッキンが挟み込まれているので、容器内に培養液などの溶液を入れて細胞を培養する際、底板と側壁枠の間からの溶液の漏洩を確実に防止して、細胞の培養を所望どおりに行うことができる。
本発明の第4の特徴構成は、上記第1の特徴構成を有する生化学用容器において、前記側壁枠が、その下端部から内方へ延出する側壁枠フランジを備え、前記分離自在部を構成するに、前記側壁枠フランジの上面に取り付けられた枠側密着性弾性シール材と、前記底板の下面に取り付けられた底板側密着性弾性シール材とを設け、それら密着性弾性シール材どうしを互いに密着分離自在に設けてあるところにある。
本発明の第4の特徴構成によれば、側壁枠が、その下端部から内方へ延出する側壁枠フランジを備え、分離自在部を構成するに、側壁枠フランジの上面に取り付けられた枠側密着性弾性シール材と、底板の下面に取り付けられた底板側密着性弾性シール材とを設け、それら密着性弾性シール材どうしを互いに密着分離自在に設けてあるので、側壁枠に底板を取り付けた状態では、枠側密着性弾性シール材と底板側密着性弾性シール材が互いに密着してシール効果を発揮することになり、たとえ容器内に培養液などの溶液を入れても両密着性弾性シール材の密着面間からの溶液漏洩のおそれは少なく、また、両密着性弾性シール材どうしを分離することによって、底板を簡単に取り外して標本を作製することができ、場合によっては、側壁枠の再使用も可能となる。
本発明の第5の特徴構成は、上記第4の特徴構成を有する生化学用容器において、前記枠側密着性弾性シール材と前記底板側密着性弾性シール材が、生化学用容器に収容される溶液に対して親和性の低いまたは無い材料で形成されているところにある。
本発明の第5の特徴構成によれば、枠側密着性弾性シール材と底板側密着性弾性シール材が、生化学用容器に収容される溶液に対して親和性の低いまたは無い材料で形成されているので、両密着性弾性シール材の密着面間からの溶液漏洩のおそれはより一層少なくなり、また、各密着性弾性シール材自体からの漏洩のおそれもない。
本発明の第6の特徴構成は、上記第4または第5の特徴構成を有する生化学用容器において、前記枠側密着性弾性シール材が、前記側壁枠フランジに接着により一体化され、前記底板側密着性弾性シール材が、前記底板に接着により一体化されているところにある。
本発明の第6の特徴構成によれば、枠側密着性弾性シール材が、側壁枠フランジに接着により一体化され、底板側密着性弾性シール材が、底板に接着により一体化されているので、枠側密着性弾性シール材と側壁枠フランジとの間、および、底板側密着性弾性シール材と底板との間からの溶液漏洩のおそれもなく、特に、分離自在部が上記第4〜第6の特徴構成を全て備えている場合には、分離自在部からの溶液の漏洩はほとんど皆無となる。
本発明の第7の特徴構成は、上記第1の特徴構成を有する生化学用容器において、前記底板と側壁枠が一体化されていて、前記分離自在部が、前記底板に設けられた分離用の切込みにより形成されているところにある。
本発明の第7の特徴構成によれば、底板と側壁枠が一体化されているので、たとえ容器内に多量の溶液を入れて細胞を培養する場合でも、容器からの溶液の漏洩は確実に防止され、さらに、分離自在部が、底板に設けられた分離用の切込みにより形成されているので、その切込みから底板を分離して標本を作製することができる。
本発明の第8の特徴構成は、上記第1〜第7のいずれかの特徴構成を有する生化学用容器において、前記底板が板ガラスである。
本発明の第8の特徴構成によれば、底板が板ガラスであるから、上述したように、その板ガラス製の底板を使用して標本を作製した後、そのままの状態で、例えば、紫外線や可視光などによる各種の観察や測定を精度良く行うことができる。
本発明による生化学用容器につき、第1〜第4の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
生化学用容器としては、例えば、細胞培養容器があり、第1の実施形態による細胞培養容器1は、図1および図2に示すように、平面視において円形の光透過性の板ガラスからなる底板2と、その底板2の周囲を囲む側壁枠3で構成されている。
底板2を構成する板ガラスは、板厚が0.15mm程度で、好ましくは、石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラスなどの各種のガラスにより形成されるが、例えば、樹脂、金属、セラミックスなど、ガラス以外の材料で形成することもできる。
生化学用容器としては、例えば、細胞培養容器があり、第1の実施形態による細胞培養容器1は、図1および図2に示すように、平面視において円形の光透過性の板ガラスからなる底板2と、その底板2の周囲を囲む側壁枠3で構成されている。
底板2を構成する板ガラスは、板厚が0.15mm程度で、好ましくは、石英ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラスなどの各種のガラスにより形成されるが、例えば、樹脂、金属、セラミックスなど、ガラス以外の材料で形成することもできる。
側壁枠3は、外側に位置する外枠4と、その外枠4に内嵌自在な内枠5により構成されて、外枠4の下端部には、内方へ延出する外枠フランジ4aが一体的に設けられ、内枠5の下端部にも、内方へ延出する内枠フランジ5aが一体的に設けられている。さらに、外枠4の上端部には、外方へ延出する外枠フランジ4bが、また、内枠5の上端部にも、外方へ延出する内枠フランジ5bが一体的に設けられている。
これらフランジ4a,4b,5a,5bは、外枠4と内枠5をそれぞれ補強する機能を有するが、特に、外枠4下端部の外枠フランジ4aと内枠5下端部の内枠フランジ5aは、底板2と側壁枠3を互いに分離できる分離自在部6を形成し、両フランジ4a,5aの間に底板2が挟み込まれて、底板2と側壁枠3が互いに接続されている。
これらフランジ4a,4b,5a,5bは、外枠4と内枠5をそれぞれ補強する機能を有するが、特に、外枠4下端部の外枠フランジ4aと内枠5下端部の内枠フランジ5aは、底板2と側壁枠3を互いに分離できる分離自在部6を形成し、両フランジ4a,5aの間に底板2が挟み込まれて、底板2と側壁枠3が互いに接続されている。
これら外枠4と内枠5も、樹脂、金属、セラミックス、ガラス、木材などの各種の材料から形成可能である。
そして、分離自在部6を形成する両フランジ4a,5aの間には、シリコーン樹脂からなる止水用パッキン7が位置されて底板2と共に挟み込まれ、例えば、細胞培養容器1内に培養液などの溶液を収容した際、底板2と側壁枠3との間からの溶液の漏出を防止するように構成されている。
そして、分離自在部6を形成する両フランジ4a,5aの間には、シリコーン樹脂からなる止水用パッキン7が位置されて底板2と共に挟み込まれ、例えば、細胞培養容器1内に培養液などの溶液を収容した際、底板2と側壁枠3との間からの溶液の漏出を防止するように構成されている。
この第1の実施形態による細胞培養容器1を使用して細胞を培養するには、容器1内に培養液などの溶液を入れて底板2上で細胞を培養する。
培養した細胞を標本にするには、外枠4から内枠5を上方へ抜き取り、さらに、外枠4から底板2を外すことによって、底板2ごと標本にすることができ、たとえ壊れやすい細胞であっても、細胞を破壊することなく自然のままの標本を作製することができる。
そして、外枠4と内枠5および止水用パッキン7に関しては、再使用も可能であり、また、この実施形態のように、底板2を光透過性の板ガラスで構成する場合には、そのままの状態で、紫外線や可視光などによる各種の観察や測定も可能となる。
培養した細胞を標本にするには、外枠4から内枠5を上方へ抜き取り、さらに、外枠4から底板2を外すことによって、底板2ごと標本にすることができ、たとえ壊れやすい細胞であっても、細胞を破壊することなく自然のままの標本を作製することができる。
そして、外枠4と内枠5および止水用パッキン7に関しては、再使用も可能であり、また、この実施形態のように、底板2を光透過性の板ガラスで構成する場合には、そのままの状態で、紫外線や可視光などによる各種の観察や測定も可能となる。
なお、この第1の実施形態では、外枠4の下端部に外枠フランジ4aを設け、さらに、内枠5の下端部にも内枠フランジ5aを設けて、これら外枠フランジ4aと内枠フランジ5aにより分離自在部6を形成した例を示したが、外枠4の下端部にのみ外枠フランジ4aを設けて、その外枠フランジ4aと内枠5の下端部との間に底板2と止水用パッキン7を挟みこんで接続することもでき、その場合には、外枠フランジ4aと内枠5の下端部が分離自在部6を形成することになる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態による細胞培養容器1も、図3に示すように、第1の実施形態と同様、平面視において円形の光透過性の板ガラスからなる底板2と、その底板2の周囲を囲む側壁枠3で構成されている。
底板2に関しては、第1の実施形態と特に変わるところはないが、側壁枠3に関しては、側壁枠3自体がガラス製の一体物で構成されて、その下端部には、内方へ延出する側壁枠フランジ3aが一体的に設けられている。
そして、側壁枠フランジ3aの上面には、枠側密着性弾性シール材8が取り付けられ、底板2の下面には、底板側密着性弾性シール材9が取り付けられて、互いに密着分離自在な両密着性弾性シール材8,9によって、底板2と側壁枠3を互いに分離できる分離自在部6が形成されている。
第2の実施形態による細胞培養容器1も、図3に示すように、第1の実施形態と同様、平面視において円形の光透過性の板ガラスからなる底板2と、その底板2の周囲を囲む側壁枠3で構成されている。
底板2に関しては、第1の実施形態と特に変わるところはないが、側壁枠3に関しては、側壁枠3自体がガラス製の一体物で構成されて、その下端部には、内方へ延出する側壁枠フランジ3aが一体的に設けられている。
そして、側壁枠フランジ3aの上面には、枠側密着性弾性シール材8が取り付けられ、底板2の下面には、底板側密着性弾性シール材9が取り付けられて、互いに密着分離自在な両密着性弾性シール材8,9によって、底板2と側壁枠3を互いに分離できる分離自在部6が形成されている。
分離自在部6を形成する密着性弾性シール材8,9としては、例えば、シリコンポッティングゴム(信越化学工業株式会社製の商品名)のように、適度な密着性、弾性、および、シール性を有して互いに密着ならびに分離可能な材料であるシリコーンゴムを使用することができる。
具体的には、側壁枠フランジ3aの上面にシリコーンゴムを塗布して硬化させることによって、枠側密着性弾性シール材8が側壁枠フランジ3aに接着により一体化されて形成され、同様に、底板2の下面にシリコーンゴムを塗布して硬化させることによって、底板側密着性弾性シール材9が底板2に接着により一体化されて形成され、特に、底板2の下面への塗布に際しては、底板2中央部分への垂れ込みを防ぐため、底板2中央部分にマスクをして塗布するのが望ましい。
具体的には、側壁枠フランジ3aの上面にシリコーンゴムを塗布して硬化させることによって、枠側密着性弾性シール材8が側壁枠フランジ3aに接着により一体化されて形成され、同様に、底板2の下面にシリコーンゴムを塗布して硬化させることによって、底板側密着性弾性シール材9が底板2に接着により一体化されて形成され、特に、底板2の下面への塗布に際しては、底板2中央部分への垂れ込みを防ぐため、底板2中央部分にマスクをして塗布するのが望ましい。
このシリコーンゴムは撥水性を有するので、密着性弾性シール材8,9としてシリコーンゴムを使用する場合、容器1に収容される水溶液に対して親和性が無く、両密着性弾性シール材8,9の密着面間からの水溶液漏洩や各密着性弾性シール材8,9自体からの水溶液漏洩のおそれはない。
この点に関して実験により確認したところ、シリコーンゴムに対する水の接触角は約104度で、シリコーンゴム製の密着性弾性シール材8,9の場合、分離自在部6からの水の漏洩は認められなかった。
その反面、シリコーンゴムに対するトルエンの接触角は約39度、灯油の接触角は約34度であり、容器1に収容される溶液がトルエンまたは灯油であれば、シリコーンゴム製の密着性弾性シール材8,9では不適当なことも判明した。
この点に関して実験により確認したところ、シリコーンゴムに対する水の接触角は約104度で、シリコーンゴム製の密着性弾性シール材8,9の場合、分離自在部6からの水の漏洩は認められなかった。
その反面、シリコーンゴムに対するトルエンの接触角は約39度、灯油の接触角は約34度であり、容器1に収容される溶液がトルエンまたは灯油であれば、シリコーンゴム製の密着性弾性シール材8,9では不適当なことも判明した。
この点に関して更に検討を重ねた結果、トルエンや灯油に対しては「寒天」または「わらびもち」がきわめて効果的であることが判明した。
実際に実験したところ、寒天製の密着性弾性シール材8,9では、容器1に収容される溶液がトルエンであっても、灯油であっても、更には、水であっても、分離自在部6からの溶液の漏洩は認められなかった。
また、わらびもち製の密着性弾性シール材8,9では、容器1に収容される溶液がトルエンであっても、灯油であっても、分離自在部6からの溶液の漏洩は認められなかった。
実際に実験したところ、寒天製の密着性弾性シール材8,9では、容器1に収容される溶液がトルエンであっても、灯油であっても、更には、水であっても、分離自在部6からの溶液の漏洩は認められなかった。
また、わらびもち製の密着性弾性シール材8,9では、容器1に収容される溶液がトルエンであっても、灯油であっても、分離自在部6からの溶液の漏洩は認められなかった。
以上の実験結果からしても、分離自在部6を形成する枠側密着性弾性シール材8と底板側密着性弾性シール材9は、容器1に収容される溶液に対して親和性の低い材料で形成されるのが好ましく、溶液に対して親和性の無い材料で形成されるのが最も好ましいことが明らかとなった。
なお、この第2の実施形態による側壁枠3も、ガラス以外に、樹脂、金属、セラミックス、木材などの各種の材料から形成可能である。
なお、この第2の実施形態による側壁枠3も、ガラス以外に、樹脂、金属、セラミックス、木材などの各種の材料から形成可能である。
この第2の実施形態による細胞培養容器1においても、第1の実施形態と同様に、容器1内に培養液などの溶液を入れて底板2上で細胞を培養する。
培養した細胞を標本にするには、側壁枠フランジ3a上面の枠側密着性弾性シール材8から底板2下面の底板側密着性弾性シール材9を剥がして底板2を上方へ抜き取るだけでよく、壊れやすい細胞であっても、破壊することなく自然のままの標本を作製することができ、側壁枠3の再使用も可能である。
培養した細胞を標本にするには、側壁枠フランジ3a上面の枠側密着性弾性シール材8から底板2下面の底板側密着性弾性シール材9を剥がして底板2を上方へ抜き取るだけでよく、壊れやすい細胞であっても、破壊することなく自然のままの標本を作製することができ、側壁枠3の再使用も可能である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態による細胞培養容器1は、図4に示すように、第2の実施形態と同様、光透過性の板ガラスからなる底板2と、側壁枠フランジ3aを一体的に備えたガラス製の側壁枠3で構成されている。
ただし、第3の実施形態では、底板2が側壁枠3のフランジ3a上面に接着剤10により予め接着されて一体化されており、底板2の下面周囲に設けられた分離用の切込み11によって分離自在部6が形成されている。
したがって、この第3の実施形態による細胞培養容器1では、細胞を培養した後、例えば、底板分離用の専用治具12を使用して、切込み11部分から底板2を剪断分離して標本を作製することになる。
第3の実施形態による細胞培養容器1は、図4に示すように、第2の実施形態と同様、光透過性の板ガラスからなる底板2と、側壁枠フランジ3aを一体的に備えたガラス製の側壁枠3で構成されている。
ただし、第3の実施形態では、底板2が側壁枠3のフランジ3a上面に接着剤10により予め接着されて一体化されており、底板2の下面周囲に設けられた分離用の切込み11によって分離自在部6が形成されている。
したがって、この第3の実施形態による細胞培養容器1では、細胞を培養した後、例えば、底板分離用の専用治具12を使用して、切込み11部分から底板2を剪断分離して標本を作製することになる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態による細胞培養容器1は、第1〜第3の実施形態とは異なり、図5および図6に示すように、底板2と側壁枠3が同じ材料で一体的に、換言すると、細胞培養容器1自体が同一材料で一体的に形成されている。
すなわち、細胞培養容器1を構成する底板2と側壁枠3がPETなどの樹脂により一体的に形成され、かつ、多数の細胞培養容器1が一連に形成されている。
各細胞培養容器1は、形状が矩形で、底板2の肉厚は比較的薄く、その底板2の周部2aと側壁枠3の肉厚は比較的厚く形成され、肉厚の厚い底板周部2aが肉厚の薄い底板2の周りを補強するように構成されている。
第4の実施形態による細胞培養容器1は、第1〜第3の実施形態とは異なり、図5および図6に示すように、底板2と側壁枠3が同じ材料で一体的に、換言すると、細胞培養容器1自体が同一材料で一体的に形成されている。
すなわち、細胞培養容器1を構成する底板2と側壁枠3がPETなどの樹脂により一体的に形成され、かつ、多数の細胞培養容器1が一連に形成されている。
各細胞培養容器1は、形状が矩形で、底板2の肉厚は比較的薄く、その底板2の周部2aと側壁枠3の肉厚は比較的厚く形成され、肉厚の厚い底板周部2aが肉厚の薄い底板2の周りを補強するように構成されている。
そして、その底板周部2aには、第3の実施形態と同じような分離用の切込み11が設けられて、この切込み11が底板2と側壁枠3を互いに分離できる分離自在部6として機能するように構成されているので、分離自在部6としての切込み11を利用して底板2を取り外すことにより、底板2ごと標本にすることができる。
この第4の実施形態では、底板2の取り外しを一層容易にするため、各細胞培養容器1の側壁枠3に分離自在部6としての切込み11に連通する別の誘導用切込み13が設けられているので、専用の治具などを使用することなく底板2を取り外すことができる。
なお、この別の実施形態において、細胞培養容器1を樹脂以外の材料、例えば、ガラスなどで形成することもできる。
この第4の実施形態では、底板2の取り外しを一層容易にするため、各細胞培養容器1の側壁枠3に分離自在部6としての切込み11に連通する別の誘導用切込み13が設けられているので、専用の治具などを使用することなく底板2を取り外すことができる。
なお、この別の実施形態において、細胞培養容器1を樹脂以外の材料、例えば、ガラスなどで形成することもできる。
〔別実施形態〕
第1〜第4の実施形態では、主として単一の細胞培養容器を例示して説明したが、本発明による生化学用容器は、多数のウェルを備えたマイクロプレートサイズの容器にも適用することができる。
例えば、第2の実施形態による生化学用容器をマイクロプレートサイズの容器に適用すると、図7および図8に示すような構成となり、側壁枠3により形成される各ウェルにおいて、側壁枠フランジ3a上面の枠側密着性弾性シール材8と底板2下面の底板側密着性弾性シール材9により形成される分離自在部6によって、各底板2が側壁枠3に対して分離可能に構成されることになる。
第1〜第4の実施形態では、主として単一の細胞培養容器を例示して説明したが、本発明による生化学用容器は、多数のウェルを備えたマイクロプレートサイズの容器にも適用することができる。
例えば、第2の実施形態による生化学用容器をマイクロプレートサイズの容器に適用すると、図7および図8に示すような構成となり、側壁枠3により形成される各ウェルにおいて、側壁枠フランジ3a上面の枠側密着性弾性シール材8と底板2下面の底板側密着性弾性シール材9により形成される分離自在部6によって、各底板2が側壁枠3に対して分離可能に構成されることになる。
1 生化学用容器
2 底板
3 側壁枠
3a 側壁枠フランジ
4 外枠
4a 外枠フランジ
5 内枠
5a 内枠フランジ
6 分離自在部
7 止水用パッキン
8 枠側密着性弾性シール材
9 底板側密着性弾性シール材
11 分離用の切込み
2 底板
3 側壁枠
3a 側壁枠フランジ
4 外枠
4a 外枠フランジ
5 内枠
5a 内枠フランジ
6 分離自在部
7 止水用パッキン
8 枠側密着性弾性シール材
9 底板側密着性弾性シール材
11 分離用の切込み
Claims (8)
- 底板とその底板の周囲を囲む側壁枠からなる生化学用容器であって、
前記底板と側壁枠が、互いに分離できる分離自在部を介して接続されている生化学用容器。 - 前記側壁枠が、外側に位置する外枠とその外枠に内嵌自在な内枠で構成され、前記外枠から内方へ延出する外枠フランジと前記内枠の下端部が前記分離自在部を形成して、それら外枠フランジと内枠下端部の間に前記底板が挟み込まれて接続されている請求項1に記載の生化学用容器。
- 前記内枠下端部から内方へ延出する内枠フランジが設けられ、その内枠フランジと前記外枠フランジが前記分離自在部を形成して、それら両フランジの間に前記底板と共に止水用パッキンが挟み込まれている請求項2に記載の生化学用容器。
- 前記側壁枠が、その下端部から内方へ延出する側壁枠フランジを備え、前記分離自在部を構成するに、前記側壁枠フランジの上面に取り付けられた枠側密着性弾性シール材と、前記底板の下面に取り付けられた底板側密着性弾性シール材とを設け、それら密着性弾性シール材どうしを互いに密着分離自在に設けてある請求項1に記載の生化学用容器。
- 前記枠側密着性弾性シール材と前記底板側密着性弾性シール材が、生化学用容器に収容される溶液に対して親和性の低いまたは無い材料で形成されている請求項4に記載の生化学用容器。
- 前記枠側密着性弾性シール材が、前記側壁枠フランジに接着により一体化され、前記底板側密着性弾性シール材が、前記底板に接着により一体化されている請求項4または5に記載の生化学用容器。
- 前記底板と側壁枠が一体化されていて、前記分離自在部が、前記底板に設けられた分離用の切込みにより形成されている請求項1に記載の生化学用容器。
- 前記底板が板ガラスである請求項1〜7のいずれか1項に記載の生化学用容器。
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