JP2001197883A - 培養用容器 - Google Patents

培養用容器

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JP2001197883A
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JP2000007909A
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English (en)
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Kenji Kawamura
健司 河村
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M25/00Means for supporting, enclosing or fixing the microorganisms, e.g. immunocoatings
    • C12M25/06Plates; Walls; Drawers; Multilayer plates

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、細胞培養、組織培養、細菌培養な
どに用いられる培養用容器の表面に直接細胞等を培養
し、そのまま染色等を行い、標本としうる培養用小片が
培養用器中において培地交換の際等に培養用容器中で浮
き上がることを防ぎ通常の培養用容器と同じ使用が可能
となる培養用容器の提供を目的とする。 【解決手段】 培養用小片と、培養用容器本体からな
り、小片が培養用器本体の底面部に取り外し可能である
ように仮接着されていることを特徴とする培養用容器で
あって、小片と培養用容器本体を仮接着するための接着
剤が液状シリコーンゴム、ゼラチンまたはコラーゲンで
あることを特徴とする培養用容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞培養、組織培
養、細菌培養などに用いられる培養用容器に関するもの
で、その表面に直接細胞等を培養し、そのまま染色等を
行い、標本としうる培養用小片を保持する培養用容器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】組織培養、細胞培養の分野においては、
培養した組織や細胞の顕微鏡用標本を作製するには、一
般に、ペトリ皿や複数のウェルを持ったプレート内に顕
微鏡用プレパラートを作製するときに使用するガラス製
のカバーグラスを留置し、培地中でそのカバーグラス上
に組織や細胞を培養し、培養を終えたらそのカバーグラ
スをスライドグラス上に接着固定して顕微鏡用の標本と
することが一般的である。この時、使用されるカバーグ
ラスは一般的にガラス製で薄いために非常に破損しやす
く、取り扱い途中で割れてしまうことが多いという欠点
があった。そこで実開平3−700号公報や特開平6−
343453号公報に記載されるように、カバーグラス
の代替となるフィルム状のプラスチックよりなる培養用
小片が使用された。これらのプラスチック製培養用小片
はガラス製カバーグラスで問題であった破損の心配もな
く、さらに必要に応じた形状の加工や細胞培養のための
表面処理も簡単であり非常に有用性の高いものである。
【0003】これらの培養用小片に使用されるプラスチ
ックは透明性の高いポリスチレン樹脂やポリカーボネー
ト樹脂、テフロン樹脂などが使用されている。こうした
培養用小片は基本的に培地中に浸けた状態で使用される
ため培地の比重1.0より重い比重のプラスチックが使
用される。培養中、こうした培養用小片は培養用容器の
底面部に位置しているが、培地交換等の場合、固定して
いないため培養用小片が浮き上がって反転してしまい細
胞培養状態が変わってしまうことがしばしば起こってい
た。
【0004】また、最初に培養用容器に細胞分散液を分
注し細胞培養を開始するにあたり、浮き上がった培養用
小片の下に細胞分散液が入り培養用容器本体および培養
用小片の裏側(培養用容器本体側)に細胞が接着し、培
養時の培養用小片上の細胞観察において邪魔になるとと
もに、培養終了後の標本作製の際に培養用小片の両側に
細胞が存在するため、どちら側を標本とすべきか混乱を
きたすこととなる。標本作製の場合、乾燥などを防ぐた
めスライドグラス上にグリセリン溶液などで培養用小片
の細胞側を封入するといった手法が一般的に採られる
が、両側に細胞が存在する場合、封入されない側の細胞
は乾燥し、標本観察時に障害となる。細胞染色を実施し
た場合には観察においてバックグランド値の上昇を引き
起こし、特に蛍光物質を用いた染色観察では、シグナル
が見難い、最悪の場合見えなくなる等の問題が発生し
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞培養、
組織培養、細菌培養などに用いられる培養用容器の表面
に直接細胞等を培養し、そのまま染色等を行い、標本と
しうる培養用小片が培養用器中において培地交換の際等
に培養用容器中で浮き上がることを防ぎ通常の培養用容
器と同じ使用が可能となる培養用容器の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、厚さ0.
05〜0.5mmのプラスチックフィルムよりなる培養
用小片と、培養用容器本体からなり、培養用小片が培養
用器本体の底面部に取り外しできるように仮接着されて
いることを特徴とする培養用容器である。
【0007】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一つの実施例を示
す。培養用小片は組織や細胞培養時には容器本体に接着
している必要があり剥がれないある程度の強度が必要で
ある。しかしながら培養終了後は培養器本体より剥がし
細胞観察用の標本とする必要があり、培養用小片と本体
の接着は強すぎると培養用小片が本体より剥がす時に不
必要な力が加わり、培養小片上の細胞にストレスがかか
り本来の細胞状態でなくなる可能性がある。従って、培
養用小片と培養用容器本体との接着は剥離可能な接着で
ある必要がある。また、ここで用いる接着材は細胞培養
において培地中に存在することになるので、細胞毒性の
ある物質やその他の細胞の形態、増殖、機能に影響を及
ぼす物資であってはならないという条件が課せられる。
【0008】液状シリコンゴムの特徴としては架橋によ
り固化できるので液体状態で培養用容器に入れその上に
培養用小片を乗せ、そして硬化させると培養用小片と培
養用容器を接着できる。シリコンゴム自体は培養用小片
および培養用容器のどちらにも密着しているが完全に溶
着しているわけではないので培養用小片をはぎ取ること
が可能である。
【0009】次に生体由来の物質としては、ゼラチンま
たはコラーゲンの薄いゲルを用いて接着させることが可
能である。どちらも細胞培養においては培養用基材とし
て広く用いられている。培養用小片の仮接着方法として
はゲルを形成させる前の溶液状態時にその上に培養用小
片を静置させて後、ゲル化させて接着させる方法が簡便
である。
【0010】液状シリコンゴムにしても、ゼラチン、コ
ラーゲンにしても接着剤としての使用であるため、培養
用小片の上側、すなわち培養表面側には付着してはなら
ない。そのためには、培養用容器中への分注量を少なく
してウェル底面を薄く覆う(厚さにして0.2〜2m
m)量を分注しその上に培養用小片を乗せればよい。ま
た分注後に厚さが均一になるように伸ばす必要はなく、
上から培養用小片を軽く押さえつければウェル底面と培
養用小片の間に広がり、培養用小片の上から見て全体に
広がればそれで十分である。ゼラチン、コラーゲンも同
様である。また、シリコーンゴム、ゼラチン、コラーゲ
ンはそれぞれ溶液状態では液体粘度が高いので培養用小
片が溶液の中に沈み込むことはまず発生しないので、溶
液上に乗せる時に注意しさえすればよい。
【0011】培養用小片は細胞が接着し培養できること
が重要な特性となるので、その表面をコロナ処理、プラ
ズマ処理などの化学的な方法での親水化処理を施すこと
が必要である。さらに細胞接着因子であるコラーゲンや
ラミニン、ファイブロネクチン、ビトロネクチン、ポリ
−L−リジンなどを表面に塗布し細胞培養性を高めても
良い。この処理は培養用小片の培養用容器への接着前、
または接着後のどちらでも良く作業性を考慮すると接着
後に表面処理を施すことが望ましい。また、培養用小片
は、培養終了後培養用容器本体から剥離し易いように、
サイド部分に突起や切り込みを付けておくと効果的であ
る。(図2)
【0012】培養用容器本体は、通常使用される使い捨
てのプラスチック樹脂製のシャーレやマルチウェルプレ
ート、培養用フラスコが適しているが、ガラス製のそれ
も十分使用することが可能である。必要な特性としては
培養時の形態観察のための透明性である。それ故に、ポ
リスチレン樹脂であることが最も望ましい。
【0013】細胞培養用具の滅菌には通常、放射線滅
菌、蒸気滅菌が使用される。本発明においては滅菌方法
は限定しない。例えば、全てを組み上げてから放射線に
よる滅菌処理を施すことも可能であるし、または既に滅
菌済みの材料である培養用小片、培養用容器本体、接着
剤を無菌環境化、例えばクリーンベンチ等、で無菌的に
組み立てることも可能である。培養用容器本体はポリス
チレン樹脂が使用される場合が多くこの場合は蒸気滅菌
時の温度上昇により変形を生じる。従って放射線による
滅菌を主に使用することが望ましい。また、作業効率の
点からは全てを組み上げてから滅菌を施す方法が簡便で
ある。
【0014】
【実施例】(実施例1)24ウェルタイプの組織培養用
マルチウェルプレート(住友ベークライト製、MS−8
0240)のウェル底面部にシリコン樹脂(東レシリコ
ーン製SH−9555)を0.5mLを入れシリコン樹
脂が硬化する前に24ウェルに入るサイズの市販の培養
用小片(住友ベークライト製、MS―92130)をウ
ェル底面部のシリコン樹脂の上におきそのまま放置して
シリコン樹脂を硬化させる。組上がった培養用容器をγ
線10kGy照射し滅菌する。
【0015】HeLa細胞を組織培養用フラスコ(住友
ベークライト製MS−20250)内で10%ウシ血清
添加の最小必須培地(MEM)で培養し、細胞数を増や
しておく。フラスコ培養面が細胞で満たされたらフラス
コ内の培地を捨て、リン酸緩衝液(pH7.4)でフラ
スコ内部の培地を除いたあと、細胞培養面が浸る程度の
0.1%トリプシン溶液を加え2分間37℃で加温。ト
リプシンの酵素作用でHeLa細胞がフラスコから剥が
れたら細胞を回収し遠心管に移して800回転/分で1
分遠心し上清をすてトリプシンを除去する。細胞を新し
い10%ウシ血清含有MEMに分散させ先に用意した培
養用容器の各ウェル内に分注し、37℃の炭酸ガスイン
キュベーター内に静置して培養する。
【0016】(実施例2)市販の組織培養ゼラチンパウ
ダー(新田ゼラチン製)1gを100mLの純水に入れ
121℃で20分間蒸気滅菌しゼラチン溶液を作製す
る。クリーンベンチ中で24ウェルタイプの滅菌済みの
組織培養用マルチウェルプレート(住友ベークライト
製、MS−80240)のウェル底面部に先に準備した
ゼラチン溶液を0.5mLを入れる。24ウェルに入る
サイズの市販の培養用小片(住友ベークライト製、MS
―92130)をウェル底面部のゼラチンの上におき冷
蔵庫に入れゼラチンをゲル化させる。細胞培養に関して
は実施例1と同様に行った。
【0017】(実施例3)クリーンベンチ内で市販のタ
イプ1コラーゲン溶液(新田ゼラチン製)8溶に10倍
濃度の滅菌済みF−12培地1溶、pH調整用の滅菌済
み水酸化ナトリウム溶液1溶を氷上の滅菌済み試験管内
で混和する。24ウェルタイプのマルチウェルプレート
(住友ベークライト製、MS−80240)のウェル底
面部に先に準備したコラーゲン溶液を0.5mLを入れ
る。24ウェルに入るサイズの市販の培養用小片(住友
ベークライト製、MS―92130)をウェル底面部の
コラーゲン溶液の上におき37℃の炭酸ガス培養器に入
れコラーゲンをゲル化させる。細胞培養に関しては実施
例1に同様に行った。
【0018】(比較例1)24ウェルタイプの滅菌済み
組織培養用マルチウェルプレート(住友ベークライト
製、MS−80240)のウェル底面部に24ウェルに
入るサイズの市販の培養用小片(住友ベークライト製、
MS―92130)を入れておく。細胞培養に関しては
実施例1に同じ。実施例1、2、3、比較例の顕微鏡観
察の結果、比較例では培養用小片を取り除いたあとのウ
ェル中央部に細胞が接着伸展しているのに対し、実施例
では細胞は培養用小片を取り除いた部分には存在せず培
養用小片と培養用器の間に細胞が入って来ていないこと
が確認できた。更に実施例1、2、3においては培養用
小片の下側は仮接着で密閉されていたため細胞の回り込
み等、標本作製、その観察において問題となる状態には
ならなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明のように、培養用容器本体に対し
て培養用小片を仮接着した培養用容器で細胞を培養する
ことで、通常の培養と同じ要領で簡単に標本を作製する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】培養用小片付培養用容器の断面の概略図である
【図2】培養用小片の形状の例である
【符号の説明】
10 培養用小片 11 培養用容器 12 接着剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ0.05〜0.5mmのプラスチッ
    クフィルムよりなる培養用小片と、培養用容器本体から
    なり、培養用小片が培養用器本体の底面部に取り外しで
    きるように仮接着されていることを特徴とする培養用容
    器。
  2. 【請求項2】 仮接着するための接着剤が液状シリコー
    ンゴム、ゼラチン又はコラーゲンである請求項1項記載
    の培養用容器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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