JP2007174989A - 細胞培養担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞培養中に浮くことがない細胞培養担体を提供する。
【解決手段】最表面が細胞接着性である単層または多層構造の細胞培養担体であって、該細胞培養担体の少なくとも1以上の層に1より大きい比重を有する比重調整物質が含まれていることを特徴とする細胞培養担体であり、該比重調整物質が水または培地に難溶性または不溶であり、1μm以下のサイズを有する微粒子であり、金属、セラミック、ガラス、またはコロイド粒子である細胞培養担体を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養担体、並びに該細胞培養担体を利用した細胞の培養方法に関する。
高分子含水ゲルは、生体に類似した構造を持ち、温度、酸性・アルカリ性等の外部条件によって膨張、収縮する性質を有するため、人工筋肉などの人工臓器・組織への応用、内部に薬剤を封入して放出量をコントロールする医療分野への応用のみならず、各種サイトカイン等を含むゲルとして細胞を培養する際に細胞成長の足場としての利用も試みられている。
高分子含水ゲルからなる細胞培養担体を用いた場合、培養中又は転写時に培地中の細胞培養担体が浮く可能性があり、細胞の培養および細胞重層化に影響するという問題があった。
特開2001-299340号公報(特許文献1)には、ポリビニルアルコール、金属イオンとの接触によりゲル化する水溶性高分子多糖類、及び比重調整剤を含む水溶液を、金属イオンを含有する水溶液中に滴下して粒状にゲル化させる酵素または微生物固定化担体の比重調整方法が記載されている。特許文献2には、比重調整剤として比重1.9以上の、水に不溶ないし難溶性の無機質粉粒体を用いることが記載されているが、シート状担体に関する記載はない。また、仮に、特許文献2に記載された材料を用いてシート状担体を作製することができたとしても、細胞培養担体としての強度を得ることはできない。さらに、特許文献2に記載の親水性ポリマーは、細胞の接着、育成に問題がある。
また、特開2004-169267号公報(特許文献2)には、磁鉄鉱粉末および二酸化チタン粉末を合計で50〜85重量%含有するポリアミドを芯成分とし、繊維比重が1.5以上である複合繊維が記載されている。しかしながら、特許文献3に記載の複合繊維は、細胞接着性及び透明性の観点から細胞培養担体への利用は困難であり、また、特許文献3に記載の材料を用いて膜を作製したとしても物質透過性がほとんどないとないため、その膜を用いた細胞を培養しても細胞は生息することができない。
特開2001-299340号公報 特開2004-169267号公報
本発明は、細胞培養中に浮くことがない細胞培養担体を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、細胞接着性や毒性の問題を伴うことなく細胞培養を行うことが可能な細胞培養担体を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、細胞培養担体を構成する少なくとも1以上の層に比重調整物質を含めることによって、細胞培養中に細胞培養担体が浮くことがなく、かつ細胞を良好に培養することが可能な細胞培養担体を提供できることを見出した。本発明はこれらの知見を基に完成されたものである。
すなわち本発明によれば、最表面が細胞接着性である単層または多層構造の細胞培養担体であって、該細胞培養担体の少なくとも1以上の層に1より大きい比重を有する比重調整物質が含まれていることを特徴とする細胞培養担体が提供される。
好ましくは、比重調製物質は、水または培地に難溶性または不溶である。
好ましくは、比重調整物質は、1μm以下のサイズを有する微粒子である。
好ましくは、比重調整物質は、500nm以下のサイズを有するナノ粒子である。
好ましくは、比重調整物質は金属、セラミック、ガラス、又はコロイド粒子である。
好ましくは、本発明の細胞培養担体は、細胞接着性層とそれ以外の層から構成される多層構造を有し、比重調整物質が、細胞接着性層以外の層に含まれている。
好ましくは、細胞培養担体を構成する材料は合成高分子または天然高分子である。
好ましくは、細胞培養担体を構成する材料は透明である。
好ましくは、本発明の細胞培養担体は、少なくとも1層以上の高分子含水ゲル層を含む。
好ましくは、高分子含水ゲルはキトサンである。
好ましくは、細胞培養担体はさらにアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を含み、該ゲル層は高分子含水ゲル層と隣接している。
好ましくは、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層は、アルギン酸ゲル層である。
好ましくは、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層は、アルギン酸カルシウムゲル層である。
好ましくは、細胞培養面側の最表面は細胞接着性ゲル層である。
好ましくは、細胞接着性ゲル層はゼラチン及び/又はコラーゲンを含むゲル層である。
好ましくは、本発明の細胞培養担体は、比重調整物質を含む細胞接着性の単層から構成される。
好ましくは、本発明の細胞培養担体は、比重調整物質を含む高分子含水ゲル層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層、及び細胞接着性層の3層から構成される。
好ましくは、本発明の細胞培養担体は、高分子含水ゲル層、比重調整物質を含む層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層、及び細胞接着性層の4層から構成される。
本発明の別の側面によれば、上記した本発明の細胞培養担体を用いて細胞を培養する工程を含む、細胞の培養方法が提供される。
本発明の細胞培養担体は比重が高いため培地中で浮くことがない。また、本発明の細胞培養担体においては比重調整物質は膜の中に含まれているため、重りを使用した場合に問題となる重りのずれによる膜の破壊が生じる危険がない。また、本発明の細胞培養担体を用いて細胞を培養した場合、細胞と比重調整物質は直接は接触しないため、比重調整物質による細胞への影響を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
本発明の細胞培養担体は、最表面が細胞接着性である単層または多層構造から構成されており、該細胞培養担体の少なくとも1以上の層に1より大きい比重を有する比重調整物質が含まれていることを特徴とする。
本発明で用いる1より大きい比重を有する比重調整物質の種類は、無機物または有機物の何れでもよい。無機物としては、金属(金属コロイドを含む)、金属酸化物(金属酸化物コロイドを含む)、シリカ、ガラスなどが挙げられ、有機物としてはプラスチック類(樹脂コロイドを含む)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの比重調整物質は、単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
金属及び金属酸化物の具体例としては、チタン、金、銀、白金、プラチナ、ジルコニウム、アルミナおよびこれらの酸化物が挙げられる。
金属コロイドの具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモンおよび遷移金属(金、銀、白金、プラチナなど)から選択された少なくとも一つの元素のコロイド粒子状酸化物または水酸化物などが挙げられる。また、樹脂コロイドとしては、芳香族性水酸基を有する樹脂などが挙げられる。これらの元素のコロイド粒子状の酸化物または水酸化物は、上記元素のハロゲン化物やアルコキシ化合物の加水分解あるいは水酸化物の縮合など種々の公知の方法によってコロイド分散液の分散相、すなわち、コロイド粒子として作られる。コロイド粒子状酸化物または水酸化物を親水層塗布液に添加する場合は、コロイド分散液の状態で添加できる。
これらの元素の酸化物または水酸化物のうち、特に好ましいものは、アルミニウム、珪素、チタンおよびジルコニウムから選択された少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物である。
これらの元素のコロイド粒子状酸化物または水酸化物は、コロイドの粒径として、シリカの場合は5〜100nmの球形のものが好適である。10〜50nmの球状粒子が、50〜400nmの長さに連なったパールネックレス状のものも用いることができる。アルミニウムの酸化物または水酸化物のコロイドのように100nm×10nmのような羽毛状のものも有効である。これらのコロイドの分散液は、日産化学工業(株)などの市販品を購入することもできる。
本発明で用いる比重調整物質の比重は1より大きく、好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.5以上である。
本発明で用いる比重調製物質は、水または培地に難溶性または不溶であることが好ましい。ここで言う不溶とは、培地または水に溶解しないことをいう。また、ここで言う難溶性とは、培地または水にほとんど溶解しないことをいい、具体的には溶解度(溶媒100g中への溶解量)0.01mg/100g以下であり、好ましくは0.001mg/100g以下であり、より好ましくは0.0001mg/100g以下である。
比重が1より大きい比重調整物質としては、細胞の育成および細胞の観察に支障を期さないものを使用することが好ましい。細胞の育成に支障を期さないものとは、比重調整物質を添加した場合の細胞の培養状態が、比重調整物質を添加しない場合の細胞の培養状態と同じ状態を保つことをいう。また、細胞の観察に支障を期さないものとは、顕微鏡などによる比重調整物質を添加した場合の細胞の育成の様子が、比重調整物質を添加しない場合の細胞の育成の様子と同じように観察できることを言う。具体的には、細胞の大きさに比べて小さくすること、または比重調整物質は透明性を有することが好ましい。
透明性としては、比重調整物質を添加した場合の膜の屈折率と、比重調整物質を添加しない場合の屈折率の差が0.03以下であることが好ましく、さらに0.01以下であることが好ましい。
また、透明性を有する粒子としてガラスフィラーなどを用いた場合には、例えばガラスフィラーと膜を構成する材料との屈折率差が0.03以下であることが好ましく、さらに0.01以下であることが好ましい。
比重調整物質は、上記のように細胞の育成および細胞の観察に支障を期さない限り、任意の添加方法によって細胞培養担体を構成する1以上の層に含めることができる。好ましくは比重調整物質は、粒子として添加することができる。このような粒子サイズは、好ましくはサブミクロンサイズであり、ナノ粒子あることがさらに好ましい。具体的には、比重調整物質のサイズは好ましくは1μm以下であり、より好ましくは500nm以下であり、さらに好ましくは1〜200nmであり、特に好ましくは10〜150nmであり、最も好ましくは20〜100nmである。
比重調整物質は、細胞の育成および細胞の観察に支障を期さない範囲で膜中に含有することができれば、その含有方法に特に制限はないが、膜を作成する際に添加されることが好ましい。具体的な添加方法の例としては、膜を塗布で作成する場合、塗布溶液中に混合されることが好ましい。膜が多層構造である場合には、少なくとも1以上の層に含有されていることが好ましく、最表面層でも中間層でもよく、また複数層に含有されていてもよい。多層構造の膜の場合、好ましくは細胞接着性層とは反対側の最表面層またはその近傍の層に比重調整物質を含めることが好ましい。
比重調整物質の添加量は、細胞培養担体に対して0.1重量%〜80重量%の範囲で添加することができ、好ましくは0.1重量%〜60重量%であり、さらに1重量%〜50重量%であり、5重量%〜40重量%であることが最も好ましい。
比重調整物質を添加した本発明の細胞培養担体の比重は、1より大きいことが好ましく、好ましくは、1.01から3.0であり、より好ましくは1.1から2.0程度である。
本発明において、細胞培養担体とは、細胞を培養する際の担体又は支持体となり得るものを意味する。本発明の細胞培養担体の形状は特に限定されないが、シート状であるのが好ましい。
本発明の細胞培養担体の構成の具体例を図1に示す。
図1の左図は、細胞接着性の単層から構成される細胞培養担体を示す。比重調整物質は、細胞接着性の層に含まれている。
図2の中央図は、高分子含水ゲル層(図では、キトサン層)、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層(図では、アルギン酸層)、細胞接着性層(図では、コラーゲン層)の3層から構成される細胞培養担体を示す。比重調整物質は、高分子含水ゲル層(図では、キトサン層)に含まれている。
図3の右図は、高分子含水ゲル層(図では、キトサン層)、比重調整物質を含む層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層(図では、アルギン酸層)、細胞接着性層(図では、コラーゲン層)の4層から構成される細胞培養担体を示す。
以下、高分子含水ゲル層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層、及び細胞接着性層について説明する。
高分子含水ゲルとは親水性高分子を意味し、特に水には溶解しないが高分子中に水を含み系全体にわたって2次元的又は3次元的な支持構造を有する吸水性高分子をいう。本発明においては、高分子含水ゲル層として、キレート剤等の物質を層中に拡散させることにより該層の一方の面から他方の面にキレート剤を到達させることができるものを用いる。また、本発明においては、高分子含水ゲル層として、該層の一方の面から他方の面にアルギン酸ゲル等のアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲルは到達させないものを用いることができる。本発明で用いる高分子含水ゲル層は、このような層である限り特に限定されず、合成高分子であっても、天然高分子、生体高分子であってもよい。高分子含水ゲルの例としては、アクリルアミドゲル、架橋アクリル酸ゲル、寒天、ゼラチン、デキストラン、キトサン、シリカゲルなどがあげられるが、キトサンを用いることが好ましい。
本発明の細胞培養担体においては、「高分子含水ゲル層」は支持体であるのが好ましい。ここで、細胞培養担体において支持体であるとは、多層構造の細胞培養担体を作製する際の基盤となる層であることをいう。
本発明における高分子含水ゲル層の厚さは0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.1μm以上4μm以下、更に好ましくは0.5μm以上3μm以下である。高分子含水ゲル層が薄すぎると充分な膜を形成できず破れや裂けや穴が空いてしまうという問題が生じ、高分子含水ゲル層が厚すぎると培地成分や剥離操作時のキレート剤成分の拡散が遅く、細胞に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
本明細書において層の厚さは、特に言及のない限り充分に乾燥した状態で計測したものを示す。本明細書においては、この層の厚さを「乾燥膜厚」ということもある。層の厚さの計測は、電子顕微鏡断面像、マイクロメータ膜厚計、エリプソメーター、角度可変XPS、光干渉式膜厚計などを用いて行うことができ、好ましくはマイクロメータ膜厚計、電子顕微鏡断面像、光干渉式膜厚計を用いて行うことができる。
本発明の細胞培養担体における高分子含水ゲル層は、一般的に知られている種々の高分子含水ゲル膜の作製方法を用いて作製することができる。例えば、高分子含水ゲルの溶液をキャストする方法(キャスト法)やバーコーターで塗布する方法(バーコート法)、ギャップコーターで塗布する方法(ギャップコート法)などが挙げられるが、これらのうちバーコート塗布法、ギャップコート塗布法が好ましい。
本発明に用いられる高分子含水ゲルは、後述の本明細書で定義する溶液状態での粘度が1000 mPa・s以上50000mPa・s 以下のものを用いることできるが、3000 mPa・s 以上30000 mPa・s 以下であることが好ましく、さらに6000 mPa・s 以上20000 mPa・s 以下であることが好ましい。
同一条件で調製した高分子溶液の粘度は、高分子の分子量の指標となるものであり、粘度の数値が大きいものほど高分子量であることを意味する。本明細書で定義する高分子含水ゲルの溶液状態での粘度とは、該高分子12 gを1質量%の酢酸水溶液1000 gに添加したゲル化前の溶液を、25℃にてB型粘度計で測定したときの粘度をいう。粘度が低いとき、すなわち分子量が小さいときは、作製された高分子含水ゲル層の強度が弱いことが示唆される。また、低粘であることから高分子含水ゲル層の作製時に溶液が流れだして膜厚が不均一になったり、溶液の最表面のみが乾燥して皮膜を形成する皮張り現象を起こしたり、溶媒の乾燥に時間がかかったりする。一方、粘度が高すぎる場合、すなわち分子量が高すぎる場合、作製された高分子ゲル膜の強度はあるが、高分子含水ゲル膜の作成時に流延性がなく膜厚が不均一になる、又は塗膜が形成できないと言った不具合が生じる。粘度が上記の範囲である高分子含水ゲルを用いることにより、強度が高いとともに、上記の一定の厚さである高分子含水ゲル層を得ることができる。
また、図3の右図における比重調整物質を含む層は、上記した高分子含水ゲル層と同様の成分(即ち、アクリルアミドゲル、架橋アクリル酸ゲル、寒天、ゼラチン、デキストラン、キトサン、シリカゲルなど)を用いて調製することができる。比重調整物質を含む層は、特に好ましくはキトサン、ゼラチン、アガロースを用いて調製することができる。
本発明の好ましい態様として、高分子含水ゲル層がアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層と隣接しているものが挙げられる。アニオン性多糖類としては、アルギン酸、デキストラン硫酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルデキストラン、ヒアルロン酸などが挙げられるが、アルギン酸が好ましく用いられる。
アルギン酸は、褐藻類の細胞壁構成多糖又は細胞間充填物質として天然に存在しており、これらを原料として採取可能である。原料褐藻類の具体例としては、ヒバマタ目ダービリア科ダービリア属(例えばD.potatorum)、ヒバマタ目ヒバマタ科アスコフィラム属(例えばA.nodosum)、コンブ目コンブ科コンブ属(例えばマコンブ、ナガコンブ)、コンブ目コンブ科アラメ属(例えばアラメ)、コンブ目コンブ科カジメ属(例えばカジメ、ウロメ)、コンブ目レッソニア科レッソニア属(例えばL.flavikans)の褐藻類を例示できる。また、市販のアルギン酸を使用することもできる。アルギン酸のG/Mの比は特に限定されないが、G/Mの比が大きいほどゲル形成能が大きいので、G/Mの比は大きい方が好ましく、具体的には0.1〜1であるのが好ましく、0.2〜0.5であるのがさらに好ましい。
「アルギン酸ゲル」とは、アルギン酸の分子中のカルボン酸基と多価金属イオンとがキレート構造を形成してゲル化したものを意味し、「アルギン酸ゲル層」とは、層状のアルギン酸ゲルを意味する。アルギン酸は、グルクロン酸(G)とマンヌロン酸(M)よりなるブロック共重合体であり、Mブロックが有するポケット構造に多価金属カチオンが侵入してエッグボックスを形成し、ゲル化すると考えられている。アルギン酸のゲル化を引き起こし得る多価金属カチオンの具体例としては、バリウム(Ba)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ストロンチウム(Sr)、カドミウム(Cd)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)等の金属イオンを例示でき、これらのうち特に好ましいものとして、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン、ストロンチウムイオンを例示できる。また、「アルギン酸ゲル」はアルギン酸とカチオン残基を有する有機高分子化合物のポリイオンコンプレックスゲルでもよい。ここでいうカチオン残基を有する有機高分子化合物の例としては、ポリリジン、キトサン、ゼラチン、コラーゲンなどの複数のアミノ基を有する化合物が挙げられる。
アルギン酸のゲル化は、常法に従って行なうことができる。アルギン酸のゲル化は、例えばイオン交換を利用して行なうことができる。例えば、アルギン酸ナトリウム水溶液にカルシウムイオンを添加すると速やかにイオン交換が生じ、アルギン酸カルシウムゲルが得られる。より具体的には、0.2〜5%アルギン酸ナトリウム水溶液を、高分子含水ゲル(例えば、キトサン)層上に塗布後0.01〜1.0 M 塩化カルシウム水溶液中に浸漬して塩化カルシウムをしみ込ませ、20〜30℃で3分〜3時間放置することによりアルギン酸カルシウムゲル層が得られる。このように高分子含水ゲルを用いてアルギン酸のゲル化を行なえば、高分子含水ゲル層と該高分子含水ゲル層上に形成されたアルギン酸ゲル層とを含む細胞培養担体を得ることができる。
本発明の細胞培養担体におけるアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の厚さは0.01μm以上50μm以下であることが好ましく、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.5μm以上5μm以下であることがさらに好ましい。アルギン酸ゲル層の固形分量が少なすぎると充分な膜状の層を形成できず穴が空いてしまい、多すぎると乾燥膜でのカールや割れの発生、培養工程での変形やアルギン酸ゲル溶解工程での溶解不良といった問題が生じる。
本発明の細胞培養担体上に形成された培養細胞層は、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化処理することにより細胞シートとして剥離させることができる。細胞シートは培養細胞層及び好ましくは後述の細胞接着性層を含む。アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化処理は、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を構成するカチオン成分を除去することにより実施でき、カチオン種が多価金属イオンの場合は、培養細胞層が形成された細胞培養担体を1)リン酸などの多価金属カチオンと錯形成するもしくは難溶性塩を形成するイオンが添加された培地に浸漬する、2)キレート剤水溶液が添加された培地に浸漬する、3)多価金属イオンが低減された培地に浸漬する、又は4)該細胞の培養培地中の多価金属イオンをキレート剤によって隠蔽する方法によって実施できる。通常、細胞培養用の培地にはリン酸イオンが多く存在する。従って、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化処理は、多価金属カチオン濃度が通常細胞培養に用いられる最小培地における多価金属カチオンの濃度よりも少なく、かつキレート剤を含む培地を用いて行うことが好ましい。具体的には該濃度は2.6mM以下であることが好ましく、3μM以下がより好ましく、さらに好ましくは0.5μM以下であり、実質的に0であることが最も好ましい。また、該キレート剤の濃度は2.3mM以上かつ26000mM以下が好ましく、2.3mM以上かつ2600mM以下がさらに好ましい。上記のように多価金属カチオン濃度を低減した培地を用いることにより、キレート剤の細胞への侵襲を低減したアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化が可能である。
本発明で用いられるキレート剤としては、例えば、エチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、1,3-ジアミノプロパノール四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸(edta)、グリコールエーテルジアミン四酢酸、O,O'-ビス(2-アミノエチル)エチレングリコール-N,N,N',N'-四酢酸(egta)、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、1,1-ジホスホノエタン-2-カルボン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、1-ヒドロキシ-1-ホスホノプロパン-1,3,3-トリカルボン酸、カテコール-3,5-ジスルホン酸、ピロリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、1-ヒドロキシプロピリデン−1,1-ジホスホン酸、1-アミノエチリデン-1,1-ジホスホン酸やこれらの塩が挙げられる。これらのうち好ましいものとしてはedta、egta、エチレンジアミンテトラホスホン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸が挙げられる。
さらに、上記のアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化処理する際の培地においては,カチオン性アミノ酸の濃度が、通常細胞培養に用いられる最小培地におけるカチオン性アミノ酸濃度より少ない濃度であることが好ましい。具体的には、該濃度は1.0mM以下であることが好ましく、2μM以下がより好ましく、さらに好ましくは0.5μM以下であり、実質的に0であることが最も好ましい。カチオン性アミノ酸成分とは、L-Lysin(Lys)、L-Arginine(Arg)、L-Histidine(His)、L-Cystine(Cys)及びこれらの塩をいう。
アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化処理は、上記のいずれかの可溶化処理用培地に一回又は複数回浸漬することにより実施すればよい。複数回の場合は用いる可溶化処理用培地は同一でも異なってもよい。
キレート剤を用いたアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化処理の際、すなわち培養細胞層が形成された細胞培養担体を可溶化処理用の培地に浸漬する際には、高分子含水ゲル層側からキレート剤がしみこむように行うのが好ましい。これによって、高分子含水ゲルとアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層とを容易に分離することができ、培養された細胞層を含む細胞シートを高分子含水ゲル層から容易に剥離させることができる。アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層の可溶化処理によってアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を完全に除去する必要はなく、可溶化されなかったアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層が残っていてもよいが、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層はできるだけ可溶化して除去するのが好ましい。
本発明の別の好ましい態様としては、細胞培養面側最表面が細胞接着性ゲル層である細胞培養担体が挙げられる。
「細胞接着性ゲル層」とは、層状の細胞接着性を有するハイドロゲルを意味し、細胞毒性が無く、通常の培養条件で細胞が付着するゲルであれば天然、合成の化合物いずれでもよいが、好ましくは層状の細胞外マトリックス成分ゲルである。細胞外マトリックスは、一般的には「動物組織中の細胞の外側に存在する安定な生体構造物で、細胞が合成し、細胞外に分泌・蓄積した生体高分子の複雑な会合体」と定義されており(生化学辞典(第3版)p.570,東京化学同人(株))、細胞を物質的に支持する役割や細胞の活性を調節する役割(すなわち細胞外の情報を細胞に伝えその活性に変化を与える役割)等を担っている。「細胞外マトリックス成分」とは、細胞外マトリックスの構成成分を意味し、その具体例としては、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、グルコサミノグリカン(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸など)、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、ゼラチン等を例示でき、これらのうち特に好ましいものとして、コラーゲン、アテロコラーゲン、マトリゲル(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸よりなるゲル)、ヒアルロン酸、及びゼラチンを例示できる。細胞外マトリックス成分は、常法に従って得ることができる。また、市販の細胞外マトリックス成分を使用してもよい。細胞接着性成分のゲル化は、常法に従って行なうことができる。例えば、細胞接着性成分がコラーゲンである場合には、0.3〜0.5%コラーゲン水溶液を37℃で10〜20分間インキュベーションすることにより、コラーゲンゲルを得ることができる。細胞外マトリックス成分のゲル化の際には、必要に応じてゲル化剤を使用してもよい。
本発明における細胞接着性ゲル層の厚さは0.005μm以上5.0μm以下が好ましく、0. 005μm以上1.0μm以下がより好ましく、0. 005μm以上0.5μm以下がさらに好ましい。細胞接着性ゲル層が厚いと乾燥時に層に亀裂が発生するばかりか、細胞の転写が著しく困難になる。
アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層上に細胞接着性ゲル層を形成させる際には、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層と細胞接着性成分ゲル層とを別々に作製した後、両者を重ねてもよいが、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層上に細胞接着性成分含有水溶液を添加した後、該水溶液をゲル化させるのが好ましい。細胞接着性ゲル層は脱着を行なうのに十分な物理的強度を有していないため、細胞接着性ゲル層を形成させた容器(例えばディッシュ、シャーレ等)から細胞接着性ゲル層を剥離するのは困難だからである。また、極薄層の細胞接着性ゲル層は、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を再簿接着性成分の溶液に浸漬すること(浸漬法)や塗布すること(塗布法)、又はキャストすること(キャスト法)で簡便に得ることができるが、本発明の細胞培養担体の作成ではこれらのいずれの方法を用いてもよい。このうちキャスト法が好ましく用いられる。例えば、アルギン酸ゲル上にコラーゲンゲル層を形成する場合には、市販の0.3〜0.5%コラーゲン水溶液を必要により適当な濃度に希釈し、上記の方法で作成したアルギン酸カルシウムゲル上にこの溶液をキャストし、乾燥させることで、アルギン酸ゲル上にコラーゲンゲル層が形成したものが得られる。
本発明の細胞培養担体上に形成された培養細胞層は、上述のようにアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化処理することにより細胞シートとして剥離させることができる。本発明の細胞培養担体としては、その際の操作性を向上させるために、細胞接着性ゲル層と反対側の高分子含水ゲル層の面に、物理的な補強治具を設けてもよい。物理的な補強治具の材質は、細胞に影響を与えない材質であれば特に限定はないが、金属類(たとえば鉄、ステンレス、チタン、金など)、プラスチック類(たとえばポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルなど)、陶器などの無機材料類などであり、ステンレス、チタン、プラスチック類が好ましい。
物理的な補強治具は、本発明の細胞培養担体の取り扱い性を向上させることができればいかなる形状をしていてもよいが、板状であることが好ましく、厚さは、好ましくは0.1μm以上10mm以下、より好ましくは1μm以上1mm以下、さらに好ましくは10μm以上200μm以下である。
物理的な補強治具は、細胞観察用に本発明の細胞培養担体が見える部分があればその形状は特に限定はないが、円、多角形(三角形、四角形、六角形など)、又はその組み合わせ(扇型など)等が例として挙げられる。そのなかで、円に近い形状であることが好ましい。また、細胞観察用に本発明の細胞培養担体が見える部分は1個でも複数でもよい。また高分子含水ゲル層の補強治具を接着した面の判別を容易にするために、非対称な形状であることが好ましい。
物理的な補強治具は、細胞培養に影響を及ぼさない限りいかなる方法で高分子ゲル膜に接着させてもよい。たとえば、高分子ゲル膜を作製した後市販の接着剤(たとえばアロンアルファ、ボンドなど)を使用して接着させる方法や高分子ゲル膜を作成する際に補強治具を未乾燥状態の高分子ゲル膜におくことで接着させてもよい。
物理的な補強治具は、その材質にもよるが、補助治具の縁が鋭利である場合がある。この場、補助治具の鋭い縁によって高分子含水ゲルが破けるばかりでなく、取り扱う作業者にも危険を及ぼす懸念がある。したがって、鋭い縁をなくすことが好ましい。鋭い縁をなくす方法として、細胞培養に支障がない限りいかなる方法を用いてもよいが、物理的な研磨(たとえば、やすりなどで磨くなど)や化学処理(たとえば、ケミカルエッチングなど)する方法が挙げられる。本発明において、物理的な補強治具はステンレス製の場合、ケミカルエッチングなどの化学処理を行うことが好ましい。
本発明の細胞培養担体上に形成された培養細胞層を細胞シートとして剥離させる際の操作性を向上させるために、細胞培養面側最表面に細胞接着性ゲル層を有する細胞培養担体においては、該細胞培養面側最表面の一部に該細胞接着性ゲル層未修飾部分、すなわち該細胞接着性ゲル層が形成されていない部分を設けてもよい。細胞接着性ゲル層未修飾部分は、高分子含水ゲル層又はアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層となる。細胞接着性ゲル層未修飾部分を設けることによって、高分子含水ゲル層と細胞接着性ゲル層を剥離する際の取り扱い性を向上させることができる。すなわち、細胞接着性ゲル層未修飾部分の高分子含水ゲル層をピンセットなどでつかむことにより細胞接着性ゲル層に触れないで高分子含水ゲル層を取り除くことができるため、細胞に悪影響が少ない。細胞接着性ゲル層未修飾部分は、本発明の細胞培養担体における高分子含水ゲル層の隅の部分であることが好ましい。
細胞接着性ゲル層未修飾部分を設ける方法としては細胞培養に支障がない限りいかなる方法を用いてもよいが、例えば一般的に良く知られているマスキング法が挙げられる。すなわち、高分子含水ゲル層上で細胞接着性ゲル層未修飾とする部分をあらかじめ別材料で覆い、該高分子含水ゲル層を細胞接着性ゲル成分で修飾した後、覆っていた別材料を除去することによって、細胞接着性ゲル層未修飾部分を設ける方法である。
細胞接着性ゲル層未修飾部分を設けるために覆う別材料の材質は、細胞培養に支障がない限りいかなる材質のものを用いてもよく、例えばシリコンゴム、市販のマスキングテープや粘着テープ、プラスチック類(例えばポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリルなど)、金属類(例えば鉄、ステンレス、チタン、金など)などが挙げられるが、シリコンゴム、市販のマスキングテープが好ましい。
細胞接着性ゲル層未修飾部分の形状は、細胞培養に支障がない限り特に限定はないが、円もしくは多角形(三角形、四角形、六角形)又はこれらの組み合わせ(扇型など)であることが好ましく、三角形、扇形であることが好ましい。細胞接着性ゲル層未修飾部分の大きさは、細胞培養に支障がない限り特に限定はないが、円相当で好ましくは直径0.1 mm以上10 mm以下、より好ましくは直径1 mm以上5 mm以下である。
本発明の細胞培養担体を用いて、培養し得る細胞の具体例としては、繊維芽細胞、血管内皮細胞、軟骨細胞、肝細胞、小腸上皮細胞、表皮角化細胞、骨芽細胞、骨髄間葉細胞等を例示でき、好ましいものとしては繊維芽細胞を例示できる。細胞の培養の際には、通常、細胞濃度1〜1.5万cells/mlの培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を細胞接着性ゲル層上に添加する。細胞の培養条件は、培養する細胞に従って適宜選択し得る。細胞接着性ゲル層上で細胞を培養する場合には、通常、細胞接着性ゲル層上にコンフルエントな単層の細胞層が形成されるまで行なう。
本発明の細胞培養担体を用いた細胞の培養は具体的には次のようにして行なうことができる。細胞培養担体をシャーレ等の内部に設置し、シャーレ内に適当な培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を添加して5分浸漬後培地交換することを3回繰り返したのち12〜24時間放置し、培養液を細胞培養担体中に浸潤させる。シャーレ内の培養液を捨て、細胞培養担体の細胞接着性ゲル層上に細胞を播き、シャーレ内に適当な培養液(例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地)を添加する。37℃で1〜2時間放置し、細胞接着性ゲル層に保持(接着)させた後、37℃で培養を続ける。培養の際には、必要に応じて培養液を交換してもよい。通常は培養0.5〜2日ごとに培養液を交換する。
本発明の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物は本発明の細胞培養担体と該細胞培養担体に保持された細胞層とを含む。「細胞培養担体に保持された細胞層」は好ましくは細胞接着性ゲル層上に形成された細胞層である。
アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化処理して得られる細胞シートは、細胞層を含んでいるので、細胞層の重層化ならびに転写に使用できる。細胞層の重層化の際には、本発明の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物を予め培養した細胞上に荷重をかけた状態又はかけない状態で重ね、さらに培養した後、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化してもよいし、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化して得られる細胞シート同士を重層化してもよいし、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化して得られる細胞シートを別に作製した細胞層に重層化してもよい。また、上記の方法などにより重層化した細胞層を含む細胞シート又は細胞培養物を、さらに別に作製した細胞層に重層化してもよい。別に作製した細胞層としては、本発明の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物の細胞層でもよく、他の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物の細胞層でもよく、また細胞シートでもよい。重層化する細胞層の細胞の種類は、同一であっても異なっていてもよい。重層化する細胞層の数は特に限定されないが、通常1〜10、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。
細胞層の転写の際には、別の細胞培養用基材上に本発明の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物を荷重をかけた状態又はかけない状態で載せて、さらに培養した後、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化してもよいし、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を可溶化して得られる細胞培養物を他の媒体に転写してもよい。また、転写される細胞培養物は重層化細胞培養物であってもよい。
好ましい重層化ならびに転写方法としては、本発明の細胞培養担体を用いて培養された細胞培養物を予め培養した細胞上もしくは別の細胞培養基材上で培養したのちアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を溶解する方法が挙げられる。
荷重をかけた状態の細胞の培養法とは、細胞が転写される細胞もしくは基材にムラが生じない程度に充分荷重がかけられていればいかなる方法でもよい。ここで、荷重をかける際に細胞が密閉されると窒息をすることから、転写する側もしくは受ける側の少なくとも一方の細胞培養基材が水透過性のゲルや高分子含水ゲルもしくはこれらの組み合わせでできていることが好ましい。また、ムラ無く転写するには細胞面を充分に覆う状態で荷重をかける必要があるが、均一に接触することで酸素の拡散を妨害することとなるため、不織布(ナイロン、ポリエステル、ステンレスなど)等を介して酸素の拡散を妨げないで荷重することが好ましい。
荷重をかけた細胞の培養法の荷重は0.1 g/cm2以上50 g/cm2以下であることが好ましく、0.5 g/cm2以上10 g/cm2以下であることがさらに好ましい。荷重をかけた細胞の培養の時間は充分な細胞の転写が実現できれば制限はないが4時間以上72時間以下が好ましく、6時間以上48時間以下がさらに好ましい。本発明においては、荷重をかけない状態で培養することが好ましい。
本発明の細胞培養担体を作製する際、密着性を改善する目的で、カルボジイミド類を含んだ調製液を用いてもよい。カルボジイミド類及びN-ヒドロキシコハクイミドはいかなる層の調製液に添加してもよいが、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層調製液もしくは予め高分子含水ゲルに含浸させておくこと、あるいはアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層塗布後に塩化カルシウムと共溶解した液に浸漬することが好ましい。該カルボジイミド類は水溶性のものが好ましく、例えば1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩などが挙げられる。該カルボジイミドを用いる場合その濃度としては0.01 mg/l以上200 g/l以下が好ましい。このときN-ヒドロキシコハクイミドを触媒として使用してもよく、濃度としては該カルボジイミドに対して1質量%以上50質量%以下が好ましい。
本発明においては、特に必要がない限りカルボジイミドは用いないことが好ましい。
本発明の細胞培養担体は、いかなる方法で滅菌されてもよいが、電子線、γ線、X線、紫外線などの放射線による滅菌が好ましく用いられ、電子線、γ線、紫外線がさらに好ましく用いられ、電子線滅菌が特に好ましい。電子線滅菌の照射線量としては0.1 kGy以上65 kGy以下が好ましく、1 kGy以上40 kGy以下が特に好ましい。EOG滅菌などの化学滅菌、高圧蒸気ガス滅菌などの高熱をかける滅菌は細胞接着性層やアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を分解するため好ましくない。このように滅菌した細胞培養担体は無菌条件下であれば長期間に渡って室温保管が可能である。滅菌法は単独もしくは複数種の組み合わせで実施されてもよく、同一種の滅菌法を繰り返し使用してもよい。
重層化する細胞層として、例えば、血管内皮細胞層、肝細胞層を使用すれば、肝臓の3次元組織構造物を構築できる。この3次元組織構造物は、in vitroにおける薬物の透過性試験へ適用できるとともに、動物実験代替モデルや移植用臓器へ応用できる。重層化した細胞層は、細胞層を構成する細胞の種類に応じた培養条件で培養することができる。培養の際には、例えば、D-MEM培地、MEM培地、HamF12培地、HamF10培地等の培地を使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
実施例1:細胞培養膜Q-1の作成
新田ゼラチン社製コラーゲンCellmatrix I-Pの16 mlに10倍濃縮されたHam's F-12培地2mlを添加して,氷冷下で3分間スターラー混合した後、この混合液に粒子径50nmコロイド状酸化チタン(比重:4.2)を3mg添加してさらに5分間攪拌した。
その後、氷冷下で緩衝液(NaHCO3 2.2 g又は4.7 gを0.05N NaOH水溶液100 mlに溶解したもの)2mlを添加して泡立てないように混合した。この溶液の全量を枠内(内側の寸法:7cm×10cm)にキャストし、37℃湿度90%にて2時間経時後、25℃50%で24時間乾燥して、コラーゲン膜(膜厚0.5μm)を得た。得られたコラーゲン膜の比重は1.2であった。
一方、酸化チタンコロイドを添加しなかったサンプル(Q-2)の比重は、0.88であった。
実施例2:細胞培養膜R-1の作成
ダイキトサン100D(大日精化工業株式会社製)の6gを1質量%の酢酸水溶液500gに徐々に添加して室温で7時間攪拌して溶解し、富士写真フイルム製ミクロフィルターFG-30でろ過した。この水溶液に粒子径80nmのコロイド状酸化チタン(比重:4.2)を42mgを添加し十分に混合分散させた。
その後、この溶液をポリエチレンテレフタレートフイルム(縦20cm、横20cm、フイルム厚200μm)上にアプリケータで乾燥膜厚が3μとなるように塗布し、37℃にて一晩乾燥させた。得られた膜を、1.0質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液浴に60分間浸漬し、引き続きPBS(Dulbecco's Phosphate buffered Saline)溶液浴に60分間浸漬した。その後、蒸留水浴に60分浸漬してキトサンゲル膜を得た。こうして得たキトサンゲル膜を室温で1晩乾燥後、ビニール袋に入れ保存した。
上記で得られた、コロイド状酸化チタン含有キトサン膜上に2質量%の株式会社キミカ製キミカアルギンB-1水溶液をウェット塗布膜厚250μmとなるように塗布した。この塗布物を濃度0.3mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液浴に30間浸漬したのち、蒸留水浴に60分間浸漬を2回繰り返し、含水キトサンゲル/アルギン酸カルシウム積層ゲル膜を得た。アルギン酸ゲル層乾膜の厚さは膜厚計から計測すると4.5μmであった。
上記で得られた乾燥させていないコロイド状酸化チタン含有キトサン/アルギン酸カルシウム積層ゲル膜上にシリコンゴムとアルミ金属製(内径縦12cm、横7cm、厚み10mm)の枠を置いた。新田ゼラチン社製コラーゲンCellmatrix I-P の8 mlに10倍濃縮されたHam's F-12培地1 mlを添加して,氷冷下で1分間スターラー混合した後、さらに混合物に、氷冷下で緩衝液(NaHCO3 2.2 g又は4.7 gを0.05N NaOH水溶液100 mlに溶解したもの)1 mlを添加して泡立てないように混合した溶液を枠内に全量をキャストした。これを34℃湿度90%で2時間経時後、蒸留水に30分浸漬して洗浄後、25℃湿度50%で24時間乾燥させてコロイド状酸化チタン含有キトサン/アルギン酸カルシウム積層/コラーゲン層修飾膜R-1を得た。得られたコロイド状酸化チタン含有キトサン/アルギン酸カルシウム積層/コラーゲン層修飾膜の比重は1.3であった。
また、コロイド状酸化チタン含有していないキトサンを用いたサンプル(R-2)も作成し、その比重は、0.8であった。
実施例3:細胞培養膜Z-1の作成
ダイキトサン100D(大日精化工業株式会社製)の6gを1質量%の酢酸水溶液500gに徐々に添加して40℃で16時間攪拌して溶解し、富士写真フイルム製ミクロフィルターFG-30でろ過した。その後、この溶液をポリエチレンテレフタレートフイルム(縦20cm、横20cm、フイルム厚200μm)上にアプリケータで乾燥膜厚が2μmとなるように塗布し、37℃にて一晩乾燥させた。得られた膜を、1.0質量%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液浴に60分間浸漬し、引き続きPBS(Dulbecco's Phosphate buffered Saline)溶液浴に60分間浸漬した。その後、蒸留水浴に60分浸漬してキトサンゲル膜を得た。こうして得たキトサンゲル膜を室温で1晩乾燥した。
このキトサンゲル膜上に、あらかじめ溶解した1重量%アガロース100g溶液に粒子径35nmの金コロイド粒子(比重:18)を14mg添加し十分に混合攪拌した溶液を、乾燥膜厚が1μmとなるように塗布し、室温にて12時間乾燥した。
上記で得られた、キトサン膜上にコロイド金を含有したアガロース積層膜上に2質量%の株式会社キミカ製キミカアルギンB-1水溶液をウェット塗布膜厚300μmとなるように塗布した。この塗布物を濃度0.5mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液浴に30間浸漬したのち、蒸留水浴に60分間浸漬を2回繰り返し、キトサンゲル/コロイド金含有アガロース/アルギン酸カルシウム積層ゲル膜を得た。
上記で得られた乾燥させていないキトサンゲル/コロイド金含有アガロース/アルギン酸カルシウム積層ゲル膜上にシリコンゴムとアルミ金属製(内径縦12cm、横7cm、厚み10mm)の枠を置いた。新田ゼラチン社製コラーゲンCellmatrix I-P の8 mlに10倍濃縮されたHam's F-12培地1 mlを添加して,氷冷下で1分間スターラー混合した後、さらに混合物に、氷冷下で緩衝液(NaHCO3 2.2 g又は4.7 gを0.05N NaOH水溶液100 mlに溶解したもの)1 mlを添加して泡立てないように混合した溶液を枠内に全量をキャストした。これを34℃湿度90%で3時間経時後、蒸留水に30分浸漬して洗浄後、25℃湿度50%で24時間乾燥させてキトサンゲル/コロイド金含有アガロース/アルギン酸カルシウム/コラーゲン層修飾膜Z-1を得た。
こうして得たキトサン/コロイド金含有アガロース/アルギン酸/コラーゲン積層膜の比重は1.3であった。
一方、コロイド金を含有しないキトサン/アガロース積層膜(Z-2)の比重は、0.9であった。
実施例4:細胞の培養
上記実施例1〜3で得られたサンプル膜を90分間UV滅菌を行い、細胞培養担体として用いて、細胞の培養を行った。
(a)使用細胞
BAE(ウシ大動脈血管内皮細胞)
(b)使用培地
Eagle最小培地、10%牛胎児血清
(c)前処理
上記で滅菌したサンプル膜を細胞接着性層を上向にPET製支持体上に置き、この支持体ごとポリスチレン製細胞培養用シャーレの底面に置いた。このとき比較サンプルとして、比重が1より大きい物質を含有しないこと以外は同様に作成したサンプルも同様にポリスチレン製細胞培養用シャーレの底面に置いたものを準備した。
さらに比較例として、比重が1より大きい物質を含有しないこと以外は同様に作成したサンプルに重り(膜の四隅を押さえるように作成した治具)を設置し、ポリスチレン製細胞培養用シャーレの底面に置いたものも準備した。
その後、培地を添加して30分浸漬後培地交換することを2回繰り返した。
(d)細胞の播種
予め培養しておいた細胞をトリプシン処理で回収し、細胞濃度を40000cell/mlに調製した。セル及びシャーレ内の培地を捨てた後、この細胞液を細胞数7000cell/cm2となるようにシャーレ内に播種し培地を添加した。
(e)培養
CO2インキュベーターを用いて37℃で3日間培養した。
(f)結果
本発明の比重が1より大きい物質を含有したサンプル膜を用いて細胞培養したものは、細胞培養中に膜が浮くことがなかった。さらに、良好な透明性を有し、培養中の細胞の生育状態が詳細に観察でき、細胞接着性や毒性に問題がなく、ポリスチレン製細胞培養用シャーレのみの培養状態とほぼ同様の状態であった。
一方、比重が1より大きい物質を含有しない膜を用いて細胞培養を行ったものは、細胞培養中に培地との気液界面部に膜が浮き、細胞が乾燥すること培養できなかった。
また、比重が1より大きい物質を含有しない膜に重りで浮きを防ぎ培地中に浸漬したサンプルでは、重りによって細胞の育成状態が十分に観察できないばかりか、観察のためにCO2インクキュベータから顕微鏡に輸送する際に重りがずれて膜を破壊したり、膜の一部が気液界面に浮き乾燥による細胞死や、液中に膜が浮遊することによる細胞接着の低下など種々の問題が発生した。
Figure 2007174989
図1は、本発明の細胞培養担体の構成の具体例を示す。

Claims (19)

  1. 最表面が細胞接着性である単層または多層構造の細胞培養担体であって、該細胞培養担体の少なくとも1以上の層に1より大きい比重を有する比重調整物質が含まれていることを特徴とする細胞培養担体。
  2. 比重調製物質が、水または培地に難溶性または不溶である、請求項1に記載の細胞培養担体。
  3. 比重調整物質が、1μm以下のサイズを有する微粒子である、請求項1又は2に記載の細胞培養担体。
  4. 比重調整物質が、500nm以下のサイズを有するナノ粒子である、請求項1から3の何れかに記載の細胞培養担体。
  5. 比重調整物質が金属、セラミック、ガラス、又はコロイド粒子である、請求項1から4の何れかに記載の細胞培養担体。
  6. 細胞接着性層とそれ以外の層から構成される多層構造を有し、比重調整物質が、細胞接着性層以外の層に含まれている、請求項1から5の何れかに記載の細胞培養担体。
  7. 細胞培養担体を構成する材料が合成高分子または天然高分子である、請求項1から6の何れかに記載の細胞培養担体。
  8. 細胞培養担体を構成する材料が透明である、請求項1から7の何れかに記載の細胞培養担体。
  9. 少なくとも1層以上の高分子含水ゲル層を含む、請求項1から8の何れかに記載の細胞培養担体。
  10. 高分子含水ゲルがキトサンである、請求項9に記載の細胞培養担体。
  11. 細胞培養担体がさらにアニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層を含み、該ゲル層が高分子含水ゲル層と隣接している、請求項9又は10に記載の細胞培養担体。
  12. アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層が、アルギン酸ゲル層である、請求項11に記載の細胞培養担体。
  13. アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層が、アルギン酸カルシウムゲル層である、請求項11に記載の細胞培養担体。
  14. 細胞培養面側の最表面が細胞接着性ゲル層である、請求項1から13の何れかに記載の細胞培養担体。
  15. 細胞接着性ゲル層がゼラチン及び/又はコラーゲンを含むゲル層である、請求項14に記載の細胞培養担体。
  16. 比重調整物質を含む細胞接着性の単層から構成される、請求項1から5の何れかに記載の細胞培養担体。
  17. 比重調整物質を含む高分子含水ゲル層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層、及び細胞接着性層の3層から構成される、請求項1から5の何れかに記載の細胞培養担体。
  18. 高分子含水ゲル層、比重調整物質を含む層、アニオン性多糖類及び多価金属イオンを含むゲル層、及び細胞接着性層の4層から構成される、請求項1から5の何れかに記載の細胞培養担体。
  19. 請求項1から18のいずれかに記載の細胞培養担体を用いて細胞を培養する工程を含む、細胞の培養方法。
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JP2010063378A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Covalent Materials Corp 細胞培養担体
JP2010136706A (ja) * 2008-12-15 2010-06-24 Covalent Materials Corp 細胞培養担体
WO2017176055A1 (ko) * 2016-04-06 2017-10-12 경희대학교산학협력단 세포 배양용 마이크로 비드 및 이를 이용한 세포 배양 모니터링 방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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