JP2013116075A - 細胞培養容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性基体を固定する際における機能性有機化合物層への別部材の接触を最小限とし、機能性有機化合物層の機能を良好に維持することができる細胞培養容器の製造方法のための手段を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、機能性基体部901と、その周縁に設けられた1以上の被把持部902とを備える、被把持部付き機能性基体900に関する。本発明はまた、被把持部付き機能性基体900を、その被把持部902を把持しながら容器本体部材103の表面に接触させて接合する工程を含む、細胞培養容器の製造方法に関する。
【選択図】図13A

Description

本発明は、機能性有機化合物層を備える機能性基体が固定された細胞培養容器の製造方法に関する。
温度応答性ポリマー等の機能性有機化合物層を表面に被覆した、シャーレ等の細胞培養容器が特許文献1に記載されている。この細胞培養容器を用いることにより、温度を変化させるだけで培養・増殖後の細胞を破壊することなく細胞支持体から容易に剥離して回収することができる。しかし、特許文献1に記載のように、シャーレ等の細胞培養容器に、別個にバッチ処理により表面処理を行って機能性化合物層を設けることは、多くの手間を必要とし、作業性の観点からはなお改善する余地がある。
そこで、特許文献2等のように、機能性化合物層を表面に備える、フィルム状、板状等の形状の機能性基体を別途作製し、該機能性基体を、容器の底面上に粘着剤や接着剤等を介して固定して目的の細胞培養容器を形成する技術が提案されている。この技術によれば、細胞培養容器を個別にバッチ処理して機能性有機化合物層を設ける場合と比較して作業性が高まる。
特開平2−211865号公報 特開2010−98979号公報 特開2009−154904号公報 特開2004−134020号公報
シール類を所望の製品に貼り付けるためのシール貼り付け装置等が、例えば、特許文献3及び特許文献4に開示されている。別途作製した機能性基体を容器底面に固定するために、特許文献3及び特許文献4に開示されるような、ラベル片(機能性基体)の表面を吸引して保持するラベル貼り付け器(ラベラー)を用いることが考えられる。
しかしながら、ラベラーにより機能性基体を保持する場合には、機能性基体の機能性有機化合物層側を吸引して保持することになるため、ラベラーの吸引力によって機能性有機化合物層が部分的に破壊され、あるいは細胞培養等の機能が損なわれる恐れがあった。手動で機能性基体を貼付する場合にも、貼付する過程で機能性有機化合物層への接触が多くなり、同様に細胞培養等の機能が損なわれる恐れがあった。
そこで本発明は、機能性基体を固定する際における機能性有機化合物層への別部材の接触を最小限とし、機能性有機化合物層の機能を良好に維持することができる細胞培養容器の製造方法のための手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、機能性基体部の周縁に1以上の被把持部を設けた被把持部付き機能性基体を用い、被把持部を把持用工具等により把持した状態で機能性基体を容器本体部材に接合することによって、機能性有機化合物層の機能を良好に維持するという上記課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体部と、該機能性基体部の周縁に設けられた1以上の被把持部とを備える、被把持部付き機能性基体。
(2)被把持部が、機能性基体部の周縁から基材層が延出することにより形成されており、且つ、被把持部が粘着層を含まない、(1)の被把持部付き機能性基体。
(3)被把持部が、機能性基体部から分離可能に形成されている、(1)又は(2)の被把持部付き機能性基体。
(4)細胞及び培地を収容するための容器部を備える細胞培養容器の製造方法であって、
容器部は、
容器本体部材と、
粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体と、
を少なくとも有し、
以下の工程:
(1)〜(3)のいずれかの被把持部付き機能性基体の被把持部を把持しながら、その粘着層と容器本体部材の表面とを接触させ、前記被把持部付き機能性基体を容器本体部材の表面に接合する接合工程
を含む方法。
(5)接合工程後に被把持部を機能性基体部から分離する分離工程を更に含む、(4)の方法。
(6)(2)の被把持部付き機能性基体を製造する方法であって、
以下の工程:
一方の表面の一部である帯状領域に粘着層が配置され、他方の表面の、前記帯状領域の裏側に位置する部分を含む少なくとも一部に機能性有機化合物層が配置された基材を、前記帯状領域の、長さ方向位置が異なる複数の部分領域の各々を前記一方の表面の側とする部分が機能性基体部となり、該部分の各々に隣接する、前記一方の表面の側に粘着層が配置されていない1以上の部分が被把持部となるようにカットして、被把持部付き機能性基体を複数形成するカット工程
を含む方法。
(7)前記基材が、長尺状のフィルム基材であり、
前記帯状領域が、長尺状のフィルム基材の長さ方向に沿った帯状領域である、
(6)の方法。
(8)細胞及び培地を収容するための容器部を備える細胞培養容器であって、
容器部は、
容器本体部材と、
粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体部と、該機能性基体部の周縁に設けられた1以上の被把持部とを備える、被把持部付き機能性基体と、
を少なくとも有する、細胞培養容器。
本発明によれば、被把持部を把持しながら容器本体部材と機能性基体とを接合することができるため、他の部材や工具等が機能性有機化合物層へ接触することを回避することができ、機能性有機化合物の機能を損なうことがない。
本発明により製造される細胞培養容器の一実施形態を示す斜視図である。 図1AのI−I’断面図である。 図1AのII−II’断面図である。 図1A〜図1Cに示す細胞培養容器の製造過程を説明するための斜視図である。 本発明により製造される細胞培養容器の別の実施形態の製造過程を説明するための斜視図である。 本発明により製造される細胞培養容器のさらに別の実施形態を示す斜視図である。 図4AのIII−III’断面図である。 機能性基体の断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例の平面図である。BはAのI−I’断面図である。CはAのII−II’断面図である。 Aは被把持部付き機能性基体の一例1200、1200’、1200’’の平面図である。BはAに示す被把持部付き機能性基体1200のIII−III’断面図である。CはAに示す被把持部付き機能性基体1200’のIII−III’断面図である。DはAに示す被把持部付き機能性基体1200’’のIII−III’断面図である。 本発明の細胞培養容器の製造方法の一実施形態を説明するための斜視図である。 図13Aの次の工程を示す。 図13Bの次の工程を示す。 本発明の細胞培養容器の製造方法の一実施形態を説明するための斜視図である。 図14Aの次の工程を示す。 図14Bの次の工程を示す。 本発明の細胞培養容器の製造方法の一実施形態を説明するための斜視図である。 図15Aの次の工程を示す。 Aはハーフカット済み長尺状積層体の一実施形態の平面図である。BはAのIV−IV’断面図である。CはAのV−V’断面図である。 Aはハーフカット済み長尺状積層体の一実施形態の平面図である。BはAのIV−IV’断面図である。CはAのV−V’断面図である。 Aはハーフカット済み長尺状積層体の一実施形態の平面図である。BはAのIV−IV’断面図である。CはAのV−V’断面図である。 基材表面の帯状領域を説明するための図である。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について詳細に説明する。なお各図は模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために適宜誇張して示している。
<細胞培養容器の形状>
まず、本発明において製造される細胞培養容器の全体の形状について説明する。
本発明により製造される細胞培養容器は、細胞及び培地を収容するための容器部を少なくとも備え、さらに適宜蓋等を備える。
容器部は、図1A〜図1Cに示すように、細胞及び培地を収容するための空間が壁面により閉塞された形状であってもよいし、図4A及び図4Bに示すように該空間の一端が開放された形状であってもよい。
細胞培養容器の好ましい一実施形態を図1A〜図1Cに示す。図1Aに示す容器部100は、底部101、及び底部101の周縁に立設された側壁部102から構成される容器本体部材103と、容器本体部材103の上端部に接合された、底部101に対向配置される天面部材104とを少なくとも備える。側壁部102の一部に通孔105が穿設されており、通孔105の周縁から容器部外側に延びる首部106を備える、「フラスコ型」と呼ばれる形状の容器部である。容器部100の首部106には蓋110を係止するための係止部107が形成されており、係止部107を介して蓋110が着脱可能に装着される。容器部100と蓋110とを組み合わせることによりフラスコ型の細胞培養容器120が形成される。
図1Bは、容器部100のI−I’断面図を示し、図1Cは、II−II’断面図を示す。容器部100の、底部101及び側壁部102から構成される容器本体部材103は、底部101及び側壁部102によって画定され、かつ上方へ開放された開口部108を備える。開口部108は、天面部材104の接合によって閉塞され、その結果、細胞及び培地を収容するための空間130が形成されている。容器本体部材103の開口部108側の底面(すなわち、空間130に面する底部101上)には、機能性基体140が固定されている。
容器部100を形成するには、図2に示すように、まず、底部及び側壁部から構成される容器本体部材103の内底面に、機能性基体140を接合し、次いで、容器本体部材103に天面部材104を接合する。
図3は、図1A〜図1Cと同様のフラスコ型の容器部の別の実施形態の製造過程を示している。この実施形態では、容器本体部材109は平板状に形成されており、その平板状の容器本体部材109の底面(表面)上に、機能性基体140が固定されている。そして、機能性基体140が固定された容器本体部材109に対し、側壁部材111及び天面部材104が接合され、図1A〜図1Cと同一の外形状を有する容器部が得られる。なお、図3において、容器本体部材109及び側壁部材111の接合工程と、側壁部材111及び天面部材104の接合工程とは、いずれが先でもよい。
容器部の他の実施形態としては、図4A及び図4Bに示すように、底部201、及び底部201の周縁に立設した側壁部202から構成される容器本体部材203を備える皿状の容器部200が挙げられる。容器本体部材203は、底部201及び側壁部202によって画定され、かつ上方へ開放された開口部204を備え、その開口部204が、細胞及び培地を収容するための空間220として機能する。容器本体部材203の開口部204側の底面(すなわち、空間220に面する底部201上)には、機能性基体210が固定されている。
機能性基体140、210は、接着剤又は粘着剤を含む粘着層503と、粘着層503上に配置された基材層502と、基材層502上に配置された機能性有機化合物層501とを少なくとも備え、容器本体部材の底部101、201、あるいは図3に示す平板状の容器本体部材109に対し、粘着層503を介して接合されている。
<細胞培養容器の材料>
容器本体部材、側壁部材、天面部材、首部及び蓋等の細胞培養容器の部材を形成する材料は特に限定されず、細胞培養において一般的に用いられる材料を用いることができる。例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等の樹脂材料、表面親水化処理を施した上記の少なくとも1種を含む樹脂材料、及びガラスや石英等の無機材料であることができるが、好ましくは樹脂材料である。樹脂材料としては、ポリスチレン樹脂又はポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
容器本体部材は、該部材を通じて容器外から培養細胞を観察することが可能な透明な材料で構成されていることが好ましい。
<機能性基体>
本発明は、被把持部付き機能性基体を用いて、機能性基体を有する細胞培養容器を製造することを特徴とするが、説明の便宜上、最終的に細胞培養容器に固定される機能性基体の構造について先に説明する。「被把持部付き機能性基体」における「機能性基体部」は、機能性基体が一部分として含まれることを明らかにするための用語であり、周縁に被把持部が設けられている点を除いて以下に説明する機能性基体の特徴を有する。
本発明における機能性基体140、210の厚さ方向に沿った断面は、図5に示すように、粘着層503、該粘着層503上に配置された基材層502、及び該基材層502上に配置された機能性有機化合物層501を少なくとも備える。機能性基体は、典型的には、透明な機能性基体である。ここで「基体」とは、所定の構造を有している限り、フィルムであってもよいし、板状体であってもよい。フィルム状の機能性基体(以下「機能性フィルム」と呼ぶことがある)は、好ましくはロール状に巻き取り可能な可撓性を有するものである。可撓性の機能性フィルムは、ロール・ツー・ロール法による大量生産が容易であるため好ましい。
機能性基体は、基材層502に粘着層503及び機能性有機化合物層501を適当な方法により形成することによって製造することができる。基材層502と機能性有機化合物層501との間には、必要に応じて1つ以上の他の層(例えば後述するプライマー層)が存在していてもよい。
機能性基体の形状は、固定される部材の領域の形状に応じた任意の形状であることができる。例えば、三角形、四角形(長方形、正方形、平行四辺形、菱形等)、五角形、六角形、七角形、八角形等の多角形や、円形、楕円形等の形状であることができる。
<基材層>
基材層502は、最終的な機能性基体に応じて適宜選択される。機能性基体が板状であれば板状の基材層が用いられ、機能性基体がフィルム状であればフィルム状の基材層(以下「フィルム基材層」という)が用いられる。
基材層502は、一方の表面に上述の機能性有機化合物層501を形成することが可能な材料を含むものであればよく、材料の種類は特に限定されない。典型的には、基材層の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリイミド(PI)、ナイロン(Ny)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、アクリル樹脂等の樹脂材料や、ガラスや石英等の無機材料が挙げられ、樹脂材料が好ましい。
基材層502の、機能性有機化合物層501が形成される側の表面は、易接着処理された表面であることができる。「易接着処理」とは、例えば、ポリエステル、アクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、シランカップリング剤、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)等の易接着剤による処理を指す。
基材層502の厚さは適宜選択することができる。基材層がフィルム基材層である場合、その厚さ(フィルム基材層が基材の層に加えて易接着層を備える場合は、易接着層を含むフィルム基材層の全体の厚さを指す)は特に制限は無いが、可撓性を付与する厚さであることが好ましく、例えば5〜500μm、より好ましくは20〜500μm、特に好ましくは50〜250μmである。
<機能性有機化合物層>
機能性有機化合物層501を構成する有機化合物としては、所望の機能を有する層であれば特に限定されないが、より好ましくは、所定の刺激によって細胞接着性から細胞非接着性へと変化することが可能な表面を有する刺激応答性ポリマーや、1つ以上のエチレングリコール単位(CH−CH−O)からなるエチレングリコール鎖等の親水性化合物が挙げられる。
機能性有機化合物層501の膜厚は、例えば、0.5nm〜300nmの範囲内とするよく、特に1nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
以下「刺激応答性ポリマー層」及び「親水性化合物層」の好適な実施形態について説明する。
<刺激応答性ポリマー層>
機能性有機化合物層501は、刺激応答性ポリマー層であることが特に好ましい。刺激応答性ポリマー層とは、所定の刺激によって表面の細胞の接着度合いが変化するポリマーを含む層である。刺激応答性ポリマーとしては、温度応答性ポリマー、pH応答性ポリマー、イオン応答性ポリマー、光応答性ポリマー等を挙げることができる。なかでも温度応答性ポリマーが、刺激の付与が容易であることから好ましい。
温度応答性ポリマーとして、例えば、細胞を培養する温度では細胞接着性を示し、作製した細胞シートの剥離する時の温度では細胞非接着性を示すものを用いるとよい。例えば、温度応答性ポリマーは、臨界溶解温度未満の温度では周囲の水に対する親和性が向上し、ポリマーが水を取り込んで膨潤して表面に細胞を接着しにくくする性質(細胞非接着性)を示し、同温度以上の温度ではポリマーから水が脱離することでポリマーが収縮して表面に細胞を接着しやすくする性質(細胞接着性)を示すものを用いるとよい。このような臨界溶解温度は、下限臨界溶解温度と呼ばれる。下限臨界溶解温度Tが0℃〜80℃、さらに好ましくは0℃〜50℃である温度応答性ポリマーを用いるとよい。Tが0℃〜80℃であると、細胞を安定的に培養できるからである。
好適な温度応答性ポリマーとしてはアクリル系ポリマー又はメタクリル系ポリマーが挙げられる。具体的に好適な温度応答性ポリマーとしては、例えばポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−n−プロピルアクリルアミド(T=21℃)、ポリ−N−n−プロピルメタクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−エトキシエチルアクリルアミド(T=約35℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミド(T=約28℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリルメタクリルアミド(T=約35℃)、及びポリ−N,N−ジエチルアクリルアミド(T=32℃)等が挙げられる。
これらのポリマーを形成するためのモノマーとしては、放射線照射によって重合し得るモノマーを用いることができる。モノマーとしては例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N−(若しくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体、及びビニルエーテル誘導体等が挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。モノマーが一種類単独で使用された場合、基材上に形成されるポリマーはホモポリマーとなり、モノマーが複数種一緒に使用された場合、基材上に形成されるポリマーはヘテロポリマーとなるが、どちらの形態も本発明に包含される。
また、増殖細胞の種類によってTを調節する必要がある場合や、被覆物質と細胞培養支持体との相互作用を高める必要が生じた場合や、細胞支持体の親水・疎水性のバランスを調整する必要がある場合等には、上記以外の他のモノマー類をさらに加えて共重合してよい。さらに本発明に使用する上記ポリマーとその他のポリマーとのグラフト又はブロック共重合体、あるいは本発明のポリマーと他のポリマーとの混合物を用いてもよい。また、ポリマー本来の性質が損なわれない範囲で架橋することも可能である。
pH応答性ポリマー及びイオン応答性ポリマーは作製しようとする細胞シートに適したものを適宜選択することができる。
刺激応答性ポリマー層は、重合して目的の刺激応答性ポリマーを形成するモノマーと、該モノマーを溶解しうる有機溶媒と含む塗布用組成物を調製し、これを慣用の塗布方法に従って、基材層の表面に塗布して塗膜を形成し、次に、該塗膜に放射線照射等の適当な手段により塗膜中のモノマーを重合してポリマーを形成するとともに、基材層の表面とポリマーとの間にグラフト化反応を生じさせることにより形成することができる。
<親水性化合物層>
機能性有機化合物層の他の実施形態として、1つ以上のエチレングリコール単位からなるエチレングリコール鎖(複数のエチレングリコール単位からなるエチレングリコール鎖は、「ポリエチレングリコール鎖」ということができる)等の親水性化合物の層が挙げられる。エチレングリコール鎖の末端は水酸基により封鎖された形態であってもよいし、エチレングリコール鎖の末端に生体関連物質等の他の物質が共有結合により連結された形態であってもよい。末端が水酸基により封鎖されたエチレングリコール鎖を含む層は、細胞が接着し難い親水性の表面を提供することができる。
エチレングリコール鎖の末端に共有結合されうる生体関連物質としては、抗原、抗体、DNA、RNA、ペプチド、ホルモン、酵素、サイトカイン、糖鎖、脂質、補酵素、酵素阻害剤、細胞、その他の機能を有するタンパク質が含まれる。さらに、このような生体関連物質と親和性を有する低分子化合物、及び高分子化合物も生体関連物質の範囲に含まれる。
エチレングリコール鎖等の親水性化合物の層を、樹脂製の基材層の表面に固定化するためには、予め、樹脂製の基材層の表面に、該表面に物理的に吸着可能であって、エチレングリコール鎖の末端の水酸基と反応して共有結合を形成可能な官能基を側鎖に含むポリシロキサンを含むプライマー層を設ける。ポリシロキサンの側鎖上の官能基としては、グリシジル基又はエポキシ基が好ましい。プライマー層は、基材層の表面に、所望の側鎖を有するシラノール化合物を適用し、該表面上で縮合重合してポリシロキサンに変換することにより形成することができる。
次いで、プライマー層の官能基と、エチレングリコール又はエチレングリコール単位が2以上繰り返されたポリエチレングリコールの水酸基とを反応させて共有結合を形成し、エチレングリコール鎖を固定化する。このとき、触媒量の濃硫酸を含むエチレングリコール又はポリエチレングリコールをプライマー層に接触させる。末端が水酸基により封鎖されたエチレングリコール鎖を含む層はこのようにして形成される。
さらに、必要に応じて、エチレングリコール鎖の一端に、他の物質との共有結合を形成することが可能な、少なくとも1つの官能基を直接的又は間接的に連結させる。官能基の導入方法は特に限定されない。
<粘着層>
粘着層503は、接着剤又は粘着剤を含む。接着剤及び粘着剤としては、それぞれ機能性基体の基材層と容器本体部材とを接合可能なものであれば特に限定されないが、具体的には接着剤としてはポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、メタクリル系接着剤、ゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、無機系接着剤等の接着剤等が例示でき、粘着剤としてはアクリル系粘着剤や、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤が例示できる。これらの接着剤又は粘着剤が、基材層502上に塗布されて、粘着層503が形成される。
<被把持部付き機能性基体>
本発明では、機能性基体を容器本体部材へ接合する際、機能性基体の周縁に更に被把持部が設けられた「被把持部付き機能性基体」を用いることを特徴とする。被把持部付き機能性基体における、機能性基体に相当する部分を「機能性基体部」と称する。機能性基体部は機能性基体について説明した上記の特徴を有する。
被把持部付き機能性基体の具体例を図6〜12Bを参照して説明する。
図6に示す被把持部付き機能性基体600は、長方形の機能性基体部601と、その周縁に設けられた4つの被把持部602とを備える。被把持部の数、形状及び寸法は特に限定されず、把持用工具の形状や、機能性基体部の形状、接合しようとする容器本体部材の形状等に応じて適宜選択することができる。被把持部602の数は4つには限定されず、少なくとも1つであればよい。
被把持部602は好ましくは、機能性基体部601の周縁から基材層502が延出することにより形成されている。被把持部602は基材層502だけでなく、機能性有機化合物層501及び粘着層503が延出して形成されることができる(図6B、C)。
粘着層503を含む被把持部602は、把持用工具により把持する場合に、粘着層503を構成する粘着材又は接着剤が工具の接触部に付着する可能性がある。このことは、同じ把持用工具を用いて被把持部602の把持を繰り返す場合に望ましくない場合がある。この問題は、粘着層503を含む被把持部602を把持する把持用工具の、粘着層503との接触面を離型処理して付着を回避することや、該接触面を含む把持用工具の部材を取替え可能に構成することなどの対策により解決可能であるが、被把持部の表面が粘着層503を含まないものとすることによってより確実に解決することができる。
例えば図7に示す被把持部付き機能性基体700では、被把持部702は粘着層503を含まず、機能性基体部701の周縁から延出した基材層502と機能性有機化合物層501を含む。
他の好ましい形態である図8に示す被把持部付き機能性基体800では、被把持部802は粘着層503と機能性有機化合物層501を含まず、機能性基体部801の周縁から延出した基材層502を含む。
図6〜8のいずれの場合も、機能性基体部601、701、801は機能性有機化合物層501、基材層502及び粘着層503を備える。
機能性基体部601、701、801と、被把持部602、702、802とは連続的に一体に形成することができるが、容器本体部材への接合後に被把持部602、702、802を分離する実施形態のためには、両者の境界部分にミシン目、ハーフカット線(厚さ方向に関し部分的にカットした切れ目)等を設けることができる。図6〜8ではミシン目610、710、810が設けられた例を示す。ただし、被把持部を機能性基体部から分離する実施形態であっても、両者の境界部分をハサミなどの切断手段で切断する場合にはミシン目等は不要である。
機能性基体部の形状は機能性基体に関して上述したとおり特に限定されず、容器本体部材の形状に応じた適切な形状とすることができる。例えば図1A等に示すフラスコ型容器部の底面に接合する機能性基体140を得るためには、図9、10、11に示すように、長方形部分とその一辺から延びる、該一辺を下辺とする台形部分とが連設した形状の機能性基体部901、1001、1101と、周縁に設けられた被把持部902、1002、1102とを備える被把持部付き機能性基体900、1000、1100を用いることができる。機能性基体部901、1001、1101及び被把持部902、1002、1102の層構造については、それぞれ図6、7、8に基づいて説明した機能性基体部601、701、801及び被把持部602、702、802と同様であるため説明を省略する。
図12には、機能性基体部1201が円形であり、被把持部1202、1202’、1202’’が1つである被把持部付き機能性基体1200、1200’、1200’’を示す。これらの実施形態においても、被把持部1202、1202’、1202’’は機能性基体部1201の周縁から基材層502が部分的に延出して形成されている。機能性基体部1201は機能性有機化合物層501、基材層502及び粘着層503を備える。被把持部1202は機能性有機化合物層501及び粘着層503を含み(図12B)、被把持部1202’は粘着層503を含まず機能性有機化合物層501を含み(図12C)、被把持部1202’’は機能性有機化合物層501及び粘着層503を含まない(図12B)。
<細胞培養容器の製造方法>
上述の被把持部付き機能性基体を用いて細胞培養容器を製造する方法について図13〜15を参照して説明する。
図13A〜Cは、被把持部付き機能性基体900を用いて図1A等に示すフラスコ型容器部100を構成する例である。
被把持部付き機能性基体900の被把持部902を把持する(図13A)。把持は操作者の指先で行ってもよいが、図示するようにピンセット等の把持用工具1301を用いて行うことがより好ましい。被把持部902を把持することにより、機能性基体部901の表面の機能性有機化合物層501には把持用工具1301等が接触しないようにすることが可能であり、機能性有機化合物層501の物理的な損傷を回避することができる。把持状態を維持しつつ、機能性基体部901の粘着層503と容器本体部材103の表面(底面)とを接触させ、把持部付き機能性基体900を容器本体部材130の表面に接合する(図13A、B)。被把持部902は、機能性基体部901との境界部を屈曲することにより、図13A等に示すように、機能性基体部901に対して必要に応じて適当な角度を成すように起立させることができる。図示していないが、側方に開放された容器本体部材の表面に被把持部付き機能性基体900を接合する場合には、図9に示すような平坦な形状のまま、周囲方向から把持用工具を近づけて被把持部902を把持した状態で接合工程を実施することも可能である。
図13Cに示すように、被把持部902は接合工程後に機能性基体部901から分離することが好ましい。被把持部902を分離後の機能性基体部901が機能性基体140に相当する。ただし、被把持部902の寸法が非常に小さい場合には分離は不要である。また、機能性基体を事後的に剥離する用途(例えば細胞培養後の、細胞が付着した機能性基体部を剥離して回収する用途)のためには、剥離を容易にするために被把持部902をそのまま残しておくことが好ましい。
容器本体部材103の上端に天面部材104を接合して(図13C)、機能性基体140が接合されたフラスコ型容器部100が完成する。
機能性基体140が接合されたフラスコ型容器部100の製造方法の他の実施形態を図14A〜Cに示す。この実施形態では、平板状の容器本体部材109の表面に、被把持部付き機能性基体900を、被把持部902を把持用工具1301で把持しながら、粘着層503を接触させ、両者を接合する(図14A)。被把持部902を適宜分離して、機能性基体140が固定された容器本体部材109を得る(図14B)。最後に、側壁部材111及び天面部材104を接合して(図14C)、機能性基体140が接合されたフラスコ型容器部100が完成する。
図13A〜14Cでは被把持部付き機能性基体900を用いてフラスコ型容器部100を製造する例を示すが、図10、11に示す被把持部付き機能性基体1000、1100を用いた場合であっても同様にフラスコ型容器部100を製造することが可能である。
機能性基体210が接合された皿形状の容器部200の製造方法の一実施形態を図15に示す。この実施形態では、容器本体部材203の底面に、被把持部付き機能性基体1200を、被把持部1202を把持用工具1301で把持しながら、機能性基体部1201表面の粘着層503を接触させ、両者を接合する(図15A)。被把持部1202を適宜分離して、機能性基体210(1201)が固定された容器本体部材200を得る(図15B)。被把持部の構造のみが異なる被把持部付き機能性基体1200’、1200’’も同様に用いることができる。
<被把持部付き機能性基体の製造方法>
被把持部付き機能性基体の製造方法は特に限定されない。
機能性基体部の周縁から基材層が延出することにより形成されている被把持部を有する被把持部付き機能性基体は、適当な形状の基材の一方の表面に粘着層を配置し、他方の表面に機能性有機化合物層を配置することにより容易に製造することができる。
被把持部付き機能性基体を効率的に生産するためには、一方の表面に粘着層が配置され、他方の表面に機能性有機化合物層が配置された長尺状等の大寸法の基材を用意し、所定形状にカットして、複数の同一形状の被把持部付き機能性基体を取得することが好ましい。
図16に基づいて、被把持部付き機能性基体600に対応する複数の領域がハーフカット線により画定されている、ハーフカット済みの長尺状積層体の一例を説明する。ハーフカット済み長尺状積層体1600は、剥離フィルム1601と、粘着層503と、基材層502と、機能性有機化合物層501とを備える長尺状積層体に、被把持部付き機能性基体600に対応する複数の領域を画定するハーフカット線1610が形成されたものである。ハーフカット線1610は、積層体の機能性有機化合物層501側の表面から、厚さ方向に、粘着層503までを切断するが剥離フィルム1601を完全には切断しない厚さ方向位置まで形成されている切り込み線である。なお本発明において「カットする」という用語及び「カット工程」という用語は、ハーフカット線を形成する工程も包含する。基材層502は好ましくはフィルム基材により構成されており、ハーフカット済み長尺状積層体1600の全体がロール状に巻取り可能な長尺状積層フィルムであることが好ましい。ハーフカット済み長尺状積層体1600から、多数の被把持部付き機能性基体600を取得することができる。
図17は被把持部付き機能性基体700に対応する複数の領域がハーフカット線により画定されている、ハーフカット済みの長尺状積層体の一例を示す。ハーフカット済みの長尺状積層体1700は、長尺状の基材502の一方の表面上の、図19に示す2つの帯状領域1901、1902に粘着層503が配置され、他方の表面上の全体に機能性有機化合物層501が配置され、粘着層503が剥離フィルム1601により保護された長尺状積層体に、被把持部付き機能性基体700に対応する複数の領域を画定するハーフカット線1710が形成されたものである。図17では、粘着層503が存在せず、被把持部702も存在しない領域は、剥離フィルム1601のみが残るように描写しているが、該領域には粘着層503を介して接合されない基材502が残存していてもよい。長尺状の基材502の表面の帯状領域1901、1902のみに選択的に粘着層503を設けることは印刷技術によれば容易である。長尺状の基材502はフィルム基材であることが特に好ましい。帯状領域1901、1902の、長さ方向位置が異なる複数の部分領域の各々に対応する部分が機能性基体部701となり、該部分の各々に隣接する、表面に粘着層503が配置されていない4つの部分が被把持部702となるようにハーフカット線1710を形成することにより、被把持部702に粘着層が存在せず、機能性基体部701には粘着層503が存在する被把持部付き機能性基体700を効率的に製造することができる。
図18は被把持部付き機能性基体800に対応する複数の領域がハーフカット線により画定されている、ハーフカット済みの長尺状積層体の一例を示す。ハーフカット済みの長尺状積層体1800は、長尺状の基材502の一方の表面上の、図19に示す2つの帯状領域1901、1902に粘着層503が配置され、他方の表面上の、帯状領域1901、1902の裏側位置のみに機能性有機化合物層501が配置され、粘着層503が剥離フィルム1601により保護された長尺状積層体に、被把持部付き機能性基体800に対応する複数の領域を画定するハーフカット線1810が形成されたものである。この実施形態によれば、被把持部802に粘着層及び機能性有機化合物層が存在せず、機能性基体部801には粘着層503及び機能性有機化合物層501が存在する被把持部付き機能性基体800を効率的に製造することができる。
帯状領域の数は2つには限定されず、1つであってもよいし、3つ以上の多数であってもよい。
ハーフカット済みの長尺状積層体1600、1700、1800において、機能性基体部601、701、801と、被把持部602、702、802との境界に更に分離を容易にするミシン目等を設けてもよいし、剥離フィルム1610から分離後に前記境界にミシン目等を設けてもよい。
100、200 容器部
101、201 底部
102、202 側壁部
103、109、203 容器本体部材
104 天面部材
111 側壁部材
130、220 空間
140、210 機能性基体
600、700、800、900、1000、1100、1200、1200’、1200’’ 被把持部付き機能性基体
601、701、801、901、1001、1101、1201 機能性基体部
602、702、802、902、1002、1102、1202、1202’、1202’’ 被把持部
610、710、810、910、1010、1110、1210 ミシン目
1301 把持用工具
1600、1700、1800 ハーフカット済み長尺状積層体
1901、1902 帯状領域

Claims (8)

  1. 粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体部と、該機能性基体部の周縁に設けられた1以上の被把持部とを備える、被把持部付き機能性基体。
  2. 被把持部が、機能性基体部の周縁から基材層が延出することにより形成されており、且つ、被把持部が粘着層を含まない、請求項1の被把持部付き機能性基体。
  3. 被把持部が、機能性基体部から分離可能に形成されている、請求項1又は2の被把持部付き機能性基体。
  4. 細胞及び培地を収容するための容器部を備える細胞培養容器の製造方法であって、
    容器部は、
    容器本体部材と、
    粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体と、
    を少なくとも有し、
    以下の工程:
    請求項1〜3のいずれか1項の被把持部付き機能性基体の被把持部を把持しながら、その粘着層と容器本体部材の表面とを接触させ、前記被把持部付き機能性基体を容器本体部材の表面に接合する接合工程
    を含む方法。
  5. 接合工程後に被把持部を機能性基体部から分離する分離工程を更に含む、請求項4の方法。
  6. 請求項2の被把持部付き機能性基体を製造する方法であって、
    以下の工程:
    一方の表面の一部である帯状領域に粘着層が配置され、他方の表面の、前記帯状領域の裏側に位置する部分を含む少なくとも一部に機能性有機化合物層が配置された基材を、前記帯状領域の、長さ方向位置が異なる複数の部分領域の各々を前記一方の表面の側とする部分が機能性基体部となり、該部分の各々に隣接する、前記一方の表面の側に粘着層が配置されていない1以上の部分が被把持部となるようにカットして、被把持部付き機能性基体を複数形成するカット工程
    を含む方法。
  7. 前記基材が、長尺状のフィルム基材であり、
    前記帯状領域が、長尺状のフィルム基材の長さ方向に沿った帯状領域である、
    請求項6の方法。
  8. 細胞及び培地を収容するための容器部を備える細胞培養容器であって、
    容器部は、
    容器本体部材と、
    粘着層、該粘着層上に配置された基材層、及び該基材層上に配置された機能性有機化合物層を少なくとも備える機能性基体部と、該機能性基体部の周縁に設けられた1以上の被把持部とを備える、被把持部付き機能性基体と、
    を少なくとも有する、細胞培養容器。
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