JP2016106545A - 培養基材及び培養方法 - Google Patents

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Yoshinori Akagi
良教 赤木
野村 茂
Shigeru Nomura
茂 野村
崇至 鹿毛
Takashi Shikage
崇至 鹿毛
隆昌 河野
Takamasa Kono
隆昌 河野
一彦 今村
Kazuhiko Imamura
一彦 今村
達郎 遠藤
Tatsuro Endo
達郎 遠藤
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Abstract

【課題】細胞、細菌又は組織の接着性と剥離性との双方を良好にすることができ、細胞、細菌又は組織の培養効率を高めることができる培養基材の提供。【解決手段】細胞、細菌又は組織の培養に用いられる培養基材1であって、複数の凸部11aを表面に有する培養基材本体11と、前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に配置された接着剤層(12、接着剤と光応答性ガス発生材とを含む)とを備え、隣り合う前記凸部間距離が1000nm以下である、培養基材。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞、細菌又は組織を培養するために用いられる培養基材に関する。また、本発明は、上記培養基材を用いた培養方法に関する。
細胞、細菌又は組織を培養することができるシャーレが知られている。一般的なシャーレは、底部と、底部の外周縁に立設された側壁部とを有する。このシャーレでは、底部の上面に、細胞、細菌又は組織を含む液を塗布し、細胞、細菌又は組織を培養することができる。
上記のようなシャーレの一例は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
特開2011−211990号公報
シャーレには、培養した細胞等を良好に付着させることが望ましい。一方で、シャーレから、培養した細胞等を容易に剥離して取り出すことが可能であることが望ましい。しかしながら、従来、細胞等の接着性と剥離性とを両立することは困難であるという問題がある。
また、従来、シャーレにて培養した細胞等を剥離するために、トリプシン処理が行われている。しかし、トリプシン処理によって、細胞の生存率が低下することがある。
近年、iPS細胞などの研究が進行している。細胞の生存率を高め、細胞の接着性と剥離性とを両立した新たなシャーレなどの基材の開発は、iPS細胞などの効率的な研究に大きく寄与する。
本発明の目的は、細胞、細菌又は組織の接着性と剥離性との双方を良好にすることができ、細胞、細菌又は組織の培養効率を高めることができる培養基材を提供することである。また、本発明の目的は、上記培養基材を用いた培養方法を提供することである。
本発明の広い局面によれば、細胞、細菌又は組織の培養に用いられる培養基材であって、複数の凸部を表面に有する培養基材本体と、前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に配置された光応答性ガス発生材とを備え、隣り合う前記凸部間距離が1000nm以下である、培養基材が提供される。
本発明に係る培養基材のある特定の局面では、前記複数の凸部が、周期的に設けられている。
本発明に係る培養基材のある特定の局面では、隣り合う前記複数の凸部間距離が10nm以上である。
本発明に係る培養基材のある特定の局面では、前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に粘着剤が配置されている。
前記粘着剤が、アクリル系粘着剤であることが好ましい。前記光応答性ガス発生材が、アゾ化合物又はアジド化合物であることが好ましい。
本発明に係る培養基材のある特定の局面では、前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に光増感剤が配置されている。
本発明に係る培養基材のある特定の局面では、前記培養基材本体がシャーレであり、前記シャーレは、底部と、前記底部の外周縁に立設された側壁部とを備える。
本発明の広い局面によれば、上述した培養基材を用いた培養方法であって、前記培養基材の前記凸部のある表面上に、細胞、細菌又は組織を付着させる工程と、前記光応答性ガス発生材に光を照射して、前記光応答性ガス発生材からガスを発生させて、前記細胞、細菌又は組織を前記培養基材から剥離する工程とを備える、培養方法が提供される。
本発明に係る培養基材は、複数の凸部を表面に有する培養基材本体と、上記培養基材本体の上記凸部のある表面上に配置された光応答性ガス発生材とを備え、隣り合う上記凸部間距離が1000nm以下であるので、細胞、細菌又は組織の接着性と剥離性との双方を良好にすることができ、細胞、細菌又は組織の培養効率を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る培養基材の正面断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る培養基材に用いる培養基材本体の平面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る培養基材の正面断面図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る培養基材に用いる培養基材本体の平面図である。 図5(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る培養基材を用いた培養方法の各工程を説明するための正面断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る培養基材は、細胞、細菌又は組織の培養に用いられる。本発明に係る培養基材は、培養基材本体と、光応答性ガス発生材とを備える。上記培養基材本体は、複数の凸部を表面に有する。上記光応答性ガス発生材は、上記培養基材本体の上記凸部のある表面上に配置されている。本発明に係る培養基材では、隣り合う上記凸部間距離は、1000nm以下である。
本発明では、上記の構成が備えられているので、細胞、細菌又は組織の接着性と剥離性との双方を良好にすることができる。
上記培養基材本体の凸部のある表面上に、粘着剤が配置されていてもよい。上記粘着剤があることによって、細胞、細菌又は組織の接着性が高くなる。上記培養基材本体の凸部のある表面上に、粘着剤層が配置されていてもよく、上記粘着剤層が上記光応答性ガス発生材と粘着剤とを含んでいてもよい。この場合に、培養後などに、細胞、細菌又は組織を剥離したいときに、上記粘着剤層に光を照射すれば、光応答性ガス発生材からガスを発生させることができる。光応答性ガス発生材から発生したガスは、細胞、細菌又は組織の剥離性を高める。しかも、本発明では、上記培養基材本体が、複数の凸部を表面に有するので、ガスの発生により、細胞、細菌又は組織を効果的に剥離することが可能になる。また、隣り合う凸部間距離がかなり微細であることによって、ガスの発生により、細胞、細菌又は組織を効果的に剥離することが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る培養基材の正面断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係る培養基材に用いる培養基材本体の平面図である。図1では、培養基材本体は、図2のA−A線に沿う断面図が示されている。
なお、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されており、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。具体的な物体の寸法の比率などは、以下の説明を参酌して判断されるべきである。特に、参照する図面では、凸部の大きさは、図示の便宜上、拡大して示されている。実際の凸部は、ナノサイズであり、より微細である。
図1及び図2に示す培養基材1は、培養基材本体11と、粘着剤層12とを備える。培養基材本体11は、複数の凸部11aを表面に有する。粘着剤層12は、培養基材本体11の凸部11aのある表面上に配置されている。複数の凸部11a間に凹部がある。培養基材1では、隣り合う凸部11a間距離が、1000nm以下である。培養基材1では、粘着剤層12が、粘着剤と、光応答性ガス発生材とを含む。
培養基材本体11はシャーレである。シャーレである培養基材本体11は、底部と、底部の外周縁に立設された側壁部とを備える。培養基材本体11は、蓋とともに用いられてもよい。
粘着剤層12は、培養基材本体11側とは反対の表面に、培養基材本体11の表面の複数の凸部11aに対応した複数の凸部12aを有する。複数の凸部12a間に凹部がある。培養基材本体11が表面に凸部11aを有することによって、粘着剤層12の表面に凸部12aを形成することができる。
培養基材本体11では、凸部11a,12aの形状は、円錐状である。
培養基材本体11では、凸部11aは、第1の方向(図2の上下方向)と第1の方向と直交する第2の方向(図2の左右方向)に、等間隔でかつ複数列で配置されており、マトリックス状に周期的に設けられている。第1の方向において、第A列の凸部11a群と、第A列の隣の第B列の凸部11a群とでは、凸部11aの位置がずれている。第2の方向において、第A列の凸部11a群と、第A列の隣の第B列の凸部11a群とでは、凸部11aの位置がずれている。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る培養基材の正面断面図である。図4は、本発明の第2の実施形態に係る培養基材に用いる培養基材本体の平面図である。図3では、培養基材本体は、図4のA−A線に沿う断面図が示されている。
図3及び図4に示す培養基材1Aは、培養基材本体11Aと、粘着剤層12Aとを備える。培養基材本体11Aは、複数の凸部11Aaを表面に有する。複数の凸部11Aa間に凹部がある。粘着剤層12Aは、培養基材本体11A側とは反対の表面に、培養基材本体11Aの表面の複数の凸部11Aaに対応した複数の凸部12Aaを有する。複数の凸部12Aa間に凹部がある。培養基材本体11と、培養基材本体11Aとでは、凸部11a,11Aaの形状及び配置が異なる。それによって、凸部12a,12Aaの形状及び配置も異なる。
培養基材本体11Aでは、凸部11Aaの形状は、四角錘状である。
培養基材本体11Aでは、凸部11Aaは、第1の方向(図4の上下方向)と第1の方向と直交する第2の方向(図4の左右方向)に、等間隔でかつ複数列で、マトリックス状に周期的に設けられている。第1の方向において、第A列の凸部11Aa群と、第A列の隣の第B列の凸部11Aa群とでは、凸部11Aaの位置が揃っている。第2の方向において、第A列の凸部11Aa群と、第A列の隣の第B列の凸部11Aa群とでは、凸部11Aaの位置が揃っている。
上記のように、凸部の形状や配置は適宜変更することができる。また、凸部の先端は、点状であってもよく、曲面であってもよく、平面であってもよい。凸部の先端が曲面である場合に、凸部は球体の一部の形状であることが好ましい。
なお、凸部11a,11Aaは、培養基材本体11,11Aであるシャーレの底部の外周縁近傍には設けられていない箇所があるが、底部の全体に設けられていてもよい。
凸部11a,11Aaは、培養基材本体11の凸部11a,11Aaを除く部分と一体的に構成されている。凸部と、凸部を除く部分とは別の部材により構成されていてもよい。凸部は、例えば、培養基材本体の成形時に賦形することができる。また、凸部がない培養基材本体を得た後、培養基材本体の表面を賦形処理することにより、凸部を形成してもよい。
図5(a)及び(b)を用いて、図1に示す培養基材1を用いた培養方法の各工程の一例を説明する。
先ず、図5(a)に示すように、培養基材1の凸部11aのある表面上に、細胞を付着させる。細胞は、光応答性ガス発生材又は粘着剤層を介して、培養基材1の凸部11aのある表面上に配置されてもよい。具体的には、粘着剤層12の培養基材本体11側とは反対の表面上に、細胞Xを付着させる(粘着工程)。細胞X層が形成される。細胞Xにかえて、細菌又は組織を用いてもよい。
次に、細胞を培養する(培養工程)。その後、図5(b)に示すように、光応答性ガス発生材に光を照射して、上記光応答性ガス発生材からガスを発生させる。具体的には、粘着剤層12に光を照射して、光応答性ガス発生材からガスを発生させる。粘着剤層12と細胞Xとの付着性が低下する。また、発生したガスによって、細胞Xを粘着剤層12から剥離させる(剥離工程)。細胞X層が剥離される。ここでは、粘着剤層12と細胞Xとの付着性を低下させるために、トリプシン処理を行っていない。
細胞の生存率を高める観点からは、細胞、細菌又は組織を上記粘着剤層から剥離するために、トリプシン処理を行わないことが好ましい。本発明では、ガスを発生させるので、トリプシン処理を行わなくても、細胞、細菌又は組織を容易に剥離することができる。トリプシン処理を行わなければ、トリプシン処理による細胞等の生存率の低下を防ぐことができる。
以下、培養基材の他の詳細を説明する。
(培養基材本体の詳細)
上記培養基材本体の材質は特に限定されない。上記培養基材本体の材質は、金属であってもよく、樹脂であってもよい。上記樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、シクロオレフィン、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート及びポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
上記培養基材本体の凸部間距離は1000nm以下である。細胞等の接着性及び剥離性をより一層高める観点からは、上記培養基材本体の凸部間距離は好ましくは500nm以下である。細胞等の接着性及び剥離性をより一層高める観点からは、上記培養基材本体における隣り合う上記凸部間距離は好ましくは10nm以上である。上記隣り合う凸部間距離は、それぞれの凸部の先端(先端が平面等である場合は中心部)と、それに最も隣接する凸部の先端(先端が平面である場合は中心部)との間隔を平均することにより求められる。
上記培養基材本体における凸部高さは、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下である。
上記培養基材本体における凸部の形状は特に限定されない。凸部の形状としては、球体の一部の形状、円錐状、円柱状、多角錘状及び多角柱状等が挙げられる。
粘着剤層全体での接着性及び剥離性の均一性を高める観点からは、上記複数の凸部が、周期的に設けられていることが好ましい。粘着剤層全体での接着性及び剥離性の均一性を高める観点からは、上記複数の凸部は、等間隔で設けられていることが好ましい。
培養基材本体を介して粘着剤層に光を照射する観点からは、並びに底部側から細胞状態等を確認する観点からは、上記培養基材本体は、透光性を有することが好ましく、透明であることが好ましい。
(粘着剤層の詳細)
粘着剤層が無い場合でも細胞を上記培養基材に付着させることはできるが、細胞等の接着性をより一層高める観点からは、上記培養基材本体の上記凸部のある表面上に粘着剤が配置されていてもよく、上記培養基材本体の上記凸部のある表面上に上記粘着剤層が配置されていてもよい。
上記粘着剤層における凸部の形状は特に限定されない。凸部の形状としては、球体の一部の形状、円錐状、多角錘状円柱状及び多角柱状等が挙げられる。
細胞等の接着性をより一層高める観点からは、上記粘着剤層の厚みは特に限定されない。上記粘着剤層の厚みは好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、好ましくは900nm以下、より好ましくは500nm以下である。
上記粘着剤は、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤及びシリコーン系粘着剤等が挙げられる。上記粘着剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
細胞等の接着性をより一層高める観点からは、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル系粘接着剤樹脂であることが好ましい。上記(メタ)アクリル系粘接着剤樹脂は、常温(23℃)で粘着性を有するポリマーであることが好ましい。上記(メタ)アクリル系粘接着剤樹脂は、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、例えば、主モノマーとしてアルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲内である(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、官能基含有モノマーと、更に必要に応じて共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得ることが可能である。上記(メタ)アクリル系粘接着剤樹脂の重量平均分子量は好ましくは20万以上、好ましくは200万以下である。
上記光応答性ガス発生材100重量部に対して、上記粘着剤の使用量は好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下である。上記粘着剤の使用量が上記下限以上であると、粘着剤層の粘着性がより一層高くなる。上記粘接着剤の使用量が上記上限以下であると、上記光応答性ガス発生材の使用量が相対的に多くなって、ガスの発生効率がより一層高くなる。
上記光応答性ガス発生材は単独でも、上記培養基材の凸部のある表面上に塗布することができる。
上記光応答性ガス発生材としては、アゾ化合物、アジド化合物及びポリオキシアルキレン化合物等が挙げられる。これらの化合物では、光の照射により、光分解反応が進行する。上記光応答性ガス発生材は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ガスの発生効率を高め、細胞等の剥離性を効果的に高める観点からは、アゾ化合物又はアジド化合物が好ましい。
上記アゾ化合物としては、アゾアミド化合物、アゾニトリル化合物、アゾアミジン化合物及びサイクリックアゾアミジン化合物等が挙げられる。上記アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
上記アジド化合物としては、4−ドデシルベンゼンスルホニルアジド、4−アセチルアミノベンゼンスルホニルアジド、p−t−ブチルベンズアジド、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン及びグリシジルアジドポリマー等が挙げられる。
上記培養基材本体の上記凸部のある表面上に粘着剤が配置されていることが好ましい。上記粘着剤層は、光増感剤を含むことが好ましい。上記光増感剤は、上記光応答性ガス発生材にエネルギーを移動させて、上記光応答性ガス発生材の分解を促進する。上記光増感剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光増感剤としては、チオキサントン、ベンゾフェノン、アセトフェノン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンジエート、α−アシロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのように窒素が環系の一部である化合物、アリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル化合物、トリ−n−ブチルフォスフィン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリジン化合物、テトラヒドロ−1,3−オキサジン化合物、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドとジアミンとの縮合物、アントラセン及びその誘導体、キサンチン、N−フェニルグリシン、フタロシアニン、ナフトシアニン、チオシアニン等のシアニン色素類ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。
上記光応答性ガス発生材100重量部に対して、上記光増感剤の使用量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは50重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。上記光増感剤の使用量が上記下限以上及び上記上限以下であると、増感作用が効果的に得られる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。
(実施例1)
培養基材の作製:
図1及び図2に示す培養基材本体であるシャーレを用意した。複数の凸部は、第1の方向と第1の方向と直交する第2の方向とに等間隔でかつ複数列で、マトリックス状に周期的に配置されている。シャーレにおける隣り合う複数の凸部間距離は230nmであり、凸部の構造は直径230nm、高さ200nmの円錐状であった。
また、光応答性ガス発生材(グリシジルアジドポリマー:日油社製)100重量部と、架橋剤(PVEEA:日本触媒社製)10重量部と、光増感剤(ジエチルチオキサントン:東京化成社製)3重量部とを含む組成物を用意した。
シャーレの底面上に、得られた組成物をスピンコートで塗布し、厚みが100nmである光応答性ガス発生材層(粘着剤層)を形成した。
細胞の付着:
図5(a)に示すように、粘着剤層上に、培養液(Eagle’s minimal essetial medium)を含む乳ガン細胞(MCF−7、1x10cells/ml)を加えた。
細胞の培養:
シャーレをCOインキュベーター(37℃、CO5%)に入れ7日間培養を行った。
細胞の剥離:
図5(b)に示すように、培養後の細胞が付着した粘着剤層に、400nmの光を照射して、光応答性ガス発生材からガスを発生させて、培養後の細胞を剥離した。
(実施例2)
シャーレ及び粘着剤層における凸部間距離を100nmにし、凸部の構造を直径100nm、高さ80nmの円錐状に変更したこと以外は実施例1と同様にして、細胞の付着、培養及び剥離を行った。この結果、細胞をシャーレから剥離することができた。
(実施例3)
シャーレ及び粘着剤層における凸部間距離を500nmにし、凸部の構造を直径500nm、高さ450nmの円錐状に変更したこと以外は実施例1と同様にして、細胞の付着、培養及び剥離を行った。この結果、細胞をシャーレから剥離することができた。
(比較例1)
底面が平滑であるシャーレ(凸部なし)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、細胞の付着、培養及び剥離を行った。この結果、細胞がシャーレに接着せず、細胞が増殖できなかった。
(比較例2)
シャーレ及び粘着剤層における凸部間距離を3μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして、細胞の付着、培養及び剥離を行った。この結果、細胞をシャーレ表面に接着させることができず、細胞を増殖できなかった。
1,1A…培養基材
11,11A…培養基材本体(シャーレ)
11a,11Aa…凸部
12,12A…粘着剤層
12a,12Aa…凸部
X…細胞

Claims (9)

  1. 細胞、細菌又は組織の培養に用いられる培養基材であって、
    複数の凸部を表面に有する培養基材本体と、
    前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に配置された光応答性ガス発生材とを備え、
    隣り合う前記凸部間距離が1000nm以下である、培養基材。
  2. 前記複数の凸部が、周期的に設けられている、請求項1に記載の培養基材。
  3. 隣り合う前記複数の凸部間距離が10nm以上である、請求項1又は2に記載の培養基材。
  4. 前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に配置された粘着剤を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の培養基材。
  5. 前記粘着剤が、アクリル系粘着剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の培養基材。
  6. 前記光応答性ガス発生材が、アゾ化合物又はアジド化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の培養基材。
  7. 前記培養基材本体の前記凸部のある表面上に配置された光増感剤を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の培養基材。
  8. 前記培養基材本体がシャーレであり、
    前記シャーレは、底部と、前記底部の外周縁に立設された側壁部とを備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の培養基材。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の培養基材を用いた培養方法であって、
    前記培養基材の前記凸部のある表面上に、細胞、細菌又は組織を付着させる工程と、
    前記光応答性ガス発生材に光を照射して、前記光応答性ガス発生材からガスを発生させて、前記細胞、細菌又は組織を前記培養基材から剥離する工程とを備える、培養方法。
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