JP2005312343A - 観察用容器及び培養用容器,培養細胞 - Google Patents

観察用容器及び培養用容器,培養細胞 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は簡便に簡単な構造で剥離時の細胞への損傷を防ぎ、培養液の運搬を促進し、同時に観察時の像コントラストの優れた観察用容器及び培養用容器を提供することである。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明は容器の底面に相当直径が10nm以上10μm以下であり、高さが10nm以上1mm以下である突起物集合体を形成し、容器表面に必要な機能に応じて機能性表面構造を形成した観察用容器及び培養用容器を提供する。これによって、培養液を細胞の下部に行き渡らせて運搬を促進するとともに細胞と容器の接触を点接触にすることによって細胞の剥離時に生じる細胞の損傷を防ぐことのできる容器を提供するものである。また、機能性表面構造によって観察時の像コントラストの改善効果などを与えることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は細胞や、蛋白質などの生体由来物質の観察に適した観察用容器及び培養用容器と、その容器で培養した培養細胞に関する。
近年、医療目的に使われる細胞培養の技術が進歩し、実際に皮膚の移植などに用いられている。また、少量の細胞から皮膚などの組織にとどまらず角膜,歯,骨,臓器など複雑な器官へと自家移植や他家移植に向けた培養技術の進歩が見られる。
細胞の培養にはガラス製や樹脂製のペトリシャーレなどの容器が用いられる。例えば、以下のようなペトリシャーレが開示されている。所定の濃度のコラーゲン溶液を培養容器にピペットで表面が一様になるよう分注して塗布した後、15分〜72時間乾燥する、あるいは、所定の濃度のコラーゲン溶液を、シリコーン膜等の伸縮性を有する培養基材上に塗布し、15〜42℃のインキュベーター内で20〜120分間重合させた後、このシリコーン膜等の伸縮性を有する培養基材をUV灯下で15分〜72時間放置し、コラーゲンが乾燥した後、リン酸緩衝液で再び湿らせ、その後、10〜40%伸展させて固定するなどの手法によって細胞培養用シャーレを作成する方法がある(特許文献1参照)。
また、別の容器として以下のような培養容器が開示されている。培養容器の底面に温度によって親水性,疎水性の入れ替わるポリマーを塗布し、紫外線照射などで定着させることによって培養後の細胞の剥離に適した培養容器を作ることが出来る(特許文献2参照)。
また、生体試料の観察に適した容器の例として以下のようなスライドガラスが開示されている。ガラス表面に反射防止膜を形成することでガラス表面からの光の反射を減らし、良好な信号強度/背景ノイズ光比を得ることができる(特許文献3参照)。
特開2002−142751号公報(実施例A) 特開平5−244938号公報(実施例1) 特開平10−123429号公報(発明の実施の形態)
上記第1の方法によれば、細胞をその細胞と親和性のあるコラーゲンの上において培養することが出来るが、反面、細胞と培養容器の密着力が強い為に細胞の剥離が困難であった。この密着力に対して、機械的に細胞を剥がすと細胞に物理的な損傷を与え、トリプシンなどの酵素によって化学的な処理を行うと細胞表面の膜タンパク質が分解されて移植後の細胞の組織への定着率が低下するという問題があった。
上記第2の方法は培養容器表面の親水性を調整することによって細胞表面の密着力を減少させることで剥離の問題を解決することが出来る。しかし、培養容器表面が特定の分子に限定される、培養容器を作るのにかかる時間が長い、シート状の細胞の中央部への培養液の運搬を促進する必要がある、等の課題が残っていた。
以上2つの実施例においては、培養に関する課題の他に、観察する際の像が容器表面における反射光によって顕微鏡観察時においてコントラストが減少すると言う問題があった。この課題は上記第3の方法における反射防止膜の形成によって解決することができる。しかし、容器表面の材質が一般的な反射防止膜の材質に限定されるため、細胞など被観察物の密着力を制御することができず、全ての種類の細胞培養には適さないと言う課題があった。
本発明の目的は簡便に簡単な構造で剥離時の細胞への損傷を防ぎ、培養液の運搬を促進し、同時に観察時の像コントラストの優れた観察用容器及び培養用容器を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は容器の底面に相当直径が10nm以上10μm以下であり、高さが10nm以上1mm以下である突起物集合体を形成し、容器表面に必要な機能に応じて機能性表面構造を形成した観察用容器及び培養用容器を提供する。これによって、培養液を細胞の下部に行き渡らせて運搬を促進するとともに、細胞と容器の接触を点接触にすることによって細胞の剥離時に生じる細胞の損傷を防ぐことのできる容器を提供するものである。また、培養液の運搬をより促進するために、突起物集合体が培養液の流れる隙間を有していることが好ましい。なお、相当直径という語を用いたのは、突起の断面が必ずしも円形ではなく、楕円,多角形,非対称形などの場合があるためで、本発明ではこれらを全て包含するために相当直径を用いている。本発明で相当直径は、突起物底面の断面の直径とする。
容器表面に形成する機能性表面構造は用途に応じて反射防止構造,細胞などの付着防止構造,表面保護構造,細胞の剥離促進構造などから選択することができる。反射防止構造としては容器表面の突起物と屈折率の異なる1種類以上の物質からなる反射防止膜,観察に用いる光の波長よりも短い相当直径を有する微小突起物の形成がある。細胞などの付着防止構造としては、同様の微小突起物の他に突起物よりも親水性の高い物質からなる付着防止層がある。表面保護構造としては容器表面の突起物よりも強度の高い物質による被覆がある。細胞の剥離促進構造としては電位調整層の被覆がある。容器表面に形成する機能性表面構造はこれらの機能のいずれか一つのみを有するものではなく、適切な材質・形状を選択することによって複数の機能を付与することができる。また、これらの機能性表面構造が細胞などの観察,培養対象に適用できない場合は容器表面の突起物先端部のみ機能性表面構造を除くことによって観察,培養対象に影響を与えることなく機能を付与することができる。
本発明を適用することによって、簡便に簡単な構造で剥離時の細胞への損傷を防ぎ、培養液の運搬を促進する観察用容器及び培養用容器を提供できる。突起物集合体を用いた形状効果で上記の効果を出しているため、形成プロセスを簡便にすることができ、従来に比べて新たな薬品や処理装置の導入も無いことから新しく廃棄方法を考慮する必要がないという効果を得ることもできた。また、機能性表面構造の付与によって、反射防止,突起物先端以外への細胞の付着の防止,表面保護,細胞の剥離促進効果を付与することができた。
また、以上の機能性表面構造による効果は細胞培養時にのみ生じるものではなく、細胞以外の観察対象、例えばタンパク質,核酸,糖鎖などを用いた観察にも適用できた。機能性表面構造による反射防止,突起物先端以外への観察対象の付着の防止と言う効果によって、特定の箇所に固定した観察対象のコントラストの高い観察像を得ることができた。
以下、図面を参照しながら本発明の観察用容器及び培養用容器について詳細に説明する。
図1は本発明における観察用容器及び培養用容器100を示す鳥瞰図である。観察対象を入れる容器101の底面に相当直径が10nm以上10μm以下であり、高さが10
nm以上1mm以下である突起物集合体102が形成されている。突起物集合体102の表面には機能性表面構造103が形成されている。また、突起物集合体102の中には液体を流れやすくするための隙間104が形成されている。
図1の突起物集合体102の相当直径は、細胞との接触面積を減らすために細胞の直径よりも十分に小さく、例えば細胞の直径の5分の1以下に設定される。また、突起物の下部に十分に培養液を浸透させる必要があるためこれらの突起物の高さは十分に、例えば相当直径以上、より好ましくは相当直径の5倍以上であることが好まれる。しかし、構造強度的な観点からは100倍以下が好まれる。
本発明における容器101の材質は特に限定されないが、所望する加工精度,表面特性,光学特性,強度などに応じて選択される。具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニール,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹脂,アクリル樹脂,ポリアミド,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,ガラス強化ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,変性ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンスルフィド,ポリエーテルエーテルケトン,液晶性ポリマー,フッ素樹脂,ポリアレート,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,メラミン樹脂,ユリア樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,ポリアミドビスマレイミド,ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、及びこれらを2種以上ブレンドした材料を用いることが可能である。また、この他に石英,ガラス類などの無機物も使用することが可能である。
本発明における突起物集合体102の材質は特に限定されないが、やはり所望する加工精度,表面特性,光学特性,強度などに応じて前述の樹脂組成物、若しくは石英,ガラス類など無機物からなる。突起物集合体102の強度が問題となる場合はこれらの突起物集合体102が容器101と同じ材料でできており、一体化されていることが好まれる。
図1の機能性表面構造103は観察用容器及び培養用容器100に付与する機能に応じて異なる構造を形成する。例えば、反射防止構造,細胞などの付着防止構造,表面保護構造,細胞などの剥離促進構造などから選択することができる。機能性表面構造103は薄膜形状、若しくは微小凹凸形状からなる。
以下、薄膜形状の機能性表面構造103について記述する。反射防止構造として機能性表面構造103を用いる場合には、その屈折率や光透過率,厚みは、所定波長の光に対して反射率が小さくなるように適切に設計される。その厚みは突起物集合体102の高さ以下、及び突起物集合体102の相当直径の1/2以下であることが好ましい。細胞などの付着防止構造としては観察、及び培養対象によって個々に設計されるが、一般には突起物集合体102よりも親水性の高い物質、もしくは正に帯電しやすい物質が好まれる。表面保護構造としては突起物集合体102よりも強度の高い物質,細胞などの剥離促進構造としては送風や摩擦による帯電,観察用容器及び培養用容器100に配する培養液の交換,光の照射,温度変化,圧力負荷による圧電効果などによって電位,疎水性などが変化する物質が好まれる。これらの構造に関してもその厚みは突起物集合体102の高さ以下、及び突起物集合体102の相当直径の1/2以下であることが好ましい。
以下、微小突起物形状の機能性表面構造103について記述する。微小突起物で生じる屈折率分布によって反射防止構造を付与する時には微小突起物の相当直径は観察に用いる光の波長以下である必要がある。このため、微小突起物の相当直径は可視光の波長である400nm〜700nmよりも小さい必要がある。微小突起物の高さは微小突起物の相当直径より大きいことが好まれる。しかし、微小突起物の強度の保持、及び突起物集合体
102の機能のため、微小突起物の高さは微小突起物の直径の100倍以下、若しくは突起物集合体102の高さ以下であることが望ましい。また、このような微小突起物が反射防止特性を十分に機能するには微小突起物が観察用容器及び培養用容器100中の被観察領域の95%以上を占めていることが望ましい。微小突起物による細胞などの付着防止構造としては観察、及び培養対象によって個々に設計されるが、一般には突起物集合体102より小さい相当直径を有する微小突起物が好まれる。微小突起物の高さは微小突起物の相当直径より大きいことが好まれる。しかし、微小突起物の強度の保持、及び突起物集合体102の機能のため、微小突起物の高さは微小突起物の直径の100倍、若しくは突起物集合体102の高さ以下であることが望ましい。表面保護構造としても同様に突起物集合体102より小さい相当直径が好まれ、高さは微小突起物の直径の以下、若しくは突起物集合体102の高さ以下であることが望ましい。微小突起物形状の材質は用途に応じて突起物集合体102と同じ材質、若しくは前述の薄膜形状の機能性表面構造103において示した材質から選択することができる。
機能性表面構造103は図2に示すように、観察及び培養対象の接する突起物集合体の先端部105のみ除去することができる。突起物集合体の先端部105にのみ周囲とは異なる性質を与え、例えば突起物集合体の先端部105に限定して観察、及び培養対象を吸着することができる。
本発明における観察用容器及び培養用容器100を形成する手法の第一を図3に示す。容器101の上に配された突起物原料107を軟化し、凹凸108が形成された金型106を押し付けることによって、金型106の凹凸108の形状を突起物原料107に転写し、突起物集合体102を形成した観察用容器及び培養用容器100を得ることができる。このプロセスにおいて、機能性表面構造103を図3に示すように突起物原料107の表面に形成して突起物原料107を成型すること、若しくは機能性表面構造103を金型
106表面に形成して成型時に突起物原料107側に転写することによって観察用容器及び培養用容器100表面に機能性表面構造103を形成することができる。機能性表面構造103の形成には、スピンコート法,キャスト法,蒸着法,プラズマ重合法,インクジェット法,スクリーン印刷法のように新たに層を付加する手法の他に、加熱,光照射,電子線照射,プラズマ処理などによって、突起物集合体102、及び観察用容器及び培養用容器100を表面改質する手法などを用いることもできる。本手法では機能性表面構造
103は突起物集合体102と同時に成型したが、突起物集合体102の強度が十分にある場合は成型後の突起物集合体102への被覆によっても同様の構造を得ることができる。
本発明における観察用容器及び培養用容器100を形成する手法の第二を図4に示す。容器101の上に配された突起物原料107を軟化し、凹凸108が形成された金型106を押し付けることによって、金型106の凹凸108の形状を突起物原料107に転写し、突起物集合体102を形成した観察用容器及び培養用容器100を得ることができる。このプロセスにおいて、金型106表面に形成された微小凹凸109の形状を突起物原料107に転写することによって微小突起群110からなる機能性表面構造103を形成することができる。このときの機能性表面構造103、つまり微小突起群110は突起物集合体102と同じ材質からなる。微小突起群110の材質が突起物集合体102と異なる場合は、前述の第一の手法で用いる金型106表面に微小凹凸109を形成すれば良い。
金型106上の凹凸108は観察用容器及び培養用容器100上の突起物集合体102に対応する大きさが求められる。また、前述の第二の手法を用いる場合には与える機能に応じて微小突起群110の形状を先に示した形状にするため、微小凹凸109はその形状に応じて決められる。このような微小な形状を表面に形成するため、金型106は金属,カーボンやシリコンなどの無機物、及び樹脂組成物の少なくとも1つを含み、その表面形状は光リソグラフィ法,電子線直接描画法,粒子線ビーム加工法,走査プローブ加工法などの微細加工法や微粒子の自己組織化、又はこれらの手法によって形成されたマスタからナノインプリント法,射出成型法,無電解めっき法などで形状転写することによって形成される。また、図3,図4では突起物集合体102,微小突起群110を形成する手法として軟化した突起物原料107に金型106を押し付けるいわゆるナノインプリント法を用いたが、これ以外の射出成型法を代表とする樹脂の成型法や、金型106を用いずレーザ加工法などで直接加工することも可能であるのは明らかである。
本発明における突起物集合体の先端部105のみ表面処理を除去したい場合には、図5の手法を用いる。突起物集合体102を形成し、機能性表面構造103が施された観察用容器及び培養用容器100の突起物集合体102を形成した側を所定の精度を有するバフ111によって研磨することによって突起物集合体の先端部105に付着した機能性表面構造103を除去する。この除去手段には図5に示したバフ研磨の他、機能性表面構造
103の種類に応じて、化学機械研磨(CMP),異方性ドライエッチング,光照射,電子線照射、若しくは弾性を有するシリコーンゴム,樹脂フィルム,金属薄膜などの弾性体を用いた突起物集合体の先端部105のみへの処理液の塗付、若しくは加熱などの手法を用いることができる。ここで、機能性表面構造103の除去を観察用容器及び培養用容器100の一部に対してのみ行うことによって、機能性表面構造103が部分的に残存した構造を作ることもできる。
図6に本発明における観察用容器及び培養用容器100の使用法の一例を示す。観察用容器及び培養用容器100内部を液体112で満たし、突起物集合体102の上に細胞などの観察及び培養対象113を配置する。本発明の観察用容器及び培養用容器100では、観察及び培養対象113と観察用容器及び培養用容器100との接触が点接触となるため、長時間保持した観察及び培養対象113を観察用容器及び培養用容器100から剥離する時に生じる損傷を防ぐことができる。また、突起物集合体102の形状や機能性表面構造103の材質及び形状を、観察及び培養対象113によって変化させることによって、観察及び培養対象113を剥離する時に生じる損傷をさらに低減できる。また、機能性表面構造103を反射防止構造,細胞などの付着防止構造,表面保護構造,細胞などの剥離促進構造等とすることによってそれぞれ、観察時の像コントラストの改善,予期しない位置への観察及び培養対象113の付着の防止,突起物集合体102の保護,観察及び培養対象113の剥離促進などの効果を付与することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述する。
以下、本発明の一実施例を説明する。図1(a)は本実施例で作製した観察用容器及び培養用容器100表面に形成した突起物集合体102の走査型電子顕微鏡写真の模式図である。突起物集合体102は複数の柱状突起物から成る。柱状突起物の材質はポリスチレンで分子量は3000から400万である。
図7は突起物集合体102を拡大した走査型電子顕微鏡写真の模式図である。突起物集合体102の高さは3μm、一辺の長さは根元で300nmである。突起物集合体102は上部約1μmの部分は平滑な表面状態であり、根元から約2μmの部分の表面は縞模様である。突起物集合体102表面は機能性表面構造103によって被覆されている。
また、突起物集合体102は底面の一辺が300nmで高さが3μmなので高さと一辺の比は10となり、1より大きいことが分かる。
また、突起物集合体102は先端部が底面部より小さくなっており、末広がり状であることが分かる。本実施例では、柱状突起物の形状は根元から先端にかけて細くなっていく形状であるが、例えば、根元から先端にかけて細くなり先端部に太い部分を有するきのこのような形状でもよい。本発明の柱状突起物は、根元から先端部にかけて細くなる部分を有することを特徴の一つとしている。
また、突起物集合体102は下地に接続されており、一体化していることが分かる。
また、突起物集合体102の先端部が突起物の底面部より小さく末広がり状であるため、突起物が基板から取れにくい効果を得られる。また、突起物集合体102が下地を含む構造であるため突起物集合体102が容器101から取れにくい効果を得られる。
なお、本実施例では、突起物集合体102の材料はポリスチレンを用いたが、容器101の材質として先に例示した材料を突起物集合体102の材料として用いてもよい。
上述の観察用容器及び培養用容器100は以下に述べる方法で作製した。図3は観察用容器及び培養用容器100の製造工程である。機能性表面構造103,突起物原料107を表面に形成した低蛍光ガラス製の容器101を100℃に加熱し、表面に凹凸108を形成した金型106をプレス圧力4MPaでプレスした。金型106は結晶方位(100)、直径25mmのシリコンウエハである。金型106を垂直に引き上げ機能性表面構造103に被覆された突起物集合体102を形成した。突起物集合体102のアスペクト比は凹凸108のアスペクト比の約3倍である。すなわち、アスペクト比の大きい凹凸108を金型106に形成することは一般に困難であるが本実施例の手法を用いれば高いアスペクト比の突起物集合体102を形成できる効果を得られる。
なお、本実施例では、低蛍光ガラスを容器101に用いたが、容器101は低蛍光ガラスに限らず例えばポリカーボネートなどの有機物,石英などの無機物、あるいはこれらの積層構造体でもよい。観察を良好にするには容器101は透明であることが好ましい。また、本実施例では突起物集合体102の材料に容器101と異なるポリスチレンを用いているが、例えば容器101を突起物集合体102と同じ材質とし、容器101表面に直接、突起物集合体102を形成することで容器101から突起物集合体102を取れにくくする効果を与えると同時に、突起物集合体102と容器101界面での光の反射を防ぐことができ、観察時の像のコントラストを改善する効果がある。
また、本実施例では、金型106に結晶方位(100)、直径25mmのシリコンウエハを用いたが、特に結晶方位が(100)であったり、材質が単結晶シリコンである必要はなく、ニッケルなどの金属薄膜やPDMSなどの有機物でもよい。また、突起物集合体
102の形成後に金型106を離型する際の容器101や突起物集合体102,機能性表面構造103への損傷を防ぐため金型106にはフッ素系、若しくはシリコーン系などの離型剤によってコートされていることが望ましい。
また、金型106の凹凸108の相当直径や深さ、突起物原料107の材質を調整することで突起物集合体102の相当直径や高さを制御できる。さらに、金型106の凹凸
108の位置を制御することで突起物集合体102を形成する位置を制御できる。
また、突起物集合体102の材料を熱可塑性にすることで、突起物集合体102の形成時の温度を調整することで突起物集合体102の形状を容易に制御できる効果を得られることは明らかである。
また、突起物集合体102の材料を光硬化性にすることで、突起物集合体102の形成時に光を入射させることで突起物集合体102の形状を容易に制御できる効果を得られることは明らかである。
本実施例では機能性表面構造103として突起物原料107と同時に成型可能な機能性薄膜を用いることができる。このときの機能性薄膜には付与する機能、及び突起物原料
107によって、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコール,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニール,ポリスチレン,ABS樹脂,AS樹脂,アクリル樹脂,ポリアミド,ポリアセタール,ポリブチレンテレフタレート,ガラス強化ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネート,変性ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンスルフィド,ポリエーテルエーテルケトン,液晶性ポリマー,フッ素樹脂,ポリアレート,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリアミドイミド,ポリエーテルイミド,熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂,メラミン樹脂,ユリア樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,アルキド樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,ポリアミドビスマレイミド,ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂,水ガラスなどの無機物などから1種類以上を選択できる。このときに付与する機能に応じて機能性表面構造103の材質や構造は異なる。反射防止構造として機能性表面構造103を用いる場合には、屈折率,光透過率と厚みを突起物集合体102、及び観察及び培養対象に応じて設計できる。細胞などの付着防止構造としては観察、及び培養対象によって個々に設計されるが、一般には突起物集合体102よりも親水性の高い物質、もしくは正に帯電しやすい物質が好まれる。表面保護構造としては突起物集合体の原料よりも強度の高い物質が好まれる。細胞などの剥離促進構造としては送風や摩擦による帯電,観察用容器及び培養用容器100に配する液体の交換,光の照射,外部からの電圧の印加,温度変化,圧力負荷による圧電効果などによって電位,疎水性などが変化する物質からなることが好まれる。また、機能性表面構造103は必ずしも一様な構造である必要は無く、分布を持つ構造や、実施例2に示すような微小突起群110を有する形状であっても良い。また、機能性表面構造103は必ずしも観察及び培養対象を配する側に限定して処理されるものではなく、他の面にも形成することによって、例えば反射防止効果によって観察時の像のコントラストをさらに改善することもできる。
以下、本発明の別の一実施例を説明する。本実施例では機能性表面構造103として微小突起群110を用いる場合について示す。なお、突起物集合体102の材質や形状については実施例1と同一となる。
図8は本実施例で形成した突起物集合体102を拡大した走査型電子顕微鏡写真の模式図である。突起物集合体102の高さは3μm、一辺の長さは根元で300nmである。突起物集合体102は上部約1μmの部分は平滑な表面状態であり、根元から約2μmの部分の表面は縞模様である。微小突起群110は突起物集合体102と同じ材質からなる。微小突起群110は突起物集合体102の間を敷き詰めるように形成されている。その形状は正四角錐状であり、高さは200nm、一辺の長さは200nm、各四角錐の頂点間の間隔は200nmである。
上述の観察用容器及び培養用容器100は以下に述べる方法で作製した。図4は観察用容器及び培養用容器100の製造工程である。機能性表面構造103,突起物原料107を表面に形成した低蛍光ガラス製の容器101を100℃に加熱し、表面に凹凸108、及び微小凹凸109を形成した金型106をプレス圧力4MPaでプレスした。金型106は結晶方位(100)、直径25mmのシリコンウエハである。金型106を垂直に引き上げ突起物集合体102を形成した。突起物集合体102のアスペクト比は凹凸108のアスペクト比の約3倍である。すなわち、アスペクト比の大きい凹凸108を金型106に形成することは一般に困難であるが本実施例の手法を用いれば高いアスペクト比の突起物集合体102を形成できる効果を得られる。これに対し、本実施例の手法では微小突起群110の形状は微小凹凸109と同一とできる。
なお、本実施例では、低蛍光ガラスを容器101に用いたが、容器101は低蛍光ガラスに限らず例えばポリカーボネートなどの有機物,石英などの無機物、あるいはこれらの積層構造体でもよい。観察を良好にするには容器101は透明であることが好ましい。また、本実施例では突起物集合体102の材料に容器101と異なるポリスチレンを用いているが、例えば容器101を突起物集合体102と同じ材質とし、容器101表面に直接、突起物集合体102を形成することで容器101から突起物集合体102を取れにくくする効果を与えると同時に、突起物集合体102と容器101界面での光の反射を防ぐことができ、観察時の像のコントラストを改善する効果がある。
また、本実施例では、金型106に結晶方位(100)、直径25mmのシリコンウエハを用いたが、特に結晶方位が(100)であったり、材質が単結晶シリコンである必要はなく、ニッケルなどの金属薄膜やPDMSなどの有機物でもよい。また、突起物集合体
102の形成後に金型106を離型する際の容器101や突起物集合体102,機能性表面構造103への損傷を防ぐため金型106にはフッ素系、若しくはシリコーン系などの離型剤によってコートされていることが望ましい。
また、金型106の凹凸108の相当直径や深さ、突起物原料107の材質を調整することで突起物集合体102の相当直径や高さを制御できる。さらに、金型106の凹凸
108の位置を制御することで突起物集合体102を形成する位置を制御できる。同様に微小突起群110の形状,位置も制御可能である。
また、突起物集合体102の材料を熱可塑性にすることで、突起物集合体102の形成時の温度を調整することで突起物集合体102の形状を容易に制御できる効果を得られることは明らかである。
また、突起物集合体102の材料を光硬化性にすることで、突起物集合体102の形成時に光を入射させることで突起物集合体102の形状を容易に制御できる効果を得られることは明らかである。
本実施例では機能性表面構造103として突起物原料107によって形成した微小突起群110を用いている。このときに付与する機能に応じて、微小突起群110の形状は適宜設計される。
反射防止構造として微小突起群110を用いる場合には、図9に示す微小突起群110の形状によって生じる見かけの屈折率分布を利用する。光の反射は屈折率の非連続点で起こるが、光の波長よりも短い周期で形成された微小突起群110によって屈折率は連続して変化すると見なすことができる。この見かけの屈折率分布によって界面での反射率を低減でき、観察時の像コントラストを改善することができる。この効果を微小突起群110に持たせるには、金型106上の微小凹凸109の相当直径が可視光の波長である400nm〜700nmよりも小さい必要がある。微小凹凸109の高さは微小凹凸109の相当直径より大きいことが好まれる。しかし、微小凹凸109の強度の保持、及び突起物集合体102の機能のため、微小凹凸109の高さは微小凹凸の直径の100倍以下、若しくは突起物集合体102の高さ以下であることが望ましい。また、微小凹凸109は容器101側から他端に向かって連続して断面積が減少する形状が好ましい。また、このような微小凹凸が反射防止特性を十分に機能するには微小凹凸が観察用容器及び培養用容器
100中の被観察領域の95%以上を占めていることが望ましい。細胞などの付着防止構造として微小突起群110を用いる場合は観察及び培養対象によって個々に設計されるが、一般には観察及び培養対象に対する接触部位の少ない形状が好まれる。このような形状の例としては突起物集合体102よりも突起物間の間隔が狭く、先端部の面積、若しくは曲率半径が小さい構造が挙げられる。
また、微小突起群110は必ずしも一様な構造である必要は無く、分布を持つ構造でも良い。また、微小突起群110は必ずしも観察及び培養対象を配する側に限定して形成されるものではなく、他の面にも形成することによって、例えば反射防止効果によって観察時の像のコントラストをさらに改善することもできる。また、金型106の形状を変えることによって、突起物集合体102表面にも微小突起群110を形成することができる。
以下、本発明の別の一実施例を説明する。本実施例では実施例1,2において形成した観察用容器及び培養用容器100について、突起物集合体の先端部105のみ機能性表面構造103を除去した例を示す。
図2は本実施例で作成した観察用容器及び培養用容器100である。容器101、及び突起物集合体102はポリスチレンから、機能性表面構造103は同じくポリスチレンからなる微小突起群110からなり、反射防止効果を有する。突起物集合体の先端部105のみ機能性表面構造103は除去されている。
図5は本実施例で用いた機能性表面構造103の除去法である。実施例1、若しくは実施例2に示す手法で形成した観察用容器及び培養用容器100表面を高精度なバフ111(ウレタン製,シリコンウエハ仕上げ研磨加工用)で1分間磨くことによって機能性表面構造103のうち、突起物集合体の先端部105のみ除去した。
本実施例ではバフ研磨によって機能性表面構造103を部分的に除去したが、この除去法は機能性表面構造103が機械的に強い場合や、突起物集合体102が機械的に弱い構造である時には適用できない。そのような場合は機能性表面構造103の種類に応じて、化学機械研磨(CMP),異方性ドライエッチング,光照射,電子線照射,弾性を有するシリコーンゴム,樹脂フィルム,金属薄膜などの弾性体を用いた突起物集合体の先端部
105のみへの処理液の塗付または加熱などの手法を用いることができる。ここで、表面処理の除去を観察用容器及び培養用容器100の一部に対してのみ行うことによって、機能性表面構造103が部分的に残存した構造を作ることもできる。
以下、本発明を細胞培養に適用した例を説明する。図10は本実施例で作製した観察用容器及び培養用容器100を示している。観察用容器及び培養用容器100は、厚さ2mmのポリスチレンを主成分とした直径35mmのシャーレ状の形状を有している。観察用容器及び培養用容器100の底面には、実施例2で示した手法を用いて、ポリスチレン製容器101の底面の直径30mmの領域に直接、底面の一辺が300nmで高さが3μmである突起物集合体102、及び正四角錐状であり、高さ200nm,一辺の長さ200nm,各角錐の頂点間の間隔200nmの微小突起群110からなる機能性表面構造103を形成している。突起物集合体102の先端部は実施例3に示した手法によって、機能性表面構造103が除去されている。
本実施例では、ポリスチレンを観察用容器及び培養用容器100の材質として用いたが、ポリスチレンに限らず、施される表面処理との親和性があれば例えばポリカーボネートなどの有機物、ガラスなどの無機物、あるいはこれらの積層構造体でもよい。また、観察用容器及び培養用容器100の大きさを直径35mm、突起物集合体102の形成領域を直径30mmとしたが、これは培養する細胞の大きさに応じて変えられる。また、突起物集合体102は隙間104を設けて配置することが好ましく、本実施例では図10に示したよう十字形状に隙間104を設けている。このように隙間104を形成することで培養液が流れやすくなり細胞に対して効率良く栄養素を供給することができる。また、細胞培養時の細胞の老廃物を効率良く排出することができる。
また、本実施例では突起物集合体102の形成後にコラーゲンによる修飾を行ったが、この手法に限られず、培養を行う細胞の種類、及び観察用容器及び培養用容器100,突起物集合体102,機能性表面構造103の材質,形状に応じて酸素プラズマ処理(例えば100W,30s)、紫外線照射,過酸化水素水,オゾン水への浸漬などによる親水化処理など、適宜異なる表面処理を施すこともできる。また、この表面処理を突起物集合体102の一部にのみ施すことによって培養する細胞の形状を制御することができる。
以下、本実施例の観察用容器及び培養用容器100を用いて細胞を培養した例を示す。観察用容器及び培養用容器100に培養液を浸した状態で入れ、観察用容器及び培養用容器100にて、常法によって正常ヒト表皮角化細胞を培養した(使用培地:HuMedia−KB2
(クラボウ(株)製),37℃,5%CO2下)。その結果、細胞培養シート上において表皮角化細胞は正常に付着し、シート形状に増殖した。増殖している様子の観察には共焦点レーザ顕微鏡を用いたが、その際に機能性表面構造103による反射防止効果のために像のコントラストを増すことができた。
培養開始の14日後、培養した細胞の上に直径20mmのポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜をかぶせて、培地を吸引することによって、ナノピラーシート上に成長したシート状の表皮角化細胞を、PVDF膜と共に細胞培養シートから剥離した。このシート状の表皮角化細胞はかぶせたPVDF膜から容易に剥がすことができた。細胞培養シートからの剥離によるこのシート状の表皮角化細胞への損傷は通常のガラスシャーレなどを使用した場合に比べて大幅に軽減することができた。
以下、本発明を細胞培養に適用した別の例を説明する。図11は本実施例で作製した観察用容器及び培養用容器100を示している。観察用容器及び培養用容器100は、厚さ2mmのポリスチレンを主成分とした直径35mmのシャーレ状の形状を有している。観察用容器及び培養用容器100の底面には、実施例1で示した手法を用いて直径30mmの領域からなる、容器101と同じポリスチレンからなる突起物集合体102、及び導電性プラスチック薄膜からなる機能性表面構造103を形成している。機能性表面構造103は電気的接続114によって電源115と接続され、同じく接続されている観察用容器及び培養用容器100の側面下部に対する電位を変えられるようになっている。このため、機能性表面構造103は、細胞培養時には観察用容器及び培養用容器100側面下部に接触する培地に対する電位を変化させることができる。細胞培養時と細胞剥離時に培地に対する機能性表面構造103の電位を調整することで、細胞剥離時には細胞を自発的に剥離させ、損傷が少ない培養細胞を得ることができる。
本実施例では、ポリスチレンを観察用容器及び培養用容器100に用いたが、ポリスチレンに限らず、施される表面処理との親和性があれば例えばポリカーボネートなどの有機物、ガラスなどの無機物、あるいはこれらの積層構造体でもよい。また、観察用容器及び培養用容器100の大きさを直径35mm、突起物集合体102の形成領域を直径30mmとしたが、これは培養する細胞の大きさに応じて変えられる。また、突起物集合体102は隙間104を設けて配置することが好ましく、本実施例では図11に示したよう十字形状に隙間104を設けている。このように隙間104を形成することで培養液が流れやすくなり細胞に対して効率良く栄養素を供給することができる。また、細胞培養時の細胞の老廃物を効率良く排出することができる。
また、本実施例では突起物集合体102の形成後にコラーゲンによる修飾を行ったが、この手法に限られず、培養を行う細胞の種類、及び観察用容器及び培養用容器100、及び突起物集合体102,機能性表面構造103の材質,形状に応じて酸素プラズマ処理
(例えば100W,30s)、紫外線照射,過酸化水素水,オゾン水への浸漬などによる親水化処理など、適宜異なる表面処理を施すこともできる。また、この表面処理を突起物集合体102の一部にのみ施すことによって培養する細胞の形状を制御することができる。
本実施例では細胞剥離性を改善する為に機能性表面構造103を導電性プラスチックとして電位を制御したが、電位の制御法は図11のように電源を接続すること以外に、送風や摩擦による帯電が適用できる。また、機能性表面構造103の材質によっては観察用容器及び培養用容器100に配する培養液の交換,光の照射,温度変化,圧力負荷による圧電効果による電位の変化も使用できる。また、本実施例においては機能性表面構造103と突起物集合体102は同一材料であっても良い。また、突起物集合体102の一部のみ異なる電位とすることで細胞を部分的に剥離することができる。
以下、本実施例の観察用容器及び培養用容器100を用いて細胞を培養した例を示す。観察用容器及び培養用容器100に培養液を浸した状態で入れ、観察用容器及び培養用容器100にて、常法によって正常ヒト表皮角化細胞を培養した(使用培地:HuMedia−KB2.37℃,5%CO2下) 。この時、電源115によって機能性表面構造103の培養液に対する電位を負とした。その結果、細胞培養シート上において表皮角化細胞は正常に付着し、シート形状に増殖した。
培養開始の13日後、電源115によって機能性表面構造103の電位を正に変えて1日後に、培養した細胞の上に直径20mmのPVDF膜をかぶせて、培養液を吸引することによって、ナノピラーシート上に成長したシート状の表皮角化細胞を、PVDF膜と共に細胞培養シートから剥離した。このシート状の表皮角化細胞はかぶせたPVDF膜から容易に剥がすことができた。細胞培養シートからの剥離によるこのシート状の表皮角化細胞への損傷は通常のガラスシャーレなどを使用した場合に比べて大幅に軽減することができた。
以下、本実施例は、本発明を抗体などの分子プローブを用いた特定分子,細胞の選択吸着及び観察に用いる例を示す。なお、本実施例に示す分子プローブは抗体以外の蛋白質,核酸,糖鎖などを使用することもできる。また、分子プローブを用いずに、突起物先端に吸着した蛋白質,核酸,糖鎖,細胞などを直接観察する用途に用いても良い。
図12は観察用容器及び培養用容器100上に固定した分子プローブ116を示している。観察用容器及び培養用容器100は実施例1、及び3に示した手法で形成され、突起物集合体の先端部105を除いて分子プローブ116の吸着し難いMPC(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)ポリマーからなる機能性表面構造103で覆われている。このような構造を用いれば分子プローブ116が突起物集合体の先端部105にのみ吸着した観察用容器及び培養用容器100を形成することができる。分子プローブ
116の種類に応じて、特定の生体分子や、特定の蛋白を有する細胞からなる捕捉対象
117を突起物集合体の先端部105に捕捉できる観察用容器及び培養用容器100を形成できる。
本実施例において、機能性表面構造103は分子プローブ116の吸着防止に用いる他に、形状,材質の変更によって、反射防止構造として用いることもできる。この時には前述の分子プローブ116に吸着した捕捉対象117を観察する時の像コントラストの改善を図ることができる。
本発明による観察用容器及び培養用容器の鳥瞰図、及び側面図の一例を示す模式図。 本発明による観察用容器及び培養用容器の別の一例を示す模式図。 本発明における観察用容器及び培養用容器を形成する手法の第一を示す模式図。 本発明における観察用容器及び培養用容器を形成する手法の第二を示す模式図。 本発明における突起物集合体の先端部のみ表面処理を除去する手法を示す模式図。 本発明における観察用容器及び培養用容器の使用法の一例を示す模式図。 第1の実施例において形成した突起物集合体を拡大した走査型電子顕微鏡写真の模式図。 第2の実施例において形成した突起物集合体を拡大した走査型電子顕微鏡写真の模式図。 第2の実施例において形成した微小突起物の屈折率分布を示す模式図。 第4の実施例において形成した観察用容器及び培養用容器の鳥瞰図を示す模式図。 第5の実施例において形成した観察用容器及び培養用容器の鳥瞰図を示す模式図。 第6の実施例において形成した観察用容器及び培養用容器の側面図を示す模式図。
符号の説明
100…観察用容器及び培養用容器、101…容器、102…突起物集合体、103…機能性表面構造、104…隙間、105…突起物集合体の先端部、106…金型、107…突起物原料、108…凹凸、109…微小凹凸、110…微小突起群、111…バフ、112…液体、113…観察及び培養対象、114…電気的接続、115…電源、116…分子プローブ、117…捕捉対象。

Claims (21)

  1. 観察用容器及び培養用容器において、該容器の底面に相当直径が10nm以上10μm以下であり、高さが10nm以上1mm以下である突起物集合体を有し、該突起物集合体を含む該容器表面の少なくとも一部に機能性表面構造を有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  2. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器において、液体を配する部位と該容器の底面に形成された突起物集合体とを有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  3. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器において、突起物集合体が該容器表面に液体を通すことの出来る列状に空いた領域を有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  4. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が反射防止構造であることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  5. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該突起物集合体の材質とは実質的に異なる屈折率を有する1層以上の反射防止膜であることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  6. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該突起物集合体の材質と同一であり、該突起物集合体よりも高さの低い、相当直径が1nm以上,400nm以下である微小突起群からなることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  7. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該突起物集合体の材質と同一であり、該突起物集合体よりも高さの低い、相当直径が1nm以上,400nm以下である微小突起群からなり、機能性表面構造を配する領域の表面積の95%以上を該微小突起群が占めることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  8. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が細胞接着を妨げる構造であることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  9. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該突起物集合体の材質よりも親水性の高い物質からなることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  10. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該容器に配する液体に対する電位を調整できる構造であることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  11. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が該突起物集合体の材質よりも強度の高い材質からなることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  12. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器において、機能性表面構造が部分的に配されていることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  13. 請求項1に記載の観察用容器及び培養用容器における機能性表面構造が、突起物集合体の先端部のみ除去されていることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  14. 観察用容器及び培養用容器において、該容器の底面に相当直径が10nm以上10μm以下であり、高さが10nm以上1mm以下である突起物集合体を有し、該容器に配する液体に対する該突起物集合体の電位を調整できることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  15. 請求項14に記載の観察用容器及び培養用容器において、液体を配する部位と該容器の底面に形成された突起物集合体とを有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  16. 請求項14に記載の観察用容器及び培養用容器において、突起物集合体が該容器表面に液体を通すことの出来る列状に空いた領域を有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  17. 請求項14に記載の観察用容器及び培養用容器において、該容器に配する液体に対する突起物集合体の電位を送風や摩擦による帯電,観察用容器及び培養用容器100に配する培養液の交換,光の照射,温度変化,圧力負荷による圧電効果などによって調整できることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  18. 請求項14に記載の観察用容器及び培養用容器において、該容器に配する液体に対する突起物集合体の電位を部分的に変化できる領域を有することを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  19. 請求項14に記載の観察用容器及び培養用容器において、突起物集合体が外部と電気的に接続されていることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  20. 請求項1から請求項19のいずれかに記載の観察用容器及び培養用容器において、突起物集合体の先端に選択的にタンパク質,核酸,糖鎖,細胞のいずれかが吸着していることを特徴とする観察用容器及び培養用容器。
  21. 請求項1から請求項20のいずれかに記載の観察用容器及び培養用容器によって培養されたことを特徴とする培養細胞。
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