JP2008135382A - 負極およびその製造方法、ならびに二次電池 - Google Patents

負極およびその製造方法、ならびに二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008135382A
JP2008135382A JP2007278728A JP2007278728A JP2008135382A JP 2008135382 A JP2008135382 A JP 2008135382A JP 2007278728 A JP2007278728 A JP 2007278728A JP 2007278728 A JP2007278728 A JP 2007278728A JP 2008135382 A JP2008135382 A JP 2008135382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
active material
secondary battery
electrode active
lithium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007278728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5370630B2 (ja
JP2008135382A5 (ja
Inventor
Hiroyuki Yamaguchi
裕之 山口
Hideki Nakai
秀樹 中井
Masayuki Ihara
将之 井原
Tadahiko Kubota
忠彦 窪田
Shigeru Fujita
茂 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007278728A priority Critical patent/JP5370630B2/ja
Publication of JP2008135382A publication Critical patent/JP2008135382A/ja
Priority to US12/255,279 priority patent/US10312518B2/en
Priority to KR1020080104623A priority patent/KR20090042735A/ko
Priority to CN2008101712296A priority patent/CN101420025B/zh
Publication of JP2008135382A5 publication Critical patent/JP2008135382A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5370630B2 publication Critical patent/JP5370630B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】充放電効率を向上させることができる負極および二次電池を提供すること。
【解決手段】負極集電体と、前記負極集電体に設けられた負極活物質層とを有し、前記負極活物質層は、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む複数の負極活物質粒子を有し、かつ前記負極活物質粒子の表面上の少なくとも一部にオキソ酸塩(ホウ酸リチウムまたはケイ酸リチウムなど)を含む被膜を有することを特徴とする負極、および該負極を備えた二次電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む負極活物質を含有する負極およびその製造方法、ならびに二次電池に関する。
近年、カメラ一体型VTR(Videotape Recorder;ビデオテープレコーダ)、デジタルスチルカメラ、携帯電話、携帯情報端末あるいはノート型パソコンなどのポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、これらの電子機器の電源として、軽量で高エネルギー密度を得ることができる二次電池の開発が進められている。中でも、負極に炭素材料を用い、正極にリチウム(Li)と遷移金属との複合材料を用い、電解液に炭酸エステルを用いたリチウムイオン二次電池は、従来の鉛電池およびニッケルカドミウム電池と比べて、大きなエネルギー密度を得ることができるので広く実用化されている。
また、最近では、携帯用電子機器の高性能化に伴い、更なる容量の向上が求められており、負極活物質として、炭素材料に代えてスズあるいはケイ素などを用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。スズの理論容量は994mAh/g、ケイ素の理論容量は4199mAh/gと、黒鉛の理論容量の372mAh/gに比べて格段に大きく、容量の向上を期待できるからである。
しかし、リチウムを吸蔵したスズ合金あるいはケイ素合金は活性が高いので、電解液が分解されやすく、しかもリチウムが不活性化されてしまうという問題があった。よって、充放電を繰り返すと充放電効率が低下してしまい、十分なサイクル特性を得ることができなかった。
一方、負極活物質の表面に不活性な層を形成することが検討されており、例えば、負極活物質の表面にリチウム塩の被膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献2〜7参照)。また、負極活物質の種類が検討されており、例えば、負極活物質中にリチウム含有酸化物を含有させたり、負極活物質としてケイ酸塩を用いることが提案されている(例えば、特許文献8,9参照)。また、正極活物質の表面にイオン伝導性および電子伝導性を有する層を形成することが検討されており、例えば、正極活物質の表面に無機酸化物の被膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献10参照)。また、電解液に添加剤を加えることが検討されており、例えば、電解液に二酸化炭素吸収剤としてオルトケイ酸リチウムを含有させたり、アルカリ性化合物としてケイ酸リチウムを含有させることが提案されている(例えば、特許文献11、12参照)。さらに、セパレータの表面に無機保護膜を形成することが検討されており、例えば、セパレータの表面にリチウム塩の被膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献13参照)。この他、電池内にガス吸収剤を導入することが検討されており、例えば、電池内にケイ酸リチウムを含有させることが提案されている(例えば、特許文献14参照)。
米国特許第4950566号明細書 特開2005−166469号公報 特開平10−255800号公報 特開2005−26230号公報 特開2005−142156号公報 特開2004−165097号公報 特開2004−171875号公報 特開2005−011801号公報 特開平06−325765号公報 特開2007−005267号公報 特開2006−260889号公報 特開2002−352860号公報 特開2004−158453号公報 特開2004−152619号公報
しかしながら、負極活物質としてケイ素やスズ系材料を用いた場合にはサイクルが進むにつれ活性の高い活物質面が現れ、電解液が分解されてしまう問題がなお残存しており、更なる改善が望まれていた。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、充放電効率を向上させるとともに、サイクル特性に優れた負極および二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の負極は、負極集電体と、その負極集電体に設けられた負極活物質層とを有し、負極活物質層は、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む複数の負極活物質粒子を有し、かつ負極活物質粒子の表面上の少なくとも一部にオキソ酸塩を含む被膜を有することを特徴とする。
本発明の負極によれば、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一方を含む負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を含む被膜を形成することで、電池の容量を向上しつつ、電解液の分解を抑制することができる。よって、この負極を用いた二次電池によれば、放電容量維持率を向上させ、優れたサイクル特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
≪第1の実施の形態−第1の二次電池≫
図1は本発明の第1の実施の形態に係る第1の二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池はいわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と帯状の負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケルのめっきがされた鉄により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、電解液が注入され、セパレータ23に含浸されている。また、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
(正極)
図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体21Aの両面あるいは片面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔あるいはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料を含んで構成されている。このような正極材料としては、リチウム含有化合物が、高電圧および高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特に遷移金属元素としてコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧を得ることができるからである。その化学式は、例えば、Lix M1O2 あるいはLiy M2PO4 で表される。式中、M1およびM2は1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含むリチウム複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni(1-z) Coz 2 (z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Lix Ni(1-v-w) Coy Mnw 2 (v+w<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。中でも、ニッケルを含む複合酸化物が好ましい。高い容量を得ることができると共に、優れたサイクル特性も得ることができるからである。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )やリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe(1-u) Mnu PO4 (u<1))が挙げられる。
また、リチウムを含有しない化合物の中にも正極材料として用いることができるものもある。例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物、二硫化鉄、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物、セレン化ニオブ等のカルコゲン化物、さらに、ポリアニリンまたはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
これらの正極材料は1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
また、正極活物質層21Bは、導電剤や、必要に応じて更に結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックあるいはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料あるいは導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。例えば、図1に示したように正極21および負極22が巻回されている場合には、結着剤として柔軟性に富むスチレンブタジエン系ゴムあるいはフッ素系ゴムなどを用いることが好ましい。
(負極)
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面あるいは片面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。負極集電体22Aは、例えば、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料からなる金属箔により構成されている。特に、銅箔は高い電気伝導性を有するので最も好ましい。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含んでいる。ケイ素およびスズはリチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
この負極活物質は、複数の粒子状をなしている。すなわち、負極活物質層22Bは、複数の負極活物質粒子を有している。
かかる負極活物質としては、例えば、ケイ素の単体、合金、もしくは化合物、または、スズの単体、合金、もしくは化合物、あるいはこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
ケイ素の合金としては、ケイ素と、第2の構成元素として、スズ、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、スズと、第2の構成元素として、ケイ素、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の化合物あるいはスズの化合物としては、例えば、酸素あるいは炭素を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
ケイ素を含む合金または化合物について具体的に例を挙げれば、SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 、TaSi2 、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 4 、Si2 2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<w≦2)、LiSiOなどが挙げられる。
また負極活物質としては、ケイ素単体のみを用いてもよく、ケイ素単体を主体とした材料を用いてもよい。ケイ素単体を主体とした材料は、ケイ素および酸素を50質量%以上、好ましくはケイ素単体を50質量%以上含み、それ以外の他の1種以上の構成元素を50質量%未満含んでいる材料が挙げられる。他の構成元素としては、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、あるいはアンチモン(Sb)が挙げられる。このような材料は、例えばケイ素単体層の間に上記他の構成元素を存在させたり、ケイ素と他の構成元素を共蒸着することにより得ることができる。
スズを含む合金または化合物について具体例を挙げれば、SnSiO3 、LiSnO、Mg2 Sn、スズとコバルトとを含む合金などがある。中でも、スズ、コバルト、および炭素を構成元素として含み、炭素の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下であり、かつスズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合Co/(Sn+Co)が30質量%以上70質量%以下であるSnCoC含有材料を含むことが好ましい。このような組成範囲において高いエネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるからである。
このSnCoC含有材料は、必要に応じて更に他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素、鉄、ニッケル、クロム、インジウム、ニオブ、ゲルマニウム、チタン、モリブデン、アルミニウム、リン、ガリウムまたはビスマスが好ましく、2種以上を含んでいてもよい。容量またはサイクル特性を更に向上させることができるからである。
なお、このSnCoC含有材料は、スズと、コバルトと、炭素とを含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、このSnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下はスズなどが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集あるいは結晶化を抑制することができるからである。
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。XPSでは、炭素の1s軌道(C1s)のピークは、グラファイトであれば、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは、284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
なお、XPS測定では、スペクトルのエネルギー軸の補正に、例えばC1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPS測定では、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
このような負極活物質は、例えば各構成元素の原料を混合して電気炉、高周波誘導炉あるいはアーク溶解炉などにより溶解しその後凝固することにより、また、ガスアトマイズあるいは水アトマイズなどの各種アトマイズ法、各種ロール法、またはメカニカルアロイング法あるいはメカニカルミリング法などのメカノケミカル反応を利用した方法等により製造することができる。中でも、メカノケミカル反応を利用した方法により製造することが好ましい。負極活物質を低結晶化あるいは非晶質な構造とすることができるからである。この方法には、例えば、遊星ボールミル装置やアトライター等の製造装置を用いることができる。
負極集電体22A上に負極活物質層22Bを形成する方法としては、例えば、気相法,液相法,あるいは焼成法、またはそれらの2以上の方法を用いることが可能であり、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに、または負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張・収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法,スパッタ法,イオンプレーティング法,レーザーアブレーション法,熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法,プラズマ化学気相成長法あるいは溶射法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法というのは、例えば、粒子状の負極活物質を結着材などと混合して溶剤に分散させ、塗布したのち、結着材などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法,反応焼成法あるいはホットプレス焼成法などが挙げられる。
負極活物質層22Bは、また、上述した負極活物質に加えて他の負極活物質、または導電材などの他の材料を含んでいてもよい。他の負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な炭素質材料が挙げられる。この炭素質材料は、充放電サイクル特性を向上させることができると共に、導電材としても機能するので好ましい。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、グラファイト、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、活性炭およびカーボンブラックなどのいずれか1種または2種以上を用いることができる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子化合物を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。これらの炭素質材料の形状は、繊維状、球状、粒状あるいは鱗片状のいずれでもよい。
負極活物質層22Bが気相法などの堆積法によって形成される場合には、その負極活物質層22Bが1回の堆積工程によって形成されてもよいし、複数回の堆積工程によって形成されてもよい。より具体的には、負極活物質層22Bが複数の負極活物質粒子を含む場合には、その負極活物質粒子が単層構造を有していてもよいし、その粒子内に多層構造を有していてもよい。気相法を代表して蒸着法を例に挙げると、負極活物質粒子を多層構造となるように形成する場合には、蒸着源に対して負極集電体22Aを相対的に往復移動させながら複数回に渡って負極活物質を堆積させるようにしてもよいし、蒸着源に対して負極集電体22Aを固定させたままでシャッターの開閉を繰り返しながら複数回に渡って負極活物質を堆積させるようにしてもよい。ただし、堆積時に高熱を伴う蒸着法などによって負極活物質層22Bを形成する場合には、負極集電体22Aが熱的ダメージを受けることを抑制するために多層構造を有しているのが好ましい。堆積工程を複数回に分割して行うことにより、その堆積工程を1回で行う場合と比較して、負極集電体22Aが高熱に晒される時間が短くなるからである。
本発明の負極および二次電池は、上述した負極活物質粒子の表面上の少なくとも一部に、オキソ酸塩を含む被膜を有する。より具体的には、負極活物質粒子は、少なくとも電解液と接する領域に、オキソ酸塩を含む被膜を有する。これにより、電解液の分解を抑制することができる。これは、負極活物質粒子の表面のオキソ酸塩と、電解液中の電解質塩とが、初充電時に電気化学的反応を起こすことにより、保護膜が形成されるためと考えられる。この保護膜は、リチウムイオンを効率よく透過でき、かつ電解液の分解を抑制することができる安定な膜であり、電極を保護するものと考えられる。その結果、電池のサイクル特性を向上させることができる。
なお、オキソ酸塩を含む被膜は負極活物質粒子の表面全体に形成されていてもよい。
オキソ酸塩としては、縮合酸塩などが挙げられる。より具体的には、オキソ酸塩としては、例えば、ホウ酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩などが挙げられる。
たとえばホウ酸塩の例としては、ホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好ましくは四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウムが挙げられる。
リン酸塩としては、例えば、ピロリン酸リチウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸リチウム、トリポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸リチウム、ポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸リチウム(オルトケイ酸リチウム、メタケイ酸リチウム、メタ二ケイ酸リチウム、三ケイ酸リチウム等)、ケイ酸ナトリウム(オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等)、ケイ酸カリウム(オルトケイ酸カリウム、メタケイ酸カリウム等)、ケイ酸カルシウム(メタケイ酸カルシウム等)、ケイ酸マグネシウム(三ケイ酸マグネシウム等)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸ジルコニウム等が挙げられる。
アルミン酸塩として、例えば、アルミン酸リチウム、アルミン酸ナトリウムが挙げられる。
負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を含む被膜を形成する手法としては、上記のオキソ酸塩の水溶液や極性溶媒溶液を用い、上述の負極集電体22Aに負極活物質層22Bを設けた後に、これを塗布法、浸漬法、ディップコーティング法などの液相法、または蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition )法などの気相法によって処理する方法が挙げられる。また、後述する電解液中にホウ酸塩を添加しても被膜を形成することが可能である。中でも、オキソ酸塩を含む被膜を形成する手法としては、液相法が好ましい。オキソ酸塩を含む被膜が負極活物質粒子の表面を広い範囲に渡って被覆しやすいからである。
浸漬によって処理する場合、例えばホウ酸リチウムの1質量%〜5質量%水溶液に負極活物質層22Bを形成した負極集電体22Aを数秒間浸漬し、引き上げてから室温にて乾燥させることにより、負極活物質粒子の表面にホウ酸リチウムの被膜を形成することができる。
また、オキソ酸塩を含む被膜には、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含有させると好ましい。被膜抵抗を低下させることができるからである。具体的にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩(炭酸リチウム)、ハロゲン化物塩(フッ化リチウム)、ホウ酸塩(四ホウ酸リチウム、メタホウ酸リチウム)、リン酸塩(ピロリン酸リチウム、トリポリリン酸リチウム)などが挙げられる。これらはオキソ酸塩を含む被膜を形成する際のオキソ酸塩溶液中に同時に添加して用いることができる。
また、前記負極活物質粒子とオキソ酸塩を含む被膜との間に、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズからなる群のうち少なくとも1種の酸化物を含む被膜をさらに有することが好ましい。電解液の分解を抑制できるからである。この酸化物含有被膜は、例えば、液相析出法、ゾルゲル法、ポリシラザン法、電析法、ディップコーティング法などの液相法または蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法などの気相法により形成することができる。
ここで、図3〜図6を参照して、負極22の詳細な構成について説明する。
図3は負極22の断面構造を模式的に表しており、図4は負極22に対する参考例としての負極の断面構造を模式的に表している。本発明の負極22では、図3に示したように、例えば、蒸着法などの気相法によって負極集電体22A上に負極活物質が堆積されると、その負極集電体22A上に複数の負極活物質粒子221が形成されることにより、負極活物質層22Bが形成される。この場合には、負極集電体22Aの表面が粗面化され、その表面に複数の突起部(例えば、電解処理により形成された微粒子)が存在すると、負極活物質粒子221が上記した突起部ごとに厚さ方向に成長するため、複数の負極活物質粒子221が負極集電体22A上において配列されると共に根本において負極集電体22Aに連結される。こののち、例えば、浸漬法などの液相法によって負極活物質粒子221の表面にオキソ酸塩を含む被膜222が形成されると、その被膜222は負極活物質粒子221の表面をほぼ全体に渡って被覆し、特に、負極活物質粒子221の頭頂部から根本に至る広い範囲を被覆する。この被膜222による広範囲な被覆状態は、その被膜222が液相法によって形成された際に得られる特徴である。すなわち、液相法によって被膜222を形成すると、その形成作用が負極活物質粒子221の頭頂部だけでなく根本まで広く及ぶため、その根本まで被膜222によって被覆される。
これに対して、参考例の負極では、図4に示したように、例えば、気相法によって複数の負極活物質粒子221が形成されたのち、同様に気相法によってオキソ酸塩を含む被膜223が形成されると、その被膜223は負極活物質粒子221の頭頂部だけを被覆する。この被膜223による狭範囲な被覆状態は、その被膜223が気相法によって形成された際に得られる特徴である。すなわち、気相法によって被膜223を形成すると、その形成作用が負極活物質粒子221の頭頂部に及ぶものの根本まで及ばないため、その根本までは被膜223によって被覆されない。
なお、図3では、気相法によって負極活物質層22Bが形成される場合について説明したが、焼結法などによって負極活物質層22Bが形成される場合においても同様に、複数の負極活物質粒子の表面をほぼ全体に渡って被覆するようにオキソ酸塩を含む被膜が形成される。
図5は負極22の断面構造を拡大して表しており、(A)は走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)写真(二次電子像)、(B)は(A)に示したSEM像の模式絵である。図5では、気相法によって形成された複数の負極活物質粒子221が多層構造を有していると共に、その負極活物質粒子221の表面に未だオキソ酸塩を含む被膜が形成されていない状態を示している。
負極活物質粒子221が粒子内に多層構造を有する場合には、その複数の負極活物質粒子221の密集構造および多層構造に起因して、負極活物質層22B中に複数の隙間224が生じている。
この隙間224は、主に、発生原因に応じて分類された2種類の隙間224A,224Bを含んでいる。隙間224Aは、負極活物質粒子221間に生じた隙間であり、一方、隙間224Bは、負極活物質粒子221内の各階層間に生じた隙間である。
なお、負極活物質粒子221の露出面(最表面)には、空隙225が生じる場合がある。この空隙225は、負極活物質粒子221の表面にひげ状の微細な突起部(図示せず)が生じることに伴い、その突起部間に生じた空隙である。この空隙225は、負極活物質粒子221の露出面において、全体に渡って生じる場合もあれば、一部だけに生じる場合もある。ただし、上記したひげ状の突起部は、負極活物質粒子221の形成時ごとにその表面に生じるため、空隙225は、負極活物質粒子221の露出面だけでなく、各階層間にも生じる場合がある。
図6は負極22の他の断面構造を表しており、図5に対応している。負極活物質層22Bは、隙間224A,224Bに、電極反応物質と合金化しない金属材料226を有しているのが好ましい。この金属材料226によって複数の負極活物質粒子221が結着され、負極活物質層22Bの膨張および収縮が抑制されるため、サイクル特性が向上するからである。この場合には、隙間224A,224Bのうちのいずれか一方だけに金属材料226を有していてもよいが、双方に金属材料226を有しているのが好ましい。より高い効果が得られるからである。この金属材料226は、電極反応物質と合金化しない金属元素を含んでおり、その金属元素としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛および銅からなる群のうちの少なくとも1種が挙げられる。もちろん、上記以外の他の金属元素を含んでいてもよい。ただし、ここで言う「金属材料」とは、広義の意味であり、電極反応物質と合金化しない金属元素を含んでいれば、単体、合金あるいは化合物のいずれであってもよい。
この金属材料226は、隣接する負極活物質粒子221間の隙間224Aに入り込んでいる。詳細には、気相法などによって負極活物質粒子221が形成される場合には、上記したように、負極集電体22Aの表面に存在する突起部ごとに負極活物質粒子221が成長するため、負極活物質粒子221間に隙間224Aが生じる。この隙間224Aは、負極活物質層22Bの結着性を低下させる原因となるため、その結着性を高めるために、上記した隙間224Aに金属材料226が充填されている。この場合には、隙間224Aの一部でも充填されていればよいが、その充填量が多いほど好ましい。負極活物質層22Bの結着性がより向上するからである。金属材料226の充填量は、20%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。
また、金属材料226は、負極活物質粒子221内の隙間224Bに入り込んでいる。詳細には、負極活物質粒子221が多層構造を有する場合には、各階層間に隙間224Bが生じる。この隙間224Bは、上記した隙間224Aと同様に、負極活物質層22Bの結着性を低下させる原因となるため、その結着性を高めるために、上記した隙間224Bに金属材料226が充填されている。この場合には、隙間224Bの一部でも充填されていればよいが、その充填量が多いほど好ましい。負極活物質層22Bの結着性がより向上するからである。
なお、負極活物質層22Bは、最上層の負極活物質粒子221の露出面に生じるひげ状の微細な突起部(図示せず)が二次電池の性能に悪影響を及ぼすことを抑えるために、空隙225に金属材料226を有していてもよい。詳細には、気相法などによって負極活物質粒子221が形成される場合には、その表面にひげ状の微細な突起部が生じるため、その突起部間に空隙225が生じる。この空隙225は、負極活物質粒子221の表面積の増加を招き、その表面に形成される不可逆性の被膜も増加させるため、電極反応の進行度を低下させる原因となる可能性がある。したがって、電極反応の進行度の低下を抑えるために、上記した空隙225に金属材料226が埋め込まれている。この場合には、空隙225の一部でも埋め込まれていればよいが、その埋め込む量が多いほど好ましい。電極反応の進行度の低下がより抑えられるからである。図6において、最上層の負極活物質粒子221の表面に金属材料226が点在していることは、その点在箇所に上記した微細な突起部が存在していること表している。もちろん、金属材料226は、必ずしも負極活物質粒子221の表面に点在していなければならないわけではなく、その表面全体を被覆していてもよい。
特に、隙間224Bに入り込んだ金属材料226は、各階層における空隙225を埋め込む機能も果たしている。詳細には、負極活物質粒子221が複数回に渡って堆積される場合には、その堆積時ごとに負極活物質粒子221の表面に上記した微細な突起部が生じる。このことから、金属材料226は、各階層における隙間224Bに充填されているだけでなく、各階層における空隙225も埋め込んでいる。
この金属材料226は、例えば、気相法および液相法のうちの少なくとも1種の方法によって形成されている。中でも、液相法が好ましい。隙間224A,224Bや空隙225に金属材料226が入り込みやすいからである。上記した気相法としては、例えば、負極活物質層22Bの形成方法と同様の方法が挙げられる。また、液相法としては、例えば、電解鍍金法あるいは無電解鍍金法などの鍍金法が挙げられる。中でも、液相法としては、無電解鍍金法よりも電解鍍金法が好ましい。隙間224A,224Bや空隙225に金属材料226がより入り込みやすいからである。
なお、図5および図6では、負極活物質粒子が多層構造を有しており、負極活物質層22B中に隙間224A,224Bの双方が存在している場合について説明したため、負極活物質層22Bが隙間224A,224Bに金属材料226を有している。これに対して、負極活物質粒子が単層構造を有しており、負極活物質層22B中に隙間224Aだけが存在する場合には、負極活物質層22Bが隙間224Aだけに金属材料226を有することとなる。
(セパレータ)
セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン,ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜はショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化することで用いることができる。
(電解質)
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、液状の溶媒、例えば有機溶剤などの非水溶媒と、この非水溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。本発明の二次電池においては、さらに、ホウ酸塩を含有することを特徴とする。これによっても、上述と同様に負極活物質粒子の表面上にホウ酸塩を含む被膜が形成され、電池のサイクル特性を向上させることができる。なお、ホウ酸塩を含んだ電解液は、上述のように負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を含む被膜を形成した負極を備えた電池においても、適用することができる。
ホウ酸塩としては、例えば、四ホウ酸リチウム(Li2 4 7 )、メタホウ酸リチウム(LiBO2 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、四ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、四ホウ酸テトラエチルアンモニウム、メタホウ酸テトラエチルアンモニウム等が挙げられ、特に四ホウ酸リチウム、メタホウ酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウムが好ましい。これらのホウ酸塩は1種以上を混合して用いてもよい。また、ホウ酸塩の電解液中の含有量は0.01質量%〜5質量%の範囲内が好ましく、0.1質量%〜3質量%の範囲内がより好ましい。かかる範囲内であれば、より特性を向上することができる。
電解液における非水溶媒は、非水化合物よりなり、25℃における固有粘度が10.0mPa・s以下のものを言う。なお、電解質塩を溶解した状態での固有粘度が10.0mPa・s以下のものでもよく、複数種の非水化合物を混合して溶媒を構成する場合には、混合した状態での固有粘度が10.0mPa・s以下であればよい。溶媒には、比誘電率が30以上の高誘電率溶媒と、粘度が1mPa・s以下の低粘度溶媒とを混合して用いることが好ましい。これにより高いイオン伝導性を得ることができるからである。
具体的には、非水溶媒は下記式(1)に示したハロゲンを構成元素として有する鎖状炭酸エステルおよび下記式(2)に示したハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルからなる群のうちの少なくとも1種を含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。
Figure 2008135382
上記式(1)中、R1〜R6は水素基、ハロゲン基、アルキル基あるいはハロゲン化アルキル基を表し、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはハロゲンを構成元素として有する。
Figure 2008135382
上記式(2)中、R1〜R4は水素基、ハロゲン基、アルキル基あるいはハロゲン化アルキル基を表し、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。但し、R1〜R4のうちの少なくとも1つはハロゲンを構成元素として有する。
式(1)に示したハロゲンを構成元素として有する鎖状炭酸エステルは、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)あるいは炭酸ジフルオロメチルメチルなどである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
式(2)に示したハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルとしては、R1〜R4がアルキル基あるいはハロゲン化アルキル基である場合、それらの炭素数が1あるいは2程度であるものが好ましい。具体的には、下式(2−1)〜(2−12)および下式(2−13)〜(2−21)に示した一連の化合物が挙げられる。
すなわち、下記式(2−1)に示した4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−2)の4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−3)の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−4)のテトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−5)の4−フルオロ−5−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−6)の4,5−ジクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−7)のテトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−8)の4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−9)の4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−10)の4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−11)の4−メチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−12)の4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。
また、下記式(2−13)の4−トリフルオロメチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−14)の4−トリフルオロメチル−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−15)の4−フルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−16)の4,4−ジフルオロ−5−(1,1−ジフルオロエチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−17)の4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−18)の4−エチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−19)の4−エチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−20)の4−エチル−4,5,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、(2−21)の4−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどである。
Figure 2008135382
Figure 2008135382
これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、ハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルは、式(2−1)の4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンが好ましく、式(2−3)の4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンがより好ましい。容易に入手可能であると共に、より高い効果が得られるからである。特に、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンとしては、より高い効果を得るために、シス異性体よりもトランス異性体が好ましい。
また、溶媒は、不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。この不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、炭酸ビニレンあるいは炭酸ビニルエチレンなどである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、不飽和結合を有する環状炭酸エステルは、炭酸ビニレンを含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。特に、溶媒が上記したハロゲンを構成元素として有する鎖状炭酸エステルやハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルを含む場合に、更に不飽和結合を有する環状炭酸エステルを含んでいれば、高い効果が得られる。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいるのが好ましい。サイクル特性が向上すると共に、二次電池の膨れが抑制されるからである。このスルトンとしては、例えば、プロパンスルトンあるいはプロペンスルトンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
また、溶媒は、酸無水物を含んでいるのが好ましい。サイクル特性が向上するからである。この酸無水物としては、例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸無水物、スルホ安息香酸無水物、スルホプロピオン酸無水物、スルホ酪酸無水物、エタンジスルホン酸無水物、プロパンジスルホン酸無水物あるいはベンゼンジスルホン酸無水物などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、コハク酸無水物、スルホ安息香酸無水物あるいはスルホプロピオン酸無水物が好ましい。高い効果が得られるからである。溶媒中における酸無水物の含有量は、例えば、0.5重量%以上3重量%以下である。
なお、電解液は、上記以外の他の非水溶媒を含んでいてもよい。この非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの炭酸エステル系溶媒が挙げられる。優れた容量特性、サイクル特性および保存特性が得られるからである。中でも、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒とを混合したものが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
電解液における電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩を含んでいる。このリチウム塩は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )、六フッ化ケイ酸リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、電解質塩は、六フッ化リン酸リチウムを含んでいるのが好ましい。内部抵抗が低下するため、優れた容量特性、サイクル特性が得られるからである。
電解液はさらに、下式(3)に示した軽金属塩の少なくとも1種を含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。この式(3)に示した化合物は、下式(31)に示した化合物であることが好ましい。電解質塩が上記した六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )などを含む場合に、更に式(3)あるいは式(31)に示した化合物を含んでいれば、著しく高い効果が得られる。
Figure 2008135382
式(3)中、
R11は−C(=O)−R21−C(=O)−基(R21はアルキレン基,ハロゲン化アルキレン基,アリーレン基もしくはハロゲン化アリーレン基を表す。)、または−C(=O)−C(R23)(R24)−基(R23,R24は、水素、ハロゲン、アルキル基, ハロゲン化アルキル基,アリール基もしくはハロゲン化アリール基を表す。)、または−C(=O)−C(=O)−基を表し、
R12はハロゲン基,アルキル基,ハロゲン化アルキル基,アリール基またはハロゲン化アリール基を表し、
X11およびX12は酸素(O)または硫黄(S)をそれぞれ表し、
M11は遷移金属元素または短周期型周期表における3B族元素,4B族元素もしくは5B族元素を表し、
M21は短周期型周期表における1A族元素または2A族元素を表し、
aは1〜4の整数であり、
bは0〜8の整数であり、
c,d,eおよびfはそれぞれ1〜3の整数である。
Figure 2008135382
式(31)中、
R11は−C(=O)−R21−C(=O)−基(R21はアルキレン基,ハロゲン化アルキレン基,アリーレン基もしくはハロゲン化アリーレン基を表す。)、−C(=O)−C(=O)−基、または−C(=O)−C−(R22)2 (R22は水素、ハロゲン、アルキル基,ハロゲン化アルキル基,アリール基もしくはハロゲン化アリール基を表す。)−基を表し、
R13はハロゲンを表し、
M12はリン(P)またはホウ素(B)を表し、
M21は短周期型周期表における1A族元素もしくは2A族元素またはアルミニウムを表し、
a1は1〜4の整数であり、
b1は0,2または4であり、
c,d,eおよびfはそれぞれ1〜3の整数である。
式(3)または(31)に示した化合物としては、下式(3−1)〜(3−6)に示した一連の化合物が挙げられる。すなわち、(3−1)のジフルオロ[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウム、(3−2)のジフルオロビス[オキソラト−O,O’]リン酸リチウム、(3−3)のジフルオロ[3,3,3−トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロメチルプロピオナト(2−)−O,O’]ホウ酸リチウム、(3−4)のビス[3,3,3−トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロメチルプロピオナト(2−)−O,O’]ホウ酸リチウム、(3−5)のテトラフルオロ[オキソラト−O,O’]リン酸リチウムあるいは(3−6)のビス[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウムなどである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、電解質塩は、(3−1)のジフルオロ[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウムあるいは(3−6)のビス[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウムを含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。
Figure 2008135382
また、電解質塩は、下式(4)〜(6)に示した化合物を含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。電解質塩が上記した六フッ化リン酸リチウムなどを含む場合に、更に下式(4)〜(6)に示した化合物を含んでいれば、著しく高い効果が得られる。
LiN(Cm 2m+1SO2 )(Cn 2n+1SO2 ) (4)
式(4)中、mおよびnは1以上の整数であり、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。
式(4)に示した鎖状の化合物の具体例としては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 2 )、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(C2 5 SO2 2 )、(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C2 5 SO2 ))、(トリフルオロメタンスルホニル)(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C3 7 SO2 ))あるいは(トリフルオロメタンスルホニル)(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(CF3 SO2 )(C4 9 SO2 ))などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
Figure 2008135382
上記式(5)中、Rは炭素数2〜4の直鎖状あるいは分岐状のパーフルオロアルキレン基を表す。
式(5)に示した環状の化合物の具体例としては、下式(5−1)〜(5−4)に示した一連の化合物が挙げられる。すなわち、下式(5−1)の1,2−パーフルオロエタンジスルホニルイミドリチウム、(5−2)の1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミドリチウム、(5−3)の1,3−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウムあるいは(5−4)の1,4−パーフルオロブタンジスルホニルイミドリチウムなどである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。中でも、電解質塩は、式(5−2)の1,3−パーフルオロプロパンジスルホニルイミドリチウムを含んでいるのが好ましい。より高い効果が得られるからである。
Figure 2008135382
LiC(Cp 2p+1SO2 )(Cq 2q+1SO2 )(Cr 2r+1SO2 ) (6)
(p、qおよびrは1以上の整数であり、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。)
式(6)に示した鎖状の化合物の具体例としては、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド(LiC(CF3 SO2 3 )などが挙げられる。
これらの電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下の範囲内であるのが好ましい。この範囲外ではイオン伝導性が極端に低下するため、容量特性などが十分に得られないおそれがあるからである。
上述のように、溶媒および電解質塩と共にホウ酸塩を含んだ電解液によれば、ホウ酸塩を含んでいない場合と比較して、ホウ酸塩を含む被膜が電極に形成されやすくなる。これにより、電解液溶媒の分解反応が抑制されるため、電池などの電気化学デバイスにおいてサイクル特性を向上させることができる。また、電解液中におけるホウ酸塩の含有量が0.01質量%以上5質量%以下であれば、より特性向上を図ることができる。
特に、溶媒が上記式(1)に示したハロゲンを構成元素として有する鎖状炭酸エステルや上記式(2)に示したハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルを含み、更に炭酸ビニレンなどの不飽和結合を有する炭酸エステルを含んでいれば、より特性向上を図ることができる。また、電解質塩が六フッ化リン酸リチウムなどを含み、更に上記式(3)〜(6)に示した化合物を含んでいれば、より特性向上を図ることができる。
(飛行時間型2次イオン質量分析法:TOF−SIMS)
本発明の負極および二次電池は、負極の飛行時間型2次イオン質量分析法(Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry;TOF−SIMS)による表面分析において、Li2 PO2 2 +、Li3 PO3 + 、Li2 BO2 +の正二次イオン、PO2 2 -、PO3 - 、LiPO3 - 、BO- 、BO2 -、LiB2 4 -の負二次イオンの中から選ばれる少なくとも一つ以上の二次イオンのピークを有する。
本発明の負極および二次電池では、負極活物質粒子の表面のオキソ酸塩やホウ酸塩と、電解液中の電解質塩とが、初充電時に電気化学的反応を起こし、電極を保護する安定な保護膜が形成されると考えられる。上記の二次イオンのピークは、負極上にこの保護膜が形成されたことを意味する。また、あらかじめフルオロリン酸リチウム、ホウ酸リチウムを含む被膜を負極活物質粒子の表面に形成させても同様の効果が得られる。被膜は塗布法、ディップコーティング法などの液相法により形成することができる。
また、Li2 PO2 2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 PO2 2 +/Si+ )が0.4以上となることが好ましく、1.0以上となることがより好ましい。ピーク比が0.4以上となることでさらにサイクル性が向上する。
Li3 PO3 + の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li3 PO3 + /Si+ )が0.5以上となることが好ましく、1.2以上となることがより好ましい。ピーク比が0.5以上となることでさらにサイクル性が向上する。
Li2 BO2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 BO2 +/Si+ )が0.5以上となることが好ましく、1.2以上となることがより好ましい。ピーク比が0.5以上となることでさらにサイクル性が向上する。
(製造方法)
この第1の二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
正極は、例えば次の方法で作製できる。まず、正極活物質と、導電材と、結着材とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
また、負極は、例えば次の方法で作製できる。まず、構成元素としてケイ素およびスズのうちの少なくとも一方を含む負極活物質と、導電材と、結着材とを混合して負極合剤を調製したのち、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより、上述した負極活物質よりなる負極活物質粒子を含有する負極活物質層22Bを形成する。
続いて、負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を析出させて被膜を形成する場合は、オキソ酸塩の溶液を調製し、例えばディップコーティング法により処理をして負極22を得る。このように、オキソ酸塩により良好な保護膜が形成され、電解液の分解を抑制することができる。
そののち、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。続いて、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、ホウ酸塩を含有した電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。なお、負極活物質粒子の表面にホウ酸塩を含む被膜を形成するには、負極作製段階で処理してもよく、電解液中にホウ酸塩を含有させてもよい。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。負極活物質粒子の表面はオキソ酸塩やホウ酸塩を有しているので、良好な保護膜が形成され化学的安定性が高くなっている。よって、電解液の分解反応が抑制され、放電容量維持率が向上する。
上述した実施の形態においては、円筒形の電池を例に挙げて説明しているが、このことに限定されることはなく、例えばコイン型、角型、ボタン型等、外装材に金属製容器等を用いた電池、薄型等、外装材にラミネートフィルム等を用いた電池等、種々の形状や大きさとした二次電池にも適用可能である。以下、他の実施の形態について説明する。
≪第1の実施の形態−第2の電池≫
図7は、本実施の第1の実施形態に係る第2の二次電池の構成を表すものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものである。
正極リード31および負極リード32は、それぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。 なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図8は、図7に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。正極集電体33Aおよび正極活物質層33Bの構成は、第1の電池における正極集電体21Aおよび正極活物質層21Bと同様である。
負極34は、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有している。負極集電体34Aは、第1の電池における負極集電体22Aと同様に構成されている。負極活物質層34Bは、第1の電池における負極活物質層22Bと同様に、上述した負極活物質よりなる負極活物質粒子(図示せず)を含有しており、この負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を有している。これにより、この二次電池は、第1の電池と同様に、負極34の化学的安定性を高めて放電容量維持率を向上させることができるようになっている。正極33と負極34とは、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。
セパレータ35は、第1の電池におけるセパレータ23と同様に構成されている。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。電解液の構成は、第1の実施の形態と同様である。ただし、この場合における電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有するものまで含む広い概念である。したがって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。電解液を保持する高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物あるいはアクリレート系高分子化合物、またはポリフッ化ビニリデンあるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体などのフッ化ビニリデンの重合体が挙げられ、これらのうちのいずれか1種または2種以上が混合して用いられる。特に、酸化還元安定性の観点からは、フッ化ビニリデンの重合体などのフッ素系高分子化合物を用いることが望ましい。
(製造方法)
この第2の二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、上述した第1の二次電池の製造方法と同様にして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層36を形成する。次いで、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。続いて、電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。そののち、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図7および図8に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述した第1の電池の製造方法と同様にして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、必要に応じて重合開始剤あるいは重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入したのち、外装部材40の開口部を熱融着して密封する。そののち、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成し、図7および図8に示した二次電池を組み立てる。
この第2の二次電池は、第1の電池と同様に作用し、同様の効果を得ることができる。
≪第2の実施の形態≫
以下、本発明の第2の実施の形態に係る二次電池について説明する。第2の実施の形態に係る二次電池は、負極22、34の構成が異なることを除き、他は第1の実施の形態と同様の構成・作用および効果を有しており、同様にして製造することができる。よって、図1、図2、図7および図8を参照し、対応する構成要素には同一の符号を付して同一の部分の説明は省略する。
負極22、34は、第1の実施の形態と同様に、負極集電体22A、34Aの両面に負極活物質層22B、34Bが設けられた構造を有している。負極活物質層22B、34Bは、第1の実施の形態と同様に、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む負極活物質を含有している。負極活物質層22B、34Bは、第1の実施の形態と同様に、上述した負極活物質よりなる負極活物質粒子を含有しており、表面に、オキソ酸塩を有している。これにより、この二次電池でも、第1の実施の形態と同様に、負極22、34の化学的安定性を高めて放電容量維持率を向上させることができるようになっている。
また、負極活物質層22B、34Bは、例えば、気相法、液相法、あるいは焼成法、またはそれらの2以上の方法を用いて形成されたものであり、負極活物質層22B、34Bと負極集電体22A、34Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22A、34Aの構成元素が負極活物質層22B、34Bに、または負極活物質層22B、34Bの構成元素が負極集電体22A、34Aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22B、34Bの膨張・収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22B、34Bと負極集電体22A、34Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法を用いることができ、具体的には、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法、プラズマ化学気相成長法あるいは溶射法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法というのは、例えば、粒子状の負極活物質を結着材などと混合して溶剤に分散させ、塗布したのち、結着材などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法が挙げられる。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
<浸漬処理による縮合酸塩被膜形成>
(実施例1−1〜1−9)
図9に示したようなコイン型の二次電池を作製した。この二次電池は、正極51と、負極52とを電解液を含浸させたセパレータ53を介して積層し、外装缶54と外装カップ55との間に挟み、ガスケット56を介してかしめたものである。
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLi2 CO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して正極活物質としてのリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電材としてグラファイト6質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体51Aに均一に塗布して乾燥させたのち圧縮成型して正極活物質層51Bを形成した。そののち、直径15.5mmのペレットに打ち抜き、正極51を作製した。
次に、厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに、電子ビーム蒸着法によりケイ素を蒸着して負極活物質層52Bを形成したのち、直径16mmのペレットに打ち抜いた(ペレットA)。
また、負極材料として人造黒鉛粉末を用意し、この人造黒鉛粉末90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製した。次いで、この負極合剤を溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとしたのち、厚み15μmの帯状銅箔よりなる負極集電体52Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、ロールプレス機で圧縮成型して負極活物質層52Bを形成した。続いて、直径16mmのペレットに打ち抜いた(ペレットB)。
次いで、作製した正極51と負極52とを微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ53を介して外装缶54に載置し、その上から電解液を注入して、外装カップ55を被せてかしめることにより密閉し、二次電池を作製した。電解液には、溶媒として、表1に示した溶媒を用い、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを1mol/dm3 の濃度で溶解させたものを用いた。
実施例1−1、1−3、1−4では、負極活物質としてケイ素を用いて作製した上記ペレットAを、四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液に数秒間浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−2では、ペレットAをメタホウ酸リチウムの3質量%水溶液に数秒間浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にメタホウ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−5では、ペレットAを四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液に炭酸リチウムを懸濁させた溶液の上澄みに数秒間浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムと炭酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−6では、ペレットAを四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液にフッ化リチウムを懸濁させた溶液の上澄みに数秒間浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムとフッ化リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−7では、ケイフッ化水素酸に、アニオン捕捉剤としてのホウ酸を溶解した溶液にペレットAを3時間浸漬させることにより、酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させた。その際、ケイフッ化水素酸およびホウ酸の濃度は、それぞれ2mol/dm3 、0.028mol/dm3 とした。そののち、水で洗浄し、減圧乾燥したものを四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液に浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−8では、ケイフッ化水素酸に、アニオン捕捉剤としてのホウ酸を溶解した溶液にペレットAを3時間浸漬させることにより、酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させた。そののち、水で洗浄し、減圧乾燥したものを四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液に炭酸リチウムを懸濁させた溶液の上澄みに数秒間浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムと炭酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例1−9では、ペレットAの表面にコバルトを電解鍍金して固着させた。その際、日本高純度化学株式会社製のコバルト鍍金液を用い、その鍍金液にエアーを供給しながら鍍金反応を進行させると共に、電流密度を2A/dm2 〜5A/dm2 、鍍金速度を10nm/秒とした。そののち、コバルト鍍金されたペレットAを四ホウ酸リチウムの2質量%水溶液に浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面に四ホウ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
なお、電解液の溶媒としては、炭酸エチレン(EC)、炭酸ジエチル(DEC)、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)または4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)を適宜組み合わせて用いた。
比較例1−1は実施例1−1〜1−9に対する試験例であり、ペレットAを四ホウ酸リチウム溶液に浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例1−1と同様とした。
比較例1−2は実施例1−5に対する試験例であり、ペレットAを四ホウ酸リチウム溶液に浸漬処理しなかったことと、スパッタリング装置を用いて負極活物質粒子の表面に炭酸リチウムの厚さ15nmの被膜を形成したことを除き、他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例1−3は実施例1−7、1−8に対する試験例であり、ケイフッ化水素酸に、アニオン捕捉剤としてのホウ酸を溶解した溶液に3時間浸漬させることにより、酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させた。その際、ケイフッ化水素酸およびホウ酸の濃度は、それぞれ2mol/dm3 、0.028mol/dm3 とした。そののち、水で洗浄し、減圧乾燥して負極52を作製した。他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例1−4は、比較例1−9に対する試験例であり、コバルトを電解鍍金して固着させた。その際、日本高純度化学株式会社製のコバルト鍍金液を用い、その鍍金液にエアーを供給しながら鍍金反応を進行させると共に、電流密度を2A/dm2 〜5A/dm2 、鍍金速度を10nm/秒として負極52を作製した。他は実施例1−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例1−5は実施例1−1に対する試験例であり、負極活物質として人造黒鉛を用いて作製した上記ペレットBを用いたことと、ペレットBを四ホウ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例1−1と同様とした。
比較例1−6は実施例1−1に対する試験例であり、負極活物質として人造黒鉛を用いて作製した上記ペレットBを用いたことを除き、他は実施例1−1と同様とした。
(TOF−SIMS測定)
作製した実施例1−1〜1−9および比較例1−1〜1−6の二次電池について、2サイクル目放電状態の負極について、以下に説明するようにして、TOF−SIMSによる分析を行った。測定装置は、ION−TOF社製の「TOF−SIMS V」を用い、以下の測定条件で行った。この際、イオンの質量数で27.97に現れたピークをケイ素のピークとした。
測定条件:一次イオン197Au+ 、イオン銃 加速電圧25keV、バンチングモード、照射イオン電流1.0pA(パルスビームでの計測)、パルス周波数10kHz、質量範囲1amu〜800amu、走査範囲200×200μmで行い、質量分解能はM/ΔM=6800@C2 5 +、5900@CH2 -である。
実施例1−1の二次電池における負極のTOF−SIMS正二次イオン分析および負二次イオン分析による結果を図11および図12にそれぞれ示した。
(サイクル特性評価)
次に、各二次電池のサイクル特性を調べた。サイクル特性は、23℃で充放電を100サイクル行い、2サイクル目の放電容量を100とした場合の100サイクル目の放電容量維持率(%)を求めた。その際、充電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに達するまで行ったのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.02mA/cm2 に達するまで行い、放電は、1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに達するまで行った。
TOF−SIMS測定およびサイクル特性評価の結果を表1に併せて示す。
Figure 2008135382
表1に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子上に、オキソ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を顕著に向上できることがわかった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例1−3、1−4の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例1−5、1−6の結果より、オキソ酸塩とリチウム塩を組み合わせることによってもさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。また、実施例1−7、1−8の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有するようにした上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例1−9の結果より、コバルト鍍金した上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
一方、負極活物質に人造黒鉛を用いた場合では、負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を有するようにしてもサイクル特性を向上させることができないことが分かった。
(実施例2−1〜2−12)
以下のようにして負極52を作製したことを除き、実施例1−1等と同様に二次電池を作製した。
実施例2−1、2−3、2−4、2−10、2−11、2−12では、負極活物質としてケイ素を用いて作製した上記ペレットAを、オルトケイ酸リチウムの3質量%水溶液に数秒間浸積させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にオルトケイ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例2−2では、ペレットAをメタケイ酸リチウムの3質量%水溶液に数秒間浸積させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にメタケイ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例2−5、2−6、2−7では、ケイフッ化水素酸に、アニオン捕捉剤としてのホウ酸を溶解した溶液にペレットAを3時間浸漬させることにより、酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させた。その際、ケイフッ化水素酸およびホウ酸の濃度は、それぞれ2mol/dm3 、0.028mol/dm3 とした。そののち、水で洗浄し、減圧乾燥したものをオルトケイ酸リチウムの2質量%水溶液に浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にオルトケイ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例2−8では、ペレットAの表面にコバルトを電解鍍金して固着させた。その際、日本高純度化学株式会社製のコバルト鍍金液を用い、その鍍金液にエアーを供給しながら鍍金反応を進行させると共に、電流密度を2A/dm2 〜5A/dm2 、鍍金速度を10nm/秒とした。そののち、コバルト鍍金されたペレットAをオルトケイ酸リチウムの2質量%水溶液に浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にオルトケイ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
実施例2−9では、実施例2−5〜2−7と同様に、ペレットAに酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させたのち、実施例2−8と同様に、その表面にコバルトを電解鍍金して固着させた。そののち、コバルト鍍金されたペレットAをオルトケイ酸リチウムの2質量%水溶液に浸漬させ、引き上げてから乾燥させることにより、ケイ素よりなる負極活物質粒子の表面にオルトケイ酸リチウムを有するようにし、負極52を作製した。
なお、電解液の添加剤としては、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 :0.1mol/kg)、プロペンスルトン(PRS:1重量%)またはスルホ安息香酸無水物(SBAH:1重量%)を用いた。
比較例2−1は実施例2−1〜2−12に対する試験例であり、ペレットAをオルトケイ酸リチウム溶液に浸漬処理しなかったことと、電解液にオルトケイ酸リチウムを0.5重量%添加し、十分に攪拌して飽和させたことを除き、他は実施例2−1と同様とした。 比較例2−2は実施例2−1に対する試験例であり、ペレットAをオルトケイ酸リチウム溶液に浸漬処理しなかったことと、スパッタリング装置を用いて負極活物質粒子の表面にオルトケイ酸リチウムの厚さ25nmの被膜を形成したことを除き、他は実施例2−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例2−3は実施例2−8に対する試験例であり、ペレットAをオルトケイ酸リチウム溶液に浸積処理しなかったことを除き、他は実施例2−8と同様にして二次電池を作製した。
比較例2−4は実施例2−9に対する試験例であり、ペレットAをオルトケイ酸リチウム溶液に浸積処理しなかったことを除き、他は実施例2−9と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例2−1〜2−12および比較例2−1〜2−4の二次電池について、実施例1−1等と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2008135382
表2に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子上に、オキソ酸塩(オルトケイ酸リチウムまたはメタケイ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を顕著に向上できることがわかった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例2−3〜2−7の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例2−5〜2−7の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有するようにした上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。また、実施例2−8の結果より、コバルト鍍金した上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例2−9の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有すると共に、負極活物質層中にコバルト鍍金を有するようにした上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、著しくサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例2−10〜2−12の結果より、電解液中にLiBF4 、スルトン(PRS)、酸無水物(SBAH)を添加することにより、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
(実施例3−1、3−2)
まず、負極活物質として、平均粒径が1μmのケイ素粉末90質量%と、結着材としてポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み18μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに均一に塗布して乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において、400℃で12時間加熱することにより、負極活物質層52Bを形成し、直径16mmのペレットに打ち抜いた。そしてこのペレットを実施例1−1と同様に四ホウ酸リチウムの水溶液に浸漬処理して負極52を作製した。
この負極52を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例3−1の二次電池を作製した。
実施例3−2では、ペレットをオルトケイ酸リチウムの水溶液に浸積処理して負極52を作製し、この負極52を用いたことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例3−1、3−2に対する比較例3−1として、四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例3−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例3−1、3−2および比較例3−1の二次電池について、実施例1−1等と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2008135382
表3に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、実施例1−1、2−1との比較から、負極活物質層を気相法で製造した方がよりサイクル特性を向上させることが分かった。
(実施例4−1、4−2)
負極活物質としてSnCoC含有材料80質量部と、導電材としてグラファイト11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに均一に塗布して乾燥させたのち圧縮成型して負極活物質層52Bを形成し、直径16mmのペレットに打ち抜いた。
なお、SnCoC含有材料は、スズ・コバルト・インジウム合金粉末と、炭素粉末とを混合し、メカノケミカル反応を利用して合成した。得られたSnCoC含有材料について組成の分析を行ったところ、スズの含有量は48質量%、コバルトの含有量は23質量%、炭素の含有量は20質量%、スズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合Co/(Sn+Co)は32.4質量%であった。なお、炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、スズおよびコバルトの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。また、得られたSnCoC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、このSnCoC含有材料についてXPSを行ったところ、図10に示したようにピークP1が得られた。ピークP1を解析すると、表面汚染炭素のピークP2と、ピークP2よりも低エネルギー側にSnCoC含有材料中におけるC1sのピークP3とが得られた。このピークP3は、284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、SnCoC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
そしてこのペレットを実施例1−1と同様に四ホウ酸リチウムに浸漬処理して負極52を作製した。この負極52を用いたことを除き、他は実施例1−1と同様にして実施例4−1の二次電池を作製した。
実施例4−2では、ペレットをオルトケイ酸リチウムの水溶液に浸積処理して負極52を作製し、この負極52を用いたことを除き、他は実施例4−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例4−1、4−2に対する比較例4−1として、四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例4−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例4−1、4−2および比較例4−1の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表4に示す。
Figure 2008135382
表4に示したように、スズを含む負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を向上させることができることが分かった。
(実施例5−1、5−2)
図1および図2に示した円筒型の二次電池とした以外は、実施例1−7、2−5と同様にして実施例5−1、5−2の二次電池を作製した。なお、負極22は、負極集電体22A上にケイ素を電子ビーム蒸着法により蒸着して負極活物質層22Bを形成したのち、実施例1−7と同様に酸化ケイ素よりなる酸化物含有膜を形成し、さらに四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウムに浸漬処理したものである。また、セパレータ23には厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムを用いた。
実施例5−1、5−2に対する比較例5−1として、四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例5−1、5−2と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例5−1、5−2および比較例5−1の二次電池について、実施例1−72−5と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表5に示す。
Figure 2008135382
表5に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子をケイ素酸化物で被覆をし、さらに四ホウ酸リチウムまたはオルトケイ酸リチウムを有するようにすれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。
(実施例6−1〜6−9)
図7および図8に示したラミネートフィルム型の二次電池とした以外は、実質的に実施例1−1〜1−9と同様にして実施例6−1〜6−9の二次電池を作製した。なお、負極34は、負極集電体34A上にケイ素を電子ビーム蒸着法により蒸着して負極活物質層34Bを形成したのち、実施例1−1〜1−9と同様に各処理を行って作製した。
セパレータとしては、厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
次いで、正極33にアルミニウム製の正極リード31と取り付けると共に、負極34にニッケル製の負極リード32を取り付け、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し、巻回したのち、ラミネートフィルムよりなる外装部材40に減圧封入して二次電池を作製した。
比較例6−1は実施例6−1〜6−9に対する試験例であり、負極34の作製の際に四ホウ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例6−1と同様とした。
比較例6−2は実施例6−5に対する試験例であり、負極34の作製の際に四ホウ酸リチウムに浸漬処理しなかったことと、スパッタリング装置を用いて負極活物質粒子の表面に炭酸リチウムの厚さ15nmの被膜を形成したことを除き、他は実施例6−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例6−3は実施例6−7、6−8に対する試験例であり、ケイフッ化水素酸に、アニオン捕捉剤としてのホウ酸を溶解した溶液に3時間浸漬させることにより、酸化ケイ素(SiO2 )よりなる酸化物含有膜を析出させた。その際、ケイフッ化水素酸およびホウ酸の濃度は、それぞれ2mol/dm3 、0.028mol/dm3 とした。そののち、水で洗浄し、減圧乾燥して負極34を作製した。他は実施例6−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例6−4は実施例6−9に対する試験例であり、コバルトを電解鍍金して固着させた。その際、日本高純度化学株式会社製のコバルト鍍金液を用い、その鍍金液にエアーを供給しながら鍍金反応を進行させると共に、電流密度を2A/dm2 〜5A/dm2 、鍍金速度を10nm/秒として負極34を作製した。他は実施例6−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例6−5は実施例6−1に対する試験例であり、負極作製において、負極活物質として人造黒鉛を用いたことと、四ホウ酸リチウムに浸漬処理しなかったことを除き、他は実施例6−1と同様とした。
比較例6−6は実施例6−1に対する試験例であり、負極作製において、負極活物質として人造黒鉛を用いたことを除き、他は実施例6−1と同様とした。
作製した実施例6−1〜6−9および比較例6−1〜6−6の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表6に示す。
Figure 2008135382
表6に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子上に、オキソ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を顕著に向上できることがわかった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例6−3、6−4の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例6−5、6−6の結果より、縮合酸塩とリチウム塩を組み合わせることによってもさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。また、実施例6−7、6−8の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有するようにした上で、さらに縮合酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例6−9の結果より、コバルト鍍金した上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
(実施例7−1〜7−12)
実施例6−1〜6−9と同様にラミネートフィルム型の二次電池としたことを除き、実質的に実施例2−1〜2−12と同様にして実施例7−1〜7−12の二次電池を作製した。
また、実施例6−1〜6−9と同様にラミネートフィルム型の二次電池としたことを除き、実質的に比較例2−1〜2−4と同様にして比較例7−1〜7−4の二次電池を作製した。
作製した実施例7−1〜7−12および比較例7−1〜7−4の二次電池について、実施例1−1等と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表7に示す。
Figure 2008135382
表7に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子上に、オキソ酸塩(オルトケイ酸リチウムまたはメタケイ酸リチウム)を有するようにすれば、サイクル特性を顕著に向上できることがわかった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例7−3〜7−7の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例7−5〜7−7の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有するようにした上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。また、実施例7−8の結果より、コバルト鍍金した上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例7−9の結果より、負極活物質粒子の表面にケイ素の酸化物を含む酸化物含有膜を有すると共に、負極活物質層中にコバルト鍍金を有するようにした上で、さらにオキソ酸塩を有するようにしても、著しくサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例7−10〜7−12の結果より、電解液中にLiBF4 、スルトン(PRS)、酸無水物(SBAH)を添加することにより、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
<ホウ酸塩含有電解液による被膜形成>
(実施例8−1〜8−10)
図9に示したようなコイン型の二次電池を作製した。この二次電池は、正極51と、負極52とを電解液を含浸させたセパレータ53を介して積層し、外装缶54と外装カップ55との間に挟み、ガスケット56を介してかしめたものである。
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とをLi2 CO3 :CoCO3 =0.5:1のモル比で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して正極活物質としてのリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物91質量部と、導電材としてグラファイト6質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーとした。続いて、この正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体51Aに均一に塗布して乾燥させたのち圧縮成型して正極活物質層51Bを形成した。そののち、直径15.5mmのペレットに打ち抜き、正極51を作製した。
また、厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに、電子ビーム蒸着法によりケイ素を蒸着して負極活物質層52Bを形成したのち、直径16mmのペレットに打ち抜いて、負極52を作製した。
次いで、作製した正極51と負極52とを微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ53を介して外装缶54に載置し、その上から電解液を注入して、外装カップ55を被せてかしめることにより密閉し、実施例8−1〜8−10の二次電池を作製した。電解液には、溶媒、電解質塩、および縮合酸塩として表8に示した化合物を用いた。
なお、電解質塩としては、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )の他に、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)またはリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(LiBETI)を用いた。実施例8−10では、四フッ化ホウ酸リチウムの濃度を0.05mol/kgとした。
比較例8−1として、四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例8−1と同様にして二次電池を作製した。実施例8−4に対する比較例8−2として、同じ電解液溶媒であるが四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例8−4と同様にして二次電池を作製した。実施例8−10に対する比較例8−3として、同じ電解液溶媒であるが四フッ化ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例8−10と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例8−1〜8−10および比較例8−1〜8−3の二次電池について、実施例1−1と同様にTOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表8に示す。また、実施例8−10の二次電池における負極のTOF−SIMS正二次イオン分析および負二次イオン分析による結果を図13および図14にそれぞれ示した。
Figure 2008135382
表8に示したように、負極活物質がケイ素である場合に、電解液にホウ酸塩(四ホウ酸リチウム、メタホウ酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウム)を添加すれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。また、ホウ酸リチウムの添加量が少ないほうがサイクル特性は良好であった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例8−1〜8−3の結果より、電解液中におけるホウ酸塩の含有量が0.5質量%〜5質量%であると、優れたサイクル特性が得ることができることがわかった。この場合には、ホウ酸塩の含有量が0.01質量%以上であれば、同様に優れたサイクル特性が得られた。また、実施例8−4〜8−6の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例8−8、8−9の結果より、電解質塩にリチウムビスオキサレートボレートまたはイミド塩を組み合わせるようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
(実施例9−1〜9−9)
負極を下記のように作製した以外は実施例8−1〜8−9と同様に、コイン型の二次電池を作製した。
まず、負極活物質として、平均粒径が1μmのケイ素粉末90質量%と、結着材としてポリフッ化ビニリデン10質量%とを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み18μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに均一に塗布して乾燥させ加圧したのち、真空雰囲気下において、400℃で12時間加熱することにより、負極活物質層52Bを形成し、直径16mmのペレットに打ち抜いて、負極52を作製した。
この負極52を用い、他は実施例8−1〜8−9と同様にして実施例9−1〜9−9の二次電池を作製した。
比較例9−1として、四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例9−1と同様にして二次電池を作製した。実施例9−4に対する比較例9−2として、同じ電解液溶媒であるが四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例9−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例9−1〜9−9および比較例9−1、9−2の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表9に示す。
Figure 2008135382
表9に示したように、負極活物質がケイ素である場合に、電解液にホウ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウム)を添加すれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。また、ホウ酸リチウムの添加量が少ないほうがサイクル特性は良好であった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例9−1〜9−3の結果より、電解液中におけるホウ酸塩の含有量が0.5質量%〜5質量%であると優れたサイクル特性を得ることができ、そのホウ酸塩の含有量が0.01質量%以上であれば同様に優れたサイクル特性を得ることができることがわかった。また、実施例9−4〜9−6の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例9−8、9−9の結果より、電解質塩にリチウムビスオキサレートボレートまたはイミド塩を組み合わせるようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
(実施例10−1〜10−9)
負極を下記のように作製した以外は実施例8−1〜8−9と同様に、コイン型の二次電池を作製した。
負極活物質としてSnCoC含有材料80質量部と、導電材としてグラファイト11質量部およびアセチレンブラック1質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデン8質量部とを混合し、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、この負極合剤スラリーを厚み10μmの銅箔よりなる負極集電体52Aに均一に塗布して乾燥させたのち圧縮成型して負極活物質層52Bを形成し、直径16mmのペレットに打ち抜いた。
なお、SnCoC含有材料は、スズ・コバルト・インジウム合金粉末と、炭素粉末とを混合し、メカノケミカル反応を利用して合成した。得られたSnCoC含有材料について組成の分析を行ったところ、スズの含有量は48質量%、コバルトの含有量は23質量%、炭素の含有量は20質量%、スズとコバルトとの合計に対するコバルトの割合Co/(Sn+Co)は32.4質量%であった。なお、炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置により測定し、スズおよびコバルトの含有量は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)発光分析により測定した。また、得られたSnCoC含有材料についてX線回折を行ったところ、回折角2θ=20°〜50°の間に、回折角2θが1.0°以上の広い半値幅を有する回折ピークが観察された。更に、このSnCoC含有材料についてXPSを行ったところ、図10に示したようにピークP1が得られた。ピークP1を解析すると、表面汚染炭素のピークP2と、ピークP2よりも低エネルギー側にSnCoC含有材料中におけるC1sのピークP3とが得られた。このピークP3は、284.5eVよりも低い領域に得られた。すなわち、SnCoC含有材料中の炭素が他の元素と結合していることが確認された。
この負極52を用い、電解液には、溶媒、電解質塩、および縮合酸塩として表10に示した化合物を用いて、他は実施例8−1と同様にして二次電池を作製した。
比較例10−1として、四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例10−1と同様にして二次電池を作製した。実施例10−4に対する比較例10−2として、同じ電解液溶媒であるが四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例10−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例10−1〜10−9および比較例10−1、10−2の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表10に示す。
Figure 2008135382
表10に示したように、負極活物質がスズを含む場合に、電解液にホウ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウム)を添加すれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。また、ホウ酸リチウムの添加量が少ないほうがサイクル特性は良好であった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例10−1〜10−3の結果より、電解液中におけるホウ酸塩の含有量が0.5質量%〜5質量%であると優れたサイクル特性を得ることができ、そのホウ酸塩の含有量が0.01質量%以上であれば同様に優れたサイクル特性を得ることができることがわかった。実施例10−4〜10−6の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例10−8、10−9の結果より、電解質塩にリチウムビスオキサレートボレートまたはイミド塩を組み合わせるようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
(実施例11−1)
図1および図2に示した円筒型の二次電池を作製した。正極21は、実施例8−1と同様にして作製した。負極22は、ケイ素よりなる負極活物質層22Bを電子ビーム蒸着法により形成したのち、酸化ケイ素よりなる酸化物含有膜を形成したものである。また、セパレータ23には厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムを用い、電解液は、実施例8−1と同様として、実施例11−1の二次電池を作製した。
実施例11−1対する比較例11−1として、電解液に四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例11−1と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例11−1および比較例11−1の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表11に示す。
Figure 2008135382
表11に示したように、ケイ素を含む負極活物質粒子をケイ素酸化物で被覆をし、電解液に四ホウ酸リチウムを添加すれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。
(実施例12−1〜12−9)
図7および図8に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。正極33は、実施例8−1と同様にして作製した。負極34は、ケイ素よりなる負極活物質粒子を電子ビーム蒸着法により形成したのち、酸化ケイ素よりなる酸化物含有膜を形成したものである。
セパレータとしては、厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。
次いで、正極33にアルミニウム製の正極リード31と取り付けると共に、負極34にニッケル製の負極リード32を取り付け、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し、巻回したのち、ラミネートフィルムよりなる外装部材40に減圧封入して実施例12−1〜12−9の二次電池を作製した。電解液には、溶媒、電解質塩、および縮合酸塩として表12に示した化合物を用いた。
比較例12−1として、四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例12−1と同様にして二次電池を作製した。
実施例12−4に対する比較例12−2として、四ホウ酸リチウムを添加しなかったことを除き、他は実施例12−4と同様にして二次電池を作製した。
作製した実施例12−1〜12−9および比較例12−1、12−2の二次電池について、実施例1−1と同様にして、TOF−SIMSおよびサイクル特性を調べた。結果を表12に示す。
Figure 2008135382
表12に示したように、負極活物質がケイ素である場合に、電解液にホウ酸塩(四ホウ酸リチウムまたはメタホウ酸リチウム)を添加すれば、サイクル特性を顕著に向上させることができることが分かった。また、ホウ酸リチウムの添加量が少ないほうがサイクル特性は良好であった。また、いずれの実施例においても十分なTOF−SIMSピーク比が得られた。
さらに、実施例12−1〜12−3の結果より、電解液中におけるホウ酸塩の含有量が0.5質量%〜5質量%であると優れたサイクル特性を得ることができ、そのホウ酸塩の含有量が0.01質量%以上であれば同様に優れたサイクル特性を得ることができることがわかった。実施例12−4〜12−6の結果より、フッ素化カーボネートを電解液溶媒に用いることでさらにサイクル特性を向上することができることがわかった。実施例12−8、12−9の結果より、電解質塩にリチウムビスオキサレートボレートまたはイミド塩を組み合わせるようにしても、さらにサイクル特性を向上することができることがわかった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記した実施の形態および実施例では、他の種類の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス、イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物と電解液とを混合したものや、他の無機化合物と電解液とを混合したものや、これらの無機化合物とゲル状電解質とを混合したものなどが挙げられる。
また、上記した実施の形態および実施例では、本発明の電池として、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。本発明の電池は、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極活物質の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づく容量とリチウムの析出および溶解に基づく容量とを含み、かつそれらの容量の和によって表される二次電池についても同様に適用可能である。
また、上記した実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる場合について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他の短周期型周期表における1A族元素や、マグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などの2A族元素や、アルミニウムなどの他の軽金属を用いてもよい。この場合においても、負極活物質として、上記実施の形態で説明した負極材料を用いることが可能である。
また、上記実施の形態および実施例では、本発明の二次電池に関し、電解液中におけるホウ酸塩の含有量について、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明しているが、その説明は、含有量が上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本発明の効果が得られるのであれば、含有量が上記した範囲から多少外れてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 図2に示した負極を模式的に表す断面図である。 図2に示した負極に対する参考例の負極を模式的に表す断面図である。 図2に示した負極の断面構造を表すSEM写真およびその模式図である。 図2に示した負極の他の断面構造を表すSEM写真およびその模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図7に示した巻回電極体のI−I線に沿った構成を表す断面図である。 実施例で作製したコイン型二次電池の構成を表す断面図である。 実施例で作製したSnCoC含有材料に係るX線光電子分光法により得られたピークの一例を表すものである。 実施例1−1の負極のTOF−SIMS正二次イオン分析による結果を示すグラフである。 実施例1−1の負極のTOF−SIMS負二次イオン分析による結果を示すグラフである。 実施例8−10の負極のTOF−SIMS正二次イオン分析による結果を示すグラフである。 実施例8−10の負極のTOF−SIMS負二次イオン分析による結果を示すグラフである。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17,56…ガスケット、20,30…巻回電極体、21,33,51…正極、21A,33A,51A…正極集電体、21B,33B,51B…正極活物質層、22,34,52…負極、22A,34A,52A…負極集電体、22B,34B,52B…負極活物質層、22C,34C,52C…負極活物質粒子、22D,34D,52D…酸化物含有膜、23,35,53…セパレータ、24…センターピン、25,31…正極リード、26,32…負極リード、36…電解質層、37…保護テープ、40…外装部材、41…密着フィルム、54…外装缶、55…外装カップ、221…負極活物質粒子、222…被膜、224(224A,224B)…隙間、225…空隙、226…金属材料。

Claims (50)

  1. 負極集電体と、前記負極集電体に設けられた負極活物質層とを有し、
    前記負極活物質層は、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む複数の負極活物質粒子を有し、かつ前記負極活物質粒子の表面上の少なくとも一部にオキソ酸塩を含む被膜を有する
    ことを特徴とする負極。
  2. 前記オキソ酸塩が縮合酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の負極。
  3. 前記オキソ酸塩がホウ酸リチウムまたはケイ酸リチウムであることを特徴とする請求項1に記載の負極。
  4. 前記オキソ酸塩がメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、オルトケイ酸リチウムまたはメタケイ酸リチウムであることを特徴とする請求項1に記載の負極。
  5. 前記オキソ酸塩を含む被膜が液相法によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の負極。
  6. 前記負極活物質粒子がケイ素単体を主体とした材料またはSnCoC含有材料からなることを特徴とする請求項1に記載の負極。
  7. 前記オキソ酸塩を含む被膜は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の負極。
  8. 前記負極活物質粒子と前記オキソ酸塩を含む被膜との間に、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズからなる群のうち少なくとも1種の酸化物を含む被膜をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の負極。
  9. 前記負極活物質層が前記負極活物質粒子間の隙間に電極反応物質と合金化しない金属材料を有することを特徴とする請求項1に記載の負極。
  10. 前記負極活物質粒子がその粒子内に多層構造を有し、前記負極活物質層が前記負極活物質粒子内の隙間に前記金属材料を有することを特徴とする請求項9に記載の負極。
  11. 前記金属材料が鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)および銅(Cu)からなる群のうちの少なくとも1種の金属元素を含むことを特徴とする請求項9に記載の負極。
  12. ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む複数の負極活物質粒子を有する負極活物質層を備えた負極集電体をオキソ酸塩の溶液に浸漬処理して、前記負極活物質粒子の表面にオキソ酸塩を含む被膜を形成させることを特徴とする、請求項1記載の負極を製造する方法。
  13. 正極および負極と共に電解液を備えた二次電池であって、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体に設けられた負極活物質層とを有し、
    前記負極活物質層は、ケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含む複数の負極活物質粒子を有し、かつ前記負極活物質粒子の表面上の少なくとも一部にオキソ酸塩を含む被膜を有する
    ことを特徴とする二次電池。
  14. 前記オキソ酸塩が縮合酸塩であることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  15. 前記オキソ酸塩がホウ酸リチウムまたはケイ酸リチウムであることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  16. 前記オキソ酸塩がメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、オルトケイ酸リチウムまたはメタケイ酸リチウムであることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  17. 前記負極活物質粒子が少なくとも前記電解液と接する領域に前記オキソ酸塩を含む被膜を有することを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  18. 前記オキソ酸塩を含む被膜が液相法によって形成されていることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  19. 前記負極活物質粒子がケイ素単体を主体とした材料またはSnCoC含有材料からなることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  20. 前記オキソ酸塩を含む被膜は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  21. 前記負極活物質粒子と前記オキソ酸塩を含む被膜との間に、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズからなる群のうち少なくとも1種の酸化物を含む被膜をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  22. 前記負極活物質層が前記負極活物質粒子間の隙間に電極反応物質と合金化しない金属材料を有することを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  23. 前記負極活物質粒子がその粒子内に多層構造を有し、前記負極活物質層が前記負極活物質粒子内の隙間に前記金属材料を有することを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
  24. 前記金属材料が鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)および銅(Cu)からなる群のうちの少なくとも1種の金属元素を含むことを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
  25. 正極および負極と共に電解液を備えた二次電池であって、
    前記負極はケイ素もしくはスズの単体または化合物のうちの少なくとも一種を含み、
    前記電解液はホウ酸塩を含むことを特徴とする二次電池。
  26. 前記ホウ酸塩がメタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムであることを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  27. 前記電解液中におけるホウ酸塩の含有量が、0.01質量%〜5質量%であることを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  28. 前記負極の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による表面分析で、Li2 PO2 2 +、Li3 PO3 + 、Li2 BO2 +の正二次イオン、PO2 2 -、PO3 - 、LiPO3 - 、BO- 、BO2 -、LiB2 4 -の負二次イオンの中から選ばれる少なくとも一つ以上の二次イオンのピークを有することを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
  29. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 PO2 2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 PO2 2 +/Si+ )が0.4以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  30. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi3 PO3 + の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li3 PO3 + /Si+ )が0.5以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  31. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 BO2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 BO2 +/Si+ )が0.5以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  32. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 PO2 2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSn+ 強度に対する比率(Li2 PO2 2 +/Sn+ )が1.0以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  33. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi3 PO3 + の正二次イオンは、活物質元素ピークSn+ 強度に対する比率(Li3 PO3 + /Sn+ )が1.2以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  34. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 BO2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 BO2 +/Si+ )が1.2以上となることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
  35. 前記負極の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による表面分析で、Li2 PO2 2 +、Li3 PO3 + 、Li2 BO2 +の正二次イオン、PO2 2 -、PO3 - 、LiPO3 - 、BO- 、BO2 -、LiB2 4 -の負二次イオンの中から選ばれる少なくとも一つ以上の二次イオンのピークを有することを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  36. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 PO2 2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 PO2 2 +/Si+ )が0.4以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  37. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi3 PO3 + の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li3 PO3 + /Si+ )が0.5以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  38. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 BO2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 BO2 +/Si+ )が0.5以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  39. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 PO2 2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSn+ 強度に対する比率(Li2 PO2 2 +/Sn+ )が1.0以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  40. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi3 PO3 + の正二次イオンは、活物質元素ピークSn+ 強度に対する比率(Li3 PO3 + /Sn+ )が1.2以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  41. 前記TOF−SIMSによる表面分析で検出されるLi2 BO2 +の正二次イオンは、活物質元素ピークSi+ 強度に対する比率(Li2 BO2 +/Si+ )が1.2以上となることを特徴とする請求項35に記載の二次電池。
  42. 前記電解液が、不飽和結合を有する環状炭酸エステル化合物を、0.01質量%〜10質量%の割合でさらに含有することを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  43. 前記電解液の溶媒が、下記式(1)で表されるハロゲンを含有する鎖状炭酸エステル及び下記式(2)で表される環状炭酸エステルのR1、R2、R3及びR4中の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、塩素原子もしくは臭素原子で置換したハロゲン化環状炭酸エステルからなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
    Figure 2008135382
    [上記式(1)中、R1〜R6は水素基、ハロゲン基、アルキル基またはハロゲン化アルキル基を表し、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。但し、R1〜R6のうちの少なくとも1つはハロゲンを構成元素として有する。]
    Figure 2008135382
    [上記式(2)中、R1〜R4は水素基、ハロゲン基、アルキル基あるいはハロゲン化アルキル基を表し、それらは互いに同一でもよいし異なってもよい。但し、R1〜R4のうちの少なくとも1つはハロゲンを構成元素として有する。]
  44. 前記ハロゲン化環状炭酸エステルが4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンまたは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンであり、前記ハロゲンを含有する鎖状炭酸エステルがフルオロメチルメチルカーボネート、ビス(フルオロメチル)カーボネートまたはジフルオロメチルメチルカーボネートであることを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  45. 前記電解液が、スルトンを含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  46. 前記電解液が、酸無水物を含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
  47. 前記電解液が、電解質塩として下記式(3)に示した化合物のうち少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
    Figure 2008135382
    [上記式(3)中、
    R11は−C(=O)−R21−C(=O)−基(R21はアルキレン基,ハロゲン化アルキレン基,アリーレン基もしくはハロゲン化アリーレン基を表す。)、または−C(=O)−C(R23)(R24)−基(R23、R24は、水素、ハロゲン、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基もしくはハロゲン化アリール基を表す。)、または−C(=O)−C(=O)−基を表し、
    R12はハロゲン基,アルキル基,ハロゲン化アルキル基,アリール基またはハロゲン化アリール基を表し、
    X11およびX12は酸素(O)または硫黄(S)をそれぞれ表し、
    M11は遷移金属元素または短周期型周期表における3B族元素,4B族元素もしくは5B族元素を表し、
    M21は短周期型周期表における1A族元素または2A族元素を表し、
    aは1〜4の整数であり、
    bは0〜8の整数であり、
    c,d,eおよびfはそれぞれ1〜3の整数である。]
  48. 前記電解液が、電解質塩として下記式(31)に示した化合物を含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
    Figure 2008135382
    [上記式(31)中、
    R11は−C(=O)−R21−C(=O)−基(R21はアルキレン基,ハロゲン化アルキレン基,アリーレン基もしくはハロゲン化アリーレン基を表す。)、−C(=O)−C(=O)−基、または−C(=O)−C−(R2)2 (R22は水素、ハロゲン、アルキル基,ハロゲン化アルキル基,アリール基もしくはハロゲン化アリール基を表す。)−基を表し、
    R13はハロゲンを表し、
    M12はリン(P)またはホウ素(B)を表し、
    M21は短周期型周期表における1A族元素もしくは2A族元素またはアルミニウムを表し、
    a1は1〜4の整数であり、
    b1は0,2または4であり、
    c,d,eおよびfはそれぞれ1〜3の整数である。]
  49. 前記電解液が、電解質塩として、下記式(3−1)〜(3−6)に示した化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
    Figure 2008135382
  50. 前記電解液は、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 、および下記式(4)〜(6)で表されるリチウム塩からなる群のうちの少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項25に記載の二次電池。
    LiN(Cm 2m+1SO2 )(Cn 2n+1SO2 ) (4)
    (上記式(4)中、mおよびnは1以上の整数である。)
    Figure 2008135382
    [上記式(5)中、Rは炭素数2〜4の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキレン基を表す。また、nは1〜3の整数であり、Mは遷移金属原子を表す。]
    LiC(Cp 2p+1SO2 )(Cq 2q+1SO2 )(Cr 2r+1SO2 ) (6)
    [式(6)中、p,qおよびrは1以上の整数である。]
JP2007278728A 2006-10-26 2007-10-26 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 Active JP5370630B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007278728A JP5370630B2 (ja) 2006-10-26 2007-10-26 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
US12/255,279 US10312518B2 (en) 2007-10-26 2008-10-21 Anode and method of manufacturing the same, and secondary battery
KR1020080104623A KR20090042735A (ko) 2007-10-26 2008-10-24 부극 및 그 제조 방법, 및 이차전지
CN2008101712296A CN101420025B (zh) 2007-10-26 2008-10-27 负极及其制备方法、以及二次电池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006291366 2006-10-26
JP2006291366 2006-10-26
JP2007278728A JP5370630B2 (ja) 2006-10-26 2007-10-26 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008135382A true JP2008135382A (ja) 2008-06-12
JP2008135382A5 JP2008135382A5 (ja) 2010-05-13
JP5370630B2 JP5370630B2 (ja) 2013-12-18

Family

ID=39560066

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007278728A Active JP5370630B2 (ja) 2006-10-26 2007-10-26 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5370630B2 (ja)

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057232A1 (ja) * 2007-11-02 2009-05-07 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池
JP2010044957A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Sony Corp 二次電池、負極、正極および電解質
US20100124707A1 (en) * 2008-11-14 2010-05-20 Sony Corporation Secondary battery and anode
JP2010147005A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Sony Corp 負極および二次電池
EP2211402A2 (en) 2009-01-23 2010-07-28 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
JP2010165542A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Sony Corp 電解質および二次電池
US20120009468A1 (en) * 2007-11-22 2012-01-12 Samsung Sdi Co., Ltd Negative electrode and negative active material for rechargeable lithium battery, and rechargeable lithium battery including same
JP2012104281A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法
JP2013062026A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Toyota Industries Corp リチウムイオン二次電池及びその製造方法
EP2595222A1 (en) * 2011-11-15 2013-05-22 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
US8734989B2 (en) 2007-11-28 2014-05-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same
JP2016051600A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 富山薬品工業株式会社 蓄電デバイス用非水電解液
JP2016066506A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 信越化学工業株式会社 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池、並びに負極活物質粒子の製造方法
JP2016201342A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 トヨタ自動車株式会社 複合活物質の製造方法
JP2017152262A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 富山薬品工業株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2017157327A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 富山薬品工業株式会社 蓄電デバイス用非水電解液
KR101799509B1 (ko) * 2009-07-16 2017-11-20 소니 주식회사 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
JP2018063912A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
JP2018067555A (ja) * 2017-12-27 2018-04-26 信越化学工業株式会社 非水電解質二次電池用負極材及び非水電解質二次電池
JP2018101638A (ja) * 2018-03-12 2018-06-28 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
JP2019003959A (ja) * 2018-10-10 2019-01-10 Attaccato合同会社 非水電解質二次電池用の正極及びこれを用いた電池
JP2019145292A (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 Tdk株式会社 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JPWO2018123238A1 (ja) * 2016-12-26 2019-10-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
JP2019212638A (ja) * 2018-03-12 2019-12-12 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
WO2020137560A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
JP2020119867A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 トヨタ自動車株式会社 リチウム二次電池用非水電解液
CN112349888A (zh) * 2019-08-07 2021-02-09 珠海冠宇电池股份有限公司 一种硅基负极材料及其制备方法和应用
WO2021193204A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30 富士フイルム株式会社 複合体、リチウムイオン伝導体、全固体リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池用電極シート、四ホウ酸リチウム
JP2021193693A (ja) * 2019-09-06 2021-12-23 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
WO2022172718A1 (ja) * 2021-02-09 2022-08-18 株式会社村田製作所 二次電池
CN116830305A (zh) * 2023-02-23 2023-09-29 宁德时代新能源科技股份有限公司 硅基负极活性材料、二次电池及用电装置
CN117374261A (zh) * 2023-12-08 2024-01-09 深圳市本征方程石墨烯技术股份有限公司 一种负极材料及其制备方法和应用
JP7444366B1 (ja) 2023-03-27 2024-03-06 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 非水電解質二次電池の電極及びその製造方法

Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62190666A (ja) * 1986-02-17 1987-08-20 Mitsui Toatsu Chem Inc 亜鉛−沃素二次電池のデンドライト防止法
JP2001068094A (ja) * 1999-08-25 2001-03-16 Hyogo Prefecture リチウム二次電池用負極及びこれを用いたリチウム二次電池
JP2002319432A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
JP2002358953A (ja) * 2001-04-02 2002-12-13 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用正極及びその製造方法
JP2004171875A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Sony Corp 負極およびそれを用いた電池
JP2004296412A (ja) * 2003-02-07 2004-10-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法
JP2004335167A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Nissan Motor Co Ltd 高速充放電用電極および電池
WO2004109839A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Sanyo Electric Co., Ltd. リチウム二次電池及びその製造方法
JP2005026203A (ja) * 2003-06-11 2005-01-27 Sony Corp 電池
JP2005026230A (ja) * 2003-07-01 2005-01-27 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用負極、その製造方法及びそれを含むリチウム二次電池
JP2005063731A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP2005235591A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Mitsui Chemicals Inc 非水電解液およびリチウム二次電池
JP2005293899A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極の製造方法
JP2005340132A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2006012806A (ja) * 2004-06-21 2006-01-12 Samsung Sdi Co Ltd リチウムイオン二次電池用電解液及びこれを含むリチウムイオン二次電池
JP2006185728A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池
JP2006190635A (ja) * 2004-12-10 2006-07-20 Sony Corp 電池

Patent Citations (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62190666A (ja) * 1986-02-17 1987-08-20 Mitsui Toatsu Chem Inc 亜鉛−沃素二次電池のデンドライト防止法
JP2001068094A (ja) * 1999-08-25 2001-03-16 Hyogo Prefecture リチウム二次電池用負極及びこれを用いたリチウム二次電池
JP2002358953A (ja) * 2001-04-02 2002-12-13 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用正極及びその製造方法
JP2002319432A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池
JP2004171875A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Sony Corp 負極およびそれを用いた電池
JP2004296412A (ja) * 2003-02-07 2004-10-21 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 非水電解液二次電池用負極活物質の製造方法
JP2004335167A (ja) * 2003-05-01 2004-11-25 Nissan Motor Co Ltd 高速充放電用電極および電池
WO2004109839A1 (ja) * 2003-06-09 2004-12-16 Sanyo Electric Co., Ltd. リチウム二次電池及びその製造方法
JP2005026203A (ja) * 2003-06-11 2005-01-27 Sony Corp 電池
JP2005026230A (ja) * 2003-07-01 2005-01-27 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池用負極、その製造方法及びそれを含むリチウム二次電池
JP2005063731A (ja) * 2003-08-08 2005-03-10 Japan Storage Battery Co Ltd 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP2005235591A (ja) * 2004-02-19 2005-09-02 Mitsui Chemicals Inc 非水電解液およびリチウム二次電池
JP2005293899A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極の製造方法
JP2005340132A (ja) * 2004-05-31 2005-12-08 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP2006012806A (ja) * 2004-06-21 2006-01-12 Samsung Sdi Co Ltd リチウムイオン二次電池用電解液及びこれを含むリチウムイオン二次電池
JP2006190635A (ja) * 2004-12-10 2006-07-20 Sony Corp 電池
JP2006185728A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Samsung Sdi Co Ltd リチウム二次電池

Cited By (51)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057232A1 (ja) * 2007-11-02 2009-05-07 Panasonic Corporation 非水電解質二次電池
US20120009468A1 (en) * 2007-11-22 2012-01-12 Samsung Sdi Co., Ltd Negative electrode and negative active material for rechargeable lithium battery, and rechargeable lithium battery including same
US8592083B2 (en) * 2007-11-22 2013-11-26 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative electrode and negative active material for rechargeable lithium battery, and rechargeable lithium battery including same
US8734989B2 (en) 2007-11-28 2014-05-27 Samsung Sdi Co., Ltd. Negative electrode for rechargeable lithium battery and rechargeable lithium battery including the same
JP2010044957A (ja) * 2008-08-13 2010-02-25 Sony Corp 二次電池、負極、正極および電解質
US20100124707A1 (en) * 2008-11-14 2010-05-20 Sony Corporation Secondary battery and anode
JP2010140885A (ja) * 2008-11-14 2010-06-24 Sony Corp 二次電池および負極
US9806333B2 (en) 2008-11-14 2017-10-31 Sony Corporation Secondary battery and anode
US9620810B2 (en) * 2008-11-14 2017-04-11 Sony Corporation Secondary battery and anode
JP2010147005A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Sony Corp 負極および二次電池
JP2010165542A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Sony Corp 電解質および二次電池
US9012095B2 (en) 2009-01-15 2015-04-21 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
EP2211402A2 (en) 2009-01-23 2010-07-28 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
CN101789520B (zh) * 2009-01-23 2013-02-27 索尼公司 电解液和二次电池
US8980483B2 (en) 2009-01-23 2015-03-17 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
EP2211402A3 (en) * 2009-01-23 2010-10-27 Sony Corporation Electrolyte and secondary battery
KR102135752B1 (ko) * 2009-07-16 2020-07-20 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
KR20190055038A (ko) * 2009-07-16 2019-05-22 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
KR101978434B1 (ko) * 2009-07-16 2019-05-14 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
KR20170129080A (ko) * 2009-07-16 2017-11-24 소니 주식회사 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
KR101799509B1 (ko) * 2009-07-16 2017-11-20 소니 주식회사 2차 전지, 부극, 정극 및 전해질
JP2012104281A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Fukuda Metal Foil & Powder Co Ltd リチウム二次電池用負極材料及びその製造方法
JP2013062026A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Toyota Industries Corp リチウムイオン二次電池及びその製造方法
EP2595222A1 (en) * 2011-11-15 2013-05-22 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2013105649A (ja) * 2011-11-15 2013-05-30 Shin Etsu Chem Co Ltd 非水電解質二次電池
JP2016051600A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 富山薬品工業株式会社 蓄電デバイス用非水電解液
JP2016066506A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 信越化学工業株式会社 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池、並びに負極活物質粒子の製造方法
JP2016201342A (ja) * 2015-04-14 2016-12-01 トヨタ自動車株式会社 複合活物質の製造方法
JP2017152262A (ja) * 2016-02-25 2017-08-31 富山薬品工業株式会社 リチウムイオン二次電池
JP2017157327A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 富山薬品工業株式会社 蓄電デバイス用非水電解液
JP2018063912A (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
JPWO2018123238A1 (ja) * 2016-12-26 2019-10-31 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
US11063254B2 (en) 2016-12-26 2021-07-13 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Negative electrode including lithium and fluorine containing coating film covering negative electrode active material layer
JP2018067555A (ja) * 2017-12-27 2018-04-26 信越化学工業株式会社 非水電解質二次電池用負極材及び非水電解質二次電池
JP2019145292A (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 Tdk株式会社 リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2019212638A (ja) * 2018-03-12 2019-12-12 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
JP2018101638A (ja) * 2018-03-12 2018-06-28 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
JP2019003959A (ja) * 2018-10-10 2019-01-10 Attaccato合同会社 非水電解質二次電池用の正極及びこれを用いた電池
WO2020137560A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池
JP2020119867A (ja) * 2019-01-28 2020-08-06 トヨタ自動車株式会社 リチウム二次電池用非水電解液
JP7148872B2 (ja) 2019-01-28 2022-10-06 トヨタ自動車株式会社 リチウム二次電池用非水電解液
CN112349888A (zh) * 2019-08-07 2021-02-09 珠海冠宇电池股份有限公司 一种硅基负极材料及其制备方法和应用
CN112349888B (zh) * 2019-08-07 2022-03-01 珠海冠宇电池股份有限公司 一种硅基负极材料及其制备方法和应用
JP2021193693A (ja) * 2019-09-06 2021-12-23 Attaccato合同会社 骨格形成剤、これを用いた電極及び電極の製造方法
WO2021193204A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30 富士フイルム株式会社 複合体、リチウムイオン伝導体、全固体リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池用電極シート、四ホウ酸リチウム
JP7377502B2 (ja) 2020-03-23 2023-11-10 富士フイルム株式会社 複合体、リチウムイオン伝導体、全固体リチウムイオン二次電池、全固体リチウムイオン二次電池用電極シート、四ホウ酸リチウム
WO2022172718A1 (ja) * 2021-02-09 2022-08-18 株式会社村田製作所 二次電池
CN116830305A (zh) * 2023-02-23 2023-09-29 宁德时代新能源科技股份有限公司 硅基负极活性材料、二次电池及用电装置
JP7444366B1 (ja) 2023-03-27 2024-03-06 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 非水電解質二次電池の電極及びその製造方法
CN117374261A (zh) * 2023-12-08 2024-01-09 深圳市本征方程石墨烯技术股份有限公司 一种负极材料及其制备方法和应用
CN117374261B (zh) * 2023-12-08 2024-04-16 深圳市本征方程石墨烯技术股份有限公司 一种负极材料及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP5370630B2 (ja) 2013-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5370630B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
US10312518B2 (en) Anode and method of manufacturing the same, and secondary battery
JP4573053B2 (ja) 負極および電池
KR101624684B1 (ko) 부극 집전체, 부극 및 이차 전지
JP5470696B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP5234247B2 (ja) 負極、二次電池、スルホン化合物および電子機器
JP4952680B2 (ja) リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用負極
JP5262085B2 (ja) 負極、二次電池および電子機器
JP5382413B2 (ja) 二次電池用負極および二次電池
WO2007136046A1 (ja) 負極およびその製造方法、ならびに電池およびその製造方法
JP2009176719A (ja) 電解液、二次電池およびスルホン化合物
JP4840663B2 (ja) 負極および電池
JP5278657B2 (ja) 二次電池および電子機器
JP2009245923A (ja) 二次電池
JP5239473B2 (ja) 二次電池用電解液、二次電池および電子機器
JP5181754B2 (ja) 二次電池用電解液、二次電池および電子機器
JP2009193696A (ja) 負極、二次電池およびそれらの製造方法
JP2010192327A (ja) 非水電解液および非水電解液二次電池
JP5463632B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極、リチウムイオン二次電池および電子機器
JP5532559B2 (ja) リチウムイオン二次電池、リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池用正極およびリチウムイオン二次電池用電解液
JP2012003994A (ja) 非水電解質電池および非水電解質
JP2010165549A (ja) 二次電池
JP2009170146A (ja) 電解液および二次電池
JP5169435B2 (ja) 二次電池およびその製造方法
JP2010010080A (ja) 負極、二次電池およびそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100319

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130903

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5370630

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250