JP2016066506A - 非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池、並びに負極活物質粒子の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池、並びに負極活物質粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池容量を増加させ、サイクル特性、電池初期効率及び負極作成時のスラリー安定性を向上させることが可能な非水電解質二次電池用負極活物質を提供する。【解決手段】 負極活物質粒子を有し、該負極活物質粒子はLi化合物が含まれるケイ素化合物(SiOx:0.5≦x≦1.6)を有する非水電解質二次電池用負極活物質であって、負極活物質粒子は、1%分散液の25℃におけるpHが9以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質、非水電解質二次電池用負極、及び非水電解質二次電池、並びに負極活物質粒子の製造方法に関する。
近年、モバイル端末などに代表される小型の電子機器が広く普及しており、さらなる小型化、軽量化及び長寿命化が強く求められている。このような市場要求に対し、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。この二次電池は、小型の電子機器に限らず、自動車などに代表される大型の電子機器、家屋などに代表される電力貯蔵システムへの適用も検討されている。
その中でも、リチウムイオン二次電池は小型かつ高容量化が行いやすく、また、鉛電池、ニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
リチウムイオン二次電池は、正極及び負極、セパレータと共に電解液を備えている。この負極は充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
負極活物質としては、炭素材料が広く使用されている一方で、最近の市場要求から、電池容量のさらなる向上が求められている。電池容量向上の要素として、負極活物質材として、ケイ素を用いることが検討されている。ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも10倍以上大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。負極活物質材としてのケイ素材の開発はケイ素単体だけではなく、合金、酸化物に代表される化合物などについても検討されている。活物質形状は炭素材で標準的な塗布型から、集電体に直接堆積する一体型まで検討されている。
しかしながら、負極活物質としてケイ素を主原料として用いると、充放電時に負極活物質粒子が膨張収縮するため、主に負極活物質粒子の表層近傍で割れやすくなる。また、活物質内部にイオン性物質が生成し、負極活物質粒子が割れやすくなる。負極活物質表層が割れることで新生面が生じ、活物質の反応面積が増加する。この時、新生面において電解液の分解反応が生じるとともに、新生面に電解液の分解物である被膜が形成されるため電解液が消費される。このためサイクル特性が低下しやすくなる。
これまでに、電池初期効率やサイクル特性を向上させるために、ケイ素材を主材としたリチウムイオン二次電池用負極材料、電極構成についてさまざまな検討が成されている。
具体的には、良好なサイクル特性や高い安全性を得る目的で、気相法を用いケイ素及びアモルファス二酸化ケイ素を同時に堆積させている(例えば特許文献1参照)。また、高い電池容量や安全性を得るために、ケイ素酸化物粒子の表層に炭素材(電子伝導材)を設けている(例えば特許文献2参照)。更に、サイクル特性を改善するとともに高入出力特性を得るために、ケイ素及び酸素を含有する活物質を作製し、かつ集電体近傍での酸素比率が高い活物質層を形成している(例えば特許文献3参照)。また、サイクル特性を向上させるために、ケイ素活物質中に酸素を含有させ、平均酸素含有量が40at%以下であり、かつ集電体に近い場所で酸素含有量が多くなるように形成している(例えば、特許文献4参照)。
また、初回充放電効率を改善するためにSi相、SiO、MO金属酸化物を含有するナノ複合体を用いている(例えば特許文献5参照)。また、初回充放電効率を改善するためにLi含有物を負極に添加し、負極電位が高いところでLiを分解しLiを正極に戻すプレドープを行っている(例えば特許文献6参照)。
また、サイクル特性改善のため、SiOx(0.8≦x≦1.5、粒径範囲=1μm〜50μm)と炭素材を混合し高温焼成している(例えば特許文献7参照)。また、サイクル特性改善のために、負極活物質中におけるケイ素に対する酸素のモル比を0.1〜1.2とし、活物質と集電体との界面近傍における、ケイ素量に対する酸素量のモル比の最大値と最小値との差が0.4以下となる範囲で活物質の制御を行っている(例えば、特許文献8参照)。また、電池負荷特性を向上させるため、リチウムを含有した金属酸化物を用いている(例えば特許文献9参照)。また、サイクル特性を改善させるために、ケイ素材表層にシラン化合物などの疎水層を形成している(例えば、特許文献10参照)。
また、サイクル特性改善のため、酸化ケイ素を用い、その表層に黒鉛被膜を形成することで導電性を付与している(例えば、特許文献11参照)。この場合、特許文献11では、黒鉛被膜に関するラマンスペクトルから得られるシフト値に関して、1330cm−1及び1580cm−1にブロードなピークが現れるとともに、それらの強度比I1330/I1580が1.5<I1330/I1580<3である。
また、高い電池容量、サイクル特性の改善のため、二酸化ケイ素中に分散されたケイ素微結晶相を有する粒子を用いている(例えば、特許文献12参照)。また、過充電、過放電特性を向上させるために、ケイ素と酸素の原子数比を1:y(0<y<2)と制御したケイ素酸化物を用いている(例えば、特許文献13参照)。
特開2001−185127号公報 特開2002−042806号公報 特開2006−164954号公報 特開2006−114454号公報 特開2009−070825号公報 特表2013−513206号公報 特開2008−282819号公報 特開2008−251369号公報 特開2008−177346号公報 特開2007−234255号公報 特開2009−212074号公報 特開2009−205950号公報 特許第2997741号公報
上述のように、近年、電子機器に代表される小型のモバイル機器は高性能化、多機能化がすすめられており、その主電源である非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池は電池容量の増加が求められている。この問題を解決する1つの手法として、ケイ素材を主材として用いた負極からなる非水電解質二次電池の開発が望まれている。また、ケイ素材を用いた非水電解質二次電池は炭素材を用いた非水電解質二次電池と同等に近いサイクル特性が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、電池容量を増加させ、サイクル特性、電池初期効率及び負極作成時のスラリー安定性を向上させることが可能な非水電解質二次電池用負極活物質を提供することである。また、本発明は、その負極活物質を用いた非水電解質二次電池用負極、及びその負極を用いた非水電解質二次電池を提供することをも目的とする。また、本発明は、そのような負極に用いることができる非水電解質二次電池用負極活物質粒子の製造方法を提供することをも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、負極活物質粒子を有し、該負極活物質粒子はLi化合物が含まれるケイ素化合物(SiO:0.5≦x≦1.6)を有する非水電解質二次電池用負極活物質であって、前記負極活物質粒子は、1%分散液の25℃におけるpHが9以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質を提供する。
このような本発明の非水電解質二次電池用負極活物質に含まれる負極活物質粒子は、適度な導電性を持つ。さらに、この負極活物質粒子は、負極を作製するための水系スラリー作製時の、アルカリ成分を一部失活させているため、本発明の負極活物質を分散させた水系スラリーに添加するバインダーの粘度を適正値とすることができる。その結果、この水系スラリーから作製された負極は優れた容量維持率及び初回効率を発揮するものとなる。また、ケイ素化合物を主体とする負極活物質であるので、電池容量を大きくすることができる。
このとき、前記負極活物質粒子は、酸及びそのLi塩を含むものであることが好ましい。
負極活物質粒子が酸及びそのLi塩を含むことで、その負極活物質粒子の1%分散液におけるpHを容易にpH9以下とすることができる。
またこのとき、前記酸及びそのLi塩は、弱酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。
弱酸は、中和時の活物質へのダメージが少ないため、より優れた容量維持率および初回効率を発揮するものとなる。弱酸のLi塩は、中和の時に生成する。
このとき、前記酸及びそのLi塩は、カルボキシ基を有する高分子酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。
カルボキシ基を有する高分子酸は、中和時に活物質にまとわりつき、活物質中のLi化合物の溶出を抑えるため、より優れた容量維持率および初回効率を発揮するものとなる。
またこのとき、前記酸及びそのLi塩は、有機酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。
有機酸は、中和時に生成するLi化合物が水になじみやすく、良好なスラリーが得られるため、より優れた容量維持率および初回効率を発揮するものとなる。
このとき、前記酸およびそのLi塩は、前記ケイ素化合物に対し、2質量%以上25質量%以下の割合で含まれることが好ましい。
上記割合が2質量%以上であれば、容量維持率及び初回効率を向上させる効果が十分に得られる。上記割合が25質量%以下であれば、十分な中和が行われつつ負極のエネルギー密度を高く保つことができる。
またこのとき、前記ケイ素化合物は、少なくとも一部に炭素を含む炭素被膜で被覆されており、該炭素被膜が、ラマンスペクトル分析において、1330cm−1と1580cm−1に散乱ピークを有し、それらの強度比I1330/I1580が0.7<I1330/I1580<2.0を満たすことが好ましい。
ケイ素化合物が炭素被膜を有すれば、負極活物質粒子間の導電性を向上させることができるため、電池特性を向上させることができる。また、このような強度比I1330/I1580を有するものであれば、炭素被膜に含まれる、ダイヤモンド構造を有する炭素材とグラファイト構造を有する炭素材との割合を最適化することができ、容量維持率や初回効率などの電池特性を向上できる。
このとき、前記炭素被膜の含有率が、前記ケイ素化合物及び前記炭素被膜の合計に対し5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
このような割合で炭素被膜を有すれば、高容量のケイ素化合物を適切な割合で含むことができ十分な電池容量を確保することができる。
またこのとき、前記負極活物質粒子は、酸及びそのLi塩を含み、該酸及びそのLi塩が、前記炭素被膜の外周面から検出されることが好ましい。
負極活物質に含まれる酸及びそのLi塩は、負極中において、主にケイ素化合物周辺を中心に存在することが望ましい。ケイ素化合物に、より近い位置に存在すれば、電池特性を向上させる効果がより向上する。
このとき、前記ケイ素化合物が、その内部にLiSiO、LiSi、LiSiOのうち、少なくとも一種以上のLi化合物を含むものであることが好ましい。
リチウムの挿入、脱離時に不安定化するSiO成分部を予め、これらのようなLi化合物に改質させたケイ素化合物が含まれる負極活物質であれば、充電時に発生する不可逆容量を低減することができる。
またこのとき、前記負極活物質粒子が電気化学的手法を含む工程で作製されたものであることが好ましい。
このように、Li化合物が含まれるケイ素化合物を、電気化学的手法を含む工程により作製されたものとすることにより、安定したLi化合物を得ることができ、より電池特性を向上できる。
またこのとき、前記ケイ素化合物が、X線回折により得られる(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅(2θ)が1.2°以上であると共に、その結晶面に起因する結晶子サイズが7.5nm以下であることが好ましい。
このような半値幅及び結晶子サイズを有するケイ素化合物は結晶性の低いものである。このように結晶性が低くSi結晶の存在量が少ないケイ素化合物を用いることにより、電池特性を向上させることができる。
このとき、前記ケイ素化合物のメディアン径は0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。
このようなメディアン径のケイ素化合物を含む負極活物質であれば、容量維持率を向上させることができる。
また、本発明は、上記のいずれかの非水電解質二次電池用負極活物質、及び炭素系活物質を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極を提供する。
このような非水電解質二次電池用負極であれば、負極の容量を増やしつつ、初回効率、容量維持率を向上することができる。
このとき、前記炭素系活物質と前記ケイ素化合物の総量に対する、前記ケイ素化合物の割合が5質量%以上のものであることが好ましい。
このような負極であれば、電池の体積エネルギー密度を向上させることができるものとなる。
また、本発明は、上記のいずれかの非水電解質二次電池用負極を用いたものであることを特徴とする非水電解質二次電池を提供する。
本発明の負極を用いた非水電解質二次電池は、高容量で、かつサイクル特性及び初回効率が良好なものとなる。
また、本発明は、非水電解質二次電池用負極材に含まれる負極活物質粒子の製造方法であって、SiO(0.5≦x≦1.6)で表されるケイ素化合物を作製する工程と、前記ケイ素化合物にLiを挿入することにより、該ケイ素化合物の表面若しくは内部又はその両方にLi化合物を生成させて該ケイ素化合物を改質する工程と、該改質後のケイ素化合物を酸で処理することで、1%分散液の25℃におけるpHを9以下に制御する工程とにより前記負極活物質粒子を製造することを特徴とする負極活物質粒子の製造方法を提供する。
このような工程を有する負極活物質粒子の製造方法により、電池容量を増加させ、サイクル特性及び電池初期効率を向上させることが可能な、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質に含まれる負極活物質粒子を安定して得ることができる。
前記ケイ素化合物を改質する工程を電気化学的手法により行うことが好ましい。
ケイ素化合物の改質に電気化学的手法を用いれば、より安定したLi化合物を得ることができ、より電池特性を向上できる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、負極活物質粒子が、適度な導電性を持つ。さらに、負極を作製するための水系スラリー作製時の、アルカリ成分を一部失活させているので、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を分散させた水系スラリーに添加するバインダーの粘度を適正値とすることができる。従って、この水系スラリーから作製された負極は優れた容量維持率及び初回効率を発揮するものとなる。さらに、ケイ素化合物を主体とする負極活物質であるので、電池容量を大きくすることができる。また、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を使用した負極及びその負極を使用した二次電池においても同様の特性を得ることができる。また、本発明の二次電池を用いた電子機器、電動工具、電気自動車及び電力貯蔵システム等でも同様の効果を得ることができる。
また、本発明の負極活物質粒子の製造方法により、上記の負極活物質粒子を安定して得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極の構成の一例を表す断面図である。 本発明の非水電解質二次電池用負極に含まれるケイ素化合物を製造する際に用いるバルク改質装置の簡易図である。 本発明の非水電解質二次電池用負極を用いた二次電池(ラミネートフィルム型)の構成の一例を表す分解図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
前述のように、非水電解質二次電池の電池容量を増加させる1つの手法として、ケイ素材を主材として用いた負極を非水電解質二次電池の負極として用いることが検討されている。
このケイ素材を用いた非水電解質二次電池は、炭素材を用いた非水電解質二次電池と同等に近いサイクル特性が望まれているが、炭素材を用いた非水電解質二次電池と同等のサイクル安定性を示す負極材は提案されていなかった。また、特に酸素を含むケイ素化合物は、炭素材と比較し初回効率が低いため、その分電池容量の向上は限定的であった。
そこで、発明者らは、非水電解質二次電池の負極に用いた際に、良好なサイクル特性および初回効率が得られる負極活物質について鋭意検討を重ね、本発明に至った。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、負極活物質粒子を有し、該負極活物質粒子はLi化合物が含まれるケイ素化合物(SiO:0.5≦x≦1.6)を有する。ささらに、この負極活物質粒子は、1%分散液の25℃におけるpHが9以下である。本発明の活物質に含まれる負極活物質粒子は、適度な導電性を持つとともに、負極を作製するための水系スラリー中におけるアルカリ成分を一部失活させる。そのため、本発明の負極活物質を分散させた水系スラリーに添加するバインダーの粘度を適正値とすることができ、この水系スラリーから作製された負極は優れた容量維持率及び初回効率を発揮するものとなる。また、ケイ素化合物を主体とする負極活物質であるので、電池容量を大きくすることができる。
<1.非水電解質二次電池用負極>
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質を用いた非水電解質二次電池用負極について説明する。図1は、本発明の一実施形態における非水電解質二次電池用負極(以下、単に「負極」と称することがある。)の断面構成を表している。
[負極の構成]
図1に示したように、負極10は、負極集電体11の上に負極活物質層12を有する構成になっている。この負極活物質層12は負極集電体11の両面、又は、片面だけに設けられていても良い。さらに、本発明の負極活物質が用いられたものであれば、負極集電体11はなくてもよい。
[負極集電体]
負極集電体11は、優れた導電性材料であり、かつ、機械的な強度に長けた物で構成される。負極集電体11に用いることができる導電性材料として、例えば銅(Cu)やニッケル(Ni)があげられる。この導電性材料は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しない材料であることが好ましい。
負極集電体11は、主元素以外に炭素(C)や硫黄(S)を含んでいることが好ましい。負極集電体の物理的強度が向上するためである。特に、充電時に膨張する活物質層を有する場合、集電体が上記の元素を含んでいれば、集電体を含む電極変形を抑制する効果があるからである。上記の含有元素の含有量は、特に限定されないが、中でも、100ppm以下であることが好ましい。より高い変形抑制効果が得られるからである。
負極集電体11の表面は、粗化されていても、粗化されていなくても良い。粗化されている負極集電体は、例えば、電解処理、エンボス処理、又は化学エッチングされた金属箔などである。粗化されていない負極集電体は例えば、圧延金属箔などである。
[負極活物質層]
負極活物質層12は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な複数の負極活物質粒子を含んでおり、電池設計上、さらに負極結着剤や導電助剤など、他の材料を含んでいても良い。本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、この負極活物質層12を構成する材料となる。
上述のように、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、Li化合物が含まれるケイ素化合物(SiO:0.5≦x≦1.6)を有する負極活物質粒子を含む。さらに、本発明の負極活物質が有する負極活物質粒子は、1%分散液の25℃におけるpHが9以下である。また、本発明において、負極活物質粒子の1%分散液の25℃におけるpHは、3以上9以下が好ましく、8以上9以下であることがより好ましい。pHが9より大きいと、負極を作製するためのスラリーに含まれるバインダーの粘度が適正値から外れてしまい、スラリーの塗工性が悪化し、このスラリーを使用した負極のサイクル特性が悪化する。また、pHが3以上であれば、ケイ素化合物中のLi分の脱離を抑制できるので、初回効率を向上させられる。
本発明における負極活物質粒子は、上記のように、リチウムイオンを吸蔵、放出可能なケイ素化合物を含有している。このケイ素化合物に含まれるLi化合物は、ケイ素化合物の表面又は内部若しくはその両方に含まれていても良い。
本発明の負極活物質が有する負極活物質粒子はケイ素化合物(SiO:0.5≦x≦1.6)を含有している酸化ケイ素材を有し、ケイ素化合物の組成としてはxが1に近い方が好ましい。これは、高いサイクル特性が得られるからである。本発明におけるケイ素材組成は必ずしも純度100%を意味しているわけではなく、微量の不純物元素を含んでいても良い。
本発明の負極活物質粒子が有するLi化合物が含まれるケイ素化合物は、ケイ素化合物の内部に生成するSiO成分の一部をLi化合物へ選択的に変更することにより得ることができる。このような選択的化合物の作成方法、即ち、ケイ素化合物の改質は、電気化学法により行うことが好ましい。
電気化学法による改質(バルク内改質)方法を用いて負極活物質粒子を製造することで、Si領域へのLi化合物化を低減、又は避けることが可能であり、大気中、又は水系スラリー中、溶剤スラリー中で安定した物質となる。また、電気化学的手法により改質を行うことにより、ランダムに化合物化する熱改質(熱ドープ法)等よりも安定した物質を作ることが可能である。
本発明では、ケイ素化合物が、その内部にLiSiO、LiSi、LiSiOのうち、少なくとも一種以上のLi化合物を含むものであることが好ましい。ケイ素化合物のバルク内部に生成したLiSiO、LiSi、LiSiOは少なくとも1種以上存在することで特性向上となるが、より特性向上となるのは2種以上の共存状態である。
また、本発明において、ケイ素化合物の表面にLiF、LiCO、LiO、及びLiOHのうちの少なくとも1つのLi化合物が存在することが好ましい。
これらの選択的化合物は、電気化学的手法において、リチウム対極に対する電位規制や電流規制などを行い、条件を変更することで作製が可能となる。Li化合物は、NMR(核磁気共鳴)とXPS(X線光電子分光)で定量可能である。XPSとNMRの測定は、例えば、以下の条件により行うことができる。
XPS
・装置: X線光電子分光装置、
・X線源: 単色化Al Kα線、
・X線スポット径: 100μm、
・Arイオン銃スパッタ条件: 0.5kV 2mm×2mm。
29Si MAS NMR(マジック角回転核磁気共鳴)
・装置: Bruker社製700NMR分光器、
・プローブ: 4mmHR−MASローター 50μL、
・試料回転速度: 10kHz、
・測定環境温度: 25℃。
また、本発明において、負極活物質粒子は、酸及びそのLi塩を含むものであることが好ましい。負極を作製するための水系スラリー中において、負極活物質中に含まれた酸により、アルカリ成分を一部失活させることができる。そのため、本発明の負極活物質を分散させた水系スラリーに添加するバインダーの粘度を適正値とすることができる。なお、酸のLi塩は、酸のLi共役塩と称することもある。
この酸及びそのLi塩は、弱酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。アルカリ成分を中和する際に、弱酸の方が中和時の活物質へのダメージが少ないためである。ここでの弱酸とは水溶液中で一部が解離しない酸であり、水中のpKaがpKa>0のものを指す。具体的にはリン酸、酢酸、ポリアクリル酸等である。強酸とは、水溶液中で実質的に完全に解離して水素イオンを与える酸であり、具体的には塩酸などである。
さらに、酸及びそのLi塩は、有機酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。これは中和時に生成するLi化合物が水になじみやすくなり、良好なスラリーが得られるためである。
さらに、酸及びそのLi塩は、カルボキシ基を有する高分子酸及びそのLi塩を含むことが好ましい。これは、高分子酸が中和時に活物質にまとわりつき、負極活物質中のLi化合物の溶出を抑えることができるためである。
本発明において、上記のような表面又は内部若しくはその両方にLi化合物を含むケイ素化合物に酸及びそのLi塩を含ませることで、水系スラリー作成時に、アルカリ成分を一部失活させているため、負極としたときに、優れた容量維持率および初回効率を発揮する。
負極活物質粒子が酸およびそのLi塩を含む場合、酸およびそのLi塩は、ケイ素化合物に対し、2質量%以上25質量%以下の割合で含まれることが好ましい。この割合が2質量%以上であれば、容量維持率及び初回効率を向上させる効果が十分に得られる。上記割合が25質量%以下であれば、十分な中和が行われつつ負極のエネルギー密度を高く保つことができる。
負極活物質粒子に酸を含ませる方法としては、例えば、ケイ素化合物を水やエタノールなどのプロトン性溶媒に分散させ、そこに酸あるいはその水溶液等を加えていく方法、あるいはケイ素化合物と酸の粉末または液体を物理的に混合する方法等が挙げられる。
また、ケイ素化合物は、少なくとも一部に炭素被膜が形成されたものであることが好ましい。特に、この炭素被膜が、ラマンスペクトル分析において、1330cm−1と1580cm−1に散乱ピークを有し、それらの強度比I1330/I1580が0.7<I1330/I1580<2.0を満たすものであることが好ましい。ケイ素化合物が炭素被膜を有すれば、負極活物質粒子間の導電性を向上させることができるため、電池特性を向上させることができる。炭素被膜が強度比I1330/I1580を有するものであれば、炭素被膜に含まれる、ダイヤモンド構造を有する炭素材とグラファイト構造を有する炭素材との割合を最適化することができ、容量維持率や初回効率などの電池特性を向上できる。
炭素被膜の形成方法としては、黒鉛等の炭素材(炭素系化合物)によってケイ素化合物を被膜する方法を挙げることができる。
更に、炭素被膜の含有率が、ケイ素化合物及び前記炭素被膜の合計に対し5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
このように含有率が5質量%以上であれば、電気伝導性を確実に向上させることが可能である。また、含有率が20質量%以下であれば、電池特性が向上し、電池容量が大きくなる。これらの炭素系化合物の被覆手法は特に限定されないが、糖炭化法、炭化水素ガスの熱分解法が好ましい。これらの方法であれば、ケイ素化合物の表面における、炭素被膜の被覆率を向上させることができるからである。
ここで、ラマンスペクトル分析の詳細について以下に示す。顕微ラマン分析(即ち、ラマンスペクトル分析)で得られるラマンスペクトルにより、ダイヤモンド構造を有する炭素材(炭素被膜又は炭素系材料)とグラファイト構造を有する炭素材の割合を求めることができる。即ち、ダイヤモンドはラマンシフトが1330cm−1、グラファイトはラマンシフトが1580cm−1に鋭いピークを示し、その強度比により簡易的にダイヤモンド構造を有する炭素材とグラファイト構造を有する炭素材の割合を求めることができる。
ダイヤモンドは高強度、高密度、高絶縁性であり、グラファイトは電気伝導性に優れている。そのため、上記の強度比を満たす炭素材を表面に有するケイ素化合物は、上記のそれぞれの特徴が最適化され、結果として充放電時に伴う電極材料の膨張・収縮による電極破壊を防止でき、かつ導電ネットワークを有する負極活物質となる。
また、本発明において、負極活物質に含まれる酸及びそのLi塩は、負極中において、ケイ素化合物周辺に存在することが望ましい。特に、上記のようにケイ素化合物が炭素被膜を有する場合、酸及びそのLi塩が、炭素被膜の外周面から検出されることが好ましい。ケイ素化合物に、より近い位置に存在すれば、電池特性を向上させる効果がより向上する。
酸およびそのLi塩の所在の検出方法としては、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)、TOF−SIMS(飛行時間型二次イオン質量分析法)、顕微ラマン・IR測定などがあげられる。
本発明において、ケイ素化合物の結晶性は低いほどよい。具体的には、ケイ素化合物のX線回折により得られる(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅(2θ)が1.2°以上であるとともに、その結晶面に起因する結晶子サイズが7.5nm以下であることが望ましい。結晶性の低いケイ素化合物が存在することで、電池特性を向上させることができる。また、ケイ素化合物の内部又は表面若しくはその両方に安定的なLi化合物の生成を行うことができる。
ケイ素化合物のメディアン径は、特に限定されないが、0.5μm以上20μm以下であることが好ましい。この範囲であれば、充放電時においてリチウムイオンの吸蔵放出がされやすくなるとともに、粒子が割れにくくなるからである。メディアン径が0.5μm以上であれば表面積が増加することがないため、電池不可逆容量を低減することができる。一方、メディアン径が20μm以下であれば、粒子が割れにくく、新生面が出にくいため好ましい。なお、メディアン径の測定における測定環境の温度は25℃としている。
負極活物質層には、負極活物質の他に、負極導電助剤を含んでいても良い。負極導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、鱗片状黒鉛等の黒鉛、ケチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどのうちいずれか1種以上があげられる。これらの導電助剤は、ケイ素化合物よりもメディアン径の小さい粒子状のものであることが好ましい。
本発明において、図1に示すような負極活物質層12は、本発明の負極活物質に加え、さらに、炭素材料(炭素系活物質)を含んでもよい。これにより、負極活物質層12の電気抵抗を低下させるとともに、充電に伴う膨張応力を緩和することが可能となる。この炭素系活物質は、例えば、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、カーボンブラック類などがある。
この場合、本発明の負極は、炭素系活物質とケイ素化合物の総量に対する、ケイ素化合物の割合が5質量%以上のものであることが好ましい。このような非水電解質二次電池用負極であれば、初回効率、容量維持率が低下することがない。また、この含有量の上限は、90質量%未満であることが好ましい。
負極活物質層12は、例えば塗布法で形成される。塗布法とは負極活物質粒子と上記した結着剤など、また必要に応じて導電助剤、炭素材料を混合したのち、有機溶剤や水などに分散させ塗布する方法である。
[負極の製造方法]
本発明の負極を製造する方法について説明する。まず、負極に使用する負極材に含まれる負極活物質粒子の製造方法を説明する。まず、SiO(0.5≦x≦1.6)で表されるケイ素化合物を作製する。次に、ケイ素化合物にLiを挿入することにより、該ケイ素化合物の表面若しくは内部又はその両方にLi化合物を生成させてケイ素化合物を改質する。その後、ケイ素化合物を酸で処理することで、1%分散液の25℃におけるpHを9以下に制御した負極活物質粒子を得る。このように、負極活物質粒子を製造した後に、負極活物質粒子を導電助剤、結着剤および溶媒と混合し、スラリーを得る。次に、スラリーを負極集電体の表面に塗布し、乾燥させて負極活物質層を形成する。
より具体的には、負極は、例えば、以下の手順により製造される。
まず、酸化珪素ガスを発生する原料を不活性ガスの存在下もしくは減圧下900℃〜1600℃の温度範囲で加熱し、酸化ケイ素ガスを発生させる。この場合、原料は金属珪素粉末と二酸化珪素粉末との混合であり、金属珪素粉末の表面酸素及び反応炉中の微量酸素の存在を考慮すると、混合モル比が、0.8<金属珪素粉末/二酸化珪素粉末<1.3の範囲であることが望ましい。粒子中のSi結晶子は仕込み範囲や気化温度の変更、また生成後の熱処理で制御される。発生したガスは吸着板に堆積される。反応炉内温度を100℃以下に下げた状態で堆積物を取出し、ボールミル、ジェットミルなどを用いて粉砕、粉末化を行う。
次に、得られた粉末材料の表層に炭素被膜を生成することができるが、この工程は必須ではない。
得られた粉末材料の表層に炭素被膜を生成する手法としては、熱分解CVDが望ましい。熱分解CVDは炉内にセットした酸化ケイ素粉末と炉内に炭化水素ガスを充満させ炉内温度を昇温させる。分解温度は特に限定しないが特に1200℃以下が望ましく、より望ましいのは950℃以下である。これは、活物質粒子の不均化を抑制することが可能であるからである。
熱分解CVDによって炭素被膜を生成する場合、例えば、炉内の圧力、温度を調節することによって、ラマンスペクトルにおいて所望のピーク強度比I1330/I1580を満たす炭素被膜を粉末材料の表層に形成することができる。
熱分解CVDで使用する炭化水素ガスは特に限定することはないが、C組成のうち3≧nが望ましい。製造コストを低くすることができ、分解生成物の物性が良いからである。
次に、粉末材料のバルク内の改質を行う。バルク内改質は電気化学的にLiを挿入・脱離し得ることが望ましい。特に装置構造を限定することはないが、例えば図2に示すバルク内改質装置20を用いて、バルク内改質を行うことができる。バルク内改質装置20は、有機溶媒23で満たされた浴槽27と、浴槽27内に配置され、電源26の一方に接続された陽電極(リチウム源、改質源)21と、浴槽27内に配置され、電源26の他方に接続された粉末格納容器25と、陽電極21と粉末格納容器25との間に設けられたセパレータ24とを有している。粉末格納容器25には、酸化ケイ素の粉末22が格納される。この時、炭素粒子を、ポリアクリル酸を介して酸化ケイ素の粉末22に接着させることでスムーズな改質が得られる。
上記のように、得られた改質粒子は、炭素被膜を含んでいなくても良い。ただし、バルク内改質処理において、より均一な制御を求める場合、電位分布の低減などが必要であり、炭素被膜が存在することが望ましい。
浴槽27内の有機溶媒23として、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ジフルオロメチルメチルなどを用いることができる。また、有機溶媒23に含まれる電解質塩として、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)などを用いることができる。
陽電極21はLi箔を用いてもよく、また、Li含有化合物を用いてもよい。Li含有化合物として、炭酸リチウム、酸化リチウム、コバルト酸リチウム、オリビン鉄リチウム、ニッケル酸リチウム、リン酸バナジウムリチウムなどがあげられる。
改質後のケイ素化合物を酸で処理する方法としては、例えば、ケイ素化合物を水やエタノールなどのプロトン性溶媒に分散させ、そこに酸あるいはその水溶液等を加えていく方法、あるいはケイ素化合物と酸の粉末または液体を物理的に混合する方法等が挙げられる。
また、ケイ素化合物よりメディアン径の小さい炭素系材料を導電助剤として添加する場合、例えば、アセチレンブラックを選択して添加することができる。
また、負極集電体が炭素及び硫黄を90ppm以下含んでいれば、より高い電池特性の向上効果を得ることができる。
<2.リチウムイオン二次電池>
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
[ラミネートフィルム型二次電池の構成]
図3に示すラミネートフィルム型二次電池30は、主にシート状の外装部材35の内部に巻回電極体31が収納されたものである。この巻回体は正極、負極間にセパレータを有し、巻回されたものである。また正極、負極間にセパレータを有し積層体を収納した場合も存在する。どちらの電極体においても、正極に正極リード32が取り付けられ、負極に負極リード33が取り付けられている。電極体の最外周部は保護テープにより保護されている。
正負極リードは、例えば外装部材35の内部から外部に向かって一方向で導出されている。正極リード32は、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成され、負極リード33は、例えば、ニッケル、銅などの導電性材料により形成される。
外装部材35は、例えば融着層、金属層、表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムであり、このラミネートフィルムは融着層が電極体31と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外周縁部同士が融着、又は接着剤などで張り合わされている。融着部は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムであり、金属部はアルミ箔などである。保護層は例えば、ナイロンなどである。
外装部材35と正負極リードとの間には、外気侵入防止のため密着フィルム34が挿入されている。この材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン樹脂である。
[正極]
正極は、例えば、図1の負極10と同様に、正極集電体の両面又は片面に正極活物質層を有している。
正極集電体は、例えば、アルミニウムなどの導電性材により形成されている。
正極活物質層は、リチウムイオンの吸蔵放出可能な正極材のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、設計に応じて結着剤、導電助剤、分散剤などの他の材料を含んでいても良い。この場合、結着剤、導電助剤に関する詳細は、例えば既に記述した負極結着剤、負極導電助剤と同様である。
正極材料としては、リチウム含有化合物が望ましい。このリチウム含有化合物は、例えばリチウムと遷移金属元素からなる複合酸化物、又はリチウムと遷移金属元素を有するリン酸化合物があげられる。これら記述される正極材の中でもニッケル、鉄、マンガン、コバルトの少なくとも1種以上を有する化合物が好ましい。これらの化学式として、例えば、LiあるいはLiPOで表される。式中、M、Mは少なくとも1種以上の遷移金属元素を示す。x、yの値は電池充放電状態によって異なる値を示すが、一般的に0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10で示される。
リチウムと遷移金属元素とを有する複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、リチウムと遷移金属元素とを有するリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−uMnPO(0<u<1))などが挙げられる。これらの正極材を用いれば、高い電池容量が得られるとともに、優れたサイクル特性も得られるからである。
[負極]
負極は、上記した図1のリチウムイオン二次電池用負極10と同様の構成を有し、例えば、集電体11の両面に負極活物質層12を有している。この負極は、正極活物質剤から得られる電気容量(電池として充電容量)に対して、負極充電容量が大きくなることが好ましい。負極上でのリチウム金属の析出を抑制することができるためである。
正極活物質層は、正極集電体の両面の一部に設けられており、負極活物質層も負極集電体の両面の一部に設けられている。この場合、例えば、負極集電体上に設けられた負極活物質層は対向する正極活物質層が存在しない領域が設けられている。安定した電池設計を行うためである。
非対向領域、即ち、上記の負極活物質層と正極活物質層とが対向しない領域では、充放電の影響をほとんど受けることが無い。そのため負極活物質層の状態が形成直後のまま維持される。これによって負極活物質の組成など、充放電の有無に依存せずに再現性良く組成などを正確に調べることができる。
[セパレータ]
セパレータは正極と負極を隔離し、両極接触に伴う電流短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータは、例えば合成樹脂、あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種以上の多孔質膜が積層された積層構造を有しても良い。合成樹脂として例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどが挙げられる。
[電解液]
活物質層の少なくとも一部、又はセパレータには液状の電解質(電解液)が含浸されている。この電解液は、溶媒中に電解質塩が溶解されており、添加剤など他の材料を含んでいても良い。
溶媒は、例えば非水溶媒を用いることができる。非水溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、1,2−ジメトキシエタン、又はテトラヒドロフランが挙げられる。
この中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種以上を用いることが望ましい。より良い特性が得られるからである。またこの場合、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなどの高粘度溶媒と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒を組み合わせるとより優位な特性を得ることができる。これは、電解質塩の解離性やイオン移動度が向上するためである。
溶媒添加物として、不飽和炭素結合環状炭酸エステルを含んでいることが好ましい。充放電時に負極表面に安定な被膜が形成され、電解液の分解反応が抑制できるからである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルとして、例えば炭酸ビニレン又は炭酸ビニルエチレンなどがあげられる。
また溶媒添加物として、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいることが好ましい。電池の化学的安定性が向上するからである。スルトンとしては、例えばプロパンスルトン、プロペンスルトンが挙げられる。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性が向上するからである。酸無水物としては、例えば、プロパンジスルホン酸無水物が挙げられる。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種類以上含むことができる。リチウム塩として、例えば、次の材料があげられる。六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)などが挙げられる。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.5mol/kg以上2.5mol/kg以下であることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
[ラミネートフィルム型二次電池の製造方法]
最初に上記した正極材を用い正極電極を作製する。まず、正極活物質と、必要に応じて結着剤、導電助剤などを混合し正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させ正極合剤スラリーとする。続いて、ナイフロールまたはダイヘッドを有するダイコーターなどのコーティング装置で正極集電体に合剤スラリーを塗布し、熱風乾燥させて正極活物質層を得る。最後に、ロールプレス機などで正極活物質層を圧縮成型する。この時、加熱を行っても良い。また、圧縮、加熱を複数回繰り返しても良い。
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極10の作製と同様の作業手順を用い、負極集電体に負極活物質層を形成し負極を作製する。
正極及び負極を上記した同様の作製手順により作製する。この場合、正極及び負極集電体の両面にそれぞれの活物質層を形成することができる。この時、どちらの電極においても両面部の活物質塗布長がずれていても良い(図1を参照)。
続いて、電解液を調整する。続いて、超音波溶接などにより、正極集電体に正極リード32を取り付けると共に、負極集電体に負極リード33を取り付ける。続いて、正極と負極とをセパレータを介して積層、又は巻回させて巻回電極体を作成し、その最外周部に保護テープを接着させる。次に、扁平な形状となるように巻回体を成型する。続いて、折りたたんだフィルム状の外装部材35の間に巻回電極体を挟み込んだ後、熱融着法により外装部材の絶縁部同士を接着させ、一方向のみ解放状態にて、巻回電極体を封入する。正極リード32、及び負極リード33と外装部材35の間に密着フィルム34を挿入する。解放部から上記調整した電解液を所定量投入し、真空含浸を行う。含浸後、解放部を真空熱融着法により接着させる。
以上のようにして、ラミネートフィルム型二次電池30を製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
以下の手順により、図3に示したラミネートフィルム型の二次電池30を作製した。
最初に正極を作製した。正極活物質はリチウムコバルト複合酸化物であるLiCoOを95質量部と、正極導電助剤2.5質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン:Pvdf)2.5質量部とを混合し正極合剤とした。続いて正極合剤を有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン:NMP)に分散させてペースト状のスラリーとした。続いてダイヘッドを有するコーティング装置で正極集電体の両面にスラリーを塗布し、熱風式乾燥装置で乾燥した。この時正極集電体は厚み15μmを用いた。最後にロールプレスで圧縮成型を行った。
次に負極を作成した。負極活物質を作製するため、まず金属ケイ素と二酸化ケイ素を混合した原料(気化出発材とも称する)を反応炉へ設置し、10Paの真空で堆積し、十分に冷却した後、堆積物を取出しボールミルで粉砕した。粒径を調整した後、熱分解CVDを行うことで炭素被膜を得た。作成した粉末はプロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートの1:1混合溶媒(六フッ化リン酸リチウム:LiPFを1.3mol/kg含む)中で電気化学法を用いバルク改質を行った。続いて、改質後のケイ素化合物を、ポリアクリル酸スラリーに浸して酸処理した。次に、酸処理後のケイ素化合物を減圧下で乾燥処理した。
酸処理及び乾燥後のケイ素化合物は、内部にLiSiO、LiSiOを含み、その表層には炭酸リチウム(LiCO)が含まれていた。ケイ素化合物SiOのxの値は0.5、ケイ素化合物のメディアン径D50は5μmであった。また、ケイ素化合物は、X線回折により得られる(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅(2θ)が1.85°であり、その結晶面(111)に起因する結晶子サイズは4.62nmであった。また、炭素被膜の含有率は、ケイ素化合物及び炭素被膜の合計に対し5質量%、炭素被膜の膜厚は100nm、炭素被膜のケイ素化合物表面における被覆率は80%であった。また、炭素被膜を被覆されたケイ素化合物を有する負極活物質粒子の1%分散液の25℃におけるpHは8.5であった。負極活物質粒子に含まれる酸及びそのLi塩は、Li共役塩を含むポリアクリル酸であり、その濃度はケイ素化合物に対し10質量%の割合で含まれていた。
なお、pHの測定に使用した負極活物質粒子の1%分散液は、ポリアクリル酸による酸処理及び乾燥後のケイ素系化合物の粉末の一部を精製水に混合し、2分振り混ぜて作製した。そして、作製後、10分静置してから、pH測定を行った。pH測定器は堀場製作所製F−71を用い、pH測定前に標準溶液で校正を行った。
続いて、負極活物質粒子(上記ポリアクリル酸による酸処理及び乾燥後のケイ素系化合物の粉末)と負極結着剤1(ポリアクリル酸(以下、PAAとも称する))、負極結着剤2(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(以下、CMC−Naとも称する))、負極結着剤3(スチレンブタジエンゴム(以下、SBRとも称する))、導電助剤1(鱗片状黒鉛)、導電助剤2(アセチレンブラック)、導電助剤3(カーボンナノチューブ)とを91:1:2.5:2.5:1:0.5:1.5の乾燥質量比で混合したのち、水で希釈してペースト状の負極合剤スラリーとした。負極結着剤として用いたポリアクリル酸の溶媒としては、水を用いた。続いて、コーティング装置で負極集電体の両面に負極合剤スラリーを塗布してから乾燥させた。この負極集電体としては、電解銅箔(厚さ=15μm)を用いた。最後に、真空雰囲気中90℃で1時間焼成した。これにより、負極活物質層が形成される。
次に、溶媒(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、エチレンカーボネート(EC)及びジメチルカーボネート(DMC))を混合したのち、電解質塩(六フッ化リン酸リチウム:LiPF)を溶解させて電解液を調製した。この場合には、溶媒の組成を体積比でFEC:EC:DMC=10:20:70とし、電解質塩の含有量を溶媒に対して1.0mol/kgとした。
次に、以下のようにして二次電池を組み立てた。最初に、正極集電体の一端にアルミリードを超音波溶接し、負極集電体にはニッケルリードを溶接した。続いて、正極、セパレータ、負極、セパレータをこの順に積層し、長手方向に巻回させ巻回電極体を得た。その捲き終わり部分をPET保護テープで固定した。セパレータは多孔性ポリプロピレンを主成分とするフィルムにより多孔性ポリエチレンを主成分とするフィルムに挟まれた積層フィルム12μmを用いた。続いて、外装部材間に電極体を挟んだのち、一辺を除く外周縁部同士を熱融着し、内部に電極体を収納した。外装部材はナイロンフィルム、アルミ箔及び、ポリプロピレンフィルムが積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。続いて、開口部から調整した電解液を注入し、真空雰囲気下で含浸した後、熱融着し封止した。
(実施例1−2〜1−5、比較例1−1、比較例1−2)
ケイ素化合物のバルク内酸素量を調整したことを除き、実施例1−1と同様に、二次電池の製造を行った。この場合、気化出発材の比率や温度を変化させることで、酸素量を調整した。実施例1−1〜1−5、比較例1−1、1−2における、SiOで表されるケイ素化合物のxの値を表1中に示した。
実施例1−1〜1−5、比較例1−1、1−2の二次電池のサイクル特性(維持率%)、及び初回充放電特性(初回効率%)を調べたところ、表1に示した結果が得られた。
サイクル特性については、以下のようにして調べた。最初に電池安定化のため25℃の雰囲気下、2サイクル充放電を行い、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて総サイクル数が100サイクルとなるまで充放電を行い、その都度放電容量を測定した。最後に100サイクル目の放電容量を2サイクル目の放電容量で割り、%表示のため100を掛け、容量維持率(以下では単に維持率と呼ぶ場合もある)を算出した。サイクル条件として、4.3Vに達するまで定電流密度、2.5mA/cmで充電し、4.3Vの電圧に達した段階で4.3V定電圧で電流密度が0.25mA/cmに達するまで充電した。また放電時は2.5mA/cmの定電流密度で電圧が3.0Vに達するまで放電した。
初回充放電特性を調べる場合には、初回効率(以下では初期効率と呼ぶ場合もある)を算出した。初回効率は、初回効率(%)=(初回放電容量/初回充電容量)×100で表される式から算出した。雰囲気温度は、サイクル特性を調べた場合と同様にした。充放電条件はサイクル特性の0.2倍で行った。すなわち、4.3Vに達するまで定電流密度、0.5mA/cmで充電し、電圧が4.3Vに達した段階で4.3V定電圧で電流密度が0.05mA/cmに達するまで充電し、放電時は0.5mA/cmの定電流密度で電圧が3.0Vに達するまで放電した。
下記表1から表7に示される維持率及び初回効率は、天然黒鉛(例えば平均粒径20μm)等の炭素系活物質を含有せず、炭素被膜を有するケイ素化合物のみを負極活物質として使用した場合の維持率及び初回効率、すなわち、ケイ素系化合物の維持率及び初回効率を示す。これにより、ケイ素系化合物の変化(酸素量、含まれるLi化合物、含まれる酸及びそのLi塩、pH、結晶性、メディアン径の変化)又は炭素被膜の含有率の変化のみに依存した維持率及び初回効率の変化を測定することができた。
Figure 2016066506
表1に示すように、SiOxで表わされるケイ素化合物において、xの値が、0.5≦x≦1.6の範囲外の場合、電池特性が悪化した。例えば、比較例1−1に示すように、酸素が十分にない場合(x=0.3)初回効率が向上するが、容量維持率が著しく悪化する。一方、比較例1−2に示すように、酸素量が多い場合(x=1.8)導電性の低下が生じ維持率、初回効率とも低下した。
(実施例2−1〜実施例2−6、比較例2−1)
基本的に実施例1−3と同様に二次電池の製造を行ったが、SiOxで表わされるケイ素化合物において、Liドープ処理(バルク内改質)の条件、すなわち、Liドープの処理方法を変化させ、含まれるLi化合物種を変化させた。実施例2−1〜実施例2−6、比較例2−1の二次電池のサイクル特性及び初回充放電特性を調べたところ、表2に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表2に示すように、実施例2−1〜2−6のLi化合物を含むケイ素化合物は、比較例2−1のLi化合物を含まないケイ素化合物に比べて、良好な容量維持率および初回効率を有する。また、Li化合物として、特にLiCO、LiSiO、LiSiOなどを含むことが望ましく、これらのLi化合物をより多くの種類含むことが、サイクル特性及び容量維持率を向上させるため望ましい。
(実施例3−1〜実施例3−5、比較例3−1、比較例3−2)
ケイ素化合物に含まれる酸及びLi塩を表3に示すように変化させたこと以外、実施例1−3と同様に二次電池の製造を行った。ケイ素化合物に含まれる酸及びLi塩は、ケイ素化合物に作用させる酸成分を変えることで変化させた。なお、比較例3−1では、ケイ素化合物の酸処理を行わず、ケイ素化合物に酸及びそのLi塩を含ませなかった。実施例3−1〜実施例3−5、比較例3−1、比較例3−2の二次電池のサイクル特性及び初回充放電特性を調べたところ、表3に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表3からわかるように、ケイ素化合物がLi化合物を含まない比較例2−1では、負極活物質粒子の、1%分散液の25℃におけるpHが9以下であっても、ケイ素化合物がLi化合物を含むものよりも電池特性が悪化してしまう。また、pHが9より大きい比較例3−1では、容量維持率が悪化した。ケイ素化合物が含有する酸及びそのLi共役塩を変化させたところ、酸処理しないものと比較し、酸を加える方が好ましく、弱酸、有機酸、カルボキシ基を有する高分子酸の順に、容量維持率及び初回効率の増加量が大きくなっていった。これは、弱酸で処理することで活物質の変質を防ぐことができ、有機酸を用いることでさらに水系スラリーへのなじみが向上し、カルボキシ基を持つ高分子酸を用いることでケイ素化合物表面の保護作用を持たせることが可能なためである。
(実施例4−1〜実施例4−8)
ケイ素化合物の結晶性を変化させた他は、実施例1−3と同様に二次電池の製造を行った。結晶性の変化はLiの挿入、脱離後の非大気雰囲気下の熱処理で制御可能である。実施例4−1〜4−8のケイ素系活物質の半値幅を表4に示した。実施例4−8では半値幅を20.221°と算出しているが、解析ソフトを用いフィッティングした結果であり、実質的にピークは得られていない。よって実施例4−8のケイ素系活物質は、実質的に非晶質であると言える。実施例4−1〜実施例4−8の二次電池のサイクル特性及び初回充放電特性を調べたところ、表4に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表4からわかるように、ケイ素化合物の結晶性を変化させたところ、それらの結晶性に応じて容量維持率及び初回効率が変化した。特にSi(111)面に起因する結晶子サイズ7.5nm以下の低結晶性材料で高い容量維持率となる。特に非結晶領域では最も良い容量維持率が得られる。
(実施例5−1〜実施例5−4)
ケイ素化合物のメディアン径を調節した他は、実施例1−3と同様に二次電池を製造した。メディアン径の調節はケイ素化合物の製造工程における粉砕時間、分級条件を変化させることによって行った。実施例5−1〜5−4の二次電池のサイクル特性、初回充放電特性を調べたところ、表5に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表5からわかるように、ケイ素化合物のメディアン径を変化させたところ、それに応じて維持率および初回効率が変化した。実施例5−1〜5−3に示すように、ケイ素化合物粒子のメディアン径が0.5μm〜20μmであると容量維持率及び初回効率がより高くなった。特に、メディアン径が4μm〜10μmである場合(実施例1−3、実施例4−3)、容量維持率の大きな向上がみられた。
(実施例6−1〜実施例6−5)
ケイ素化合物表面の炭素被膜の含有率(ケイ素化合物及び炭素被膜の合計に対する割合)、厚み(膜厚)、被覆率を変化させた以外は、実施例1−3と同様に二次電池の製造を行った。炭素被膜の含有率、厚み、被覆率の変化はCVD時間およびCVD時のケイ素化合物の粉の流動性を調節することで制御可能である。実施例6−1〜6−5の二次電池のサイクル特性、初回充放電特性を調べたところ、表6に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表6からわかるように、炭素被膜の含有率が、5質量%から20質量%の間で維持率、初回効率ともにより良い特性となる。炭素被膜の含有率が5質量%以上であればケイ素化合物の電子伝導性が良好となる。また、炭素被膜の含有率が20質量%以下であればイオン導電性が良好となる。従って、炭素被膜の含有率が上記範囲であれば、容量維持率、初回効率が良好な値となる。
(実施例7−1〜実施例7−3)
ケイ素化合物に含まれるポリアクリル酸及びそのLi塩の、ケイ素化合物に対する割合を変更したこと以外は、実施例1−3と同様と同様に二次電池の製造を行った。実施例7−1〜実施例7−3の二次電池のサイクル特性、初回充放電特性を調べたところ、表7に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表7からわかるように、ケイ素化合物に含まれるポリアクリル酸及びそのLi塩の濃度させたところ、それに応じて維持率及び初回効率が変化した。表7の実施例7−1〜7−3に示すように、ポリアクリル酸及びそのLi塩の割合が、ケイ素化合物に対し、2質量%以上25質量%以下であれば、良好な電池特性が得られる。この割合が、2質量%以上であれば、十分な電池特性の向上効果が得られ、25質量%以下であれば、中和を通り越して酸の量が増えすぎることがなく、負極のエネルギー密度が向上する。
(実施例8−1〜実施例8−5)
実施例8−1〜実施例8−5では、基本的に実施例1−3と同様に二次電池の製造を行ったが、負極活物質として、さらに、炭素系活物質(黒鉛)を加えた。ここでは、負極中の炭素系活物質材の含有量とケイ素化合物の含有量との比を90:10(質量比)に固定した。すなわち、炭素系活物質とケイ素化合物の総量に対する、ケイ素化合物の割合を10質量%とした。また、酸及びLi塩の分布部分は、負極活物質粒子を酸処理するタイミングを変化させることで変化させた。実施例8−1〜8−5の二次電池のサイクル特性、初回充放電特性を調べたところ、表8に示した結果が得られた。表8中には、酸及びそのLi塩の分布の中心を示した。
Figure 2016066506
表8からわかるように、負極活物質に含まれる酸及びそのLi共役塩は、負極中において、炭素被膜を有するケイ素化合物周辺を中心に存在する方が、容量維持率および初回効率が向上する。酸及びそのLi共役塩が炭素被膜を有するケイ素化合物に近い位置に存在するほど、容量維持率および初回効率の向上効果が大きくなる。特に、酸及びそのLi塩が、炭素被膜の外周面から検出されることが好ましいことがわかる。
(実施例9−1〜9−4)
ケイ素化合物の表面の炭素被膜の状態を変化させ、ラマンスペクトル分析における、1330cm−1と1580cm−1の散乱ピークの強度比I1330/I1580を変化させたこと除き、実施例8−1と同様に、二次電池の製造を行った。結果を表9に示す。なお、散乱ピークの強度比は、CVD時の温度およびガス圧力を変化させることによって行った。
実施例9−1〜9−4の二次電池のサイクル特性及び初回充放電特性を調べたところ、表9に示した結果が得られた。
Figure 2016066506
表9に示すように、ラマンスペクトル分析におけるI1330/I1580が2.0を下回る場合は、表面にI1330に由来する乱雑な結合様式をもつ炭素成分が多くなり過ぎず、電子伝導性が良好となるため、維持率、初回効率を向上できる。また、I1330/I1580の値が0.7より大きい場合は、表面におけるI1580に由来する黒鉛等の炭素成分が多くなり過ぎず、イオン電導性及び炭素被膜のケイ素化合物のLi挿入に伴う膨張への追随性が向上し、容量維持率を向上できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…負極、 11…負極集電体、 12…負極活物質層、
20…バルク内改質装置、 21…陽電極(リチウム源、改質源)、
22…ケイ素化合物の粉末、 23…有機溶媒、 24…セパレータ、
25…粉末格納容器、 26…電源、 27…浴槽、
30…リチウム二次電池(ラミネートフィルム型)、 31…電極体、
32…正極リード(正極アルミリード)、
33…負極リード(負極ニッケルリード)、 34…密着フィルム、
35…外装部材。

Claims (18)

  1. 負極活物質粒子を有し、該負極活物質粒子はLi化合物が含まれるケイ素化合物(SiO:0.5≦x≦1.6)を有する非水電解質二次電池用負極活物質であって、
    前記負極活物質粒子は、1%分散液の25℃におけるpHが9以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質。
  2. 前記負極活物質粒子は、酸及びそのLi塩を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  3. 前記酸及びそのLi塩は、弱酸及びそのLi塩を含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  4. 前記酸及びそのLi塩は、カルボキシ基を有する高分子酸及びそのLi塩を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  5. 前記酸及びそのLi塩は、有機酸及びそのLi塩を含むことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  6. 前記酸およびそのLi塩は、前記ケイ素化合物に対し、2質量%以上25質量%以下の割合で含まれることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  7. 前記ケイ素化合物は、少なくとも一部に炭素を含む炭素被膜で被覆されており、該炭素被膜が、ラマンスペクトル分析において、1330cm−1と1580cm−1に散乱ピークを有し、それらの強度比I1330/I1580が0.7<I1330/I1580<2.0を満たすことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  8. 前記炭素被膜の含有率が、前記ケイ素化合物及び前記炭素被膜の合計に対し5質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  9. 前記負極活物質粒子は、酸及びそのLi塩を含み、該酸及びそのLi塩が、前記炭素被膜の外周面から検出されることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  10. 前記ケイ素化合物が、その内部にLiSiO、LiSi、LiSiOのうち、少なくとも一種以上のLi化合物を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  11. 前記負極活物質粒子が電気化学的手法を含む工程で作製されたものであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  12. 前記ケイ素化合物が、X線回折により得られる(111)結晶面に起因する回折ピークの半値幅(2θ)が1.2°以上であると共に、その結晶面に起因する結晶子サイズが7.5nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  13. 前記ケイ素化合物のメディアン径は0.5μm以上20μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質、及び炭素系活物質を含むことを特徴とする非水電解質二次電池用負極。
  15. 前記炭素系活物質と前記ケイ素化合物の総量に対する、前記ケイ素化合物の割合が5質量%以上のものであることを特徴とする請求項14に記載の非水電解質二次電池用負極。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の非水電解質二次電池用負極を用いたものであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  17. 非水電解質二次電池用負極材に含まれる負極活物質粒子の製造方法であって、
    SiO(0.5≦x≦1.6)で表されるケイ素化合物を作製する工程と、
    前記ケイ素化合物にLiを挿入することにより、該ケイ素化合物の表面若しくは内部又はその両方にLi化合物を生成させて該ケイ素化合物を改質する工程と、
    該改質後のケイ素化合物を酸で処理することで、1%分散液の25℃におけるpHを9以下に制御する工程と
    により前記負極活物質粒子を製造することを特徴とする負極活物質粒子の製造方法。
  18. 前記ケイ素化合物を改質する工程を電気化学的手法により行うことを特徴とする請求項17に記載の負極活物質粒子の製造方法。
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