JP2011090947A - リチウムイオン二次電池およびリチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents
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Abstract
【課題】初回充放電特性およびサイクル特性を確保することが可能なリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】正極21および負極22と共に電解液を備え、正極21と負極22との間に設けられたセパレータ23に電解液が含浸されている。負極22は、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bを有している。負極活物質層22は、ケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子と、その表面を被覆する金属被覆材料とを含んでいる。X線回折により得られる負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下である。充放電時において、放電容量のロスが生じにくくなると共に、負極活物質層22Bが粉砕崩落しにくくなる。
【選択図】図4
【解決手段】正極21および負極22と共に電解液を備え、正極21と負極22との間に設けられたセパレータ23に電解液が含浸されている。負極22は、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bを有している。負極活物質層22は、ケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子と、その表面を被覆する金属被覆材料とを含んでいる。X線回折により得られる負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下である。充放電時において、放電容量のロスが生じにくくなると共に、負極活物質層22Bが粉砕崩落しにくくなる。
【選択図】図4
Description
本発明は、負極活物質層がケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子を含んでいるリチウムイオン二次電池用負極、およびそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
近年、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、電源として、電池、特に小型かつ軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
中でも、充放電反応としてリチウムイオンの吸蔵放出を利用するリチウムイオン二次電池は、大いに期待されている。鉛電池およびニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるからである。
リチウムイオン二次電池は、正極および負極と共に電解質を備えている。この負極は、負極集電体の上に負極活物質層を有しており、その負極活物質層は、充放電反応に関わる負極活物質を含んでいる。
負極活物質としては、炭素材料が広く用いられているが、最近では、電池容量のさらなる向上が求められていることから、ケイ素を用いることが検討されている。ケイ素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも格段に大きいため、電池容量の大幅な向上を期待できるからである。この場合には、ケイ素の単体に限らず、合金あるいは化合物なども検討されている。
ところが、負極活物質としてケイ素を用いると、電池容量が高くなる一方でいくつかの問題が生じる。具体的には、充放電時において負極活物質が激しく膨張収縮するため、負極活物質層が粉砕崩落しやすくなる。また、負極活物質の反応性が高いため、電解液の分解反応が生じやすくなる。
そこで、負極活物質としてケイ素を用いたリチウムイオン二次電池については、各種性能を向上させるためにさまざまな検討がなされている。
具体的には、サイクル寿命を向上させるために、負極活物質材料として球状のケイ素粉末(平均粒径=1nm〜100nm)を用いている(例えば、特許文献1参照。)。初期充電の過電圧を低くするために、活物質粒子の表面の少なくとも一部をリチウム化合物の形成能が低い金属材料で被覆している(例えば、特許文献2〜6参照。)。この場合には、さらに、活物質粒子の嵩密度、活物質層の空隙率、あるいは金属粒子の結晶子の平均粒径を規定したり、活物質層の上に炭素材料の粒子を含む層を設けている。サイクル寿命を向上させるために、ケイ素系材料からなる活物質層の上に、リチウム化合物の形成能が低い導電性材料からなる表面被覆層を設けている(例えば、特許文献7参照。)。充放電サイクル特性を向上させるために、ケイ素含有粒子(平均粒径(D50)=0.1μm〜10μm)の表面を金属薄膜で被覆したり(例えば、特許文献8参照。)、ケイ素を主体とする薄膜の表面に金属を含有させている(例えば、特許文献9参照。)。優れた充放電効率を得るために、ケイ素を含む反応部の表面に金属酸化物からなる被覆部が設けられた負極材料を用いている(例えば、特許文献10参照。)。電子伝導性を向上させるために、負極活物質層に強磁性金属を含有させている(例えば、特許文献11参照。)。この場合において、負極活物質層は磁化を有し、磁化曲線により得られる最大磁化の強さは0.0006T以上である。応力集中を緩和して特性を向上させるために、厚さ方向において濃度が増加したのちに減少するように負極活物質層中に金属元素を含有させている(例えば、特許文献12参照。)。
近年、ポータブル電子機器は益々高性能化および多機能化しているため、その消費電力は増大する傾向にある。これにより、リチウムイオン二次電池の充放電は頻繁に繰り返されるため、その初回充放電特性およびサイクル特性は低下しやすい状況にある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することが可能なリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体の上に負極活物質層を有し、その負極活物質層がケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子とその表面を被覆する金属被覆材料とを含むものである。X線回折により得られる負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下である。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極および負極と共に電解液を備え、その負極が上記したリチウムイオン二次電池用負極と構成を有するものである。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極あるいはリチウムイオン二次電池によれば、負極活物質層はケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子とその表面を被覆する金属被覆材料とを含んでいる。また、X線回折により得られる負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは5nm以上130nm以下である。よって、放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層が崩落しにくくなるため、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.リチウムイオン二次電池用負極
2.リチウムイオン二次電池
2−1.角型
2−2.円筒型
2−3.ラミネートフィルム型
1.リチウムイオン二次電池用負極
2.リチウムイオン二次電池
2−1.角型
2−2.円筒型
2−3.ラミネートフィルム型
<1.リチウムイオン二次電池用負極>
図1および図2は、本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池用負極である負極10の断面構成を表しており、図2では、図1に示した負極10の一部を拡大している。
図1および図2は、本発明の一実施形態のリチウムイオン二次電池用負極である負極10の断面構成を表しており、図2では、図1に示した負極10の一部を拡大している。
[負極の全体構成]
負極10は、図1に示したように、負極集電体1の上に負極活物質層2を有している。この負極活物質層2は、負極集電体1の両面に設けられていてもよいし、片面だけに設けられていてもよい。図2では、負極集電体1の片面における負極活物質層2だけを示している。
負極10は、図1に示したように、負極集電体1の上に負極活物質層2を有している。この負極活物質層2は、負極集電体1の両面に設けられていてもよいし、片面だけに設けられていてもよい。図2では、負極集電体1の片面における負極活物質層2だけを示している。
[負極集電体]
負極集電体1は、例えば、電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度に優れた導電性材料により形成されている。この導電性材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどが挙げられ、特に、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないと共に負極活物質層2と合金化する材料が好ましい。
負極集電体1は、例えば、電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度に優れた導電性材料により形成されている。この導電性材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどが挙げられ、特に、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないと共に負極活物質層2と合金化する材料が好ましい。
この負極集電体1の表面は、粗面化されていることが好ましい。いわゆるアンカー効果により、負極集電体1に対する負極活物質層2の密着性が向上するからである。粗面化の方法としては、例えば、電解処理あるいはサンドブラスト処理などが挙げられる。電解処理とは、電解槽中において電解法により金属箔などの表面に微粒子を形成し、その表面に凹凸を設ける方法である。電解法により作製された銅箔は、一般に「電解銅箔」と呼ばれている。
負極集電体1の表面の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、特に限定されないが、中でも、0.2μm以上であることが好ましい。負極集電体1に対する負極活物質層2の密着性がより高くなるため、充放電時において負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなるからである。なお、算術平均粗さRaが大きくなりすぎると、かえって負極活物質層2の密着性が低下する可能性があるため、算術平均粗さRaは0.4μm以下であることが好ましい。
[負極活物質層]
負極活物質層2は、図2に示したように、複数の負極活物質粒子201と共に金属被覆材料202を含んでいる。この負極活物質層2は、必要に応じて、さらに負極結着剤あるいは負極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
負極活物質層2は、図2に示したように、複数の負極活物質粒子201と共に金属被覆材料202を含んでいる。この負極活物質層2は、必要に応じて、さらに負極結着剤あるいは負極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
負極活物質粒子201は、リチウムイオンを吸蔵放出可能であり、ケイ素を構成元素として有している。エネルギー密度が高いため、高い電池容量が得られるからである。この負極活物質粒子201の構成材料は、ケイ素の単体、合金あるいは化合物であり、それらの2種類以上の混合物でもよいし、それらの1種類あるいは2種類以上の相を少なくとも一部に有する材料でもよい。
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の構成元素として以下の元素のうちのいずれか1種類あるいは2種類以上を有する材料が挙げられる。スズ(Sn)、ニッケル、銅、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)あるいはクロム(Cr)などである。
ケイ素の化合物としては、例えば、ケイ素以外の構成元素として酸素(O)あるいは炭素(C)を有する材料が挙げられる。なお、ケイ素の化合物は、例えば、ケイ素以外の構成元素として、ケイ素の合金について説明した一連の元素のうちのいずれか1種類あるいは2種類以上を有していてもよい。
ケイ素の合金あるいは化合物の一例としては、以下の材料が挙げられる。SiB4 、SiB6 、Mg2 Si、Ni2 Si、TiSi2 、MoSi2 、CoSi2 、NiSi2 、CaSi2 、CrSi2 、Cu5 Si、FeSi2 、MnSi2 、NbSi2 あるいはTaSi2 などである。また、VSi2 、WSi2 、ZnSi2 、SiC、Si3 N4 、Si2 N2 O、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<w≦2)あるいはLiSiOなどである。
なお、負極活物質層2は、ケイ素を構成元素として有する負極活物質粒子201を含んでいれば、リチウムイオンを吸蔵放出可能な他の材料(ケイ素を構成元素として有していない材料)を一緒に含んでいてもよい。
X線回折により得られる負極活物質粒子201の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下である。金属被覆材料202により被覆されているにも関わらずに負極活物質粒子201においてイオン拡散性が高くなるため、リチウムイオンを吸蔵放出しやすくなるからである。これにより、結晶子サイズが小さくても、リチウムイオンが円滑に吸蔵放出される。また、負極活物質粒子201の物理的強度が高くなるため、充放電時において膨張収縮しても破損(割れ等)しにくくなるからである。これにより、負極活物質粒子201においてリチウムイオンが出入りしやすくなるため、充放電を繰り返しても放電容量が低下しにくくなる。しかも、負極活物質粒子201の破損により活性面が生じにくくなる(反応面積が増大しにくくなる)ため、その活性面における電解液の分解反応が抑制される。
結晶子サイズについては、X線回折装置を用いて測定することができる。この結晶子サイズは、負極活物質粒子201だけを測定した場合に得られる値であり、金属被覆材料202により被覆された状態にある負極活物質粒子201を測定した場合に得られる値ではない。
負極活物質粒子201のメジアン径(D50)は、特に限定されないが、中でも、0.1μm以上30μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましい。充放電時において放電容量のロスが生じにくくなるからである。詳細には、メジアン径が大きすぎると、充放電時において大粒径の負極活物質粒子201が割れるため、高反応性の活性面(レアな表面)が生じやすくなる。これにより、活性面において副反応(例えば電解液の分解反応など)が生じるため、充放電を繰り返すにしたがって放電容量が低下する可能性がある。一方、メジアン径が小さすぎると、小粒径の負極活物質粒子201が過剰に存在するため、その負極活物質粒子201の総表面積が増加する。この場合には、上記した活性面と比べれば負極活物質粒子201の表面は反応性が低いとはいえ、その負極活物質粒子201の総表面積が大きくなればなるほど全体としての反応性は高くなる。これにより、負極活物質粒子201の表面全体では副反応が生じやすくなるため、充放電を繰り返すにしたがって放電容量が低下する可能性がある。メジアン径については、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
負極活物質粒子201の平均円形度は、特に限定されないが、中でも、0.3以上であることが好ましい。充放電時において負極活物質粒子201が膨張収縮しても、負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなるからである。また、複数の負極活物質粒子201が密集および接触しやすくなるため、負極活物質層2の電気伝導性が向上するからである。詳細には、平均円形度が小さすぎると、充放電時において負極活物質粒子201の膨張収縮方向が偏りやすくなるため、負極活物質層2の内部に歪みが生じる可能性がある。平均円形度については、粒子像解析装置を用いて測定することができる。
負極活物質粒子201のメジアン径は1.6μm以上6.2μm以下であると共に、そのメジアン径の算術標準偏差は3.1μm以下であることが好ましい。さらに、メジアン径は1.8μm以上2.5μm以下であることがより好ましく、算術標準偏差は0.6μm以上3.1μm以下であることがより好ましい。負極活物質粒子201の平均粒径が適切な大きさになると共に、その平均粒径の近傍に粒径分布が集中するため、負極活物質層2の電気抵抗が低くなると共に、負極活物質層2の物理的耐久性が向上するからである。詳細には、複数の負極活物質粒子201が粒子間の隙間(負極活物質粒子201が動けるスペース)を最小限に狭めると共に均一な大きさに揃えるように密集するため、負極活物質粒子201同士が接近しやすくなる。これにより、負極活物質層2の電気伝導性が高くなると共に、充放電時において負極活物質粒子201が膨張収縮しにくくなる。また、充放電時において負極活物質層2の内部に大きな歪みが生じにくいため、その負極活物質層2が歪みの影響を受けにくくなる。よって、充放電時において放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなる。なお、メジアン径および算術標準偏差については、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
ここで、負極活物質粒子201のメジアン径および算術標準偏差が及ぼす影響について、さらに整理しながら詳細に説明すると、以下の通りである。メジアン径が大きすぎると、上記したように、充放電時において負極活物質粒子201が割れるため、充放電を繰り返すにしたがって放電容量が低下してしまう。一方、メジアン径が小さすぎると、上記したように、負極活物質粒子201の総表面積が増加するため、充放電を繰り返すにしたがって放電容量が低下してしまう。また、算術標準偏差が大きすぎる(粒径が極端に大きな負極活物質粒子201と粒径が極端に小さな負極活物質粒子201とが混在している)と、負極活物質粒子201間において充放電時の膨張収縮量に大きな差異が生じる。これにより、負極活物質層2の内部に大きな歪みが生じるため、充放電時において負極活物質層2が粉砕崩落してしまう。
金属被覆材料202は、リチウムと合金化しない金属元素を構成元素として有しており、負極活物質粒子201の表面の少なくとも一部を被覆している。負極活物質粒子201同士が金属被覆材料202を介して結着されると共に、負極活物質粒子201と負極集電体1とが金属被覆材料202を介して結着されるため、負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなるからである。また、負極活物質粒子201同士が金属被覆材料202を介して接触しやすくなると共に、負極活物質粒子201と負極集電体1とが金属被覆材料202を介して接触しやすくなるため、負極活物質層2の電気伝導性が高くなるからである。さらに、高活性な負極活物質粒子201の表面が不活性な金属被覆材料202により保護されるため、負極活物質粒子201の表面における副反応の発生が抑制されるからである。
金属被覆材料202を構成する金属元素としては、例えば、銅、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、アルミニウムおよびクロムのうちのいずれか1種類あるいは2種類以上が挙げられる。この金属被覆材料202の構成材料は、金属単体でもよいし、合金でもよい。
中でも、上記した銅等の単体が好ましく、銅の単体がより好ましい。銅は延伸性に優れているため、充放電時において負極活物質粒子201が膨張収縮しても金属被覆材料202が破損しにくくなるからである。
金属被覆材料202同士は、接触あるいは結合(合金化など)していることが好ましい。負極活物質粒子201間の電気伝導性が高くなるからである。図2中に示したP1は、負極活物質粒子201同士が接触等している箇所を表している。
負極集電体1の近傍に位置する金属被覆材料202は、負極集電体1に接触あるいは結合(合金化など)していることが好ましい。負極活物質粒子201と負極集電体1との間の電気伝導性が高くなるからである。図2中に示したP2は、負極活物質粒子201が負極集電体1に接触等している箇所を表している。
金属被覆材料202の形成方法としては、特に限定されず、気相法あるいは液相法などが挙げられる。気相法は、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(chemical vapor deposition :CVD)法あるいはプラズマ化学気相成長法などである。液相法は、例えば、電解鍍金法あるいは無電解鍍金法などである。中でも、電解鍍金法あるいは無電解鍍金法が好ましい。鍍金膜は負極活物質粒子201の表面に沿って成長するため、その表面を広い範囲に渡って被覆するように金属被覆材料202が形成されやすいからである。また、複数の負極活物質粒子201を形成したのちに金属被覆材料202を形成する場合には、負極活物質粒子201間の隙間に鍍金膜が入り込みやすいからである。
この金属被覆材料202は、塗布法などにより負極活物質粒子201が負極集電体1の表面に定着される前にあらかじめ形成されていてもよいし、負極活物質粒子201が負極集電体1の表面に定着された後に事後的に形成されていてもよい。この金属被覆材料202の形成方法に関する詳細については、後述する。
金属被覆材料202の厚さ(平均厚さ)は、特に限定されないが、中でも、負極活物質粒子201のメジアン径に対して一定の関係にあることが好ましい。具体的には、負極活物質粒子201のメジアン径をD、金属被覆材料202の平均厚さをTとしたとき、比T/Dは、1/40以上1/1以下であることが好ましく、1/20以上1/2以下であることがより好ましい。負極活物質粒子201の表面が金属被覆材料により被覆されていても、リチウムイオンが吸蔵放出されやすくなるからである。また、負極活物質粒子201同士が金属被覆材料202を介して結着されやすくなるからである。さらに、電解液の分解反応が効果的に抑制されるからである。詳細には、比T/Dが小さすぎる(金属被覆材料202による被覆量が少なすぎる)と、結着性が低下すると共に副反応が生じやすくなる可能性がある。一方、比T/Dが大きすぎる(金属被覆材料202による被覆量が多すぎる)と、負極活物質粒子201におけるリチウムイオンの出入りが阻害されると共に抵抗が増大する可能性がある。
上記した金属被覆材料202の平均厚さは、以下のように測定される。まず、クロスセッションポリッシャを用いて負極活物質層2を切断し、その断面を露出させる。続いて、走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)などを用いて負極活物質層2の断面を観察する。最後に、負極活物質粒子201ごとに金属被覆材料202の厚さを測定したのち、その平均値を算出する。この場合には、測定数(n数)を10個とする。
特に、負極活物質層2は、負極活物質粒子201および金属被覆材料202と一緒に負極結着剤を含んでいることが好ましい。負極活物質粒子201同士の結着性、および負極活物質粒子201と負極集電体1との結着性がより向上するからである。負極結着剤としては、例えば、合成ゴムあるいは高分子材料などが挙げられる。合成ゴムは、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどである。高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリイミドなどであり、ポリイミドに限らずにイミド構造を有する材料でもよい。これらは単独でもよいし、2種類以上混合されてもよい。中でも、ポリフッ化ビニリデンあるいはポリイミドが好ましく、ポリイミドがより好ましい。高い結着性が得られると共に、ポリイミドでは高い耐熱性も得られるからである。
負極導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックあるいはケチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、2種類以上の混合物でもよい。なお、負極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属あるいは導電性高分子などでもよい。
[負極の製造方法]
負極10は、例えば、以下の手順により製造される。
負極10は、例えば、以下の手順により製造される。
負極活物質(複数の負極活物質粒子201)を準備する場合には、ボールミル、ビーズミルあるいはジェットミルなどを用いてシリコンウェハを粉砕したのち、マイクロスピンを用いて乾式分級する。この場合には、粉砕時間などの条件を変更すれば、負極活物質粒子201のメジアン径を調整可能である。また、粉砕後の粒子を減圧雰囲気中で焼成する場合には、必要に応じて減圧条件および焼成条件を変更すれば、負極活物質粒子201の結晶子サイズを調整可能である。
または、研磨装置などを用いてシリコンウェハの表面を切削研磨し、ケイ素の粒子を含む廃液を回収したのち、マイクロスピンを用いて乾式分級する。こののち、粒子の水分を除去してからフッ化水素(HF)を主成分とする混酸を用いて粒子を洗浄することが好ましい。粒径分布がシャープになるからである。この場合には、研磨条件などを変更すれば、負極活物質粒子201のメジアン径を調整可能である。
または、蒸着法、スパッタ法あるいはCVD法などを用いて銅箔の表面にケイ素を堆積したのち、硝酸などを用いて銅箔を溶解する。続いて、ボールミルなどを用いて堆積物を粉砕したのち、マイクロスピンを用いて乾式分級する。この場合には、粉砕時間および銅箔の表面粗さなどの条件を変更すれば、負極活物質粒子201のメジアン径を調整可能である。また、堆積時において、基盤温度、堆積速度、坩堝までの距離、あるいは真空度などの条件を変更すれば、負極活物質粒子201の結晶子サイズを調整可能である。
負極10を製造する場合には、最初に、電解鍍金法などを用いて負極活物質粒子201の表面を被覆するように鍍金膜を成長させて金属被覆材料202を形成する。続いて、金属被覆材料202により被覆された複数の負極活物質粒子201を溶剤に分散させてスラリーとする。最後に、電解銅箔などからなる負極集電体1にスラリーを塗布して乾燥させたのち、必要に応じて加熱および圧縮成型して負極活物質層2を形成する。図2では、スラリーの塗布前に金属被覆材料202を形成した場合を示している。
または、最初に、負極活物質粒子201を溶剤に分散させてスラリーとする。続いて、負極集電体1にスラリーを塗布して乾燥させたのち、必要に応じて加熱および圧縮成型する。最後に、電解鍍金法などを用いて負極活物質粒子201の表面を被覆するように金属被覆材料202を形成して負極活物質層2を形成する。
または、最初に、負極活物質粒子201を負極結着剤と混合したのち、溶剤に分散させてスラリーとする。続いて、負極集電体1にスラリーを塗布して乾燥させたのち、必要に応じて加熱および圧縮成型する。最後に、電解鍍金法などを用いて負極活物質粒子201の表面を被覆するように金属被覆材料202を形成して負極活物質層2を形成する。なお、あらかじめ金属被覆材料202が形成された負極活物質粒子201を用いて、それを負極結着剤と混合してもよい。
[本実施形態の作用および効果]
負極10によれば、負極活物質層2は、ケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子201と、その表面を被覆する金属被覆材料202とを含んでいる。また、X線回折により得られる負極活物質粒子201の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下である。よって、リチウムイオン二次電池に用いられた場合において放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなるため、初回充放電特性およびサイクル特性の確保に寄与することができる。
負極10によれば、負極活物質層2は、ケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子201と、その表面を被覆する金属被覆材料202とを含んでいる。また、X線回折により得られる負極活物質粒子201の(111)面に起因する結晶子サイズは、5nm以上130nm以下である。よって、リチウムイオン二次電池に用いられた場合において放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層2が粉砕崩落しにくくなるため、初回充放電特性およびサイクル特性の確保に寄与することができる。
特に、負極活物質粒子201のメジアン径が0.1μm以上30μm以下あるいは平均円形度が0.3以上であり、または比T/Dが1/40以上1/1以下であれば、より高い効果を得ることができる。また、負極集電体1の表面の算術平均粗さRaが0.2μm以上であり、あるいは負極活物質層2がポリフッ化ビニリデンあるいはポリイミドなどの負極結着剤を含んでいれば、より高い効果を得ることができる。さらに、負極活物質粒子201のメジアン径が1.6μm以上6.2μm以下であると共にそのメジアン径の算術標準偏差が3.1μm以下であれば、より高い効果を得ることができる。
<2.リチウムイオン二次電池>
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
次に、上記したリチウムイオン二次電池用負極を用いたリチウムイオン二次電池について説明する。
<2−1.角型>
図3および図4は角型二次電池の断面構成を表しており、図4では図3に示したIV−IV線に沿った断面を示している。また、図5は図4に示した正極21および負極22の平面構成を模式的に表している。
図3および図4は角型二次電池の断面構成を表しており、図4では図3に示したIV−IV線に沿った断面を示している。また、図5は図4に示した正極21および負極22の平面構成を模式的に表している。
[角型二次電池の全体構成]
この角型二次電池は、主に、電池缶11の内部に電池素子20が収納されたものである。電池素子20は、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回積層体であり、電池缶11の形状に応じて扁平状になっている。
この角型二次電池は、主に、電池缶11の内部に電池素子20が収納されたものである。電池素子20は、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回積層体であり、電池缶11の形状に応じて扁平状になっている。
電池缶11は、例えば、角型の外装部材である。この角型の外装部材は、図4に示したように、長手方向における断面が矩形型あるいは略矩形型(一部に曲線を含む)の形状を有しており、矩形状だけでなくオーバル形状の角型電池にも適用される。すなわち、角型の外装部材とは、矩形状あるいは円弧を直線で結んだ略矩形状(長円形状)の開口部を有する有底矩形型あるいは有底長円形状型の器状部材である。なお、図4では、電池缶11が矩形型の断面形状を有する場合を示している。
この電池缶11は、例えば、鉄、アルミニウムあるいはそれらの合金などにより形成されており、電極端子としての機能を有している場合もある。中でも、充放電時において固さ(変形しにくさ)を利用して電池缶11の膨れを抑えるために、アルミニウムよりも固い鉄が好ましい。なお、電池缶11が鉄製である場合には、例えば、ニッケルなどが鍍金されていてもよい。
また、電池缶11は、一端部が開放されると共に他端部が閉鎖された中空構造を有しており、その開放端部に取り付けられた絶縁板12および電池蓋13により密閉されている。絶縁板12は、電池素子20と電池蓋13との間に設けられていると共に、例えば、ポリプロピレンなどにより形成されている。電池蓋13は、例えば、電池缶11と同様の材料により形成されており、その電池缶11と同様に電極端子としての機能を有していてもよい。
電池蓋13の外側には、正極端子となる端子板14が設けられており、その端子板14は、絶縁ケース16を介して電池蓋13から電気的に絶縁されている。この絶縁ケース16は、例えば、ポリブチレンテレフタレートなどの絶縁性材料により形成されている。電池蓋13のほぼ中央には貫通孔が設けられており、その貫通孔には、端子板14と電気的に接続されると共にガスケット17を介して電池蓋13から電気的に絶縁されるように正極ピン15が挿入されている。このガスケット17は、例えば、絶縁性材料により形成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
電池蓋13の周縁付近には、開裂弁18および注入孔19が設けられている。開裂弁18は、電池蓋13と電気的に接続されており、内部短絡、あるいは外部からの加熱などに起因して電池の内圧が一定以上となった場合に、電池蓋13から切り離されて内圧を開放するようになっている。注入孔19は、例えば、ステンレス鋼球からなる封止部材19Aにより塞がれている。
正極21の端部(例えば内終端部)には、アルミニウムなどの導電性材料により形成された正極リード24が取り付けられていると共に、負極22の端部(例えば外終端部)には、ニッケルなどの導電性材料により形成された負極リード25が取り付けられている。正極リード24は、正極ピン15の一端に溶接され、端子板14と電気的に接続されていると共に、負極リード25は、電池缶11に溶接されている。
[正極]
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極21は、例えば、正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの導電性材料により形成されている。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極材料のいずれか1種類あるいは2種類以上を含んでおり、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。なお、正極結着剤あるいは正極導電剤に関する詳細は、例えば、既に説明した負極結着剤および負極導電剤と同様である。
正極材料としては、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを構成元素として有する複合酸化物、あるいは、リチウムと遷移金属元素とを構成元素として有するリン酸化合物などが挙げられる。中でも、遷移金属元素としてコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄のうちの少なくとも1種を有していることが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、Lix M1O2 あるいはLiy M2PO4 で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は、充放電状態に応じて異なるが、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを有する複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、あるいは下記の化学式で表されるリチウムニッケル系複合酸化物などが挙げられる。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-u Mnu PO4 (u<1))などが挙げられる。高い電池容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。なお、正極材料は、上記以外の材料でもよい。
LiNi1-x Mx O2
(Mはコバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、スズ、マグネシウム、チタン、ストロンチウム、カルシウム、ジルコニウム、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イッテルビウム、銅、亜鉛、バリウム、ホウ素、クロム、ケイ素、ガリウム、リン、アンチモンおよびニオブのうちの少なくとも1種である。xは0.005<x<0.5である。)
(Mはコバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、バナジウム、スズ、マグネシウム、チタン、ストロンチウム、カルシウム、ジルコニウム、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、タンタル、タングステン、レニウム、イッテルビウム、銅、亜鉛、バリウム、ホウ素、クロム、ケイ素、ガリウム、リン、アンチモンおよびニオブのうちの少なくとも1種である。xは0.005<x<0.5である。)
中でも、リチウムと遷移金属元素とを有する複合酸化物としては、リチウムニッケル系複合酸化物が好ましい。ニッケル系の複合酸化物では、コバルト系の複合酸化物よりも優れたサイクル特性が得られるからである。
[負極]
負極22は、上記した負極10と同様の構成を有しており、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成は、それぞれ負極集電体1および負極活物質層2の構成と同様である。この負極22では、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極材料における充電可能な容量が正極21の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。充放電時において意図せずにリチウム金属が析出することを防止するためである。
負極22は、上記した負極10と同様の構成を有しており、例えば、負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成は、それぞれ負極集電体1および負極活物質層2の構成と同様である。この負極22では、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極材料における充電可能な容量が正極21の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。充放電時において意図せずにリチウム金属が析出することを防止するためである。
この負極22の満充電状態における最大利用率(以下、単に「利用率」という。)は、特に限定されないが、中でも、20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上70%以下であることがより好ましい。優れた初回充放電特性およびサイクル特性が得られるからである。詳細には、利用率が20%よりも小さいと、体積当たりの容量が低下するため、負極活物質としてケイ素を構成元素として有する材料を用いるメリットを活かせなくなると共に、負極22においてリチウムイオンが円滑に出入りしにくくなる可能性がある。一方、利用率が80%よりも大きいと、充放電時において負極活物質の劣化が早くなると共に、負極活物質層22Bが膨張収縮しやすくなる可能性がある。
上記した「利用率」は、正極21の容量と負極22の容量との割合を調整することにより決定される。この利用率は、負極22の満充電状態における単位面積当たりのリチウムの吸蔵量をX、負極22が単位面積当たりにおいて電気化学的に吸蔵することが可能なリチウムの量をYとしたとき、負極利用率(%)=(X/Y)×100で表される。
吸蔵量Xについては、例えば、以下の手順により求められる。最初に、満充電状態となるまで二次電池を充電したのち、その二次電池を解体して、負極22のうちの正極21と対向している部分を検査負極として切り出す。続いて、検査負極を用いて、金属リチウムを対極とした評価電池を組み立てる。最後に、評価電池を放電させて初回放電時の放電容量を調べたのち、その放電容量を検査負極の面積で割って吸蔵量Xを算出する。この場合の「放電」とは、検査負極からリチウムイオンが放出される方向へ通電することを意味する。
一方、吸蔵量Yについては、例えば、上記した放電済みの評価電池を電池電圧が0Vになるまで定電流定電圧充電して充電容量を調べたのち、その充電容量を検査負極の面積で割って算出する。この場合の「充電」とは、検査負極にリチウムイオンが吸蔵される方向へ通電することを意味する。
上記した吸蔵量X,Yを求める際の充放電条件としては、例えば、電流密度を1mA/cm2 とし、電池電圧が1.5Vに到達するまで放電すると共に、電池電圧を0Vとしながら電流値が0.05mA以下になるまで定電圧充電する。
図5に示したように、正極活物質層21Bは、例えば、正極集電体21Aの表面の一部(例えば長手方向における中央領域)に設けられている。これに対して、負極活物質層22Bは、例えば、負極集電体22Aの全面に設けられている。すなわち、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの上において、正極活物質層21Bと対向する領域(対向領域R1)および対向しない領域(非対向領域R2)に設けられている。この場合には、負極活物質層22Bのうち、対向領域R1に設けられている部分が充放電に関与し、非対向領域R2に設けられている部分は充放電にほとんど関与しない。図5では、正極活物質層21Bおよび負極活物質層22Bの形成範囲に網掛けを施している。
上記したように、負極活物質層22Bは、形成時において結晶子サイズが所定の範囲内である複数の負極活物質粒子を含んでいる。しかしながら、充放電時において負極活物質層22Bが膨張収縮すると、その膨張収縮時における応力の影響を受けて負極活物質粒子が変形あるいは破損するため、結晶子サイズが負極活物質層22Bの形成時の値から変動する可能性がある。この場合において、非対向領域R2では、充放電の影響をほとんど受けず、負極活物質粒子の形状等が負極活物質層22Bの形成直後の状態のまま維持される。このため、結晶子サイズを調べる場合には、非対向領域R2における負極活物質層22Bについて調べることが好ましい。充放電の履歴(充放電の有無および回数など)に依存せず、結晶子サイズを再現性よく正確に調べることができるからである。
このことは、結晶子サイズを測定する場合に限られず、メジアン径、平均円形度および比T/Dを測定する場合についても同様である。
[セパレータ]
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離して両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、合成樹脂あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種類以上の多孔質膜が積層された積層膜でもよい。合成樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどが挙げられる。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離して両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、合成樹脂あるいはセラミックからなる多孔質膜により形成されており、2種類以上の多孔質膜が積層された積層膜でもよい。合成樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどが挙げられる。
[電解液]
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒に電解質塩が溶解されたものであり、必要に応じて添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒に電解質塩が溶解されたものであり、必要に応じて添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。
溶媒は、例えば、有機溶剤などの非水溶媒のいずれか1種類あるいは2種類以上を含んでいる。非水溶媒としては、例えば、以下の材料が挙げられる。炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタンあるいはテトラヒドロフランなどである。2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンあるいは1,4−ジオキサンである。酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルあるいはトリメチル酢酸エチルなどである。アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノンあるいはN−メチルオキサゾリジノンなどである。N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルあるいはジメチルスルホキシドなどである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種が好ましい。より優れた特性が得られるからである。この場合には、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、溶媒は、ハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルのうちの少なくとも一方を含んでいることが好ましい。充放電時において負極22の表面に安定な被膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。ハロゲン化鎖状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として有する(少なくとも1つの水素がハロゲンにより置換された)鎖状炭酸エステルである。また、ハロゲン化環状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として有する(少なくとも1つの水素がハロゲンにより置換された)環状炭酸エステルである。
ハロゲンの種類は、特に限定されないが、中でも、フッ素、塩素あるいは臭素が好ましく、フッ素がより好ましい。他のハロゲンよりも高い効果が得られるからである。ただし、ハロゲンの数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上でもよい。保護膜を形成する能力が高くなると共に、より強固で安定な被膜が形成されるため、電解液の分解反応がより抑制されるからである。
ハロゲン化鎖状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)あるいは炭酸ジフルオロメチルメチルなどが挙げられる。ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。このハロゲン化環状炭酸エステルには、幾何異性体も含まれる。溶媒中におけるハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上50重量%以下である。
また、溶媒は、不飽和炭素結合環状炭酸エステルを含んでいることが好ましい。充放電時において負極22の表面に安定な被膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルとは、不飽和炭素結合を有する(いずれかの箇所に不飽和炭素結合が導入された)環状炭酸エステルである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレンあるいは炭酸ビニルエチレンなどが挙げられる。溶媒中における不飽和炭素結合環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上10重量%以下である。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性が向上するからである。スルトンとしては、例えば、プロパンスルトンあるいはプロペンスルトンなどが挙げられる。溶媒中におけるスルトンの含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性が向上するからである。酸無水物としては、例えば、例えば、カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物あるいはカルボン酸スルホン酸無水物などが挙げられる。カルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸あるいは無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸あるいは無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸あるいは無水スルホ酪酸などである。溶媒中における酸無水物の含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種類あるいは2種類以上を含んでいる。リチウム塩としては、例えば、以下の材料が挙げられる。六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )あるいは六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )などである。テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 H5 )4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはテトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )などである。六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムのうちの少なくとも1種が好ましい。さらに、六フッ化リン酸リチウムおよび四フッ化ホウ酸リチウムが好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。内部抵抗が低下するため、より優れた特性が得られるからである。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下であることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
[角型二次電池の動作]
この角型二次電池では、充電時において、例えば、正極21から放出されたリチウムイオンが、セパレータ23に含浸された電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電時において、例えば、負極22から放出されたリチウムイオンが、セパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。
この角型二次電池では、充電時において、例えば、正極21から放出されたリチウムイオンが、セパレータ23に含浸された電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電時において、例えば、負極22から放出されたリチウムイオンが、セパレータ23に含浸された電解液を介して正極21に吸蔵される。
[角型二次電池の製造方法]
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
まず、正極21を作製する。最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードあるいはバーコータなどのコーティング装置を用いて正極集電体21Aに正極合剤スラリーを塗布したのちに乾燥させて正極活物質層21を形成する。最後に、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて正極活物質層21を圧縮成型する。この場合には、圧縮成型を複数回繰り返してもよい。
次に、上記した負極10と同様の作製手順により、負極集電体22Aに負極活物質層22Bを形成して負極22を作製する。
次に、電池素子20を作製する。最初に、溶接法などを用いて、正極集電体21Aに正極リード24を取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード25を取り付ける。続いて、セパレータ23を介して正極21と負極22とを積層させたのち、それらを長手方向において巻回させる。最後に、扁平な形状となるように巻回体を成型する。
最後に、角型二次電池を組み立てる。最初に、電池缶11の内部に電池素子20を収納したのち、その電池素子20の上に絶縁板12を載せる。続いて、溶接法などを用いて、正極リード24を正極ピン15に取り付けると共に、負極リード25を電池缶11に取り付ける。この場合には、レーザ溶接法などを用いて、電池缶11の開放端部に電池蓋13を固定する。最後に、注入孔19から電池缶11の内部に電解液を注入してセパレータ23に含浸させたのち、その注入孔19を封止部材19Aで塞ぐ。
[角型二次電池の作用および効果]
この角型二次電池によれば、負極22が上記した負極10と同様の構成を有しているので、充放電時において放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層22が崩落しにくくなる。よって、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することができる。これ以外の効果は、負極10と同様である。
この角型二次電池によれば、負極22が上記した負極10と同様の構成を有しているので、充放電時において放電容量のロスが生じにくくなると共に負極活物質層22が崩落しにくくなる。よって、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することができる。これ以外の効果は、負極10と同様である。
<2−2.円筒型>
図6および図7は円筒型二次電池の断面構成を表しており、図7では図6に示した巻回電極体40の一部を拡大している。以下では、既に説明した角型二次電池の構成要素を随時引用する。
図6および図7は円筒型二次電池の断面構成を表しており、図7では図6に示した巻回電極体40の一部を拡大している。以下では、既に説明した角型二次電池の構成要素を随時引用する。
円筒型二次電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶31の内部に巻回電極体40および一対の絶縁板32,33が収納されたものである。この巻回電極体40は、セパレータ43を介して正極41と負極42とが積層および巻回された巻回積層体である。
電池缶31は、一端部が閉鎖されると共に他端部が開放された中空構造を有しており、例えば、電池缶11と同様の材料により形成されている。一対の絶縁板32,33は、巻回電極体40を上下から挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶31の開放端部には電池蓋34、安全弁機構35および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)36がガスケット37を介してかしめられており、その電池缶31は密閉されている。電池蓋34は、例えば、電池缶31と同様の材料により形成されている。安全弁機構35および熱感抵抗素子36は電池蓋34の内側に設けられており、その安全弁機構35は熱感抵抗素子36を介して電池蓋34と電気的に接続されている。この安全弁機構35では、内部短絡、あるいは外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板35Aが反転して電池蓋34と巻回電極体40との間の電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子36は、温度上昇に応じた抵抗増加により大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット37は、例えば、絶縁材料により形成されており、その表面にはアスファルトが塗布されていてもよい。
巻回電極体40の中心には、センターピン44が挿入されていてもよい。正極41には、アルミニウムなどの導電性材料により形成された正極リード45が接続されていると共に、負極42には、ニッケルなどの導電性材料により形成された負極リード46が接続されている。正極リード45は、安全弁機構35に溶接などされ、電池蓋34と電気的に接続されていると共に、負極リード46は電池缶31に溶接などされている。
正極41は、例えば、正極集電体41Aの両面に正極活物質層41Bが設けられたものである。負極42は、上記した負極10と同様の構成を有しており、例えば、負極集電体42Aの両面に負極活物質層42Bが設けられたものである。正極集電体41A、正極活物質層41B、負極集電体42A、負極活物質層42Bおよびセパレータ43の構成は、それぞれ正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。また、電解液の組成は、角型二次電池における電解液の組成と同様である。
円筒型二次電池では、充電時において、例えば、正極41から放出されたリチウムイオンが電解液を介して負極42に吸蔵される。一方、放電時において、例えば、負極42から放出されたリチウムイオンが電解液を介して正極41に吸蔵される。
この円筒型二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。最初に、例えば、正極21および負極22と同様の作製手順により、正極集電体41Aの両面に正極活物質層41Bを形成して正極41を作製すると共に、負極集電体42Aの両面に負極活物質層42Bを形成して負極42を作製する。続いて、溶接法などを用いて、正極41に正極リード45を取り付けると共に、負極42に負極リード46を取り付ける。続いて、セパレータ43を介して正極41と負極42とを積層および巻回させて巻回電極体40を作製したのち、その巻回中心にセンターピン44を挿入する。続いて、一対の絶縁板32,33で挟みながら巻回電極体40を電池缶31の内部に収納する。この場合には、溶接法などを用いて、正極リード45を安全弁機構35に取り付けると共に、負極リード46の先端部を電池缶31に取り付ける。続いて、電池缶31の内部に電解液を注入してセパレータ43に含浸させる。最後に、電池缶31の開口端部に電池蓋34、安全弁機構35および熱感抵抗素子36を取り付けたのち、それらをガスケット37を介してかしめる。
この円筒型二次電池によれば、負極42が上記した負極10と同様の構成を有しているので、角型二次電池と同様の理由により、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することができる。これ以外の効果は、負極10と同様である。
<2−3.ラミネートフィルム型>
図8はラミネートフィルム型二次電池の分解斜視構成を表しており、図9は図8に示した巻回電極体50のIX−IX線に沿った断面を拡大している。
図8はラミネートフィルム型二次電池の分解斜視構成を表しており、図9は図8に示した巻回電極体50のIX−IX線に沿った断面を拡大している。
ラミネートフィルム型二次電池は、主に、フィルム状の外装部材60の内部に巻回電極体50が収納されたものである。この巻回電極体50は、セパレータ55および電解質層56を介して正極53と負極54とが積層および巻回された巻回積層体である。正極53には正極リード51が取り付けられていると共に、負極54には負極リード52が取り付けられている。この巻回電極体50の最外周部は、保護テープ57により保護されている。
正極リード51および負極リード52は、例えば、外装部材60の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード51は、例えば、アルミニウムなどの導電性材料により形成されており、負極リード52は、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの導電性材料により形成されている。これらの材料は、例えば、薄板状あるいは網目状になっている。
外装部材60は、例えば、融着層、金属層および表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムである。このラミネートフィルムでは、例えば、融着層が巻回電極体50と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外周縁部同士が融着、あるいは接着剤などにより貼り合わされている。融着層は、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレンなどのフィルムである。金属層は、例えば、アルミニウム箔などである。表面保護層は、例えば、ナイロンあるいはポリエチレンテレフタレートなどのフィルムである。
中でも、外装部材60としては、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔およびナイロンフィルムがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムが好ましい。ただし、外装部材60は、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムでもよい。
外装部材60と正極リード51および負極リード52との間には、外気の侵入を防止するために密着フィルム61が挿入されている。この密着フィルム61は、正極リード51および負極リード52に対して密着性を有する材料により形成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
正極53は、例えば、正極集電体53Aの両面に正極活物質層53Bが設けられたものである。負極54は、上記した負極10と同様の構成を有しており、例えば、負極集電体54Aの両面に負極活物質層54Bが設けられたものである。正極集電体53A、正極活物質層53B、負極集電体54Aおよび負極活物質層54Bの構成は、それぞれ正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22Aおよび負極活物質層22Bの構成と同様である。また、セパレータ55の構成は、セパレータ23の構成と同様である。
電解質層56は、高分子化合物により電解液が保持されたものであり、必要に応じて添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この電解質層56は、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に電解液の漏液が防止されるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、以下の高分子材料うちのいずれか1種類あるいは2種類以上が挙げられる。ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサンあるいはポリフッ化ビニルなどである。ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンあるいはポリカーボネートなどである。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体などである。中でも、ポリフッ化ビニリデン、あるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましい。電気化学的に安定だからである。
電解液の組成は、例えば、角型二次電池における電解液の組成と同様である。ただし、ゲル状の電解質である電解質層56において、電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有する材料まで含む広い概念である。このため、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、ゲル状の電解質層56に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、電解液がセパレータ55に含浸される。
このラミネートフィルム型二次電池では、充電時において、例えば、正極53から放出されたリチウムイオンが電解質層56を介して負極54に吸蔵される。一方、放電時において、例えば、負極54から放出されたリチウムイオンが電解質層56を介して正極53に吸蔵される。
このゲル状の電解質層56を備えたラミネートフィルム型二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
第1手順では、最初に、正極21および負極22と同様の作製手順により、正極53および負極54を作製する。この場合には、正極集電体53Aの両面に正極活物質層53Bを形成して正極53を作製すると共に、負極集電体54Aの両面に負極活物質層54Bを形成して負極54を作製する。続いて、電解液、高分子化合物および溶剤を含む前駆溶液を調製したのち、その前駆溶液を正極53および負極54に塗布してゲル状の電解質層56を形成する。続いて、溶接法などを用いて、正極集電体53Aに正極リード51を取り付けると共に、負極集電体54Aに負極リード52を取り付ける。続いて、電解質層56が形成された正極53と負極54とをセパレータ55を介して積層および巻回させて巻回電極体50を作製したのち、その最外周部に保護テープ57を接着させる。最後に、2枚のフィルム状の外装部材60の間に巻回電極体50を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて外装部材60の外周縁部同士を接着させて、その外装部材60に巻回電極体50を封入する。この場合には、正極リード51および負極リード52と外装部材60との間に密着フィルム61を挿入する。
第2手順では、最初に、正極53に正極リード51を取り付けると共に、負極54に負極リード52を取り付ける。続いて、セパレータ55を介して正極53と負極54とを積層および巻回させて巻回電極体50の前駆体である巻回体を作製したのち、その最外周部に保護テープ57を接着させる。続いて、2枚のフィルム状の外装部材60の間に巻回体を挟み込んだのち、熱融着法などを用いて一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を接着させて、袋状の外装部材60の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材60の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材60の開口部を密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とし、ゲル状の電解質層56を形成する。
第3手順では、最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ55を用いることを除き、上記した第2手順と同様に、巻回体を作製して袋状の外装部材60の内部に収納する。このセパレータ55に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体(単独重合体、共重合体あるいは多元共重合体など)が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体、あるいはフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。なお、フッ化ビニリデンを成分とする重合体と一緒に、他の1種類あるいは2種類以上の高分子化合物を用いてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材60の内部に注入したのち、熱融着法などを用いて外装部材60の開口部を密封する。最後に、外装部材60に加重をかけながら加熱して、高分子化合物を介してセパレータ55を正極53および負極54に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸するため、その高分子化合物がゲル化して電解質層56が形成される。
この第3手順では、第1手順よりも電池膨れが抑制される。また、第3手順では、第2手順よりも高分子化合物の原料であるモノマーあるいは溶媒などが電解質層56中にほとんど残らないため、高分子化合物の形成工程が良好に制御される。このため、正極53、負極54およびセパレータ55と電解質層56との間において十分な密着性が得られる。
このラミネートフィルム型二次電池によれば、負極54が上記した負極10と同様の構成を有しているので、角型二次電池と同様の理由により、初回充放電特性およびサイクル特性を確保することができる。これ以外の効果は、負極10と同様である。
本発明の実施例について、詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−60)
以下の手順により、図8および図9に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。
以下の手順により、図8および図9に示したラミネートフィルム型の二次電池を作製した。
最初に、正極53を作製した。まず、正極活物質(リチウムコバルト複合酸化物:LiCoO2 )91質量部と、正極導電剤(グラファイト)6質量部と、正極結着剤(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)3質量部とを混合して正極合剤とした。続いて、正極合剤を有機溶剤(N−メチル−2−ピロリドン:NMP)に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて正極集電体53Aの両面に正極合剤スラリーを塗布したのちに乾燥させて正極活物質層53Bを形成した。この場合には、正極集電体53Aとして帯状のアルミニウム箔(厚さ=12μm)を用いた。最後に、ロールプレス機を用いて正極活物質層53Bを圧縮成型した。なお、正極活物質層53Bを形成する場合には、満充電時において負極54にリチウム金属が析出しないように厚さを調整した。
次に、負極54を作製した。最初に、ジェットミルを用いてシリコンウェハを粉砕し、得られた粒子をマイクロスピンを用いて乾式分級したのち、必要に応じて減圧雰囲気中で焼成して、負極活物質(複数の負極活物質粒子)であるケイ素粉末を得た。この場合には、結晶子サイズ、メジアン径および平均円形度が表1〜表4に示した値になるように粉砕条件、減圧条件および焼成条件を調整した。結晶子サイズを測定するためには、リガク電機株式会社製のX線解析装置ガイガーフレックスRAD−IIC(官球:CuKa)を用いた。メジアン径を測定するためには、株式会社堀場製作所製のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(分散媒はヘキサメタリン酸ナトリウム1%水溶液)を用いた。平均円形度を測定するためには、ホソカワミクロン株式会社製の粒子像解析装置FPIA−3000を用いた。
続いて、負極活物質粒子を塗布する前に、その表面を被覆するように金属被覆材料を形成した。この場合には、表1〜表4に示した金属被覆材料の形成材料および形成方法を用いると共に、比T/Dが表1〜表4に示した値になるように金属被覆材料の形成時間(鍍金時間あるいは堆積時間)を調整した。
無電解鍍金法では、塩化パラジウム液中に負極活物質粒子を数分間浸漬させたのち、60℃以上の温度で無電解鍍金反応を進行させると共に、鍍金時間を変更して金属被覆材料の平均厚さを調整した。金属被覆材料の形成材料として銅を用いる場合には、日本高純度化学株式会社製の銅鍍金浴(pH=8.1(ポリリン酸で調整),浴温度=50℃)を用いた。この銅鍍金浴の組成は、ピロリン酸銅=105g/dm3 (=g/l)、ピロリン酸カリウム=450dm3 、硝酸カリウム30dm3 および10%アンモニア水250dm3 である。鍍金条件は、電流密度=0.03mA/cm2 および電荷量=40C/cm2 とした。
ニッケルを用いる場合には、日本高純度化学株式会社製のニッケル鍍金浴(pH=3.8〜4.2,浴温度=50℃)を用いた。このニッケル鍍金浴の組成は、硫酸ニッケル=240dm3 および塩化ニッケル=40dm3 である。鍍金条件は、電流密度=0.02mA/cm2 および電荷量=40C/cm2 とした。
コバルトを用いる場合には、日本高純度化学株式会社製のコバルト鍍金浴(酸性硫酸浴:浴温度=35℃)を用いた。鍍金条件は、電流密度=0.05mA/cm2 および電荷量=40C/cm2 とした。
鉄を用いる場合には、日本高純度化学株式会社製の鉄鍍金浴(酸性硫酸浴:浴温度=35℃)を用いた。鍍金条件は、電流密度=0.05mA/cm2 および電荷量=40C/cm2 とした。
電解鍍金法では、粉体鍍金用のバレル鍍金法を用いると共に、鍍金時間および電流密度を変更して金属被覆材料の平均厚さを調整した。
スパッタ法では、RFマグネトロンスパッタ法を用いると共に、成膜時間を変更して金属被覆材料の平均厚さを調整した。この場合には、純度99.99%のケイ素ターゲットを用いると共に、堆積速度を0.5nm/秒とした。
続いて、金属被覆材料により被覆された負極活物質粒子をNMPに分散させて負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体54Aの両面に負極合剤スラリーを塗布したのちに乾燥させて負極活物質層54Bを形成した。この場合には、負極集電体54Aとして帯状の電解銅箔(厚さ=15μm)を用いた。こののち、ロールプレス機を用いて負極活物質層54Bを圧縮成型した。最後に、真空雰囲気中で負極活物質層54Bを400℃〜500℃×5時間焼成した。
次に、溶媒(炭酸エチレン(EC)および炭酸ジエチル(DEC))を混合したのち、電解質塩(六フッ化リン酸リチウム:LiPF6 )を溶解させて電解液を調製した。この場合には、溶媒の組成を重量比でEC:DEC=50:50とし、電解質塩の含有量を溶媒に対して1mol/kgとした。
最後に、二次電池を組み立てた。最初に、正極集電体53Aの一端にアルミニウム製の正極リード51を溶接すると共に、負極集電体54Aの一端にニッケル製の負極リード52を溶接した。続いて、正極53と、セパレータ55と、負極54と、セパレータ55とをこの順に積層してから長手方向に巻回させて、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成したのち、その巻き終わり部分を保護テープ57(粘着テープ)で固定した。この場合には、セパレータ55として、多孔性ポリプロピレンを主成分とするフィルムにより多孔性ポリエチレンを主成分とするフィルムが挟まれた積層フィルム(厚さ=20μm)を用いた。続いて、外装部材60の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺を除く外周縁部同士を熱融着して、袋状の外装部材60の内部に巻回体を収納した。この場合には、外装部材60として、外側からナイロンフィルム(厚さ=30μm)、アルミニウム箔(厚さ=40μm)および無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ=30μm)が積層されたアルミラミネートフィルムを用いた。続いて、外装部材60の開口部から電解液を注入してセパレータ55に含浸させて巻回電極体50を作製した。最後に、真空雰囲気中で外装部材60の開口部を熱融着して、その外装部材60を封止した。
(実験例2−1〜2−6)
表5に示したように、負極活物質粒子の塗布後に電解鍍金法を用いて金属被覆材料を形成したことを除き、実験例1−4,1−6,1−12,1−14,1−16,1−17と同様の手順を経た。この場合には、最初に、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤の前駆体(ポリアミック酸のNMP溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合したのち、分量外のNMPで希釈してペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体54Aの両面に負極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、真空雰囲気中で400℃×1時間焼成して負極結着剤であるポリイミド(PI)を形成した。最後に、電解鍍金法を用いて金属被覆材料を形成した。この場合には、日本高純度化学株式会社製の銅鍍金浴を用いた。
表5に示したように、負極活物質粒子の塗布後に電解鍍金法を用いて金属被覆材料を形成したことを除き、実験例1−4,1−6,1−12,1−14,1−16,1−17と同様の手順を経た。この場合には、最初に、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤の前駆体(ポリアミック酸のNMP溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合したのち、分量外のNMPで希釈してペースト状の負極合剤スラリーとした。続いて、コーティング装置を用いて負極集電体54Aの両面に負極合剤スラリーを塗布して乾燥させたのち、真空雰囲気中で400℃×1時間焼成して負極結着剤であるポリイミド(PI)を形成した。最後に、電解鍍金法を用いて金属被覆材料を形成した。この場合には、日本高純度化学株式会社製の銅鍍金浴を用いた。
(実験例3−1〜3−6)
表6に示したように金属被覆材料を形成しなかったことを除き、実験例1−4,1−6,1−12,1−14,1−16,1−17と同様の手順を経た。
表6に示したように金属被覆材料を形成しなかったことを除き、実験例1−4,1−6,1−12,1−14,1−16,1−17と同様の手順を経た。
二次電池の初回充放電特性およびサイクル特性を調べたところ、表1〜表6に示した結果が得られた。
初回充放電特性を調べる場合には、最初に、電池状態を安定化させるために23℃の雰囲気中で1サイクル充放電した。続いて、同雰囲気中で再び充電して充電容量を測定したのち、放電して放電容量を測定した。最後に、初回効率(%)=(放電容量/充電容量)×100を算出した。この場合には、3mA/cm2 の定電流密度で電圧が4.2Vに到達するまで充電したのち、4.2Vの定電圧で電流密度が0.3mA/cm2 に到達するまで充電した。また、3mA/cm2 の定電流密度で電圧が2.5Vに到達するまで放電した。
サイクル特性を調べる場合には、最初に、1サイクル充放電したのち、再び充放電させて2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、サイクル数の総数が100サイクルになるまで充放電して100サイクル目の放電容量を測定した。最後に、容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。雰囲気温度および充放電条件は、初回充放電特性を調べた場合と同様である。
金属被覆材料を形成した場合には、それを形成しなかった場合よりも初回効率および容量維持率がいずれも高くなった。また、金属被覆材料を形成した場合には、結晶子サイズが5nm以上130nm以下であると、ほぼ80%以上の高い初回効率および容量維持率が得られた。この場合には、結晶子サイズが5nm以上100nm以下、さらに20nm以上100nm以下であると、初回効率および容量維持率がより高くなった。
ここで、結晶子サイズが小さいと、容量維持率は高くなるが初回効率は低くなる傾向にある。この傾向を反映して、金属被覆材料を形成しなかった場合には、結晶子サイズが小さいと容量維持率は十分に高くなるが初回効率は著しく低くなる。これに対して、金属被覆材料を形成した場合には、結晶子サイズが小さくても初回効率は十分に高くなると共に容量維持率はより高くなる。よって、金属被覆材料を形成すると、結晶子サイズが小さくても高い初回効率および容量維持率が得られる。
(実験例4−1〜4−10)
表7に示したようにメジアン径を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、シリコンウェハの粉砕条件等を変更してメジアン径を調整した。
表7に示したようにメジアン径を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、シリコンウェハの粉砕条件等を変更してメジアン径を調整した。
メジアン径に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、メジアン径が0.1μm以上30μm以下、さらに0.5μm以上10μm以下であると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例5−1〜5−4)
表8に示したように平均円形度を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、粉砕分級したケイ素粉末をエアインジェクションで噴出し、粒子抗力係数に基づいて噴出方向に異なる飛行軌跡で飛行させて、所望の平均円形度を有する粒子を分離および回収した。
表8に示したように平均円形度を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、粉砕分級したケイ素粉末をエアインジェクションで噴出し、粒子抗力係数に基づいて噴出方向に異なる飛行軌跡で飛行させて、所望の平均円形度を有する粒子を分離および回収した。
平均円形度に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、平均円形度が0.3以上であると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例6−1〜6−7)
表9に示したように比T/Dを変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、鍍金時間等に応じて金属被覆材料の平均厚さを変更して比T/Dを調整した。
表9に示したように比T/Dを変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、鍍金時間等に応じて金属被覆材料の平均厚さを変更して比T/Dを調整した。
比T/Dに依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、比T/Dが1/40以上1/1以下、さらに1/20以上1/2以下であると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例7−1〜7−19)
表10に示したように負極活物質粒子のメジアン径および算術標準偏差を設定したことを除き、実験例1−1〜1−18と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、シリコンウェハの粉砕条件等を変更して算術標準偏差を調整した。算術標準偏差を測定するためには、メジアン径を測定した場合と同様の装置を用いた。
表10に示したように負極活物質粒子のメジアン径および算術標準偏差を設定したことを除き、実験例1−1〜1−18と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、シリコンウェハの粉砕条件等を変更して算術標準偏差を調整した。算術標準偏差を測定するためには、メジアン径を測定した場合と同様の装置を用いた。
メジアン径および算術標準偏差に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、メジアン径が1.6μm以上6.2μm以下であると共に算術標準偏差が3.1μm以下であると容量維持率がより高くなった。
(実験例8−1〜8−3)
表11に示したように負極集電体54Aの表面の算術平均粗さRaを変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、電解銅箔の形成条件等を変更して算術平均粗さRaを調整した。
表11に示したように負極集電体54Aの表面の算術平均粗さRaを変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、電解銅箔の形成条件等を変更して算術平均粗さRaを調整した。
算術平均粗さRaに依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、算術平均粗さRaが0.2以上であると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例9−1〜9−9)
表12に示したように負極54の利用率の組成を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、正極活物質層53Bの厚さを変更して負極54の利用率を調整した。
表12に示したように負極54の利用率の組成を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、正極活物質層53Bの厚さを変更して負極54の利用率を調整した。
利用率に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、利用率が20%以上80%以下、さらに30%以上70%以下であると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例10−1,10−2)
表13に示したように負極結着剤の種類を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。PVDFを用いる場合には、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤(PVDFのNMP溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合すると共に、350℃×3時間焼成した。スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いる場合には、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤(SBRの水溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合したのち、水に分散させて負極合剤スラリーとした。
表13に示したように負極結着剤の種類を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。PVDFを用いる場合には、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤(PVDFのNMP溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合すると共に、350℃×3時間焼成した。スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いる場合には、負極活物質(ケイ素粉末)と負極結着剤(SBRの水溶液)とを80:20の乾燥重量比で混合したのち、水に分散させて負極合剤スラリーとした。
負極結着剤の種類に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、PVDFあるいはPIを用いると初回効率および容量維持率がより高くなった。
(実験例11−1〜11−4)
表14に示したように正極活物質の種類を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、4種類のリチウムニッケル系複合酸化物を用いた。
表14に示したように正極活物質の種類を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。この場合には、4種類のリチウムニッケル系複合酸化物を用いた。
正極活物質の種類に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、ニッケル系の正極活物質を用いると初回効率が維持されたままで容量維持率がより高くなった。
(実験例12−1〜12−8)
表15に示したように電解液の組成を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。主要な溶媒の組成(重量比)は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC):DEC=50:50であり、あるいは、EC:DEC:4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DEEC)=25:70:5である。溶媒中における炭酸ビニレン(VC)、炭酸ビニルエチレン(VEC)、無水スルホ安息香酸(SBAH)あるいは無水スルホプロピオン酸(SPAH)の含有量は、1重量%である。四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )を用いる場合には、LiPF6 の含有量を溶媒に対して0.9mol/kg、LiBF4 の含有量を溶媒に対して0.1mol/kgとした。
表15に示したように電解液の組成を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。主要な溶媒の組成(重量比)は、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC):DEC=50:50であり、あるいは、EC:DEC:4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DEEC)=25:70:5である。溶媒中における炭酸ビニレン(VC)、炭酸ビニルエチレン(VEC)、無水スルホ安息香酸(SBAH)あるいは無水スルホプロピオン酸(SPAH)の含有量は、1重量%である。四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )を用いる場合には、LiPF6 の含有量を溶媒に対して0.9mol/kg、LiBF4 の含有量を溶媒に対して0.1mol/kgとした。
電解液の組成に依存せずに、高い初回効率および容量維持率が得られた。特に、他の溶媒(ハロゲン化環状炭酸エステル、不飽和結合環状炭酸エステルあるいは酸無水物)あるいは他の電解質塩(LiBF4 )を用いると、初回効率が維持されたままで容量維持率がより高くなった。
(実験例13−1,13−2)
表16に示したように電池構造を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。角型二次電池を作製する場合には、アルミニウム製あるいは鉄製の電池缶を用いた。
表16に示したように電池構造を変更したことを除き、実験例1−14と同様の手順により二次電池を作製して初回充放電特性およびサイクル特性を調べた。角型二次電池を作製する場合には、アルミニウム製あるいは鉄製の電池缶を用いた。
電池構造に依存せずに高い初回効率および容量維持率が得られ、特に、角型、さらには電池缶が鉄製であると初回効率が維持されたままで容量維持率より高くなった。
表1〜表16の結果から、本発明では、負極の負極活物質層がケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子およびその表面を被覆する金属被覆材料を含んでいる。この場合において、X線回折により得られる負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズが5nm以上であると、負極活物質粒子のメジアン径などの条件に依存せずに、初回充放電特性およびサイクル特性が確保される。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記した実施形態および実施例で説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、負極の容量がリチウムイオンの吸蔵放出により表される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。本発明は、負極の容量がリチウムイオンの吸蔵放出による容量とリチウム金属の析出溶解による容量とを含み、かつ、それらの容量の和により表される場合についても適用可能である。この場合には、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極材料が用いられると共に、負極材料の充電可能な容量が正極の放電容量よりも小さくなるように設定される。
また、電池構造が角型、円筒型あるいはラミネートフィルム型であると共に電池素子が巻回構造を有する場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。本発明は、電池構造が角型あるいはボタン型などであるばあい、または、電池素子が積層構造などを有する場合についても適用可能である。
また、本発明では、負極活物質粒子の結晶子サイズについて、実施例の結果から導き出された適正範囲を説明しているが、その説明は、結晶子サイズが上記した範囲外となる可能性を完全に否定するものではない。すなわち、上記した適正範囲は、あくまで本発明の効果を得る上で特に好ましい範囲であり、本発明の効果が得られるのであれば、結晶子サイズは上記した範囲から多少外れてもよい。このことは、メジアン径、平均円形度、比T/D、算術平均粗さRaおよび利用率などについても同様である。
1,42A,54A…負極集電体、2,42B,54B…負極活物質層、10,22,42,54…負極、20…電池素子、21,41,53…正極、21A,22A,41A,53A…正極集電体、21B,22B,41B,53B…正極活物質層、23,43,55…セパレータ、40,50…巻回電極体、56…電解質層、60…外装部材、201…負極活物質粒子、202…金属被覆材料。
Claims (16)
- 正極および負極と共に電解液を備え、前記負極は負極集電体の上に負極活物質層を有し、
前記負極活物質層は、ケイ素(Si)を構成元素として有する複数の負極活物質粒子と、その表面を被覆する金属被覆材料とを含み、
X線回折により得られる前記負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは5nm以上130nm以下である、
リチウムイオン二次電池。 - 前記負極活物質粒子の結晶子サイズは5nm以上100nm以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質粒子のメジアン径は0.1μm以上30μm以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質粒子の平均円形度は0.3以上である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質粒子はケイ素の単体、合金あるいは化合物である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記金属被覆材料は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)およびクロム(Cr)のうちの少なくとも1種の金属元素を構成元素として有する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記金属被覆材料は、銅、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、アルミニウムあるいはクロムの単体である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質粒子のメジアン径Dに対する前記金属被覆材料の平均厚さTの比T/Dは1/40以上1/1以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記金属被覆材料同士は接触あるいは結合している、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記金属被覆材料は前記負極集電体に接触あるいは結合している、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極集電体の表面の算術平均粗さRaは0.2μm以上である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極の利用率は20%以上80%以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質層は負極結着剤を含む、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極結着剤はポリフッ化ビニリデンあるいはポリイミドである、請求項13記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極活物質粒子のメジアン径は1.6μm以上6.2μm以下であると共に、そのメジアン径の算術標準偏差は3.1μm以下である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
- 負極集電体の上に負極活物質層を有し、
前記負極活物質層は、ケイ素を構成元素として有する複数の負極活物質粒子と、その表面を被覆する金属被覆材料とを含み、
X線回折により得られる前記負極活物質粒子の(111)面に起因する結晶子サイズは5nm以上130nm以下である、
リチウムイオン二次電池用負極。
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-
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