JP2009043477A - 正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量で充放電サイクル特性に優れ、同時に保存時の劣化も少ない正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池を提供する。
【解決手段】正極21は、正極活物質を有する。正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物と、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩とを有するものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池に関し、例えば、高性能であり、保存中の容量劣化が少ない、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる正極活物質、これを用いた正極および充電電圧を上げることにより、エネルギー密度を向上することができる非水電解質電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、他の電池系に比較して高電圧でエネルギー密度が高いという特徴を有し、ノート型PC(Personal Computer)、携帯電話などの携帯型情報端末に広く普及している。一方、リチウムイオン二次電池のさらなる高性能化、用途拡大を目的として多くの検討が進められている。一つには、充電電圧を高めるなどの方法で、LiCoO2をはじめとする正極活物質のエネルギー密度を高めることが検討されている。
しかしながら、高容量で充放電を繰り返した場合、容量劣化を起こし電池寿命が短くなってしまう、充電状態で保存した場合にも内部抵抗が上昇して容量が低下する、という課題があり、これらの課題を解決するために、従来では、様々な手段が提案されている。
例えば、特許文献1や特許文献2には、表面に金属酸化物が被覆された正極活物質や正極電極が提案されている。
特許第3172388号公報 特許第3691279号公報
また、例えば、特許文献3〜特許文献8には、リチウム遷移金属複合酸化物が均一に被覆された正極活物質が提案されている。
特開平7−235292号公報 特開2000−149950号公報 特開2000−156227号公報 特開2000−164214号公報 特開2000−195517号公報 特開2002−231227号公報
さらに、例えば、特許文献9には、金属酸化物層の上に金属酸化物の塊が付着された正極活物質が提案されている。
特開2001−256979号公報
さらに、例えば、特許文献10には、リチウム化合物を含むコアの表面に2つ以上のコーティング元素を含む1つ以上の表面処理層を形成した正極活物質が提案されている。特許文献11には、リン(P)を添加した正極を用いる方法が提案されている。特許文献12には、粒子表面がリン(P)で被覆された材料が提案されている。特許文献13には、ホウ素(B)、リン(P)または窒素(N)を含有する層を形成する技術が提案されている。
特開2002−164053号公報 特開平5−36411号公報 特許第3054829号公報 特許第3192855号公報
さらに、例えば、特許文献14には、粒子表面に金属フッ化物からなる被膜を形成する技術が提案されている。特許文献15には、粒子表面に結晶性の金属ハロゲン化物を被覆する方法が提案されている。
特許第3157413号公報 特許第3141858号公報
さらに、例えば、特許文献16〜特許文献32には、フッ素(F)を粒子表面に存在させる各種の方法が提案されている。
特開平6−333565号公報
特開平7−33343号公報 特開2000−113907号公報 特許第297413号公報 特開2000−199517号公報 特開2000−203843号公報 特開2002−246019号公報 特開2002−251995号公報 特開2002−312924号公報 特開2002−357887号公報 特開2002−339032号公報 特開2004−363097号公報 特開2005−11688号公報 特開2005−158612号公報 特開2005−225734号公報 特開2005−251716号公報 特開2006−202678号公報
しかしながら、特許文献1〜特許文献2で提案されている被覆元素、被覆方法、被覆形態では、リチウムイオンの拡散を阻害するため、実用領域の充放電流値では十分な容量が得られないという欠点があった。
特許文献3〜特許文献8で提案されている方法では、高い容量を維持できるものの、高度にサイクル特性を向上させ、充電保存時の劣化を抑制するには不十分であった。また、特許文献9で提案されている構造の正極活物質を、同文献で提案されている製造方法にて作製したところ、十分な充放電効率が得られず、容量が大きく低下する結果となった。
特許文献10では、粒子表面の分布については規定されておらず、効果も熱安定性の向上に限られたものである。開示された製造方法にて、正極活物質を作製したところ、均一な多重層が形成され、特にガス発生抑制に対しては効果が認められないばかりか、逆にガス発生が増大する結果となった。
特許文献11〜特許文献13で提案されている、リチウムに対して不活性な軽元素のみを被覆するこれらの技術では、十分な可逆容量が得られなかった。
特許文献14〜特許文献15で提案されている、単純な金属フッ化物を形成するのみの技術では、効果が小さく、容量が低下する結果となり、保存性に対する効果も不十分であった。
特許文献16〜特許文献32で提案されているフッ素の状態では、本願発明と異なる単純な形態や、粒子内部にも拡散を要する形態であり、高い充電電圧で十分な可逆容量を維持した状態で保存性を向上するには不十分であった。
したがって、この発明の目的は、高容量で充放電サイクル特性に優れ、同時に保存時の劣化も少ない正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池を提供することにある。
LiCoO2やLiNiO2をはじめとするリチウム遷移金属複合酸化物を主体とする活物質を用いて、適切に正極負極比を設計した状態で最高充電電圧が4.20V以上、好ましくは4.35V以上、より好ましくは4.40V以上になるように充電を行うことで電池のエネルギー密度を向上させることが可能である。
しかしながら、充電電圧を上昇させるにつれて、正極活物質と電解液との界面での反応性が上がることにより、正極から遷移金属成分が溶出し、活物質の劣化や、溶出した金属が負極側で析出することによるLiの吸蔵および放出の阻害を引き起こしたり、充電状態で保存した場合に固液界面での電解液の分解反応を加速させ、表面に皮膜を生成させて内部抵抗の上昇を引き起こす。すなわち、4.25V以上の高充電電圧状態で充放電を繰り返した場合には、Li引き抜き量の増大に伴って活物質と電解液の界面での反応性が上がり、充電時に活物質や電解液の劣化を引き起こし、充放電サイクル寿命低下や保存特性が劣化してしまう原因になっていると考えられる。
このような問題に鑑みて鋭意検討行った結果、本願発明者等は、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部にフルオロ錯塩を存在させることで、従来よりもサイクル劣化や保存劣化などが少なく、高容量化と電池特性とを両立させることができる正極活物質、これを用いた正極および非水電解質電池を発明するに至った。
すなわち、上述した課題を解決するために、第1の発明は、
リチウム遷移金属複合酸化物と、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有すること
を特徴とする正極活物質である。
第2の発明は、
リチウム遷移金属複合酸化物と、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有する正極活物質を含むこと
を特徴とする正極である。
第3の発明は、
正極と、負極と、電解質と、を備え、
正極は、リチウム遷移金属複合酸化物と、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有する正極活物質を含むものであること
を特徴とする非水電解質電池である。
この発明では、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部にフルオロ錯塩が存在することで、従来よりもサイクル劣化や保存劣化などが少なく、高容量化と電池特性とを両立させることができる。
この発明によれば、高容量で優れた充放電サイクル特性が得られ、同時に保存時の劣化も低減できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、この発明の一実施形態による正極活物質について説明する。
この発明の一実施形態による正極活物質は、母材粒子のリチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に、フルオロ錯塩が存在することを特徴とする。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵および放出できる化合物であれば特に限定されるものではなく、公知の物質を用いることができるが、層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が高容量化の点から好ましく、なかでもコバルト酸リチウムを主体としたリチウム遷移金属複合酸化物は、高充填性や高い放電電圧を有するため、より好ましい。層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物は、例えば、一般式LiMeO2(Meは1種類以上の遷移金属)で表され、これを用いることで、充電電圧を現在リチウムイオン二次電池において主に用いられている4.2V前後から上げることにより高容量化を図ることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、2族〜15族から選ばれる少なくとも1つ以上の元素で置換されたものでもよい。
フルオロ錯塩は、金属元素にフッ素イオンが配位したフルオロ錯イオンを含む塩であり、例えば、フルオロマグネシウム錯塩、フルオロアルミニウム錯塩、フルオロマンガン錯塩などが挙げられる。フルオロ錯塩としては、より優れた特性が得られる点から、アンモニウムの塩が好ましい。
フルオロ錯塩は、リチウム遷移金属複合酸化物と電解液との界面で機能するため、なるべく母材粒子表面に均一に分布するように存在している方が好ましいが、必ずしも全面を被覆するように存在している必要は無く、表面上に点在する形で付着するように存在していても十分に機能を発揮する。
フルオロマグネシウム錯塩としては、各種の塩が使用可能である。例えば、「M1[MgF3](M1:Na、K等)」で表されるトリフルオロマグネシウム酸塩、「M2[MgF4](M2:NH4、K、Na等)」で表されるテトラフルオロマグネシウム酸塩など、一般に「[MgFn-(n-2)」で表される錯陰イオンを含む塩が使用可能である。
フルオロマグネシウム錯塩は、母材であるリチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mとフルオロマグネシウム錯塩を構成するマグネシウム(Mg)との比率が原子比においてM:Mg=88:12〜99.95:0.05の範囲となるような量で存在していることが好ましい。フルオロマグネシウム錯塩の量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎる場合には、リチウムイオンの移動が阻害されたり、フルオロマグネシウム錯塩の母材粒子表面における分布の均一性が失われて十分な効果が得られない。
フルオロアルミニウム錯塩としては、各種の塩が使用可能である。例えば、「M3[AlF4](M3:NH4、K、Li等)」で表されるテトラフルオロアルミニウム酸塩、「M4[AlF6](M4:Na3、Li3、LiMg、K3等)」で表されるヘキサフルオロアルミニウム酸塩など、一般に「[AlFn-(n-3)」で示される錯陰イオンを含む塩が使用可能である。
フルオロアルミニウム錯塩は、母材であるリチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mとフルオロアルミニウム錯塩を構成するアルミニウム(Al)との比率が原子比においてM:Al=92:8〜99.95:0.05の範囲となるような量で存在していることが好ましい。フルオロアルミニウム錯塩の量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎる場合にはリチウムイオンの移動が阻害されたり、フルオロアルミニウム錯塩の母材粒子表面における分布の均一性が失われて十分な効果が得られない。
フルオロマンガン錯塩としては、各種の塩が使用可能である。例えば「M5[MnF3](M5:NH4,K,Na等)」で表されるトリフルオロマンガン酸塩、「M6[MnF5](M6:(NH42、Zn、Co等)」で表されるペンタフルオロマンガン酸塩、「M7[MnF6](M7:(NH42、Ca、Mg、K2等)」で表されるヘキサフルオロマンガン酸塩等が使用可能である。
フルオロマンガン錯塩は、母材であるリチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mとフルオロマンガン錯塩を構成するマンガン(Mn)との比率が原子比においてM:Mn=93:7〜99.9:0.1の範囲となるような量で存在していることが好ましい。フルオロマンガン錯塩の量が少なすぎると十分な効果が得られず、多すぎる場合にはリチウムイオンの移動が阻害されたり、フルオロマンガン錯塩の母材粒子表面における分布の均一性が失われて十分な効果が得られない。
フルオロ錯塩を母材粒子の表面に存在させる方法は、特に限定されない。例えばリチウム金属複合酸化物粒子と、フルオロ錯塩とを、同時に粉砕混合することにより、フルオロ錯塩をリチウム金属複合酸化物粒子の表面に被着できる。この手段としては、ボールミル、ジェットミル、擂潰機、微粉砕機などを用いて行なうことができる。この場合、水で例示できる、多少の液体分を添加して行なうことも有効である。
また、メカノケミカル処理による被着や、スパッタやCVDのような気相法によっても被着させることもできる。さらに、原料を適当な溶媒中で混合することや、母材粒子の存在下でフルオロ錯塩の原料を反応させ、粒子表面に析出させる方法も使用可能である。
さらに、リチウム遷移金属複合酸化物粒子表面にフルオロ錯塩またはその原料を被着した後、適当な温度で熱処理を施すようにしてもよい。さらに、焼成後、必要に応じて軽い粉砕や分級操作などによって粒度調整してもよい。さらに、被着処理を2回以上行って異なる種類のフルオロ錯塩を存在させるようにしてもよい。ただし、いずれの場合もフルオロ錯塩が分解されない条件で行うことが必要である。
この発明の一実施形態による正極活物質を用いて、例えば、種々の形状およびサイズのリチウムイオン電池などの非水電解質電池を作製することが可能である。以下にこの発明の一実施形態による正極活物質を用いた非水電解質電池の第1の例について説明する。
図1は、この発明の一実施形態による正極活物質を用いた非水電解質電池の断面構造を示す。この非水電解質電池は、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。この非水電解質電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して積層し巻回された巻回電極体20を有している。
電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、封口ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。
電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡または外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。
熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。封口ガスケット17は、例えば絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には、例えば、センターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケル(Ni)などよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aと、正極集電体に21Aの両面に設けられた正極活物質層21Bとを有している。なお、正極活物質層21Bが片面のみに存在する領域を有するようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、上述した正極活物質を含んで構成されている。正極活物質層21Bは、また、例えば導電剤を含んでおり、必要に応じてさらに結着剤を含んでいてもよい。導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラックまたはケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料または導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、そのうちの1種または2種以上が混合して用いられる。例えば、図1に示したように正極21および負極22が巻回されている場合には、結着剤として柔軟性に富むスチレンブタジエン系ゴムまたはフッ素系ゴムなどを用いることが好ましい。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aと、負極集電体22Aの両面に設けられた負極活物質層22Bとを有している。なお、負極活物質層22Bが片面のみ存在する領域を有するようにしてもよい。
負極集電体22Aは、例えば、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する銅箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。特に、銅箔は高い電気伝導性を有するので最も好ましい。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んで構成されており、必要に応じて、例えば正極活物質層21Bと同様の結着剤を含んでいてもよい。
負極材料としては、対リチウム金属2.0V以下の電位で電気化学的にリチウムをドープ・脱ドープする材料であればいずれも用いることができる。例示するならば、難黒鉛化性炭素、人造黒鉛、天然黒鉛、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークスなど)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂などを適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭、カーボンブラック類などの炭素質材料を使用することができる。またリチウムと合金を形成可能な金属およびその合金や金属間化合物も利用可能である。酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズなどの比較的電位が卑な電位でリチウムをドープ脱ドープする酸化物やその他窒化物なども同様に使用可能である。負極の形態に関しても特に限定されず、活物質粉体を塗布したものの他、集電体上に活物質層を蒸着などの方法で形成したものも使用可能である。
電解質としては、有機溶媒に電解質塩を溶解させた非水電解液を用いることができる。非水電解液は、有機溶媒と電解質とを適宜組み合わせて調整される。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、アニソール、酢酸エステル、酪酸エステル、プロピオン酸エステルなどを挙げることができる。
電解質塩としては、この種の電池に用いられるものであればいずれも使用可能である。例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C654、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiCl、LiBrなどを挙げることができる。
セパレータ23としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどの合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜を用いることができる。また、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造を有するものを用いてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系多孔質膜は、ショート防止効果に優れ、且つシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。また、ポリオレフィンなどの微多孔質膜上にポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどの多孔性の樹脂層を形成したものを用いてもよい。
次に、非水電解質電池の第1の例の製造方法の一例について説明する。まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などで圧縮成型することにより正極活物質層21Bを形成する。これにより、正極31が得られる。
また、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機などで圧縮成型することにより負極活物質層22Bを形成する。これにより、負極22が得られる。
続いて、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けるとともに、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接するとともに、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図2に示した非水電解質電池が得られる。
この非水電解質電池では、例えば、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して、負極活物質層22Bに含まれるリチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料に吸蔵される。次に、放電を行うと、負極活物質層22B中のリチウム(Li)を吸蔵および放出することが可能な負極材料に吸蔵されたリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
この非水電解質電池は、従来のリチウムイオン二次電池と同様の充放電電圧でも高い性能を発揮できるが、上限充電電圧を従来の非水電解液電池よりも高い、4.25V以上4.80V以下とすることで、より高いエネルギー密度を実現できる。さらに好ましくは、4.35V以上4.65V以下であり、下限放電電圧は、2.00V以上3.30V以下であることが好ましい。
次に、非水電解質電池の第2の例について説明する。図3は、非水電解質電池の第2の例の一構成例を示す断面図である。この非水電解質電池は、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30をフィルム状の外装部材40の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
正極リード31および負極リード32はそれぞれ、外装部材40の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード31および負極リード32は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)またはステンレス(SUS)などの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体30とが対向するように配設されており、各外縁部が融着または接着剤により互いに密着されている。外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材40は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
図4は、図3に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面図である。巻回電極体30は、正極33と負極34とをセパレータ35および電解質層36を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は、保護テープ37により保護されている。
正極33は、正極集電体33Aの片面または両面に正極活物質層33Bが設けられた構造を有している。負極34は、負極集電体34Aの片面または両面に負極活物質層34Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層34Bと正極活物質層33Bとが対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、それぞれ第1の例で説明した正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層23Bおよびセパレータ35と同様である。
電解質層36は、電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層36は高いイオン伝導率を得ることができるとともに、電池の漏液を防止することができるので好ましい。高分子化合物としては、電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ(ビニリデンフルオロライド)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(アクリロニトリル)などを用いることができる。特に酸化還元安定性から、フッ素系高分子を用いることが望ましい。電解質塩を含有させることによりイオン導電性を賦与する。なお、電解質には、電解液を高分子化合物に保持させることなく、液状の電解質としてそのまま用いてもよい。
次に、非水電解質電池の第2の例の製造方法の一例について説明する。まず、正極33および負極34のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させてゲル状の電解質層36を形成する。そののち、正極集電体33Aの端部に正極リード31を溶接により取り付けるとともに、負極集電体34Aの端部に負極リード32を溶接により取り付ける。
次に、ゲル状の電解質層36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ37を接着して巻回電極体30を形成する。最後に、例えば、外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込み、外装部材40の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間には密着フィルム41を挿入する。これにより、図3および図4に示した非水電解質電池が得られる。
また、この非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極33および負極34を作製し、正極33および負極34に正極リード31および負極リード32を取り付けたのち、正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ37を接着して、巻回電極体30の前駆体である巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材40に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材40の内部に収納する。続いて、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材40の内部に注入する。
電解質用組成物を注入したのち、外装部材40の開口部を真空雰囲気下で熱融着して密封する。次に、熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層36を形成する。以上により、図3および図4に示した非水電解質電池が得られる。
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
フッ化マグネシウム粉末とフッ化アンモニウム粉末とを混合し250℃で熱処理することにより、被覆材としてテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末を得た。この粉末と、母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末とを分子比でLiCoO2:(NH42[MgF4]=95:5となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。
得られた粉末をSEM/EDX(Scanning Electron Microscope/Energy Dispersve X-ray spectrometer)により観察したところ、図5に示すように、マグネシウム(Mg)は、リチウム遷移金属複合酸化物の表面全体に分布していることが確認された。また、この粉末についてCuKαを用いた粉末X線回折パターンを測定したところ、図6に示すように、層状岩塩構造を有するLiCoO2に相当する回折ピークに加えて(NH42[MgF4]に相当する回折ピークが確認された。また、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により粉末の組成を定量したところ、Co:Mg=95:5(原子比)となっていることが確認された。
得られた粉体を正極活物質として用い、以下に説明するようにして円筒型電池を作製した。まず正極活物質90重量%と、導電剤としてグラファイト6重量%と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)4重量%とを混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーとした。このスラリーを厚さ20ミクロンの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に塗布・乾燥後、ローラープレス機で圧縮して帯状正極を得た。
次に、負極として、粉末状の人造黒鉛90重量%にポリフッ化ビニリデン(PVdF)を10重量%混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて負極合剤スラリーとした。この負極合剤スラリーを厚さ10ミクロンの銅箔の両面に均一に塗布し、乾燥後にローラープレス機で圧縮することで帯状負極を得た。
以上のようにして作製した帯状正極、帯状負極を多孔性ポリオレフィンフィルムを介して多数回巻回し、渦巻き型の電極体を作製した。この電極体をニッケルめっきを施した鉄製電池缶に収納し、当該電極体の上下両面に絶縁板を配置した。次いで、アルミニウム製正極リードを正極集電体から導出して、電池蓋と電気的な導通が確保された安全弁の突起部に溶接し、ニッケル製負極リードを負極集電体から導出して電池缶の底部に溶接した。
最後に、上述の電極体が組み込まれた電池缶内に電解液を注入した。電解液としては、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの体積混合比が1:1である混合溶媒に1mol/dm3の濃度になるようにLiPF6を溶解したものを用いた。その後、絶縁封口ガスケットを介して電池缶をかしめることにより、安全弁、PTC素子ならびに電池蓋を固定し、外径が18mmで高さが65mmの円筒型の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例2>
母材としてLiCo0.98Al0.01Mg0.012を用いた点以外は、実施例1と同様の処理を行い、被覆材としてテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例2の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例3>
母材としてLiNi0.80Co0.15Al0.052を用いた点以外は、実施例1と同様の処理を行い、被覆材としてテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例3の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例4>
フッ化アンモニウムに換えてフッ化水素酸カリウムを用いた点以外は、実施例1と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマグネシウム酸カリウム(KMgF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例4の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例5>
フッ化アンモニウムに換えてフッ化ナトリウムを用いた点以外は、実施例1と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマグネシウム酸ナトリウム(NaMgF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例5の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例6>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=99.97:0.03となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例6の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例7>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=99.95:0.05となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウムが付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例7の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例8>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=99.5:0.5となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウムが付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例8の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例9>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=88:12となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例9の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例10>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=85:15となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウムが付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例10の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例11>
母材粉末と、テトラフルオロマグネシウム酸アンモニウム「(NH42[MgF4]」粉末とを実施例1とは異なる混合比で混合した点以外は、実施例1と同様の処理を行って、Co:Mg=80:20となるようにテトラフルオロマグネシウム酸アンモニウムが付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例11の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例12>
正極と負極との比率を変える事により充電電圧が4.20Vとなるようにした点以外は、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例13>
正極と負極との比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるようにした点以外は、実施例1と同様にして、実施例12の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例14>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるようにした点以外は、実施例1と同様にして、実施例13の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例1>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化リチウム(LiF)と、を分子比でLiCoO2:LiF=95:5となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化リチウム(LiF)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして比較例1の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例2>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マンガン(MnF2)とを分子比でLiCoO2:MnF2=95:5となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マンガン(MnF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例2の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例3>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化アルミニウム(AlF3)とを分子比でLiCoO2:AlF3=95:5となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化アルミニウム(AlF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例3の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例4>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マグネシウム(MgF2)とを分子比でLiCoO2:MgF2=95:5となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マグネシウム(MgF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例4の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例5>
被覆処理を施していないコバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質として用いた点以外は、実施例12と同様にして、充電電圧が4.20Vとなる比較例5の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例6>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるようにした点以外は、比較例5と同様にして、比較例6の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例7>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.40Vとなるようにした点以外は、比較例5と同様にして、比較例7の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例8>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるようにした点以外は、比較例5と同様にして、比較例8の非水電解液二次電池を作製した。
[評価]
作製した非水電解液二次電池について、環境温度45℃充電電圧4.40V、充電電流1000mA、充電時間2.5時間の条件で充電を行った後、放電電流800mA、終止電圧2.75Vで放電を行い初回容量を測定した。
初回容量を求めた場合と同様にして充放電を繰り返し、200サイクル目の放電容量を測定して、初期容量に対するサイクル維持率を下記の式により求めた。
(式)
「サイクル維持率」(%)=(「200サイクル目の放電容量」/「初回容量」)×100(%)
初回容量を求めた場合と同じ条件で充電し、60℃の環境温度で14日間保存したのち、初回容量と同様にして放電容量を測定し、初回容量に対する保存維持率を下記式により求めた。
(式)
「保存維持率」(%)=(「60℃14日間保存後の放電容量」/「初回容量」)×100(%)
実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例8の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜実施例12と比較例1〜比較例4および比較例7、実施例12と比較例5、実施例13と比較例6、実施例14と比較例8、とをそれぞれ比べると、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部にフルオロマグネシウム錯塩が存在することによって、サイクル維持率、保存維持率を向上できることがわかった。
また、実施例1および実施例6〜実施例11によると、被覆材比率が0.05%〜12%でより優れたサイクル維持率、保存維持率が得られた。12%を超えると初回容量が小さかった。すなわち、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を構成する遷移金属のコバルト(Co)と、フルオロマグネシウム錯塩を構成するマグネシウム(Mg)と、の原子比(M:Mg)が88:12〜99.95:0.05の範囲にあることが好ましいことがわかった。
<実施例15>
1.0moldm-3のフッ化アンモニウム水溶液に対し、レーザ散乱法により測定した場合の平均粒子径が13μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を加え、これに1.0moldm-3の硫酸アルミニウム水溶液をCo:Al=98:2となる比率(原子比)で加えて攪拌した。得られたスラリーを濾過、乾燥し、母材としてのコバルト酸リチウム粒子上に、被覆材としてのヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」粒子が析出した材料を得た。
得られた粉末をSEM/EDXにより観察したところ、図7に示すように、アルミニウム(Al)はリチウム遷移金属複合酸化物の表面全体に分布していることが確認された。また、この粉末についてCuKαを用いた粉末X線回折パターンを測定したところ、図8に示すように、層状岩塩構造を有するLiCoO2に相当する回折ピークに加えて(NH43[AlF6]に相当する回折ピークが確認された。また、ICP発光分光分析法により粉末の組成を定量したところ、Co:Al=98:2(原子比)となっている事が確認された。
得られた粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例15の円筒型の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例16>
母材としてLiCo0.98Al0.01Mg0.012を用いた点以外は、実施例15と同様の処理を行い、被覆材としてヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例16の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例17>
母材としてLiNi0.80Co0.15Al0.052を用いた点以外は、実施例15と同様の処理を行い、被覆材としてヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例17の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例18>
フッ化アンモニウム水溶液に換えてフッ化水素酸カリウム水溶液を用いた点以外は、実施例15と同様の処理を行い、被覆材としてヘキサフルオロアルミニウム酸カリウム(K3AlF6)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例18の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例19>
フッ化アンモニウム水溶液に換えてフッ化ナトリウム水溶液を用いた点以外は、実施例1と同様の処理を行い、ヘキサフルオロアルミニウム酸ナトリウム(Na3AlF6)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例19の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例20>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末を水酸化リチウムの飽和水溶液に分散し、別途水酸化アルミニウムをフッ化水素酸に溶解して調整したヘキサフルオロアルミニウム酸水溶液を加えてヘキサフルオロアルミニウム酸リチウム(Li3AlF6)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例20の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例21>
過剰のフッ化水素酸に対し、水酸化アルミニウムを溶解し、更にフッ化リチウムを加えて濃縮することでテトラフルオロアルミニウム酸リチウム粉末(LiAlF4)を作製した。この粉末と、母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末とを分子比でLiCoO2:LiAlF4=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、テトラフルオロアルミニウム酸リチウム(LiAlF4)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例21の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例22>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=99.97:0.03となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例22の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例23>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=99.95:0.05となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例23の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例24>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=99.5:0.5となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例24の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例25>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=92:8となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例25の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例26>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=90:10となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例26の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例27>
硫酸アルミニウム水溶液を実施例15とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例15と同様の処理を行って、Co:Al=85:15となるようにヘキサフルオロアルミニウム酸アンモニウム「(NH43[AlF6]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例15と同様にして、実施例27の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例28>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.20Vとなるようにした点以外は、実施例15と同様にして、実施例28の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例29>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるにした点以外は、実施例15と同様にして、実施例29の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例30>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるにした点以外は、実施例15と同様にして、実施例30の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例9>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化リチウム(LiF)とを分子比でLiCoO2:LiF=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化リチウムが付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例9の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例10>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マンガン(MnF2)とを分子比でLiCoO2:MnF2=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マンガン(MnF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例10の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例11>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化アルミニウム(AlF3)とを分子比でLiCoO2:AlF3=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化アルミニウム(AlF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例11の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例12>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マグネシウム(MgF2)とを分子比でLiCoO2:MgF2=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マグネシウム(MgF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、比較例12の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例13>
被覆処理を施していないコバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質として用いた点以外は、実施例28と同様にして、充電電圧が4.20Vとなる比較例13の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例14>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるようにした点以外は、比較例13と同様にして、比較例14の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例15>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.40Vとなるようにした点以外は、比較例13と同様にして、比較例15の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例16>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるようにした点以外は、比較例13と同様にして、比較例16の非水電解液二次電池を作製した。
[評価]
作製した実施例15〜実施例30および比較例9〜比較例16の非水電解液二次電池について、実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例8と同様、初回容量、サイクル維持率および保存維持率を測定し評価を行った。実施例15〜実施例30および比較例9〜比較例16の測定結果を表2に示す。
表2に示すように、実施例15〜実施例27と比較例9〜比較例12および比較例15、実施例28と比較例13、実施例29と比較例14、実施例30と比較例16、とをそれぞれ比べると、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部にフルオロアルミニウム錯塩が存在することによって、サイクル維持率、保存維持率を向上できることがわかった。
また、実施例15および実施例22〜実施例27によると、被覆材比率が0.05%〜8%でより優れたサイクル維持率、保存維持率が得られた。8%を超えると初回容量が小さかった。すなわち、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を構成する遷移金属のコバルト(Co)と、フルオロアルミニウム錯塩を構成するマグネシウム(Al)と、の原子比(M:Al)が92:8〜99.95:0.05の範囲にあることが好ましいことがわかった。
<実施例31>
まず、本実施例で用いた正極活物質の作製方法を以下に示す。1.0moldm-3のフッ化アンモニウム水溶液に対し、レーザ散乱法により測定した場合の平均粒子径が平均粒子径13μmのコバルト酸リチウム(LiCoO2)を加え、これに1.0moldm-3の硫酸マンガン水溶液をCo:Mn=98:2となる比率(原子比)で加えて攪拌した。得られたスラリーを濾過、乾燥し、コバルト酸リチウム(LiCoO2)粒子上に、被覆材としてのトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」粒子が析出した材料を得た。
得られた粉末をSEM/EDXにより粉末を観察したところ、図9に示すように、マンガン(Mn)はリチウム遷移金属複合酸化物の表面全体に分布していることが確認された。また、この粉末についてCuKαを用いた粉末X線回折パターンを測定したところ、図10に示すように、層状岩塩構造を有するLiCoO2に相当する回折ピークに加えて(NH4)[MnF3]に相当する回折ピークが確認された。また、ICP発光分光分析法により粉末の組成を定量したところ、Co:Mn=98:2(原子比)となっている事が確認された。
得られた粉体を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例31の円筒型電池を作製した。
<実施例32>
母材としてLiCo0.98Al0.01Mg0.012を用いた点以外は、実施例31と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例1と同様にして、実施例32の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例33>
母材としてLiNi0.80Co0.15Al0.052を用いた点以外は、実施例31と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例33の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例34>
フッ化アンモニウム水溶液に換えてフッ化水素酸カリウム水溶液を用いた点以外は、実施例31と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマンガン酸カリウム(KMnF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例34の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例35>
フッ化アンモニウム水溶液に換えてフッ化ナトリウム水溶液を用いた点以外は、実施例31と同様の処理を行い、被覆材としてトリフルオロマンガン酸ナトリウム(NaMnF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例35の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例36>
塩化カリウム粉末と塩化マンガン粉末とを粉砕混合しフッ素気流下で400℃に加熱することによりヘキサフルオロマンガン酸カリウム(K2MnF6)粉末を作製した。この粉末と、母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末とを分子比でLiCoO2:K2MnF6=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、被覆材としてヘキサフルオロマンガン酸カリウム(K2MnF6)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例36の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例37>
塩化マグネシウム粉末と塩化マンガン粉末とを粉砕混合しフッ素気流下で550℃に加熱することによりヘキサフルオロマンガン酸マグネシウム(MgMnF6)粉末を作製した。この粉末と、母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)粉末とを分子比でLiCoO2:MgMnF6=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、被覆材としてヘキサフルオロマンガン酸マグネシウム(MgMnF6)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例37の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例38>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=99.95:0.05となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例38の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例39>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=99.9:0.1となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例39の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例40>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=99.5:0.5となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例40の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例41>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=93:7となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例41の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例42>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=90:10となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例41の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例43>
硫酸マンガン水溶液を実施例31とは異なる量で加えるようにした点以外は、実施例31と同様の処理を行って、Co:Mn=85:15となるようにトリフルオロマンガン酸アンモニウム「(NH4)[MnF3]」が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を得た。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、実施例41の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例44>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.20Vとなるようにした点以外は、実施例31と同様にして、実施例44の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例45>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるようにした点以外は、実施例31と同様にして、実施例45の非水電解液二次電池を作製した。
<実施例46>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるようにした点以外は、実施例31と同様にして、実施例46の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例17>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化リチウム(LiF)とを分子比でLiCoO2:LiF=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化リチウム(LiF)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、比較例17の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例18>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マンガン(MnF2)とを分子比でLiCoO2:MnF2=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マンガン(MnF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、比較例18の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例19>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化アルミニウム(AlF3)とを分子比でLiCoO2:AlF3=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化アルミニウム(AlF3)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、比較例19の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例20>
母材としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、被覆材として市販のフッ化マグネシウム(MgF2)とを分子比でLiCoO2:MgF2=98:2となるように混合した後、メカノケミカル装置にて複合化し、フッ化マグネシウム(MgF2)が付着したリチウム遷移金属複合酸化物粒子を作製した。この粉末を正極活物質として用い、実施例31と同様にして、比較例20の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例21>
被覆処理を施していないコバルト酸リチウム(LiCoO2)を正極活物質として用いた点以外は、実施例44と同様にして、充電電圧が4.20Vとなる比較例21の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例22>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.35Vとなるようにした点以外は、比較例21と同様にして、比較例22の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例23>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.40Vとなるようにした点以外は、比較例21と同様にして、比較例23の非水電解液二次電池を作製した。
<比較例24>
正極と負極の比率を変える事により充電電圧が4.50Vとなるようにした点以外は、比較例21と同様にして、比較例24の非水電解液二次電池を作製した。
作製した実施例31〜実施例46および比較例17〜比較例24の非水電解液二次電池について、実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例8と同様、初回容量、サイクル維持率および保存維持率を測定し評価を行った。実施例31〜実施例46および比較例17〜比較例24の測定結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例31〜実施例43と比較例17〜比較例21および比較例23、実施例44と比較例21、実施例45と比較例22、実施例46と比較例24、とをそれぞれ比べると、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部にフルオロマンガン錯塩を存在することによって、サイクル維持率、保存維持率を向上できることがわかった。
また、実施例31および実施例38〜実施例43によると、被覆材比率が0.1%〜7%でより優れたサイクル維持率、保存維持率が得られた。さらに、7%を超えると初回容量が小さかった。すなわち、LiCoO2を構成する遷移金属のコバルト(Co)と、フルオロマンガン錯塩を構成するマンガン(Mn)と、の原子比(Co:Mn)が93:7〜99.9:0.1の範囲にあることが好ましいことがわかった。
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、正極活物質は、組成、粉体物性、粒子形状が異なるものを混合して用いてもよい。
また、例えば、上述の実施形態では、円筒型、ラミネート型の形状の電池を例に挙げて説明したがこれらに限定されるものではなく、角型、コイン型、ボタン型などの種々の形状にすることができる。
また、上述の実施形態においては、電解質として非水電解液またはゲル状電解質を備える電池に対してこの発明を適用した例について示したがこれらに限定されるものではない。例えば、固体電解質を備える電池に対して、この発明を適用するようにしてもよい。固体電解質としては、リチウムイオン導電性を有する材料であれば無機固体電解質、高分子固体電解質いずれも用いることができる。無機固体電解質としては、例えば窒化リチウム、ヨウ化リチウムなどが挙げられる。高分子固体電解質は、電解質塩とそれを溶解する高分子化合物からなり、高分子化合物としては、例えばポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系、アクリレート系などを単独または分子中に共重合、若しくは混合したものを用いることができる。
さらに、電極の作製方法は問わない。例えば、材料に公知の結着剤、導電性材料などを添加し溶剤を加えて塗布する方法、材料に公知の結着剤などを添加し加熱して塗布する方法、材料単独または導電性材料さらには結着剤と混合して成型などの処理を施して集電体上に成型体電極を作製する方法が採られるが、それらに限定されるものではない。より具体的には、例えば、活物質を結着剤、有機溶剤などと混合してスラリー状にした後、集電体上に塗布し、その後乾燥することにより作製できる。さらに、結着剤の有無にかかわらず、活物質に熱を加えたまま加圧成型することにより強度を有した電極を作製することも可能である。
さらに、電池の作製方法としても限定されないが、例えば正負極間にセパレータを介して巻芯の周囲に巻回する作製方法、または電極とセパレータとを順次積層する積層方式などが採られる。角型電池を作製する際に巻回する方式を採る場合にもこの発明は有効である。
この発明の一実施形態による正極活物質を用いた非水電解質電池の第1の例の構成を表す断面図である。 図1に示した非水電解質電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 この発明の一実施形態による正極活物質を用いた非水電解質電池の第2の例の構成を表す分解斜視図である。 図3で示した巻回電極体のI−I線に沿った断面図である。 実施例1で作製した正極活物質のSEM像である。 実施例1で作製した正極活物質のXRDプロファイルである。 実施例15で作製した正極活物質のSEM像である。 実施例15で作製した正極活物質のXRDプロファイルである。 実施例31で作製した正極活物質のSEM像である。 実施例31で作製した正極活物質のXRDプロファイルである。
符号の説明
11・・・電池缶
12、13・・・絶縁板
14・・・電池蓋
15・・・安全弁
15A・・・ディスク板
16・・・熱感抵抗素子
17・・・封口ガスケット
20、30・・・巻回電極体
21、33・・・正極
21A、33A・・・正極集電体
21B、33B・・・正極活物質層
22、34・・・負極
22A、34A・・・負極集電体
22B、34B・・・負極活物質層
23、35・・・セパレータ
24・・・センターピン
25、31・・・正極リード
26、32・・・負極リード
36・・・電解質層
37・・・保護テープ
40・・・外装部材
41・・・密着フィルム

Claims (11)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物と、該リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有すること
    を特徴とする正極活物質。
  2. 上記フルオロ錯塩は、フルオロマグネシウム錯塩、フルオロアルミニウム錯塩、フルオロマンガン錯塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種であること
    を特徴とする請求項1記載の正極活物質。
  3. 上記フルオロ錯塩は、アンモニウムの塩であること
    を特徴とする請求項1記載の正極活物質。
  4. 上記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mと、上記フルオロマグネシウム錯塩を構成するマグネシウムと、の原子比(M:Mg)が88:12〜99.95:0.05の範囲にあること
    を特徴とする請求項2記載の正極活物質。
  5. 上記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mと、上記フルオロアルミニウム錯塩を構成するアルミニウムと、の原子比(M:Al)が92:8〜99.95:0.05の範囲にあること
    を特徴とする請求項2記載の正極活物質。
  6. 上記リチウム遷移金属複合酸化物を構成する遷移金属Mと、上記フルオロマンガン錯塩を構成するマンガンと、の原子比(M:Mn)が93:7〜99.9:0.1の範囲にあること
    を特徴とする請求項2記載の正極活物質。
  7. 上記リチウム遷移金属複合酸化物は、層状構造を有するものであること
    を特徴とする請求項1記載の正極活物質。
  8. リチウム遷移金属複合酸化物と、該リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有する正極活物質を含むこと
    を特徴とする正極。
  9. 正極と、負極と、電解質と、を備え、
    上記正極は、リチウム遷移金属複合酸化物と、該リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部に存在するフルオロ錯塩と、を有する正極活物質を含むものであること
    を特徴とする非水電解質電池。
  10. 上記リチウム遷移金属複合酸化物は、層状構造を有するものであること
    を特徴とする請求項9記載の非水電解質電池。
  11. 上限充電電圧が4.25V以上4.80V以下であり、下限放電電圧が2.00V以上3.30V以下であること
    を特徴とする請求項10記載の非水電解質電池。
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