JP2013251097A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期充放電効率の向上とサイクル特性の向上とを両立し得る非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池の負極活物質として、リチウム(Li)を含むリチウム含有原料と、ケイ素(Si)を含むケイ素含有原料と、をともに加熱して得られるリチウム含有負極活物質を用いる。また、非水電解質二次電池の電解液として、フルオロエチレンカーボネートを含むものを用いる。負極活物質としてリチウム含有負極活物質を用いることで、SiOの不可逆容量の少なくとも一部をキャンセルできる。また、フルオロエチレンカーボネートを含む電解液を用いることで、サイクル特性を向上させ得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、小型で大容量であるため、携帯電話やノートパソコンといった幅広い分野で用いられている。非水電解質二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。なかでも電極に含まれる活物質材料の研究開発が活発に行われている。現在、一般的に用いられている負極活物質として黒鉛などの炭素系材料がある。黒鉛などを負極活物質とする炭素負極は、インターカレーション反応を有することから、サイクル特性や出力は良いものの、今後大幅な容量向上は期待出来ない。その一方で、非水電解質二次電池は仕様および用途の広がりとともに、さらなる容量向上に対する要求が強くなっている。そのため、炭素よりも高容量、すなわち高エネルギー密度を有する負極活物質の検討が行われている。
高エネルギー密度を実現可能な負極活物質として、ケイ素やケイ素酸化物のようなケイ素系材料が挙げられる。ケイ素は、単位体積当りまたは単位質量当たりのリチウムイオンの吸蔵放出量が多く、炭素の10倍以上の高容量を示す。しかしその反面、ケイ素系材料は、充放電容量が大きいものの、リチウム吸蔵時の体積膨張による電極破壊、ケイ素の微粉化による電極からのケイ素の滑落およびそれらに起因する導電パスの切断、などが原因で、充放電サイクル特性に乏しいという課題がある。
ケイ素の充放電サイクル特性の改善対策として、ケイ素酸化物を負極活物質として用いることが知られている。ケイ素酸化物(SiO:xは0.5≦x≦1.5程度)は、熱処理されると、SiとSiOとに分解することが知られている。これは不均化反応とよばれ、SiとOとの比が概ね1:1の均質な固体の一酸化ケイ素SiOであれば、固体の内部反応によりSi相とSiO相の二相に分離する。二相のうち微小なSi相が、主としてリチウムの吸蔵放出を行う。SiO相は、複数の微小なSi相を覆い電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、Si相とSiO相とに分解したSiOからなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。一方、酸化物の導電性が低いため、リチウムの拡散が不十分となる。また、SiO相がリチウムと電気化学的に反応してケイ酸塩を形成するため、不可逆容量(初期充電時に充電した容量のうち外部に取り出すことのできない容量、すなわち最初の充電容量と最初の放電容量との差)が増大し、ひいては初期充放電効率が低下するという問題もあった。
負極活物質にリチウムをプリドープすることで、上述したケイ素酸化物の不可逆容量に相当する量のリチウムを予め補う技術が知られている。この技術によると、ケイ素酸化物の不可逆容量をキャンセルでき、初期充放電効率を向上させ得ると考えられる。リチウムをプリドープする方法として、電気化学的な方法が知られている。電気化学的なリチウムのプリドープ法の一例として、以下の方法を挙げることができる。
先ず、ケイ素酸化物を負極活物質とする負極と、リチウム源となる正極活物質(例えば金属リチウム等)と、を用いたプリドープ用の電池を製作する。このプリドープ用の電池を充電させることで、正極のリチウムを負極に移動させ、リチウムがプリドープされた負極を得る。例えば非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池であれば、その後、この電池から正極(金属リチウム)を取り外し、リチウムイオン二次電池用の正極に取り替える。このような方法によると負極にリチウムをプリドープでき、負極の不可逆容量分に相当するリチウムを、リチウムイオン二次電池以外から供給できる。このため、非水電解質二次電池(特にリチウムイオン二次電池)の初期充放電効率が向上すると考えられる。
しかしこの方法は非水電解質二次電池の製造効率に劣るために実用的ではない。このような電気化学的方法以外の方法で負極にリチウムをプリドープすれば、非水電解質二次電池の製造効率を向上させ得ると考えられる。具体的には、ケイ素元素(Si)を含むケイ素含有原料と、リチウム元素(Li)を含むリチウム含有原料と、を反応させて、リチウムを含有する負極活物質を合成することで、上述した電気化学的方法を用いることなく、負極活物質にリチウムをドープできると考えられる。以下、本明細書において、電気化学的方法以外の方法でリチウムがプリドープされた負極活物質をリチウム含有負極活物質と呼ぶ。例えば特許文献1には、リチウムがケイ素酸化物と融合化し一部が結晶化しているリチウム含有ケイ素酸化物が記載されている。特許文献2には、炭素質物と、炭素質物中に分散されたシリコン酸化物と、シリコン酸化物中に分散されたシリコンと、シリコン酸化物中に含まれLiSiOを主成分とするリチウムシリケート相と、を有する複合体粒子が開示されている。
このような方法を用いてケイ素酸化物にリチウムをプリドープする場合には、電気化学的方法によりケイ素酸化物にリチウムをプリドープする場合に比べて、作業効率が向上する。しかし、リチウム含有負極活物質を負極に用いることで、非水電解質二次電池のサイクル特性が悪化する場合がある。このため、初期充放電効率の向上と、サイクル特性の向上とを両立し得る非水電解質二次電池が望まれている。
特開2003−160328号公報 特開2007−59213号公報
本発明は、上記の問題点に鑑み、初期充放電効率の向上とサイクル特性の向上とを両立し得る非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、リチウム含有負極活物質と、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を含む電解液と、を併用することで、初期充放電効率の向上とサイクル特性の向上とを両立し得ることを見出した。すなわち、上記課題を解決する本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を備える非水電解質二次電池であって、
該負極は、リチウム(Li)を含むリチウム含有原料と、ケイ素(Si)を含むケイ素含有原料と、をともに加熱して得られるリチウム含有負極活物質を含み、
該電解液は、フルオロエチレンカーボネートを含む溶媒と、支持塩と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の車両は、上述した本発明の非水電解質二次電池をしたことを特徴とする。
本発明の非水電解質二次電池によると、リチウム含有負極活物質を用いることで、SiOの不可逆容量をキャンセルして非水電解質二次電池の初期充放電効率を向上させることができる。また、その理由は定かではないが、電解液としてFECを含むものを用いることで非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させることができる。これは、負極の表面に形成されるSEI(Solid Electrolyte Interface)膜と関係するものと考えられる。SEIは、LiF、LiCO等を主成分とする被膜である。
FECは酸化還元電位が高く、電解液の成分のなかでも還元分解されやすい成分である。このため、FECを含む電解液を用いた二次電池で充放電を行うと、負極の表面で電解液が分解され、FECの還元生成物を含むSEI膜が形成され易い。負極の表面にSEI膜が存在することで、電解液と負極とが直接接触することが抑制される。このため、負極の表面における電解液の分解劣化が結果的に抑制され、非水電解質二次電池のサイクル特性が向上するものと考えられる。本発明の非水電解質二次電池は、これらの協働によって、初期充放電効率を向上させつつ、サイクル特性をも向上させることができる。
本発明の非水電解質二次電池によると、初期充放電効率の向上と、サイクル特性の向上とを両立できる。
実施例の非水電解質二次電池に用いた溶融塩法によるリチウム含有負極活物質(リチウム含有ケイ素系材料粉末)のX線回折(XRD)測定の結果を示す。 溶融塩法によるリチウム含有負極活物質の断面を、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果を示す。 固相法によるリチウム含有負極活物質の合成を低温にて行った場合に得られる反応生成物のXRD測定結果を示す。 固相法によるリチウム含有負極活物質のXRD測定結果を示す。 固相法によるリチウム含有負極活物質をSEMを用いて観察した結果を示す。 溶融塩法によるリチウム含有負極活物質の一粒子の断面を示す模式図である。
以下、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「a〜b」は、下限aおよび上限bをその範囲に含む。そして、これらの上限値および下限値、ならびに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで数値範囲を構成し得る。
<負極活物質>
本発明の非水電解質二次電池における負極活物質(「本発明の活物質」と略記することもある)は、リチウムがプリドープされたリチウム含有負極活物質であれば良く、その製造方法は特に問わない。例えば、リチウム箔を用いた電気化学的な方法、有機Li試薬を用いた化学的な方法、所謂固相法によるリチウム含有負極活物質、および、後述する溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を含む。固相法によるリチウム含有負極活物質であっても、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質であっても、リチウムを含有することにより、ケイ素酸化物の不可逆容量の少なくとも一部をキャンセルできる。また、これらのリチウム含有負極活物質と、FECを含む電解液とを組み合わせることで、非水電解質二次電池のサイクル特性が向上する。
固相法では、粉末状の原料(例えばSiO粉末およびLiOH粉末)が混合された状態で加熱されることで、反応が進む。SiO粒子の表面であってLiOH粉末と接触している箇所から順次シリケート化されて、ケイ酸リチウム化合物が生成される。固相法は比較的穏やかな条件で反応が進行するため、特殊な反応装置等を必要としない利点がある。また、反応に必要な原料等も比較的入手し易い。また、固相法で得られるリチウム含有負極活物質は、後述する溶融塩法で得られるリチウム含有負極活物質に比べて、リチウムのプリドープ量を制御し易い。さらに、固相法で得られるリチウム含有負極活物質は、その構造や特性の面において、従来の電気化学的方法でリチウムがプリドープされた負極活物質と大きく異ならないため、従来の非水電解質二次電池と同様のバインダー、電解液、セパレータ等をそのまま使用できる。
本発明の発明者らは鋭意研究を重ね、試行錯誤を重ねた結果、SiO粉末とLiOH粉末とを、LiNOの溶融塩中で反応させる溶融塩法により得られる反応生成物(以下、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質と呼ぶ)を負極活物質として用いることに想到した。そして、この溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を上述したFECを含む電解液と組み合わせて非水電解質二次電池を構成することで、初期充放電効率とサイクル特性とにより一層優れる非水電解質二次電池を得ることができることを見出した。
本発明の発明者等のこれまでの研究によると、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、LiSiO相とSi微粒子とを含有し、充放電に関与するSi微粒子が分散した均一な組織を有することがわかっている。この溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む化合物相と、Si微粒子を含むSi含有相と、を含有する。このSi微粒子は、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質中において分散状態にある。
ここでいう「分散状態」とは、換言すれば、Si微粒子が負極活物質中で略均一に存在する状態である。例えば、負極活物質が粉末であれば、Si微粒子が他の粒子と共に粉末中に一様に混在している状態の他、粉末の一粒子を構成する母相中においてもSi微粒子が一様に存在する状態であっても良い。一粒子を構成する母相中にSi微粒子が偏在している場合には、巨視的には負極活物質全体においてSi微粒子は凝集していると見なすことができ、そのようなSi微粒子は分散状態にはないと考えられる。
また、「基本組成とする」とは、その組成式で表される組成のものだけでなく、結晶構造におけるLi、Si、Oのサイトの一部を他の元素で置換したものも含むことを意味する。さらに、化学量論組成のものだけでなく、一部の元素が欠損等して化学量論組成から僅かにずれた非化学量論組成のものも含むことを意味する。
なお、上述した特許文献1にはリチウムがケイ素酸化物にドープされたリチウム含有負極活物質が開示され、特許文献1の図1および図2にはそのX線回折測定結果が示されている。しかし特許文献1に示されているX線回折測定結果からは、LiSiOやLiSiOといったケイ酸リチウム化合物の存在は確認できない。また、特許文献1に記載のリチウム含有ケイ素酸化物も特許文献2に記載の複合体粒子も、原料であるケイ素酸化物とリチウム塩とを焼成することで、固体のままの原料の表面から反応させる、いわゆる固相法により合成されている。つまり、特許文献1、2に開示されているような従来のリチウム含有負極活物質は、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質とは異なる。
本発明の非水電解質二次電池における負極活物質(つまりリチウム含有負極活物質)は、リチウムを含むケイ素系材料である。負極活物質に含まれるリチウムによって、ケイ素系材料が元々有する不可逆容量が補われる。また、本発明の非水電解質二次電池における負極活物質が溶融塩法によるリチウム含有負極活物質である場合には、負極活物質中においてSi微粒子が偏在せず分散して存在する。充放電を担うSi微粒子が分散状態にあるため、電解質イオンの移動が容易となり、ひいては不可逆容量の増大が抑制される。
また、本発明の非水電解質二次電池において用いる溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、以下の溶融反応工程および回収工程を含む製造方法で製造されたものであることが好ましい。溶融反応工程は、少なくともSiを含むケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を、アルカリ金属硝酸塩を含む450℃以下の溶融塩中で反応させる工程である。回収工程は、上記した溶融反応工程にて得られた反応生成物と上記した溶融塩との混合物から、反応生成物を回収する工程である。なお、リチウム水酸化物は本発明におけるリチウム含有原料に含まれる。
例えば、ケイ素含有原料およびリチウム水酸化物のみを反応させる場合、リチウム水酸化物は反応性が高いため、ケイ素含有原料に含まれるSiを容易にシリケート化し、オルトケイ酸リチウム(LiSiO)を生成すると考えられる。この反応をアルカリ金属硝酸塩の溶融塩中で行うと、リチウム水酸化物の反応性が適度に抑制されると推測される。そのため、ケイ素含有原料に含まれるSiは全てがシリケート化されず、反応生成物にはSiが残存すると推測される。Siは充放電に優先的に関与する。そして、ケイ素含有原料に含まれる一部のSiからLiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む化合物相が生成される。また、溶融塩中では、ケイ素含有原料およびリチウム水酸化物が微分散するため、原料全体が十分に反応した均一な組織が形成されやすい。その結果、LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む化合物相と、Si微粒子を含むSi含有相と、を含有し該Si微粒子が分散状態にあるリチウム含有ケイ素系材料(すなわち本発明の負極活物質)が容易に得られる。なお、Si含有相は化合物相と複合化しても良い。この場合、この複合相は化合物相でありかつSi含有相である。
溶融塩中では、低温であっても、ケイ素含有原料とリチウム水酸化物との反応を進めることができる。そのため、溶融塩法は、高い温度で反応させる必要がある固相法に比べて、エネルギー的に有利である。
溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、メタケイ酸リチウム系化合物を含む化合物相とSi微粒子を含むSi含有相とを含有する。化合物相は、LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む。Si含有相において、Si微粒子は分散状態にある。
化合物相は、LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む。LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物の存在は、XRD測定により確認することができる。化合物相は、二次電池において電解質イオンの吸蔵放出に寄与しない不活性な相であるが、充放電に伴う活物質の体積変化を緩和する働きをもつ。したがって、リチウム含有負極活物質として溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を用いる場合には、サイクル特性がさらに向上する。また、メタケイ酸リチウム系化合物は、リチウム等と不可逆容量の原因となるような電気化学的な反応を起こし難い利点もある。
化合物相は、例えばLiSiOを基本組成とするオルトケイ酸リチウム系化合物のような他のケイ酸リチウム系化合物を実質的に含まないのが好ましい。メタケイ酸リチウム系化合物は、オルトケイ酸リチウム系化合物に比べて大気中で加水分解が進行し難く取り扱いが容易であるため、化合物相に含まれるケイ酸リチウム系化合物として好適であるといえる。
メタケイ酸リチウム系化合物は、Liの一部が他のアルカリ金属元素で置換されていても良い。他のアルカリ金属元素は、Na、K、RbおよびCsのうちの一種以上である。メタケイ酸リチウム系化合物に含まれるLiを100原子%としたときに、10原子%以下さらには0.01〜5原子%のLiが他のアルカリ金属元素に置換されていても良い。また、メタケイ酸リチウム系化合物は、Siの一部が他の金属元素で置換されていても良い。他の金属元素としては、P、Ge、Sn、Al、Mg、Ca等が挙げられ、これらのうちの一種以上が好ましい。メタケイ酸リチウム系化合物に含まれるSiを100原子%としたときに、10原子%以下さらには0.01〜50原子%のSiが他の金属元素に置換されていても良い。
Si含有相は、分散状態にあるSi微粒子を含む。Si微粒子は、化合物相中に分散して存在するのが好ましく、単結晶で分散していても良いし、2以上の微結晶からなる多結晶で分散していても良い。Si微粒子の存在も、XRD測定により確認することができる。
Si含有相は、粉末X線回折法で得られる(111)面の回折ピーク(2θが28°〜29°の位置に存在)の半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が20nm以下さらには1〜10nmさらには1〜7nmであるのが好ましい。Si含有相に含まれる結晶の粒径がこの範囲にあれば、リチウムイオンなどの電解質イオンを吸蔵および放出する際の体積膨張および収縮により生じる応力が緩和され、また、粒子の微粉化およびそれに伴う電極劣化が抑制される。
また、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、化合物相および前記Si含有相で構成される複合粒子を含むことが好ましい。複合粒子は、化合物相中にSi微粒子が分散してなるのが好ましい。複合粒子の大きさに特に限定はないが、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、平均粒径が0.5〜50μmさらには1〜5μmである複合粒子の粉末を含むのが好ましい。平均粒径がこの範囲にあれば、電解質イオンの吸蔵放出に関与する表面積が十分に得られるため、好適である。なお、平均粒径は、例えば、走査顕微鏡(SEM)観察を行い、SEM像より測定した複数の粒子の最大径(粒子を2本の平行線で挟んだとき平行線の間隔の最大値)の平均値とする。
溶融塩法によるリチウム含有負極活物質は、化合物相とSi含有相とを含み、ケイ素酸化物を実質的に含まないほうが良い。例えば、SiOは導電性が低く、リチウムイオンと結合して不可逆容量の原因となる。このためSiOは溶融塩法によるリチウム含有負極活物質に含まれないのが好ましい。また、化合物相とSi含有相とが複合粒子を構成する場合には、化合物相が複合粒子に偏在しないのが好ましい。「複合粒子に偏在する」とは、粒子の一部のみに存在する場合、例えば、粒子の表層を覆うようにして存在する場合に相当する。後に詳説する製造方法によれば、原料全体が均一に反応した均一な組織の複合粒子を製造できるため、化合物相は複合粒子内に均一に存在することができる。換言すると、複合粒子は表面から中心部までLiを含む。
<負極>
リチウム含有負極活物質を用いた負極について説明する。負極は、集電体と、リチウム含有負極活物質を含み集電体上に結着された負極活物質層と、を有する。負極活物質は溶融塩法によるリチウム含有負極活物質であっても良いし、固相法によるリチウム含有負極活物質であっても良いし、両者の混合物であっても良い。負極活物質層は、負極活物質およびバインダー樹脂に、必要に応じて導電助剤および適量の有機溶剤を加えて混合し、スラリーにしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、バインダー樹脂を硬化させることによって作製することができる。
集電体は、金属製のメッシュ、箔または板などの形状を採用することができるが、目的に応じた形状であれば特に限定されない。集電体として、例えば銅箔やアルミニウム箔を好適に用いることができる。
なお、この場合、負極活物質層は、上記したリチウム含有負極活物質以外の負極活物質を含んでも良い。他の負極活物質としては、電解質イオンを吸蔵・放出可能である単体または化合物であれば特に限定はない。例えば、リチウム、リチウムと合金化反応可能な元素であるNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Ti、Ag、Zn、Cd、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、SbおよびBiのうちの少なくとも一種を含む負極材料が挙げられる。具体的には、Cu−Sn合金、Co−Sn合金等の錫化合物、各種黒鉛などの炭素系材料が挙げられる。これらのうちの一種以上を、上記の負極活物質とともに使用可能である。
導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として二次電池の電極で一般的に用いられている材料を用いれば良い。例えば、黒鉛、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック(炭素質微粒子)、炭素繊維などの導電性炭素材料を用いるのが好ましく、導電性炭素材料の他にも、導電性有機化合物、Niフレークなどの既知の導電助剤を用いても良い。これらのうちの一種を単独でまたは二種以上を混合して用いると良い。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、活物質100質量部に対して、20〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が20質量部未満では効率の良い導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。なお、炭素材料からなる被覆層をもつケイ素酸化物粒子を用いる場合には、導電助剤の添加量を低減することができ、あるいは添加しないでも良い。
バインダー樹脂は、活物質および導電助剤を集電体に結着するための結着剤として用いられる。バインダー樹脂はなるべく少ない量で活物質等を結着させることが求められ、その量は、負極活物質、導電助剤およびバインダー樹脂を合計で100質量%としたときに、0.5〜50質量%が望ましい。バインダー樹脂量が0.5質量%未満では電極の成形性が低下し、50質量%を超えると電極のエネルギー密度が低くなる。なお、バインダー樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系ポリマー、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム、ポリイミド等のイミド系ポリマー、ポリアミドイミド、アルコキシルシリル基含有樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸、アルギン酸、ゼラチンなどが例示される。またアクリル酸と、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などの酸モノマーとの共重合物を用いることもできる。中でもポリアクリル酸など、カルボキシル基を含有する樹脂が特に望ましく、カルボキシル基の含有量が多い樹脂ほど好ましい。
<溶融塩法によるリチウム含有負極活物質の製造方法>
溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を容易に合成可能な製造方法を説明する。この製造方法は、主として、溶融反応工程と回収工程とを含む。以下にそれぞれの工程を説明する。
溶融反応工程は、少なくともSiを含むケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を、アルカリ金属硝酸塩を含む溶融塩中で反応させる工程である。
リチウム水酸化物は本発明におけるリチウム含有材料に相当する。つまり、リチウム水酸化物は、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を構成するLi源となる。リチウム水酸化物として、無水水酸化リチウム(LiOH)および/または水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)を使用可能である。
ケイ素含有原料は、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を構成するSi源となる。ケイ素含有原料は、ケイ素元素(Si)を含有する材料であれば、単体、化合物および合金のうちのいずれであっても良い。具体的には、単体ケイ素、一酸化ケイ素(SiO:xは0.9≦x≦1.9)、二酸化ケイ素(SiO:yは2)等が挙げられる。ケイ素含有原料としては、これらのうちの一種以上を含めば良いが、特に好ましくは、一酸化ケイ素(SiO)である。SiOは、前述の不均化処理の有無に関わらず使用可能であるが、不均化処理によりSiO相とSi相との二相に予め分離したものを使用しても良い。
SiとOとの原子比が概ね1:1の均質な固体である一酸化ケイ素(SiO)は、固体内部の反応によりSiOがSiO相とSi相との二相に不均化する。不均化により得られるケイ素酸化物粉末は、SiO相とSi相とを含む。不均化は、SiOにエネルギーを付与することにより進行する。エネルギー付与手段としては、熱エネルギーを付与する、ミリングなどにより機械的エネルギーを付与する、などが挙げられる。
熱エネルギーを付与する場合には、SiOを加熱すると良い。一般に、酸素を絶った状態であれば800℃以上で、ほぼすべての一酸化ケイ素が不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性の一酸化ケイ素粉末を含む原料粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことにより、非結晶性のSiO相と結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
また、一酸化ケイ素をミリングすると、ミリングの機械的エネルギーが一酸化ケイ素の固相界面における化学的な原子拡散に寄与し、酸化物相およびケイ素相を生成する。ミリングは、真空中、アルゴンガス中などの不活性ガス雰囲気下で行うと良い。V型混合機、ボールミル、アトライタ、ジェットミル、振動ミル、高エネルギーボールミル等を使用することが可能である。一酸化ケイ素のミリング中、あるいはミリング後に加熱することで、一酸化ケイ素の不均化をさらに促進させても良い。
ケイ素含有原料は、粉末状であるのが好ましい。ケイ素含有原料は、溶融塩中で溶解して微細に分散するため、その粒径に特に限定はないが、平均粒径で0.5〜50μmの粉末を用いると良い。あるいは、1μm以下に分級したケイ素含有原料を使用すると良い。
リチウム水酸化物およびケイ素含有原料は、リチウム水酸化物に含まれるLiとケイ素含有原料に含まれるSiとがモル比で1:1程度となるように調製するのが好適である。しかし、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質の製造方法では、リチウム水酸化物の割合を多くしても、所望の組成を有する活物質が得られる。具体的には、ケイ素含有原料に含まれるSiに対するリチウム水酸化物に含まれるLiの割合(Li/Si)が、モル比で0.3〜10さらには0.4〜5となるようにリチウム水酸化物およびケイ素含有原料を調製すると良い。Li/Siが0.3以上であれば、リチウムドープによる不可逆容量の低減効果が得られ易い。しかし、リチウム水酸化物の使用量が過大であると、反応性が高すぎて、充放電に関与するSi微粒子が十分に残存しない反応生成物しか得られない場合がある。そのため、Li/Siを10以下とするのが望ましい。ただし、Li/Siが10を越えても、アルカリ金属硝酸塩の使用量を増大することにより、反応を抑制することが可能である。
合成する目的の活物質に、LiおよびSiの他の元素を添加したい場合には、ケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を必須とし、さらに添加元素を含む添加元素含有材料を使用しても良い。添加元素含有材料としては、アルカリ金属水酸化物、有機アルカリ塩、アルコキシド塩、金属窒化物などが挙げられる。あるいは、ケイ素とともに添加元素を含むケイ素含有原料を使用しても良い。これらのうちの一種以上を目的の活物質の組成に応じて使用すると良い。このような原料は、Siを含む少なくとも二種の金属元素を含む水溶液をアルカリ性にすることで、沈殿物として得られる。
アルカリ金属硝酸塩は、溶融塩法による合成において、ケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を分散させる溶媒としての役割を果たす。アルカリ金属硝酸塩としては、リチウム水酸化物よりも融点が低い硝酸塩が望ましく、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウムおよび硝酸セシウムのうちの一種以上を使用すると良い。特に望ましくは、アルカリ金属硝酸塩のうち最も融点が低い、硝酸リチウム(融点は261℃)である。硝酸リチウムの溶融塩は、リチウム水酸化物が溶融状態で混合することで、混合溶融塩の融点は低下し約250℃となる。そのため、300℃以下の低温で、活物質を合成することも可能となる。
溶融塩は、ケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を分散させるとともにリチウム水酸化物を溶融状態で混合する役割を果たす。アルカリ金属硝酸塩は、その溶融塩中にケイ素含有原料およびリチウム水酸化物を分散させることができれば、その量に特に限定はない。しかし、アルカリ金属硝酸塩が過少であると、反応性が高すぎて、充放電に関与するSi微粒子が少ない反応生成物しか得られない場合がある。そのため、リチウム水酸化物に対するアルカリ金属硝酸塩の割合(アルカリ金属硝酸塩/リチウム水酸化物)は、モル比で5以上、5〜50さらには5〜20であるのが望ましい。アルカリ金属硝酸塩/リチウム水酸化物のモル比が50を越えると、使用する溶融塩の量に対するケイ素含有原料およびリチウム水酸化物の量が少なくなるため、製造効率の面で望ましくない。
溶融反応工程での反応温度は、溶融塩の温度に相当し、溶融塩が溶融状態で存在できる温度以上であれば良い。基本的には、溶融状態で存在できる温度以上で反応を行えば良く、反応温度が高いほど所望の活物質を効率良く生成させられる。しかし、反応温度が高すぎると、反応性が高すぎて、充放電に関与するSi微粒子が減少する場合がある。また、反応温度が高すぎると、アルカリ金属硝酸塩が分解し易くなる。そのため、反応温度は、溶融塩が溶融状態で存在できる温度以上450℃以下、250〜400℃さらには260〜300℃が望ましい。上記の反応温度で、60分以上望ましくは3〜8時間反応させることで、所望の組成および構造を有する活物質が得られる。
また、溶融反応工程は、大気中で行っても良いが、アルゴンガス中などの不活性雰囲気で行うのが好ましい。
溶融反応工程に先立ち、ケイ素含有原料、リチウム水酸化物およびアルカリ金属硝酸塩のうちの少なくとも一部を乾燥させる乾燥工程を行うのが好ましい。乾燥工程は、主に、水酸化リチウム一水和物を脱水することを目的とするが、無水水酸化リチウムを用いる場合であっても、他の原料として吸湿性の高い化合物を使用する場合には、有効である。溶融反応工程において水酸化リチウムを含む溶融塩中に存在する水は、非常にpHが高くなる。pHの高い水の存在下で溶融反応工程が行われると、その水が坩堝と接触することで、坩堝の種類によっては坩堝の成分が微量ではあるが溶融塩に溶出する可能性がある。乾燥工程では、原料から水分が除去されるため、坩堝の成分の溶出抑制につながる。また、乾燥工程において原料から水分を除去することで、溶融反応工程において水が沸騰して溶融塩が飛散するのを防止できる。乾燥工程は、真空乾燥器を用いるのであれば、80〜150℃で2〜24時間真空乾燥すると良い。
溶融反応工程では、主として、以下の式(1)および(2)あるいは式(3)および(3)’、で表される反応が進行すると推測される。
式(1)は、xが1である一酸化ケイ素の不均化反応を表す。不均化反応は、溶融反応工程に先立ちケイ素含有原料に対して予め施される、あるいは溶融塩中に一酸化ケイ素が微分散する際に不均化と同等の反応が進行していると考えられる。いずれの場合も、溶融塩中では、式(2)で表されるように、SiOとLiOHとが優先的に反応して、LiSiOが生成すると推測される。したがって、不均化反応により生成されたSi微粒子を含むSi含有相は、アルカリ金属硝酸塩を含む溶融塩の反応抑制効果により、LiOHと反応せずに残存すると推測される。
また、式(3)は、単体ケイ素と水酸化リチウムとの反応を表す。ケイ素含有原料が単体ケイ素であっても、アルカリ金属硝酸塩を含む溶融塩の反応抑制効果により、Si含有相が残存すると推測される。ただし、式(2)で表されるような酸素が過剰に存在するSiOの反応とは異なり、SiとLiOHとの反応では、LiSiOが生成される。そして、反応生成物は、単体ケイ素粒子が溶融塩中で一旦溶融してから生成したものであるため、Si含有相としてSi微粒子が分散状態で含まれると推測される。溶融塩法では、反応生成物を回収する際に水洗等を行う。そのため、式(3)’で示されるようにLiSiOが加水分解され、回収される生成物にはSiとLiSiOとが含まれる。
ところで、式(4)は、アルカリ金属硝酸塩を含む溶融塩を用いず、SiO(Si+SiO)とLiOHとを固相法により高温下で反応させた場合を表す。既に述べた通り、反応性の高いLiOHと接触するSiOは、反応によりLiSiOを生成する。LiOHと接触しなかったSiOには、Si相とSiO相とが残存する。しかし、式(2)と式(4)とを比較すると、反応前後でSiの消費量に差が見られる。式(4)では、Si微粒子として残存し得るSiが半分に減少していることがわかる。したがって、固相法により得られる反応生成物では、充放電に関与するSi微粒子が少なくなる。また、Si微粒子は、未反応部分に偏在する。
回収工程は、溶融反応工程にて得られた反応生成物と溶融塩との混合物から、反応生成物を回収する工程である。回収工程は、以下に説明する冷却工程および分離工程を含むと良い。
冷却工程は、溶融反応工程後の溶融塩を冷却する工程である。冷却工程では、反応終了後の高温の溶融塩を、加熱炉の中に放置して炉冷しても良いし、加熱炉から取り出して室温にて空冷しても良い。冷却により溶融塩は凝固するため、冷却工程後には、合成されたリチウム含有負極活物質(反応生成物)と溶融塩との混合物が固形物で得られる。
分離工程は、冷却工程により凝固した溶融塩を極性プロトン性溶媒に溶解させて、溶融塩から反応生成物(リチウム含有ケイ素材料)を分離する工程である。なお、極性プロトン性溶媒は、凝固した溶融塩(つまり硝酸リチウムなどの溶融塩原料)を溶解することができるため本工程に採用されるが、プロトン供与性をもつ溶媒であるため、リチウム含有負極活物質にLi欠損が生じやすい。しかし、プロトン性溶媒は、非プロトン性溶媒に比べてイオンを安定化させる効果があり、溶融塩であった硝酸リチウムを溶解するのに適しているため、本工程に好適である。具体的には、イオン交換水などの純水、エタノールなどのアルコール類、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。固化した溶融塩は極性プロトン性溶媒に容易に溶解し、極性プロトン性溶媒に溶解し難いリチウム含有負極活物質は溶液中に溶け残る。そのため、溶融塩と反応生成物とは、容易に分離される。反応生成物の回収方法に特に限定はないが、溶液を遠心分離したり濾過したりして、回収可能である。回収後の反応生成物を乾燥させても良い。
また、分離工程は、溶融反応工程後に凝固した溶融塩を少なくとも水を含む溶媒に溶解させて、溶融塩から反応生成物を分離する工程であるのが望ましい。水を含む溶媒を使用することで、反応生成物に含まれるLiSiOが加水分解(LiSiO+HO→LiSiO+2LiOH)され、LiSiOになる。したがって、単体ケイ素がリチウム水酸化物と反応して生成された不安定なLiSiOが安定なLiSiOとなる。加水分解の副生成物であるLiOHは、水と共に除去される。
<電解液>
電解液としては、FECを含む有機溶媒(非水溶媒)にリチウム金属塩等の支持塩(電解質)を溶解させたものを使用する。有機溶媒としてはFECのみを用いることもできるが、その他の有機溶媒とFECとの混合溶媒を用いるのが好ましい。その他の有機溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。
また、負荷特性を考慮すると、鎖状エステルを含むものを用いるのが好ましい。例えば、DMC、DEC、EMCに代表される鎖状のカーボネートや、酢酸エチル、プロピロン酸メチルなどの有機溶媒が挙げられる。これらの鎖状エステルは、単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。低温特性の改善のためには、上記鎖状エステルが全非水溶媒中の50体積%以上を占めることが好ましく、特に鎖状エステルが全非水溶媒中の65体積%以上を占めることが好ましい。
なお、放電容量の向上を考慮すると、有機溶媒には、上記鎖状エステルに誘電率の高い(誘電率:30以上)エステルを混合して用いることが好ましい。このようなエステルの具体例としては、例えばEC、PC、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートに代表される環状のカーボネートや、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のエステルが好ましい。このような誘電率の高いエステルは、放電容量の点から、全有機溶媒中10体積%以上、特に20体積%以上含有されることが好ましい。また、負荷特性の点からは、40体積%以下が好ましく、30体積%以下がより好ましい。
また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiI、NaPF、NaBF、NaAsF、LiBOB、等の有機溶媒に可溶なアルカリ金属塩を用いることができる。支持塩の濃度は特に限定しないが、0.3〜1.7mol/dm、特に0.4〜1.5mol/dm程度が好ましい。また、電池の安全性や貯蔵特性を向上させるために、電解液に芳香族化合物を含有させても良い。芳香族化合物としては、シクロヘキシルベンゼンやt−ブチルベンゼンなどのアルキル基を有するベンゼン類、ビフェニル、あるいはフルオロベンゼン類が好ましく用いられる。
<非水電解質二次電池>
上記したリチウム含有負極活物質を含む負極と、FECを含む電解液と、を備える本発明の非水電解質二次電池は、さらに、特に限定されない公知の正極およびセパレータを備える。正極は、リチウムイオン二次電池等の二次電池で使用可能なものであれば良い。正極は、集電体と、正極活物質を含み集電体上に結着された正極活物質層と、を有する。正極活物質層は、正極活物質およびバインダー樹脂を含み、さらには導電助剤を含んでも良い。正極活物質、導電助剤およびバインダー樹脂は、特に限定はなく、二次電池で使用可能なものであれば良い。
正極活物質としては、LiCoO、LiNiCoMn(0<p<1、0+p<q<1−p、0+(p+q)<r<1−(p+q))、LiMnO、LiMnO、LiNiMn(0<s<1、0+s<t<1−s)、LiFePO、LiFeSO、Liを基本組成とするリチウム含有金属酸化物あるいはそれぞれを1種または2種以上含む固溶体材料などが挙げられる。また、正極活物質として、充放電における電解質イオンとなるリチウム等の元素を含まない活物質、例えば硫黄単体(S)、ポリアクリロニトリル(PAN)やピッチなどの有機化合物にSを導入した硫黄変性化合物やTiSなどの金属硫化物、ポリアニリン、共役二酢酸系有機物などを用いることもできる。
集電体は、金属製のメッシュ、箔または板などの形状を採用することができるが、目的に応じた形状であれば特に限定されない。集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、二次電池の正極で一般的に使用されるものであれば良い。バインダー樹脂および導電助剤は上記の負極で記載したものと同様のものが使用できる。
なお、正極活物質、結着剤および導電助剤の配合割合は、従来の二次電池に倣って設定すれば良い。
正極活物質層は、通常、正極活物質およびバインダー樹脂に、必要に応じて導電助剤および適量の有機溶剤を加えて混合し、スラリーにしたものを、ロールコート法、ディップコート法、ドクターブレード法、スプレーコート法、カーテンコート法などの方法で集電体上に塗布し、バインダー樹脂を硬化させることによって作製することができる。なお、シート状の硫黄変性化合物であれば、そのまま正極活物質層として集電体に圧着しても良い。
セパレータは、正極と負極との間に配置され、正極と負極との間のイオンの移動を許容するとともに、正極と負極との内部短絡を防止する。二次電池が密閉型であれば、セパレータには電解液を保持する機能も求められる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、PAN、アラミド、ポリイミド、セルロース、ガラス等を材料とする薄肉かつ微多孔性または不織布状の膜を用いるのが好ましい。
二次電池の形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させ電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以上説明した二次電池は、携帯電話、パソコン等の通信機器、情報関連機器の分野の他、自動車の分野においても好適に利用できる。例えば、この二次電池を車両に搭載すれば、二次電池を電気自動車用の電源として使用できる。
以上、本発明の非水電解質二次電池の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
以下に、本発明の非水電解質二次電池の一例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
<試験1>
一酸化ケイ素(平均粒径が50μmのSiO粉末:シグマ・アルドリッチ・ジャパン株式会社)、水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO:株式会社高純度化学研究所)および硝酸リチウム(LiNO:株式会社高純度化学研究所)を準備した。SiO粉末に対しては、熱処理などの処理を施さなかった。
SiO粉末(2g)、LiOH・HO(2g)およびLiNO(15g)を秤量した。このとき、SiO粉末に含まれるSiに対するLiOH・HOに含まれるLiの割合(Li/Si)は、モル比で1であった。これらの粉末を坩堝にいれ、270℃の電気炉に移し、270℃で5時間の加熱を行った。電気炉内は、アルゴン雰囲気とした。このとき、坩堝の中の原料は融解して溶融塩となり、反応生成物が沈殿していた。
次に、溶融塩の入った坩堝を電気炉から取り出して、室温にて冷却した。溶融塩が十分に冷却されて固体化した後、エタノールを加えて固体化した溶融塩を溶解した。反応生成物はエタノールに不溶性であるため、懸濁液が得られた。懸濁液を濾過および乾燥して、粉末状の反応生成物を得た。
得られた粉末に対して誘導結合プラズマ(ICP)を用いた元素分析を行った結果、反応生成物100質量%に対してLiを8.7質量%含有することがわかった。
また、得られた粉末に対してCuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。結果を図1に示した。XRD測定によれば、結晶質LiSiO由来の回折ピーク(図1の▽で示す位置)と、Si微粒子由来のハロー(図1の◆で示す位置)が観測された。Si微粒子は、(111)面の回折ピークの半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が4nmであった。その他の回折パターンは観測されず、Si微粒子が結晶性LiSiOと複合化していることが示唆された。すなわち、得られた粉末は、Si微粒子とLiSiO相との複合粒子を含むリチウム含有負極活物質であることがわかった。
また、得られた粉末の粒子断面をクロスセクションポリッシャー法を用いて表出させて、その断面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図2に示した。図2に示したSEM像は、反射電子像であり、Li、SiおよびOを含む粒子であれば、リチウムを多く含む部分が他の部分よりも濃く観察される。しかし、図2に示したSEM像では、一粒子の断面において濃淡がなく一様であったことから、一粒子の組成も表面から中心部までほぼ均一であると言える。また、Si微粒子の偏在も見られなかった。SEM像より、得られた粉末の平均粒径は2.5μmであると算出された。
以上の結果から考えて、ケイ素含有原料として平均粒径50μmのSiO粉末を用いたことから、SiOが溶融塩中で溶解して2.5μm程度の大きさの粒子になって微分散するとともに、SiO相と該SiO相に分散したSi微粒子とに不均化される。そして、不均化された微細なSiO粒子に含まれるSiO相とLiOHとが表面から中心部まで十分に反応して、図6の左下に示したような複合粒子を形成していると言える。
また、SEM像より、粒子の内部に空孔の存在が確認できた。空孔の存在により、Li吸蔵および放出の差異に発生するSiの体積膨張および収縮を緩和する働きも期待できる。
<試験2>
上記のSiO粉末(2g)およびLiOH・HO(2g)を、ボールミルを用いて粉砕混合した。得られた粉砕混合物に対して300℃で3時間の焼成を行い、粉末状の焼成物を得た。
得られた粉末に対してCuKα線を用いたXRD測定を行った。結果を図3に示した。XRD測定によれば、結晶質LiOH由来の回折ピーク(図3の×で示す位置)と、Si微粒子由来のハロー(図3の◆で示す位置)が観測された。本試験の条件では、試験1と同様の反応は進まなかった。つまり、300℃程度の低温条件下の固相法であれば、溶融塩法によるリチウム含有負極活物質とは異なるリチウム含有負極活物質が得られることがわかる。
<試験3>
試験2と同様の粉砕混合物に対して500℃で3時間の焼成を行い、粉末状の焼成物を得た。この方法は固相法の一種である。
得られた粉末に対してCuKα線を用いたXRD測定を行った。結果を図4に示した。XRD測定によれば、結晶質LiSiO由来の回折ピーク(図4の■で示す位置)と、Si微粒子由来のハロー(図1の◆で示す位置)が観測された。その他の回折パターンは観測されず、Si微粒子が結晶性LiSiOと複合化していることが示唆された。すなわち、得られた粉末は、Si微結晶とLiSiO相との複合粒子を含むリチウム含有負極活物質であることがわかった。なお、この粉末は、本発明におけるリチウム含有負極活物質に含まれる。
得られた粉末の粒子断面をクロスセクションポリッシャー法を用いて表出させて、その断面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した。結果を図5に示した。図5に示したSEM像は、反射電子像である。一粒子の断面のコントラストは、表層で濃く中心部で薄い。つまり、LiSiOが含まれるのは粒子の表層である。
<リチウム含有負極活物質の一粒子の構造について>
上述した各試験結果から推測される、試験1の溶融塩法によるリチウム含有負極活物質と試験3の固相法によるリチウム含有負極活物質との差異を、図6を用いて説明する。図6は、リチウム含有負極活物質の一粒子の断面を示す模式図である。
試験1においては、LiNO溶融塩を用いた溶融塩法によりリチウム含有負極活物質を合成した。SiO粒子では、溶融塩中に微分散する際に不均化と同等の反応が進行し、Si微粒子とSiO相とに分離すると考えられる。溶融塩中では、数百nmオーダーで溶融塩中に微分散したSiO粒子のSiOとLiOHとが優先的に反応して、LiSiOが生成すると推測される。このとき、溶融塩中のSiO粒子は微細であるため、表面から中心部まで均一に反応する。一方、Si微粒子は、LiNO溶融塩の反応抑制効果により、LiOHと反応せずに残存すると推測される。
試験3においては、固相法によりリチウム含有負極活物質を合成した。焼成の際の加熱により、SiO粒子はSi相とSiO相とに不均化されると考えられる。固相法においては、固体のままのSiO粒子の表面から反応が進行する。そのため、反応中SiO粒子の粒径はほとんど変化せず、LiOHと接触するSiO粒子の表層にLiSiOが生成する。数ミクロンオーダーのSiO粒子では、LiOHと接触していない粒子の中心部まで反応しない。そのため、Si相は分散せずに粒子内部に偏在すると考えられる。
換言すると、固相法の場合には、LiOH粉末と接触しない箇所、例えばSiO粒子の内部やSiO粒子の表面の一部に、未反応のSiOが残存すると考えられる。未反応のSiOが残存するということは、リチウムのドープ量が比較的少ないことを意味する。また、SiO粒子の表層が充分にシリケート化していても、内部がシリケート化していない場合には、内部に未反応のSiOが存在し、充放電を担うSi相がSiO相とともに内部に偏在していると考えられる。
<負極活物質の違いによる初期充放電効率の評価>
試験1で得られた溶融塩法によるリチウム含有負極活物質、試験3で得られた固相法によるリチウム含有負極活物質、および、原料として用いたSiO粉末そのまま、をそれぞれ負極活物質として用い、リチウム二次電池を以下の手順で作製した。
上記の何れかの負極活物質を42質量部、グラファイトを40質量部、アセチレンブラックを3質量部、ポリアミドイミドを15質量部、秤量して適量の溶媒(N−メチルピロリドン)とともに混練して、スラリーとした。次いでバーコーターを用いて、このスラリーを厚さ20μmの銅箔上に塗布した。80℃で乾燥後、ロールプレスしてから打ち抜き、φ11mm厚さ40μmの電極とした。
作製した電極(評価極)と、金属リチウム箔(対極:φ11mm厚さ0.5μm)と、の間にセパレータ(ヘキストセラニーズ社製ガラスフィルターおよびcelgard2400)を挟装して電極体電池とした。この電極体電池を電池ケース(宝泉株式会社製CR2032コインセル)に収容した。また、電池ケースには、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解した非水電解質を注入して、リチウム二次電池(コイン電池)を得た。
作製した三種類のコイン電池を25℃の恒温槽に1時間保持し、その後、充放電試験を行った。試験は、放電の終止電圧をLi対極で0.01V、充電の終止電圧をLi対極で1.0Vとし、0.1mAの定電流で行った。初期充放電効率は、初回放電容量に対する初回充電容量の割合(つまり、(初回充電容量)/(初回放電容量)×100%)として算出した。結果を表1に示した。
試験1の負極活物質の初期充放電効率は、68%であった。これは、リチウムを反応させる前の原料であるSiO粉末を負極活物質として用いた場合よりも高かった。つまり、試験1の負極活物質は、ケイ素系材料にリチウムを反応させることで、不可逆容量を低減させることができた。
一方、試験3の負極活物質の初期充放電効率は50%であり、試験1に比べると不可逆容量が大きかった。これは、活物質粒子の表層のLiSiOの導電性が低いだけでなく、充放電に寄与するSi微粒子が活物質粒子の中心部に偏在しているため、放電の際のリチウムイオンの拡散が不十分となり、不可逆容量の増大、ひいては初期充放電効率が低下したためと考えられる。
<リチウムドープ量の算出>
前述の通り、試験1で得られたリチウム含有負極活物質(溶融塩法による)は、該粉末100質量%に対してLiを8.7質量%含有した。これは、リチウムドープ量の実測値であり、理論値を算出すると以下の通りである。
原料として用いたケイ素酸化物および水酸化リチウムに含まれるSiに対するLiのモル比を1(Li/Si=1)とした試験1の反応は、次のように表される。
[Si+SiO]+2LiOH→Si+LiSiO(+HO)
つまり、試験1で得られたリチウム含有負極活物質は、全体組成:LiSi(6.941×2+28.09×2+16.00×3=118.062g/mol)に対してリチウムを6.941×2=13.882g/mol含有する。したがって、リチウムドープ量は、13.882/118.062×100=11.758%と算出される。また、反応式より、反応前の単体Siは、反応後にも残存することがわかる。なお、LiOH・HOの配合量を変更することで、SiO粉末中のSiに対するLiOH・HO中のLiの配合量を変更することができる。
<非水電解質二次電池の評価>
負極活物質として、上述した固相法によるリチウム含有負極活物質(試験3)と、単なるSiO粉末とを用い、負極を作製した。
各負極活物質と、導電助剤としての黒鉛(MAG)およびケッチェンブラック(KB)と、バインダー樹脂としてのポリアミドイミド(PAI)とを混合し、スラリー状の負極合材を調製した。スラリー中の各成分(固形分)の組成比は、負極活物質:MAG:KB:PAI=48:34.4:2.6:15(質量比)であった。このスラリーを集電体に塗布し、集電体上に負極合材層を積層形成した。具体的には、ドクターブレードを用いてこのスラリーを厚さ20μmの電解銅箔(集電体)の表面に塗布した。
その後、80℃で20分間乾燥し、負極合材中から有機溶媒を揮発させて除去した。乾燥後、ロールプレス機により、電極密度を調整した。これを真空乾燥炉にて200℃で2時間加熱硬化させて、集電体の上層に厚さ16μm程度の負極活物質層が積層されてなる負極を得た。
正極活物質としてはLi[Mn1/3Ni1/3Co1/3]Oを用いた。この正極活物質と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダー樹脂としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合し、スラリー状の正極合材を調製した。スラリー中の各成分(固形分)の組成比は、Li[Mn1/3Ni1/3Co1/3]O:AB:PVdF=88:6:6(質量比)であった。このスラリーを集電体に塗布し、集電体上に正極合材層を積層形成した。具体的には、ドクターブレードを用いてこのスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔(集電体)の表面に塗布した。
その後、80℃で20分間乾燥し、正極合材中から有機溶媒を揮発させて除去した。乾燥後、ロールプレス機により、電極密度を調整した。これを真空乾燥炉にて200℃で2時間加熱硬化させて、集電体の上層に厚さ50μm程度の正極活物質層が積層されてなる正極を得た。なお、この正極は後述する実施例1および比較例1の非水電解質二次電池に用いた。後述する比較例2、3の非水電解質二次電池には、正極として、集電体上に金属リチウム箔を積層したものを用いた。
正極を30mm×25mm、負極を31mm×26mmに裁断し、ラミネートフィルムで収容した。この正極および負極の間に、セパレータとしてポリプロピレン樹脂からなる矩形状シート(40mm×40mm角、厚さ30μm)を挟装して極板群とした。この極板群を二枚一組のラミネートフィルムで覆い、三辺をシールした後、袋状となったラミネートフィルムに上記の電解液を注入した。その後、残りの一辺をシールすることで、四辺が気密にシールされ、極板群および電解液が密閉されたラミネートセルを得た。電解液としては、フルオロエチレンカーボネート(FEC):メチルエチルカーボネート(MEC):ジメチルカーボネート(DMC)=3:3:4(体積比)の混合溶液(有機溶媒)にLiPFを1モル/Lとなる濃度で溶解したもの、または、エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)=3:7(体積比)の混合溶液(有機溶媒)にLiPFを1モル/Lとなる濃度で溶解したものを用いた。正極および負極は外部と電気的に接続可能なタブを備え、このタブの一部はラミネートセルの外側に延出した。以上の工程で、ラミネートセル(2極ポーチセル)状をなす非水電解質二次電池を得た。
なお、非水電解質二次電池の一つは実施例の非水電解質二次電池であり、負極活物質としてリチウム含有負極活物質を用い、かつ、電解液としてFECを含むものを用いた。他の一つの非水電解質二次電池は、比較例1の非水電解質二次電池であり、負極活物質としてリチウム含有負極活物質を用い、かつ、電解液としてFECを含まないものを用いた。他の一つの非水電解質二次電池は、比較例2の非水電解質二次電池であり、負極活物質としてリチウムをプリドープしていないSiOを用い、正極活物質として金属リチウム箔を用い、かつ、電解液としてFECを含むものを用いた。他の一つの非水電解質二次電池は、比較例3の非水電解質二次電池であり、負極活物質としてリチウムをプリドープしていないSiOを用い、正極活物質として金属リチウム箔を用い、かつ、電解液としてFECを含まないものを用いた。
<非水電解質二次電池の電池特性>
〔評価試験〕
実施例および比較例1〜3の非水電解質二次電池についてサイクル試験を行った。具体的には、温度25℃、定電流(10mA)、放電終止電圧2.5V、充電終止電圧4.2Vで繰り返し充放電を行った。そして、充放電サイクルの繰り返しに伴う実施例および比較例1〜3の非水電解質二次電池の放電容量維持率(%)の変化をしらべた。なお、ここでいう放電容量維持率(%)とは、1サイクル目の放電容量を100%とした百分率である。
その結果、FECを含まない電解液を用いる場合(比較例1、比較例3)には、リチウムをプリドープしていない負極活物質を用いた非水電解質二次電池(比較例3)に比べて、リチウム含有負極活物質を用いた非水電解質二次電池(比較例1)のサイクル経過後の放電容量維持率は大きく低下した。しかし、FECを含む電解液を用いる場合(実施例、比較例2)には、リチウムをプリドープしていない負極活物質を用いた非水電解質二次電池(比較例2)に比べて、リチウム含有負極活物質を用いた非水電解質二次電池(実施例)のサイクル経過後の放電容量維持率は殆ど低下しなかった。この結果から、電解液としてFECを含むものを用いることで、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させ得ることがわかる。
なお、電解液として、上記の組成のものにかえて、FEC:EC(エチレンカーボネート):MEC:DMC=0.3:2.6:3:4のものを用いた場合にも、実施例のリチウムイオン二次電池と同様のサイクル特性の向上が認められた。つまり、本発明のリチウムイオン二次電池における電解液としてはFECを含むものを用いれば良く、その組成は実施例のリチウムイオン二次電池における電解液の組成に限定されない。
さらに、実施例の非水電解質二次電池よりも、負極活物質に含まれるリチウム量を多くした非水電解質二次電池を用いて同様の試験を行った場合にも、同様に、電解液にFECを含まない場合にはサイクル特性が大きく低下するのに対し電解液にFECを含む場合にはサイクル特性の低下が殆どみられないという結果が得られた。
さらに、負極活物質として溶融塩法によるリチウム含有負極活物質を用いた場合にも、同様に、FECを含む電解液を用いることでサイクル特性の低下を抑制できた。
つまり、本発明の非水電解質二次電池によると、初期充放電効率が向上し、かつ、サイクル特性が向上した。

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を備える非水電解質二次電池であって、
    該負極は、リチウム(Li)を含むリチウム含有原料と、ケイ素(Si)を含むケイ素含有原料と、をともに加熱して得られるリチウム含有負極活物質を含み、
    該電解液は、フルオロエチレンカーボネートを含む溶媒と、支持塩と、を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記リチウム含有負極活物質は、LiSiOを基本組成とするメタケイ酸リチウム系化合物を含む化合物相と、Si微粒子を含むSi含有相と、を含有し、該Si微粒子が分散状態にある請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記リチウム含有負極活物質は、前記化合物相中に前記Si微粒子が分散してなる複合粒子を含む請求項2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記Si含有相は、粉末X線回折法で得られる(111)面の回折ピークの半値幅からシェラーの式より算出される結晶粒径が20nm以下である請求項2または3に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記リチウム含有負極活物質は、平均粒径が0.5μm以上50μm以下である前記複合粒子の粉末を含む請求項3または4に記載の非水電解質二次電池。
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