JP6201146B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質および非水系電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な非水系電解質二次電池の開発が強く望まれている。このような二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池の負極材料には、リチウム金属やリチウム合金、金属酸化物、あるいはカーボン等が用いられている。これらの材料は、リチウムを脱離・挿入することが可能な材料である。
このようなリチウムイオン二次電池については、現在、研究開発が盛んに行われているところである。この中でも、リチウム金属複合酸化物、特に合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を正極材料に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として期待され、実用化されている。このリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)を用いたリチウムイオン二次電池では、優れた初期容量特性やサイクル特性を得るための開発がこれまで数多く行われてきており、すでにさまざまな成果が得られている。
しかし、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)は、原料に希産で高価なコバルト化合物を用いているため、電池のコストアップの原因となっている。このため、正極活物質としてリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)以外のものを用いることが望まれている。
また、最近は、携帯電子機器用の小型二次電池だけではなく、電力貯蔵用や、電気自動車用などの大型二次電池としてリチウムイオン二次電池を適用することへの期待も高まってきている。このため、活物質のコストを下げ、より安価なリチウムイオン二次電池の製造を可能とすることは、広範な分野への大きな波及効果が期待しており、リチウムイオン二次電池用正極活物質として新たに提案されている材料としては、コバルトよりも安価なマンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)や、ニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)を挙げることができる。
リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)は原料が安価である上、熱安定性、特に、発火などについての安全性に優れるため、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)の有力な代替材料であるといえるが、理論容量がリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)のおよそ半分程度しかないため、年々高まるリチウムイオン二次電池の高容量化の要求に応えるのが難しいという欠点を持っている。また、45℃以上では、自己放電が激しく、充放電寿命も低下するという欠点もあった。
一方、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)は、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)とほぼ同じ理論容量を持ち、リチウムコバルト複合酸化物よりもやや低い電池電圧を示す。このため、電解液の酸化による分解が問題になりにくく、より高容量が期待できることから、開発が盛んに行われている。しかし、ニッケルを他の元素で置換せずに、純粋にニッケルのみで構成したリチウムニッケル複合酸化物を正極活物質として用いてリチウムイオン二次電池を作製した場合、リチウムコバルト複合酸化物に比べサイクル特性が劣っている。また、高温環境下で使用されたり保存されたりした場合に比較的電池性能を損ないやすいという欠点も有している。
このような欠点を解決するために、リチウムニッケル複合酸化物にニオブを添加することが検討されてきた。例えば、特許文献1では、リチウムイオン二次電池の内部短絡時の熱安定性を改良することを目的として、LiNi1−x−y−zCoNb(ただし、MはMn、FeおよびAlよりからなる1種以上の元素、1.0≦a≦1.1、0.1≦x≦0.3、0≦y≦0.1、0.01≦z≦0.05、2≦b≦2.2)で表され、かつそのXRDパターンの(003)面の半値幅を特定したリチウムニッケル系複合酸化物が提案されている。さらに、特許文献2、3では熱安定性を向上させ、かつ充放電容量を高めることを目的として、Li1+zNi1−x−yCoNb(0.10≦x≦0.21、0.01≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウムニッケル系複合酸化物が提案されている。また、特許文献4では、熱安定性を向上させ、かつ充放電容量を高めることを目的として、Li1+zNi1−x−yCo(0.10≦x≦0.21、0.015≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10、Mは酸素との親和性がニッケルよりも優れた2種以上の元素からなり、かつMの平均価数は3価を超える)で表されるリチウムニッケル系複合酸化物が提案されている。
上記特許文献1〜4の提案は、いずれも熱安定性と充放電容量との両立を目的としたものであるが、ニオブの添加量が少ないと充放電容量は大きいものの、十分な熱安定性が得られず、一方、ニオブの添加量が多いと熱安定性は良好であるものの、十分な充放電容量を確保できないという問題があった。
最近では携帯電子機器等の小型二次電池に対する高容量化の要求は年々高まる一方であり、安全性を確保するために容量を犠牲にすることは、リチウムニッケル複合酸化物の高容量のメリットを失うことになる。また、リチウムイオン二次電池を大型二次電池に用いる動きも盛んであり、中でもハイブリッド自動車用、電気自動車用の電源、あるいは電力貯蔵用の定置式蓄電池としての期待が大きい。さらに、これらの電池では、省スペース化の観点から、正極活物質の充填性を高め、容積あたりの高容量化も重要な特性となっている。以上のように、安全性に劣るというリチウムニッケル複合酸化物の問題点の解消や高い安全性の維持と高容量化・高寿命化の両立は大きな課題である。
特開2002−151071号公報 特開2006−147500号公報 特開2007−188819号公報 特開2008−181839号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、優れた充填性を有し、熱安定性および充放電容量を高次元で両立させた非水電解液二次電池用正極活物質の製造法、及び、その正極活物質を用いた、安全性に優れ、高容量である非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記非水電解液二次電池用正極活物質の工業的規模での生産に適した製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、熱安定性を改善するためリチウムニッケル複合酸化物へのニオブの添加について鋭意検討したところ、ニオブを共沈殿させてニッケル含有水酸化物を得る際に、晶析時の雰囲気と反応液中のアンモニア濃度を制御して晶析させ、得られたニッケル含有水酸化物をリチウム化合物とともに焼成することにより粒子内の空隙率を制御することが可能であるとの知見を得た。さらに、リチウムニッケル複合酸化物に特定量のニオブを含有させるとともに、粒子内の空隙率を制御することによって熱安定性が良好で、かつ高い充放電容量と充填性を持つ正極活物質となるとの知見を得た。これらにより、本発明を完成した。
すなわち、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
酸素濃度5容量%以下の雰囲気中において、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と、ニオブ塩溶液と、を含む反応液に、前記反応液の温度を40〜60℃に維持しながら、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加え、アルカリ溶液により反応液のpHを液温25℃基準で11.1〜13.0に制御して、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を共沈殿させる晶析工程と、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、リチウム混合物を650〜850℃の温度で焼成してリチウム金属複合酸化物の焼成粒子を得る焼成工程と、前記焼成粒子を水洗し、乾燥することにより非水系電解質二次電池用正極活物質を得る水洗工程と、を含むことを特徴とする。
また、前記晶析工程におけるアンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加えた後の反応液中アンモニア濃度が3〜25g/Lであることが好ましい。
また、前記混合工程におけるリチウム化合物が、水酸化リチウムまたはその水和物であることが好ましい。
さらに、前記晶析工程における雰囲気中の酸素濃度が、4容量%以下であることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表され、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
前記二次粒子は、粒子内部の空隙率が20%以下であり、タップ密度が2.0g/ml以上であることを特徴とする。
上記正極活物質においては、BET法測定による比表面積が、0.5〜2.0m/gであることが好ましい。
また、前記リチウム金属複合酸化物粒子中にリチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物を含むことが好ましい。
また、前記リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物がLi10Nb10および/またはLiNbであることが好ましい。
本発明の非水系電解質二次電池は、上記非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた正極を備えることを特徴とするものである。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、高い熱安定性と充放電容量および優れた充填性を有する正極活物質の製造を可能とするものであり、該活物質を用いることによって、高い安全性と電池容量を有する非水系電解質二次電池を得ることができる。したがって、本発明による非水系電解質二次電池は、最近の携帯電子機器等の小型二次電池に対する高安全性・高容量化の要求を満足するものであり、ハイブリッド自動車用、電気自動車用あるいは定置型蓄電池用の大型二次電池に用いられる電源用としても好適である。
さらに、本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、容易で工業的規模での生産に適したものであり、工業上極めて有用である。
図1は、実施例1で得られた正極活物質のX線回折図である。 図2は、電池評価に用いたコイン電池の断面図である。 図3は、実施例1で得られた正極活物質の断面SEM像である。 図4は、比較例1で得られた正極活物質の断面SEM像である。
本発明に係る実施形態について、それぞれ詳しく説明する。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明は、下記実施形態をはじめとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
1.非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
本発明に係る非水系電解質二次電池正極活物質の製造方法は、一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、A)酸素濃度5容量%以下の雰囲気中において、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と、ニオブ塩溶液と、を含む反応液に、前記反応液の温度を40〜60℃に維持しながら、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加え、アルカリ溶液により反応液のpHを液温25℃基準で11.1〜13.0に制御して、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を共沈殿させる晶析工程と、B)ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、C)リチウム混合物を650〜850℃の温度で焼成してリチウム金属複合酸化物の焼成粒子を得る焼成工程と、D)前記焼成粒子を水洗し、乾燥することにより非水系電解質二次電池用正極活物質を得る水洗工程と、を含むことを特徴とする。
以下、工程ごとに詳細な説明をする。
1−A)晶析工程
上記晶析工程においては、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液とニオブ塩溶液とを含む反応液を用いるが、まず、ニオブ塩溶液の作成方法について説明する。
ニオブ塩溶液の作製には、ニオブの溶解度が高いニオブ塩溶液を得ることができるニオブもしくはニオブ塩(以下、ニオブも含めて単にニオブ塩という)と、溶媒との組み合わせを選択することが必要である。
ニオブ塩溶液には、水酸化ニオブ(ニオブ酸化物・水和物)、ニオブメタル、五塩化ニオブを原料に苛性カリ水溶液で溶解した水溶液、または水酸化ニオブ、五塩化ニオブを塩酸に溶解した水溶液を使用することが好ましい。所望する濃度のニオブ塩溶液を得るためにフェロニオブを苛性カリ水溶液に溶解する方法でもよい。これらは、ニオブ濃度を高くすることが可能であり、上記晶析工程への使用に適している。
ニオブ塩溶液を作製するためのニオブ塩として、オルトニオブ酸塩(MNbO:MはNbおよびO以外の一価の元素)、あるいは、メタニオブ酸塩(MNbO:MはNbおよびO以外の二価の元素)を用いると、溶解した際に加水分解、あるいは溶解中に酸化が進み、水酸化ニオブあるいは酸化ニオブが発生して溶解されない場合があるため、上記晶析工程には適さない。また、フッ化水素酸と硫酸の混合水溶液にニオブ金属を投入してニオブ塩溶液を得る場合でも、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と先に混合してしまうと、ニオブ酸化物あるいはニオブ水酸化物が析出してしまい、その後アルカリ水溶液を投入しても組成が均一な水酸化物の共沈殿物は得られず、この水酸化物を用いてリチウムニッケルコバルトニオブ化合物を合成しても、ニオブの偏析が起きてしまうため、上記晶析工程には適さない。
ニオブ塩は、粉末状、若しくは粒状、又は、塊状と特に形状を選ばず、一般に入手できる物であれば特に制限されるものではない。
ニオブ塩を溶解するための反応条件は、所望するニオブ濃度によって最適とする条件は多少変動するものの、苛性カリ水溶液に溶解する場合、苛性カリの濃度を150〜500g/Lとし、溶解温度を60℃超90℃以下の範囲とすることが好ましい。上記条件とすることにより、ニオブ塩溶液として用いて、晶析時の反応性を最適にし、ニッケルとコバルトとニオブの水酸化物を共沈させることができる。苛性カリの濃度が150g/Lよりも少ない場合、ニオブを十分に溶解できず、残渣中にニオブが残留してしまう。逆に、苛性カリの濃度が500g/Lを超える場合、苛性カリの飽和濃度に近く、ニオブを溶解できなくなる。また、溶解時の温度が60℃よりも低い場合、反応性が低下し、溶解に長時間を要してしまう。一方、90℃超では反応性は上がるが水の蒸発量が多い上、激しく反応して突沸する危険がある。
また、上記晶析工程に用いられる前記ニッケル塩およびコバルト塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物などを用いることができ、混合水溶液の濃度は、金属塩の合計で1〜2.6mol/Lとすることが好ましく、1〜2.2mol/Lとすることがより好ましい。
なお、上記晶析工程に用いられる反応液は、上記ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と、上記にニオブ塩溶液と、を混合することで得られ、混合方法は、特に限定されない。
次に、ニッケル(Ni)塩とコバルト(Co)塩の混合水溶液と上記ニオブ塩水溶液とを含む反応液に、反応液の温度を40〜60℃に維持しながら、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加え、アルカリ溶液によりpHを液温25℃基準で11.1〜13.0に制御してニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子(以下単に複合水酸化物粒子という。)を共沈させる。その際、反応液を撹拌して反応液中の金属濃度や晶析条件の局所的な変動を抑制する。
反応液にはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加えるが、反応液中のアンモニア濃度は3〜25g/Lであることが好ましい。反応液中にアンモニウムイオンが存在することで、金属イオン、特にNiイオンはアンミン錯体を形成する。これにより、金属イオンの溶解度が大きくなり、一次粒子の成長が促進され、緻密な複合水酸化物粒子が得られる。さらに、金属イオンの溶解度が安定するため、形状及び粒径が整った複合水酸化物粒子が得られる。特に、反応液中のアンモニア濃度を3〜25g/Lとすることで、より緻密で形状及び粒径が整った複合水酸化物粒子が得られる。
反応液中のアンモニア濃度が3g/L未満であると、金属イオンの溶解度が不安定になる場合があり、形状及び粒径が整った一次粒子が形成されず、ゲル状の核が生成して粒度分布が広くなることがある。一方、アンモニア濃度が25g/Lを超える濃度では、金属イオンの溶解度が大きくなりすぎ、反応水溶液中に残存する金属イオン量が増えて、組成のずれなどが起きる場合がある。
また、アンモニア濃度が変動すると、金属イオンの溶解度が変動し、均一な水酸化物粒子が形成されないため、アンモニア濃度は一定値に保持することが好ましい。例えば、アンモニア濃度は、上限と下限の幅を5g/L程度として所望の濃度に保持することが好ましい。
なお、反応液中のアンモニア濃度は、アンモニアイオンメーターにより測定することができる。
アンモニウムイオン供給体はとくに限定されないが、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニウムなどを使用することができる。
アンモニウムイオン供給体を加えた反応液は、アルカリ溶液によりpHを液温25℃基準で11.1〜13.0に制御する。pHが11.1未満であると、水酸化物の生成速度が著しく遅くなり、濾液中にNiが残留し、Niの沈殿量が目的組成からずれて目的とする比率の複合水酸化物が得られなくなってしまう。一方、pHが13.0を越えると、一次粒子が細かくなり、複合水酸化物粒子の緻密性が低下する。また、複合水酸化物粒子の球状性も低下するため、得られる正極活物質の正極中での充填性が低下する。反応液のpHが変動すると、得られる複合水酸化物粒子の粒径や形状が変動するため、設定値を中央値としてpHの変動幅を0.3以下に抑制することが好ましい。
また、前記アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、反応液の温度を、40〜60℃の範囲に維持する。反応液の温度が40℃未満になると、Niの溶解度が低下し、形状及び粒径が整った複合水酸化物粒子が形成されず、ゲル状の核が生成しやすいため粒度分布も広がり、電池に用いた際の特性が低下する。一方、60℃を越えると、金属イオンの溶解度が大きくなり過ぎ、反応水溶液中に残存する金属イオン量が増えて、組成のずれなどが起きる。
さらに、酸素濃度5容量%以下、好ましくは4容量%以下の雰囲気中において晶析する。これにより、得られる複合水酸化物粒子は、一次粒子が緻密に凝集した二次粒子からなるものとなる。このような複合水酸化物粒子をリチウム化合物と混合して焼成することにより、粒子中の空隙率が低く高密度で充填性の高いリチウム金属複合酸化物粒子となる。
晶析する際の雰囲気中の酸素濃度を5容量%以下とすることで、反応液中の金属イオンの酸化が抑制され、複合水酸化物粒子を構成する一次粒子が成長する。これにより、一次粒子が成長して緻密な構造の二次粒子が得られ、焼成後に得られるリチウム金属複合酸化物粒子(以下、単に複合酸化物粒子という。)も高密度で充填性が高いものとなる。一方、酸素濃度が5容量%を超えると、反応液中の金属イオンの酸化が促進され、一次粒子の成長が抑制されるため、緻密な構造の粒子が得られない。複合水酸化物粒子の緻密性を上げ、リチウム金属複合酸化物の充填性をさらに向上させるためには、前記酸素濃度を4容量%以下とすることが好ましい。
前記酸素濃度の制御は、例えば、晶析を行う反応槽内の空間部へ不活性ガスや還元性ガスを流通させることで行える。また、反応液中に不活性ガスをバブリングさせてもよい。酸素濃度の制御に用いるガスは、取り扱いの容易性から不活性ガスが好ましく、コスト的に有利な窒素ガスがより好ましい。
複合水酸化物粒子の各成分の組成比率は、正極活物質を構成するリチウム金属複合酸化物粒子においても維持される。したがって、複合水酸化物粒子の組成は、一般式Ni1−x−yCoNb(OH)(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08)で表されるものとなるように、晶析時の各溶液を調整することが好ましい。
そして定常状態になった後に沈殿物を採取し、濾過、水洗して複合水酸化物粒子を得る。あるいは、混合水溶液とアルカリ溶液、場合によってはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液を連続的に供給して反応槽からオーバーフローさせて沈殿物を採取し、濾過、水洗して前記複合水酸化物粒子を得ることもできる。
1−B)混合工程
混合工程は、前記複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る工程である。複合水酸化物粒子とリチウム化合物とは、リチウム混合物中のリチウム以外の金属の原子数(すなわち、ニッケル、コバルトおよびニオブの原子数の和(Me))と、リチウムの原子数(Li)との比(Li/Me)が、好ましくは0.95〜1.10、より好ましくは1.00〜1.10となるように混合される。すなわち、次工程である焼成工程前後でLi/Meは変化しないので、この混合工程で混合するLi/Meが正極活物質におけるLi/Meとなるため、リチウム混合物におけるLi/Meが、得ようとする正極活物質におけるLi/Meと同じになるように混合される。
リチウム混合物を形成するために使用されるリチウム化合物としては、例えば、水酸化リチウム、硝酸リチウムまたは炭酸リチウム、もしくはその混合物が、入手容易であるという点で好ましいが、中でも特に水酸化リチウムを用いることが好ましい。水酸化リチウムは、融点が低く、焼成温度までの昇温中に溶融するため、複合水酸化物の二次粒子内部まで溶融した水酸化リチウムが浸透し、前記一次粒子と水酸化リチウムの反応が均一に促進される。このため、一次粒子の緻密な構造を有する前記二次粒子では、一次粒子間の焼結も促進され、二次粒子、すなわち、焼成によって得られる複合酸化物粒子が緻密なものとなり、充填性が向上する。
また、リチウム化合物との混合前に、複合水酸化物粒子を、好ましくは105〜800℃、より好ましくは300〜600℃の温度で熱処理してもよい。熱処理によって、複合水酸化物粒子中に焼成工程まで残留している水分を減少させることができる。言い換えれば、複合水酸化物粒子を複合酸化物粒子に転換することができるので、製造される正極活物質中の金属の原子数やリチウムの原子数の割合がばらつくことを防ぐことができる。なお、正極活物質中の金属の原子数やリチウムの原子数の割合にばらつきが生じない程度に水分が除去できればよいので、必ずしも全ての複合水酸化物粒子を複合酸化物粒子に転換する必要はない。熱処理温度が105℃未満では、残留水分を除去するために長時間を要するため工業的に適当でない。800℃を超えると、複合酸化物に転換された粒子が焼結して凝集することがあり、リチウム化合物との反応性が低下することがある。
リチウム混合物を形成する際には、複合水酸化物粒子とリチウム化合物を十分混合しておくことが好ましい。混合が十分でない場合には、個々の粒子間でLi/Meがばらつき、十分な電池特性が得られない間等の問題が生じる可能性がある。また、混合には、一般的な混合機を使用することができ、例えばシェーカーミキサーやレーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどを用いることができ、複合水酸化物粒子等の形骸が破壊されない程度で、熱処理粒子とリチウムを含有する物質とがと十分に混合されればよい。
1−C)焼成工程
焼成工程は、上記混合工程で得られたリチウム混合物を焼成して、リチウムニッケル複合酸化物からなる焼成粒子を形成する工程である。焼成工程においてリチウム混合物を焼成すると、複合水酸化物粒子中の一次粒子に、リチウム化合物中のリチウムが拡散してリチウム金属複合酸化物が形成される。リチウム混合物の焼成は、650〜850℃で行い、720〜820℃で行うことが好ましい。焼成温度が650℃未満であると、複合水酸化物粒子あるいは熱処理粒子中へのリチウムの拡散が十分に行われなくなり、余剰のリチウムや未反応の粒子が残ったり、結晶構造が十分整わなくなったりして、十分な電池特性が得られないという問題が生じる。また、焼成温度が850℃を超えると、一次粒粒子間の焼結が進行し、二次粒子間で激しく焼結が生じて異常粒成長を生じる可能性がある。
焼成時間は、少なくとも3時間以上とすることが好ましく、より好ましくは、6〜24時間である。3時間未満では、リチウムニッケル複合酸化物の生成が十分に行われないことがあるからである。また、焼成時の雰囲気は、酸化性雰囲気とすることが好ましく、とくに、酸素濃度が18〜100容量%の雰囲気とすることがより好ましい。すなわち、焼成は、大気ないしは酸素気流中で行うことが好ましい。これは、酸素濃度が18容量%未満であると、ニッケル複合水酸化物とリチウム化合物の反応が十分に行われず、リチウム金属複合酸化物の結晶性が十分でない状態になる可能性があるからである。とくに電池特性を考慮すると、酸素気流中で行うことが好ましい。
なお、焼成に用いられる炉は、特に限定されるものではなく、大気ないしは酸素気流中でリチウム混合物を加熱できるものであればよいが、ガス発生がない電気炉が好ましく、バッチ式あるいは連続式の炉をいずれも用いることができる。
1−D)水洗工程
水洗工程は、前記焼成粒子を水洗し、乾燥することにより非水系電解質二次電池用正極活物質を得る工程である。焼成粒子の表面には、余剰のリチウム化合物が残留しており、水洗により除去することで、電池に用いられた際の電池容量を向上させることができる。また、余剰のリチウム化合物が残留していると、非水系二次電池内において副反応を引き起こしガス発生による電池の膨張などの原因となるため安全性を損なうおそれがある。
上記水洗する際のスラリー濃度としては、200〜2000g/Lが好ましく、500〜1500g/Lがより好ましい。すなわち、スラリー濃度が濃いほど粉末量が多くなり、2000g/Lを超えると、粘度も非常に高いため攪拌が困難となるばかりか、液中のアルカリが高いので平衡の関係から付着物の溶解速度が遅くなったり、剥離が起きても粉末からの分離が難しくなる。一方、スラリー濃度が200g/L未満では、希薄過ぎるためリチウムの溶出量が多く、正極活物質の結晶格子中からのリチウムの脱離も起きるようになる。このため、リチウムニッケル複合酸化物の結晶性が低下して、電池容量などの電池特性が低下することがある。
上記水洗に用いる水としては、電気伝導率測定で10μS/cm未満の水が好ましく、1μS/cm以下の水がより好ましい。すなわち、電気伝導率測定で10μS/cm未満の水では、正極活物質への不純物の付着による電池性能の低下を防ぐことができる。
上記乾燥の温度としては、特に限定されるものではなく、好ましくは80〜700℃、より好ましくは100〜550℃、さらに好ましくは120〜350℃である。すなわち、80℃以上とするのは、水洗後の正極活物質を素早く乾燥し、粒子表面と粒子内部とでリチウム濃度の勾配が起こることを防ぐためである。一方、正極活物質の表面付近では化学量論比にきわめて近いか、もしくは若干リチウムが脱離して充電状態に近い状態になっていることが予想されるので、700℃を超える温度では、充電状態に近い粉末の結晶構造が崩れる契機になり、電気特性の低下を招く恐れがある。また、水洗後の正極活物質の物性及び特性上の懸念を低減するためには、100〜550℃が望ましく、さらに生産性及び熱エネルギーコストも考慮すると120〜350℃がより望ましい。このとき、乾燥方法としては、濾過後の粉末を、炭素及び硫黄を含む化合物成分を含有しないガス雰囲気下又は真空雰囲気下に制御できる乾燥機を用いて所定の温度で行なうことが好ましい。
乾燥時間としては、特に限定されるものでないが、1〜24時間程度とすることが好ましい。
2.正極活物質
本発明に係る非水系電解質二次電池用正極活物質は、一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表され、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、前記二次粒子は、粒子内部の空隙率が20%未満であり、タップ密度が2.0g/ml以上である。
コバルトの含有量を示すxは、0.05≦x≦0.35であり、好ましくは0.07≦x≦0.20であり、より好ましくは0.10≦x≦0.20である。コバルトはサイクル特性の向上に寄与する添加元素であるが、xの値が0.05未満になると、十分なサイクル特性を得ることはできず、容量維持率も低下してしまう。一方、xの値が0.35を超えると、初期放電容量の低下が大きくなってしまう。
ニオブの含有量を示すyは、0.02≦y≦0.08、好ましくは0.02≦y≦0.07、さらに好ましくは0.03≦y≦0.06である。yの値が0.02未満になると、添加量が少なすぎて安全性の改善が不十分となる。一方、安全性は、添加量に応じて向上するが、yの値が0.08を超えると充放電容量が低下してしまう。また、サイクル特性についても、低下が見られる。
ニオブは、リチウム遷移金属複合酸化物の脱酸素による熱分解反応の抑制に寄与していると考えられ、安全性の改善に効果がある添加元素である。ニオブの存在形態は、リチウム遷移金属複合酸化物中に固溶しても、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶粒界あるいは粒子表面にリチウムニオブ複合酸化物として存在してもよいが、少なくともニオブの一部は、前記リチウム金属複合酸化物粒子中にリチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物として存在することが好ましく、該化合物が、Li10Nb10及び/またはLiNbであることがより好ましい。
上記リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物が、リチウム金属複合酸化物の結晶粒界あるいは粒子表面に存在することで、リチウム金属複合酸化物の脱酸素による熱分解反応の抑制に寄与していると考えられる。
なお、リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物は、粉末X線回折法により検出することができる。
リチウム以外の金属(Me)とリチウムのモル数の比(Li/Me)の過剰量を示すzは、−0.05≦z≦0.10であり、好ましくは、0≦z≦0.10である。zの値が−0.05未満になると充放電容量が低下する。一方、zの値が大きくなるに応じて充放電容量は増加するが、zが0.1を超えると、リチウム化合物の残存によるガス発生により、電池の膨張を引き起こしてしまう。
なお、上記リチウム遷移金属複合酸化物の各成分の含有量は、誘導結合プラズマ(ICP)法による定量分析により測定することができる。
前記正極活物質においては、前記二次粒子は、粒子内部の空隙率が20%以下であり、タップ密度が2.0g/ml以上である。これにより、電池の正極に用いられた際に優れた充填性を有するものとなり、Nb添加の効果と相俟って、高い安全性と質量当たりおよび容積当たりのいずれにおいても高い電池容量を有する非水系電解質二次電池を得ることができる。前記二次粒子の空隙率が20%を超えると、二次粒子の密度が低下するため、二次粒子の形状や粒度分布を制御しても、正極中で高密度とならない。二次粒子内部の空隙率は低いほど高密度化のためには好ましく、空隙率が0%、すなわち二次粒子内部に空隙が存在しない状態でもよいが、製造上の制約から完全に空隙の形成を抑制できない場合があり、空隙率の下限は、通常、1%程度である。なお、空隙率は、画像処理によって面積比で観察面における空隙量を算出することにより求めることができる。また、タップ密度が2.0g/ml未満になると、充填性が低下するため、正極中で高密度とならない。タップ密度が高いほど、充填性が高く、正極中でより高密度となるが、前記正極活物質におけるタップ密度の上限は、3.5g/ml程度である。
さらに、BET法測定による比表面積が、0.5〜2.0m/gであることが好ましく、0.5〜1.5m/gであることがより好ましい。比表面積を前記範囲とすることで、電解液との接触面積を確保してさらに電池容量を向上させることができるとともに、安全性も両立させることができる。比表面積が0.5m/g未満では、電解液との接触面積が十分に得られず電池容量が向上しないことがある。一方、2.0m/gを超えると、電解液との接触面積が大きくなり過ぎて、安全性が低下することがある。また、タップ密度が低下して、正極中で高密度とならないことがある。
3.非水系電解質二次電池
本発明の非水系電解質二次電池の実施形態について、構成要素ごとにそれぞれ詳しく説明する。本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極、非水電解液等、一般のリチウムイオン二次電池と同様の構成要素から構成される。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、下記実施形態をはじめとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本発明の非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
(1)正極
正極を形成する正極合材およびそれを構成する各材料について説明する。本発明の粉末状の正極活物質と、導電材、結着剤とを混合し、さらに必要に応じて活性炭、粘度調整等の目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。正極合材中のそれぞれの混合比も、リチウム二次電池の性能を決定する重要な要素となる。
溶剤を除いた正極合材の固形分の全質量を100質量%とした場合、一般のリチウム二次電池の正極と同様、それぞれ、正極活物質の含有量を60〜95質量%、導電材の含有量を1〜20質量%、結着剤の含有量を1〜20質量%とすることが望ましい。
得られた正極合材ペーストを、例えば、アルミニウム箔製の集電体の表面に塗布し、乾燥して溶剤を飛散させる。必要に応じ、電極密度を高めるべくロールプレス等により加圧することもある。このようにしてシート状の正極を作製することができる。シート状の正極は、目的とする電池に応じて適当な大きさに裁断等し、電池の作製に供することができる。ただし、正極の作製方法は、前記例示のものに限られることなく、他の方法に依ってもよい。
前記正極の作製にあたって、導電剤としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛など)やアセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック系材料などを用いることができる。また、結着剤(バインダー)としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンプロピレンジエンゴム、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、スチレンブタジエン、セルロース系樹脂、ポリアクリル酸、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを用いることができる。
必要に応じ、正極活物質、導電材、活性炭を分散させ、結着剤を溶解する溶剤を正極合材に添加する。溶剤としては、具体的にはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、正極合材には電気二重層容量を増加させるために活性炭を添加することができる。
(2)負極
負極には、金属リチウム、リチウム合金等、また、リチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅等の金属箔集電体の表面に塗布、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、フェノール樹脂等の有機化合物焼成体、コークス等の炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂等を用いることができ、これら活物質および結着剤を分散させる溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
(3)セパレータ
正極と負極との間にはセパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し電解質を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い膜で、微少な穴を多数有する膜を用いることができる。
(4)非水系電解液
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート等の環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル化合物、エチルメチルスルホン、ブタンスルトン等の硫黄化合物、リン酸トリエチル、リン酸トリオクチル等のリン化合物等から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiN(CFSO等、およびそれらの複合塩を用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル補足剤、界面活性剤および難燃剤等を含んでいてもよい。
(5)電池の形状、構成
以上説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明に係るリチウム二次電池の形状は、円筒型、積層型等、種々のものとすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極をセパレータを介して積層させて電極体とし、この電極体に上記非水電解液を含浸させる。正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、並びに負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を集電用リード等を用いて接続する。以上の構成のものを電池ケースに密閉して電池を完成させることができる。
以下、本発明の実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
ニオブ酸溶液を得るため、ニオブ酸(Nb・xHO)粉末を300g/lの濃度の苛性カリ溶液にニオブ濃度が30g/lとなるように、溶解温度を80℃で一定に保持し、6時間攪拌して溶解した後、残渣を濾別して溶解液を得た。得られた溶解液をニオブ塩溶液とし、ニッケル:コバルト:ニオブのモル比が83.7:13.3:3.0となるように、硫酸ニッケル及び硫酸コバルトの混合溶液とニオブ塩溶液との反応液を準備し、25質量%のアンモニア水を液中のアンモニア濃度が10g/Lとなるように加え、さらに、25質量%水酸化ナトリウム溶液を反応槽に添加し、反応温度を50℃に、pH11.5に保ち、共沈法によってニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製した。なお、反応槽内部の酸素濃度は、窒素ガスを反応槽内の空間部に供給することにより1容量%に調整した。その後、反応槽内の水酸化物スラリーを全量回収し、濾過、水洗後乾燥し、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物の乾燥粉末を得た。
このニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子と市販の水酸化リチウムとを、ニッケルコバルトニオブとリチウムの原子比が1:1.09になるように秤量した後、球状の二次粒子の形骸が維持される程度の強さでシェーカーミキサー装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて十分に混合した。この混合物60gを5cm×12cm×3cmのマグネシア製の焼成容器に挿入し、密閉式電気炉を用いて、流量6L/minの酸素気流中にて、760℃で12時間保持することで焼成粒子を得た。得られた焼成粒子を、電気伝導率1μS/cm未満の水によりスラリー濃度1500g/Lで水洗し、210℃、12時間で乾燥し、正極活物質を得た。
得られた正極活物質粉末を放射光による粉末X線回折法で分析した結果を図1に示す。得られた正極活物質粉末は六方晶系の層状構造を有するLiNiO型のリチウム金属複合酸化物とリチウムニオブ複合酸化物Li10Nb10からなる混合物であった。また、正極活物質の組成は、ICP発光分析によりLi1.09Ni0.837Co0.133Nb0.03であることが確認された。
なお、添加したコバルトはほぼ全て層状結晶構造のニッケルサイトを置換していると考えられる。
粒子内部の空隙率は、断面SEM像の画像解析により全粒子に対する空隙部の割合から算出した。断面SEM像を図3に示す。
得られた正極活物質の初期容量評価は以下のようにして行った。活物質粉末70質量%にアセチレンブラック20質量%及びPTFE10質量%を混合し、ここから150mgを取り出してペレットを作製し正極とした。負極としてリチウム金属を用い、電解液には1MのLiClOを支持塩とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合溶液(富山薬品工業製)を用いた。露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス中で、図2に示すような2032型のコイン電池を作製した。
作製した電池は24時間程度放置し、開路電圧OCV(open circuit voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.5mA/cmとしてカットオフ電圧4.3Vまで充電して初期充電容量とし、1時間の休止後カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量を初期放電容量とした。
正極の安全性の評価は、上記と同様な方法で作製した2032型のコイン電池をカットオフ電圧4.5VまでCCCV充電(定電流−定電圧充電。まず、充電が、定電流で動作し、それから定電圧で充電を終了するという2つのフェーズの充電過程を用いる充電方法。)した後、短絡しないように注意しながら解体して正極を取り出した。この電極を3.0mg計り取り、電解液を1.3mg加えて、アルミニウム製測定容器に封入し、示差走査熱量計(DSC)PTC−10A(Rigaku社製)を用いて昇温速度10℃/minで室温から300℃まで発熱挙動を測定した。
また50mlのメスシリンダーに所定量の正極活物質粉末を投入して、500回タッピングした後の体積を読み取り、タップ密度を算出した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例2)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にpHを12.7となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例3)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際に酸素濃度を4%となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例4)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にアンモニア濃度を4g/Lとなるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例5)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にアンモニア濃度を20g/Lとなるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例6)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際に反応温度を40℃、pHを12.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例7)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際に反応温度を60℃、pHを11.2となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例8)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にニッケル:コバルト:ニオブのモル比が84.6:13.4:2.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(実施例9)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にニッケル:コバルト:ニオブのモル比が80.3:12.7:7.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(比較例1)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にニッケル:コバルト:ニオブのモル比が82.0:13.0:5.0となるようにし、反応温度を70℃、pHを10.5、酸素濃度を21%とし、アンモニウムイオン供給体を加えずアンモニア濃度が0.1g/L未満となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。また、断面SEM像を図4に示す。
(比較例2)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際に反応温度を60℃、pHを11.5、酸素濃度を21%、アンモニア濃度が5g/Lとなるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(比較例3)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にアンモニウムイオン供給体を加えずアンモニア濃度が0.1g/L未満となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(比較例4)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にニッケル:コバルト:ニオブのモル比が85.5:13.5:1.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
(比較例5)
ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を作製させる際にニッケル:コバルト:ニオブのモル比が77.7:12.3:10.0となるようにした以外は実施例1と同様にして正極活物質粉末を得るとともに評価した。
正極活物質中に含まれるリチウムニオブ複合酸化物の種類、正極活物質粒子の空隙率および比表面積、電池評価によって得られた初期放電容量及び、DSC測定によって得られた発熱ピーク高さ、正極活物質のタップ密度を表1に示す。
表1に示すように、本発明の請求の範囲内にある実施例1〜9では正極活物質中にLi10Nb10あるいはLiNbを含有ししている。図3の実施例1の断面SEM像に示す通り、空隙率が小さく、また比表面積が正極活物質の初期放電容量がおおむね190mAh/gを超え、正極活物質として使用可能な材料であることが分かる。またDSC測定による最大発熱ピーク高さは0.4〜1.0cal/sec/gと発熱量が小さかった。さらに比表面積はいずれも0.5m/g以上1.5m/g未満であり、タップ密度はすべて2.0g/ml以上であった。
一方比較例1では複合水酸化物を作製する際の反応温度、pH、酸素濃度、アンモニア濃度が本発明の請求の範囲から外れており、初期放電容量は190mAh/g以上でありDSC発熱ピーク高さは0.8cal/sec/gと小さい。しかし、図4の断面SEM像に示す通り、得られた正極活物質の粒子は海綿状になっており、タップ密度は1.7g/mlと小さかった。比較例2では、酸素濃度のみが本願の請求の範囲から外れており、初期放電容量は187.4mAh/gとやや小さくなり、タップ密度も1.7g/mlと小さかった。比較例3ではアンモニア濃度が低いため、初期放電容量が166.1mAh/gと小さくなっており、タップ密度も1.6g/mlと小さくなっている。比較例4はニオブの比率bが0.01と小さく、初期放電容量は高いものの、DSC発熱ピーク高さは7.0cal/sec/gと大きくなっている。比較例5はニオブの比率bが0.10と大きく、DSC発熱ピークは0.3cal/sec/gと小さいものの、初期放電容量は152.2mAh/gと小さくなっている。
1 リチウム金属負極
2 セパレータ(電解液含浸)
3 正極(評価用電極)
4 ガスケット
5 負極缶
6 正極缶
7 集電体
安全性に優れていながら高い初期容量を有しているという本発明の非水系電解質二次電池のメリットを活かすためには、常に高容量を要求される小型携帯電子機器の電源としての用途に好適である。また電気自動車用の電源や定置型蓄電池においては、電池の大型化による安全性の確保の難しさと、より高度な安全性を確保するための高価な保護回路の装着は必要不可欠であるが、本発明のリチウムイオン二次電池は、優れた安全性を有しているために安全性の確保が容易になるばかりでなく、高価な保護回路を簡略化し、より低コストにできるという点において、電気自動車用の電源や定置型蓄電池として好適である。
なお、電気自動車用の電源とは、純粋に電気エネルギーで駆動する電気自動車のみならず、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の燃焼機関と併用するいわゆるハイブリッド車用の電源を含み、これらに好適に用い得る。

Claims (9)

  1. 一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表されるリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    酸素濃度5容量%以下の雰囲気中において、ニッケル塩及びコバルト塩を含む混合水溶液と、ニオブ塩溶液と、を含む反応液に、前記反応液の温度を40〜60℃に維持しながら、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加え、アルカリ溶液により反応液のpHを液温25℃基準で11.1〜13.0に制御して、ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子を共沈殿させる晶析工程と、
    ニッケルコバルトニオブ複合水酸化物粒子とリチウム化合物を混合してリチウム混合物を得る混合工程と、
    リチウム混合物を650〜850℃の温度で焼成してリチウム金属複合酸化物の焼成粒子を得る焼成工程と、
    前記焼成粒子を水洗し、乾燥することにより非水系電解質二次電池用正極活物質を得る水洗工程と、
    を含むことを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記晶析工程において、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を加えた後の反応液中のアンモニア濃度が3〜25g/Lであることを特徴とする請求項1記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記混合工程におけるリチウム化合物が、水酸化リチウムまたはその水和物であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記晶析工程における雰囲気中の酸素濃度が、4容量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記ニオブ塩溶液は、ニオブ塩を、濃度150〜500g/Lの苛性カリ水溶液に溶解して得られることを特徴とする請求項のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 一般式Li1+zNi1−x−yCoNb(但し、0.05≦x≦0.35、0.02≦y≦0.08、−0.05≦z≦0.10)で表され、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されたリチウム金属複合酸化物粒子からなる非水系電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記二次粒子は、粒子内部の空隙率が20%以下であり、タップ密度が2.0g/ml以上であり、BET法測定による比表面積が、0.5〜2.0m/gであることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物質。
  7. 前記リチウム金属複合酸化物粒子中にリチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物を含むことを特徴とする請求項6に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  8. 前記リチウム、ニオブおよび酸素からなる化合物がLi10Nb10および/またはLiNbであることを特徴とする請求項7に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質を用いた正極を備えることを特徴とする非水系電解質二次電池。
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