JP2016115658A - 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、非水系電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】正極活物質として、一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(但し、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Siから選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質であって、平均粒径が0.8〜15μmである一次粒子及び/又は該一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子からなり、リートベルト解析法により算出される3aサイトのリチウム席占有率が96.0%以上であるものを用いる。
【選択図】図1
Description
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜900℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
前記洗浄工程後の焼結粒子を、酸化性雰囲気下、450℃〜800℃で再度焼成する、再焼成工程と、
を備えることを特徴とする。
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.65〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備えることを特徴とする。
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.10〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を、リチウムイオンを含む水溶液を用いて洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の非水系電解質二次電池用正極活物質は、一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質であって、平均粒径が0.8μm〜15μmである一次粒子および/または該一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子からなり、リートベルト解析法により算出される3aサイトのリチウム席占有率が96.0%以上である、ことを特徴とする。このような正極活物質は、一次粒子が十分に成長しているにもかかわらず、表面およびその近傍における結晶構造の乱れが少ないため、これを用いた二次電池において、充放電容量を損ねることなく、サイクル特性を向上させることが可能となる。
本発明の正極活物質において、リチウム(Li)の過剰量を示すuの値は、−0.03以上0.10以下、好ましくは−0.02以上0.05以下、より好ましくは0以上0.04以下の範囲に調整される。これにより、この正極活物質を正極材料として用いた二次電池において、十分な充放電容量および出力特性を確保することができる。これに対して、uの値が−0.03未満では、二次電池の正極抵抗が大きくなり、出力特性が低下することとなる。一方、uの値が0.10を超えると、二次電池の充放電容量および出力特性が低下することとなる。
本発明の正極活物質において、リチウム以外のアルカリ金属、すなわち、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビシウム(Rb)、セシウム(Cs)などの含有量は、0.5質量%以下、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下に制御される。リチウム以外のアルカリ金属の含有量がこのような範囲にあれば、これらのアルカリ金属が空気中の水分に潮解した場合であっても、得られる二次電池の特性に影響が及ぶことはない。これに対して、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%を超えると、これらのアルカリ金属が空気中の水分に潮解した場合に、正極活物質の結晶が大きく乱れ、二次電池の特性が悪化することとなる。なお、リチウム以外のアルカリ金属の含有量は、ICP発光分光分析法により測定することができる。
本発明の正極活物質は、一次粒子、または一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子、またはこれらの一次粒子と二次粒子との混合粒子によって構成される。いずれの場合も、一次粒子の形状は、多面体状ないしは略球状であることが好ましい。一次粒子がこのような形状を採ることにより、正極活物質の充填性を向上させることができ、これを用いた二次電池の充放電容量をより改善することが可能となる。なお、正極活物質の粒子構造および一次粒子の形状については、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた観察により確認することができる。
上述のように、本発明の正極活物質は、一次粒子および/または一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子によって構成されるが、いずれの場合も、一次粒子の平均粒径は、下限値を0.8μm以上とし、1.0μm以上とすることが好ましく、2.0μm以上とすることがより好ましい。また、上限値を15μmとし、8μm以下とすることが好ましく、4μm以下とすることがより好ましい。これにより、正極活物質の比表面積を適度に小さくすることができ、充放電の繰り返しによる表面性状の劣化を抑制することができるため、得られる二次電池のサイクル特性を改善することが可能となる。これに対して、一次粒子の平均粒径が0.8μm未満では、比表面積が著しく増大し、サイクル特性を改善することができない。一方、一次粒子の平均粒径が15μmを超えると、比表面積が小さくなりすぎるため、出力特性が著しく悪化することとなる。
本発明の正極活物質が二次粒子を含む場合、その平均粒径は、0.8μm〜20μmの範囲にあることが好ましく、5μm〜15μmの範囲にあることがより好ましい。二次粒子の平均粒径が0.8μm未満では、正極活物質の充填性が低下し、二次電池の単位体積当たりのエネルギ密度が低下することなる。一方、二次粒子の平均粒径が20μmを超えると、比表面積が小さくなりすぎるため、出力特性が著しく低下することとなる。
本発明の正極活物質は、層状岩塩型の結晶構造を有し、高い結晶性を備えていることを特徴とする。具体的には、本発明の正極活物質は、これを構成するリチウムニッケル複合酸化物粒子における3a、3b、6cの各サイトを[Li1+u]3a[NixCoyAlzMt]3b[O2]6cで表示した場合、X線回折のリートベルト解析から得られる3aサイトのリチウム席占有率が96.0%以上、好ましくは96.5%以上、より好ましくは97.0%以上、さらに好ましくは98.0%以上であることを特徴とする。このような高いリチウム席占有率を有することにより、この正極活物質を用いた二次電池において、高い充放電容量を実現することが可能となる。
上述したように、本発明の正極活物質は、リチウム以外のアルカリ金属の含有量がきわめて少なく、表面およびその近傍における結晶構造の乱れがほとんど存在しないと評価することができる。
本発明の正極活物質は、一次粒子が大きいため、従来のリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質との比較において、粒子形状の安定性に優れていると評価することができる。たとえば、従来の正極活物質を用いて二次電池を構成し、500サイクルの充放電試験を実施した場合には、リチウムの挿入反応および脱離反応に伴って、一次粒子が膨張および収縮し、その界面に割れが生じることとなる(図3(a)および(b)参照)。これに対して、本発明の正極活物質は、粒子形状の安定性に優れるため、同様の充放電サイクルを実施した場合において、一次粒子同士の界面の割れを大幅に抑制することができる(図2(a)および(b)参照)。なお、粒子形状の安定性は、二次電池の充放電容量やサイクル特性により評価することができる。
本発明の正極活物質の製造方法は、上述した構成を有する正極活物質を合成することができる限り、特に制限されることはない。しかしながら、工業規模の生産を前提とした場合、以下で説明する方法によって製造することが好ましい。
本発明の正極活物質の製造方法のうち、第1実施態様の製造方法は、
(1−1)少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、アルカリ金属供給源、すなわち、リチウム以外のアルカリ金属および/またはリチウム以外のアルカリ金属を含む化合物を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
(1−2)リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜900℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
(1−3)焼結粒子を洗浄し、リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
(1−4)洗浄工程後の焼結粒子を、酸化性雰囲気下、450℃〜800℃で再度焼成する、再焼成工程と、
を備えることを特徴とする。以下、第1実施態様の製造方法について、工程ごとに分けて、詳細に説明する。
混合工程は、少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数(Me)に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数(Am)の比(Am/Me)が0.05〜0.50となるように混合し、リチウム混合物を得る工程である。
前駆体としては、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを上述した原子数比で含む水酸化物、酸化物もしくは炭酸塩またはこれらの混合物を用いることができる。あるいは、代替的に、前駆体として、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの各水酸化物、酸化物もしくは炭酸塩を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数の比が上述した範囲となるように混合した混合物またはこれらの造粒粉末も用いることができる。これらの中でも、融点が低く、リチウム以外のアルカリ金属供給源として、リチウム以外のアルカリ金属を含む水酸化物を用いた場合に、このリチウム以外のアルカリ金属を含む水酸化物との混合性が良い水酸化物、より具体的には、一般式:NixCoyAlzMt(OH)2(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表されるニッケル複合水酸化物粒子を用いることが好ましい。
リチウム化合物としては、後述する焼成工程において、リチウムが前駆体中に十分に拡散することができるものであれば、特に制限されることない。たとえば、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(Li2CO3)、硝酸リチウム(LiNO3)、酸化リチウム(Li2O)などを用いることができる。これらの中でも、融点が低く、リチウム以外のアルカリ金属供給源との混合性が良い水酸化リチウムを用いることが好ましい。
本発明の製造方法では、リチウム混合物中に、結晶化促進剤として、リチウム以外のアルカリ金属供給源を混合することが必要となる。これにより、次述する焼成工程において結晶成長が促進されるため、焼成温度を高温にせずとも、正極活物質を構成する一次粒子の平均粒径を所定の範囲(0.8μm〜15μm)に制御することができる。
混合工程では、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数(Me)に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数(Am)の比(Am/Me)が、0.05〜0.50、好ましくは0.10〜0.50、より好ましくは0.15〜0.50となるように混合することが必要となる。Am/Meが0.05未満では、一次粒子を十分な大きさに成長させることができない。一方、Am/Meが0.50を超えると、一次粒子を大型化することができるものの、リチウム以外のアルカリ金属供給源が残留し、電池特性が悪化する。
焼成工程は、混合工程で得られたリチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜900℃で焼成し、焼結粒子(リチウムニッケル複合酸化物粒子)を得る工程である。なお、焼成工程で用いる炉は、大気ないしは酸素気流中でリチウム混合物を焼成することができる限り、特に制限されることはなく、バッチ式または連続式の炉のいずれも用いることができる。この点は、後述する再焼成工程においても同様である。
焼成工程における雰囲気は、酸化性雰囲気、好ましくは酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気、より好ましくは上記酸素濃度の酸素と不活性ガスの混合雰囲気とする。すなわち、焼成は、大気ないしは酸素気流中で行うことが好ましく、電池特性を考慮すると、酸素気流中で行うことがより好ましい。酸素濃度が18容量%未満では、焼結粒子の結晶性が不十分なものとなるおそれがある。
焼成工程における焼成温度は、650℃〜900℃、好ましくは650℃〜800℃、より好ましくは700℃〜780℃とする。焼成温度が650℃未満では、前駆体中へのリチウムの拡散が不十分となり、余剰のリチウムや未反応の前駆体が残存することとなる。一方、焼成温度が900℃を超えると、一次粒子を大きくすることはできるものの、カチオンミキシングが生じ、結晶性が悪化することとなる。なお、カチオンミキシングは、通常、焼成温度が800℃を超えたあたりから徐々に生じるが、本実施態様では、焼成工程で、ある程度のカチオンミキシングが生じたとしても、後述する再焼成工程において、結晶構造の乱れを回復できるため、焼成温度を900℃まで許容することとしている。
焼成工程において、焼成温度で保持する時間(焼成時間)は、12時間以上とすることが好ましく、12時間〜48時間とすることがより好ましい。焼成時間が12時間未満では、前駆体中へのリチウムの拡散が不十分となり、余剰のリチウムや未反応の前駆体が残存するおそれがある。
洗浄工程は、焼成工程で得られた焼結粒子を洗浄し、リチウム以外のアルカリ金属を除去する工程である。
上述したように、洗浄工程中にプロトン交換反応が生じると、焼結粒子中のリチウム量が不足する場合がある。この場合、洗浄工程後の焼結粒子に、所定量のリチウム化合物を混合する、再混合工程を行うことが好ましい。
結晶化促進剤として、リチウム以外のアルカリ金属供給源を使用した場合、焼結粒子の表面およびその近傍に存在するリチウム以外のアルカリ金属は、空気中の水分によって潮解し、または、洗浄工程における溶媒中に溶解し、強塩基性を示すようになる。この結果、焼結粒子の表面およびその近傍における結晶構造が乱れ、リチウムイオンや電子の移動を阻害する抵抗層が形成されることとなる。このような問題に対して、本実施態様では、洗浄工程後または再混合工程後に、焼結粒子または焼結粒子とリチウム化合物との混合物を、酸化性雰囲気下、450℃〜800℃で再度焼成することとしている。これにより、一旦乱れた結晶構造を回復させることができるため、充放電容量の低下を防止することが可能となる。
再焼成工程における雰囲気(再焼成雰囲気)は、上述した焼成工程における雰囲気と同様に、酸化性雰囲気とすることが好ましく、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気とすることがより好ましく、上記酸素濃度の酸素と不活性ガスの混合雰囲気とすることが特に好ましい。
再焼成工程における焼成温度(再焼成温度)は、リチウム化合物が、焼結粒子の表面およびその近傍を流動可能となる温度以上とすることが必要となる。具体的には、450℃〜800℃、好ましくは650℃〜800℃、より好ましくは700℃〜780℃とすることが必要となる。このような温度範囲で焼結粒子または焼結粒子とリチウム化合物との混合物を再焼成することにより、3aサイトへのニッケルの混入を防止しつつ、焼結粒子の表面およびその近傍において、リチウムを融解しつつ拡散させることができるため、一旦乱れた結晶構造を効果的に回復させることができる。これに対して、再焼成温度が450℃未満では、このような効果を十分に得ることができない。一方、再焼成温度が800℃を超えると、層状岩塩型構造の3bサイトに入るべきニッケルが、リチウムが存在すべき3aサイトに混入する場合がある。
再焼成工程において、焼成温度で保持する時間(再焼成時間)は、1時間以上とすることが好ましく、5時間〜24時間とすることがより好ましい。再焼成時間が1時間未満では、結晶構造を十分に回復させることが難しく、十分な充放電容量を得ることができなくなる場合がある。
本発明の正極活物質の製造方法のうち、第2実施態様の製造方法は、
(2−1)少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、アルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.65〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
(2−2)リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
(2−3)焼結粒子を洗浄し、リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の正極活物質の製造方法のうち、第3実施態様の製造方法は、
(3−1)少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、アルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.10〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
(3−2)リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
(3−3)焼結粒子を、リチウムイオンを含む水溶液を用いて洗浄し、リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の非水系電解質二次電池は、正極、負極、セパレータ、非水系電解液などの、一般の非水系電解質二次電池と同様の構成要素を備える。なお、以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明の非水系電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基づいて、種々の変更、改良を施した形態に適用することも可能である。
(1−1)正極
本発明により得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いて、たとえば、以下のようにして非水系電解質二次電池の正極を作製する。
負極には、金属リチウムやリチウム合金など、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
セパレータは、正極と負極との間に挟み込んで配置されるものであり、正極と負極とを分離し、電解質を保持する機能を有する。このようなセパレータとしては、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微細な孔を多数有する膜を用いることができるが、上記機能を有するものであれば、特に制限されることはない。
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
以上の正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明の非水系電解質二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
本発明の非水系電解質二次電池は、上述したように、本発明の正極活物質を正極材料として用いているため、充放電容量およびサイクル特性に優れていると評価することができる。たとえば、本発明の正極活物質を用いて、図4に示すような2032型コイン電池を構成した場合、170mAh/g以上、好ましくは175mAh/g以上、より好ましくは180mAh/g以上の初期放電容量と、80%以上、好ましくは82.5%以上、より好ましくは83.0%以上の500サイクル容量維持率を同時に達成することができる。
本発明の非水系電解質二次電池は、上述のように、高容量かつ高出力であり、かつ、安全性にも優れるため、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話端末などの小型携帯電子機器の電源に好適である。また、このような本発明の非水系電解質二次電池は、小型化が可能であり、かつ、高価な保護回路を簡略化することもできるため、搭載スペースに制約を受ける輸送用機器の電源としても好適に用いることができる。
a)前駆体の作製
はじめに、硫酸ニッケル六水和物と硫酸コバルト七水和物とを、Ni:Co=82:15となる原子比で水に溶解し、1.9mol/Lの原料水溶液を調製した。この原料水溶液に、水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水を滴下しながら、液温を50℃、pH値(液温25℃基準)を12.0に調整し、ニッケルコバルト複合水酸化物粒子を共沈させた。
この複合水酸化物粒子と、水酸化リチウム一水和物と、水酸化カリウム(純度86%、関東化学製特級試薬)を、(Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.11:0.175(Li1/Me=1.11、Am/Me=0.175、Liu/K=0.63)となる原子数比で混合し、リチウム混合物を得た。これのリチウム混合物を酸化性雰囲気下、730℃で24時間焼成することにより、焼結粒子を得た(混合工程、焼成工程)。
ICP発光分光分析装置による分析の結果、この正極活物質は、一般式:Li0.97Ni0.82Co0.15Al0.03O2で表され、カリウムの含有量が0.01質量%未満であることが確認された。
この正極活物質を用いて、図4に示すような2032型コイン電池1を作製した。この2032型コイン電池1は、ケース2と、ケース2内に収容された電極3とから構成される。
得られた2032型コイン電池1について、充放電容量およびサイクル特性について評価を行った。
2032型コイン電池1を作製してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、25℃の室内で、正極に対する電流密度を正極活物質重量に対して9mA/gとして、カットオフ電圧が4.3Vとなるまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧が3.0Vになるまで放電したときの放電容量を測定する充放電試験を行い、初期放電容量を求めることにより、充放電容量を評価した。この際、充放電容量の測定には、マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いた。
負極3bにカーボンを用い、温度60℃、正極に対する電流密度を正極活物質重量に対して360mA/gとして、4.1Vまで充電して3.0Vまで放電するサイクルを500回繰り返した後の放電容量と初期放電容量の比を計算して容量維持率(500サイクル容量維持率)を求めることにより、サイクル特性を評価した。
各工程における条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表1に示す。
混合工程において、表3に示すように、複合水酸化物粒子と、水酸化リチウム一水和物と、水酸化カリウムを、(Ni+Co+Al):Li:K=1.00:1.175:0.175(Li1/Me=1.175、Am/Me=0.175、Liu/K=1.00)となる原子数比で混合し、リチウム混合物を得たこと、および、再混合工程および再焼成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。
各工程における条件を表3に示すように変更したこと以外は実施例13と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表4に示す。
洗浄工程において、0.47mol/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて焼結粒子を洗浄したこと以外は実施例13と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
洗浄工程において、0.47mol/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて焼結粒子を洗浄したと以外は実施例1と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
洗浄工程後の焼結粒子に対して、実施例1と同様の条件で再混合工程および再焼成工程を行ったこと以外は実施例24と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
混合工程において、Li1/Meを1.070、Liu/Amを0.40としたこと、および、洗浄工程において、0.47mоl/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて焼結粒子を洗浄したこと以外は実施例24と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
混合工程において、Li1/Meを1.030、Liu/Amを0.17としたこと、および、洗浄工程において、0.47mоl/Lの水酸化リチウム水溶液を用いて焼結粒子を洗浄したこと以外は実施例24と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
再混合工程において、洗浄後の焼結粒子に、水酸化リチウムと酸化タングステン(WO3)をLi:W=3:1のモル比で純水に溶解させたアルカリ溶液を、Li2/Me=1.06となるように添加して混合したこと以外は実施例1と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、その評価を行った。この結果を表6に示す。
混合工程において、水酸化カリウムを添加することなく、複合水酸化物粒子と、水酸化リチウム一水和物を、(Ni+Co+Al):Li=1.00:1.05(Li1/Me=1.05)となる原子数比で混合し、リチウム混合物を得たこと、および、再混合工程および再焼成工程を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、正極活物質および2032型コイン電池を作製し、実施例1と同様にしてその評価を行った。この結果を表6に示す。
2 ケース
2a 正極缶
2b 負極缶
2c ガスケット
3 電極
3a 正極
3b 負極
3c セパレータ
Claims (15)
- 一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質であって、
平均粒径が0.8μm〜15μmである一次粒子および/または該一次粒子が複数凝集して形成された二次粒子からなり、
リートベルト解析法により算出される3aサイトのリチウム席占有率が96.0%以上である、非水系電解質二次電池用正極活物質。 - 前記正極活物質の表面およびその近傍において、X線光電子分光法によって求められる、ニッケルの原子数に対する前記層状岩塩型構造に由来するリチウムの原子数の比が0.40以上である、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 前記uの値が、−0.02≦u≦0.05の範囲にあり、かつ、前記正極活物質の表面およびその近傍において、X線光電子分光法によって求められる、ニッケルの原子数に対するリチウムの原子数の比が1.00以上である、請求項1または2に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質の製造方法であって、
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Crの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜900℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
前記洗浄工程後の焼結粒子を、酸化性雰囲気下、450℃〜800℃で再度焼成する、再焼成工程と、
を備える、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記混合工程において、リチウム化合物を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数の合計に対する、リチウムの原子数の比が0.98〜2.00となるように混合する、請求項4に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記洗浄工程において、前記焼結粒子を、リチウムイオンを含有する水溶液を用いて洗浄する、請求項4または5に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質の製造方法であって、
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.65〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備える、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記洗浄工程において、前記焼結粒子を、リチウムイオンを含有する水溶液を用いて洗浄する、請求項7に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 一般式:Li1+uNixCoyAlzMtO2(ただし、−0.03≦u≦0.10、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)で表され、リチウム以外のアルカリ金属の含有量が0.5質量%以下であり、層状岩塩型構造を有するリチウムニッケル複合酸化物粒子からなる正極活物質の製造方法であって、
少なくともニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mを、Ni:Co:Al:M=x:y:z:t(ただし、x+y+z+t=1、0.65<x≦1.00、0≦y≦0.35、0≦z≦0.10、0≦t≦0.15、Mは、Mn、Fe、Ti、V、Mg、Zr、Sr、Si、W、Mo、Cr、Nbの群から選択される1種以上の元素)となる原子数比で含む前駆体と、リチウム化合物と、リチウム以外のアルカリ金属供給源を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数に対する、リチウム以外のアルカリ金属の原子数の比が0.05〜0.50、かつ、リチウム以外のアルカリ金属の原子数に対する、化学量論組成に対して過剰量に相当するリチウムの原子数の比が0.10〜2.00となるように混合し、リチウム混合物を得る、混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気下、650℃〜800℃で焼成し、焼結粒子を得る、焼成工程と、
前記焼結粒子を、リチウムイオンを含む水溶液を用いて洗浄し、前記リチウム以外のアルカリ金属を除去する、洗浄工程と、
を備える、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記混合工程において、リチウム化合物を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数の合計に対する、リチウムの原子数の比が1.03〜2.00となるように混合する、請求項7〜9のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記洗浄工程後の焼結粒子を、酸化性雰囲気下、450℃〜800℃で再度焼成する、再焼成工程を備える、請求項7〜10のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記再焼成工程前に、前記洗浄工程後の焼結粒子に、リチウム化合物を、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよび添加元素Mの原子数の合計に対する、リチウムの原子数の比が0.98〜1.10となるように混合する、再混合工程をさらに備える、請求項4〜6および11のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記混合工程において、前記リチウム以外のアルカリ金属供給源として、リチウム以外のアルカリ金属を含む水酸化物を用いる、請求項3〜11いずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質。
- 前記リチウム以外のアルカリ金属を含む水酸化物として、水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムを用いる、請求項13に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 正極と、負極と、セパレータと、非水系電解質とを備え、前記正極の正極材料として、請求項1〜3のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正極活物質が用いられている、非水系電解質二次電池。
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