JP2005336000A - リチウム複合酸化物材料およびその利用 - Google Patents

リチウム複合酸化物材料およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子の表面部の結晶性のよいLiNi(Co,Al)O材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明により提供されるLiNi(Co,Al)O材料は、該材料を構成する粒子の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域、545±5cm−1の領域および465±5cm−1の領域にそれぞれラマンバンドとを有する。かかる材料は、例えば、LiNi(Co,Al)Oの一次焼成物をリチウム溶液に含浸することにより製造される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウム複合酸化物材料およびその製造方法に関する。また本発明は、かかる材料を用いて構築されたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムと一種または二種以上の遷移金属とを構成金属元素として有する酸化物を主体とする材料(リチウム複合酸化物材料)は、リチウム電池の正極活物質等として有用である。このような材料の一例として、上記酸化物がリチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムの複合酸化物であるものが挙げられる。そのような正極活物質に関する従来技術文献の例として特許文献1が挙げられる。
特開2003−331841号公報
このようなリチウム複合酸化物材料は、例えば次のような方法で製造(合成)することができる。すなわち、目的とするリチウム複合酸化物の組成に応じて、該酸化物を構成する金属成分に対応する金属化合物を所定のモル比で含有する原料混合物を用意する。そして、その混合物を高温(典型的には750℃以上)で焼成する方法である。
ところで、リチウム複合酸化物材料は、各種用途(例えば電池の正極活物質)に利用しやすい等の理由から粒子状の形態に調製されることが多い。該材料を二次電池の正極活物質等として用いる場合、そのような粒子の表面部の構造(例えば結晶性の程度)は電池の性能に大きな影響を及ぼし得る。しかし、上述のように高温焼成を経て得られたリチウム複合酸化物材料は、粒子の表面部の結晶性が低いものとなりがちであった。
そこで本発明は、粒子の表面部の結晶性のよいリチウム複合酸化物材料を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、そのような材料の製造方法を提供することである。さらに他の目的は、かかる材料を用いて構築されたリチウムイオン二次電池を提供することである。関連する他の目的は、リチウム複合酸化物を主体とする粒子の構造(結晶性の程度等)を簡単かつ適切に把握する方法を提供することである。また、そのような粒子の表面部の結晶性を高める方法を提供することである。
本発明者は、リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする材料に関し、該材料を構成する粒子のラマンスペクトル測定において三つの特定の領域(ラマンシフトの範囲)に着目することにより、その結晶性の程度を適切に把握し得ることを見出した。そして、高温で焼成されたリチウム複合酸化物材料(一次焼成物)は、該材料を構成する粒子の内部に比べて表面部の結晶性が低いことを見出した。さらに、その表面部の結晶性を高める方法を見出した。
本発明によると、リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とするリチウム複合酸化物材料が提供される。その材料を構成する粒子は、該粒子の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起(例えば、波長514.5nmの励起光)によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有する。ここで、ラマンバンドが上記領域に表れるとは、そのラマンバンドの少なくともピークの位置(ラマンシフト)が上記領域の範囲に属することをいう。
上記第一、第二および第三のラマンバンドは、上記複合酸化物の結晶性に関連している。したがって、粒子の表面部のラマンスペクトルにおいてこれらのラマンバンドが観測されるということは、該表面部における結晶構造の乱れが少ない(すなわち結晶性が高い)ことを示している。このような粒子を構成要素とするリチウム複合酸化物材料は、電極活物質等として有用なものとなり得る。
ここに開示される材料の一つの好ましい態様では、前記粒子の内部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有する。すなわち、粒子の表面部および内部のラマンスペクトルが、いずれも、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有する。典型的には、上述した各領域に表れる第一、第二および第三のラマンバンドのそれぞれは、表面部および内部のラマンスペクトルにおいて概ね同じ位置(波数)に表れる。
このようなラマンスペクトルを示す粒子は、粒子の表面部および内部がいずれも良好な結晶性を有する。したがって、該粒子の内部の結晶構造と表面部の結晶構造との均質性がよい。このような粒子を構成要素とするリチウム複合酸化物材料は、電極活物質等として有用なものとなり得る。
好ましい態様では、前記内部のラマンスペクトルにおける前記第一、第二および第三のラマンバンドのうち少なくとも一つのラマンバンドの強度に対して、前記表面部のラマンスペクトルにおける該ラマンバンドの強度が30〜110%(より好ましくは50〜100%)の範囲にある。このような粒子は、粒子の内部の結晶構造と表面部の結晶構造との均質性が特に良好である。
本発明により提供されるリチウム複合酸化物材料は、前記材料を構成する粒子の平均粒子径が凡そ3〜100μmの範囲にあることが好ましい。平均粒子径が上記範囲にあるリチウム複合酸化物材料は、電池の電極活物質(例えば、リチウムイオン二次電池の正極活物質)等の用途に適している。
なお、ここに開示されるリチウム複合酸化物材料を構成する粒子は、該材料の好ましい一形態では、一次粒子(最小単位の粒子)が集合(凝集)して二次粒子を形成している。このような場合には、特記しない限り、該二次粒子を「リチウム複合酸化物材料を構成する粒子」という。また、主として独立した(凝集していない)一次粒子により構成されている形態のリチウム複合酸化物材料については、該一次粒子を「リチウム複合酸化物材料を構成する粒子」という。
また、本発明によると、リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とするリチウム複合酸化物材料を製造する方法が提供される。その方法は、リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする一次焼成物を用意する工程を備える。また、該焼成物をリチウム溶液に接触させる工程を備える。このリチウム溶液に接触させる工程は、一次焼成物を構成する粒子の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを示すように行う。
かかる製造方法によれば、一次焼成物をリチウム溶液に接触させることにより、該焼成物を構成する粒子の表面部の結晶性を向上させることができる。これにより、上述した領域にそれぞれ第一、第二および第三のラマンバンドを有するラマンスペクトルを示す表面部を備える粒子とすることができる。したがって、かかる方法により製造された材料は、該材料を構成する粒子の表面部の結晶性が良好なものとなり得る。この製造方法は、上述したいずれかのリチウム複合酸化物材料を製造する方法として好適である。
前記一次焼成物としては、例えば、リチウムイオン、ニッケルイオン、コバルトイオンおよびアルミニウムイオンを含む原料混合物を焼成して得られたものを用いることができる。原料混合物の焼成温度は、通常は凡そ700℃を超える温度域とすることが適当であり、凡そ720℃以上の温度域で焼成することが好ましく、凡そ740℃以上の温度域で焼成することがさらに好ましい。
ここに開示される発明の一つの好適な態様では、該原料混合物が、リチウムイオン、ニッケルイオン、コバルトイオンおよびアルミニウムイオンを含む溶液にアルカリを添加して析出させた水酸化物を主構成成分とする原料水酸化物である。このような原料水酸化物から得られたリチウム含有複合酸化物材料は、電極活物質等として有用なものとなり得る。例えば、かかるリチウム含有複合酸化物材料を正極活物質として用いることにより、より電池性能のよい電池を構築し得る。
前記原料水酸化物を得るための溶液としては、硝酸リチウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトおよび硝酸アルミニウムを含む溶液(典型的には水溶液)を好適に用いることができる。また、その溶液に添加するアルカリとしては、NHOHを用いることが特に好ましい。このようにして得られた原料水酸化物(原料混合物)を用いて得られたリチウム含有複合酸化物材料は、電極活物質等として特に有用なものとなり得る。
ここに開示される製造方法は、前記一次焼成物を前記リチウム溶液に接触させた後、前記一次焼成物の焼成温度よりも低い温度域に加熱する工程をさらに備えることができる。これにより、前記リチウム溶液を接触させたことによる効果(典型的には結晶性を向上させる効果)の安定性、持続性、確実性のうち少なくとも一つをより高めることができる。また、一次焼成物の焼成温度域よりも低い温度で上記加熱工程を行うことにより、該加熱工程において粒子表面部の結晶性が低下することが抑制される。
本発明によると、さらに、上述したいずれかの材料または上述したいずれかの方法により製造された材料を構成要素とする電池が提供される。そのような電池の典型例は、かかる材料を電極活物質(典型的には正極活物質)として備えるリチウム電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)である。ここで開示されるいずれかのリチウム含有複合酸化物材料は、粒子の表面部の結晶性が良好であることから、該粒子表面におけるリチウムイオンの挿入および/または脱離が容易である。したがって、かかる材料を用いて構築された電池は、良好な電池性能(例えば低温出力)を示すものとなり得る。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において特に言及している内容以外の技術的事項であって本発明の実施に必要な事項は、従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書によって開示されている技術内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明により提供されるリチウム複合酸化物材料は、リチウム(Li)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびアルミニウム(Al)を構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする。かかる複合酸化物の好ましい例は、ニッケル酸リチウム(LiNiO)におけるNiサイトの一部にCoおよびAlが置換(固溶)した構造の複合酸化物である(以下、このような複合酸化物を「LiNi(Co,Al)O」と表記することがある。)。このような複合酸化物は、典型的には層状岩塩型の結晶構造を有する。本発明に係る複合酸化物材料の主成分として好適な複合酸化物は、例えば、組成式LiNiCoAlで表される酸化物である。ここで、xは0<x<1を満たす数であり、0.1<x<0.9の範囲にあることが好ましく、0.6<x<0.9の範囲にあることがより好ましい。また、yは0<y<1を満たす数であり、0.1<y<0.9の範囲にあることが好ましい。zは0<z<1を満たす数であり、0.01<z<0.2の範囲にあることが好ましい。これらx,yおよびzの間にはx+y+z=1の関係がある。
上記リチウム含有複合酸化物は、Li,Ni,CoおよびAlに加えて、他の構成金属元素を含有するものであり得る。例えば、マンガン(Mn),クロム(Cr),鉄(Fe),バナジウム(V),マグネシウム(Mg),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),タングステン(W),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),インジウム(In),スズ(Sn),ランタン(La)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される一種または二種以上を構成金属元素を含有し得る。これらの金属元素の含有量(モル比)は、Li,Ni,CoおよびAlのいずれの金属元素の含有量よりも少ない範囲であることが好ましい。例えば、リチウム1モルに対して0.1モル以下(より好ましくは0.05モル以下)の範囲であることが好ましい。
ここに開示されるリチウム含有複合酸化物材料(以下、単に「複合酸化物材料」ということもある。)は、その好適な一態様として、粒子状(粉状)の形態を有するものとして提供される。特に限定するものではないが、通常は、その粒子(典型的には二次粒子)の平均粒子径が凡そ3〜100μmの範囲にあることが好ましい。より好ましい範囲は凡そ3〜50μmであり、さらに好ましい範囲は凡そ5〜30μmである。上記複合酸化物材料を構成する粒子の形状は、典型的にはほぼ球状である。ここに開示される材料の好ましい態様では、該材料の主な構成要素が、上記複合酸化物を主体とする一次粒子が凝集して形成された二次粒子である。かかる二次粒子を構成する一次粒子(最小単位の粒子)の平均粒子径は、例えば0.1〜2μm(好ましくは0.2〜1μm)程度であり得る。
上記複合酸化物材料を構成する粒子の「表面部」(表層部)とは、その粒子(典型的には二次粒子)の表面およびその近傍の部分を指す。例えば、粒子の表面から該粒子の半径に対して凡そ30%以下(好ましくは凡そ20%以下)の深さまでの部分を「表面部」とすることができる。また、例えば平均粒子径(直径)が凡そ5μm以上の粒子については、粒子の表面から深さ約2μmまで(好ましくは約1μmまで)の部分を「表面部」とすることができる。
一方、該粒子の「内部」とは、上記表面部よりも内側の部分を指す。例えば、粒子の中心からの距離が該粒子の半径の凡そ70%(好ましくは凡そ50%)よりも小さい部分を「内部」とすることができる。また、例えば平均粒子径が凡そ5μm以上の粒子については、粒子の表面から約1μm(好ましくは約2μm)よりも内側の部分を「内部」とすることができる。
ここに開示される複合酸化物材料は、該材料を構成する粒子(二次粒子)の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起(例えば、波長514.5nmの励起光)によるラマンスペクトル測定において、特定の領域(ラマンシフトの範囲)にそれぞれラマンバンドが表れることによって特徴づけられるものである。その特定の領域は、560±5cm−1の領域(特に560±2cm−1の領域)、545±5cm−1の領域(特に545±2cm−1の領域)、および465±5cm−1の領域(特に465±2cm−1の領域)である。この明細書中では、上記領域にそれぞれ表れるラマンバンドを、波数(ラマンシフト)の大きい方から順に、第一、第二および第三のラマンバンドと称する。これらの名称は便宜的なものであって、各ラマンバンドの相対強度等を限定することを意図したものではない。
ラマンスペクトルを測定する方法としては、従来公知の方法等を特に限定なく採用することができる。例えば、市販のラマン分光分析装置を使用して上記ラマンスペクトルを得ることができる。ラマンスペクトルを得る際の測定範囲(ビーム径)は凡そ2μm以下とすることが好ましく、凡そ1μm以下とすることがより好ましい。このように比較的狭い測定範囲を実現し得る方法(装置)を採用することが好ましい。なお、粒子の内部のラマンスペクトルについても、粒子の表面部と同様にして測定することができる。例えば、粒子の断面を露出させ、その断面における外周部分(表面部)、中心部分(内部)等の任意の箇所についてラマンスペクトルを測定することができる。
ここに開示される複合酸化物材料の一つの好ましい態様では、該材料を構成する粒子の表面部および内部から得られたラマンスペクトルのいずれもが、上述した各領域のそれぞれに、肉眼で(あるいは、少なくとも該ラマンスペクトルを解析することにより)識別可能な程度に明瞭なラマンバンドを有する。この場合、表面部のラマンスペクトルと内部のラマンスペクトルとの間で各領域に表れるラマンバンドの強度を比較して、表面部のラマンバンドのうち少なくとも一つ(好ましくは二つ、より好ましくは三つ)のラマンバンドの強度(ピークの高さ)が、内部のラマンバンドの強度に対して凡そ10〜120%(より好ましくは凡そ30〜110%、さらに好ましくは凡そ50〜100%)の範囲にあることが好ましい。
このような複合酸化物材料は、Li,Ni,CoおよびAlを含む酸化物を主体とする一次焼成物にリチウム溶液を接触させることにより好適に製造することができる。該一次焼成物を得る方法は特に限定されない。例えば、固相法、共沈法等の従来公知の方法等を適宜選択することができる。典型的には、Li,Ni,CoおよびAlを含む原料混合物を焼成することにより一次焼成物を得ることができる。上記原料混合物は、例えば、製造しようとする複合酸化物材料の組成に応じて、該材料の主体をなす複合酸化物の構成金属元素を含む化合物の粉末(原料粉末)を所定の割合で混合したものであり得る。該原料粉末としては、上記複合酸化物を構成する金属元素を含む酸化物、あるいは加熱により酸化物となり得る化合物(当該金属元素を含む水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物等)の一種以上を含有するものを用いることができる。この原料粉末は、上記複合酸化物を構成する金属元素のうち二種以上を含む化合物(複合金属酸化物、複合金属炭酸塩等)を含有してもよい。
好ましい一つの態様では、上記原料混合物が、Li,Ni,CoおよびAlのうち少なくとも一種の金属元素を含む水酸化物(一種類の水酸化物でもよく、二種類以上の水酸化物の混合物であってもよい。)を主構成成分とする。このような水酸化物の好適例は、Liイオン、Niイオン、CoイオンおよびAlイオンを含む溶液(典型的には、酸性を示す溶液)にアルカリを添加して析出させた水酸化物を主構成成分とする原料水酸化物である。上記溶液に含まれるアニオン(カウンターイオン)は、硝酸イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、ハロゲン化物イオン(例えば塩化物イオン)、水酸化物イオン等からなる群から選択される一種または二種以上であり得る。例えば、上記アニオンが主として硝酸イオンおよび/または水酸化物イオンである溶液が好ましい。このような溶液は、例えば、所定量の硝酸リチウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトおよび硝酸アルミニウムを水に溶解させることにより好適に調製することができる。
かかる溶液に添加するアルカリとしては、アンモニア水(NHOH)、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化リチウム)、アルカリ土類金属の水酸化物等から選択される一種または二種以上を用いることができる。これらのうちアンモニア水を用いることが特に好ましい。また、アンモニア水と他のアルカリ(水酸化リチウム等)とを併用してもよい。操作の容易性および/または得られる析出物の特性等を制御しやすいことから、アンモニア水を単独で用いることが特に好ましい。例えば、該溶液中に含まれるLiイオン、Niイオン、CoイオンおよびAlイオンの合計量に対して0.8当量以上(例えば0.8〜1.5当量、好ましくは1〜1.5当量)のNHOHを含有するアンモニア水を添加するとよい。
これにより生じた析出物(主として水酸化物)を原料水酸化物として用いることができる。この析出物は、Li,Ni,CoおよびAlの一種または二種以上が共沈したものであり得る。必要に応じて上記析出物に他の材料(例えば、Li,Ni,CoおよびAlの一種または二種以上を含む化合物)を混合したものを原料水酸化物として用いてもよい。
このような原料混合物を焼成することにより、Li,Ni,CoおよびAlを構成金属元素として有する複合酸化物(LiNi(Co,Al)O)を主体とする一次焼成物を得ることができる。このときの焼成条件は特に限定されず、原料混合物から該一次焼成物を合成(製造)し得る条件であればよい。例えば、焼成雰囲気としては、酸化性雰囲気、不活性ガス雰囲気等を適宜選択することができる。通常は酸化性雰囲気(例えば大気中)で焼成することが好ましい。原料混合物の組成等によっても異なるが、通常は700℃を超える温度(例えば700〜1000℃)で焼成することが適当である。最終的に得られる複合酸化物材料の特性を向上させる等の観点からは、凡そ720℃以上(例えば720〜900℃)の温度で焼成することが好ましく、凡そ740℃以上(例えば740℃〜850℃)の温度で焼成することがより好ましい。特に好ましい焼成温度は、凡そ750℃以上(例えば750〜800℃)である。かかる温度で焼成された一次焼成物によると、最終的に得られる複合酸化物材料が、電池の電極活物質等としてより良好な特性(例えば、電池容量、内部抵抗、常温および/または低温出力、サイクル特性、耐久性等のうち一または二以上の特性)を示すものとなり得る。
ここで、上記原料混合物に含まれる金属元素のうちLiは、高温に曝された場合、他の金属元素に比べて蒸散しやすい。特に粒子の表面部にあるLiは蒸散により失われやすい。このため、一次焼成物を製造する際、粒子の表面部にあるべきLiの一部(あるいは全部)が失われた状態で焼成が進行することがある。このことは、該焼成により得られる一次焼成物において、その焼成物を構成する粒子の表面部の結晶性を低下させる(表面部の結晶構造に乱れを生じる)要因となり得る。一次焼成物を合成する際の焼成温度が高くなると、かかる現象がより顕著になる傾向にある。一次焼成物を構成する粒子の表面部の結晶性が低いことは、例えば、該表面部のラマンスペクトルにおいて、上述した各領域のいずれにもラマンバンドがみられないことによって把握することができる。
本発明者は、上記一次焼成物を構成する粒子の表面部にLiを補充することにより、該表面部の結晶性を向上させ得る(結晶構造の乱れを低減し得る)ことを見出した。粒子の表面部にLiを補充する方法としては、一次焼成物をLi溶液により処理する(典型的には、Li溶液に接触させる)方法が簡便であり好ましい。
かかるLi溶液処理に使用するLi溶液としては、適当な溶媒中にLi化合物が溶解しているものを用いることができる。上記溶媒は、水系溶媒またはアルコールであることが好ましい。ここで水系溶媒とは、水または水を主体とする混合溶媒を指す。水とともに混合溶媒を構成する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の低級アルコール(例えば炭素数1〜3のアルコール)、アセトン等のような、水と均一に混合し得る有機溶媒の一種または二種以上を選択することができる。上記Li溶液処理に用いる上記Li溶液の一好適例は、実質的に水からなる溶媒にリチウム塩が溶解しているLi溶液である。該リチウム塩は、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム等から選択される一種または二種以上であり得る。特に好ましいLi溶液の一例として、水酸化リチウム(LiOH)の水溶液が挙げられる。また、アルコール中にリチウムアルコキシドを含有するLi溶液を用いてもよい。例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール(例えば炭素数1〜6のアルコール)中に該アルコールのLiアルコキシドを含むLi溶液を用いることができる。好ましい一例として、Liプロポキシドのプロパノール溶液が挙げられる。
特に限定するものではないが、上記処理に使用するLi溶液のLi濃度は、通常は凡そ0.01〜0.5モル/リットル(L)の範囲とすることが適当である。Li濃度の好ましい範囲は例えば凡そ0.02〜0.15モル/Lであり、より好ましい範囲は例えば凡そ0.03〜0.08モル/Lである。また、凡そ0.01〜0.3質量%(より好ましくは0.015〜0.1質量%)の水酸化リチウムを含有する水酸化リチウム水溶液、凡そ0.01〜0.3質量%(より好ましくは0.015〜0.1質量%)のLiアルコキシド(例えばプロポキシド)を含有するプロパノール溶液等を好ましく使用することができる。
一次焼成物とLi溶液とを接触させる方法の好適な一例としては、該焼成物をLi溶液に含浸する方法が挙げられる。均一かつ迅速な処理を行いやすいという観点等から、該焼成物(典型的には粒子状)をLi溶液に分散させることが好ましい。Li溶液処理を行う時間(Li溶液と接触させる時間)は特に限定されない。Li溶液処理の進行の程度、複合酸化物材料の生産性等を考慮して適当な処理時間を設定することができる。通常は、3〜30分程度の処理時間とすることが好ましい。また、使用するLi溶液の温度も特に限定されない。通常は、例えば5〜50℃程度(より好ましくは10〜40℃程度)のLi溶液を好ましく用いることができる。
このようなLi溶液処理を行うことにより、一次焼成物を構成する粒子の表面部の結晶性を高めることができる。典型的には、該表面部のラマンスペクトルにおいて、上記所定の領域にそれぞれラマンバンドを出現させることができる。
目的とするリチウム複合酸化物材料は、例えば、上記Li溶液から上記焼成物を分離して乾燥させることにより得られる。この乾燥は常温で行ってもよく、必要に応じて加熱下で行ってもよい。例えば、60〜180℃程度の温度域に加熱することにより、乾燥時間を短縮することができる。また、Li処理後の焼成物をさらに高温に加熱してもよい。ただし、このときの加熱温度域は、一次焼成物の焼成温度域よりも低い温度域とすることが好ましい。例えば、一次焼成物の焼成温度域よりも凡そ50℃以上低い温度域とすることが好ましく、凡そ100℃以上低い温度域とすることがより好ましい。また、上記加熱温度域は、凡そ700℃以下の温度域とすることが好ましく、凡そ600℃以下の温度域とすることがより好ましく、凡そ550℃以下の温度域とすることがさらに好ましい。Liアルコキシドおよび/または有機Li塩(酢酸リチウム等)を含むLi溶液を用いてLi溶液処理を行った場合には、該Li溶液処理後の焼成物を300℃以上(より好ましくは400℃以上)の温度域に加熱して有機成分を除去することが好ましい。例えば、上記焼成物を400〜600℃程度の温度域で再焼成することができる。
ここに開示される製造方法は、粒子の表面部のラマンスペクトルを測定する工程をさらに備えることができる。例えば、上記Li溶液処理の後(上記加熱工程を行う場合にはその後)に表面部のスペクトルを測定することにより、得られた複合酸化物材料の品質(粒子表面部の結晶性の程度)を確認することができる。これにより、品質の安定した(ばらつきの少ない)複合酸化物材料を提供することができる。
なお、上述のようなLi溶液処理は、他の側面として、Li,Ni,CoおよびAlを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする粒子の結晶性(特に表面部の結晶性)を高める方法として捉えることができる。この方法は、例えば、Li,Ni,CoおよびAlを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする粒子であって、該粒子(被処理粒子)の表層部のラマンスペクトルにおいて、上述した所定の領域にラマンバンドを示さない粒子に対して好ましく適用することができる。そのような粒子は、LiNi(Co,Al)Oを主体とする市販の複合酸化物材料を構成する粒子であってもよい。上記リチウム溶液処理を施すことにより、そのような被処理粒子の表面部の結晶性を高めることができる。例えば、粒子の表面部のラマンスペクトルにおいて、560±5cm−1の領域、545±5cm−1の領域および465±5cm−1の領域に肉眼で識別し得るラマンバンドを有する程度に、該表面部の結晶性を高める(表面部を改質する)ことができる。
ここで開示されるリチウム電池(典型的には、リチウムイオン二次電池)は、上述したいずれかの複合酸化物材料を電極活物質として備える。そのような電池の好適な態様では、該電池が上記複合酸化物材料(正極活物質)を有する正極を用いて構築されている。例えば、上述したいずれかの複合酸化物材料を、必要に応じて導電材、結着剤(バインダ)等とともに正極集電体に付着させた形態の正極とすることができる。正極集電体としては、Al,Ni,Ti等の導電性金属を主体とする棒状体、板状体、箔状体等を使用することができる。あるいは、正極集電体としてカーボンペーパー等を用いてもよい。導電材としては、カーボンブラック(アセチレンブラック等)のような炭素材料、Ni粉末等の導電性金属粉末等を用いることができる。結着剤(バインダ)としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
正極集電体の表面に正極活物質を付着させた構成の正極は、例えば以下の態様により好適に作製することができる。すなわち、正極活物質を、必要に応じて使用される導電材、結着剤、増粘剤等とともに適当な溶媒と混合して液状の正極用組成物を調製する。この組成物を正極集電体に付着させる。例えば、シート状の正極集電体(Al箔等)の片面または両面に上記組成物を塗布する。
正極用組成物の調製に用いる溶媒としては、水系溶媒(例えば水)および非水系溶媒(例えばN−メチルピロリドン)のいずれも使用可能である。水系溶媒を用いる場合、上記正極用組成物には、上記正極活物質等に加えて、該水系溶媒に溶解してLiイオンを供給するリチウム源を含有させることができる。かかるリチウム源としては、例えば、水酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム等のリチウム塩から選択される一種または二種以上を用いることができる。特に好ましいリチウム源の一例として水酸化リチウムが挙げられる。
負極としては、負極集電体に負極活物質を付着させた構成のもの等を用いることができる。負極集電体としては、銅(Cu),Al,Ni,Ti等を主体とする棒状体、板状体、箔状体等を使用することができる。あるいは、負極集電体としてカーボンペーパー等を用いてもよい。負極活物質としては、アモルファス構造および/またはグラファイト構造の炭素材料を用いることができる。そのような炭素材料としては、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を例示することができる。このような負極活物質を、必要に応じて結着剤(バインダ)等とともに負極集電体に付着させた形態の負極とすることができる。結着剤としては、正極と同様のもの等を使用することができる。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な態様では、該二次電池が、シート状の正極集電体の片面または両面に正極活物質を含む混合物を付着させた構成の正極を備える。また、シート状の負極集電体の片面または両面に負極活物質を含む混合物を付着させた構成の負極を備える。本発明は、セパレータを介してこのような正極および負極を積層した構成の積層型電極体または捲回型電極体を有するリチウム二次電池等に対して好ましく適用することができる。セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルムを用いることができる。また、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース(MC)等からなる織布または不織布を用いてもよい。
電解液を構成する溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等から選択される一種または二種以上を用いることができる。また、電解液に含有させる支持塩としては、LiPF6,LiBF4,LiClO4,LiCF3SO3,LiC49SO3,LiN(CF3SO22,LiC(CF3SO23等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物を用いることができる。これらのうちLiPFを用いることが特に好ましい。
以下、本発明に関する実験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験例1>
以下の方法により、LiNi(Co,Al)Oを主体とする複合酸化物材料(試料1)を製造した。
すなわち、硝酸リチウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトおよび硝酸アルミニウムの所定量を、各金属のモル比がLi:Ni:Co:Al=10:8:1.5:0.5となる割合で秤量した。これらの硝酸塩を水に溶解させて、Liイオン、Niイオン、CoイオンおよびAlイオンを含む溶液(水溶液)を調製した。この溶液に、該溶液に含まれる硝酸イオンの凡そ1.2倍量(すなわち、Liイオン、Niイオン、CoイオンおよびAlイオンの合計量に対して凡そ1.2当量)に相当する量のNHOHを含有するアンモニア水を添加した。これにより生じた析出物を吸引濾過により回収し、120℃で約180分間乾燥させた後、750℃で約180時間焼成した。これにより、LiNi(Co,Al)Oを主体とする一次焼成物を得た。この一次焼成物は、主として一次粒子が凝集した二次粒子により構成されていた。その二次粒子の平均粒子径は凡そ10μmであった。
得られた一次焼成物をリチウム溶液に接触させた。すなわち、0.05質量%のLiOHを含むリチウム水溶液に粒子状の一次焼成物を投入して分散させ、攪拌しつつ10分間放置した。その後、吸引濾過により焼成物を回収し、120℃で約180分間乾燥させた後、500℃で約180時間加熱した。このようにして、LiNi(Co,Al)Oを主体とするリチウム複合酸化物材料(試料1)を得た。
<実験例2>
一次焼成物をリチウム水溶液に接触させる処理を行わない点以外は実施例1と同様にして、LiNi(Co,Al)Oを主体とする複合酸化物材料(試料2)を得た。
<実験例3>
実験例1により得られた試料1および実験例2により得られた試料2につき、それぞれ表面部および内部のラマンスペクトルを測定した。測定装置としては、Jobin Yvon社製の分散型ラマン分光分析装置(機種名「RAMANOR T64000」)を使用した。また、測定条件は、励起光:514.5nm(アルゴンイオンレーザ)、レーザビーム径:1μm、とした。測定試料は以下のようにして作製した。すなわち、試料1および試料2を構成する粒子を、アクリル樹脂を主体とする樹脂組成物に分散させ、該樹脂組成物を硬化させて粒子を固定した。その樹脂(硬化物)を研磨して粒子の断面を露出させた。そして、その断面について、粒子表面に内接する部分(表面部)および粒子の中心部(内部)のラマンスペクトルを測定した。
得られたラマンスペクトルを図1(試料1)および図2(試料2)に示す。各図中において、上方に示されたスペクトルは粒子の表面部から得られたものであり、下方に示されたスペクトルは粒子の内部から得られたものである。また、図の縦軸はスペクトルの強度を示し、図を見やすくするために表面部のスペクトルと内部のスペクトルとでは上下に位置をずらして表示している。
図1および図2に示されるように、粒子の内部のラマンスペクトルでは、試料1(Li溶液処理あり)および試料2(Li溶液処理なし)のいずれにおいても、約560cm−1、約545cm−1および約465cm−1の位置に三つのラマンバンドが表れていた。このことは、試料1および試料2のいずれも、粒子の内部はLiNi(Co,Al)Oの結晶性が良好であることを示している。
一方、粒子の表面部のラマンスペクトルでは、試料1については粒子内部とほぼ同じ位置に三つのラマンバンドが表れていた(図1参照)。このことは、試料1を構成する粒子の表面部と内部との結晶構造の差が少ない(すなわち、粒子の表面部の結晶構造の乱れが少ない)ことを示している。これに対して、試料2では、粒子の表面部のラマンスペクトルには上記の位置にラマンバンドがみられなかった(図2参照)。このことは、粒子の表面部の結晶性が低いことを示している。
このように、粒子の表面部のラマンスペクトルの比較から、一次焼成物を構成する粒子の表面部にLiを補充する処理(Li溶液処理)を行って得られた試料1は、該処理を行わなかった試料2に比べて、粒子の表面部の結晶性が明らかに良好であることが判る。
<実験例4>
上記実験例で得られた試料1および試料2を正極活物質に用いて、それぞれリチウムイオン二次電池を作製した。
すなわち、正極活物質としての試料1または試料2と、導電材としてのアセチレンブラックとを、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)とともにイオン交換水と混合して、ペースト状の正極用組成物を調製した。この組成物に含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、正極活物質が85質量%、アセチレンブラックが10質量%、PTFEが2質量%、CMCが3質量%である。この正極用組成物を、正極集電体としてのAl箔の両面に塗布(付着)して、正極集電体の両面に正極活物質含有層を備えるシート状の正極(正極シート)を作製した。
また、負極活物質としての黒鉛を、CMCおよびスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)とともにイオン交換水と混合して、ペースト状の負極用組成物を調製した。この組成物に含まれる各材料(水以外)の凡その質量比は、負極活物質(黒鉛)が98質量%、CMCが1質量%、SBRが1質量%である。この負極用組成物を、負極集電体としての銅箔の両面に塗布(付着)して、負極集電体の両面に負極活物質含有層を備えるシート状の負極(負極シート)を作製した。
セパレータとしては厚さ約25μmの多孔質ポリエチレンシートを用いた。このセパレータシートを介して正極シートと負極シートとが対向するように重ね合わせ、これを長尺方向に捲回して捲回型電極体を作製した。得られた電極体および非水系電解液を用いてリチウムイオン二次電池を構築した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:7(体積比)混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含むものを用いた。このようにして、正極活物質として試料1の複合酸化物材料を用いた電池(電池1)と、正極活物質として試料2の複合酸化物材料を用いた電池(電池2)とを作製した。
<実験例5>
上記実験例により作製した電池1および電池2の電池性能を評価した。
すなわち、環境温度60℃において、電流密度2Cの定電流で4.1Vまで充電し、次いで同じ電流密度で3.0Vまで放電した。このサイクル(2Cの定電流で4.1Vまで充電し、3.0Vまで放電する)を100回繰り返した。
上記サイクルを実施した後、室温にて上限電圧を4.1Vとして電流密度1/5Cの定電流充電を行い、電池の充電状態(SOC:State of Charge)を40%に調整した。このSOC40%に充電された電池を−30℃の恒温槽にセットし、下限電圧を3.0Vとして10秒間の充放電を繰り返した。このときの電流−電圧直線から、−30℃における低温出力(W)の値を算出した。
その結果、正極活物質として試料1(Li溶液処理あり)を用いた電池1は、試料2(Li溶液処理なし)を用いた電池1に比べて、低温出力の値が約10%向上していた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
なお、この明細書により開示される内容には以下のものが含まれる。
(1)Li,Ni,CoおよびAlを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする電極活物質。その活物質は、該活物質を構成する粒子の少なくとも表面部(好ましくは、表面部および内部)のラマンスペクトルが、可視光励起(例えば、波長514.5nmの励起光)によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有する。
かかる特徴を備える電極活物質は、例えば、電池(典型的にはリチウム電池)の構成要素等として有用である。かかる電極活物質を用いて構築された電池は良好な電池特性を示すものとなり得る。特に、リチウムイオン二次電池用の正極活物質として好適である。
(2)Li,Ni,CoおよびAlを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする材料の結晶性を把握する方法。その方法は、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1,545±5cm−1および465±5cm−1の各領域におけるラマンバンド(ピーク)の有無および/または強度を指標として結晶性を把握することを特徴とする。これらの領域において、識別可能なラマンバンドがみられない場合には結晶性が低く、識別可能なラマンバンドがみられる場合にはその強度(例えばピークの高さ)が大きいほど結晶性が高いものとして、該材料の結晶性の程度を把握することができる。また、該材料の結晶構造に関する知見を得ることができる。上記材料が主として粒子状の形態である場合、その粒子(典型的には二次粒子)の外表面に対して上記方法を実施することができる。これにより、該外表面の結晶性の程度を把握することができる。また、粒子の断面に対して上記方法を実施してもよい。この場合には、測定箇所に応じて粒子の各部(表面部、中心部等)の結晶性の程度を把握することができる。
このようにして結晶性の程度を把握する技術は、上述したいずれかの複合酸化物材料の製造方法に適用することができる。例えば、下記(3)のように、該製造方法の一工程として上記(2)の方法を実施することができる。
(3)上述したいずれかのリチウム複合酸化物材料の製造方法において、一次焼成物をLi溶液に接触させる工程の後に、該焼成物に対して上記(2)の結晶性把握方法を実施する工程をさらに備える。Li溶液に接触された後に加熱工程を備える製造方法においては、該加熱工程の前および後のいずれのタイミングで上記(2)の方法を実施してもよい。このような製造方法の好ましい態様では、上記(2)の方法を、該焼成物を構成する粒子の少なくとも表面部の結晶性を把握できるように行う。これにより、一次焼成物をLi溶液に接触させたことによる効果(表面部の結晶性を向上させる効果)の程度を効率よく把握することができる。さらに粒子の内部の結晶性を把握してもよい。
かかる製造方法によると、より品質の安定した(ばらつきの少ない)リチウム含有酸化物材料を提供することができる。また、このようにして製造された複合酸化物材料を正極活物質として用いることにより、より電池性能の安定した(品質のばらつきの少ない)リチウム電池を構築することができる。例えば、高性能のリチウム電池を安定して製造(提供)することができる。
試料1を構成する粒子の表面部および内部のラマンスペクトルを示す特性図である。 試料2を構成する粒子の表面部および内部のラマンスペクトルを示す特性図である。

Claims (10)

  1. リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とするリチウム複合酸化物材料であって、
    該材料を構成する粒子の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有するリチウム複合酸化物材料。
  2. 前記粒子の内部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを有する、請求項1に記載の材料。
  3. 前記内部のラマンスペクトルにおける前記第一、第二および第三のラマンバンドのうち少なくとも一つのラマンバンドの強度に対して、前記表面部のラマンスペクトルにおける該ラマンバンドの強度が30〜110%の範囲にある、請求項2に記載の材料。
  4. 前記粒子の平均粒子径が3〜100μmの範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の材料。
  5. リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とするリチウム複合酸化物材料を製造する方法であって、
    リチウム、ニッケル、コバルトおよびアルミニウムを構成金属元素として有する複合酸化物を主体とする一次焼成物を用意する工程と、
    その一次焼成物を構成する粒子の表面部のラマンスペクトルが、可視光励起によるラマンスペクトル測定において、560±5cm−1の領域に表れる第一のラマンバンドと、545±5cm−1の領域に表れる第二のラマンバンドと、465±5cm−1の領域に表れる第三のラマンバンドとを示すように、該焼成物をリチウム溶液に接触させる工程と、
    を包含するリチウム複合酸化物材料の製造方法。
  6. 前記一次焼成物は、リチウムイオン、ニッケルイオン、コバルトイオンおよびアルミニウムイオンを含む溶液にアルカリを添加して析出させた水酸化物を主構成成分とする原料水酸化物を焼成して得られたものである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記溶液は、硝酸リチウム、硝酸ニッケル、硝酸コバルトおよび硝酸アルミニウムを含む水溶液である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記アルカリはNHOHである、請求項6に記載の方法。
  9. 前記一次焼成物を前記リチウム溶液に接触させた後、前記一次焼成物の焼成温度域よりも低い温度域に加熱する、請求項5から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1から4のいずれかに記載の材料を正極活物質として備えるリチウムイオン二次電池。
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