JPH10214624A - 非水系二次電池用正極活物質の製造方法及びそれを使用したリチウム二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用正極活物質の製造方法及びそれを使用したリチウム二次電池

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JPH10214624A
JPH10214624A JP9015530A JP1553097A JPH10214624A JP H10214624 A JPH10214624 A JP H10214624A JP 9015530 A JP9015530 A JP 9015530A JP 1553097 A JP1553097 A JP 1553097A JP H10214624 A JPH10214624 A JP H10214624A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リチウム二次電池用正極活物質の合成に関
し、その活物質のLi / Me比が均一で、粒子形状が略球
状であり、高充填率を有する活物質の製造方法。 【解決手段】 一般式LiNi0.7Me0.32(MeはNi, Co, M
n, Al, Ti, Zr, Mgから選ばれた少なくとも一種以上の
金属元素)で示されるリチウム二次電池正極活物質を製
造する方法において、各構成元素の塩を水に溶解させて
塩濃度を調節した複合金属塩水溶液、金属イオンと錯塩
を形成する水溶性の錯化剤、及び水酸化リチウム水溶液
をそれぞれ反応槽に連続供給して複合金属錯塩を生成さ
せ、この錯塩を水酸化リチウムにより分解してリチウム
共沈複合金属塩を析出させ、粒子形状が略球状であるリ
チウム共沈複合金属塩を合成する第一工程、合成したリ
チウム共沈複合金属塩を200〜500℃の還元性雰囲気中で
分解し、リチウム共沈前駆酸化物を合成する分解還元の
第二工程、酸化雰囲気で焼成する酸化焼結の第三工程か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型パーソナ
ルコンピューター、ビューカムコーダー、携帯型情報機
器、コンパクトディスクプレーヤーその他の高容量型携
帯機器もしくは電気自動車に必要なリチウム二次電池用
正極活物質の合成に関し、特にその活物質のLi / Me比
が均一で、かつその粒子形状が略球状であり、高充填率
を有する活物質を製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、二次電池正極活物質の製造方法と
しては、リチウム正極活物質の構成元素の水酸化物、炭
酸塩又は酸化物を水酸化リチウム、硝酸リチウム又は炭
酸リチウムと乳鉢中で混合微粉化して700℃以上の処理
温度で酸化焼成する乾式法(例えば、特開平8−222
220号公報)と、リチウム正極活物質を構成する元素
のアルコキシド溶液を加水分解し、生成したゲルを酸化
雰囲気中で焼成するゾル−ゲル法と、リチウム正極活物
質構成元素の溶液に沈殿剤を添加して共沈沈殿物を合成
し、それを酸化雰囲気中で焼成する方法(例えば、特開
平8−315823号公報)と、リチウム正極活物質の
構成元素の水酸化物、炭酸塩又は酸化物をオートクレー
ブ中で水熱合成する方法(例えば、特開平8−2417
16号公報)が報告されている。ところで、硝酸塩など
の陰イオンを含む塩を原料に使用した場合、焼成する前
の材料中に硝酸根などの陰イオンが存在する場合には焼
成中にNOx或いは腐食性ガスが発生した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記乾式法では出発原
料の水酸化物又は酸化物の粉とリチウム塩を乳鉢中で混
合する際に必要に応じて水又はアルコールを添加してい
たが、活物質粉体の表面とバルク内部のリチウム濃度に
勾配が見られ、リチウムイオンとニッケルに代表される
様な金属と分子レベルで均一に混合することは不可能で
あり、局所的な組成ズレを生じ特性のバラツキの大きな
活物質しか得られない問題があった。
【0004】また、ゾル−ゲル法では分子レベルでリチ
ウムと構成元素が均一に混ざるため高容量でサイクル維
持率の高い活物質が得られる利点があった。しかし、活
物質粉体の粒径を制御するためには分級装置によって粒
径を制御しなければならず活物質製造上、割高になる問
題があった。
【0005】他方、リチウム正極活物質の構成元素溶液
に沈殿剤を添加して共沈沈殿物を合成する場合には、乾
式反応よりも成分組成の均一性は高かった。しかし、構
成元素イオンと沈殿剤との反応において、二種類以上の
元素を含む場合には、個々の元素と沈殿剤と反応し沈殿
析出する速度に違いが見られ、多くは共沈物と表現する
よりも二種類以上の混合物になっていた。
【0006】また、水熱合成では核となる種結晶の構造
を精密に制御しなければ高容量の活物質は得られず、均
一な粒径で充填密度の低い粉体特性しか得られていなか
った。
【0007】また、スプレードライヤーで噴霧乾燥し均
一な組成を持った活物質が得られるが(例えば、特開平
8−138672号公報、特開平8−148147号公
報)、さらに均一組成の活物質を得るためにはアルコー
ルまたはカルボン酸を添加して充填密度をコントロール
しなければ大容量を取り出せず、炭素含有化合物を採用
するには高価すぎて採用できないものである。
【0008】さらにまた、正極活物質を合成する場合に
リチウム塩または正極活物質の構成金属の硝酸塩を使用
すると、水酸化物,炭酸塩を原料にした場合よりも原料
塩同士の反応性が高く硝酸塩を原料にした方が電池活性
な活物質を生成し易いことが多かった。しかし、このよ
うな硝酸塩を原料にした場合には300℃から500℃の温度
範囲にてN2O、NO、NO2が焼成中に発生し、一般的に金属
水酸化物,金属酸化物以外の陰イオンを含む塩を原料に
してリチウム電池活物質を工業的に生産するには困難と
されていた。
【0009】従って、本発明は、充填密度が高く大容量
を取り出せ、分子レベル上均一組成でシャープな粒度分
布の二次電池用リチウム系正極活物質を安価に製造でき
るようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成する手段
としては、一般式LiNi0.7Me0.32(MeはNi, Co, Mn,A
l, Ti, Zr, Mgから選ばれた少なくとも一種以上の金属
元素)で示されるリチウム二次電池正極活物質を製造す
る方法において、反応槽を用い、前記物質の各構成元素
の塩を水に溶解させて塩濃度を調節した複合金属塩水溶
液、金属イオンと錯塩を形成する水溶性の錯化剤、及び
水酸化リチウム水溶液をそれぞれ反応槽に連続供給して
複合金属錯塩を生成させ、次いでこの錯塩を水酸化リチ
ウムにより分解してリチウム共沈複合金属塩を析出さ
せ、前記錯塩の生成及び分解を槽内で循環させながら繰
り返してリチウム共沈複合金属塩をオーバーフローさせ
て取り出すことにより、粒子形状が略球状であるリチウ
ム共沈複合金属塩を合成する第一工程、合成したリチウ
ム共沈複合金属塩を200〜500℃の還元性雰囲気中で分解
してリチウム共沈前駆酸化物を合成する分解還元の第二
工程、このリチウム共沈前駆酸化物を酸化雰囲気で焼成
する酸化焼結の第三工程からなることを特徴とするリチ
ウム二次電池正極活物質の製造方法に関する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。前記塩濃
度を調節した複合金属塩の水溶性の化合物としては、例
えば、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、水酸化物など
の水に可溶な水溶性の化合物が挙げられ、これらは単独
で又は二種類以上を組み合わせて使用することができ
る。
【0012】第一工程で析出したリチウム共沈複合金属
塩の共沈金属に対する共沈リチウムのモル比(Li / M
e)が1 / 2〜1.1 / 1であれば、第二工程処理後のリチ
ウム共沈前駆酸化物にリチウム塩を添加して所要量のLi
/ Meにして第三工程で焼成しても、電池活物質の電池
特性の低下は見られない。
【0013】リチウム共沈複合金属塩を還元性雰囲気中
で熱処理する還元性ガスとしては、アンモニア、及びメ
タンで代表されるような炭化水素が挙げられるが、その
他のものとしては、エタン、プロパン、ブタンなどの飽
和炭化水素、アセチレン、エチレン、プロピレン、イソ
ブテンなどの不飽和炭化水素が挙げられ、一般式CnHm(n
は1〜4の範囲にあり、 mは2〜10の範囲にある)で示され
る室温、大気圧下で気体の炭化水素を単独で、或いは混
合して流通ガスの20vol%〜80vol%の割合で使用し、残り
を窒素で希釈して用いる。
【0014】還元性ガスの還元力、つまり酸素と反応す
る能力に強弱は見られるが、20vol%以上であればガスの
種類を問わず、十分に窒素酸化物、塩素、硫黄酸化物な
どのような腐食性ガスと反応し、オフガス中の腐食性ガ
スの濃度を低下させてくれる。一方、流通ガス中の還元
性ガスの濃度が80vol%以上であるとリチウム共沈複合金
属塩が還元されすぎ、後の第三工程での処理に支障をき
たす恐れがある。
【0015】リチウム共沈複合金属塩を還元性雰囲気中
で熱分解する反応は、200〜500℃の温度域で行われる
が、雰囲気の温度が200℃未満では短時間で熱分解が行
われず又腐食性ガスの還元が十分に行われないばかりで
はなく、生成したリチウム共沈前駆酸化物の比表面積が
大きく、後の反応での均一反応を阻害する。500℃を越
えると還元性ガスの還元力が強すぎ金属メタルが生成
し、またリチウム共沈前駆酸化物の比表面積が小さく後
の酸化工程での焼成に時間がかかり過ぎ生産効率に支障
を来すことになる。
【0016】
【発明の実施の態様】第一工程において、複合金属塩水
溶液と錯化剤を反応させると準安定な共沈金属錯塩を生
成するが、この共沈金属錯塩は添加した水酸化リチウム
と反応し、リチウム共沈複合金属塩(Liと共沈した複合
金属塩は一般式Me(A)x(OH)yで示される。但しAは水酸化
物イオンを除く硝酸イオン,硫酸イオン,塩化物イオン等
の陰イオン及び水分子)を生成する。この化合物は結晶
C軸層間が、約7オングストロームと長く、リチウムイ
オンがこの層間にトラップされる可能性が高い。一方、
生成したリチウム共沈複合金属塩を、さらに高pH領域
で分解し完全に複合金属水酸化物にすると、リチウムイ
オンは金属水酸化物の層間(C軸層間距離約4.6オングス
トローム)よりも、20オングストローム以上の細孔径を
持つ結晶細孔に濃縮され、分子レベルでの均一性に劣
る。従って、前記第一工程の反応で合成したリチウム共
沈複合金属塩は、表面よりもバルク内部にリチウムイオ
ンが存在するため、乾式反応のような表面固相反応(細
孔径に敏感反応)よりも均一な組成を持つ化合物が得ら
れる。
【0017】第二工程において、このリチウム共沈複合
金属塩は還元性ガスによって熱分解されるが、生成した
リチウム共沈前駆酸化物は、バルク内部に高濃度のリチ
ウムイオンを含有し、結晶性を著しく阻害されるため、
通常の主成分である金属の酸化物よりも半値幅で示され
るような結晶性は低い。また、リチウム共沈複合金属塩
を窒素希釈アンモニアガスのような還元性雰囲気で熱分
解すると、例えば発生する窒素酸化物のような腐食性ガ
スと還元性ガスとが反応し、分解もしくは中和反応しオ
フガスは窒素ガス等の中性ガスに転化され、焼成炉の腐
食を抑制し、廃ガス処理の問題も回避でき、環境上の問
題の解決に寄与する。
【0018】リチウム共沈前駆酸化物の比表面積を制限
する理由は、第三工程での酸化雰囲気で酸化焼結させる
速度に起因する。つまり、リチウム共沈前駆酸化物の比
表面積が大きすぎると、酸化焼結する速度が早すぎ粒子
斑が生じ不均一粒度を持った活物質しか得られない。逆
に比表面積が小さすぎると、酸化焼結する速度が極めて
遅く、均一な粒度を持った活物質が得られるが、比例し
て焼成時間が長くなり産業上歩留まりの悪化を招く恐れ
がある。したがって、リチウム共沈前駆酸化物の酸化焼
結速度を焼成前の比表面積で適切に調節することによっ
て焼成時間が短く均一な粒度を持った活物質が得られる
ものである。
【0019】第三工程において、第二工程で合成したリ
チウム共沈前駆酸化物を酸化雰囲気中で焼成することに
よって、不純物を含まない活物質が得られ充填密度が高
く、表面とバルク内部にリチウム濃度勾配のない均一組
成でシャープな粒度分布幅を持った、従って大容量を取
り出せる二次電池用リチウム系正極活物質を安価に効率
良く製造することができる。
【0020】
【実施例】硝酸ニッケル・六水和物、硝酸コバルト・六水
和物、硝酸アルミニウム・九水和物を元素組成比Ni : Co
: Al = 0.80 : 0.15 : 0.05でイオン交換水に溶解し金
属濃度で3 mol/lに調節し、錯化剤として30 vol%アンモ
ニア水を、錯塩の分解に水酸化リチウム飽和水溶液を、
反応槽内に同時に連続供給した。反応槽内の温度は50℃
に維持し、攪拌機により常に攪拌した。生成したリチウ
ム共沈複合金属塩は、オーバーフロー管からオーバーフ
ローさせて取り出し、脱水、乾燥した。このリチウム共
沈複合金属塩にLi / (Ni+Co+Al)=1.00(モル比)になる
よう水酸化リチウム・一水和物を添加し乳鉢で良く混合
した後、アンモニア50 vol%と窒素50vol%からなる混合
ガス中で分解温度400℃で10時間処理してリチウム共沈
金属塩中の硝酸塩を分解し、リチウム共沈前駆酸化物を
合成した。この前駆酸化物を500℃×5時間、720℃×10
時間で酸素雰囲気中焼成した後、解砕して活物質を合成
した。
【0021】
【比較例】硝酸ニッケル・六水和物、硝酸コバルト・六水
和物、硝酸アルミニウム・九水和物を元素組成比Ni : Co
: Al = 0.80 : 0.15 : 0.05でイオン交換水に溶解し金
属濃度で2 mol/lに調節し、錯化剤として30 vol%アンモ
ニア水を、錯塩の分解に水酸化ナトリウム水溶液を、反
応槽内に同時に連続供給した。反応槽内の温度は45℃に
維持し、攪拌機により常に攪拌した。生成した共沈金属
水酸化物は、オーバーフロー管からオーバーフローさせ
て取り出し、水洗、脱水、乾燥した。この共沈金属水酸
化物にLi / (Ni+Co+Al)=1.00(モル比)になるよう水酸
化リチウム・一水和物を添加し、乳鉢で良く混合し500℃
×5時間、720℃×10時間で酸素雰囲気中焼成した後、解
砕して活物質を合成した。
【0022】このようにして得られた粉体を正極活物質
として用い、これに導電材としてアセチレンブラック
と、結着材としてポリテトラフルオロエチレンとを重量
比50 :40 : 10の割合で混練して正極合材を加圧成形
し、直径16 mmの円板状に切り抜いて作成した。
【0023】この加圧成形体を図1に示す試験セル内の
正極として用い、負極には金属リチウム薄膜を直径16
mmの円盤上に切り抜いて作成した。セパレーターには
ポリプロピレン製のフィルムを切り抜いたものを、電解
液にはプロピレンカーボネート(PC)と1, 2-ジメトキ
シエタン(DME)の体積比1 : 1の混合液にLiClO4を1mol
/lの濃度に溶解させたものを用いた。本発明リチウム二
次電池における充放電サイクル試験については、以下の
条件で評価し充電又は放電容量の相対評価をした。
【0024】先ず、1/10CmAにて4.2 Vまで充電し、1/10
CmAにて3.0 Vまで放電させ、これを繰り返した。実施
例 及び比較例から合成された粉末を用いて、それぞれ
別個の正極体を作成して図1の試験セルに組み入れ、2サ
イクル目の充電容量と放電容量を求めた。
【0025】表1及び図2が示す通り、本発明による電池
(実施例)は、従来技術(比較例)の電池に比べ、充放
電容量が高いことが分かった。このことから、複合金属
錯塩を水酸化リチウムによって分解し、次いでリチウム
共沈複合金属塩を合成し、還元性雰囲気で腐食性ガスを
熱分解した、リチウム共沈前駆酸化物を原料にリチウム
二次電池正極活物質を合成すれば、活性な活物質を生成
できることが分かった。
【0026】 表 1 2サイクル目 2サイクル目 充電容量 放電容量 実施例 100 82.4 比較例 98.6 74.8 実施例の2サイクル目の充電容量を100とした場合の比容量(mAh/g)
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、反応槽を用い、Ni, Co, Mn, Al, Ti, Zr, Mg
から選ばれた少なくとも一種以上の金属元素で構成され
る複合金属塩水溶液と、金属イオンと錯塩を形成する水
溶性の錯化剤、及び水酸化リチウム水溶液をそれぞれ反
応槽に連続供給し、準安定な複合金属錯塩を生成させ、
次いでこの錯塩を水酸化リチウムにより分解してリチウ
ム共沈複合金属塩を析出させ、上記錯塩の生成及び分解
を槽内で循環させながら繰り返し、リチウム共沈複合金
属塩をオーバーフローさせて取り出すことにより、粒子
形状が略球状であるリチウム共沈複合金属塩を合成する
第一工程、合成したリチウム共沈複合金属塩を200〜500
℃の還元性雰囲気中で分解しリチウム共沈前駆酸化物を
合成する分解還元の第二工程、このリチウム共沈前駆酸
化物を酸化雰囲気で焼成する酸化焼結の第三工程からな
る製造方法にしたので、高充填密度、均一組成で略球状
の活物質が得られ、電池性能を大幅に向上させることが
できる。
【0028】また、高価な有機化合物を使用しないた
め、安価に活物質を製造できる。窒素酸化物,塩素,硫黄
酸化物のような腐食性ガスを分解中和できるため、環境
上の問題の解決に寄与することができる、など優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の正極活物質を加圧成形して正極とし
て用いた試験セルを示す図である。
【図2】 実施例の正極活物質と比較例の正極活物質の
充電容量を比較した図である。
【符号の説明】
1:正極、2: 負極、3:セパレータ、4:非水電解
液、5:参照極、6:セル本体、7:正極ホルダー、
8:負極ホルダー、11及び21:チタンメッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧野 哲司 福井県福井市白方町45字砂浜割5番10 株 式会社田中化学研究所内 (72)発明者 飯田 得代志 福井県福井市白方町45字砂浜割5番10 株 式会社田中化学研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式LiNi0.7Me0.32(MeはNi, Co, M
    n, Al, Ti, Zr, Mgから選ばれた少なくとも一種以上の
    金属元素)で示されるリチウム二次電池正極活物質を製
    造する方法において、 反応槽を用い、前記物質の各構成元素の塩を水に溶解さ
    せて塩濃度を調節した複合金属塩水溶液、金属イオンと
    錯塩を形成する水溶性の錯化剤、及び水酸化リチウム水
    溶液をそれぞれ反応槽に連続供給して複合金属錯塩を生
    成させ、次いでこの錯塩を水酸化リチウムにより分解し
    てリチウム共沈複合金属塩を析出させ、上記錯塩の生成
    及び分解を槽内で循環させながら繰り返しリチウム共沈
    複合金属塩をオーバーフローさせて取り出すことによ
    り、粒子形状が略球状であるリチウム共沈複合金属塩を
    合成する第一工程、 合成したリチウム共沈複合金属塩を200〜500℃の還元性
    雰囲気中で分解し、リチウム共沈前駆酸化物を合成する
    分解還元の第二工程、 このリチウム共沈前駆酸化物を酸化雰囲気で焼成する酸
    化焼結の第三工程からなることを特徴とするリチウム二
    次電池正極活物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記塩濃度を調節した複合金属塩が、硝
    酸塩、硫酸塩、塩化物、炭酸塩、水酸化物から選ばれた
    少なくとも一種以上の水溶性の化合物である請求項記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記リチウム共沈複合金属塩の共沈金属
    に対する共沈リチウムのモル比(Li / Me)が1 / 2〜1.
    1 / 1である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記リチウム共沈複合金属塩を還元性雰
    囲気中で熱処理する還元性ガスが、アンモニア、及び一
    般式CnHm(nは1〜4の範囲にあり、 mは2〜10の範囲にあ
    る)で示される室温、大気圧下で気体の炭化水素を20 v
    ol%〜80 vol%含む窒素で希釈した混合ガスである請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記リチウム共沈複合塩を還元性雰囲気
    中で熱処理する温度が200〜500℃である請求項1に記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記リチウム共沈複合金属塩を還元性雰
    囲気中で熱処理した後のリチウム共沈前駆酸化物のBET
    比表面積が5m2/g〜20m2/gの範囲にある請求項1に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1つに
    記載の方法により製造された活物質が正極活物質として
    正極に用いられた非水系リチウム二次電池。
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