JPH1160246A - 水酸化ニッケル粒子、その製造方法、これを原料とするリチウム・ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法 - Google Patents
水酸化ニッケル粒子、その製造方法、これを原料とするリチウム・ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法Info
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Abstract
質の製造に好適に用いることができる一次粒子径の大き
い水酸化ニッケル粒子、その製造方法、これを原料とす
るリチウム・ニッケル複合酸化物及びその製造方法を提
供することにある。 【解決手段】本発明によれば、表面がほぼ正三角形であ
る三角柱状又は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子
からなり、上記三角形の一辺が1〜10μmの範囲にあ
ることを特徴とする水酸化ニッケル粒子が提供される。
更に、本発明によれは、この水酸化ニッケル粒子をリチ
ウム化合物と混合し、酸化性雰囲気下に600〜100
0℃の範囲の温度で焼成することによって、一次粒子径
の大きいリチウム・ニッケル複合酸化物粒子を得ること
ができる。
Description
ムイオン二次電池の正極活物質であるリチウム・ニッケ
ル複合酸化物(ニッケル酸リチウム)の原料として好適
に用いることができる水酸化ニッケル粒子、その製造方
法、これを原料として用いるリチウム・ニッケル複合酸
化物粒子及びその製造方法に関する。
エネルギー密度で且つ高電圧使用の可能な非水電解質リ
チウムイオン二次電池が注目を集めている。4V級非水
電解質リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、
従来、層状又はトンネル構造を有し、リチウムイオンの
ドープ及び脱ドープが容易な結晶構造をもつコバルト酸
リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等
のリチウムと遷移金属との複合酸化物が知られている。
このうち、コバルト酸リチウムは、原材料であるコバル
トの産地が限定されており、その安定供給が困難である
うえに、非常に高価であるという問題がある。一方、マ
ンガン酸リチウムは、材料コストは比較的低く抑えるこ
とができるものの、コバルト酸リチウムを用いた場合ほ
どの高エネルギー密度が得られない問題がある。
ッケル原料が資源的に豊富であり、また、上記の二つに
比べて、良好な容量特性を有し、しかも、最も大きいエ
ネルギー密度を実現できる点で有望視されている。更
に、ニッケル酸リチウムをベースとした複合酸化物、L
iNi1−XMXO2(但し、Mはマグネシウム、カル
シウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、コ
バルト、マンガン、鉄又はバナジウムを示し、Xは0<
X<1を満たす数である。)や、LiNi1−X−YC
oXMYO2(但し、Mはアルミニウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、又はバリウムを示
し、X及びYは、0<X<1、0<Y<1、0<X+Y
<1を満たす数である。)も知られている。このような
複合酸化物は、充放電容量が高く、高電圧が得られるこ
と、サイクル特性等の電池特性がすぐれていること、ニ
ッケル原料が比較的低コストであり、供給面でも安定し
ている等から、従来、開発が積極的に進められている。
記金属Mを含むニッケル塩(とコバルト塩)か、又はニ
ッケル塩(とコバルト塩)と上記金属塩とをリチウム化
合物と共に乾式混合するか、又は適宜の溶媒中で湿式混
合し、乾燥させた後、酸化性雰囲気中、通常、600〜
1000℃の温度にて10〜30時間焼成し、必要に応
じて、粉砕、分級することによって得ることができる。
ニッケル塩としては、水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸
塩、硫酸塩等を用いることができるが、工業的に製造さ
れており、低廉で品質が安定しており、しかも、焼成時
に発生するガスの公害処理等の問題が少ないことから、
従来、水酸化ニッケルが用いられている。
化物の製造原料として用いられている水酸化ニッケル
は、粒径0.1μm程度の一次粒子が凝集した粒径5〜
30μm程度の二次凝集粒子である。特開平7−230
808号公報には、タッピング(充填)密度の高いニッ
ケル酸リチウムを得るためには、0.1μm以下の一次
粒子からなる粒径5〜50μm程度の球状凝集粒子を用
いることが推奨されている。しかし、このように、従来
より知られている水酸化ニッケルを原料として用いて得
られるニッケル酸リチウムは、粒径1μm以下の小さい
一次粒子からなる凝集粒子である。
の正極活物質として、従来より知られているニッケル酸
リチウムは、比較的高い充放電容量を有するものの、実
用的には、45℃程度の高温環境下で充放電サイクルを
行なったときの容量低下や高温環境下で保存したときの
自己放電等の問題が未解決のまま、残されている。特開
平5−151988号公報や特開平7−183047号
公報に記載されているように、このような問題は、ニッ
ケル酸リチウムの一次粒子径に起因しており、一次粒子
径が小さいほど、非水電解質との反応、即ち、粒子界面
で起こる電解液の分解と被膜形成が著しくなることが一
因であると考えられている。
酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム
等の複合酸化物を正極活物質として用いる非水電解質リ
チウムイオン二次電池がサイクル特性や保存特性にすぐ
れる観点からは、例えば、コバルト酸リチウムの場合、
充放電の繰返しに伴う容量低下を少なくするために、上
記複合酸化物が2〜10μmの平均粒径(50%)を有
することが望ましいと指摘されている(特開平5−94
822号公報)。また、コバルト酸リチウムやニッケル
酸リチウム等の複合酸化物が10%累積径が3〜15μ
m、50%累積径が8〜35μm、90%累積径が30
〜80μmであるような粒度分布を有するとき、高温環
境下で充放電を繰り返したときも、容量低下が起こり難
いことが指摘されている(特開平5−151998号公
報)。更に、マンガン酸リチウムの場合には、平均粒径
が30〜100μmの範囲にあることが望ましいと指摘
されている(特開平5−283074号公報)。
なる正極活物質を用いる非水電解質二次電池において、
リチウム・マンガン複合酸化物の比表面積が0.05〜
5.0m2/gの範囲にあるとき、サイクル特性にすぐ
れた電池を得ることができるとも指摘されている(特開
平8−69790号公報)。
ニッケル酸リチウムを生成する水酸化ニッケルは知られ
ていない。
電解質リチウムイオン二次電池における上述したような
事情に鑑み、特に、非水電解質リチウムイオン二次電池
の正極活物質における上述したような問題を解決するた
めになされたものであって、リチウムイオン二次電池の
正極活物質の製造に好適に用いることができる一次粒子
径の大きい水酸化ニッケル粒子、その製造方法、これを
原料とするリチウム・ニッケル複合酸化物粒子及びその
製造方法を提供することを目的とする。
ほぼ正三角形である二角柱状又は三角板状の一次粒子が
凝集した二次粒子からなり、上記三角形の一辺が1〜1
0μmの範囲にあることを特徴とする水酸化ニッケル粒
子が提供される。
は、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、V、Mn、Fe及
びCoよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
(以下、複合元素ということがある。)をNiに対する
原子比にて0.5以下の範囲で含んでいてもよい。以
下、このような水酸化ニッケル粒子を複合水酸化ニッケ
ル粒子ということがあり、上記水酸化ニッケル粒子と併
せて、(複合)水酸化ニッケル粒子ということがある。
水酸化ニッケル粒子は、その表面にMg、Ca、Sr、
Ba、Al、V、Mn、Fe及びCoよりなる群から選
ばれる少なくとも1種の元素(以下、被着元素というこ
とがある。)が酸化物及び/又は水酸化物としてNiに
対する原子比にて0.5以下の範囲で被着されていても
よい。以下、このように、表面に被着元素を有する(複
合)水酸化ニッケル粒子を被着(複合)水酸化ニッケル
粒子ということがある。
ケル粒子(被着(複合)水酸化ニッケル粒子を含む。)
をリチウム化合物と混合し、酸化性雰囲気下に600〜
1000℃の範囲の温度で焼成してなるリチウム・ニッ
ケル複合酸化物粒子が提供される。
水を仕込んだ反応槽にニッケル塩水溶液と水酸化アルカ
リ水溶液とアンモニア水とを連続的に加え、反応槽中の
反応混合物のpHを10〜11の範囲に保持しつつ、且
つ、反応槽中の反応混合物中のアンモニア濃度を05モ
ル/L以上の範囲に保持しつつ、上記ニッケル塩を20
〜50℃の範囲の温度で中和して、水酸化ニッケル粒子
を析出させ、濾過し、乾燥させることによる水酸化ニッ
ケル粒子の製造方法が提供される。
ケル塩と共に、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、V、M
n、Fe及びCoよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の複合元素を含む水溶液を用い、ニッケル塩と上記複
合元素の塩を中和することによって、これら複合元素を
含む前記複合水酸化ニッケル粒子を得ることができる。
ッケル粒子を水に分散させてなるスラリー中において、
前記被着元素の塩の水溶液を水酸化アルカリ水溶液にて
中和して、上記被着元素を酸化物又は水酸化物として、
上記水酸化ニッケル粒子の表面に被着させることによっ
て、前記被着(複合)水酸化ニッケル粒子を得ることが
できる。
(複合)水酸化ニッケル粒子(被着(複合)水酸化ニッ
ケル粒子を含む。)をリチウム化合物と混合し、酸化性
雰囲気下に600〜1000℃の範囲の温度で焼成する
ことによるリチウム・ニッケル複合酸化物粒子の製造方
法が提供される。
は、表面がほぼ正三角形である三角柱状又は三角板状の
一次粒子が凝集した二次粒子からなり、上記三角形の一
辺が1〜10μmの範囲にあり、好ましくは、1〜7μ
mの範囲にある。
走査型電子顕微鏡写真を図1に示し、それを模式的に図
2に示すように、本発明による水酸化ニッケル粒子は、
一次粒子1が凝集した二次粒子2からなり、一次粒子
は、表面3に露出している部分がほぼ正三角形である三
角柱状又は三角板状をなしている。本発明において、表
面とは、このように、一次粒子が表面に露出している部
分をいう。
上記三角柱状又は三角板状の一次粒子の一辺の長さが1
μmよりも小さいときは、これを原料として得られるリ
チウム・ニッケル複合酸化物粒子の一次粒子も、その粒
径が1μm程度であり、従来の粒子径の小さい一次粒子
が凝集した二次粒子である球状水酸化ニッケル粒子を原
料として得られるリチウム・ニッケル複合酸化物粒子と
大差ない。
子の一辺の長さが10μmよりも大きいときは、そのよ
うな一次粒子が凝集した二次粒子は、粒子径が40〜5
0μmにも達し、リチウム化合物と混合し、焼成する際
に、粒子径が大きすぎて、リチウム化合物との反応が均
一に起こらず、特に、リチウムが水酸化ニッケル粒子の
内部まで拡散した均一な複合酸化物を得ることができな
い。このように、不均一な組成を有する複合酸化物を正
極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、サイ
クル特性に劣るものである。
子は、水溶性ニッケル塩を水溶液中でアンモニアと水酸
化アルカリを用いて中和し、沈殿を生成させることによ
って得ることができる。ここで、上記ニッケル塩は、特
に、限定されるものではないが、得られる水酸化ニッケ
ルを焼成して、リチウム・ニッケル複合酸化物を製造す
ることを考慮して、その焼成時に容易に分解し、又は揮
散しやすい陰イオンを有する塩であることが好ましく、
従って、例えば、硝酸ニッケルが好ましく用いられる。
アンモニアは、ガスとして用いてもよいが、好ましく
は、アンモニア水として用いられる。水酸化アルカリと
しては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム等が用いられるが、特に、水酸化ナトリ
ウムが好ましく用いられる。
ケル塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液の濃度は、特に、
限定されるものではないが、通常、ニッケル塩水溶液は
1〜3モル/L、水酸化アルカリ水溶液は1〜10モル
/Lの濃度を有するのが好ましい。アンモニア水を用い
るときは、10〜16モル/Lの濃度を有するものが好
ましい。
一つの好ましい態様として、例えば、攪拌機を備えた反
応槽に、好ましくは、予め少量の水又はアンモニア水を
仕込んでおき、これにニッケル塩水溶液と水酸化アルカ
リ水溶液とアンモニア水とを連続的に加え、反応槽中の
反応混合物(スラリー)のpHを10〜11の範囲に保
持しつつ、且つ、反応槽中の反応混合物中のアンモニア
濃度を0.5モル/L以上、好ましくは、0.7〜3モ
ル/Lの範囲に保持しつつ、上記ニッケル塩を20〜5
0℃の範囲の温度で中和して、水酸化ニッケル粒子を析
出させ、これを濾過し、乾燥させればよい。水酸化ニッ
ケルを析出させればよい。反応温度は、反応槽中の反応
混合物中のアンモニア濃度に影響を与えるので、低い方
が好ましく、通常、経済性を考慮して、上述したよう
に、20〜50℃の範囲である。また、反応時間は、生
成する水酸化ニッケルの一次粒子や二次凝集粒子の大き
さを考慮して、適宜に選ばれるが、通常、20〜48時
間程度である。
ほぼ正三角形である三角柱状又は三角板状で粒子径の大
きい一次粒子が凝集した粒子径の大きい二次粒子を得る
ことができ、特に、上記一次粒子における上記三角形の
一辺の長さが1〜10μmの範囲にあり、好ましくは、
1〜7μmの範囲にある。また、本発明による水酸化ニ
ッケル粒子は、X線回折測定による101面のピークの
半価幅が0.2°〜0.3°の範囲にあり、好ましく
は、0.2°〜0.28°の範囲にあり、従来の水酸化
ニッケル粒子に比べて、結晶性が極めて高いことも、重
要な一つの特徴である。
塩、好ましくは、硝酸ニッケルと共にMg、Ca、S
r、Ba、Al、V、Mn、Fe及びCoよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の複合元素の塩を含む水溶液
を用いて、前述したようにして、水酸化アルカリ水溶液
とアンモニア水とを用いて、水溶液中で中和反応を行な
うことによって、ニッケルと共にこれら複合元素を含
み、表面がほぼ正三角形である三角柱状又は三角板状の
一次粒子が凝集した二次粒子からなり、上記三角形の一
辺が1〜10μm、好ましくは、1〜7μmの範囲にあ
る複合水酸化ニッケル粒子を得ることができる。
a、Al、V、Mn、Fe及びCoよりなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素、即ち、複合元素を含む複合
水酸化ニッケル粒子を製造する場合、これらの元素のニ
ッケルに対する原子比、即ち、複合元素/Ni原子比
は、通常、0.5以下であり、好ましくは、0.001
〜0.5の範囲であり、特に、好ましくは、0.05〜
0.4の範囲である。この原子比が0.5を越えるとき
は、所期の形状と大きさを有する複合水酸化ニッケル粒
子を得ることができない場合がある。
(複合)水酸化ニッケル粒子の表面にMg、Ca、S
r、Ba、Al、V、Mn、Fe及びCoよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の元素、即ち、被着元素を酸
化物及び/又は水酸化物として被着させることができ
る。このような被着元素を有する水酸化ニッケル粒子
は、本発明による(複合)水酸化ニッケル粒子を水に分
散させてスラリーとし、このスラリー中にて上記被着元
素の塩を水酸化アルカリにて中和して、上記被着元素の
酸化物又は水酸化物として、析出し、被着させればよ
い。
合)水酸化ニッケル粒子を水に分散させてスラリーとな
し、このスラリーを反応槽に仕込み、攪拌下、これに上
記被着元素の塩の水溶液と水酸化アルカリ水溶液とを連
続して加えて、上記被着元素の塩を中和し、水酸化物又
は酸化物として、(複合)水酸化ニッケル粒子の表面に
析出し、被着させた後、これを濾過し、乾燥すればよ
い。上記被着元素の塩を中和し、水酸化物又は酸化物を
生成させ、これを(複合)水酸化ニッケル粒子の表面に
被着させるには、水酸化物又は酸化物が生成するよう
に、反応槽中のpHは、用いる被着元素に応じて、最適
のpHに調節することが必要であるが、例えば、硝酸ア
ルミニウムを用いて、アルミニウムを被着させるには、
反応槽中のpHは、7〜8に保持することが好ましい。
粒子の表面に上記被着元素を被着させる場合、被着元素
の量は、特に、限定されるものではないが、被着元素/
(Niと複合元素)原子比は、通常、0.5以下であ
り、好ましくは、0.001〜0.5の範囲であり、特
に、0.01〜0.33の範囲が好ましい。この原子比
が0.5を越えるときは、上記被着元素の水酸化物又は
酸化物が(複合)水酸化ニッケル粒子の表面以外の水相
中に新たに核生成する場合がある。
着させてなる(複合)水酸化ニッケル粒子は、通常、そ
の一次粒子が上記被着元素の水酸化物又は酸化物にて均
一に被覆され、当初の三角柱状又は三角板状の一次粒子
の形状を確認し難くなる。しかし、本発明によれば、こ
のように、上記被着元素を被着した(複合)水酸化ニッ
ケル粒子であっても、これを原料として、後述する条件
下に得られるリチウム・ニッケル複合酸化物粒子は、上
記のような被着元素を表面に被着させなかった(複合)
水酸化ニッケル粒子と同様に、一次粒子径の大きい複合
酸化物を与える。即ち、(複合)水酸化ニッケル粒子の
表面に被着した元素は、このような水酸化ニッケル粒子
とリチウム化合物とを混合し、これを酸化性雰囲気中で
焼成する間に、(複合)水酸化ニッケル粒子の内部に容
易に拡散するので、基材である(複合)水酸化ニッケル
粒子の形状と大きさを継承した複合酸化物を与えるので
ある。
外の複合元素を含む複合水酸化ニッケル粒子は、ニッケ
ル塩と共に、前記複合元素の塩を含む水溶液を水酸化ア
ルカリ水溶液とアンモニア水とを用いて中和することに
よって、表面がほぼ正三角形である三角柱状又は三角板
状の一次粒子が凝集した二次粒子として得ることができ
るし、また、水酸化ニッケル粒子を水に分散させてスラ
リーとなし、その中で前記被着元素の塩を水酸化アルカ
リで中和すれば、その一次粒子の特徴的な形状は、確認
し難いものの、ニッケル以外の被着元素を含む被着水酸
化ニッケル粒子を得ることができる。勿論、本発明によ
れば、任意の前記複合元素を含む複合水酸化ニッケル粒
子に任意の前記被着元素を被着させてもよい。
水酸化ニッケル粒子(被着(複合)水酸化ニッケル粒子
を含む。)を用いることによって、一次粒子径の大きい
リチウム・ニッケル複合酸化物粒子を容易に得ることが
できる。即ち、本発明による(複合)水酸化ニッケル粒
子とリチウム化合物とをLi/Ni(ニッケル以外に複
合元素及び/又は被着元素を有するときは、それら元素
を含む。)原子比が1.00〜1.05の範囲で混合
し、これを空気や酸素等の酸化性雰囲気中、600〜1
000℃、好ましくは、700〜850℃の温度にて1
0〜30時間程度、焼成し、この後、解砕すれば、一次
粒子径が1〜10μmの範囲にあり、平均粒子径が3〜
30μmの範囲にある二次凝集粒子を得ることができ
る。特に、本発明によれば、このように、焼成後、得ら
れた焼成物を解砕する際に、1μm以下の微粒子の発生
が少ないという利点もある。
なリチウム・ニッケル(及び複合元素及び/又は被着元
素としてのマグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、アルミニウム、バナジウム、マンガン、
鉄及び/又はコバルト)複合酸化物は、タッピング(充
填)密度が1.5〜2.0g/mLと大きく、比表面積
が0.05〜1m2/gと小さく、正極活物質として望
ましい物性を有し、かくして、本発明によるリチウム・
ニッケル複合酸化物を正極活物質として用いれば、高温
環境下で充放電サイクルを行なった場合の容量低下が少
なく、また、高温環境下で保存した場合の自己放電も小
さく、特性にすぐれた非水電解質リチウムイオン二次電
池を得ることができる。
の製造において、上記リチウム化合物としては、例え
ば、炭酸リチウム、水酸化リチウム一水塩等が好ましく
用いられる。反応温度が600℃よりも低いときは、リ
チウムが十分に複合酸化物の内部までドープされず、他
方、1000℃を越えるときは、リチウムが揮散し、リ
チウム/ニッケル比を変動させ、また、不純物としての
酸化ニッケルの生成等が起こるので、好ましくない。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下において、%は、特に別の記載がなければ、重
量%を意味する。
にその攪拌翼が浸る程度の最小量のアンモニア水(1.
0モル/L)約2Lを仕込み、攪拌下、これに硝酸ニッ
ケル水溶液(2.4モル/L)とアンモニア水(13.
3モル/L)とをそれぞれ99mL/時及び18mL/
時の割合にて連続的に加えながら、同時に、送液ポンプ
をpHコントローラに連動させ、pHを10.5±0.
3に維持しつつ、水酸化ナトリウム水溶液(8.6モル
/L)を連続的に加えた。このようにして、硝酸ニッケ
ル水溶液とアンモニア水と水酸化ナトリウム水溶液とを
反応槽に連続的に加えつつ、反応を48時間にわたって
行なった。この間、反応槽の反応混合物(スラリー)中
のアンモニアの濃度を1.0〜1.3モル/Lの範囲に
保持すると共に、反応温度を温度コントローラにて40
℃±1℃に保持した。反応終了後、反応槽内のスラリー
を濾過、水洗、乾燥して、水酸化ニッケル粉末を得た。
は、その走査型電子顕微鏡写真を図1に示すように、表
面がほぼ正三角形である三角柱状又は三角板状の一次粒
子が凝集した二次粒子からなり、上記三角形の一辺が1
μm以上であることが確認された。この二次粒子の平均
粒径は、レーザー回折粒度測定機で測定したところ、1
1.8μmであった。また、このような水酸化ニッケル
粉末のタッピング(充填)密度は1.8g/mL、X線
回折測定による101面ピークの半価幅は0.25°、
比表面積は2.4m2/gであった。
子)の製造)実施例1において、硝酸ニッケル水溶液に
代えて、硝酸ニッケルと硝酸コバルトの混合水溶液(N
i/Co原子比=85/15、合計濃度=2.4モル/
L)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水酸化ニ
ッケルコバルト粉末を得た。
トの粒子も、走査型電子顕微鏡写真から、実施例1によ
るものと同様に、表面がほぼ正三角形である三角柱状又
は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、上
記三角形の一辺が1μm以上であることが確認された。
この二次粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定機で
測定したところ、12.1μmであった。また、このよ
うな水酸化ニッケルコバルト粉末のタッピング(充填)
密度は1.7g/mL、X線回折測定による101面ピ
ークの半価幅は0.26°、比表面積は2.9m2/g
であった。
子)の製造)容量が10Lの反応槽に硝酸ニッケルと硝
酸コバルトの混合水溶液(Ni/Co原子比=85/1
5、合計濃度=1.6モル/L)とアンモニア水(5.
9モル/L)とをそれぞれ600mL/時及び81mL
/時にて連続的に加えながら、同時に、送液ポンプをp
Hコントローラに連動させ、pHを12.0±0.2に
維持しつつ、水酸化ナトリウム水溶液(6.0モル/
L)を連続的に加えた。このようにして、硝酸ニッケル
と硝酸コバルトの混合水溶液とアンモニア水と水酸化ナ
トリウム水溶液とを反応槽に連続的に加えつつ、反応を
行ない、得られた反応混合物(スラリー)を連続的に反
応槽から取出した。反応を開始して48時間経過した後
のスラリーを濾過、水洗、乾燥して、水酸化ニッケルコ
バルト粉末を得た。
トの粒子は、その走査型電子顕微鏡写真を図3に示すよ
うに、粒径が0.1μm以下の微細な一次粒子が凝集し
た球状の二次粒子であった。この二次粒子の平均粒径
は、レーザー回折粒度測定機で測定したところ、12.
0μmであった。また、このような水酸化ニッケルコバ
ルト粉末のタッピング(充填)密度は2.0g/mL、
X線回折測定による101面ピークの半価幅は0.89
°、比表面積は30.4m2/gであった。
た水酸化ニッケル粉末と水酸化リチウム−水塩をLi/
Ni原子比1.02として混合し、酸素雰囲気中、80
0℃で20時間焼成した。これを解砕して、ニッケル酸
リチウム粉末を得た。このニッケル酸リチウムは、その
走査型電子顕微鏡写真を図4に示すように、粒径1μm
以上の大きい一次粒子からなる凝集粒子であった。
(充填)密度は1.7g/mL、比表面積は0.15m
2/gであった。また、Cu−Kα線を用いて測定した
X線回折図を図5に示す。
化ニッケル粒子)の製造)容量が約10Lの反応器にそ
の攪拌翼が浸る程度の最小量のアンモニア水(1.0モ
ル/L)約2Lを仕込み、攪拌下、これに硝酸ニッケル
と硝酸コバルトと硝酸マグネシウムの混合水溶液(Ni
/Co/Mg原子比=81/14/5、合計濃度2.4
モル/L)とアンモニア水(13.3モル/L)とをそ
れぞれ99mL/時及び18mL/時の割合にて連続的
に加えながら、同時に、送液ポンプをpHコントローラ
に連動させ、pHを10.5±0.3に維持しつつ、水
酸化ナトリウム水溶液(8.6モル/L)を連続的に加
えた。このようにして、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと
硝酸マグネシウムの混合水溶液とアンモニア水と水酸化
ナトリウム水溶液とを反応槽に連続的に加えつつ、反応
を48時間にわたって行なった。この間、反応槽の反応
混合物(スラリー)中のアンモニアの濃度を1.0〜
1.3モル/Lの範囲に保持すると共に、反応温度を温
度コントローラにて30℃±1℃に保持した。反応終了
後、反応槽内のスラリーを濾過、水洗、乾燥して、水酸
化ニッケルコバルトマグネシウム粉末を得た。
トマグネシウムの粒子は、その走査型電子顕微鏡写真を
図6に示すように、表面がほぼ正三角形である三角柱状
又は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、
上記三角形の一辺が1μm以上であることが確認され
た。この二次粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定
機で測定したところ、14.9μmであった。また、こ
のような水酸化ニッケルコバルトマグネシウム粉末のタ
ッピング(充填)密度は2.0g/mL、X線回折測定
による101面ピークの半価幅は0.26°、比表面積
は2.0m2/gであった。
ニッケル粒子)の製造)実施例4において、硝酸ニッケ
ルと硝酸コバルトと硝酸マグネシウムの混合水溶液に代
えて、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと硝酸カルシウムの
混合水溶液(Ni/Co/Ca原子比=81/14/
5、合計濃度2.4モル/L)を用いた以外は、実施例
4と同様にして、水酸化ニッケルコバルトカルシウム粉
末を得た。
トカルシウムの粒子も、走査型電子顕微鏡写真から、実
施例4によるものと同様に、表面がほぼ正三角形である
三角柱状又は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子か
らなり、上記三角形の一辺が1μm以上であることが確
認された。この二次粒子の平均粒径は、レーザー回折粒
度測定機で測定したところ、13.2μmであった。ま
た、このような水酸化ニッケルコバルトカルシウム粉末
のタッピング(充填)密度は2.0g/mL、X線回折
測定による101面ピークの半価幅は0.26°、比表
面積は2.3m2/gであった。
酸化ニッケル粒子)の製造)実施例4において、硝酸ニ
ッケルと硝酸コバルトと硝酸マグネシウムの混合水溶液
に代えて、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと硝酸ストロン
チウムの混合水溶液(Ni/Co/Sr原子比=81/
14/5、合計濃度2.4モル/L)を用いた以外は、
実施例4と同様にして、水酸化ニッケルコバルトストロ
ンチウム粉末を得た。
トストロンチウムの粒子も、走査型電子顕微鏡写真か
ら、実施例4によるものと同様に、表面がほぼ正三角形
である三角柱状又は三角板状の一次粒子が凝集した二次
粒子からなり、上記三角形の一辺が1μm以上であるこ
とが確認された。この二次粒子の平均粒径は、レーザー
回折粒度測定機で測定したところ、12.9μmであっ
た。また、このような水酸化ニッケルコバルトストロン
チウム粉末のタッピング(充填)密度は1.9g/m
L、X線回折測定による101面ピークの半価幅は0.
26°、比表面積は2.4m2/gであった。
ッケル粒子)の製造)実施例4において、硝酸ニッケル
と硝酸コバルトと硝酸マグネシウムの混合水溶液に代え
て、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと硝酸バリウムの混合
水溶液(Ni/Co/Ba原子比=84/15/1、合
計濃度2.4モル/L)を用いた以外は、実施例4と同
様にして、水酸化ニッケルコバルトバリウム粉末を得
た。
トバリウムの粒子も、走査型電子顕微鏡写真から、実施
例4によるものと同様に、表面がほぼ正三角形である三
角柱状又は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子から
なり、上記三角形の一辺が1μm以上であることが確認
された。この二次粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度
測定機で測定したところ、11.7μmであった。ま
た、このような水酸化ニッケルコバルトストロンチウム
粉末のタッピング(充填)密度は1.9g/mL、X線
回折測定による101面ピークの半価幅は0.26°、
比表面積は2.5m2/gであった。
化ニッケル粒子)の製造)容量が約10Lの反応器にそ
の攪拌翼が浸る程度の最小量のアンモニア水(1.0モ
ル/L)約2Lを仕込み、攪拌下、これに硝酸ニッケル
と硝酸コバルトと硝酸アルミニウムの混合水溶液(Ni
/Co/Al原子比=84/15/1、合計濃度2.4
モル/L)とアンモニア水(13.3モル/L)とをそ
れぞれ99mL/時及び18mL/時の割合にて連続的
に加えながら、同時に、送液ポンプをpHコントローラ
に連動させ、pHを10.5±0.3に維持しつつ、水
酸化ナトリウム水溶液(8.6モル/L)を連続的に加
えた。このようにして、硝酸ニッケルと硝酸コバルトと
硝酸アルミニウムの混合水溶液とアンモニア水と水酸化
ナトリウム水溶液とを反応槽に連続的に加えつつ、反応
を48時間にわたって行なった。この間、反応槽の反応
混合物(スラリー)中のアンモニアの濃度を1.0〜
1.3モル/Lの範囲に保持すると共に、反応温度を温
度コントローラにて30℃±1℃に保持した。反応終了
後、反応槽内のスラリーを濾過、水洗、乾燥して、水酸
化ニッケルコバルトアルミニウム粉末を得た。
トアルミニウムの粒子は、その走査型電子顕微鏡写真を
図7に示すように、表面がほぼ正三角形である三角柱状
又は三角板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、
上記三角形の一辺が1μm以上であることが確認され
た。この二次粒子の平均粒径は、レーザー回折粒度測定
機で測定したところ、11.4μmであった。また、こ
のような水酸化ニッケルコバルトアルミニウム粉末のタ
ッピング(充填)密度は1.7g/mL、X線回折測定
による101面ピークの半価幅は0.26°、比表面積
は3.1m2/gであった。
子(被着複合水酸化ニッケル粒子)の製造)5L容量の
反応槽に実施例2で得た水酸化ニッケルコバルト粉末1
kgと水を什込んで、全量1.5Lのスラリーとなし、
攪拌下、これに硝酸アルミニウム水溶液(0.9モル/
L)を600mL/時の割合で連続的に加えながら、同
時に、送液ポンプをpHコントローラに連動させ、pH
を7.5±0.3に維持しつつ、水酸化ナトリウム水溶
液(2.7モル/L)を連続的に加えた。このようにし
て、硝酸アルミニウム水溶液と水酸化ナトリウム水溶液
とを反応槽に連続的に加えつつ、反応を2.5時間にわ
たって行なった。反応終了後、反応槽内のスラリーを濾
過、水洗、乾燥して、表面にアルミニウムを被着させた
水酸化ニッケルコバルト粉末(Al/(Ni+Co)原
子比=0.1)を得た。
化ニッケルコバルト粒子は、その走査型電子顕微鏡写真
を図8に示すように、水酸化ニッケルコバルト粒子の表
面に水酸化アルミニウムが均一に付着しており、当初の
一次粒子の三角柱状又は三角板状の形状は、一部に残存
していることが認められる。
化ニッケルコバルトの二次粒子の平均粒径は、レーザー
回折粒度測定機で測定したところ、13.5μmであっ
た。また、タッピング(充填)密度は1.6g/mL、
X線回折測定による101面ピークの半価幅は0.26
°、比表面積は15.2m2/gであった。
化ニッケル粒子)の製造)容量が10Lの反応槽に硝酸
ニッケルと硝酸コバルトと硝酸アルミニウムの混合水溶
液(Ni/Co/Al原子比=84/15/1、合計濃
度1.6モル/L)とアンモニア水(5.9モル/L)
とをそれぞれ600mL/時及び81mL/時にて連続
的に加えながら、同時に、送液ポンプをpHコントロー
ラに連動させ、pHを12.0±0.2に維持しつつ、
水酸化ナトリウム水溶液(6.0モル/L)を連続的に
加えた。このようにして、硝酸ニッケルと硝酸コバルト
と硝酸アルミニウムの混合水溶液とアンモニア水と水酸
化ナトリウム水溶液とを反応槽に連続的に加えつつ、反
応を行ない、得られた反応混合物(スラリー)を連続的
に反応槽から取出した。反応を開始して48時間経過し
た後のスラリーを濾過、水洗、乾燥して、水酸化ニッケ
ルコバルトアルミニウム粉末を得た。
トアルミニウムの粒子は、その走査型電子顕微鏡写真を
図9に示すように、粒径が0.1μm以下の微細な一次
粒子が凝集した球状の二次粒子であった。この二次粒子
の平均粒径は、レーザー回折粒度測定機で測定したとこ
ろ、2.1μmであった。また、このような水酸化ニッ
ケルコバルトアルミニウム粉末のタッピング(充填)密
度は0.9g/mL、X線回折測定による101面ピー
クの半価幅は0.73°、比表面積は83.0m2/g
であった。
たアルミニウムを被着させた水酸化ニッケルコバルト粉
末と水酸化リチウム一水塩をLi/(Ni、Co及びA
l)原子比1.02として混合し、酸素雰囲気中、80
0℃で20時間焼成した。これを解砕して、コバルト及
びアルミニウムを含む複合ニッケル酸リチウム粉末を得
た。この複合ニッケル酸リチウムは、その走査型電子顕
微鏡写真を図10に示すように、粒径1μm以上の大き
い一次粒子からなる凝集粒子であった。
径は11.9μm、タッピング(充填)密度は1.9g
/mL、比表面積は0.30m2/gであった。また、
Cu−Kα線を用いて測定したX線回折図を図11に示
す。
子の走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)であ
る。
示す図である。
粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)であ
る。
ム粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)で
ある。
ム粒子のX線回折図である。
バルトマグネシウム粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率
10000倍)である。
バルトアルミニウム粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率
10000倍)である。
ミニウムを被着させてなる水酸化ニッケルコバルト粒子
の走査型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)である。
アルミニウム粒子の走査型電子顕微鏡写真(倍率100
00倍)である。
アルミニウムを含む複合ニッケル酸リチウム粒子の走査
型電子顕微鏡写真(倍率10000倍)である。
酸リチウム粒子のX線回折図である。
なしている一次粒子、2…二次粒子、3…一次粒子の表
面。
Claims (8)
- 【請求項1】表面がほぼ正三角形である三角柱状又は三
角板状の一次粒子が凝集した二次粒子からなり、上記三
角形の一辺が1〜10μmの範囲にあることを特徴とす
る水酸化ニッケル粒子。 - 【請求項2】Mg、Ca、Sr、Ba、Al、V、M
n、Fe及びCoよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の複合元素をNiに対する原子比にて0.5以下の範
囲で含む請求項1に記載の水酸化ニッケル粒子。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載の水酸化ニッケル粒
子の表面にMg、Ca、Sr、Ba、Al、V、Mn、
Fe及びCoよりなる群から選ばれる少なくとも1種の
被着元素をNiに対する原子比にて0.5以下の範囲で
被着させてなる水酸化ニッケル粒子。 - 【請求項4】請求項1、2又は3に記載の水酸化ニッケ
ル粒子をリチウム化合物と混合し、酸化性雰囲気下に6
00〜1000℃の範囲の温度で焼成してなることを特
徴とするリチウム・ニッケル複合酸化物粒子。 - 【請求項5】水又はアンモニア水を仕込んだ反応槽にニ
ッケル塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液とアンモニア水
とを連続的に加え、反応槽中の反応混合物のpHを10
〜11の範囲に保持しつつ、且つ、反応槽中の反応混合
物中のアンモニア濃度を0.5モル/L以上の範囲に保
持しつつ、上記ニッケル塩を20〜50℃の範囲の温度
で中和して、水酸化ニッケル粒子を析出させ、濾過し、
乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の水酸化ニ
ッケル粒子の製造方法。 - 【請求項6】水又はアンモニア水を仕込んだ反応槽にM
g、Ca、Sr、Ba、Al、V、Mn、Fe及びCo
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の複合元素の塩
を含むニッケル塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液とアン
モニア水とを連続的に加え、反応槽中の反応混合物のp
Hを10〜11の範囲に保持しつつ、且つ、反応槽中の
反応混合物中のアンモニア濃度を0.5モル/L以上の
範囲に保持しつつ、上記ニッケル塩と上記複合元素の塩
とを20〜50℃の範囲の温度で中和して、上記複合元
素を含む水酸化ニッケル粒子を析出させ、濾過し、乾燥
させることを特徴とする請求項2に記載の水酸化ニッケ
ル粒子の製造方法。 - 【請求項7】請求項1又は2に記載の水酸化ニッケル粒
子を水に分散させてなるスラリー中において、Mg、C
a、Sr、Ba、Al、V、Mn、Fe及びCoよりな
る群から選ばれる少なくとも1種の被着元素の塩の水溶
液を水酸化アルカリ水溶液にて中和して、上記被着元素
を酸化物又は水酸化物として、上記水酸化ニッケル粒子
の表面に被着させることを特徴とする請求項3に記載の
水酸化ニッケル粒子の製造方法。 - 【請求項8】請求項1、2又は3に記載の水酸化ニッケ
ル粒子をリチウム化合物と混合し、酸化性雰囲気下に6
00〜1000℃の範囲の温度で焼成することを特徴と
するリチウム・ニッケル複合酸化物粒子の製造方法。
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