JP6343951B2 - 正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 - Google Patents

正極活物質粒子粉末及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

高いレート特性を持つ非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末を提供する。
近年、AV機器やパソコン等の電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として小型、軽量で高エネルギー密度を有する二次電池への要求が高くなっている。また、近年地球環境への配慮から、電気自動車、ハイブリッド自動車の開発及び実用化がなされ、大型用途として保存特性の優れたリチウムイオン二次電池への要求が高くなっている。このような状況下において、充放電容量が大きいという長所を有するリチウムイオン二次電池が注目されている。
従来、4V級の電圧を持つ高エネルギー型のリチウムイオン二次電池に有用な正極活物質としては、スピネル型構造のLiMn、ジグザグ層状構造のLiMnO、層状岩塩型構造のLiCoO、LiNiO等が一般的に知られており、なかでもLiNiOを用いたリチウムイオン二次電池は高い充放電容量を有する電池として注目されてきたが、この材料は、充電時の熱安定性及びサイクル特性に劣るため、更なる特性改善が求められている。
近年、更なる高容量化の要望を受けて、より高容量のLiMnOを含む正極活物質が高い放電容量を示すことが見出されている(特許文献1)が、この材料は初期効率が悪く、また高い電位で充電するためにレート特性が悪いという二次電池としては致命的な欠点があることが知られている。
レート特性についてはZr等の添加物によって改善されたという報告(特許文献2)や、二次粒子に組成傾斜をつけることによって改善されたという報告(特許文献3)があるが、特許文献2では充放電に直接関与しない元素が混入し、特許文献3では組成が不均一になるので、放電容量自体が低下してしまう問題があった。
また、特許文献4には放電容量、初期充放電効率、高率放電特性を改善する正極活物質が報告されているが、その改善効果は不十分であった。
特開平9−55211号公報 特開2012−138197号公報 特開2011−134670号公報 特開2012−151083号公報
レート特性に優れた非水電解質二次電池用の正極活物質は、現在最も要求されているところであるが、未だ必要十分な要求を満たす材料は得られていない。
特に、電気自動車等に搭載される二次電池としては、軽量で大容量の二次電池が渇望されている。
そこで、本発明の目的は、レート特性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質粒子粉末の製造方法及び該正極活物質粒子粉末を含有する正極からなる非水電解質二次電池の製造方法を提供することである。
本発明は、正極活物質粒子粉末を、特定の組成の化合物を異方的に結晶成長したものとすることでリチウムイオンの拡散距離を短縮することによって、上記課題を解決した。
すなわち、本発明は、以下に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法であって、MnとNi及び/又はCoとを含有する前駆体粒子粉末とリチウム化合物とを含有する混合物を焼成することからなり、該前駆体粒子粉末が水溶性のタンパク質が存在する溶液中で生成されたMnとNi及び/又はCoとを含有する共沈生成物であって、該前駆体粒子粉末のMn含有量はモル比(Mn/(Ni+Co+Mn))で0.5以上であることを特徴とする正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明1)。
[正極活物質粒子粉末]
少なくともLiとMnとNi及び/又はCoとを含有する複合酸化物からなる正極活物質粒子粉末であって、該正極活物質粒子粉末のCu−Kα線を使用した粉末X線回折図の2θ=20.8±1°における最大回折ピークの強度(a)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)との相対強度比(a)/(b)が0.01〜0.20であり、2θ=44.6±1°における最大回折ピークの半値幅(c)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの半値幅(d)との相対半値幅比(c)/(d)が1.50〜2.20であって、該正極活物質粒子粉末のMn含有量はモル比(Mn/(Ni+Co+Mn))で0.5以上である正極活物質粒子粉末。
また、本発明は、前記正極活物質粒子粉末のCu−Kα線を使用した粉末X線回折図の2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)と2θ=44.6±1°における最大回折ピークの強度(e)との相対強度比(b)/(e)が1.8〜2.1である本発明1に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明2)。
また、本発明は、Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.25〜1.65である本発明1又は2に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明3)。
また、本発明は、BET比表面積が2〜20m/gである本発明1〜3のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明4)。
また、本発明は、タップ密度が1.5〜2.8g/ccである本発明1〜4のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明5)。
また、本発明は、前記水溶性のタンパク質の添加量が、前駆体粒子粉末に対して0.01〜10wt%である本発明1〜5のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法である(本発明)。
また、本発明は、非水電解質二次電池の製造方法であって、本発明1〜6のいずれか一項に記載の製造方法で正極活物質を得る工程と、得られた正極活物質を含有する正極を作製する工程とを含む、非水電解質二次電池の製造方法である(本発明7)。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、レート特性を向上させることができるので、非水電解質二次電池用の正極活物質粒子粉末として好適である。
実施例1で得られた正極活物質粒子粉末のX線回折図である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
本発明に係る正極活物質は、少なくともLiとMnとNi及び/又はCoとを含有する複合酸化物からなる。
前記複合酸化物は、空間群R−3mに属する結晶系を有する化合物と、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物からなる。
空間群R−3mに属する結晶系を有する化合物としては、LiMMn1−x(MはNi及び/又はCo、xの範囲が0<x≦1)が好ましい。具体的には、LiCoMn1−x2、LiNiMn1−x、Li(Ni、Co)Mn1−xなどが好ましい。
なお、空間群R−3mは正式には、R3mの3の上にバーのついた表記が正しいが、ここでは便宜上、R−3mと記す。
空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物としては、LiM’(1−y)Mn(M’はNi及び/又はCo、yの範囲が0<y≦1)が好ましい。
本発明に係る正極活物質粒子粉末について、Cu−Kα線を線源とした粉末X線回折を行った場合に、空間群R−3mに属する結晶系に属する化合物であるLiMMn1−xに特徴的なピークの一つが2θ=18.6±1°と、2θ=44.6±1°に現れ、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系に属する化合物であるLiM’(1−y)Mnに特徴的なピークの一つが2θ=20.8±1°に現れる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末の2θ=20.8±1°における最大回折ピークの強度(a)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)との相対強度比(a)/(b)は0.01〜0.20である。相対強度比(a)/(b)が0.01未満の場合には、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物が少なすぎて十分な充放電容量が得られず、相対強度比(a)/(b)が0.20を超える場合には、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物が多すぎてスムーズなリチウムイオンの移動ができずに十分な充放電容量が得られない。相対強度比(a)/(b)は、好ましくは0.01〜0.15であり、より好ましくは0.02〜0.10であり、さらにより好ましくは0.03〜0.08である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末の2θ=44.6±1°における最大回折ピークの半値幅(c)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの半値幅(d)との相対半値幅比(c)/(d)は1.50〜2.20である。正極活物質粒子粉末を空間群R−3mに属する結晶系としてとらえると、(c)は、(104)面、(d)は(003)面のミラー指数を示し、相対半値幅比(c)/(d)は、結晶構造のa軸長(単位格子のa軸方向の結晶子サイズ)とc軸長(単位格子のc軸方向の結晶子サイズ)の比の指標となり、相対半値幅比(c)/(d)が前記範囲のとき、リチウムイオンの移動が容易になるためにレート特性が向上すると考えられる。相対半値幅比(c)/(d)が1.50未満である場合にはレート特性が低下し、相対半値幅比(c)/(d)が2.20を超えると結晶格子の軸比(a軸長に対するc軸長の比)が大きくなりすぎて結晶構造が不安定になりサイクル特性が低下する。相対半値幅比(c)/(d)は、好ましくは1.52〜2.00であり、より好ましくは1.54〜1.80であり、さらにより好ましくは1.55〜1.60である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末の2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)と2θ=44.6±1°における最大回折ピークの強度(e)との相対強度比(b)/(e)は1.80〜2.10であることが好ましい。相対強度比(b)/(e)が大きいとき、結晶構造のリチウムサイトに遷移金属が混入するカチオンミキシングが少なく、リチウムイオンの移動が容易になるためにレート特性が向上すると考えられる。相対強度比(b)/(e)が2.10を超えると、放電時の構造が不安定になり、サイクル特性が低下する。相対強度比(b)/(e)は、より好ましくは1.83〜2.10、さらに好ましくは1.86〜2.05、さらにより好ましくは1.88〜2.00である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、Li/(Ni+Mn+Co)がモル比で1.25〜1.65であることが好ましい。Li/(Ni+Mn+Co)が1.25未満では充電に寄与できるリチウムが少なくなって充電容量が低くなり、1.65を超えると逆にリチウムが多くなりすぎて抵抗成分となり放電容量が低くなる。Li/(Ni+Mn+Co)は、より好ましくは1.30〜1.60、さらに好ましくは1.35〜1.55である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、Mn含有量がモル比でMn/(Ni+Co+Mn)が0.50以上である。Mn含有量が0.50未満では、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物が十分形成されず、充放電容量が低下する。Mn含有量は、好ましくは0.55以上であり、より好ましくは、0.60以上であり、さらにより好ましくは0.65以上である。また、上限は、好ましくは0.95程度である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、Ni含有量がモル比でNi/(Ni+Co+Mn)が0.05〜0.45であることが好ましい。Ni含有量が0.45を超えると熱安定性が低下するので好ましくない。Ni含有量は、より好ましくは0.08〜0.40であり、さらにより好ましくは0.10〜0.35である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、Co含有量がモル比でCo/(Ni+Co+Mn)が0〜0.45であることが好ましい。0.45を超えると構造が不安定になるので好ましくない。Co含有量は、より好ましくは0.05〜0.40であり、さらにより好ましくは0.10〜0.35である。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、BET法による比表面積が3〜15m/gであることが好ましい。BET比表面積が3m/gより小さいと放電容量が下がり、15m/gより大きいとサイクル特性が低下する。BET比表面積はより好ましくは4〜10m/gであり、さらにより好ましくは5〜8m/gである。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、タップ密度が1.5〜2.8g/ccであることが好ましく、より好ましくは1.7〜2.4g/ccであり、さらにより好ましくは1.8〜2.3g/ccである。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、一次粒子が凝集した二次粒子からなる正極活物質粒子粉末であって、走査型電子顕微鏡で観察される平均一次粒子径が好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.005〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.01〜0.3μmである。
本発明に係る正極活物質粒子粉末の平均二次粒子径(D50)は好ましくは1〜50μmである。平均二次粒子径が1μm未満の場合、電解液との接触面積が上がりすぎることによって、電解液との反応性が高くなり、充電時の安定性が低下する。平均粒子径が50μmを超えると、電極内の抵抗が上昇して、充放電レート特性が低下する。より好ましい平均二次粒子径は3〜40μmであり、さらに好ましくは6〜25μmである。
次に、本発明に係る正極活物質粒子粉末の製造方法について述べる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、あらかじめ作製した遷移金属を含む前駆体粒子粉末とリチウム化合物とを混合して焼成することによって得ることができ、前記遷移金属を含む前駆体粒子粉末は、水溶性有機物が存在する溶液中で生成されたMnとNi及び/又はCoとを含有する共沈生成物である。
本発明における前駆体粒子粉末は、水溶性有機物を含む水溶液と所定の濃度のニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩を含有する混合溶液とアルカリ水溶液とを反応槽へ供給し、pHが6〜13になるように制御し、オーバーフローした懸濁液をオーバーフロー管に連結された濃縮槽で濃縮速度を調整しながら反応槽へ循環し、反応槽と沈降槽中の前駆体粒子濃度が0.1〜15mol/lになるまで反応を行って得ることができる。また、濃縮槽を設けずに、オーバーフローで前駆体粒子粉末を得ても良い。反応後は常法に従って、水洗、乾燥、粉砕を行えばよい。
水溶性有機物を添加した溶液中で前駆体粒子粉末を生成するには、あらかじめ水溶性有機物の水溶液を入れた反応槽にニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩を含有する混合溶液とアルカリ水溶液とを供給すればよく、また、水溶性有機物、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩を含有する混合溶液とアルカリ水溶液とを反応槽へ供給してもよい。
本発明に用いる水溶性有機物としては、前駆体粒子粉末の生成時に反応溶液に溶解する有機物であればよく、好ましくは水溶性の糖又は水溶性のタンパク質から選ばれる一種以上の有機物を用いることができる。水溶性の糖としては、でんぷんやデキストリン等、水溶性のタンパク質としてはゼラチン等を用いることが好ましい。
本発明に用いる水溶性有機物の添加量は、前駆体粒子粉末に対して0.01〜10wt%である。水溶性有機物の添加量が0.01wt%未満では少なすぎて本発明の効果が得られず、10wt%より多いと前駆体粒子沈殿の障害になってしまい好ましくない。好ましい水溶性有機物の添加量は0.01〜8wt%であり、より好ましくは0.05〜5wt%であり、さらにより好ましくは0.1〜3wt%である。
本発明における遷移金属を含む前駆体粒子粉末としては、特に限定されることなく各種の遷移金属化合物を用いることができるが、例えば、酸化物、水酸化物、炭酸塩又はそれらの混合物が好ましく、より好ましくは遷移金属の水酸化物若しくは炭酸塩である。
本発明における前駆体粒子粉末は、Mn含有量がモル比でMn/(Ni+Co+Mn)が0.50以上である。Mn含有量が0.50未満では正極活物質粒子粉末において空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有する化合物が十分形成されず、充放電容量が低下する。好ましいMn含有量は0.55以上であり、より好ましくは、0.60以上であり、さらにより好ましくは0.65以上である。また、上限は、好ましくは0.95程度である。
本発明における前駆体粒子粉末は、一次粒子が凝集した二次粒子からなる前駆体粒子粉末であって、走査型電子顕微鏡で観察される平均一次粒子径が好ましくは1μm以下であり、より好ましくは0.005〜0.5μmであり、さらに好ましくは0.01〜0.3μmである。
本発明における前駆体粒子粉末は、平均二次粒子径(D50)が1〜50μmであることが好ましく、3〜40μmであることがより好ましく、6〜25μmであることがさらにより好ましい。
本発明における前駆体粒子粉末は、タップ密度が1.2〜2.5g/ccであることが好ましく、1.4〜2.1g/ccであることがより好ましく1.5〜2.0g/ccであることがさらにより好ましい。
本発明における前駆体粒子粉末は、BET比表面積が10〜250m/gであることが好ましく、20〜200m/gであることがより好ましく、50〜200m/gであることがさらにより好ましい。
本発明における前駆体粒子粉末は、一次粒子が凝集した二次粒子形状であることが好ましい。本発明においては前駆体粒子粉末を水溶性有機物を添加した溶液中で生成することによって有機物が表面に化学吸着された微細な一次粒子が凝集した二次粒子形状の前駆体粒子粉末を得ることができ、これを用いれば、本発明が目的とする結晶構造を均一に備え、大きな比表面積を有する、レート特性に優れた正極活物質を製造することができると考えている。
本発明に用いるリチウム化合物としては、特に限定されることなく各種のリチウム塩を用いることができるが、例えば、水酸化リチウム・一水和物、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどが挙げられ、炭酸リチウムが好ましい。リチウム化合物を混合する場合の混合割合は前記前駆体粒子に対して20〜100wt%であることが好ましい。
また、用いるリチウム化合物は平均二次粒子径が50μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下である。リチウム化合物の平均粒子径が50μmを超える場合には、前駆体粒子との混合が不均一となり、結晶性の良い複合酸化物粒子粉末を得ることが困難となる。
遷移金属を含む前駆体粒子粉末とリチウム化合物の混合処理は、均一に混合することができれば乾式、湿式のどちらでもよい。
遷移金属を含む前駆体粒子粉末とリチウム化合物との混合処理は、一度で行ってもよく、遷移金属を含む前駆体粒子粉末とLi化合物とを混合し焼成した焼成物にLi化合物を加えて再度焼成してもよい。
このとき、焼成温度は、500〜1500℃であることが好ましい。500℃未満の場合にはLiとNi、Co、Mnの反応が十分に進まず、十分に複合化されない。1500℃を超える場合には焼結が進みすぎるので好ましくない。より好ましくは600〜1200℃の温度範囲であり、さらにより好ましくは750〜1050℃の温度範囲である。焼成時の雰囲気は酸化性ガス雰囲気が好ましく、より好ましくは通常の空気である。焼成時間は1〜30時間が好ましい。
本発明において、得られた正極活物質粒子粉末は、少なくとも空間群R−3mに属する結晶系と、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系とを特定比率で有する化合物からなる必要がある。焼成して得られる化合物が、このような2種の結晶系を特定比率で有するためには、基本的に、Mn含有量がモル比でMn/(Ni+Co+Mn)が0.50以上、好ましくは0.55〜0.95の範囲となるような前駆体粒子を調製すればよい。前駆体粒子のMn/(Ni+Co+Mn)を上記範囲内に調製する方法としては、原料であるニッケル塩、コバルト塩及びマンガン塩の量を調節する方法、反応溶液のpHを調節する方法、アンモニアなどの錯化剤を調整する方法などが挙げられる。なお、空間群R−3mに属する結晶系は上記のLiMMn1−x化合物に由来するものであり、空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系は上記のLiM’(1−y)Mnに由来するものであるが、これらの化合物は一連の製造方法で同時に形成されるものであり、その比率は基本的に上記のように前駆体のLi及びMn含有量で決定されるものである。
反応溶液のpHを調節する方法においては、pHを低くすると、ピーク強度比(a)/(b)は小さくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが少なくなる傾向となる。逆にpHを高くすると、ピーク強度比(a)/(b)は大きくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが多くなる傾向となる。
反応溶液の錯化剤を調節する方法においては、錯化剤を少なく投入すると、ピーク強度比(a)/(b)は小さくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが少なくなる傾向となる。逆に錯化剤を多く投入すると、ピーク強度比(a)/(b)は大きくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが多くなる傾向となる。
なお、錯化剤としては錯化剤として、アンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、ウラシル二酢酸、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン又はグリシンから選ばれる1種又は2以上を用いることができる。
また、焼成条件を調整することでも、ピーク強度比(a)/(b)が異なり、焼成温度が高くなると、ピーク強度比(a)/(b)は小さくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが少なくなる傾向となる。逆に焼成温度が低くなると、ピーク強度比(a)/(b)は大きくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが多くなる傾向となる。
また、Li/(Ni+Co+Mn)によってもピーク強度比(a)/(b)が異なり、Li/(Ni+Co+Mn)が高くなると、ピーク強度比(a)/(b)は大きくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが多くなる傾向となる。逆にLi/(Ni+Co+Mn)が低くなると、ピーク強度比(a)/(b)は小さくなる傾向、すなわち空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系を有するLiM’(1−y)Mnが少なくなる傾向となる。
本発明において、得られた正極活物質粒子粉末は、Cu−Kα線を使用した粉末X線回折を行った場合に空間群R−3mに属する結晶系に属する化合物が持つピークである2θ=18.6±1°と2θ=44.6±1°のピークが特定の関係を示す結晶構造を有する。焼成して得られる化合物がこのような結晶構造を持つためには、MnとNi及び/又はCoとを含有する前駆体粒子粉末を、水溶性有機物が存在する溶液中で調製すればよい。
また、焼成条件を調整することでも、相対半値幅比(c)/(d)が異なり、焼成温度が高くなると、相対半値幅比(c)/(d)は大きくなる傾向、すなわち空間群R−3mに属する結晶系としたときにa軸対比、c軸長が長くなる傾向となる。逆に焼成温度が低くなると、相対半値幅比(c)/(d)は小さくなる傾向、すなわちa軸対比、c軸長が短くなる傾向となる。
また、相対強度比(b)/(e)についても、焼成温度が高くなると、相対強度比(b)/(e)は大きくなる傾向、すなわちカチオンミキシングの程度が減少する傾向となる。逆に焼成温度が低くなると、相対強度比(b)/(e)は小さくなる傾向、すなわちカチオンミキシングの程度が増加する傾向となる。
次に、本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極について述べる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を製造する場合には、常法に従って、導電剤と結着剤とを添加混合する。導電剤としてはアセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等が好ましく、結着剤としてはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等が好ましい。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を用いて製造される二次電池は、前記正極、負極及び電解質から構成される。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、グラファイト等を用いることができる。
また、電解質の溶媒としては、炭酸エチレンと炭酸ジエチルの組み合わせ以外に、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル等のカーボネート類や、ジメトキシエタン等のエーテル類の少なくとも1種類を含む有機溶媒を用いることができる。
さらに、電解質としては、六フッ化リン酸リチウム以外に、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム等のリチウム塩の少なくとも1種類を上記溶媒に溶解して用いることができる。
本発明に係る正極活物質粒子粉末を含有する正極を用いて製造した二次電池は、後述する評価法でレート特性が79%以上であり、好ましくは81%以上、より好ましくは83%以上、さらにより好ましくは85%以上で、高くなるほど良い。
<作用>
本発明に係る正極活物質粒子粉末は、空間群R−3mに属する結晶系と空間群C2/m、C2/c又はP312に属する結晶系とを特定の比率で有し、リチウムイオンの移動が容易な結晶構造を備えているために、レート特性に優れている。
本発明に係る正極活物質粒子粉末の結晶構造は、Cu−Kα線を使用した粉末X線回折図の2θ=44.6±1°における最大回折ピークの半値幅(c)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの半値幅(d)との相対半値幅比(c)/(d)が大きい、すなわちa軸長対比c軸長が長いことによってリチウムイオンの移動が容易になるためにレート特性が向上すると考えられる。
また、本発明に係る製造方法によれば、正極活物質の前駆体粒子を水溶性有機物が添加された溶液中で生成することによって、有機物が前駆体の結晶面に選択的に付着して、その結晶面の表面エネルギーが減少し、成長が抑えられることで前駆体の結晶子に異方性が出現し、有機物が表面に化学吸着された微細な一次粒子が凝集した二次粒子形状の前駆体粒子粉末を得ることができ、これを用いれば、結晶子の異方性は焼成時にもある程度保たれ、複合酸化物の結晶の成長方向に影響を与え、本発明が目的とする結晶構造を均一に備え、レート特性に優れた正極活物質を製造することができると考えている。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
正極活物質粒子粉末及び前駆体粒子粉末を構成するリチウム、ニッケル、コバルト、マンガンの含有量は、該粉末0.2gを酸で溶解し、測定にはICAP[SPS−4000 セイコー電子工業(株)製]を用いて定量して決定した。
正極活物質粒子粉末の相の同定、ピーク強度及び半値幅の測定は、X線回折測定で行った。X線回折装置は粉末X線回折装置SmartLab[(株)リガク製](管球:Cu、管電圧:45kV、管電流:200mA、ステップ角度:0.010°、計数時間:0.9s、入射スリット:0.650°、受光スリット1:0.650°、受光スリット2:0.200mm)を使用した。
正極活物質粒子粉末及び前駆体粒子粉末の平均一次粒子径は、エネルギー分散型X線分析装置付き走査電子顕微鏡SEM−EDX[(株)日立ハイテクノロジーズ製]を用いて観察し、そのSEM像から平均値を読み取った。
正極活物質粒子粉末及び前駆体粒子粉末の平均二次粒子径(D50)はレーザー式粒度分布測定装置マイクロトラックHRA[日機装(株)製]を用いて湿式レーザー法で測定した体積基準の平均粒子径である。
正極活物質粒子粉末及び前駆体粒子粉末のBET比表面積値は、試料を窒素ガス下で120℃、45分間乾燥脱気した後、MONOSORB[ユアサアイオニックス(株)製]を用いて測定した。
タップ密度は、メスシリンダーにメッシュを通した所定量の正極活物質粒子粉末を充填し、500回タップしたときの嵩密度から求めた。
正極活物質粒子粉末を用いたコインセルによる充放電特性及びサイクル特性評価を行った。
まず、正極活物質として複合酸化物を84重量%、導電材としてアセチレンブラックを4重量%及びグラファイトKS−6を4重量%、バインダーとしてN−メチルピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン8重量%とを混合した後、Al金属箔に塗布し110℃にて乾燥した。このときの活物質換算の面積密度は、8から9mg/cmになるようにシート化のときの厚みを調整した。このシートを15mmφに打ち抜いた後、3t/cmで圧着した物を正極に用いた。負極は16mmφに打ち抜いた金属リチウムとし、電解液は1mol/lのLiPFを溶解したECとDMCを体積比で1:2で混合した溶液を用いてCR2032型コインセルを作製した。
1回目の充放電は、25℃で充電は4.6Vまで20mA/gで充電した後、定圧で電流値が1/10になるまで充電し、放電を2.0Vまで20mA/gにて行った。
低レートでの充放電は、25℃で充電は4.3Vまで27mA/gで充電した後、定圧で電流値が1/10になるまで充電し、放電を2.0Vまで27mA/gにて行った。
高レートでの充放電は、25℃で充電は4.3Vまで27mA/gで充電した後、定圧で電流値が1/10になるまで充電し、放電を2.0Vまで270mA/gにて行った。
このときの、(高レートでの放電容量/低レートでの放電容量×100)をレート特性として評価した。
参考例1
密閉型反応槽に水を6.5Lと水溶性澱粉3.2gを入れ、窒素ガスを流通させながら40℃に保持した。さらにpH=8.5(±0.2)となるよう、攪拌しながら連続的に所定のモル比となるよう混合したNi、Co、Mnの混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、105℃で一晩乾燥させ、889gの共沈前駆体の粉末を得た。この共沈前駆体の粉末の量は、使用した原料の量から炭酸塩として計算した理論量とほぼ同じであった。
得られた共沈前駆体のICP組成分析の結果、それぞれモル比でNi:Co:Mn=19.2:12.4:68.4(Mn/(Ni+Co+Mn)=0.684)であった。窒素吸着法によるBET比表面積は131m/gで、平均一次粒子径が0.015μmの一次粒子が凝集して平均二次粒子径が13.4μmの二次粒子を形成している様子が観測された。
得られた共沈前駆体と炭酸リチウム粉末を秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下930℃で5hr焼成し、正極活物質粒子粉末を得た。
X線回折測定の結果、得られた正極活物質粒子粉末は、空間群R−3mに属する結晶系と、空間群C2/mに属する結晶系とを含んでおり、ピーク強度比(a)/(b)が0.034であり、半値幅比(c)/(d)が1.56であった。ICP組成分析の結果、それぞれモル比でLi/(Ni+Co+Mn)=1.42、Ni:Co:Mn=19.2:12.4:68.4(Mn/(Ni+Co+Mn)=0.684)であり、タップ密度2.06g/ccであった。窒素吸着法によるBET比表面積は5.78m/gであった。また、平均一次粒子径が0.08μmの一次粒子が凝集して平均二次粒子径が12.8μmの二次粒子を形成している様子が観測された。
参考例2
密閉型反応槽に水を6.5Lと水溶性澱粉64gを入れ、窒素ガスを流通させながら35℃に保持した。さらにpH=8.4(±0.2)となるよう、攪拌しながら連続的に所定のモル比となるよう混合したNi、Co、Mnの混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中はオーバーフローラインによりスラリーを系外に排出させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、100℃で一晩乾燥させ、900gの共沈前駆体の粉末を得た。この共沈前駆体の粉末の量は、使用した原料の量から炭酸塩として計算した理論量とほぼ同じであった。得られた前駆体粒子粉末の特性を表2に示す。
得られた共沈前駆体と炭酸リチウム粉末を秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下940℃で5hr焼成し、正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の特性を表3に示す。
参考例3〜7及び実施例1
表1に記載の条件に変更したほか、参考例1と同様の操作を行って正極活物質粒子粉末を得た。得られた前駆体粒子粉末及び正極活物質粒子粉末の特性を表2及び表3に示す。
比較例1
密閉型反応槽に水を6.5Lを入れ、窒素ガスを流通させながら40℃に保持した。さらにpH=8.7(±0.2)となるよう、攪拌しながら連続的に所定のモル比となるよう混合したNi、Co、Mnの混合硫酸塩水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を加えた。反応中は濃縮装置により濾液のみを系外に排出して固形分は反応槽に滞留させながら反応後、共沈生成物のスラリーを採取した。採取したスラリーを濾過、水洗し、105℃で一晩乾燥させ、共沈前駆体の粉末を得た。得られた前駆体粒子粉末の特性を表2に示す。
得られた共沈前駆体と炭酸リチウム粉末を秤量し、十分に混合した。これを電気炉を用いて、空気流通下850℃で5hr焼成し、正極活物質粒子粉末を得た。得られた正極活物質粒子粉末の特性を表3に示す。
比較例2
表1に記載の条件に変更したほか、比較例1と同様の操作を行って正極活物質粒子粉末を得た。得られた前駆体粒子粉末及び正極活物質粒子粉末の特性を表2及び表3に示す。
参考例1〜7、実施例1及び比較例1、2の正極活物質粒子粉末を含有する正極を用いて製造した二次電池の電池特性を表4に示す。参考例1〜7、実施例1で得られた正極活物質粒子粉末は、いずれもレート特性が79%以上である。本発明に係る正極活物質粒子粉末は、空間群C2/mの結晶構造を有することによって大きな放電容量を持ち、さらに半値幅比(c)/(d)が1.50〜2.20であることによってLiの移動が促進された、レート特性に優れた正極材料であることが確認された。
比較例のように適量の水溶性有機物を含まないものは実施例と比べ、レート特性が劣り、適量の水溶性有機物が前駆体粒子粉末合成時に共存することにより、レート特性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質が得られることが認められる。
以上の結果から本発明に係る正極活物質粒子粉末は、レート特性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質として有効であることが確認された。
本発明に係る正極活物質粒子粉末はレート特性が向上しているので、非水電解質二次電池用の正極活物質粒子粉末として好適である。

Claims (7)

  1. 以下に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法であって、MnとNi及び/又はCoとを含有する前駆体粒子粉末とリチウム化合物とを含有する混合物を焼成することからなり、該前駆体粒子粉末が水溶性のタンパク質が存在する溶液中で生成されたMnとNi及び/又はCoとを含有する共沈生成物であって、該前駆体粒子粉末のMn含有量はモル比(Mn/(Ni+Co+Mn))で0.5以上であることを特徴とする正極活物質粒子粉末の製造方法。
    [正極活物質粒子粉末]
    少なくともLiとMnとNi及び/又はCoとを含有する複合酸化物からなる正極活物質粒子粉末であって、該正極活物質粒子粉末のCu−Kα線を使用した粉末X線回折図の2θ=20.8±1°における最大回折ピークの強度(a)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)との相対強度比(a)/(b)が0.01〜0.20であり、2θ=44.6±1°における最大回折ピークの半値幅(c)と2θ=18.6±1°における最大回折ピークの半値幅(d)との相対半値幅比(c)/(d)が1.50〜2.20であって、該正極活物質粒子粉末のMn含有量はモル比(Mn/(Ni+Co+Mn))で0.5以上である正極活物質粒子粉末。
  2. 前記正極活物質粒子粉末のCu−Kα線を使用した粉末X線回折図の2θ=18.6±1°における最大回折ピークの強度(b)と2θ=44.6±1°における最大回折ピークの強度(e)との相対強度比(b)/(e)が1.8〜2.1である請求項1に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法。
  3. Li/(Ni+Co+Mn)がモル比で1.25〜1.65である請求項1又は2に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法。
  4. BET比表面積が3〜15m/gである請求項1〜3のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法。
  5. タップ密度が1.5〜2.8g/ccである請求項1〜4のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法。
  6. 前記水溶性のタンパク質の添加量が、前駆体粒子粉末に対して0.01〜10wt%である請求項1〜のいずれか一項に記載の正極活物質粒子粉末の製造方法。
  7. 非水電解質二次電池の製造方法であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法で正極活物質を得る工程と、得られた正極活物質を含有する正極を作製する工程とを含む、非水電解質二次電池の製造方法。
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