JP7047251B2 - 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
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Description
をわかりやすくするために、一部を強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実
際の構造または形状、縮尺等が異なっている場合がある。以下、本実施形態について説明
する。
本実施形態の非水系電解質二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」ともいう。)は、層状結晶構造を有する六方晶系リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(以下、「リチウム金属複合酸化物」ともいう。)を含む。
図3に示すように、本実施形態の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法(以下、「正極活物質の製造方法」ともいう。)は、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得る晶析工程(ステップS01)と、リチウム化合物を混合してリチウム混合物を得るリチウム混合工程(ステップS02)と、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を得る焼成工程(ステップS03)を少なくとも備えるものである。本実施形態の製造方法は、上記特性を有する正極活物質を製造する方法として、好適に用いることができる。以下、本発明の正極活物質の製造方法について詳細に説明する。
まず、晶析工程(ステップS01)において、晶析により、一般式(1):NixCoyMnzWt(OH)2+α(x+y+z=1、0.3≦x≦0.5、0.3≦y≦0.5、0.3≦z≦0.5、0.02≦t≦0.05、0≦α≦0.5)で表されるタングステンを含むニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子(以下、「複合水酸化物粒子」ともいう。)を得る。
まず、易水溶性のニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩を所定の割合で水に溶解させて、ニッケル、コバルト、マンガンを含む混合水溶液を作製する。ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩としては、硫酸塩を用いることが好ましい。この混合水溶液と、アンモニア水などのアンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを、撹拌しながら晶析反応槽内へ供給して、反応槽内に反応液を形成する。また、反応液形成と同時に、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を、反応槽内へ供給して反応液のpH値が一定の範囲となるように制御する。ここで、反応液が一定のpH値の範囲になるようにアルカリ水溶液の供給量を調節することで、反応槽内にて複合金属水酸化物粒子の微小な核を選択的に生成させることが出来る。
粒子成長工程では、反応液を液温25℃基準におけるpH値として10.5以上12.0以下、かつタングステン塩を溶かしたアルカリ溶液を反応槽内へ供給し、核生成工程より低いpH値に制御する。タングステン塩はナトリウム塩を用いることが好ましい。核形成後にpH値をこの範囲に制御することで、核生成工程で生成した核の成長のみを優先的に起こさせて新たな核形成を抑制することにより、複合水酸化物粒子の粒度の均一性を大幅に向上させることができる。pH値が12.0より高い場合には、粒子成長のみでなく、核生成も生じるため、粒度の均一性を大幅に向上させることが難しくなる。一方、pH値が10.5未満では、反応液中に残存する金属イオンが増加するため、生産効率が悪化する。また、硫酸塩を原料として用いた場合には、複合水酸化物粒子中に残留する硫黄(S)分が多くなるため、好ましくない。反応液のアンモニア濃度、温度については、核生成工程と同様の範囲に設定すればよい。
次いで、リチウム混合工程(ステップS02)において、晶析工程(ステップS01)で得られた複合水酸化物粒子と、リチウム化合物とを混合して、リチウム混合物を得る。
次いで、焼成工程(ステップS03)において、得られたリチウム混合物を、酸化性雰囲気中において、600℃から焼成温度までの昇温速度を2℃/分以下とするとともに、焼成温度を800℃以上900℃以下とし、焼成時間を5時間以上20時間以下として、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を得る
焼成工程によって得られたリチウム複合酸化物粒子は、凝集または軽度の焼結が生じている場合がある。このような場合には、リチウム複合酸化物粒子の凝集体または焼結体を解砕する、解砕工程を備えてもよい。解砕により、得られる正極活物質の平均粒径や粒度分布を好適な範囲に調整することができる。なお、解砕とは、焼成時に二次粒子間の焼結ネッキングなどにより生じた複数の二次粒子からなる凝集体に、機械的エネルギを投入して、二次粒子自体をほとんど破壊することなく分離させて、凝集体をほぐす操作をいう。
本実施形態に係る非水系電解質二次電池(以下、「二次電池」ともいう。)は、上述した正極活物質を正極材料含む正極を備える。非水系電解質二次電池は、従来公知の非水系電解質二次電池と同様の構成要素により構成されることができ、例えば、正極、負極及び非水系電解液を備える。なお、以下で説明する実施形態は例示に過ぎず、本実施形態に係る非水系電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態を基に、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。また、本実施形態に係る非水系電解質二次電池は、その用途を特に限定するものではない。
前述のように得られた非水系電解質二次電池用正極活物質を用いて、例えば、以下のようにして、非水系電解質二次電池の正極を作製する。
まず、粉末状の正極活物質、導電材および結着剤を混合し、さらに必要に応じて活性炭や、粘度調整などの目的の溶剤を添加し、これを混練して正極合材ペーストを作製する。その際、正極合材ペースト中のそれぞれの混合比も、非水系電解質二次電池の性能を決定する重要な要素となる。溶剤を除いた正極合材の固形分を100質量部とした場合、一般の非水系電解質二次電池の正極と同様、正極活物質の含有量を60~95質量部とし、導電材の含有量を1~20質量部とし、結着剤の含有量を1~20質量部とすることが望ましい。
負極には、金属リチウムやリチウム合金など、あるいは、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる負極活物質に、結着剤を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状にした負極合材を、銅などの金属箔集電体の表面に塗布し、乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成したものを使用する。
正極と負極との間には、セパレータを挟み込んで配置する。セパレータは、正極と負極とを分離し、電解質を保持するものであり、ポリエチレンやポリプロピレンなどの薄い膜で、微少な孔を多数有する膜を用いることができる。
非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびトリフルオロプロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、また、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびジプロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート、さらに、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランおよびジメトキシエタンなどのエーテル化合物、エチルメチルスルホンやブタンスルトンなどの硫黄化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリオクチルなどのリン化合物などから選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
さらに、非水系電解液は、ラジカル捕捉剤、界面活性剤および難燃剤などを含んでいてもよい。
以上のように説明してきた正極、負極、セパレータおよび非水系電解液で構成される本発明の非水系電解質二次電池は、円筒形や積層形など、種々の形状にすることができる。
いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極を、セパレータを介して積層させて電極体とし、得られた電極体に、非水系電解液を含浸させ、正極集電体と外部に通ずる正極端子との間、および、負極集電体と外部に通ずる負極端子との間を、集電用リードなどを用いて接続し、電池ケースに密閉して、非水系電解質二次電池を完成させる。
本実施形態の二次電池は、例えば、評価用ラミネート型電池を用いた長期安定性評価において、負極へのタングステン(W)の溶出量が、リチウム金属複合酸化物中のタングステン含有量に対して、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下である。タングステン(W)の溶出量が上記範囲である場合、二次電池中のタングステンを含む正極活物質は、長期間安定性して、電池容量や出力特性の向上という効果を発揮することができる。
(1)組成の分析:ICP発光分析法で測定した。
(2)平均粒径、および〔(d90-d10)/平均粒径〕:
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)により行なった。
(3)元素分布:
元素分布は、エネルギー分散X線分光装置(EDX;日本電子株式会社社製、商品名:JED2300)、により分析した。EDX検出器は、分解能:137eVであり、測定条件は、管電圧20kV、管電流20μA、倍率5000倍、WD15mm、プロセスタイム4,計数400万カウント以上とした。
(4)初期放電容量:
初期放電容量は、図4に示すコイン型電池CBAを用いて評価した。以下、コイン型電池CBAの作製方法について説明する。
[コイン型電池の作製]
得られた正極活物質52.5mg、アセチレンブラック15mg、およびポリテトラフッ化エチレン樹脂(PTFE)7.5mgを混合し、100MPaの圧力で直径11mm、厚さ100μmにプレス成形し、図4に示す正極(評価用電極)PEを作製した。作製した正極PEを真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した後、この正極PEを用いて2032型コイン電池を、露点が-80℃に管理されたAr雰囲気のグローブボックス内で作製した。負極NEには、直径17mm厚さ1mmのリチウム(Li)金属を用い、電解液には、1MのLiClO4を支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の等量混合液(富山薬品工業株式会社製)を用いた。セパレータSE1には膜厚25μmのポリエチレン多孔膜を用いた。また、コイン電池CBAは、ガスケットGAとウェーブワッシャーWWを有し、正極缶PCと負極缶NCとでコイン状の電池に組み立てた。
初期放電容量は、上記コイン型電池CBAを作製してから24時間程度放置し、開回路電圧OCV(open circuit voltage)が安定した後、正極に対する電流密度を0.1mA/cm2としてカットオフ電圧4.3Vまで充電し、1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vまで放電したときの容量とした。放電容量の測定には,マルチチャンネル電圧/電流発生器(株式会社アドバンテスト製、R6741A)を用いた。
(5)反応抵抗(正極抵抗):
反応抵抗は、測定温度(25℃)に温度調節したコイン型電池CBAを充電電位4.1Vで充電して、交流インピーダンス法により抵抗値を測定した。周波数応答アナライザおよびポテンショガルバノスタット(ソーラトロン製、1255B)を使用して交流インピーダンス法により測定すると、図5に示すナイキストプロットが得られる。このナイキストプロットは、溶液抵抗、負極抵抗とその容量、および、正極抵抗とその容量を示す特性曲線の和として表しているため、このナイキストプロットに基づき等価回路を用いてフィッティング計算を行い、正極抵抗の値を算出した。
(6)サイクル特性:
電池の長期安定性の指標となるサイクル特性(容量維持率)及びタングステン溶出量は、図6に示すラミネート型電池LBAを用いて評価した。以下、ラミネート型電池LBAの製造方法について説明する。
ラミネート型電池LBAの製造は、まず、アルミニウム製集電箔(厚さ0.02mm)に、正極活物質と導電材(アセチレンブラック)と結着剤(PVDF)を85:10:5の質量比で混合した後、溶剤(NMP)を加え正極活物質をペースト化し、外部と接続する導電部を残して塗布し、乾燥させ、正極活物質の目付が7mg/cm2の正極活物質層が形成された正極シートPSを作製した。また、銅製集電箔(厚さ0.02mm)に負極活物質としてカーボン(アセチレンブラック)をペースト化し、同様にして負極活物質の目付が5mg/cm2の負極活物質層が形成された負極シートNSを作製した。作製された正極シートPSおよび負極シートNSの間に、ポリプロピレン製微多孔膜(厚さ20.7μm、空孔率密度43.9%)からなるセパレータSE2を介挿して積層シートを形成した。そして、この積層シートを2枚のアルミラミネートシートAS(厚さ0.05mm)によって挟み、アルミラミネートシートASの3辺を熱融着して密封し、図6に示すような構成のラミネート型電池LBAを組み立てた。
上記ラミネート型電池LBAを作製し、温度60℃にて、2Cのレートで4.1VまでCC充電し、10分間休止した後、同じレートで3.0VまでCC放電し、10分間休止する、という充放電サイクルを500サイクル繰り返した。
上述したサイクル特性評価試験後のラミネート型電池LBAを解体し、得られた負極の組成を分析しタングステン量を測定することで、添加量に対する溶出量を算出した。
(晶析工程)
まず、反応槽(60L)内に水を半分の量まで入れて大気雰囲気中で撹拌しながら、槽内温度を40℃に設定し、そこへ25質量%水酸化ナトリウム水溶液と25質量%アンモニア水を適量加えて、槽内の液のpH値を、液温25℃基準で12.8に、液中のアンモニア濃度を10g/Lに調節した。ここに、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンの2.0mol/Lの混合水溶液(金属元素モル比でNi:Co:Mn=38:32:30)を130ml/分の割合で加えて反応水溶液とした。同時に、25質量%アンモニア水および25質量%水酸化ナトリウム水溶液を一定速度で加えていき、pH値を12.8(核生成pH)に制御しながら2分30秒間晶析を行った。その後、窒素ガスを流通させ反応槽内の酸素濃度を2容量%以下まで低下させながら、pH値が液温25℃基準で11.6(核成長pH)になるまで、25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給のみを一時停止し、pH値が11.6に到達した後、再度25質量%水酸化ナトリウム水溶液の供給を再開し、加えてタングステン酸ナトリウム水溶液を添加量に合わせて調整し供給を開始した。pH値を11.6に制御したまま、4時間晶析を継続し、晶析を終了させた。晶析の終了後、生成物を水洗、濾過、乾燥させ、Ni0.38Co0.32Mn0.30W0.03(OH)2+α(0≦α≦0.5)で表されるタングステンを含むニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得た。
(リチウム混合工程、焼成工程)
得られた複合水酸化物粒子と、Li/Me=1.07となるように秤量した炭酸リチウムを、シェーカーミキサー装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて十分に混合し、リチウム混合物を得た。このリチウム混合物を空気(酸素:21容量%)気流中にて600℃から2℃/分の昇温速度で800℃まで昇温し、その温度で10時間保持して焼成し、その後、解砕してリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物粒子を得た。得られた正極活物質の平均粒径、および〔(d90-d10)/平均粒径〕値を表1に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布をEDXにより分析したところ、図7に示すように、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
(電池特性の評価)
得られた正極活物質を用いて、上記の電池特性を評価し、その評価結果を表1に示す。
正極活物質を示す一般式:Li1+sNixCoyMnzWtO2において、t=0.02とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
(実施例3)
正極活物質を示す一般式:Li1+sNixCoyMnzWtO2において、t=0.05とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
(実施例4)
焼成温度を820℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
(実施例5)
焼成温度を880℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
タングステンを添加しない以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(比較例2)
焼成温度を780℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、タングステンは粒子内に均一に分布していることが確認された。
(比較例3)
焼成温度を930℃としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、図8に示すように、粒子表面にタングステンの濃い部分が存在することが確認された。
(比較例4)
600℃からの昇温速度を3℃/分に変更した以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、粒子表面にタングステンの濃い部分が存在することが確認された。
(比較例5)
正極活物質を示す一般式:Li1+sNixCoyMnzWtO2において、t=0.01とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、粒子表面にタングステンの濃い部分が存在することが確認された。
(比較例6)
正極活物質を示す一般式:Li1+sNixCoyMnzWtO2において、t=0.06とした以外は、実施例1と同様にして正極活物質を得るとともに評価した。評価結果を表1および表2に示す。また、得られた正極活物質の断面の元素分布を測定したところ、粒子表面にタングステンの濃い部分が存在することが確認された。
実施例で得られた正極活物質は、初期放電容量が165mAh/g以上、反応抵抗値が1.1Ω/cm2以下、500サイクル後の容量維持率が77%以上であり、タングステン(W)を含有しない比較例1と比較して、高い電池容量を有し、かつ、出力特性及びサイクル特性に優れる。また、実施例で得られた正極活物質は、タングステン(W)が二次粒子内部に偏在することなく、均一に存在することが確認され、サイクル特性評価試験後の負極へのタングステン(W)の溶出量は、正極活物質中のタングステン含有量に対して、20質量%以下であった。
1…一次粒子
2…二次粒子
3…空隙
4…タングステンが偏在する領域
CBA…コイン型電池
PE…正極(評価用電極)
NE…負極
SE1…セパレータ
GA…ガスケット
WW…ウェーブワッシャー
PC…正極缶
NC…負極缶
LBA…ラミネート型電池
PS…正極シート
NS…負極シート
SE2…セパレータ
AS…アルミラミネートシート
Claims (2)
- リチウムニッケルコバルトマンガン金属複合酸化物を含む非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
晶析により、一般式:NixCoyMnzWt(OH)2+α(x+y+z=1、0.3≦x≦0.5、0.3≦y≦0.5、0.3≦z≦0.5、0.02≦t≦0.05、0≦α≦0.5)で表されるニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子を得る晶析工程と、
前記ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物粒子と、リチウム化合物とを、リチウム以外の金属元素の原子数の合計に対するリチウムの原子数の比が1.00~1.20となるように混合して、リチウム混合物を得るリチウム混合工程と、
前記リチウム混合物を、酸化性雰囲気中において、800℃以上900℃以下、及び、5時間以上20時間以下で、焼成して、リチウム金属複合酸化物粒子を得る焼成工程と、
を備え、
前記焼成工程において、焼成温度まで昇温する際、600℃から焼成温度に達するまでの昇温速度を2℃/分以下とする、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 前記焼成工程で得られたリチウム金属複合酸化物粒子を解砕する解砕工程をさらに備える、請求項1に記載の非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
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