JP2016149242A - 非水電解液二次電池用正極の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用正極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016149242A
JP2016149242A JP2015025186A JP2015025186A JP2016149242A JP 2016149242 A JP2016149242 A JP 2016149242A JP 2015025186 A JP2015025186 A JP 2015025186A JP 2015025186 A JP2015025186 A JP 2015025186A JP 2016149242 A JP2016149242 A JP 2016149242A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
lif
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015025186A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6361928B2 (ja
Inventor
秀之 坂
Hideyuki Saka
秀之 坂
行広 岡田
Yukihiro Okada
行広 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2015025186A priority Critical patent/JP6361928B2/ja
Publication of JP2016149242A publication Critical patent/JP2016149242A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6361928B2 publication Critical patent/JP6361928B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】正極活物質の構成元素が当該正極活物質中から溶出することが抑制された非水電解液二次電池用正極の製造方法の提供。
【解決手段】構成元素としてタングステン(W)を含む正極活物質と、フッ化リチウム(LiF)とを混合して機械的エネルギーを加えることにより、該タングステン含有正極活物質の表面にフッ化リチウム被膜が形成された複合正極活物質を得る複合正極活物質調整工程S10;前記得られた複合正極活物質に、少なくとも導電材およびバインダを添加して造粒することにより、少なくとも該複合正極活物質、導電材およびバインダを含む造粒体を得る造粒工程S20;および前記得られた造粒体を用いて正極集電体の表面に正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程S30;を包含する、非水電解液二次電池用正極の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池用正極の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として好ましく用いられている。このような需要増大に伴う電池の性能向上に対する要求に応えるべく、より高性能(高い入出力特性、高い耐久性等)な正極の開発が進められている。
例えばタングステン(W)を構成元素として含む正極活物質は、電池の各種性能(例えば、入出力特性、耐久性等)を向上し得る正極活物質として期待とされている。例えば特許文献1にはタングステンを構成元素に含む正極活物質に関して記載があり、当該タングステンを含む正極活物質と、フッ化金属(例えばフッ化リチウム)と、導電材と、バインダとを適当な溶媒中に混合してスラリー状の正極活物質層形成用組成物を調製し、該組成物を正極集電体上に塗布し乾燥することで正極を作製することが記載されている。
特開2014−191983号公報
ところで、上記非水電解液二次電池について、充放電(例えば、ハイレート(急速)条件での充放電、或いは高電位まで充電される条件での充放電等)を繰り返すと、充放電回数の増加に従って電池性能(例えば電池容量、入出力特性等)が低下する場合があった。これは、上記充放電の繰り返しにおいて、正極活物質から構成元素が溶出し得ることが原因の一つとして考えられる。特に、正極活物質中のタングステンは正極活物質の表面に偏在する(例えば、正極活物質表面でのタングステンの分布にムラが生じる)傾向にあるため、正極活物質中から溶出しやすい傾向にあった。これは、正極活物質表面でのタングステンの偏在に起因して該活物質表面の反応性にムラが生じやすいことが原因の一つであり得ると考えられる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、正極活物質からの構成元素の溶出が抑制され、優れた電池特性(例えば高い入出力特性や高いサイクル特性等)を発揮し得る非水電解液二次電池用の正極、および当該正極の製造方法を提供することである。またかかる非水電解液二次電池用の正極を備えた非水電解液二次電池を提供することを他の目的とする。
本発明者らは、正極活物質表面にフッ化リチウム(LiF)の被膜を形成することで、当該正極活物質から構成元素が溶出することを抑制し得ることに着目した。このことは、正極活物質の表面にLiFの被膜を形成することで正極活物質表面の反応性のムラを低減(解消)することに着目するものである。しかしながら、本発明者らの検討によると、特許文献1のように、正極活物質、フッ化リチウム、導電材およびバインダを溶媒中に一度に分散させた場合、導電材(例えばアセチレンブラック)とLiFとが反応して凝集しやすく、正極活物質の表面にLiFを均一に分散することが困難であった。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、構成元素としてタングステンを含む正極活物質を有する正極であって、正極活物質からの構成元素の溶出がより高度に抑制された正極を作製し得る手段を見出し、本発明を完成させるに至った。
上記目的を実現すべく、本発明により、非水電解液二次電池用の正極を製造する方法であって、以下の(i)〜(iii)の工程を包含する製造方法が提供される。即ち、ここで開示される非水電解液二次電池用の正極の製造方法は、
(i)構成元素としてタングステン(W)を含む正極活物質と、フッ化リチウム(LiF)とを混合して機械的エネルギーを加えることにより、該タングステン含有正極活物質(以下、「W含有正極活物質」ともいう。)の表面にフッ化リチウム被膜が形成された複合正極活物質を得る工程;
(ii)前記得られた複合正極活物質に、少なくとも導電材およびバインダを添加して造粒することにより、少なくとも該複合正極活物質、導電材およびバインダを含む造粒体を得る工程;および
(iii)前記得られた造粒体を用いて正極集電体の表面に正極活物質層を形成する工程;を包含する。
かかる製造方法によると、W含有正極活物質とLiFを混合して複合正極活物質を調製することで、W含有正極活物質の表面に、分散ムラの少ない状態(好ましくは分散ムラのない状態)でLiFを分散することができる。また、当該複合正極活物質を導電材およびバインダとともに造粒した造粒体を用いて正極を作製することで、上記W含有正極活物質表面のLiFを該活物質表面に安定して保持した状態で正極を作製することができる。即ち、上記の製造方法によると、W含有正極活物質の表面に被覆ムラの少ない安定したLiF被膜が形成された正極を製造することができ、また、正極活物質表面の反応性のムラを低減し得る。これにより、正極活物質からの構成元素(例えばW元素)の溶出を効果的に抑制することができる。このため、かかる方法により製造した正極を用いた非水電解液二次電池において、電池のサイクル特性の向上(充放電の繰り返しに伴う電池性能の低下の低減)を実現し得る。
また、正極活物質表面の反応性のムラを低減することで、正極活物質と非水電解液との間(典型的には界面)での電荷担体(典型的にはリチウムイオン)の良好な移動を実現し得る。このため、かかる正極の製造方法により製造した正極を用いた非水電解液二次電池において、優れた電池特性(例えば高い入出力特性)を実現し得る。
また、正極活物質の表面を安定したLiF被膜で被覆することで、例えば高温環境下における正極活物質表面での非水電解液の酸化分解を抑制し得る。このため、かかる製造方法により製造した正極を用いた非水電解液二次電池において、熱安定性を向上し得る。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池用の正極の製造方法を示すフロー図である。 従来の非水電解液用二次電池用の正極の製造方法の典型例を示すフロー図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施し得る。
また、以下、本発明の好適な実施形態をリチウムイオン二次電池を例として説明するが、リチウムイオン二次電池は一例であり、本発明の技術思想は、その他の電荷担体(例えばナトリウムイオン)を備える他の非水電解液二次電池(例えばナトリウムイオン二次電池)にも適用される。
ここで開示される非水電解液二次電池用正極の製造方法は、図1に示すように、複合正極活物質作製工程(S10)、造粒工程(S20)、正極活物質層形成工程(S30)を包含する。以下、各工程について説明する。
まず、複合正極活物質作製工程(S10)について説明する。かかる工程は、少なくとも、構成元素としてタングステン(W)を含む正極活物質と、フッ化リチウム(LiF)とを混合して機械的エネルギーを加えることにより、該タングステン含有正極活物質の表面にフッ化リチウム被膜が形成された複合正極活物質を得る工程が含まれる。
上記構成元素としてタングステン(W)を含む正極活物質(以下、タングステン含有正極活物質、或いはW含有正極活物質ともいう)としては、構成元素としてタングステンを含む限りにおいて従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムと、タングステンと、一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)を主成分とする正極活物質が挙げられる。かかるリチウム遷移金属複合酸化物の例としては、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNiCoMnO、以下、「LNCM」ともいう)、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン酸化物(例えばLiMn)などの遷移金属元素の一部がタングステン(W)元素で置換された酸化物(W含有リチウム遷移金属複合酸化物)が挙げられる。
このようなW含有リチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、一般式(I):Li1+δ(NiCoMn)Oで表される酸化物が挙げられる。δは0≦δ≦0.25で電荷中性条件を満たすように定まる値であり、a,b,c,d,eは、a+b+c+d+e≒1、0.0001≦e≦0.3およびd≧0を満たし、a,b,cのうち少なくとも一つは0よりも大きい。上記式(I)において「a+b+c+d+e≒1」とは、概ね0.9≦a+b+c+d+e≦1.2(典型的には0.9<a+b+c+d+e<1.2、例えば0.95≦a+b+c+d+e≦1.1)であり得、例えばa+b+c+d+e=1である。ここで、上記W含有正極活物質の全構成元素のうちの0.01mol〜5mol%をW元素が占めるW含有リチウム遷移金属複合酸化物を好適に採用し得る。換言すると、上記式(I)におけるeの値は凡そ0.0004≦e≦0.2が好ましい。なお、上記式(I)中のMは、Li、Ni,Co,MnおよびW以外の遷移金属元素,典型金属元素のうちの一種または二種以上であり得、例えば、0≦d≦0.02とすることができる。
なかでも、a,b,c>0である(換言すれば、Ni,Co,Mnの全ての元素を含む)リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物を好ましく用いることができる。好ましい一態様では、a,b,c(即ち、Ni,Co,Mnの量)が概ね同程度である。また、好ましい他の一態様では、a>bかつa>c(換言すればNiを構成元素として最も多く含む)である。かかるリチウム遷移金属複合酸化物は、電子伝導性および熱安定性に優れ、優れた出力特性やサイクル特性を実現し得る。
W含有正極活物質とLiFとの混合は、W含有正極活物質の表面とLiFとの間に化学結合が生じる程度のエネルギー(機械的エネルギー)が加わるようにW含有正極活物質とLiFとを混合する。これにより、W含有正極活物質の表面に好適な状態(例えば被膜ムラが少ない状態)のLiF被膜を形成することができる。
なお、W含有正極活物質とLiFとを混合する際には、W含有正極活物質の表面にLiF被膜を形成し得る限りにおいて、他の成分(例えば適当な溶媒等)を添加してもよい。W含有正極活物質とLiFとが接触する機会を増やしてW含有正極活物質の表面に好適な状態のLiF被膜を形成する観点からは、かかる他の成分は少量である(典型的にはW含有正極活物質とLiF以外を含まない)ことが好ましい。
また、上記W含有正極活物質とLiFとの混合は、W含有正極活物質の表面とLiFとの間に化学結合が生じる程度のエネルギー(機械的エネルギー)が加わる限りにおいて、従来公知の混合方法によって実施し得る。W含有正極活物質の表面にLiFを好適な状態で(例えば分散ムラが少ない状態で)分散し得る方法が好ましく、紛体(個体)の混合方法として知られる方法を好適に採用し得る。例えば、各種のミキサー、ブレンダー、ミル、ニーダー等の公知の混合装置を用いた方法を採用し得る。かかる混合装置としては、例えば容器回転型、容器固定型、或いはこれらを組み合わせた複合型の何れの装置も採用可能である。一例として、ハイスピードミキサー、プラネタリーミキサー、スパルタンミキサー、リボンミキサー、ディスパー、ボールミル等が挙げられる。特に主翼(典型的にはアジテータ羽根)と解砕翼(典型的にはチョッパー羽根)とを有するハイスピードミキサーは、W含有正極活物質とLiFとの間に十分な機械エネルギーを加えつつ、W含有正極活物質の表面にLiFを均一に分散し得るため好適に使用し得る。
上記W含有正極活物質とLiFとの混合割合(質量比)は、W含有正極活物質:LiF=100:0.1〜5(好ましくは100:0.3〜5)の質量比率となるように設定することが好ましい。換言すると、W含有正極活物質の質量を100質量%とした場合に0.1質量%〜5質量%(好ましくは0.3質量%〜5質量%)に相当する質量のLiFを、W含有正極活物質と混合することが好ましい。W含有正極活物質に対するLiFの混合割合が少なすぎると、W含有正極活物質表面へのLiF被膜の形成量が不足し、正極活物質表面の反応性のムラを低減する効果(例えば、構成元素の溶出抑制効果)等を十分に発揮できない虞がある。一方で、W含有正極活物質に対するLiFの混合割合が多すぎると、W含有正極活物質表面のLiF被膜の被膜量が過大となり、抵抗が増大する虞がある。
次に、造粒工程(S20)について説明する。かかる工程は、上記複合正極活物質作製工程(S10)により作製した複合正極活物質に、少なくとも導電材およびバインダを添加して造粒することにより、少なくとも該複合正極活物質、導電材およびバインダを含む造粒体を得る工程が含まれる。かかる造粒体は、例えば、造粒体に含まれる成分(少なくとも上記複合正極活物質、導電材およびバインダ)が均一に分散するように混合し、該混合した混合物を適当な造粒方法で造粒することで調製し得る。
上記導電材としては、非水電解液二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の導電材として用いられ得るものを、特に制限なく、1種又は2種以上用いることができる。例えば、カーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料を好適に使用することができる。
また、上記バインダ(結着剤)としては、非水電解液二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の導電材として用いられ得るものを、特に制限なく、1種又は2種以上用いることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を好適に使用することができる。
なお、上記造粒体は、必要に応じて、上記正極活物質、導電材およびバインダ以外の成分を含んでもよい。例えば、造粒体を調製する際に適当な溶媒を添加することで、造粒体中の固形分率を造粒体の調製に好適な範囲に調整することが出来る。なお、導電材またはバインダは、適当な溶媒(例えば導電材またはバインダを溶解または分散し得る溶媒)中に溶解又は分散した状態で上記複合正極活物質と混合してもよい。
かかる溶媒としては、非水電解液二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の正極の作製に使用し得るものであれば特に制限なく使用可能であり、1種を単独で、もしくは2種以上を混合して(混合溶媒として)使用することができる。例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルアルコール、エチルアルコール等を好適に使用することができる。なお、上記造粒体は、非水電解液二次電池の正極の作製に用いられ得る各種添加剤(例えば、増粘剤、分散剤等)をさらに含有してもよい。
造粒体に含まれる各成分(複合正極活物質、導電材、バインダおよび必要に応じた任意成分)を混合する方法は特に限定されず、例えば、ハイスピードミキサー、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等の混合装置を用いた従来公知の混合方法を採用し得る。なお、造粒体に含まれる各成分の混合は、全ての成分を同時に混合してもよいし、一部の成分を混合した後で該混合成分と他の成分とを混合してもよい。
また、上記混合した各成分を造粒する方法としては、従来公知の造粒方法を利用できる。例えば、攪拌造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法といった手法が挙げられる。なかでも、比較的固形分率の高い混合物の造粒に適した造粒方法(例えば、攪拌造粒法、転動造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、流動層造粒法、圧縮造粒法等)が本発明の実施に好適である。また、造粒体の製造効率の観点からは、上記造粒体を構成する各成分の混合、攪拌と造粒とを一連の操作で(連続して)行い得る方法(例えば、攪拌造粒法や流動層造粒法等)を好適に採用し得る。なかでも、上記複合正極活物質を作製(W含有正極活物質とLiFとを混合)することと、複合正極活物質、導電材およびバインダを含む造粒体を得ることとを、同一の装置(例えばハイスピードミキサー、プラネタリーミキサー等)を用いて行い得る手法は、製造効率の観点から特に好ましい。
上記造粒体の固形分率は、例えば70質量%以上、好ましくは74質量%以上、より好ましくは80質量%以上とすることができる。或いは、実質的に100質量%(即ち、溶媒が除去された状態)であってもよい。固形分率が低すぎる場合は造粒体の形状を保つことが困難であり、スラリー状(ペースト状、インク状)になってしまうため好ましくない。正極集電体と正極活物質層との密着性の観点からは、上記造粒体は固形分率が95質量%以下の湿潤状態であることが好ましい。
次に、正極活物質層形成工程(S30)について説明する。かかる工程は、上記造粒工程(S20)により得られた造粒体を用いて正極集電体の表面(少なくとも一方の面)に正極活物質層を形成する工程が含まれる。即ち、かかる正極活物質層形成工程では、正極集電体の表面(少なくとも一方の面)に上記造粒体を付与する工程を含む。
正極集電体は、非水電解液二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)に用いられ得るものを特に制限なく使用可能であり、例えば、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料を好適に使用し得る。
上述の造粒体を上記正極集電体に付与する手法は特に限定されないが、例えば、正極集電体上に所望量の造粒体を直接供給(例えば散布等)する手法を採用し得る。或いはまた、所謂転写法によっても、正極集電体上に造粒体を付与することもできる。
転写法としては、例えば適当な大きさの平面を有する部材(例えば平板やシート等、ここでは転写用シートとして説明する)の平面上に造粒体を供給し、該造粒体供給面が正極集電体の正極活物質層形成面とが対向する方向で転写用シートと正極集電体を重ねあわせることで、正極集電体上に造粒体を付与(転写)する手法を採用し得る。
正極集電体或いは転写用シートに造粒体を供給する方法としては、例えば、正極集電体或いは転写用シートをコンベア等の搬送手段により所定の速度で搬送し、当該正極集電体或いは転写用シートの搬送速度に合わせて所定量の造粒体を適当な供給装置を用いて供給する方法が挙げられる。例えば供給装置から篩を通じて集電体上或いは任意のシート上にふるい落とすことで、供給する造粒体の粒径を篩い分けることができる。上記供給装置としては、例えばスクリューフィーダー等を好適に用いることができる。
なお、必須の処理ではないが、上記正極集電体或いは任意のシートに供給された造粒体をスキージ(スクイージ)やヘラ等で平坦化することが好ましい。正極集電体表面或いは任意のシート表面からのスキージの位置を調製することで、造粒体の目付量(単位面積当たりの造粒体の重量)や造粒体の層の厚さの厚さを調整することができる。これにより、正極活物質の目付量(正極活物質層の単位面積当たりの正極活物質の重量)や正極活物質層の厚さを調整することができる。
また、ここで開示の正極の製造方法では、上述の方法により造粒体を付与した後の正極集電体に対して圧延処理(プレス処理)を行うことを含みうる。かかる圧延処理を行うことで、造粒体と正極集電体および造粒体どうしを互いに結合させることができる。また、かかる圧延処理により、正極活物質層の性状(例えば平均厚み、密度、空隙率、細孔径分布等)を調整することができる。圧延方法は特に限定されず、従来公知の適当な圧延方法、例えば、ロール圧延法、平板圧延法を採用することができる。
なお、正極集電体上への造粒体の付与を上記転写法により行う場合は、上記転写シートと正極集電体を重ねあわせるのと同時に圧延処理を行うことで、正極集電体上への造粒体の付与と圧延処理とを同時に行ってもよい。
上記造粒体が溶媒を含む(湿潤状態である)場合は、上記正極集電体上に付与した造粒体中の溶媒を乾燥により除去することが好ましい。例えば、加熱圧延を行うことで、圧延処理と乾燥処理とを同時に行ってもよい。或いはまた、圧延処理前後の適当なタイミングで、従来公知の手段(例えば、加熱乾燥や真空乾燥等)により、造粒体中の溶媒を除去してもよい。
上記製造方法によって得られる正極は、非水電解液二次電池用の正極として好適に用いることが出来る。即ち、本発明によると、上記正極を用いた非水電解液二次電池が提供される。ここで、かかる非水電解液二次電池は、本発明を特徴づける正極を備える他は従来と同様の構成であればよい。典型的な一態様を以下に示す。
ここで開示される非水電解液二次電池は、上記正極と、負極とがセパレータを介して積層された電極体が、非水電解液とともに電池ケース内に収容された構成であり得る。
負極は、典型的に負極集電体と当該負極集電体上に形成された負極活物質層とを備えている。負極活物質層は、負極活物質と他の任意成分(例えばバインダや増粘剤等)とを含み得る。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好適に採用し得る。負極活物質としては、例えば、黒鉛(グラファイト)等の炭素材料を採用し得る。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を採用し得る。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を採用し得る。
セパレータシートとしては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)等を好適に用いることができる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
非水電解質としては、非水溶媒中に支持塩を含有させたもの(非水電解液)を好適に用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF等を採用し得る。有機溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を採用し得る。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。
ここに開示される正極の製造方法によると、正極活物質の表面にLiF被膜を好ましい状態(被膜量のバラつきが少ない或いは少ない状態)で形成することができ、また、正極活物質表面の反応性のムラが低減された正極を作製し得る。このため、例えば、正極活物質からの構成元素の溶出を抑制することができる。かかる正極を備えた非水電解液二次電池は、各種用途に利用可能であるが、優れた入出力特性と高い耐久性とを備えたものである。したがって、ここで開示される非水電解液二次電池は、その特徴を活かして、例えば、自動車等の車両に搭載される駆動用電源として好適に用いることができる。特にプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、等の駆動用電源として好適である。また、本発明によれば、ここに開示される電池(例えばリチウムイオン二次電池)を、好ましくは動力源(典型的には複数個の二次電池が相互に電気的に接続されてなる組電池)として備えた車両が提供される。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明の技術範囲をかかる試験例で説明したものに限定することを意図したものではない。
[正極の作製]
以下の材料、プロセスによって、例1〜例10に係る非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)用の正極を構築した。
<例1>
まず、W含有正極活物質として、LiNi0.32Co0.32Mn0.320.04(以下、LNCMWともいう)を準備した。かかるLNCMWのタングステン含有量は1mol%である。そして、上記LNCMWとLiFとをハイスピードミキサーにて混合し、正極活物質表面にLiF被膜が形成された複合正極活物質を調製した。このとき、LNCMとLiFの混合割合は、LNCMW:LiF=100:0.1の質量比となるようにした。
次いで、導電材としてのABと、バインダとしてのPVDFとをNMP中に分散し、該NMP中に分散したABおよびPVDFを上記複合正極活物質と混合して造粒体を調製した。このとき、上記複合正極活物質中のLNCMWと、ABと、PVDFとが90:8:2の質量比となり、且つ造粒体中の固形分率が77%となるように調整した。
そして、上記調製した造粒体を転写法により厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に付与して、例1に係る正極を作製した。
<例2〜例4、例6、例8>
上記複合正極活物質調製時のLNCMW量(100質量%)に対するLiF量が、表1に記載のLiF量(質量%)となるように変更した(例6および例8に係る正極については複合正極活物質を調製しない)以外は例1に係る正極と同様の材料およびプロセスにより、例2〜例4、例6、例8に係る正極を作製した。
<例5>
正極活物質中のタングステン含有量が6mol%のW含有正極活物質(LiNi0.25Co0.25Mn0.250.24)を用いた以外は例2に係る正極と同様の材料およびプロセスにより、例5に係る正極を作製した。
<例7>
図2に示す従来の正極の作製方法と同様に、LNCMW(LiNi0.32Co0.32Mn0.320.04)と、ABと、PVDFとを、NMP中に固形分率が63%となるように分散してスラリー状(ペースト状)の正極活物質層形成用組成物を調製し、該組成物を厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)のの両面に付与して乾燥することにより、例7に係る正極を作製した。ここで、正極活物質層形成用組成物中のLNCMWとABとPVDFの質量比率は90:8:2とした。
<例9>
上記正極活物質形成用組成物(スラリー状組成物)中に、該組成物中のLNCMW量(100質量%)の2質量%に相当する量のLiFを添加した以外は例7に係る正極と同様の材料およびプロセスにより、例9に係る正極を作製した。
<例10>
上記例2と同様の材料およびプロセスにより作製した複合正極活物質と、ABと、PVDFとを、NMP中に固形分率が63%となるように分散してスラリー状(ペースト状)の正極活物質層形成用組成物を調製し、該組成物を正極集電体の両面に付与して乾燥することにより、例10に係る正極を作製した。即ち、例10に係る正極の作製では造粒体の調製を行わなかった。ここで、正極活物質層形成用組成物中のLNCMWとABとPVDFの質量比率は90:8:2とした。
[非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)の作製]
上記のとおりに作製した例1〜例10に係る正極をそれぞれ用いて、例1〜例10に係る非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製した。
負極活物質としての天然黒鉛と、結着剤としてSBRと、増粘剤としてCMCとを、これらの材料の質量比が98:1:1となるように水で混合して、ペースト状の負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を、厚さ15μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗付して乾燥し、その後プレスすることにより、負極を作製した。
上記例1〜例10に係る正極と、上述の方法で作製した負極とを、多孔質PE層の両面に多孔質PP層が形成された三層構造のセパレータ2枚を介して長尺方向に重ねあわせ、長尺方向に捲回した後に押しつぶして拉げることで扁平形状の捲回電極体を作製した。
また、非水電解液として、ECとDMCとEMCとを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたもの(基本組成の非水電解液)を調製した。なお例8に係る電池用の非水電解液には、上記基本組成の非水電解液中に、正極中のLNCMW量の2質量%に相当する量のLiFを添加した。
次いで、上記捲回電極体と上記非水電解液とを電池ケースの内部に収容し、理論容量(電池容量)が4Ahの各例(例1〜10)に係る電池を、それぞれ後述の充放電サイクル試験用および熱安定性評価用に構築した。
[活性化処理(初期充電)と初期容量測定]
上記初期充放電後の例1〜例10に係る各電池について、活性化処理(初期充電)と、初期容量の測定を行った。
具体的には、25℃の温度条件下において、4A(1C)の充電レート(電流値)で電池電圧が4.1Vまで定電流(CC)充電を行った後、電流値が1/50Cとなるまで定電圧(CV)充電を行い、満充電状態とした。その後、4A(1C)の放電レート(電流値)で電池電圧が3.0Vとなるまで定電流(CC)放電し、このときの放電容量を初期容量(Ah)とした。かかる初期容量(Ah)を正極中の正極活物質(LNCMW)量で除し、正極活物質の単位質量当たりの初期容量(mAh/g)を算出した。
ここで、「1C」とは、理論容量より予測した電池容量(Ah)を一時間で充電することができる電流値いうこととする、例えば電池容量が4Ahの場合は1C=4Aである。
[初期電池抵抗(IV抵抗)の測定]
次に、上記初期容量を測定した後の各電池について、25℃の温度条件下で、1Cの充電レートで定電(CC)流充電を行ってSOC60%の充電状態に調整した後、10Cで10秒間の定電流放電を行い、この時の電流(I)−電圧(V)のプロット値の一次近似直線の傾きから初期電池抵抗(IV抵抗)(mΩ)を求めた。
ここで、「SOC」(State of Charge)は、上記初期容量をSOC100%としたときの充電状態をいうこととする。
[充放電サイクル試験]
次に、上記初期電池容量を測定した後の各例にかかる電池について、60℃の温度条件下において充放電を500サイクル繰り返す充放電サイクル試験を行い、該サイクル試験後の容量維持率(%)と抵抗増加率(倍)を算出した。具体的には以下のとおりである。
上記充放電サイクル試験は、60℃の温度条件下において、2Cの充電レートでSOC100%の充電状態まで定電流充電を行い、その後2Cの放電レートでSOC0%の充電状態まで定電流放電を行う充放電を1サイクルとした。上記充放電サイクル試験終了後の各電池について、上記初期容量測定および初期電池抵抗測定と同様の方法で、充放電サイクル試験後の電池容量(mA)および電池抵抗を測定した。そして、以下の式:容量維持率(%)=充放電サイクル試験後の容量(mAh)÷初期容量(mAh)×100;から容量維持率を算出し、以下の式:抵抗増加率(倍)=充放電サイクル試験後のIV抵抗÷初期電池抵抗;から抵抗増加率を算出した。結果を表1の該当欄に示す。
[金属溶出量の測定]
上記充放電サイクル試験後の各例に係る電池(例1〜例10)について、正極活物質からの金属元素(ここではNi、Co、Mn、W)の溶出量を評価した。正極活物質から溶出した金属は、一般に非水電解液中を移動して負極上に析出するため、ここでは負極上に析出した金属量を測定することで、正極からの金属溶出量を評価した。
まず、上記サイクル試験後の各電池から負極を取り出し、非水電解液として用いた非水溶媒で2〜3回洗浄した後、任意の大きさに打ち抜いてICP−AES分析用の測定用試料を得た。該測定用試料を酸溶媒(ここでは硫酸)中に加熱溶解させ、かかる溶液をICP−AESで分析することによって、Ni原子、Co原子、Mn原子、およびW原子の量(μg)を測定した。正極の作製に用いた全正極活物質中のNi原子、Co原子、Mn原子、およびW原子の総量に対するこれらの溶出元素の割合、即ち金属溶出量(ppm)を求めた。結果を表1の該当欄に示す。
[発熱量測定]
次に、各例に係る電池について、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)によって正極の発熱量を測定し、熱安定性を評価した。
まず、上記例1〜例10に係る電池(熱安定性評価用に構築した各電池)を高SOCの充電状態(ここでは凡そSOC220%の状態)まで充電した後、解体して、正極と非水電解液とを測定試料として取り出した。そして、取り出した正極と非水電解液とを一緒に測定用セル内に密閉し、当該測定用試料に対して、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)を行った。具体的には、DSC測定装置(株式会社島津製作所製、型式「DSC−60」)を用いて、窒素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で25℃から400℃まで温度を変化させてDSC測定を行った。そして、得られたDSC曲線の50℃から350℃までの面積を測定試料の総発熱量(W)とし、この総発熱量(W)を測定試料の質量(g)で除すことによって、単位質量あたりの発熱量(W/g)を算出した。結果を表1の「発熱量(W/g)」の欄に示す。
Figure 2016149242
表1に示すように、電池内(正極活物質層中或いは非水電解液中)にLiFを添加した例1〜5および例8〜10に係る電池は、LiFを添加しなかった例6および例7に係る電池と比較して、金属溶出量が顕著に少なかった。このことは、電池内にLiFを添加することで正極活物質表面へのLiF被膜の形成が促進され、正極活物質からの構成元素の溶出が抑制されたためと考えられる。
また、これら例1〜5および例8〜10に係る電池は、抵抗増加率が低く、容量維持率が高く、発熱量が少なかった。即ち、例1〜5および例8〜10に係る電池は、サイクル特性および熱安定性に優れた電池であることを確認した。これらのことは、正極活物質表面に形成されたLiF被膜により、正極活物質と非水電解液間での電荷担体(典型的にはリチウムイオン)の移動が円滑になったこと、および正極活物質表面での非水電解液の分解が抑制されたこと等によるものと考えられる。
なかでも、例1〜5に係る電池は、例8〜10に係る電池と比較して、金属溶出量がより低減されていた。このことは、本発明の一実施形態に係る正極の製造方法によって、正極活物質表面がより好ましい状態(典型的には被膜ムラが低減された状態)のLiF被膜で被覆された正極を作製することができたためと考えられる。即ち、ここで開示する正極の製造方法によると、正極活物質からの構成元素の溶出がより高度に抑制され且つ電池性能(サイクル特性)に優れた電池を提供し得ることを確認した。
なお、W含有正極活物質とLiFとを混合して複合正極活物質を作製した後で、当該複合正極活物質と導電材とバインダと溶媒とを用いてスラリー状(即ち、固形分率が低い)の正極活物質形成用組成物を調製した(即ち、造粒体を調製しなかった)例10に係る電池は、同様複合正極活物質と導電材とバインダと溶媒とを用いて造粒体を調製した例2に係る電池と比較して、金属溶出量が多かった。このことは、上記複合正極活物質を用いてスラリー状の正極活物質形成用組成物を調製したことで、W含有正極活物質表面に分散したLiFに多量の溶媒(正極活物質形成用組成物中の溶媒)が反応してLiFがW含有正極活物質表面から脱離した、或いはLiFと溶媒(正極活物質形成用組成物中の溶媒)中の他の成分とが反応してしまいW含有正極活物質表面でのLiF被膜の形成が不十分となった等によるものと考えられる。
また、複合正極活物質中のLiF量が異なる例1〜4に係る電池を比較すると、複合正極活物質層中のLiF量がW含有正極活物質の0.1質量%〜5質量%である例1〜3に係る電池は、LiF量が比較的多い例4に係る電池と比較して、金属溶出量がより少なかった。また、例1〜3に係る電池は、例4に係る電池と比較して、抵抗増加率が低く、容量維持率が高かった。
また、W含有正極活物質(LNCMW)中のタングステン含有量が異なる例2と例5に係る電池を比較すると、タングステン含有量が0.01mol%〜5mol%の範囲内である例2に係る電池の方が、例5に係る電池よりも金属溶出量が少なく、抵抗増加率が低く、容量維持率が高かった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
S10 複合正極活物質調製工程
S20 造粒工程
S30 正極活物質層形成工程

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池用の正極を製造する方法であって、以下の工程:
    構成元素としてタングステン(W)を含む正極活物質と、フッ化リチウム(LiF)とを混合して機械的エネルギーを加えることにより、該タングステン含有正極活物質の表面にフッ化リチウム被膜が形成された複合正極活物質を得る工程;
    前記得られた複合正極活物質に、少なくとも導電材およびバインダを添加して造粒することにより、少なくとも該複合正極活物質、導電材およびバインダを含む造粒体を得る工程;および
    前記得られた造粒体を用いて正極集電体の表面に正極活物質層を形成する工程;
    を包含する、非水電解液二次電池用正極の製造方法。
JP2015025186A 2015-02-12 2015-02-12 非水電解液二次電池用正極の製造方法 Active JP6361928B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015025186A JP6361928B2 (ja) 2015-02-12 2015-02-12 非水電解液二次電池用正極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015025186A JP6361928B2 (ja) 2015-02-12 2015-02-12 非水電解液二次電池用正極の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016149242A true JP2016149242A (ja) 2016-08-18
JP6361928B2 JP6361928B2 (ja) 2018-07-25

Family

ID=56691768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015025186A Active JP6361928B2 (ja) 2015-02-12 2015-02-12 非水電解液二次電池用正極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6361928B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018142402A (ja) * 2017-02-24 2018-09-13 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池
CN109148872A (zh) * 2018-10-10 2019-01-04 新乡天力锂能股份有限公司 一种制备镍钴铝酸锂正极材料的方法及用该方法制备的镍钴铝酸锂
JP2019021456A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 株式会社半導体エネルギー研究所 正極活物質、正極、正極の作製方法、および二次電池
JP2022046655A (ja) * 2017-02-24 2022-03-23 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018921A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 Central Research Institute Of Electric Power Industry 有機電解質電池およびこれに用いられる正極シートの製造方法
JP2010073366A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Sony Corp 非水電解質電池
WO2010090185A1 (ja) * 2009-02-05 2010-08-12 Agcセイミケミカル株式会社 リチウムイオン二次電池用正極活物質用の表面修飾リチウム含有複合酸化物及びその製造方法
JP2015011835A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池用電極

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006018921A1 (ja) * 2004-08-18 2006-02-23 Central Research Institute Of Electric Power Industry 有機電解質電池およびこれに用いられる正極シートの製造方法
JP2010073366A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Sony Corp 非水電解質電池
WO2010090185A1 (ja) * 2009-02-05 2010-08-12 Agcセイミケミカル株式会社 リチウムイオン二次電池用正極活物質用の表面修飾リチウム含有複合酸化物及びその製造方法
JP2015011835A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池用電極

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018142402A (ja) * 2017-02-24 2018-09-13 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池
JP2022046655A (ja) * 2017-02-24 2022-03-23 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池
JP7047251B2 (ja) 2017-02-24 2022-04-05 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
JP7310872B2 (ja) 2017-02-24 2023-07-19 住友金属鉱山株式会社 非水系電解質二次電池用正極活物質、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池
JP2019021456A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 株式会社半導体エネルギー研究所 正極活物質、正極、正極の作製方法、および二次電池
JP7163010B2 (ja) 2017-07-14 2022-10-31 株式会社半導体エネルギー研究所 正極活物質、正極、および二次電池
CN109148872A (zh) * 2018-10-10 2019-01-04 新乡天力锂能股份有限公司 一种制备镍钴铝酸锂正极材料的方法及用该方法制备的镍钴铝酸锂
CN109148872B (zh) * 2018-10-10 2021-06-22 新乡天力锂能股份有限公司 一种制备镍钴铝酸锂正极材料的方法及用该方法制备的镍钴铝酸锂

Also Published As

Publication number Publication date
JP6361928B2 (ja) 2018-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5561559B2 (ja) リチウム二次電池の製造方法
KR101217993B1 (ko) 리튬 2차 전지 및 그 제조 방법
JP2024019590A (ja) 蓄電装置
JP7264062B2 (ja) 電気化学素子用導電材ペースト、電気化学素子正極用スラリー組成物及びその製造方法、電気化学素子用正極、並びに電気化学素子
JP5862227B2 (ja) 非水電解質二次電池用負極の製造方法
KR102331219B1 (ko) 전지의 제조 방법
JP2016103433A (ja) 非水電解質二次電池用負極の製造方法
JP2015072793A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
KR101833919B1 (ko) 비수계 이차 전지용 전극
JP6361928B2 (ja) 非水電解液二次電池用正極の製造方法
JP2016154100A (ja) 非水電解液二次電池およびその製造方法
JP2011146158A (ja) リチウム二次電池
US20220293918A1 (en) Electrode for secondary battery and secondary battery including same
JP2010171020A (ja) リチウム二次電池およびその製造方法
CN114551794B (zh) 正极活性材料、正极及制备方法和锂离子电池
JP5807807B2 (ja) リチウムイオン二次電池の正極板の製造方法
JP6156406B2 (ja) 電極の製造方法
JP6878831B2 (ja) リチウムイオン二次電池およびその製造方法
JP6905671B2 (ja) 非水電解質リチウム二次電池用正極の製造方法
JP2015176744A (ja) 二次電池の製造方法
JP2014235856A (ja) 非水電解質二次電池
WO2020255489A1 (ja) 負極材、負極、電池セル
JP2022168684A (ja) リチウムイオン電池用正極の製造方法
JP2017084648A (ja) 正極活物質層形成用組成物の製造方法
JP2016177962A (ja) 二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180510

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180531

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180613

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6361928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250