JP6905671B2 - 非水電解質リチウム二次電池用正極の製造方法 - Google Patents
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Description
PVdFに対する上記正極活物質に含まれるLiOHの質量比が上記範囲内にあり、かつ無水酢酸の量が上記範囲内にあることによって、正極活物質表面に存在するLiOHを適切に中和することができ、かつ正極活物質の表面のLiOHおよびLi2CO3を除去することができる。そして、これにより正極合材ペーストの経時的な増粘を抑制することができる。また、得られる正極を非水電解質リチウム二次電池に用いた場合に、低温出力を高くすることができる。すなわち、このような構成によれば、正極合材ペーストの経時的な増粘が抑制されており、非水電解質リチウム二次電池に高い低温出力を与えることが可能な正極の製造方法を提供することができる。
以下、一実施形態を挙げて、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。
正極活物質としては、リチウム複合酸化物を用いることができる。リチウム複合酸化物は、表面に余剰のLiOHを含む。リチウム複合酸化物の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5O4)、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(例、LiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)等が挙げられる。
正極活物質の性状は特に限定されないが、典型的には粒子状である。粒子状正極活物質の平均粒径は、通常20μm以下(典型的には1〜20μm、例えば5〜15μm)である。なお、本明細書において「平均粒径」とは、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づく体積基準の粒度分布において、粒径が小さい微粒子側からの累積頻度50体積%に相当する粒径(D50、メジアン径ともいう。)をいう。
正極活物質は、正極合材ペーストを構成する全固形成分中、50質量%を超えて含まれることが好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下含有される。
PVdFと正極活物質の使用量に関し、PVdFに対する、上記正極活物質に含まれるLiOHの質量比(LiOH/PVdF)は、0.040以上0.075以下である。
無水酢酸は、酸として機能し、正極活物質の表面に存在する余剰のLiOHを中和する成分である。
正極合材ペーストを調製する際の全固形成分の量に対する無水酢酸の量が、0.01質量%以上0.2質量%以下である。
PVdFに対する上記正極活物質に含まれるLiOHの質量比が上記範囲内にあり、かつ無水酢酸の量が上記範囲内にあることによって、正極活物質表面に存在するLiOHを適切に中和することができ、かつ正極活物質の表面のLiOHおよびLi2CO3を除去することができる。そして、これにより正極合材ペーストの経時的な増粘を抑制することができる。また、本実施形態に係る製造方法により得られる正極を非水電解質リチウム二次電池に用いた場合に、低温出力を高くすることができる。
正極合材ペーストを調製する際の全固形成分の量に対する無水酢酸の量は、0.02質量%以上0.2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.2質量%以下がより好ましい。
PVdFに対する、上記正極活物質に含まれるLiOHの質量比をA、正極合材ペーストを調製する際の全固形成分の量に対する無水酢酸の量をBとした場合に、比A/Bが0.2以上75以下であることが好ましい。
正極合材ペーストの固形分濃度は、乾燥効率の観点から、例えば45質量%以上であり、好ましくは50質量%以上80質量%以下である。したがって、溶媒は、正極合材ペーストがこのような固形分濃度となるように使用量を選択することが好ましい。
導電材としては、カーボンブラック(例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、コークス、黒鉛の炭素材料が挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。導電材は、正極活物質に対し、0.1質量%以上20質量%以下含有されることが好ましく、1質量%以上15質量%以下含有されることがより好ましく、2質量%以上10質量%以下含有されることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、「ペースト」とは、固形分の一部またはすべてが溶媒に分散した混合物のことをいい、いわゆる「スラリー」、「インク」等を包含する。
正極集電体には、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる箔状体を用いることができ、好ましくは、アルミニウム箔が用いられる。
当該塗工は、公知方法に従い行うことができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の塗布装置を用いて、正極集電体上に上記正極合材ペーストを塗布することにより行うことができる。なお、正極活物質層は、正極集電体の片面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよく、好ましくは両面に形成される。したがって、上記ペーストの塗工は、正極集電体の片面または両面に行われ、好ましくは両面に行われる。
以上のようにして、正極集電体上に正極活物質層が形成された正極を製造することができる。
図1に示す非水電解質リチウム二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、分散剤と、Li3PO4と、無水酢酸と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、N−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極合材ペーストを作製した。このとき、LNCMと導電材と分散剤の質量比は、LNCM:導電材:分散剤:Li3PO4=89.8:8:0.2:3とした。PVdFは、LNCMが含有するLiOHの量に基づいて、表に示す正極活物質のLiOH含有量/PVdF量の質量比を満たすように添加した。無水酢酸は、正極合材ペーストを調製する際の全固形成分中の質量割合が、表に示す値(質量%)になるように添加した。正極合材ペーストの固形分濃度が62.5質量%となるように、NMPの使用量を設定した。
このペーストを、60m/minのライン速度にて、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布し、180℃で乾燥した後、プレスすることにより、正極シートを作製した。
負極活物質として、天然黒鉛が非晶質な炭素材料でコートされたもの(非晶質炭素被覆天然黒鉛)を準備した。非晶質炭素被覆天然黒鉛(C)と、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の重量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを、長尺状の銅箔の両面に正極シートの正極活物質層よりも幅広に、帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極シートを作製した。
また、2枚のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
このようにして、評価用リチウム二次電池を得た。
上記作製した評価用リチウム二次電池をSOC27%の充電状態に調整し、−35℃の低温環境下においた。次いで、所定の出力値(W)で定電力放電を行って、放電開始からSOC0%となるまでに要した時間(放電秒数)を測定した。さらに、出力値を様々な値に設定して、同様な定電力放電を行い、放電開始からSOC0%となるまでに要した時間(放電秒数)を測定した。
これらの測定結果に基づいて、各電池について、放電秒数と出力値との相関を取得し、この相関から、放電秒数が2秒となる出力値(すなわち、−35℃の温度環境下において、SOC27%から2秒間でSOC0%まで定電力放電した場合の出力値)を、低温出力(W)として求めた。
無水酢酸の含有量が0質量%であるリチウム二次電池の低温出力を基準(基準値:100%)として、各評価用リチウム二次電池の低温出力の比(%)を算出した。結果を表1に示す。なお、比が100%を超えるものを良品と判断した。
作製した直後の正極合材ペーストの粘度を、市販のレオメータを用いてせん断速度1S−1で測定した。また、作製した正極合材ペーストを3日間保管した後、その粘度を市販のレオメータを用いてせん断速度1S−1で測定した。3日間保存後の粘度の値と、作製直後の粘度の値を用いて、増粘率(%)を求めた。結果を表2に示す。なお、増粘率が500%以下のものを適正と判断した。
さらに、表2より、正極活物質のLiOH含有量/PVdF量の質量比が0.040以上0.075以下であり、全固形成分中の無水酢酸の量が0.01質量%以上0.2質量%以下の範囲にある場合に、正極合材ペーストの粘度が適正範囲内にあることがわかる。
以上のことから、本実施形態によれば、正極合材ペーストの経時的な増粘が抑制されており、非水電解質リチウム二次電池に高い低温出力を与えることが可能な正極の製造方法が提供されることがわかる。
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 非水電解質リチウム二次電池
Claims (1)
- 正極活物質、ポリフッ化ビニリデン、無水酢酸、および溶媒を用いて正極合材ペーストを調製する工程と、
前記正極合材ペーストを、正極集電体上に塗工する工程と、
前記塗工された正極合材ペーストを乾燥する工程と、
を包含する非水電解質リチウム二次電池用正極の製造方法であって、
前記ポリフッ化ビニリデンに対する、前記正極活物質に含まれるLiOHの質量比が0.040以上0.075以下であり、
前記正極合材ペーストを調製する際の全固形成分の量に対する無水酢酸の量が、0.01質量%以上0.2質量%以下である、
非水電解質リチウム二次電池用正極の製造方法。
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