JP6663570B2 - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解液二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
非水電解液二次電池について、非水電解液の分解によってその特性が劣化することが知られている。そのため、非水電解液の分解による特性の劣化を抑制するための様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、LiPOなどの無機リン酸化合物を正極活物質層に添加することが記載されている。無機リン酸塩が、非水電解液の分解によって生じた酸をトラップすることにより、正極活物質からの遷移金属の溶出を防止することができ、これにより電池特性の劣化を抑制することができる。また、特許文献1には、非水電解液に、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)等の被膜形成剤を添加することが記載されている。被膜形成剤は、初回充電の際に負極表面に被膜を形成するものであり、この被膜により非水電解液の分解を抑制して、特性の劣化を抑制することができる。
特開2015−103332号公報
しかしながら本発明者らの検討によれば、従来のように、正極活物質層にLiPOが添加され、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池においては、高温下で長期保存した際の容量劣化の抑制に関し、改善の余地があることを見出した。
そこで本発明は、正極活物質層にLiPOが添加され、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池であって、高温下で長期保存した際の容量劣化が高度に抑制された非水電解液二次電池を製造可能な方法を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解液二次電池の製造方法は、LiPOを含有する正極活物質層を備える正極と、負極とを用いて、電極体を作製する工程と、前記電極体と、リチウムビス(オキサラト)ボレートを含有する非水電解液とを電池ケースに収容する工程と、を包含する。ここで、LiPOの質量をα(g)、リチウムビス(オキサラト)ボレートの質量をβ(g)、非水電解液二次電池の容量をγ(Ah)とした場合に、前記正極が、0.039≦α/γ≦0.977を満たすものであり、前記非水電解液が、0.0174≦β/γ≦0.6522を満たすものである。
このような構成によれば、得られる非水電解液二次電池の高温下長期保存時の容量劣化を高度に抑制することができる。したがって、このような構成によれば、正極活物質層にLiPOが添加され、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池であって、高温下で長期保存した際の容量劣化が高度に抑制された非水電解液二次電池を製造可能な方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の各工程を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に従い製造される非水電解液二次電池の捲回電極体の構成を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に従い製造される非水電解液二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 実施例の試験用リチウムイオン二次電池のA/B比と容量維持率向上分との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、「非水電解液二次電池」とは、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持電解質を含む非水電解液)を備えた電池をいう。
以下、非水電解液二次電池の一例として扁平角型のリチウムイオン二次電池の製造方法を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に、本実施形態に係る非水電解液二次電池の製造方法の各工程を示す。図2に、本実施形態に係る製造方法により得られる非水電解液二次電池の一例のリチウムイオン二次電池100の電極体40の構成を模式的に示す。図3に、本実施形態に係る製造方法により得られる非水電解液二次電池の一例のリチウムイオン二次電池100の内部構造を模式的に示す。
図1に示すように、本実施形態に係る非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)100の製造方法は、LiPOを含有する正極活物質層53を備える正極50と、負極60とを用いて、電極体40を作製する工程(電極体作製工程)S101と、電極体40と、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)を含有する非水電解液80とを電池ケース20に収容する工程(電池ケース収容工程)S102と、を包含する。ここで、LiPOの質量をα(g)、LiBOBの質量をβ(g)、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池)100の容量をγ(Ah)とした場合に、正極50が、0.039≦α/γ≦0.977を満たすものであり、非水電解液80が、0.0174≦β/γ≦0.6522を満たすものである。
まず、電極体作製工程S101について説明する。電極体作製工程S101においては、LiPOを含有する正極活物質層53を備える正極50と、負極60とを用いて、電極体40を作製する。
正極50は、例えば、正極ペーストを作製し、該正極ペーストを正極集電体51に塗工し、乾燥することにより準備することができる。正極ペーストは、典型的には、正極活物質と、LiPOと、導電材と、バインダと、溶媒とを含む。なお、本明細書において「ペースト」は、「スラリー」、「インク」と呼ばれる形態のものも包含する用語として用いられる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質(例えば層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。正極活物質の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5)、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(例、LiNi1/3Mn1/3Co1/3)等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。
LiPOは、0.039≦α/γ≦0.977を満たすように添加される。ここでγ(Ah)は、リチウムイオン二次電池100の実際の初期容量の値であり、公知方法(例えば、後述の実施例に記載の方法)に従い、求めることができる。α/γ比を当該範囲内にするには、正極活物質の使用量から計算される理論容量を参考にして、LiPOの添加量を適宜決定するとよい。
導電材としては、例えば、カーボンブラック、コークス、黒鉛等の炭素材料を用いることができる。なかでも、粒径が小さく比表面積の大きなカーボンブラック(典型的には、アセチレンブラック)を好ましく用いることができる。
バインダとしては、非水系のペーストを用いて正極活物質層を形成する場合には、非水系溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が例示される。水系のペーストを用いて正極活物質層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。
溶媒は、水系と非水系とに大別される。水系溶媒は全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。非水系溶媒の好適例としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。
正極ペーストは、上記正極活物質、LiPO、上記導電材、上記バインダ、および上記溶媒を、公知の混合装置を用いて混合することによって調製することができる。混合装置としては、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、クレアミックス、フィルミックス、ビーズミル、ボールミル、押出混練機等が挙げられる。
正極集電体51には、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる箔状体を用いることができ、好ましくは、アルミニウム箔が用いられる。
正極ペーストの正極集電体51への塗工は、公知方法に従い行うことができる。例えば、グラビアコーター、コンマコーター、スリットコーター、ダイコーター等の塗布装置を用いて、正極集電体51上に正極ペーストを塗布することにより行うことができる。正極ペーストは、例えば、図2に示すように正極集電体51の長手方向の一方の端部に沿って塗工される。本実施形態においては、正極ペーストは、正極集電体51の両面に塗工されるが、正極集電体51の片面のみに塗工されてもよい。
塗工された正極ペーストの乾燥は、例えば、正極ペーストが塗工された正極集電体51を、公知の乾燥装置で乾燥することにより、行うことができる。具体的には、正極ペーストが塗工された正極集電体51を、熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉等で100℃〜180℃(好ましくは150℃〜180℃)で10秒〜120秒間乾燥することにより、行うことができる。
乾燥により、正極活物質層53が形成される。乾燥後、正極活物質層53の厚みや密度等を調整するために、公知方法に従ってプレス処理を行ってもよい。
このようにして、図2および図3に示すような、正極集電体51と、正極集電体51上に形成された正極活物質層53とを備える正極(シート)50を作製することができる。正極シート50はその両面に、長手方向に沿う一方の端部において、正極活物質層53が設けられておらず、正極集電体51が露出した部位(正極集電体露出部)52を有する。
負極60は、例えば、負極ペーストを作製し、該負極ペーストを負極集電体61に塗工し、乾燥することにより準備することができる。負極ペーストは、典型的には、負極活物質と、バインダと、増粘剤と、溶媒とを含む。
負極活物質としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、低結晶性カーボン(ハードカーボン、ソフトカーボン)等の炭素材料を用いることができ、なかでも黒鉛を好適に用いることができる。また、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛を用いてもよい。
バインダとしては、ゴム系バインダが好ましく用いられ、スチレンブタジエンゴム(SBR)が特に好ましく用いられる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましく用いられる。
溶媒としては、水系溶媒が好ましく用いられる。水系溶媒は全体として水性を示すものであればよく、水または水を主体とする混合溶媒を好ましく用いることができる。当該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(例、低級アルコール、低級ケトン等)が挙げられる。水系溶媒として好ましくは、水である。
負極ペーストは、上記負極活物質、上記バインダ、上記増粘剤、および上記溶媒を、公知の混合装置を用いて混合することによって調製することができる。混合装置としては、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、クレアミックス、フィルミックス、ビーズミル、ボールミル、押出混練機等が挙げられる。
負極集電体61としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる箔状体を用いることができ、好ましくは、銅箔が用いられる。
負極ペーストの負極集電体61への塗工は、公知方法に従い行うことができる。例えば、グラビアコーター、コンマコーター、スリットコーター、ダイコーター等の塗布装置を用いて、負極集電体61上に負極ペーストを塗布することにより行うことができる。負極ペーストは、例えば、図2に示すように、負極集電体61の長手方向の一方の端部に沿って塗工される。本実施形態においては、負極ペーストは、負極集電体61の両面に塗工されるが、負極集電体61の片面のみに塗工されてもよい。
塗工された負極ペーストの乾燥は、例えば、負極ペーストが塗工された負極集電体61を、公知の乾燥装置で乾燥することにより、行うことができる。具体的には、負極ペーストが塗工された負極集電体61を、熱風乾燥炉、赤外線乾燥炉等で70℃〜200℃(好ましくは110℃〜150℃)で10秒〜240秒間(好ましくは30秒〜180秒間)乾燥することにより、行うことができる。
乾燥により、負極活物質層63が形成される。乾燥後、負極活物質層63の厚みや密度等を調整するために、公知方法に従ってプレス処理を行ってもよい。
このようにして、図2および図3に示すような、負極集電体61と、負極負電体61上に形成された負極活物質層63とを備える負極(シート)60を作製することができる。負極シート60はその両面に、長手方向に沿う一方の端部において、負極活物質層63が設けられておらず、負極集電体61が露出した部位(負極集電体露出部)62を有する。
また、セパレータ72、74を準備する。セパレータ72、74としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例として、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ72、74は、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
なお通常、負極活物質層63の幅b1は、正極活物質層53の幅a1よりも広く設計される。また通常、セパレータ72、74の幅c1、c2は、負極活物質層63の幅b1よりも広く設計される(c1、c2>b1>a1)
電極体40は、準備した正極シート50、負極シート60、およびセパレータ72、74を用いて公知方法に従い、作製することができる。例えば、正極シート50および負極60シートを2枚のセパレータ72、74を介して重ね合わせた積層体を、軸WLを捲回軸として長尺方向に捲回し、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げて作製することができる。このとき、図2に示されるように、セパレータ72、74の幅c1、c2内に、負極活物質層63が位置し、負極活物質層63の幅b1内に、正極活物質層53が位置するようにする。また、典型的には、正極シート50の正極集電体露出部52と、負極シート60の負極集電体露出部62とが互いに反対方向に突出するように、積層し、捲回する。このようにすれば、正極集電体露出部52および負極集電体露出部62をそれぞれ集約して集電することで、集電効率のよい電極体40を形成することができる。なお、扁平形状の捲回電極体40は、積層体自体を捲回断面が扁平形状となるように捲回して作製してもよい。
本実施形態では、電極体40として捲回電極体を採用しているが、電極体40として、複数のシート状の正極、負極およびセパレータを積層した形態の積層型電極体を採用してもよい。積層型電極体を採用する場合、電極体作製前に正極および負極に電極端子類を取り付けてもよい。
次に、電池ケース収容工程S102について説明する。電池ケース収容工程S102においては、電極体40と、LiBOBを含有する非水電解液80とを電池ケース20に収容する。
例えば、通常の使用状態における上端に開口部を有する扁平な直方体形状(角形)のケース本体21と、当該開口部を塞ぐ蓋体22とを備える電池ケース20を用意する。蓋体22は、電池ケース内部で発生したガスを電池ケースの外部に排出するための安全弁30を備える。また、蓋体22には、注液口32が備えられている。電池ケース20の材質としては、比較的軽量な金属材料(例、アルミニウム、スチール等)、樹脂材料等が挙げられ、アルミニウムが好ましい。
電池ケース20の蓋体22に正極端子23および正極集電板25を取り付ける。一方で、電極体40の正極シート50の正極集電体露出部52の中間部分を寄せ集め、正極集電板25と正極集電体51とを、抵抗溶接、超音波溶接等により溶接する。同様に、電池ケース20の蓋体22に負極端子24および負極集電板26を取り付ける。一方で、電極体40の負極シート60の負極集電体露出部62の中間部分を寄せ集め、負極集電板26と負極集電体61とを抵抗溶接、超音波溶接等により溶接する。図3中の25a、26aは当該溶接箇所を示している。このようにして、蓋体22に電極体40が取り付けられ、電極体40の正極シート50と正極端子23とが正極集電板25を介して電気的に接続され、電極体40の負極シート60と負極端子24とが負極集電板26を介して電気的に接続される。
次に、蓋体22に取り付けられた電極体40を、ケース本体21に収容し、ケース本体21の上端の開口部を蓋体22により塞ぐ。そして、ケース本体21と蓋体22とを封止する。ケース本体21と蓋体22との封止は、金属材料製の電池ケースを用いる場合は、レーザ溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接等により行うことができる。一方、樹脂材料製の電池ケースを用いる場合は、接着剤による接着や超音波溶接等により行うことができる。
なお、本実施形態では、電池ケース20が角形である場合について説明しているが、電池ケースは、角形電池ケースに限られず、円筒形電池ケース、ラミネート型電池ケース等であってもよい。
次に、電池ケース20の蓋体22に設けられた注液口32より、非水電解液80を注入する。なお、図3は、電池ケース20内に注入される非水電解液80の量を厳密に示すものではない。
本実施形態で用いられる非水電解液80は、LiBOBを含む。LiBOBは、非水電解液80に、0.0174≦β/γ≦0.6522を満たすように添加される。β/γ比を当該範囲内にするには、正極活物質の使用量から計算される理論容量を参考にして、LiBOBの添加量を適宜決定するとよい。
また、非水電解液80は、非水溶媒と支持塩とを含む。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
非水電解液80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
注液口32に封止材33を溶接して封止することにより、リチウムイオン二次電池100を製造することができる。
製造したリチウムイオン二次電池100には、LiBOB由来の被膜が負極60に形成されるように、初回充電を施してもよい。当該初回充電は、公知方法に従って実施することができる。
このようにして得られるリチウムイオン二次電池100は、高温下長期保存時の容量劣化が高度に抑制されている。また、α/γ比をA、β/γ比をBとした場合、その比A/Bが2.25≦A/B≦11.68を満たすときには、高温下長期保存時の容量劣化が特に高度に抑制されている。
リチウムイオン二次電池(非水電解液二次電池)100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、以上の製造方法は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも適用可能である。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
<評価用電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、LiPOと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM+LiPO:AB:PVdF=90:8:2の重量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、正極シートを作製した。
また、負極活物質として、天然黒鉛が非晶質な炭素材料でコートされたもの(非晶質炭素被覆天然黒鉛)を準備した。非晶質炭素被覆天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の重量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔の両面に正極シートの正極活物質層よりも幅広に、帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極シートを作製した。
また、2枚のセパレータシート(多孔性ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。このとき、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在し、正極活物質層が負極活物質層に面するようにした。正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させ、さらにLiBOBを添加したものを用いた。
以上において、LNCMおよびLiPOの使用比率や非水電解液へのLiBOBの添加割合を変化させて、種々のα/γ比およびβ/γ比を有する評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<高温保存特性評価>
上記作製した評価用リチウムイオン二次電池に、初期充放電処理を行った。具体的には、25℃の環境下において、上記電池を正負極端子間の電圧が4.1Vになるまで1/3Cの定電流で充電(CC充電)し、続いて合計の充電時間が1.5時間となるまで定電圧で充電(CV充電)した後、10分間休止し、正負極端子間の電圧が3.0Vになるまで1/3Cの定電流で放電(CC放電)し、続いて合計の充電時間が1.5時間となるまで定電圧で放電(CV放電)した後、10分休止する操作を1サイクルとして、これを3サイクル繰り返した。そして、3サイクル目のCCCV放電容量を電池容量(初期容量)とした。なお、この初期容量はγ(Ah)となるものである。
各リチウムイオン二次電池を、SOC80%の状態に調整した後、60℃の恒温槽に60日間保存した。そして、保存後の電池容量を初期容量と同様の方法で測定し、[(保存後の電池容量)/(初期容量)]×100(%)から、60℃60日保存後の容量維持率を求めた。α/γ比が0.07であるリチウムイオン二次電池を基準として、各評価用リチウムイオン二次電池の容量維持率向上分(%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006663570
また、α/γ比をA、β/γ比をBとした場合、その比A/Bに対する容量維持率向上分(%)を図4のグラフに示す。
表1の結果より、正極活物質層にLiPOが添加され、非水電解液にLiBOBが添加された非水電解液二次電池を作製する際に、LiPOの質量をα(g)、LiBOBの質量をβ(g)、非水電解液二次電池の容量をγ(Ah)とした場合に、0.039≦α/γ≦0.977を満たすように正極活物質層にLiPOを添加し、0.0174≦β/γ≦0.6522を満たすようにLiBOBを非水電解液に添加すれば、高温下で長期保存した際の容量劣化を高度に抑制できることがわかる。
また、図4の結果より、α/γ比をA、β/γ比をBとした場合、その比A/Bが2.25≦A/B≦11.68を満たすときには、高温下長期保存時の容量劣化を特に高度に抑制できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 電池ケース
21 ケース本体
22 蓋体
23 正極端子
24 負極端子
25 正極集電板
26 負極集電板
30 安全弁
32 注液口
33 封止材
40 電極体(捲回電極体)
50 正極(正極シート)
51 正極集電体
52 正極集電体露出部
53 正極活物質層
60 負極(負極シート)
61 負極集電体
62 負極集電体露出部
63 負極活物質層
72,74 セパレータ
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池
WL 捲回軸

Claims (1)

  1. LiPOを含有する正極活物質層を備える正極と、負極とを用いて、電極体を作製する工程と、
    前記電極体と、リチウムビス(オキサラト)ボレートを含有する非水電解液とを電池ケースに収容する工程と、
    を包含する非水電解液二次電池の製造方法であって、
    LiPOの質量をα(g)、リチウムビス(オキサラト)ボレートの質量をβ(g)、非水電解液二次電池の容量をγ(Ah)とした場合に、
    前記正極が、0.039≦α/γ≦0.977を満たすものであり、
    前記非水電解液が、0.0174≦β/γ≦0.6522を満たすものであり、
    前記正極活物質層が、正極活物質としてリチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物を含有し、
    前記非水電解液は、非水溶媒としてカーボネート類を含み、かつ支持塩としてLiPF を0.7mol/L以上1.3mol/L以下で含むことを特徴とする、
    非水電解液二次電池の製造方法。
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