JP2021104921A - プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物およびカリウムイオン二次電池用正極活物質 - Google Patents

プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物およびカリウムイオン二次電池用正極活物質 Download PDF

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Abstract

【課題】低抵抗、高容量のカリウムイオン二次電池が得られる正極材料の提供。【解決手段】(A1zA2wK1-(z+2w))xMn[Fe(CN)6]y・nH2O(式中、A1はNH4、LiおよびNaからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、A2はMg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、xは1〜2であり、yは0.8〜1であり、nは0〜3であり、zは0〜0.2であり、wは0〜0.1であり、z+2wは0〜0.2である。)で示されるプルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物であって、複合化されたカーボンブラックの量がプルシアンブルー類似体100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることを特徴とするプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。【選択図】なし

Description

本発明は、プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物およびカリウムイオン二次電池用正極活物質に関する。
現在、携帯電話、ノート型パソコンなどのモバイル機器をはじめ、自動車や蓄電池に至るまで、リチウムイオン二次電池が広く普及している。この電池は非常に高い電圧をもち、充放電に伴う劣化が少ないことが大きな特徴である。
リチウムイオン二次電池の原料として、リチウムが必要である。この資源は無尽蔵ではなく、今後枯渇が懸念されている。また、資源として存在するリチウム塩を電池に用いる塩の形態にするまでのコストは高いことが知られている。
そこで、リチウムに代わる材料として、カリウムやナトリウムが注目されている。これらはリチウムに比べて非常に埋蔵量が大きいため、リチウムの代わりに用いることができれば、電池のコスト低減につながる。
リチウムイオン二次電池の通常の動作状態においては、リチウムは金属の形態ではなく、必ずイオンの形態で存在する。リチウムイオン二次電池の充電時において、リチウムイオンは正極活物質の結晶サイトから電解液内を経て、負極活物質の結晶サイトへと移動する。これを例えばカリウムで代替する場合、リチウムイオンと同様にカリウムイオンが正極活物質の結晶サイトから電解液内、負極活物質の結晶サイトへと移動する。この移動反応の可逆性には、正極活物質の結晶サイトの数あるいは前記サイト間のカリウムイオンの動きやすさ、電解液中でのカリウムイオンの安定性、カリウム塩の溶解度、負極活物質の結晶サイト数および前記サイト間のカリウムイオンの動きやすさ等が関係している。可逆的なカリウムイオンの移動を達成できる正極および負極材料、電解液、これらの組み合わせが、現在盛んに研究されている。
そのような研究の中で、カリウムイオン二次電池用正極活物質の候補として、現在プルシアンブルー類似体(Prussian Blue Analogues,以後、PBAと称することがある。)と呼ばれる物質群が注目されている。
特許文献1は、カリウムイオン電池の正極材料として、プルシアンブルー類似体の1つである、KmFexMny(CN)6・zH2O(式中、mは0.5以上2以下の数を表し、xは0.5以上1.5以下の数を表し、yは0.5以上1.5以下の数を表し、zは0または正数を表す。)を用いることで、エネルギー密度の高いカリウムイオン二次電池が得られると開示している。
特許文献2は、Ax1 y[M2(CN)6]nH2Oで表されるプルシアンブルー類似体の合成時に、KCN水溶液にM1イオンおよびM2イオン含有水溶液を滴下することで、含有するH2O分子の量を抑えた無欠陥プルシアンブルー類似体(PBA)により、少ない充放電容量を改善したと開示している。
プルシアンブルー類似体は正極活物質群の1つであり、『酸化物系』の正極活物質群に見られる酸化還元に関わる遷移金属イオンが酸化物イオンに囲まれている状態、というよりは、硫酸イオン、リン酸イオンなどのポリアニオンに配位されている『ポリアニオン系』の正極活物質群と同様、シアン化物イオンに配位されているという状態である。遷移金属イオンとシアン化物イオンが3次元に配列して結合することにより、その結晶構造内にキャリアイオンのための収容サイトが存在することが特徴である。ところがプルシアンブルー類似体はシアノ錯体であるため、ポリアニオン系の活物質と同様に、電子伝導性が極めて小さいという性質も同時に存在している。
このような電子伝導性に乏しい材料をリチウムイオン電池の正極活物質として使えるレベルにまで引き上げた大きなブレイクスルーは、1999年のカーボンコーティング技術の発見である。特許文献3では、リチウムイオン電池用正極活物質LiFePO4に対し、ショ糖をコーティングし、それを不活性雰囲気で熱処理することで表面に非晶質炭素を付着させることにより、前記活物質の電子伝導性は大きく改善し、理論容量に近い容量が引き出せるようになったことが開示されている。
カーボンコーティングという方法は熱処理という工程を含むが、プルシアンブルー類似体には適用することができない。なぜならば、プルシアンブルー類似体は高温に対して不安定で、ショ糖などの炭素前駆体の熱分解、および転化して得られる炭素の電子伝導性確保に必要な500℃以上程度の温度では分解してしまうという性質を持っているからである。
そこで、このような電子伝導性に乏しく、高温に対して不安定でもあるプルシアンブルー類似体に対して、炭素材料を密着させるような形で複合化するための検討が種々行われてきた。
特許文献4は、プルシアンブルー類似体を合成する間にカーボンブラックを添加しておくことにより、炭素をプルシアンブルー類似体の表面全体に付着させることを開示している。またこの文献には、合成後のプルシアンブルー類似体に対し、原子堆積法(ALD)、物理気相蒸着法(PVD)、化学気相蒸着法(CVD)、水熱合成法、ボールミル粉砕などでも炭素をコーティングすることができると記載されている。
特開2018−106911号公報 特開2012−046399号公報 CA2270771 特開2015−515081号公報
特許文献4の方法では、プルシアンブルー類似体の結晶核の発生時にカーボンブラックがうまく前記結晶核の表面に吸着しないため、ナノメートルサイズでその表面全体に均一に炭素の被膜を生成することはできておらず、改善としては不十分であると考えられる。
また、ボールミル処理による複合化についても開示されているが、カーボンブラックとプルシアンブルー類似体それぞれが凝集して圧縮され、意図した複合化はできていないと推測される。またALD、CVD、PVD、水熱合成に関しては、プルシアンブルー類似体が高温に対して不安定で、また粉体であるために、実際に行うのは難しいと考えられる。
すなわち従来技術では、リチウムイオン電池に代わる低コストの電池としてカリウムイオン電池を用いることは期待され、プルシアンブルー類似体がその正極活物質候補として検討されてきたが、これに十分な電子伝導性を付与するための良い方法がなかった。
本発明は以下の構成からなる。
[1]下記式
(A1zA2w1-(z+2w)xMn[Fe(CN)6y・nH2
(式中、A1はNH4、LiおよびNaからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、A2はMg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、xは1〜2であり、yは0.8〜1であり、nは0〜3であり、zは0〜0.2であり、wは0〜0.1であり、z+2wは0〜0.2である。)
で示されるプルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物であって、複合化されたカーボンブラックの量がプルシアンブルー類似体100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることを特徴とするプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
[2]前記プルシアンブルー類似体の結晶系が単斜晶系であって、粉末X線回折によって測定されるX線回折スペクトルにおいて、(211)面のピーク強度I211に対する(200)面のピーク強度I200の比I200/I211が0.85以上である前記1に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
[3]BET比表面積が1m2/g以上10m2/g以下であり、レーザー回折法による体積基準の累積粒度分布における50%粒子径(DV50)が2μm以上50μm以下である前記1または2に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
[4]プルシアンブルー類似体とカーボンブラックを高速粉砕機で混合する工程を含むプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の製造方法。
[5]前記カーボンブラックのBET比表面積が30m2/g以上90m2/g以下である前記4に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の製造方法。
[6]前記1〜3のいずれか一項に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物、バインダーおよび任意成分としての導電助剤を含む正極用ペースト。
[7]前記1〜3のいずれか一項に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物を含むカリウムイオン二次電池用正極シート。
[8]前記7に記載の正極シートを構成要素として含むカリウムイオン二次電池。
本発明によれば、正極活物質として用いることで、低抵抗、高容量のカリウムイオン二次電池が得られる複合材料を提供することができる。
図1は、実施例1で得られたプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図2は、比較例1で得られたプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の外観の写真である。 図3は、比較例3で得られたプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の外観の写真である。
[1]プルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物
本発明の一実施態様であるプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物において、プルシアンブルー類似体は、下記式
(A1zA2w1-(z+2w)xMn[Fe(CN)6y・nH2
(式中、A1はNH4、LiおよびNaからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、A2はMg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、xは1〜2であり、yは0.8〜1であり、nは0〜3であり、zは0〜0.2であり、wは0〜0.1であり、z+2wは0〜0.2である。)で示される化合物である。
本発明の一実施態様であるプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物は、プルシアンブルー類似体に複合化されたカーボンブラックが、プルシアンブルー類似体100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下存在する。複合化されたカーボンブラックとは、複合化によりプルシアンブルー類似体に付着しているカーボンブラックであり、プルシアンブルー類似体に接触しているが容易に脱落するもの、およびプルシアンブルー類似体に接触しておらず混合状態となっているものは含まれないが、そのようなカーボンブラックが前記複合化物中に存在することは許される。
本発明において前記の「付着」とは、カーボンブラックがプルシアンブルー類似体の細かいくぼみに入り込んで脱落しにくくなった状態、あるいはプルシアンブルー類似体とカーボンブラックとの間に物理的な吸着あるいは化学的な結合が生成している状態を意味する。
カーボンブラックがプルシアンブルー類似体の表面に複合化することにより、プルシアンブルー類似体とカーボンブラックとが単なる混合状態となっている場合に比べて、プルシアンブルー類似体の表面における電子伝導性が向上し、その複合化物をカリウムイオン二次電池の正極材料に用いることで電池容量およびレート特性が向上する。
複合化しているカーボンブラックの量は、プルシアンブルー類似体を100質量部としたときに、好ましくは0.2質量部以上であり、より好ましくは0.3質量部以上である。前記のカーボンブラックの量が前記の量以上であれば、複合化物におけるプルシアンブルー類似体の表面における電子伝導性の向上に寄与でき、それを正極に用いたカリウムイオン二次電池とした際に電池容量およびレート特性が向上する。
複合化しているカーボンブラックの量は、プルシアンブルー類似体を100質量部としたときに、好ましくは8質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。前記のカーボンブラックの量が前記の量以下であれば、複合化物におけるプルシアンブルー類似体の表面のイオン伝導が良好となり、それを正極に用いたカリウムイオン二次電池とした際に過剰な副反応が起こらず容量低下を起こしにくい。
複合化しているカーボンブラックの量は、水洗浄法により複合化していないカーボンブラックを分離除去することにより測定することができる。すなわち、複合化物に水を加えて撹拌することにより、複合化していないカーボンブラックは水に浮き、複合化物は水に沈むので、複合化していないカーボンブラックを含む上澄みを捨てることにより、複合化していないカーボンブラックを複合化物から除去する。好ましくはこの操作を繰り返し行う。得られた複合化物を回収して乾燥し、全炭素量およびプルシアンブルー類似体由来の炭素の量を分析法により求め、複合化しているカーボンブラックの炭素量を算出する。具体的には実施例の欄に記載の方法により測定することができる。
本発明の一実施態様における複合化物で用いるプルシアンブルー類似体の好ましい結晶系は単斜晶系である。プルシアンブルー類似体は、その組成式中、Mnに対するKの比が1.4より多ければ単斜晶構造になる。Kの比率が高ければ、より高容量の正極材料が得られる。
本発明の一実施態様における複合化物で用いるプルシアンブルー類似体は、粉末X線回折によって測定される(211)面のピーク強度I211に対する(200)面のピーク強度I200の比I200/I211が、好ましくは0.85以上、より好ましくは0.87以上、さらに好ましくは0.89以上である。比I200/I211の上限は特に制限されないが、好ましくは1.7である。ピーク強度比I200/I211が上記範囲であるとき、複合化物を正極材料に用いたカリウムイオン二次電池は初期放電容量および初期効率(初期クーロン効率)が優れる。ピーク強度比I200/I211が上記範囲である場合のプルシアンブルー類似体の構造の詳細は未解析であるが、カリウムの挿入および脱離が容易な構造となっていると推定できる。なお、(200)面のピーク強度とは、16.5°≦2θ≦18.5°の範囲に出現するピークの高さのことであり、(211)面のピーク強度とは、24°≦2θ≦26°の範囲に出現するピークの高さのことである。
X線回折パターンの測定は粉末X線回折装置(例えば、株式会社リガク製粉末X線回折装置SmartLab(登録商標)、株式会社島津製作所製X線回折装置XRD−6100など)を用いて行うことができる。得られたデータの解析はXRD解析ソフトウェア(例えば、株式会社リガク製PDXL2など)によって行うことができる。
本発明の一実施態様における複合化物の、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径(DV50)は、2μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、15μm以上がさらに好ましい。DV50を2μm以上とすることにより、複合化物の良好なハンドリング性を確保することができる。
本発明の一実施態様における複合化物のDV50は、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。DV50を50μm以下とすることにより、複合化物中のイオン伝導径路長および電子伝導径路長が短くなり、高電流密度で充放電できるようになる。また、プルシアンブルー類似体の表面積に応じてカーボンブラックの付着し得る量も変わることから、DV50が前記値以下であればカーボンブラックを十分な量プルシアンブルー類似体表面に付着させることができる。
V50はいわゆるメジアン径を表し、粒子の外見上の径を示す。DV50はレーザー回折式粒度分布計を用いて測定する。レーザー回折式粒度分布計としては、例えばマルバーン製マスターサイザー(Mastersizer(登録商標))等が利用できる。
本発明の一実施態様における複合化物のBET比表面積は、1m2/g以上が好ましく、2m2/g以上がより好ましく、3m2/g以上がさらに好ましい。BET比表面積を1m2/g以上とすることにより、複合化物を用いて電極としたとき密度が向上し、また反応反応面積が増大する。さらに、プルシアンブルー類似体の表面積に応じてカーボンブラックの付着し得る量も変わることから、BET比表面積が前記値以上であればカーボンブラックを十分な量プルシアンブルー類似体表面に付着させることができる。
本発明の一実施態様における複合化物のBET比表面積は、10m2/g以下が好ましく、9m2/g以下がより好ましく、8m2/g以下がさらに好ましい。BET比表面積を10m2/g以下とすることにより、複合化物の良好なハンドリング性を確保することができ、また副反応の反応面積が低減できる。
BET比表面積は、単位質量あたりの窒素ガスの吸着脱離量の計測という一般的な手法によって測定する。測定装置としては、例えばNOVA−1200(登録商標)を用いることができる。
[2]プルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の製造方法
本発明の一実施態様にかかるプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物は、高速粉砕機で、プルシアンブルー類似体とカーボンブラックを混合することによって製造することができる。高速回転する羽根によって、プルシアンブルー類似体の表面が削れ、生成した凹凸にカーボンブラックが乗る、あるいは挟まるという現象と、激しい衝撃力によってエネルギーが加えられ、メカノケミカル反応が起き、プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの間に物理吸着や化学結合などの強固な結合が生成する現象が起き、これらの現象により複合化が起きていると考えられる。
プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化に用いる高速粉砕機は、対象物に強い衝撃力が加わるものであれば特に制限されないが、好ましくは、高速回転刃によりせん断、圧縮、衝撃等を付与する粉砕機(混合機)、例えば最高回転数が6000〜25000rpmのカッターミルを使用することができる。具体的にはIKA社製A10や大阪ケミカル社製ワンダーブレンダーWB−1などが挙げられる。
プルシアンブルー類似体は高温によって分解してしまうため、解砕や粉砕、また複合化処理時に発生する熱には十分注意する必要がある。温度はプルシアンブルー類似体の分解温度である二百数十℃を超えないよう、200℃以下で行う。200℃程度でも酸化と思われる変色が起きるので、好ましくは150℃以下で行う。そのため、解砕、粉砕また複合化処理は数十秒程度を1セットとして、休止を挟みながら、必要なセット数の処理を行うことが好ましい。装置に水冷ジャケットなどが付帯している場合は、それを用いて200℃以下を保って連続運転することもできる。
プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの混合比としては、所望するカーボンブラックの複合化量に応じて適宜設定すればよいが、例えばプルシアンブルー類似体100質量部に対してカーボンブラックを0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.2質量部以上15質量部以下がより好ましい。
本発明の一実施態様にかかるプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物においては、複合化により、プルシアンブルー類似体の表面が粗くなる。粗くなることでカーボンブラックが効率的にプルシアンブルー類似体の表面に複合化することができる。
表面粗さについて、複合化していないカーボンブラックを上記の水洗浄法にて除去した複合化物のBET比表面積は、複合化処理前のプルシアンブルー類似体のBET比表面積の1.7倍以上となることが好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上がさらに好ましい。ここで、複合化処理前のプルシアンブルー類似体とは、合成が終わり回収されたままの状態のプルシアンブルー類似体を指す。
[3]プルシアンブルー類似体の製造方法
本発明で用いるプルシアンブルー類似体は、イオン交換法または直接合成法によって製造することができるが、イオン交換法が好ましい。イオン交換法によって得られるプルシアンブルー類似体は粒子径が比較的大きく、ハンドリングが容易であり、カーボンブラックとの複合化時にある程度粉砕されることによって、正極用ペーストに用いられる適度な粒度になるため、都合がよい。以下、イオン交換法による製造方法を例示する。
本発明に用いられるプルシアンブルー類似体(A)は、一般式(1)
αMn[Fe(CN)6β (1)
(式中、α=1.00〜2.00、β=0.80〜1.00、AはLi、Na、Mg、Ca、Srから選ばれる1種以上である。)で表わされるプルシアンブルー類似体(B)を合成し、式(1)におけるAをカリウムに交換することによって得ることができる。Aはカリウムのイオン半径より小さいものであれば、後述するカリウムイオンとの交換反応が円滑に進む。Aとしては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムが例示され、入手容易性からナトリウムが好ましい。
イオン交換反応の前駆体であるプルシアンブルー類似体(B)の合成方法を、Aがナトリウムである、ナトリウム型のプルシアンブルー類似体(Na−PBA)を例に以下説明する。
Na−PBAはヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウムと塩化マンガン(II)を反応させることによって得ることができる。具体的には、ヘキサシアノ鉄(II)酸ナトリウムと塩化マンガン(II)をそれぞれ溶媒に溶解し、いずれかの溶液をもう一方の溶液へ添加することによって得られる。溶媒としては、水または水を主成分とする混合溶媒が好ましい。添加時間は1〜10時間が好ましい。Na−PBAは酸化すると、後述するプルシアンブルー類似体(A)のカリウム量が少なくなるので、不活性雰囲気下で合成を行うことが好ましい。溶媒中に溶存酸素が含まれていても酸化するので、予め脱気等を行い、溶存酸素を低減しておくことが好ましい。また、より酸化を抑制する目的で、反応を阻害しない範囲で還元剤を加えて合成しても良い。
この反応はキレート剤共存下で行うことが好ましい。キレート剤としては、EDTA、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グリシン、およびそれらの塩から選ばれる1種以上を挙げることができ、クエン酸またはクエン酸塩がより好ましい。
上記の方法の場合、生成物はNa−PBAの分散液として得られる。この分散液のまま前述したナトリウムをカリウムに交換してもよい。イオン交換の前にNa−PBA分散液の上澄みの一部を適宜取り除いてもよい。
Na−PBAの固体は、上記分散液から溶媒を分離して乾燥することによって得られる。Na−PBAの固体をNa−PBA分散液から分離する方法は特に限定されないが、遠心分離、濾別やそれらの組み合わせから適宜選択できる。不要な塩などが共存しているので、乾燥は水やアルコールで洗浄した後に行うことが好ましい。洗浄液も反応溶媒と同様に予め脱気等を行い、溶存酸素を低減しておくことが好ましい。
乾燥方法は特に限定されないが、加熱乾燥または真空乾燥が、乾燥時間が短い点で好ましい。乾燥温度は50〜200℃が好ましい。これらの固体分離、乾燥の工程においても酸化を抑制する目的で、不活性雰囲気で実施することが好ましい。
得られたNa−PBA固体はそのまま次の工程で使用することができるが、粗粒を取り除くなどの目的で、解砕、粉砕や篩掛けなどを適宜行い、粒径や粒度分布を調整してもよい。
Na−PBAのナトリウムをカリウムに交換する方法としては、例えばNa−PBAを溶媒中に分散した後に、溶媒中にカリウムをイオンとして放出できる化合物(カリウム化合物)を加えて撹拌する方法が挙げられる。なお、Na−PBA分散液は後述するNa−PBAの合成で得られる反応液をそのまま使用してもよい。
溶媒はNa−PBAのナトリウムをカリウムに交換することが可能であれば、特に限定はされない。例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノールやそれらの混合溶媒などを使用することができる。Na−PBAの量に対して使用する溶媒の量は、Na−PBAが均一に分散されれば特に限定はされない。
前記カリウム化合物は特に限定はされないが、入手容易性から、塩化カリウムなどのカリウム塩が好ましい。カリウム化合物の量は反応分散液中のナトリウム1モルに対して1〜100モルが好ましい。カリウム化合物の添加は複数回に分けて行ってもよい。
Na−PBAのナトリウムをカリウムにイオン交換してなるプルシアンブルー類似体(A)(以下、単にK−PBAと称する。)は分散液の形で得られるので、K−PBAを溶媒から分離、乾燥することによって、K−PBAの固体を得ることができる。
K−PBAを溶媒から分離する方法は特に限定はされないが、遠心分離、濾別やそれらの組み合わせから適宜選択できる。不要なナトリウム塩などが共存しているので、水やアルコールで洗浄した後に乾燥することが好ましい。
乾燥方法は特に限定はされないが、加熱乾燥や真空乾燥は乾燥時間が短いので好ましい。温度は50〜200℃が好ましい。水分が含まれていると電池中で副反応の要因になるので、十分乾燥することが好ましい。これらの合成、固体分離、乾燥の工程においても酸化を抑制する目的で、不活性雰囲気で実施することが好ましい。また、使用溶媒も予め脱気等を行い、溶存酸素を低減しておくことが好ましい。また、より酸化を抑制する目的で、反応を阻害しない範囲で反応溶媒に還元剤を加えて合成しても良い。
得られたK−PBAの固体はそのまま複合化物の原料として使用することができるが、粗粒が含まれていると、電極を作製したときに均一な厚さの電極層が得られないので、解砕、粉砕、篩掛けなどを適宜行い、粒子径や粒度分布を調整してもよい。解砕や粉砕は前記高速粉砕機等を使用することができる。調整する粒子径は、DV50で2〜50μmが好ましい。
K−PBAは酸化すると電池性能が低下するので、上記製造工程は不活性雰囲気や真空雰囲気中で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては窒素またはアルゴン雰囲気が挙げられる。
[4]カーボンブラック(CB)
本発明の複合化物の原料であるカーボンブラックは、そのBET比表面積が、30m2/g以上が好ましく、35m2/g以上がより好ましく、40m2/g以上がさらに好ましい。カーボンブラックのBET比表面積が大きいことは、その一次粒子径が小さいことを意味する。カーボンブラックのBET比表面積が30m2/g以上であると、プルシアンブルー類似体の表面とより付着しやすくなる。
本発明の複合化物の原料であるカーボンブラックは、そのBET比表面積が、90m2/g以下が好ましく、70m2/g以下がより好ましく、60m2/g以下がさらに好ましい。カーボンブラックのBET比表面積が大きいことは,その一次粒子径が大きいことを意味する。カーボンブラックのBET比表面積が90m2/g以下であると、プルシアンブルー類似体の表面とより付着しやすくなる。
[5]正極用ペースト
本発明の一実施態様にかかる正極用ペーストは、上述したプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物と、バインダーと、任意成分としての導電助剤を含む。
バインダーとして用いられる材料には特に制限はなく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のリチウムイオン二次電池の正極用ペーストに使用されているバインダーの他に、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース等から適宜選択して使用できる。
バインダーの量が多いと、正極材料に含まれる正極活物質の割合が少なくなるため、高いエネルギー密度が得られなくなる。したがって、バインダーの量は、好ましくは正極材料全体の0.5〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%であり、より一層好ましくは0.5〜10質量%である。
導電助剤は、電極に対し電子伝導性および電極安定性(カリウムの挿入・脱離における体積変化に対する緩衝作用)を付与する役目を果たすものであれば特に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池正極に使用されている、カーボンブラック(ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を使用することができる。また、2種以上を混合して用いてもよい。導電助剤はペースト作製時に混合すればよい。
導電助剤の添加量が少ないと、正極における電子伝導性を充分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極材料に含まれる正極活物質の割合が少なくなり高いエネルギー密度が得られなくなる。したがって、導電助剤の量は、正極材料全体の0.5〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましい。
この正極用ペーストは、プルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物とバインダーと溶媒と任意成分としての導電助剤を混練することによって得られる。
溶媒は上記バインダーを均一に分散または溶解できるものであれば特に制限はない。例えば、水、アルコール、N−メチル−2−ピロリドン等が使用できる。溶媒の量は、ペーストを集電体に塗布しやすいような粘度となるように適宜調整すればよい。
混練の方法は特に制限されず、例えば、自転公転ミキサーやプラネタリミキサー等のリチウムイオン二次電池用の正極作製に使用される方法や装置を用いることができる。
[6]正極シート
本発明の一実施態様にかかる正極シートは、集電体と、集電体を被覆する電極層とを有し、電極層は上述したプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物が含まれる。集電体の材料は電子伝導体で均一な正極が形成できるものであれば特に限定はされないが、リチウムイオン二次電池正極に使用されているアルミニウム箔が好ましい。電極層は、例えば、前記正極用ペーストを集電体上に塗布し乾燥させることによって得ることができる。
集電体にペーストを塗布・乾燥する方法は特に限定はされない。ドクターブレード等リチウムイオン二次電池正極作製に使用される方法や装置を用いることができる。電極層の厚さは、好ましくは50〜200μmである。電極層の厚さが200μm以下であれば、規格化された電池容器に正極シートを収容することができる。電極層の厚さは、ペーストの塗布量によって調整できる。また、ペーストを乾燥させた後、加圧成形することによっても調整することができる。加圧成形法としては、ロール加圧、プレス加圧などの成形法が挙げられる。プレス成形するときの圧力は、好ましくは100〜500MPa程度である。プレス成型後、評価電池作製サイズに切り出し、真空乾燥機等で乾燥を行うと、正極シートが完成する。
[7]カリウムイオン二次電池
本発明の一実施態様にかかるカリウムイオン二次電池は、上記正極シート、負極シート非水系電解質溶液を含む。正極シートと負極シートはセパレータを挟んで対向して配置される。負極はカリウムを挿入および脱離することが可能な負極材とバインダーを含む。これらを集電体上に成形して使用する。
負極材にはカリウムを挿入および脱離することが可能な炭素材料が好ましく、黒鉛(グラファイト);低結晶性カーボンの一例であるソフトカーボン、フラーレン、カーボンナノ材料全般、ポリアセン;カーボンブラック(ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック等);ハードカーボン等を含有するものが挙げられ、黒鉛を含有するものが好ましい。本発明において、負極材は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
負極に用いるバインダーはポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸やそれらの共重合体等から適宜選択して使用できる。本発明において、負極に用いるバインダーは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
負極に用いる集電体は電子伝導体で均一な負極が形成できれば特に限定されないが、銅箔やアルミニウム箔が使用できる。カリウムイオン二次電池はリチウムイオン二次電池と異なりアルミニウム箔を集電体として用いることができる。アルミニウムは銅に比べて密度が低く、重量エネルギー密度がより向上するので好ましい。
非水電解質としては、カリウムを含む電解質を含有するものであれば特に限定されないが、かかる電解質を非水溶媒に溶解させたものが好ましい。電解質としては、カリウムを含むものであれば特に限定されないが、非水溶媒に可溶な、過酸化物でない安全性の高いものが好ましく、例えば、N,N−ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム(KFSI)、N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(KTFSI)、六フッ化リン酸カリウム(KPF6)、四フルオロホウ酸カリウム(KBF4)、過塩素酸カリウム(KClO4)、KCF3SO3、KBeTi等が挙げられ、KTFSI、KPF6が好ましい。電解質塩は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解質を非水溶媒に溶解させてなる非水電解質における電解質の濃度は、下限値として0.5mol/Lが好ましく、0.8mol/Lがより好ましく、上限値として2.0mol/Lが好ましく、1.5mol/Lがより好ましく、1.2mol/Lが更に好ましい。
非水溶媒としては、通常非水系の電池に用いられる環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類等およびこれらの組合せからなるものが挙げられる。
環状炭酸エステルとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、これらの水素基の一部または全部がフッ素化されているものも用いることが可能であり、例えばトリフルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチルカーボネート等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、これらの水素基の一部または全部がフッ素化されているものも用いることが可能である。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
環状エーテル類としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等が挙げられる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル等が挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリル等が挙げられ、アミド類としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
これらの非水溶媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。非水溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステルが好ましく、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとを併用するものがより好ましい。非水溶媒として環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとを併用する場合、両者の比率(環状炭酸エステル:鎖状炭酸エステル)としては、特に限定されないが、例えば、体積比として、30:70〜70:30が好ましく、40:60〜60:40がより好ましい。
セパレータはリチウムイオン二次電池に用いられるものを使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例の炭素粒子の評価方法、電池の作製方法、電池の特性の測定方法、および各例で用いた原料は以下の通りである。
<物性測定方法>
[1]複合化したカーボンブラックの含有量の測定方法
(1)測定すべきサンプル(複合化物)1gをディスポカップに入れる。
(2)精製水100mLを加えて撹拌する。
(3)撹拌後5分静置し、上澄みを捨てる。
(4)前記(2)および(3)をさらに2回繰り返す(合計3回)。
(5)沈殿物を回収して90℃で2時間、真空乾燥する。
(6)前記(5)で得られた複合化物10〜20mgをセラミックるつぼに秤量し、助燃剤(W粉、Sn粒)を加え、炭素硫黄分析装置(高周波加熱赤外線吸収法)HORIBA製 EMIA(登録商標)−920Vで炭素量を測定する。
(7)前記(5)で得られた複合化物を加熱した硫酸および硝酸により完全分解し、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP発光分光法)日立ハイテクサイエンス製 PS3520VDD2で鉄を定量する。CN-イオンは鉄原子の数の6倍存在することから、前記複合化物に含まれるCN-イオン由来の炭素量を算出する。
(8)前記(6)で求めた全炭素量から前記(7)で求めた炭素量を差し引くことで、前記(5)で得られた複合化物に付着したカーボンブラック由来の炭素質量(カーボンブラックの質量)を算出する。
(9)前記(5)で得られた複合化物の質量と前記(8)で得られたカーボンブラックの質量から、プルシアンブルー類似体100質量部に対するカーボンブラックの量を算出し、カーボンブラックの含有量(質量部)とする。
[2]DV50
体積基準の累積粒度分布における50%粒子径(DV50)は、レーザー回折式粒度分布計(マルバーン製マスターサイザー(Mastersizer(登録商標))を用いて測定した。
[3]BET比表面積
BET比表面積は、NOVA−1200(登録商標)を用いて測定した。吸着ガスは窒素である。
<電池評価方法>
[1]電池の作製
[1−1]負極作製
人造黒鉛(昭和電工株式会社製、SCMG(登録商標))89.0g、導電助剤としてのカーボンブラック(IMERYS社製、SUPER C45)6.0g、およびバインダーとしてのカルボキシメチルセルロース(CMC)5.0gに、水を適宜加えながら撹拌・混合し、スラリー状の分散液を作製した。
得られた分散液を厚さ20μmの銅箔上にロールコーターにより塗布し、乾燥させ、その後、ロールプレスにて加圧成形し、電池評価用負極を得た。得られた負極の単位面積当たりの塗布量は2.8mg/cm2であり、電極密度は1.5g/cm3であった。
[1−2]正極作製:
プルシアンブルー類似体とカーボンブラックとを複合化処理して得られた生成物、導電助剤、バインダーおよび溶媒を加え撹拌・混合し、充分な流動性を有する正極用ペーストを作製した。
得られた正極用ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔上にドクターブレードを用いて厚さ300μmで均一となるように塗布し、ホットプレートにて乾燥後、真空乾燥機で90℃、12時間乾燥した。乾燥した電極はロールプレスにより密度を調整し、電池評価用正極を得た。
[1−3]電解液調製:
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比3:7で混合してなる非水溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸カリウム(KPF6)を0.6mol/Lとなるように溶解させ、添加剤としてビニレンカーボネート(VC)を1質量%添加し、電解液を得た。
[1−4]電池作製:
上記負極および正極を長方形に打ち抜いて面積20cm2の負極片および正極片を得た。正極片のアルミニウム箔にアルミニウム製のタブを、負極片の銅箔にニッケル製のタブをそれぞれ取り付けた。ポリプロピレン製フィルム微多孔膜を負極片と正極片との間に挟み入れ、その状態でアルミラミネート外装材にパックし、電解液を注入した。その後、開口部を真空度98%の減圧下で熱融着シールして評価用の電池(設計容量8mAh)を作製した。
[2]電池の評価
[2−1]Cレートの決定
上限電圧を3.8VとしてCC(定電流)−CV(定電圧)モードで、1mA、カットオフ電流値を0.4mAとして充電を行い、ガス抜きを行った。その後、上限電圧を4.2VとしてCC−CVモードで、1mA、カットオフ電流値を0.4mAとして充電し、下限電圧を2.8Vとして、CCモードで1mAの放電を行った。同条件で充放電を繰り返し、3サイクル目の放電容量をセル容量としてCレートを決定した。1Cは8mAであった。
[2−2]初期効率
上記Cレート決定の際のガス抜き前までの充電容量とガス抜き後の4.2Vまでの充電容量の和を初回充電容量として下記式により初期効率を求めた。
初期効率(%)=1サイクル目放電容量/(ガス抜き前充電容量+ガス抜き後充電容量)×100
[2−3]抵抗値測定
3サイクル後、放電状態のセルをHIOKI社製 3560 ACmΩHiTESTERにて抵抗を測定した。
[2−4]DC−IR試験
Cレートの決定の際に得られたセル容量(8mAh)を用いて、満充電状態から5時間、0.1CのCC放電をし、30分間休止後、8mAで5秒間放電を行った。このときの電圧降下量からオームの法則(R=ΔV/0.008)により、電池の内部抵抗(soc=50%時のDC−IR)を求めた。
<実施例1>
イオン交換法によりプルシアンブルー類似体を製造した。具体的には以下の通り。
イオン交換水に窒素を通して酸素を除去した脱気水を得た。塩化マンガン(II)四水和物7.9g、及びクエン酸三ナトリウム二水和物58.8gを脱気水1000mLに溶解させて第一液を得た。フェロシアン化ナトリウム十水和物19.4g、及びクエン酸三ナトリウム二水和物58.8gを脱気水1000mLに溶解させて第二液を得た。
常圧の窒素雰囲気下、第二液を撹拌しながら、第一液を第二液に、室温で、400分間かけて滴下して、プルシアンブルー型錯体の分散液を得た。
このプルシアンブルー型錯体の分散液に、常圧の窒素雰囲気下、3mol/Lの塩化カリウム水溶液1000mLを添加し、室温で6時間撹拌した。
その後、常圧の窒素雰囲気下、室温で、生成物を濾別し、脱気水で洗浄した。次いで、圧力0.3〜0.5kPaの窒素雰囲気下、150℃で15時間乾燥させた。室温まで冷まし、常圧の空気雰囲気中に取り出して、プルシアンブルー類似体の粉末を得た。
示性式はNa0.021.61Mn[Fe(CN)60.92・0.28H2Oで表された。粉末X線回折によって得られた(211)面のピーク強度I211に対する(200)面のピーク強度I200の比I200/I211は1.004であり、DV50は46μmであり、BET比表面積は3.3m2/gであった。
このプルシアンブルー類似体(Na0.021.61Mn[Fe(CN)60.92・0.28H2O)9.8gとカーボンブラック(IMERYS社製、SUPER C45、BET比表面積は45m2/g)0.2gをカッターミル(IKA社製分析ミルA10)に投入し、20秒粉砕処理を行った後、羽根および壁面の粉をかき落として、さらに20秒粉砕処理を行った。前記の粉をかき落として20秒粉砕する処理を計4回繰り返し、複合化物を得た。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は1.7質量部であった。また、複合化物のDV50は14μm、BET比表面積は5.1m2/gであった。
前記複合化物のSEM写真を図1に示す。カーボンブラックがプルシアンブルー類似体の全体にわたって均一に存在していることが分かる。
得られた複合化物4.082g、導電助剤としてのカーボンブラック(IMERYS社製SUPER C45)1.061g、および結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ株式会社製、KFポリマー#9300)0.571gにN−メチル−ピロリドンを適宜加えながら撹拌・混合し、スラリー状の分散液(ペースト)を作製した。
得られたペーストを用いて電池評価用正極を作製した。得られた電極層の単位面積当たりの塗布量は9mg/cm2であり、電極密度は1.4g/cm3であった。
得られた正極を用いて電池を作製し評価した。その結果、電池の抵抗は0.784Ωであり、初期充電容量は14.6mAhであった。放電容量は8.64mAhで、初期効率は59.26%であった。soc.が50%のときのDC−IRは20.36Ωであった。
<比較例1>
プルシアンブルー類似体(K1.7Mn[Fe(CN)60.85・3H2O)19.6gとカーボンブラック(IMERYS社製、SUPER C45、BET比表面積は45m2/g)0.4を卓上型ボールミルV−1M型(ZrO2製、φ15mmボール12個)に投入し、40rpmで10分粉砕処理を行った後、壁面の粉をかき落として、さらに40rpmで30分粉砕処理を行った。その結果、複合化したカーボンブラックの含有量は0質量部であり、複合化できていなかった。
得られた生成物の外観の写真を図2に示す。色は灰緑色であり、ところどころにカーボンブラックが凝集したものと思われる塊が存在しているのが分かった。
実施例1と同様にして電池を作製し評価したところ、電池抵抗は1.643Ωと、実施例1に比べて高かった。初期充電容量は12.8mAhであったが、それに対する放電容量は3.81mAhと小さく、初期効率は29.65%と低かった。またsoc.が50%のときのDC−IRは41.39Ωと高かった。ボールミル処理では、うまく複合化できていないためと考えられる。
<比較例2>
プルシアンブルー類似体(K1.7Mn[Fe(CN)60.85・3H2O)4.000g、導電助剤としてのカーボンブラック(IMERYS社製SUPER C45、BET比表面積は42m2/g)1.143g、および結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ株式会社製、KFポリマー#9300)0.571gにN−メチル−2−ピロリドンを適宜加えながら撹拌・混合し、スラリー状の分散液(ペースト)を作製した。
作製したペーストを用いて電池評価用正極を得た。得られた電極層の単位面積当たりの塗布量は9mg/cm2であり、電極密度は1.4g/cm3であった。
得られた正極を用いて電池を作製し評価した。
本例は複合化の処理を行っていない例である。プルシアンブルー類似体は電子伝導性が低いため、正極に複合化物を用いていない本例の電池は高抵抗であることが予測され、実際に電池抵抗は9.787Ωと非常に高かった。初期充電容量は10.8mAhと小さめであり、それに対する放電容量は2.58mAhと小さかった。初期効率は23.96%と小さかった。soc.が50%のときのDC−IRは34.08Ωと、実施例1に比べて高かった。
<比較例3>
上述のイオン交換法を用いて、Na0.021.61Mn[Fe(CN)60.92・0.28H2Oで示されるプルシアンブルー類似体を合成した。合成は、カーボンブラック(SUPER C45)の存在下に行った。カーボンブラックはそのままでは疎水性が高く、水に分散しないので、分散材としてポリビニルピロリドンと共に加えた。具体的には第二液にポリビニルピロリドン(平均分子量約4万)0.02gを溶解し、カーボンブラック0.2gを加えて均一に分散した以外は実施例1と同じ操作を行った。複合化したカーボンブラックの含有量は0質量部であり、複合化できていなかった。
得られた生成物の外観の写真を図3に示す。色は白っぽい灰緑色であった。
複合化物に代えてこのプルシアンブルー類似体を用いた以外は実施例1と同様にして電池を作製し評価した。電池の抵抗は0.978Ωであり、実施例1に比べるとやや高かった。初期充電容量は11.8mAhであった。それに対する放電容量は4.90mAhで、初期効率は41.42%であった。soc.が50%のときのDC−IRは34.81Ωであった。これらの値は実施例1と比べると悪い。プルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化が十分でないためと考えられる。
Figure 2021104921
<実施例2>
プルシアンブルー類似体を9.9g、カーボンブラックを0.1gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は0.2質量部であった。また、複合化物のDV50は14μm、BET比表面積は4.3m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.756Ωと、実施例1と同等であった。初期充電容量は14.5mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.37mAhで、初期効率は57.77%、soc.が50%でのDC−IRは20.39Ωと、実施例1と同等であった。カーボンブラックの添加量が1質量%の場合でも、十分に性能は良いことが分かった。
<実施例3>
プルシアンブルー類似体を9.7g、カーボンブラックを0.3gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は2.6質量部であった。また、複合化物のDV50は14μm、BET比表面積は5.6m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.769Ωと、実施例1と同等であった。初期充電容量は14.6mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.46mAhで、初期効率は57.96%と、実施例1と同等であった。soc.が50%でのDC−IRは20.55Ωであった。カーボンブラックの添加量が3質量%とした前記複合化物を用いた場合でも、電池の特性が良いことが分かった。
<実施例4>
プルシアンブルー類似体を9.6g、カーボンブラックを0.4gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は3.0質量部であった。また、複合化物のDV50は14μm、BET比表面積は5.8m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.696Ωと、実施例1よりも値は低かった。初期充電容量は14.1mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.06mAhで、初期効率は57.30%、soc.が50%でのDC−IRは20.63Ωと、実施例1と同等であった。カーボンブラックの添加量が4質量%とした前記複合化物を用いた場合でも、電池の特性は良いことが分かった。
<実施例5>
プルシアンブルー類似体を9.5g、カーボンブラックを0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は3.9質量部であった。また、複合化物のDV50は14μm、BET比表面積は6.0m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.675Ωと、実施例1よりも低かった。初期充電容量は14.2mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.26mAhで、初期効率は57.96%、soc.が50%でのDC−IRは20.58Ωと、実施例1と同等であった。カーボンブラックの添加量が4質量%でも、特性は良いことが分かった。
<実施例6>
プルシアンブルー類似体を9.0g、カーボンブラックを1.0gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において複合化したカーボンブラックの含有量は6.7質量部であった。また、複合化物のDV50は13.1μm、BET比表面積は8.5m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.680Ωと、実施例1よりも低かった。初期充電容量は14.3mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.22mAhで、初期効率は57.48%、soc.が50%でのDC−IRは20.67Ωと、実施例1と同等であった。カーボンブラックの添加量が10質量%でも、特性は良いことが分かった。
<実施例7>
プルシアンブルー類似体を9.5g、カーボンブラックとしてIMERYS社製SUPER C65(比表面積は65m2/g)を0.5gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合化処理を行った。得られた複合化物において、複合化したカーボンブラックの含有量は3.7質量部であった。また、複合化物のDV50は14.1μm、BET比表面積は6.6m2/gであった。これを正極活物質として用いた電池を作製し、評価した。
電池の抵抗は0.695Ωと、実施例1よりも低かった。初期充電容量は14.4mAhと、実施例1と同等であり、それに対する放電容量は8.30mAhで、初期効率は57.67%、soc.が50%でのDC−IRは20.48Ωと、実施例1と同等であった。カーボンブラックの添加量が5質量%でも、特性は良いことが分かった。
ここまでの結果を表2にまとめた。
Figure 2021104921

Claims (8)

  1. 下記式
    (A1zA2w1-(z+2w)xMn[Fe(CN)6y・nH2
    (式中、A1はNH4、LiおよびNaからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、A2はMg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、xは1〜2であり、yは0.8〜1であり、nは0〜3であり、zは0〜0.2であり、wは0〜0.1であり、z+2wは0〜0.2である。)
    で示されるプルシアンブルー類似体とカーボンブラックの複合化物であって、複合化されたカーボンブラックの量がプルシアンブルー類似体100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることを特徴とするプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
  2. 前記プルシアンブルー類似体の結晶系が単斜晶系であって、粉末X線回折によって測定されるX線回折スペクトルにおいて、(211)面のピーク強度I211に対する(200)面のピーク強度I200の比I200/I211が0.85以上である請求項1に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
  3. BET比表面積が1m2/g以上10m2/g以下であり、レーザー回折法による体積基準の累積粒度分布における50%粒子径(DV50)が2μm以上50μm以下である請求項1または2に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物。
  4. プルシアンブルー類似体とカーボンブラックを高速粉砕機で混合する工程を含むプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の製造方法。
  5. 前記カーボンブラックのBET比表面積が30m2/g以上90m2/g以下である請求項4に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物、バインダーおよび任意成分としての導電助剤を含む正極用ペースト。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプルシアンブルー類似体−カーボンブラック複合化物を含むカリウムイオン二次電池用正極シート。
  8. 請求項7に記載の正極シートを構成要素として含むカリウムイオン二次電池。
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