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リチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材、その製造方法、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP5831579B2
Japan
Description
translated from
さらに、比表面積の大きな鱗状黒鉛質粒子は、リチウムイオンを吸蔵した状態での熱安定性が低く、リチウムイオン二次電池用負極材として用いた場合、安全性に問題がある。そこで、放電負荷特性、サイクル特性、初回サイクルの不可逆容量を改善できる黒鉛質粒子が要求されている。
しかしながら、単に非配向性黒鉛質粒子表面に低結晶性炭素を被覆しても、低結晶性炭素自体も不可逆容量が大きいため、初回サイクルの不可逆容量が大きいことに起因する初回充放電効率の低下が生ずる。また、低結晶性炭素により粒子が硬くなり、それによりプレス後の電極で剥離が生じやすいという問題が生じ、非配向性黒鉛質粒子の特長が失われ、得られるリチウムイオン二次電池の特性は低下することがわかった。
そこで、本発明者等は、不可逆容量を小さく、プレス後の電極での剥離を回避すべく、また低温充電性能を高めるべく鋭利検討した結果、窒素の存在により、集電体である金属、特にリチウムイオンとの親和性が強くなること、また、非配向性黒鉛質粒子表面に被覆する炭素層の割合、負極材全体の窒素元素濃度を特定の値とすることで、炭素層で被覆された黒鉛質粒子が硬くなりすぎるのを回避できることを見出し、上記問題を解決できる、本発明のリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材に至った。
(1)核となる黒鉛質粒子と、該黒鉛質粒子を被覆する炭素層と、を有する炭素被覆黒鉛負極材であり、
前記核となる黒鉛質粒子は、複数の扁平状粒子が互いに非平行に集合又は結合した構造を有しており、
ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.3以下であり、
X線光電子分光スペクトル(XPS)で測定される炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度が1.5〜10at%であるリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材。
(3)前記炭素被覆黒鉛負極材は、平均粒径が10〜30μm、真比重が2.10以上、窒素ガス吸着による比表面積が0.5〜10m2/g、ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.3以下である上記(1)又は(2)記載のリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材。
前記溶媒を除去して、前記窒素含有高分子化合物に被覆された黒鉛質粒子を作製する工程と、
前記窒素含有高分子化合物に被覆された黒鉛質粒子を焼成して、リチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材を得る工程と、を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材の製造方法。
(6)前記(5)記載のリチウムイオン二次電池用黒鉛負極を用いたリチウムイオン二次電池。
前記核となる黒鉛質粒子は、複数の扁平状粒子が互いに非平行に集合又は結合した構造を有しており、ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.3以下であり、
X線光電子分光スペクトル(XPS)で測定される炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度が1.5〜10at%であることを特徴とする。
また、前記黒鉛質粒子に対する炭素の比率(質量比)は、0.001〜0.02であることが好ましい。
炭素層の炭素の比率は、後に述べる炭素層の前駆体の炭素化率と黒鉛質粒子に被覆した炭素層の前駆体の質量より算出することができる。なお、「炭素層の前駆体」とは、炭素層となる窒素含有高分子化合物のことをさすが、詳細は後述する。
炭素層の前駆体の炭素化率は、以下のようにして測定する。炭素層の前駆体となる窒素含有高分子化合物単独を窒素気流中、20℃/hで900℃まで昇温、1時間保持した場合の炭素化率を測定する。
本発明において、「炭素の比率」とは、炭素層の炭素化された窒素含有高分子化合物の炭素量に対する、黒鉛質粒子の炭素量の質量比率である。
本発明の炭素被覆黒鉛負極材は、表面の窒素元素濃度が1.5〜10at%である。より好ましくは、1.5〜8at%である。炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度が1.5at%未満の場合、炭素層の割合が小さいことになるため、充電初期に負極材表面に発生する被膜(SEI)の影響を大きく受け、充電特性が低下する傾向がある。また、10at%を超える場合は、炭素層の割合が大きすぎることとなるため、初回充放電効率が低下する傾向がある。
炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度測定方法としては、X線光電子分光スペクトル(XPS)を用いて行うことが好ましい。本発明においては、例えば、(株)島津製作所/(株)クレイトスアナリティカル製の「AXIS165」を用いることができる。
また、「複数の扁平状粒子が互いに非平行」とは、それぞれの扁平状粒子の形状において有する扁平した面、換言すれば最も平らに近い面を配向面として、複数の扁平状の一次的な粒子がそれぞれの配向面を一定の方向にそろうことなく集合し、黒鉛質粒子を形成している状態をいう。
また、塊状構造とは、上記のように扁平状粒子が非平行に集合又は結合している構造のことをいう。1つの炭素粒子において、扁平状粒子の集合又は結合する数としては、3個以上であることが好ましい。個々の扁平状粒子の大きさとしては、特に制限はないが、これらが集合又は結合した黒鉛質粒子の平均粒径の2/3以下であることが好ましい。
アスペクト比は、非配向性黒鉛質粒子の長軸方向の長さをA、短軸方向の長さをBとしたとき、A/Bで表される。本発明におけるアスペクト比は、電子顕微鏡で非配向性黒鉛質粒子を拡大し、任意に20個の非配向性黒鉛質粒子を選択し、A/Bを測定し、その平均値をとったものである。
ここで非配向性黒鉛質粒子の長軸と短軸を決定する際は、走査型電子顕微鏡(SEM)で非配向性黒鉛質粒子を拡大し、色々な方向から非配向性黒鉛質粒子を観察して非配向性黒鉛質粒子の三次元的な特徴を考慮した上で非配向性黒鉛質粒子の長軸方向の長さをA、短軸方向の長さをBとを決定する。
例えば、非配向性黒鉛質粒子が球状、球塊状、塊状等の様に近似的に球状をなす場合は、SEM画像で二次元視野内に投影された非配向性黒鉛質粒子について、最も長い部分の長さを長軸Aとし、上記長径に直交する最も長い部分の長さを短軸Bとする。
また、非配向性黒鉛質粒子が、鱗状、板状、ブロック状等のように薄く平たく厚さ方向を有する場合には、短軸Bは粒子の厚みとなる。また、棒状、針状等のような非配向性黒鉛質粒子の場合、長軸Aは非配向性黒鉛質粒子の長さであり、短軸Bは棒状(又は針状等)非配向性黒鉛質粒子の太さとなる。また、例えば、非配向性黒鉛質粒子を機械的な力等を加え形状を変化させたような場合は、色々な方向から非配向性黒鉛質粒子を観察して非配向性黒鉛質粒子の三次元的な特徴を考慮し近似的に非配向性黒鉛質粒子の形状を判断した上で上記のように長軸A及び長軸Bの値を決定する。
即ち、非配向性黒鉛質粒子は、扁平状の黒鉛化可能な骨材又は扁平状の黒鉛と、黒鉛化可能な黒鉛質粒子用バインダの混合物に黒鉛化触媒を添加して混合し、焼成、黒鉛化して黒鉛化物を得、粉砕することにより得られる。
前記黒鉛化可能な骨材としては、フルードコークス、ニードルコークス等の各種コークス類が使用可能である。
また、天然黒鉛や人造黒鉛などの既に黒鉛化されている扁平状の骨材を使用しても良い。
骨材や黒鉛の粒径は、上記黒鉛化物を粉砕した後の粒径よりも小さいことが好ましい。
黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ホウ素等、これらの炭化物、酸化物、窒化物等が使用可能である。
黒鉛化の温度は2000℃以上が好ましく、2500℃以上であることがより好ましく、2800℃以上であることがさらに好ましい。黒鉛化の温度が2000℃未満では、黒鉛の結晶の発達が悪くなると共に、黒鉛化触媒が作製した黒鉛質粒子に残存し易くなり、得られた黒鉛質粒子をリチウムイオン二次電池として用いた際に、充放電容量低下やサイクル特性低下、安全性の低下といった傾向が出る。
平均粒径は、例えば以下のように測定する。(株)島津製作所製のレーザー回折粒度分布装置「SALD−3000」を用い、50%Dでの粒径を平均粒径とする。
非配向性黒鉛質粒子のアスペクト比を5以下とするには、過激な粉砕を行わないようにする等、粉砕法を調整すればよい。
本発明において、非配向性黒鉛質粒子の真比重は、2.2以上が好ましく、ラマンスペクトルピーク比は0.05以下であることが好ましく、窒素元素濃度は0.1at%以下が好ましい。
非配向性黒鉛質粒子の真比重を2.2以上とするには、2000℃以上で熱処理を施せばよい。
また、ラマンスペクトルピーク比を0.05以下とするには、例えば、核となる黒鉛の黒鉛化温度と炭素層の被覆量及び炭素の比率の制御とにより調整すればよい。
窒素元素濃度0.1at%以下とするには、例えば、炭素層の被覆量及び炭素の比率の制御により調整すればよい。
炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度を1.5〜10at%とするには、具体的には、炭素層の炭素の比率及び炭素層の被覆量を調整すればよい。
また、核である非配向性黒鉛質粒子に対する炭素の比率(質量比)が0.001〜0.02とするには、炭素層の前駆体となる窒素含有高分子化合物の炭素化率を考慮し、非配向性黒鉛質粒子に被覆する窒素含有高分子化合物の量を適宜調整すればよい。
が反応し、焼成によって生成する炭素量が変動、また炭素層の多孔質化が進み、負極材としての本発明の特性範囲(炭素被覆黒鉛負極材表面の窒素元素濃度、ラマンスペクトルの強度比R値、炭素層の黒鉛質粒子に対する炭素比率)を逸脱し、所望の特性を発現できなくなる場合がある。
平均粒径の調整は、粉砕機や篩を用いて所望の大きさの粒子を得ればよい。
真比重の測定は、ブタノールピクノメーターを用いたブタノール置換法によって測定できる。
比表面積は液体窒素温度での窒素吸着量を測定し、BET法に従って算出される。炭素被覆黒鉛負極材の比表面積が0.5m2/g未満の場合、黒鉛質粒子の炭素層が一般に過剰であり、初回サイクルの不可逆容量が増加、電極密着性が低下する傾向がある。一方、比表面積が10m2/gを超えることは、炭素層が何らかの原因で多孔質化した場合に見られ、これは炭素層の結晶性が低下することとなるため初回サイクルの不可逆容量が増加する傾向があり、好ましくない。
波長5145Åのアルゴンレーザー光を用いて測定されたラマンスペクトル中、1580〜1620cm−1の範囲のピークIGは高結晶性炭素、1350〜1370cm−1の範囲のピークIDは低結晶性炭素に対応する。
前記R値の測定は、例えば日本分光(株)製の「NRS−2100」を用い、アルゴンレーザー出力10mW、分光器Fシグナル、入射スリット幅800μm、積算回数2回、露光時間30秒にてIG、IDの測定を行い、算出する。
R値を0.3以下とするには、黒鉛質粒子の炭素層の、黒鉛質粒子に対する炭素の比率(質量比)が0.001〜0.02となるようにすればよい。
次に、リチウムイオン二次電池負極について説明する。本発明の炭素被覆黒鉛負極材は、一般に、有機系結着剤及び溶媒等と混練して、シート状、ペレット状等の形状に成形される。
有機系結着剤の含有量は、負極材と有機系結着剤等との原料混合物100質量部に対して1〜20質量部含有することが好ましい。
有機系結着剤の混合に使用する溶剤としては特に制限はないが、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン等が用いられる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極の好ましい電極密度は、1.6〜1.9g/cm3であり、より好ましくは1.65〜1.85/cm3である。
集電体としては、例えばニッケル、銅等の箔、メッシュ等が使用できる。一体化は、例えばロール、プレス等の成形法で行うことができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、従来の炭素材料を負極に用いたリチウムイオン二次電池と比較して、急速充放電特性、サイクル特性、充電特性に優れ、不可逆容量が小さく、安全性に優れたものとなる。
正極は、上記の正極活物質と、負極で用いる有機系結着剤と同じポリ弗化ビニリデン等の有機系結着剤と、同じく負極で用いられる溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチルラクトン等の溶媒と、を混合して正極スラリーを調製し、この正極スラリーをアルミニウム箔等の集電体の少なくとも1面に塗布し、次いで溶媒を乾燥除去し、必要に応じて圧延して作製することができる。
(黒鉛質粒子の作製)
黒鉛質粒子の骨材として平均粒径が5μmのコークス粉末100質量部、黒鉛質粒子用バインダとしてタールピッチ40質量部及びコールタール20質量部、黒鉛化触媒として平均粒径が48μmの炭化珪素25質量部を混合し、270℃で1時間混合した。
(3)比表面積:maicromeritics社製、ASAP 2010を用い、液体窒素温度での窒素吸着を多点法で測定、BET法に従って算出した。
(5)アスペクト比:走査型電子顕微鏡(SEM)で黒鉛質粒子を拡大した画像を得、任意に20個の黒鉛質粒子を選択し、A/Bを測定し、その平均値をとった。
まず、ポリアクリロニトリルを以下の方法で合成した。
攪拌機、温度計、冷却管を装着した1.0リットルのセパラブルフラスコ内に、窒素雰囲気下、ニトリル基含有単量体のアクリロニトリル(和光純薬工業株式会社製)45.0g、ラウリルアクリレート(Aldrich社製)5.0g(アクリロニトリル1モルに対して0.0232モルの割合)、重合開始剤の過硫酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)1.175mg、連鎖移動剤のα−メチルスチレンダイマー(和光純薬工業株式会社製)135mg、精製水(和光純薬工業株式会社製)450mlを加えて反応液を調製した。反応液を激しく攪拌しながら、60℃で3時間、80℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、反応液を吸引ろ過し、析出した樹脂をろ別した。ろ別した樹脂を精製水(和光純薬工業株式会社製)300ml、アセトン(和光純薬工業株式会社製)300mlで順に洗浄した。洗浄した樹脂を60℃/1torrの真空管乾燥機で24時間乾燥して、ポリアクリロニトリルを得た。
上記で得られたポリアクリロニトリル10gを溶解したN−メチル−2−ピロリドン溶液900gを凝縮器を取り付けたフラスコに入れ、これに表1に示した黒鉛質粒子500gを添加した。攪拌しながらオイルバスにて200℃に加熱し、1時間、混合した。
なお、核としての黒鉛質粒子に対する炭素層の炭素比率を求めるために、ポリアクリロニトリル単独を窒素気流中、20℃/hで900℃まで昇温、1時間保持した場合の炭素化率を測定した。炭素化率は52%であった。この値及びポリアクリロニトリル被覆量より炭素層の黒鉛質粒子に対する炭素比率を計算したところ、0.01であった。
炭素被覆黒鉛負極材1の平均粒径、真比重、比表面積、R値(ラマンスペクトルピーク比)、窒素元素濃度を上記の黒鉛質粒子と同様に測定した。その結果を表2に示す。
ポリイミド(日立化成工業(株)製の商品名「HCI−7000」)10gを溶解したN−メチル−2−ピロリドン溶液900gを凝縮器を取り付けたフラスコに入れ、これに表1に示した黒鉛質粒子500gを添加した。攪拌しながらオイルバスにて200℃に加熱し、1時間、混合した。
次に、得られた炭素被覆黒鉛質粒子をカッターミルで解砕、250meshの標準篩を通し、炭素被覆黒鉛負極材2とした。
炭素被覆黒鉛負極材2の平均粒径、真比重、比表面積、R値(ラマンスペクトルピーク比)、窒素元素濃度を上記の黒鉛質粒子と同様に測定した。その結果を表2に示す。
比較例1として、炭素被覆黒鉛負極材の代わりに表1に示した黒鉛質粒子を負極材1aとした。
負極材1aの平均粒径、真比重、比表面積、R値(ラマンスペクトルピーク比)、窒素元素濃度を上記の黒鉛質粒子と同様に測定した。その結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例2として、炭素層の前駆体としてポリアクリロニトリル10gの代わりにコールタールピッチ添加量を10gとし、溶媒をテトラヒドロフランに変えた以外は、実施例1と同様にして負極材2aを作製した。
核としての黒鉛質粒子に対する炭素層の炭素比率を求めるために、コールタールピッチ単独を窒素気流中、20℃/hで900℃まで昇温、1時間保持した場合の炭素化率を測定した。炭素化率は54%であった。この値及びコールタールピッチ被覆量より炭素層の黒鉛質粒子に対する炭素比率を計算したところ、0.01であった。
負極材2aの平均粒径、真比重、比表面積、R値(ラマンスペクトルピーク比)、窒素元素濃度を上記の黒鉛質粒子と同様に測定した。その結果を表2に示す。
(比較例3)
比較例3として、炭素層の前駆体としてポリイミド10gの代わりにコールタールピッチ添加量を10gとし、溶媒をテトラヒドロフランに変えた以外は、実施例2と同様にして負極材3aを作製した。
黒鉛質粒子に対する炭素層の炭素比率を求めるために、コールタールピッチ単独を窒素気流中、20℃/hで900℃まで昇温、1時間保持した場合の炭素化率を測定した。炭素化率は52%であった。この値及びコールタールピッチ被覆量より炭素層の黒鉛質粒子に対する炭素比率を計算したところ、0.01であった。
負極材3aの平均粒径、真比重、比表面積、R値(ラマンスペクトルピーク比)、窒素元素濃度を上記の黒鉛質粒子と同様に測定した。その結果を表2に示す。
上記で得られた負極材1、2及び1a〜3aを以下の方法で評価した。
(1)負極材スラリーの調製
実施例1、2及び比較例1〜3で得られた各負極材1、2、1a〜3a98質量部に対し、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC2200)1質量部をイオン交換水222質量部で混ぜ合わせ、さらに有機系結着剤としてスチレン−ブタジエン−ラバー(日本ゼオン株式会社製の「BM−400B」)1質量部を加えて各負極材スラリーを調製した。
上記のように調製した各負極材スラリーを、圧延銅箔(厚さ11μm)上に連続塗布し、大気中130℃の乾燥帯中を15cm/分の速度で乾燥させた後、120℃の乾燥機で1時間乾燥した。
次に、ロールプレスを用いて電極の密度が1.75g/cm3となるように調整し、直径14mm(φ)の円形に打ち抜き、実施例1、2及び比較例1〜3の各負極を得た。
得られた各負極について、対極にリチウム金属、電解液に1M LiPF6/エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート(3:7体積比)、セパレータに厚さ25μmのポリエチレン製微孔膜、スペーサーとして厚さの適した銅板を用いて2016型コインセルを作製した。
<充放電容量及び初回充放電効率の評価>
充放電試験方法は、始めに0.434mA/cm2の定電流密度で電池電圧が0Vになるまで充電を行った後、0Vの定電圧で電流密度が0.043mA/cm2に減衰するまでさらに充電した。充電後、30分間の休止を入れた後放電を行った。放電は0.433mA/cm2の定電流密度で電池電圧が1.5Vに達するまで行った。
充電負荷特性は、0.434mA/cm2の定電流から4.34mA/cm2に増加させた時の定電流充電容量の比率((4.3mA/cm2の定電流充電容量)/(0.434mA/cm2の定電流充電容量)×100)として算出した。
低温充電特性は、0.434mA/cm2の定電流において25℃充電時の定電流充電容量と0℃充電時の定電流充電容量の比率((0℃の定電流充電容量)/(25℃の定電流充電容量)×100)として算出した。
各負極の特性を表3に示す。
Claims (5)
Hide Dependent
translated from
- 核となる黒鉛質粒子と、該黒鉛質粒子を被覆する炭素層と、を有する炭素被覆黒鉛負極材であり、
前記黒鉛質粒子は、複数の扁平状粒子が互いに非平行に集合又は結合した構造を有しており、
前記炭素層は、窒素含有高分子化合物の炭素化物であり、
ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)との強度比であるR値(ID/IG)が0.3以下であり、
X線光電子分光スペクトル(XPS)で測定される窒素元素濃度が1.5〜10at%である、リチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材。 - 前記黒鉛質粒子に対する炭素の比率(質量比)が、0.001〜0.02である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材。
- 平均粒径が10〜30μm、真比重が2.10以上、且つ、窒素ガス吸着による比表面積が0.5〜10m2/gである、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池用炭素被覆黒鉛負極材。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用黒鉛負極材を用いたリチウムイオン二次電池用黒鉛負極。
- 請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用黒鉛負極を用いたリチウムイオン二次電池。