JP2020119867A - リチウム二次電池用非水電解液 - Google Patents
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Abstract
Description
このような構成の非水電解液をリチウム二次電池に用いることにより、リチウム二次電池の抵抗を低減することができる。
このような構成によれば、リチウム二次電池の抵抗低減効果が特に高い。
ここに開示されるリチウム二次電池用非水電解液の好ましい一態様においては、前記リチウム二次電池用非水電解液が、電解質塩として、LiPF6およびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有する。
このような構成によれば、リチウム二次電池の抵抗低減効果がさらに高くなる。
上記好ましい一態様においては、より好ましくは、前記電解質塩中のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの含有量が、16.6モル%以上である。
このような構成によれば、リチウム二次電池の抵抗低減効果が顕著に高くなる。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本発明者らが鋭意検討した結果、四ホウ酸リチウムと、ジフルオロリン酸塩とを組み合わせて添加剤として用いることにより、後述の実施例および比較例の結果が示すように、四ホウ酸リチウム単独によって得られる低抵抗化効果と、ジフルオロリン酸塩単独によって得られる低抵抗化効果との足し合わせを超える低抵抗化効果が得られることを見出した。すなわち、四ホウ酸リチウムとジフルオロリン酸塩との組み合わせには、低抵抗化において相乗効果があることを見出した。
非水溶媒としては、リチウムイオン二次電池用非水電解液に用いられている公知の非水溶媒を特に制限なく用いることができ、具体的に例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等を用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましい。カーボネート類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、電解質塩としてLiPF6とLiFSIとを組み合わせて用いることで、より高い抵抗低減効果が得られる理由は、LiFSIの一部が被膜に取り込まれることによって、さらに被膜が改質されるためであると考えられる。
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、30:70の体積比で含有する混合溶媒を準備した。この混合溶媒に、表1に示す電解質塩を表1に示す濃度で添加すると共に、表1に示す添加剤(I)および添加剤(II)をそれぞれ表1に示す含有量で添加することにより、各実施例および各比較例の非水電解液を調製した。
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔に塗布して乾燥した後、正極活物質層の密度が2.3g/cm3になるまでロールプレスすることにより、正極シートを作製した。
負極活物質として、平均粒子径(D50)10μm、比表面積4.8m2/g、C0=0.67nm、Lc=27nmの天然黒鉛系材料を準備した。この天然黒鉛系材料(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔に塗布して乾燥した後、ロールプレスすることにより、負極シートを作製した。
また、セパレータシートとして、PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシートを用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
作製した電極体に集電体を取り付け、これを、各実施例および各比較例の非水電解液と共にラミネートケースに収容した。ラミネートケースを封止することにより、評価用リチウム二次電池を得た。
上記作製した各リチウム二次電池を25℃の環境下に置いた。各リチウム二次電池に対し、1/3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電した後、10分間休止し、次いで1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した後、10分間休止することにより、コンディショニング処理を施した。
コンディショニングした各リチウム二次電池を、SOC60%に調整した。これを25℃の温度環境下に置き、10秒間充電した。充電電流レートは1C、3C、5C、10Cとし、各電流レートで充電した後の電圧を測定した。電流レートおよび電圧変化量よりIV抵抗を算出し、その平均値を初期電池抵抗とした。比較例1のリチウム二次電池の初期抵抗を「1.00」とした場合のその他の電池の初期抵抗の比を算出した。結果を表1に示す。
コンディショニングした各リチウム二次電池を、25℃の環境下においた。これを1/5Cの電流値で4.1Vまで定電流−定電圧充電(カット電流:1/50C)し、10分間休止した後、1/5Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
続いて、各リチウム二次電池を70℃の環境下に置いた。4.1Vまで2Cで定電流充電および3.0Vまで2Cで定電流放電を1サイクルとする充放電を200サイクル繰り返した。その後上記と同じ方法で放電容量を測定し、このときの放電容量を、200サイクル充放電後の電池容量として求めた。容量劣化の指標として、(200サイクル充放電後の電池容量/初期容量)で表される容量比を求めた。結果を表1に示す。なお、この容量比が大きいほど、容量劣化耐性に優れる。
また、上記と同じ方法で電池抵抗を測定し、このときの電池抵抗を、200サイクル充放電後の電池抵抗として求めた。抵抗増加の指標として、(200サイクル充放電後の電池抵抗/初期抵抗)で表される抵抗比を求めた。結果を表1に示す。なお、この抵抗比が小さいほど、抵抗増加抑制性能に優れる。
実施例5および6の結果より、ジフルオロリン酸塩の添加量を変化させても初期抵抗および高温サイクル特性の改善効果が得られることがわかる。
実施例7および8の結果より、ジフルオロリン酸塩のカチオン種を変更した場合でも初期抵抗および高温サイクル特性の改善効果が得られることがわかる。このことから、ジフルオロリン酸塩の効果は、ジフルオロリン酸アニオンによるものであり、カチオン種によらず効果が得られるものと考えられる。
以上のことから、本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液によれば、リチウム二次電池の抵抗を低減可能であることがわかる。また、高温サイクル特性を改善可能であることがわかる。
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウム二次電池
Claims (4)
- 第1の添加剤として四ホウ酸リチウムと、
第2の添加剤としてジフルオロリン酸塩と、
を含有することを特徴とするリチウム二次電池用非水電解液。 - 前記非水電解液中の四ホウ酸リチウムの含有量が、0.05質量%以上1.0質量%以下である、請求項1に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- 電解質塩として、LiPF6およびリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドを含有する、請求項1または2に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
- 前記電解質塩中のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの含有量が、16.6モル%以上である、請求項3に記載のリチウム二次電池用非水電解液。
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