JP2023144415A - 非水電解液、およびこれを備える非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池に優れた初期出力特性および優れた高温保存特性を共に付与できる非水電解液を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、下記式(I)で表される化合物と、を含有する(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基、炭素数3~6の第2級アルキル基、または炭素数4~6の第3級アルキル基を示す)。【化1】TIFF2023144415000014.tif26170【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液に関する。本発明はまた、当該非水電解液を備える非水電解液二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液二次電池はその普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。非水電解液二次電池の高性能化の方策の一つとして、添加剤による非水電解液の改良が挙げられる。例えば、特許文献1には、電極上の被膜形成に寄与する添加剤として硫酸エステル化合物を非水電解液に添加することにより、高温環境下で使用された電池の低温における内部抵抗の増大を大幅に抑制できることが記載されている。
特開2012-9370号公報
非水電解液二次電池の特性への高まる要求に対し、初期出力特性(すなわち、低抵抗)と耐久性(すなわち、容量低下と抵抗増加の抑制)とを高いレベルで両立させることは容易ではない。特に、被膜形成成分となる添加剤によって非水電解液を改良する場合、被膜が絶縁体であるために、被膜によって耐久性を高めると、抵抗が高くなり易い。また、耐久性に関しても、容量低下を起こす要因と抵抗増加を起こす要因とは異なる。本発明者らが、鋭意検討した結果、従来技術の非水電解液を備える非水電解液二次電池においては、初期出力特性と高温保存特性とを高いレベルで両立させることができないという問題があることを見出した。
そこで本発明は、二次電池に優れた初期出力特性および優れた高温保存特性を共に付与できる非水電解液を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、下記式(I)で表される化合物と、を含有する。
Figure 2023144415000002
式中、RおよびRは、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基、炭素数3~6の第2級アルキル基、または炭素数4~6の第3級アルキル基を示す。
このような構成によれば、二次電池に優れた初期出力特性および優れた高温保存特性を共に付与できる非水電解液を提供することができる。初期出力特性向上効果および高温保存特性向上効果は、前記式(I)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上3.0質量%以下である場合に、特に高くなる。
ここに開示される非水電解液の好ましい一態様においては、上記非水電解液が、下記式(II)で表される化合物をさらに含有する。
Figure 2023144415000003
式中、Xはハロゲン原子を表し、M はアルカリ金属イオンを表し、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。
このような構成によれば、非水電解液二次電池の高温保存特性(特に、高温保存時の容量低下耐性)がより向上する。また、非水電解液二次電池の初期出力特性もより向上し得る。上記式(II)で表される化合物による効果は、非水電解液中の上記式(II)で表される化合物の含有量が、0.1質量%以上1.0質量%以下である場合に、特に高くなる。
ここに開示される非水電解液の好ましい一態様においては、上記非水電解液が、上記式(II)で表される化合物と、下記式(III)で表される化合物とをさらに含有する。
Figure 2023144415000004
式中、M はアルカリ金属イオンを表す。
このような構成によれば、初期出力特性向上効果がさらに高くなり、高温保存特性(特に、高温保存時の抵抗増加抑制性能)もさらに向上する。上記式(II)で表される化合物と上記式(III)で表される化合物との併用による効果は、上記式(III)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上2.0質量%以下である場合に、特に高くなる。
別の側面から、ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と、負極と、上記の非水電解液と、を備える。このような構成によれば、優れた初期出力特性および優れた高温保存特性を共に有する非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本実施形態に係る非水電解液は、電解質塩と、非水溶媒と、下記式(I)で表される化合物と、を必須成分として含有する。
Figure 2023144415000005
式中、RおよびRは、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基、炭素数3~6の第2級アルキル基、または炭素数4~6の第3級アルキル基を示す。
電解質塩には、非水電解液二次電池(特に、リチウムイオン二次電池)の電解質塩として用いられている公知のものを特に制限なく用いることができる。電解質塩は、好適には、フッ素原子を含むリチウム塩である。当該リチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等が挙げられる。なかでも、LiPFが好ましい。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、電解質塩の種類によって適宜決定してよい。非水電解液中の電解質塩の濃度は、典型的には0.5mol/L以上5mol/L以下であり、好ましくは0.7mol/L以上2.5mol/L以下である。
非水溶媒は、上記の電解質塩を溶解する。非水溶媒の種類は、上記の電解質塩を溶解可能な限り特に制限はない。非水溶媒の例としては、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類等が挙げられ、なかでも、カーボネート類が好ましい。
カーボネート類の例としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート;エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネートなどが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、鎖状カーボネートと環状カーボネートとを組合わせて用いることが好ましい。
カーボネート類として好ましくは、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびエチレンカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくは、エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートの一方または両方との組み合わせである。
上記式(I)で表される化合物(以下、「硫酸エステル化合物(I)」ともいう)は、被膜形成成分として機能する。本実施形態で用いられる硫酸エステル化合物(I)においては、メチレン基(-CH-)を介して、RおよびRがSO部位の酸素原子と結合している。RおよびRは、トリフルオロメチル基、炭素数3~6の第2級アルキル基、または炭素数3~6の第3級アルキル基であるため、立体的に嵩高いアルキル基である。
一般に、硫酸エステル系化合物を含む非水電解液では、電池内部での加水分解等によって、硫酸アニオンが生成し、これが被膜形成に寄与する。ここで、硫酸エステル系化合物が加水分解し易いと、非水電解液中での安定性が低くなるため、電極界面で効率よく硫酸アニオンを生成することができない。また、被膜は、基本的に絶縁体であるために、電池の初期抵抗を増加させやすい。
本実施形態に用いられる硫酸エステル化合物(I)では、嵩高いアルキル基がメチレン基を介して、SO部位の酸素原子と結合している。この嵩高いアルキル基が保護基として機能して、硫酸エステル化合物(I)の加水分解を抑制し、その結果、電極界面で効率よく硫酸アニオン類が生成して被膜を改質することができる。すなわち、被膜を低抵抗化することができ、また、活性の高い電極と非水電解液との余分な副反応を抑制することができる。したがって、非水電解液二次電池の初期出力特性と高温保存特性とを、共に向上させることができる。
およびRで表される炭素数3~6の第2級アルキル基の例としては、イソプロピル基、sec-ブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、1-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
およびRで表される炭素数4~6の第3級アルキル基の例としては、tert-ブチル基、1,1-ジメチルプロピル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基等が挙げられる。
およびRとして好ましくは、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基である。
非水電解液中の硫酸エステル化合物(I)の含有量は、特に限定されない。しかしながら、非水電解液中の硫酸エステル化合物(I)の含有量が少な過ぎると、初期出力特性向上効果および高温保存特性向上効果が小さくなる。したがって、非水電解液中の硫酸エステル化合物(I)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。一方、非水電解液中の硫酸エステル化合物(I)の含有量が多過ぎると、高温保存特性向上効果が小さくなる。このため、水電解液中の硫酸エステル化合物(I)の含有量は、好ましくは3.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以下であり、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
本実施形態に係る非水電解液は、下記式(II)で表される化合物(以下、「オキサラトボレート化合物(II)」ともいう)をさらに含有していてもよい。
Figure 2023144415000006
式中、Xはハロゲン原子を表し、M はアルカリ金属イオンを表し、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。
オキサラトボレート化合物(II)もまた、被膜形成に寄与する成分である。本実施形態に係る非水電解液がオキサラトボレート化合物(II)を含有することにより、高温保存特性(特に、高温保存時の容量低下耐性)がより向上する。また、初期出力特性もより向上し得る。これは、硫酸エステル化合物(I)から生成した硫酸アニオン、およびオキサラトボレート化合物(II)の分解物に由来する複合被膜が形成され、被膜をさらに改質できるためと考えられる。
上記式(II)において、Xで表されるハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでも、フッ素原子が好ましい。
上記式(II)において、M で表されるアルカリ金属イオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。なかでも、リチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、リチウムイオンが特に好ましい。
オキサラトボレート化合物(II)として、上記式(II)の範囲内の化合物を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。オキサラトボレート化合物(II)として、特に好ましくは、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)、およびリチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート(LiDFOB)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。高温保存時のより高度な抵抗増加抑制の観点からは、LiBOBがより好ましい。より高い初期出力特性の観点からは、LiDFOBがより好ましい。
非水電解液中のオキサラトボレート化合物(II)の含有量は、特に限定されない。しかしながら、オキサラトボレート化合物(II)の含有量が少な過ぎると、さらなる高温保存特性向上効果が小さくなる。そのため、オキサラトボレート化合物(II)の含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましい。一方、オキサラトボレート化合物(I)の含有量が多過ぎると、さらなる初期出力特性向上効果が得られなくなる。そのため、オキサラトボレート化合物(II)の含有量は、1.0質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係る非水電解液は、下記式(III)で表される化合物(以下、「ジフルオロリン酸塩(III)」ともいう)をさらに含有していてもよい。
Figure 2023144415000007
式中、M はアルカリ金属イオンを表す。
本実施形態に係る非水電解液が、オキサラトボレート化合物(II)に加えて、ジフルオロリン酸塩(III)を含有する場合には、初期出力特性向上効果がさらに高くなり、高温保存特性(特に、高温保存時の抵抗増加抑制性能)もさらに向上する。これは、硫酸エステル化合物(I)から生成した硫酸アニオン、オキサラトボレート化合物(II)の分解物、およびジフルオロリン酸塩(III)から生成したリン酸アニオン類に由来する複合被膜が形成され、被膜をさらにいっそう改質できるためと考えられる。
なお、本実施形態に係る非水電解液は、オキサラトボレート化合物(II)を用いずに、硫酸エステル化合物(I)とジフルオロリン酸塩(III)とを組合わせる形態であってもよい。ジフルオロリン酸塩(III)としては、上記式(III)の範囲内の化合物を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記式(III)において、M で表されるアルカリ金属イオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等が挙げられる。なかでも、リチウムイオン、ナトリウムイオンが好ましく、リチウムイオンが特に好ましい。
非水電解液中のジフルオロリン酸塩(III)の含有量は、特に限定されない。しかしながら、ジフルオロリン酸塩(III)の含有量が少な過ぎると、高温保存時の抵抗増加抑制効果が小さくなる。そのため、ジフルオロリン酸塩(III)の含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましい。一方、ジフルオロリン酸塩(III)の含有量は、3.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以下がより好ましい。ジフルオロリン酸塩(III)の含有量が、1.0質量%以上2.0質量%以下である場合には、非水電解液二次電池において、初期出力特性および高温保存特性を特に高いレベルで両立させることができる。
なお、本実施形態に係る非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、その他の添加剤(例、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、1,3-プロパンスルトン(PS)等の正負極被膜形成剤;ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、t-ブチルベンゼン、t-アミルベンゼン等の過充電防止剤など)をさらに含んでいてもよい。
本実施形態に係る非水電解液は、公知方法に従い、非水電解液二次電池に用いることができる。よって、非水電解液は、典型的には、非水電解液二次電池用の非水電解液であり、好適には、リチウムイオン二次電池用の非水電解液である。本実施形態に係る非水電解液によれば、非水電解液二次電池において、初期出力特性および高温保存特性を高いレベルで両立させることができる。
そこで、別の側面から、本実施形態に係る非水電解液二次電池は、正極と、負極と、上記の非水電解液と、を備える。
本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成例として、上記の非水電解液を備えるリチウムイオン二次電池の概略を以下、図面を参照しながら説明する。以下説明するリチウムイオン二次電池は、あくまで例示であり、本実施形態に係る非水電解液二次電池をなんら限定するものではない。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。正極集電体52としては、アルミニウム箔が好ましい。
正極集電体52の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の正極活物質を用いてよい。具体的に例えば、正極活物質として、リチウム複合酸化物、リチウム遷移金属リン酸化合物等を用いることができる。正極活物質の結晶構造は、特に限定されず、層状構造、スピネル構造、オリビン構造等であってよい。
リチウム複合酸化物としては、遷移金属元素として、Ni、Co、Mnのうちの少なくとも1種を含むリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく、その具体例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等が挙げられる。これらの正極活物質は、1種単独で用いてよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本明細書において「リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物」とは、Li、Ni、Co、Mn、Oを構成元素とする酸化物の他に、それら以外の1種または2種以上の添加的な元素を含んだ酸化物をも包含する用語である。かかる添加的な元素の例としては、Mg、Ca、Al、Ti、V、Cr、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等の遷移金属元素や典型金属元素等が挙げられる。また、添加的な元素は、B、C、Si、P等の半金属元素や、S、F、Cl、Br、I等の非金属元素であってもよい。このことは、上記したリチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム系複合酸化物、リチウム鉄ニッケルマンガン系複合酸化物等についても同様である。
リチウム遷移金属リン酸化合物としては、例えば、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸マンガン鉄リチウム等が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムニッケルコバルトマンガン系複合酸化物が特に好ましい。
正極活物質の平均粒子径(メジアン径:D50)は、特に限定されないが、例えば、0.05μm以上25μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは3μm以上15μm以下である。なお、正極活物質の平均粒子径(D50)は、例えば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
正極活物質層54は、正極活物質以外の成分、例えば、リン酸三リチウム、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイトなど)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54中の正極活物質の含有量(すなわち、正極活物質層54の全質量に対する正極活物質の含有量)は、特に限定されないが、70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上97質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上96質量%以下である。正極活物質層54中のリン酸三リチウムの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上12質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上13質量%以下がより好ましい。正極活物質層54中のバインダの含有量は、特に制限はないが、1質量%以上15質量%以下が好ましく、1.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
正極活物質層54の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下であり、好ましくは20μm以上200μm以下である。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、リチウムイオン二次電池に用いられる公知の負極集電体を用いてよく、その例としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)製のシートまたは箔が挙げられる。負極集電体62としては、銅箔が好ましい。
負極集電体62の寸法は特に限定されず、電池設計に応じて適宜決定すればよい。負極集電体62として銅箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
負極活物質層64は負極活物質を含有する。当該負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。
負極活物質の平均粒子径(メジアン径:D50)は、特に限定されないが、例えば、0.1μm以上50μm以下であり、好ましくは1μm以上25μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下である。なお、負極活物質の平均粒子径(D50)は、例えば、レーザ回折散乱法により求めることができる。
負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層64中の負極活物質の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上99質量%以下がより好ましい。負極活物質層64中のバインダの含有量は、0.1質量%以上8質量%以下が好ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより好ましい。負極活物質層64中の増粘剤の含有量は、0.3質量%以上3質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
負極活物質層64の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下であり、好ましくは20μm以上200μm以下である。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から構成される多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
セパレータ70の厚みは特に限定されないが、例えば5μm以上50μm以下であり、好ましくは10μm以上30μm以下である。セパレータ70のガーレー試験法によって得られる透気度は特に限定されないが、好ましくは350秒/100cc以下である。
非水電解液80には、上述の本実施形態に係る非水電解液が用いられる。なお、図1は、電池ケース30内に注入される非水電解液80の量を厳密に示すものではない。
以上のように構成されるリチウムイオン二次電池100は、初期抵抗が小さく、よって初期出力特性に優れている。また、リチウムイオン二次電池100は、高温下に保存した際の抵抗増加と容量低下とが抑制されている。すなわち、リチウムイオン二次電池100は、高温保存特性に優れている。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(BEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示される非水電解質二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解質二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネートケース型リチウムイオン二次電池、コイン型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液二次電池は、公知方法に準じて、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔試験例1:実施例1-1~1-5および比較例1-1~1-4〕
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、LiPFを1.0mol/L(1.0M)の濃度で溶解させた。これに、表1に示す硫酸エステル化合物を、表1に示す含有量(質量%)となるように添加して、各実施例および各比較例の非水電解液を得た。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、NCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN-メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔に塗布して乾燥することにより、正極シートを作製した。
負極活物質として、平均粒子径20μmの天然黒鉛系炭素材(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔に塗布して乾燥することにより、負極シートを作製した。
また、セパレータとして、ガーレー試験法によって得られる透気度が300秒/100ccの、PP/PE/PPの三層構造を有するポリオレフィン多孔質膜を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータを介して対向させて電極体を作製した。作製した電極体に集電端子を取り付け、各実施例および各比較例の非水電解液と共にラミネートケースに収容し、封止した。このようにして、各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<活性化処理>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を、25℃の恒温槽内に置いた。各評価用リチウムイオン二次電池を、0.3Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した。その後、0.3Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。この充放電を3回繰り返すことで、活性化処理を行った。
<初期特性評価>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を、0.2Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行う定電流-定電圧充電により、満充電状態にした。その後、0.2Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、初期容量とした。
また、上記の初期容量をSOC100%として、25℃の恒温槽中にて0.3Cの電流値で充電深度(SOC)が30%になるまで各評価用リチウムイオン二次電池を充電した。次いで、25℃の恒温槽中にて、5C、15C、30C、および45Cの電流値で10秒間放電を行い、各電流値で放電した後の電池電圧を測定した。各電流値と各電池電圧とをプロットして放電時におけるI-V特性を求め、得られた直線の傾きから放電時におけるIV抵抗(Ω)を初期抵抗として求めた。比較例1の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗を100とした場合の比較例1の評価用リチウムイオン二次電池に対するその他の評価用リチウムイオン二次電池の初期抵抗の比を求めた。結果を表1に示す。
<高温保存特性評価>
上記活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を、0.3Cの電流値でSOC100%になるまで充電した。この各評価用リチウムイオン二次電池を75℃に設定した恒温層内に置き、1か月間保存した。その後、上記と同じ方法により、残存容量およびIV抵抗を測定した。式:(高温保存後の電池容量/初期容量)×100より、高温保存後残存容量(%)を求めた。また、式:(高温保存後の電池抵抗/初期抵抗-1)×100より、高温保存後抵抗変化(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2023144415000008
比較例1-1とその他の試験例との比較より、硫酸エステルを添加剤に用いることにより、高温保存特性が向上することがわかる。これは、電極上に、硫酸エステル由来の被膜が形成されるためである。しかしながら、比較例1-2~1-4では、硫酸エステル由来の被膜によって、初期抵抗が高くなった。一方、実施例1-1~1-5では、初期抵抗が小さくなった。さらに、硫酸エステルを同量用いている実施例1-1~1-3と比較例1-2~1-4との比較より、実施例1-1~1-3の方が、高温保存特性がより向上していることがわかる。
実施例1-1~1-5において用いられた硫酸エステルのアルキル基においては、メチレン基(-CH-)に、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、またはtert-ブチル基という嵩高い基が結合している。よって、嵩高いアルキル基がメチレン基を介して、SO部位の酸素原子と結合している構造を有する硫酸エステルによれば、電極上に形成される被膜を改質することができ、初期抵抗低減(すなわち、初期出力特性向上)および高温保存特性の向上を同時に達成できることがわかる。
したがって、ここに開示される非水電解液二次電池によれば、二次電池に優れた初期出力特性および優れた高温保存特性を共に付与できることがわかる。
〔試験例2:実施例2-1~2-3〕
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、LiPFを1.0mol/L(1.0M)の濃度で溶解させた。これに、表2に示す硫酸エステル化合物を、表2に示す濃度(質量%)となるように添加すると共に、表2に示すオキサラトボレート化合物を、表2に示す含有量(質量%)となるように添加して、各実施例および各比較例の非水電解液を得た。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
上記で得た各実施例および各比較例の非水電解液を用いて、試験例1と同じ方法により、各評価用リチウムイオン二次電池の作製、活性化および評価を行った。評価結果を、比較例1-1および実施例1-1の結果と共に表2に示す。
Figure 2023144415000009
表2の結果より、特定の硫酸エステル化合物と、オキサラトボレート化合物とを併用することにより、高温保存特性(特に、高温保存時の容量低下耐性)がより向上することがわかる。また、オキサラトボレート化合物の含有量が少ない領域では、初期出力特性もより向上することがわかる。
〔試験例3:実施例3-1~3-12および比較例3-1~3-3〕
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、LiPFを1.0mol/L(1.0M)の濃度で溶解させた。これに、表3に示す硫酸エステル化合物を、表3に示す濃度(質量%)となるように添加すると共に、表3に示すオキサラトボレート化合物およびジフルオロリン酸塩を、表3に示す含有量(質量%)となるように添加して、各実施例および各比較例の非水電解液を得た。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
上記で得た各実施例および各比較例の非水電解液を用いて、試験例1と同じ方法により、各評価用リチウムイオン二次電池の作製、活性化および評価を行った。評価結果を、比較例1-1、実施例1-1、および実施例2-1の結果と共に表3に示す。
Figure 2023144415000010
表3の結果より、特定の硫酸エステル化合物と、オキサラトボレート化合物と、ジフルオロリン酸塩とを併用することにより、非水電解質二次電池において、初期出力特性と高温保存特性とを、いっそう高いレベルで両立できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (7)

  1. 電解質塩と、非水溶媒と、下記式(I)で表される化合物と、を含有する非水電解液。
    Figure 2023144415000011
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立に、トリフルオロメチル基、炭素数3~6の第2級アルキル基、または炭素数4~6の第3級アルキル基を示す。)
  2. 前記式(I)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上3.0質量%以下である、請求項1に記載の非水電解液。
  3. 下記式(II)で表される化合物をさらに含有する、請求項1または2に記載の非水電解液。
    Figure 2023144415000012
    (式中、Xはハロゲン原子を表し、M はアルカリ金属イオンを表し、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。)
  4. 前記式(II)で表される化合物の含有量が、0.1質量%以上1.0質量%以下である、請求項3に記載の非水電解液。
  5. 下記式(III)で表される化合物をさらに含有する、請求項3または4に記載の非水電解液。
    Figure 2023144415000013
    (式中、M はアルカリ金属イオンを表す。)
  6. 前記式(III)で表される化合物の含有量が、0.05質量%以上2.0質量%以下である、請求項5に記載の非水電解液。
  7. 正極と、
    負極と、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の非水電解液と、
    を備える非水電解液二次電池。
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