JP2020113378A - リチウム二次電池用非水電解液 - Google Patents

リチウム二次電池用非水電解液 Download PDF

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彰 神山
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Abstract

【課題】リチウム二次電池の低温での抵抗を小さくし、かつリチウム二次電池に良好な高温耐久性を与えることが可能なリチウム二次電池用非水電解液を提供する。【解決手段】ここに開示されるリチウム二次電池用非水電解液は、下記式(I)で表されるオキサラトボレート化合物と、下記式(II)で表されるトリアルキルボレート化合物と、を添加剤として含有する(式中の各記号は、明細書に定義の通りである)。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用非水電解液に関する。
近年、リチウム二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウム二次電池はその普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。高性能化のための方策の一つとしては、非水電解液の改良が挙げられる。非水電解液の改良の例として、特許文献1には、第1の添加剤としてオキサラトボレート系化合物またはオキサラトホスフェート系化合物と、前記第2添加剤としてトリス(トリアルキルシリル)ボレート系化合物とを非水電解液に添加することにより、リチウム二次電池の充放電率、寿命特性および低温での安定性が向上することが記載されている。また、特許文献2には、オキサラトボレート系化合物と、トリス(トリアルキルシリル)ボレート系化合物とを非水電解液に添加することにより、サイクル寿命が向上し、またガスの発生が抑制されることが記載されている。
特開2013−232417号公報 特開2015−76403号公報
特に車両駆動用電源用途においては、低温での出力向上の観点から、低温での抵抗が小さいことが望まれている。これに対し本発明者らが検討した結果、上記従来技術においては、低温での抵抗化において改善の余地があることを見出した。また、特に車両駆動用電源用途においては、高温耐久性が高いこと(すなわち、高温下での電池容量の劣化と抵抗増加が小さいこと)が望まれている。
そこで本発明は、リチウム二次電池の低温での抵抗を小さくし、かつリチウム二次電池に良好な高温耐久性を与えることが可能なリチウム二次電池用非水電解液を提供することを目的とする。
ここに開示されるリチウム二次電池用非水電解液は、下記式(I)で表されるオキサラトボレート化合物と、下記式(II)で表されるトリアルキルボレート化合物と、を添加剤として含有する。
Figure 2020113378
(式中、Xはハロゲン原子であり、Mはアルカリ金属元素であり、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。)
Figure 2020113378
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
このような構成によれば、リチウム二次電池の低温での抵抗を小さくし、かつリチウム二次電池に良好な高温耐久性を与えることが可能なリチウム二次電池用非水電解液を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解液を用いたリチウム二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る非水電解液を用いたリチウム二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けないリチウム二次電池用非水電解液の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウム二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液は、下記式(I)で表されるオキサラトボレート化合物(以下、「オキサラトボレート化合物(I)」ともいう)と、下記式(II)で表されるトリアルキルボレート化合物(以下、「トリアルキルボレート化合物(II)ともいう)と、を添加剤として含有する。
Figure 2020113378
(式中、Xはハロゲン原子であり、Mはアルカリ金属元素であり、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。)
Figure 2020113378
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
〔オキサラトボレート化合物(I)〕
オキサラトボレート化合物(I)は、被膜形成剤として機能することが知られている成分である。
上記式(I)において、Xで表されるハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでもフッ素原子が好ましい。
上記式(I)において、Mで表されるアルカリ金属元素としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、なかでもリチウムが好ましい。
オキサラトボレート化合物(I)として、上記式(I)の範囲内の化合物を1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。オキサラトボレート化合物(I)として、特に好ましくは、リチウムビス(オキサラート)ボレート(LiBOB)、およびリチウムジフルオロ(オキサラート)ボレート(LiDFOB)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
非水電解液中のオキサラトボレート化合物(I)の含有量には特に制限はない。しかしながら、オキサラトボレート化合物(I)の含有量が少な過ぎると、高温耐久性が低くなる傾向にある。そのため、オキサラトボレート化合物(I)の含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。一方、オキサラトボレート化合物(I)の含有量が多過ぎると、低温抵抗が高くなる傾向にある。そのため、オキサラトボレート化合物(I)の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
〔トリアルキルボレート化合物(II)〕
本実施形態においては、オキサラトボレート化合物(I)と共にトリアルキルボレート化合物(II)が組み合わせて用いられる。
上記式(II)において、R1〜R3で表されるフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよい。その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、トリ(トリフルオロ)メチル基などが挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、および2,2,2−トリフルオロエチル基が好ましい。
非水電解液中のトリアルキルボレート化合物(II)の含有量には特に制限はない。しかしながら、トリアルキルボレート化合物(II)の含有量が少な過ぎると、低温抵抗が高くなる傾向にある。そのため、トリアルキルボレート化合物(II)の含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。トリアルキルボレート化合物(II)の含有量が多すぎると、高温耐久性が低くなる傾向にある。そのため、トリアルキルボレート化合物(II)の含有量は、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
オキサラトボレート化合物(I)とトリアルキルボレート化合物(II)とを組み合わせてリチウム二次電池用非水電解液の添加剤として用いることにより、リチウム二次電池の低温での抵抗を小さくすることができ、かつリチウム二次電池に良好な高温耐久性を付与することができる。
後述の試験例の結果が示すように、オキサラトボレート化合物(I)を単独で用いたのでは、高温耐久性が良好であるものの低温抵抗が著しく高く、トリアルキルボレート化合物(II)を単独で用いたのでは、低温抵抗が低いものの高温耐久性が著しく低い。このような2つの化合物を組み合わせた場合に、通常は、低温抵抗は低温抵抗が著しく高いオキサラトボレート化合物(I)の影響を受け、高温耐久性は高温耐久性が著しく低いトリアルキルボレート化合物(II)の影響を受けるはずである(通常は、低温抵抗および高温耐久性は、2つの化合物の中間のレベルになると考えられる)。
しかしながら、本発明者らの検討により、驚くべきことに、オキサラトボレート化合物(I)とトリアルキルボレート化合物(II)とを組み合わせて用いた場合には、お互いの良い特性、すなわち低い低温抵抗と、良好な高温耐久性とが得られることが見出された。
これは、オキサラトボレート化合物(I)の分解速度とトリアルキルボレート化合物(II)の分解速度とが近いため、これらの化合物に由来する成分を取り込んだ特殊な混成被膜が電極上に形成されるためであると考えられる。
本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液は、通常、電解質塩と、非水溶媒とを含有する。
電解質塩は、典型的には、フッ素原子を含む電解質塩であり、リチウム二次電池の電解質塩として用いられているものを特に制限なく用いることができる。電解質塩は、好適には、フッ素原子を含むリチウム塩である。当該リチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
非水電解液中の電解質塩の濃度は、電解質塩の種類によって適宜決定すればよい。非水電解液中の電解質塩の濃度は、典型的には0.5mol/L以上5mol/L以下であり、好ましくは0.7mol/L以上2.5mol/L以下である。
非水溶媒は、上記の電解質塩を溶解する。非水溶媒の種類は、上記の電解質塩を溶解可能な限り特に制限はなく、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類等を用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましい。カーボネート類の例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;その他の被膜形成剤;分散剤;増粘剤等を含んでいてもよい。
本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液は、公知方法に従い、リチウム二次電池に用いることができる。
本実施形態のリチウム二次電池用非水電解液を備えるリチウム二次電池は、低温での抵抗を小さく、かつ良好な高温耐久性を有する。
そこで、本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液を備えるリチウム二次電池の構成例の概略を以下、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1に示すリチウム二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウム二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料;チタン酸リチウム(LiTi12:LTO);Si;Sn等を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
電解液80には、上述の本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液が用いられる。なお、図1は、電池ケース30内に注入される電解液80の量を厳密に示すものではない。
以上のようにして構成されるリチウム二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウム二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウム二次電池100について説明した。しかしながら、リチウム二次電池は、積層型電極体を備えるリチウム二次電池として構成することもできる。また、リチウム二次電池は、円筒形リチウム二次電池、ラミネート型リチウム二次電池等として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<各試験例の電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒を用意した。この混合溶媒に、表1に示すボレート化合物を表1に示す添加量で溶解させると共に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させた。このようにして、各試験例のリチウム二次電池用非水電解液を調製した。
<評価用リチウム二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=87:10:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、アルミニウム箔に塗布し、乾燥することにより正極シートを作製した。
負極活物質として、平均粒子径20μmの天然黒鉛系炭素材料(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、銅箔に塗布し、乾燥することにより負極シートを作製した。
また、ガーレー試験法による透気度が約300秒/100ccのセパレータシート(PP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。
この電極体に集電体を取り付け、上記作製した各試験例の非水電解液と共にラミネートケースに収容した後、封止した。このようにして評価用リチウム二次電池を作製した。
<活性化処理>
上記作製した各評価用リチウム二次電池を25℃の恒温槽内に置いた。各リチウム二次電池を、0.3Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した後、0.3Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。
<初期特性評価>
上記活性化した各評価用リチウム二次電池を25℃の恒温槽内に置いた。各リチウム二次電池を0.2Cの電流値で4.10Vまで定電流充電した後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態(SOC100%)とした。その後、0.2Cの電流値で3.00Vまで定電流放電した。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。
また、上記活性化した各評価用リチウム二次電池を25℃の恒温槽内に置き、SOC30%まで0.3Cの電流値で定電流充電した。その後、−30℃の恒温槽内に置いた。3C、5C、8C、12Cの電流値で2秒間放電を行い、それぞれの電池電圧を測定した。電流値を横軸に、電圧値を縦軸にして、各電流値および各電圧値をプロットし、一次近似直線の傾きからIV抵抗を求めた。このIV抵抗を初期抵抗とした。試験例7の初期抵抗を100とした場合の、各実施例およびその他の比較例の初期抵抗の比を算出した。得られた比を表1に示す。
<高温保存試験>
上記の各評価用リチウム二次電池を、0.3Cの電流値でSOC100%になるまで充電した後、60℃の恒温槽内で1ヶ月間保存した。その後、上記と同じ方法で各評価用リチウム二次電池の放電容量を測定し、このときの放電容量を、高温保存後の電池容量として求めた。(高温保存後の電池容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。
また、上記と同じ方法で各評価用リチウム二次電池の−30℃でのIV抵抗(高温保存後の電池抵抗)を測定した。{1−(高温保存後の抵抗/初期抵抗)}×100より、抵抗増加率(%)を求めた。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2020113378
表中の略号は以下の通りである。
LiBOB:リチウムビス(オキサラート)ボレート
LiDFOB:リチウムジフルオロ(オキサラート)ボレート
TFEB:トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ボレート
TMB:トリメチルボレート
TPB:トリフェニルボレート
TMSB:トリス(トリメチルシリル)ボレート
表1に示された結果より、ボレート化合物として、上記オキサラトボレート化合物(I)に該当するものと上記トリアルキルボレート化合物(II)に該当するものとを組み合わせて用いた試験例1〜5においては、低温抵抗が低く、高温保存後の容量維持率が高く、かつ高温保存後の低温抵抗増加率が低いことがわかる。特に、ボレート化合物を含有していない一般的な非水電解液である試験例7に対して、低温抵抗および高温耐久性の向上が見られただけでなく、従来技術に相当する、リチウムビス(オキサラート)ボレートとトリス(トリメチルシリル)ボレートとを組み合わせた試験例14および15に対して、低温抵抗を改善することができ、高温耐久性に関しても同等以上の結果となった。
トリアルキルボレートに代えてトリフェニルボレートを用いた試験例6でも、一般的な非水電解液である試験例7に対して特性向上効果が見られたものの、低温抵抗および高温保存後の低温抵抗増加率について向上の程度が小さく、リチウムビス(オキサラート)ボレートとトリス(トリメチルシリル)ボレートとを組み合わせた試験例14と同程度の結果であった。
またボレート化合物を単独で用いた試験例8〜13では、低温抵抗および高温耐久性のいずれかが悪かった。
特に上記オキサラトボレート化合物(I)に該当するボレート化合物を単独で用いた試験例8および9では、高温耐久性が良好であるものの低温抵抗が著しく高く、トリアルキルボレート化合物(II)に該当するボレート化合物を単独で用いた試験例10および11では、低温抵抗が低いものの高温耐久性が著しく低い。
これらの化合物を組み合わせて用いた場合には、低温抵抗および高温耐久性は、これら単独のものの中間レベルになると考えられるが、試験例1〜5の結果が示すように、低温抵抗および高温耐久性が共に良いものとなっている。このような特異な結果が得られた理由は、これは、オキサラトボレート化合物(I)の分解速度とトリアルキルボレート化合物(II)の分解速度とが近いため、電極上にこれらの化合物に由来する成分を取り込んだ特殊な混成被膜が形成されるためであると考えられる。
以上のことから、上記した本実施形態に係るリチウム二次電池用非水電解液によれば、リチウム二次電池の低温での抵抗を小さくすることができ、かつリチウム二次電池に良好な高温耐久性を付与できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 電解液
100 リチウム二次電池

Claims (1)

  1. 下記式(I)で表されるオキサラトボレート化合物と、
    下記式(II)で表されるトリアルキルボレート化合物と、
    を添加剤として含有する、リチウム二次電池用非水電解液。
    Figure 2020113378
    (式中、Xはハロゲン原子であり、Mはアルカリ金属元素であり、aは1または2であり、bは、aが1のときに2であるか、aが2のときに0である。)
    Figure 2020113378
    (式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
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