JP2018190624A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷担体に由来する物質の析出が抑制されており、かつ自己放電による電圧降下が抑制された非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解質二次電池は、正極および負極を含む電極体と、非水電解質と、を備える。前記非水電解質は、カーボネート系溶媒と、エーテル系溶媒と、支持塩と、リチウムビス(オキサラト)ボレートとを含有する。前記支持塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドである。リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの前記非水電解質中の濃度は、0.8mol/L以上3mol/L以下である。リチウムビス(オキサラト)ボレートの前記非水電解質に対する重量割合は、0.2質量%以上0.4質量%以下である。リチウムビス(オキサラト)ボレートに対する前記エーテル系溶媒の質量比(エーテル系溶媒/リチウムビス(オキサラト)ボレート)は、25以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解質二次電池の普及に伴い、非水電解質二次電池には更なる高性能化が望まれている。そのため、非水電解質二次電池について種々の観点から開発が行なわれている。なかでも、非水電解質に関する開発の一例として特許文献1には、非水溶媒としてカーボネート系溶媒およびエーテル溶媒と、支持塩と、添加剤としてリチウムビス(オキサラト)ボレート(Li[B(C])とを含有する非水電解質を用いて非水電解質二次電池を製造することが開示されている。特許文献1には、このような非水電解質を用いることにより、不可避的不純物であるナトリウム成分の混入に起因するNa[B(C]の電極体上での析出を防止できることが記載されている。特許文献1には、これによりリチウムビス(オキサラト)ボレートの[B(C]の分解によって負極活物質の表面に生成する被膜の量のバラつきを抑制することができ、その結果、充放電を繰り返した際の内部抵抗の増加を抑制できること、および電荷担体に由来する物質(例えば金属リチウム等の金属)の析出を抑制できることが記載されている。
特開2014−053193号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討した結果、特許文献1に記載の技術には、電荷担体に由来する物質の析出の抑制について、改善の余地があることを見出した。また、自己放電による電圧降下について、改善の余地があることを見出した。
そこで本発明の目的は、電荷担体に由来する物質の析出が抑制されており、かつ自己放電による電圧降下が抑制された非水電解質二次電池を提供することにある。
ここに開示される非水電解質二次電池は、正極および負極を含む電極体と、非水電解質と、を備える。前記非水電解質は、カーボネート系溶媒と、エーテル系溶媒と、支持塩と、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)とを含有する。前記支持塩は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)である。リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの前記非水電解質中の濃度は、0.8mol/L以上3mol/L以下である。リチウムビス(オキサラト)ボレートの前記非水電解質に対する重量割合は、0.2質量%以上0.4質量%以下である。リチウムビス(オキサラト)ボレートに対する前記エーテル系溶媒の質量比(エーテル系溶媒/リチウムビス(オキサラト)ボレート)は、25以上である。
このような構成によれば、非水電解質が極性の高いエーテル系溶媒を含有することにより、非水電解質へのNa[B(C]の溶解性が向上し、Na[B(C]の電極体上での析出を抑制することができる。よって、これにより電極体上に形成されるLiBOB由来の被膜を均一にすることができ、その結果、電荷担体に由来する物質(本実施形態では金属リチウム)の析出耐性を向上することができる。一方、非水溶媒がエーテル系溶媒を含有する場合には、非水溶媒の極性が高くなるため支持塩の分解が進行しやすくなる。しかしながら、支持塩として結合強度の高いLiFSIを用いることにより、非水溶媒がエーテル系溶媒を含有する場合でも支持塩の分解を進行し難くすることができる。よって、これにより自己放電による電圧降下を抑制することができる。そして、LiFSIの非水電解質中の濃度が特定範囲にあり、LiBOBの非水電解質に対する質量割合が特定範囲にあり、かつLiBOBに対するエーテル系溶媒の質量比が特定範囲にあることにより、電荷担体に由来する物質の析出の抑制と、自己放電による電圧降下の抑制とを両立させることができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す断面図である。 リチウムイオン二次電池に用いられる電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解質二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。以下、リチウムイオン二次電池を例にして本発明について詳細に説明する。
なお、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではなく、本発明の技術思想は、その他の電荷担体(例えばナトリウムイオン)を備える他の非水電解質二次電池(例えばナトリウムイオン二次電池)にも適用される。
図1は、一実施形態に係るリチウムイオン二次電池10を模式的に示す断面図である。図2は、リチウムイオン二次電池10に用いられる電極体40の構成を示す模式図である。リチウムイオン二次電池10は、図1に示すように、電池ケース20と、電極体40(図1では、捲回電極体)とを備えている。
電池ケース20は、ケース本体21と、封口板22とを備えている。ケース本体21は、一端に矩形の開口部を有する箱形を有している。ここで、ケース本体21は、リチウムイオン二次電池10の通常の使用状態における上面に相当する一面が開口した有底直方体形状を有している。封口板22は、ケース本体21の開口を塞ぐ部材である。封口板22は凡そ矩形のプレートで構成されている。かかる封口板22がケース本体21の開口周縁に溶接されることによって、略六面体形状の電池ケース20が構成されている。電池ケース20は、例えば、軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成される。このような金属製材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が挙げられる。なお、ここでは、矩形のケースが例示されているが、電池ケース20はかかる形状に限定されない。例えば、電池ケース20は、円筒形状のケースであってもよい。また、電池ケース20は、電極体を包む袋状の形態でもよく、いわゆるラミネートタイプの電池ケース20でもよい。
図1に示す例では、封口板22に外部接続用の正極端子23(外部端子)および負極端子24(外部端子)が取り付けられている。封口板22には、安全弁30と、注液口32が形成されている。安全弁30は、電池ケース20の内圧が所定レベル(例えば、設定開弁圧0.3MPa〜1.0MPa程度)以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成されている。また、図1では、非水電解質80が注入された後で、注液口32が封止材33によって封止された状態が図示されている。
電極体40は、図2に示すように、帯状の正極(正極シート50)と、帯状の負極(負極シート60)と、帯状のセパレータ(セパレータ72,74)とを備えている。
正極シート50は、帯状の正極集電箔51と、正極活物質層53とを備えている。正極集電箔51には、例えば、アルミニウム箔等を用いることができる。正極集電箔51の幅方向片側には、縁部に沿って露出部52が設けられている。図示例では、正極活物質層53は、正極集電箔51に設けられた露出部52を除いて、正極集電箔51の両面に形成されている。しかしながら、正極活物質層53は、正極集電箔51の片面のみに形成されていてもよい。
正極活物質層53は、典型的には正極活物質と導電材と結着剤(バインダ)等とを含む。正極活物質としては、例えば、層状構造やスピネル構造等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5、LiFePO等)を採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)等の炭素材料を採用し得る。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
負極シート60は、帯状の負極集電箔61と、負極活物質層63とを備えている。負極集電箔61には、例えば、銅箔等を用いることができる。負極集電箔61の幅方向片側には、縁部に沿って露出部62が設けられている。図示例では、負極活物質層63は、負極集電箔61に設けられた露出部62を除いて、負極集電箔61の両面に形成されている。しかしながら、負極活物質層63は、負極集電箔61の片面のみに形成されていてもよい。
負極活物質層63は、典型的には、負極活物質と結着剤と増粘剤等とを含む。負極活物質としては、例えば、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、低結晶性カーボン(ハードカーボン、ソフトカーボン)等の炭素材料を用いることができ、なかでも黒鉛を好適に採用し得る。結着剤としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)等の各種ポリマー材料を採用し得る。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の各種のポリマー材料を採用し得る。
セパレータ72、74としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔性シート(フィルム)等を用いることができ、好ましくは、ポリオレフィン樹脂(例、PE、PP)からなる多孔性シートが用いられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。なお、セパレータ72、74には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
電極体40においては、図2に示すように、正極シート50と、負極シート60と、セパレータ72,74とが順に重ねて捲回されており、捲回された電極体(捲回電極体)40は、捲回軸WLを含む一平面に沿って扁平に押し曲げられた形状を有する。負極活物質層63の幅b1は、正極活物質層53の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ72、74の幅c1、c2は、負極活物質層63の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。図2に示す例では、正極集電箔51の露出部52と負極集電箔61の露出部62とは、それぞれセパレータ72、74の両側において、らせん状に露出している。本実施形態では、図1に示すように、電極体40は、セパレータ72、74からはみ出た正負の露出部52、62の中間部分が寄せ集められ、電池ケース20の内部に配置された正負の内部端子23、24の先端部23a、24aに溶接されている。
なお、本実施形態では、電極体40は捲回電極体として構成されているが、積層型電極体として構成してもよい。
なお通常、不可避的不純物として、リチウムイオン二次電池10中に、特に正極シート50および負極シート60との少なくとも一方に、ナトリウム成分が含有されている。ナトリウム(Na)成分は、ナトリウム単独(典型的にはイオンの状態)で存在している場合と、構成元素としてNaを含む化合物として存在している場合とがある。
図1に示す形態では、捲回軸WLを含む一平面に沿って扁平な捲回電極体40が電池ケース20に収容されている。電池ケース20には、さらに非水電解質80が収容されている。非水電解質80は、捲回軸WL(図2参照)の軸方向の両側から電極体40の内部に浸入する。なお、図1は、電池ケース20内に注入される非水電解質80の量を厳密に示すものではない。
非水電解質80は、非水溶媒として、カーボネート系溶媒と、エーテル系溶媒とを含有する。
カーボネート系溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の非水電解質に用いられるものと同じものまたは同様のものを用いることができ、その例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。カーボネート系溶媒は、一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
エーテル系溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の非水電解質に用いられるものと同じものまたは同様のものを用いることができ、その例としては、ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジメトキシプロパン(DMP)等の鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルが挙げられる。エーテル系溶媒は、一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
非水電解質80が、極性の高い非水溶媒であるエーテル系溶媒を含有することにより、Na[B(C]の非水溶媒への溶解性が高まり、Na[B(C]の析出を抑制することができる。よって、これにより電極体上に形成されるLiBOB由来の被膜を均一にすることができ、その結果、電荷担体に由来する物質(本実施形態では金属リチウム)の析出耐性を向上することができる。
非水溶媒中のエーテル系溶媒の占める割合は、電荷担体に由来する物質(本実施形態では金属リチウム)の析出耐性が特に高いことから、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、40質量%以上が最も好ましい。一方、エーテル系溶媒は引火点が低いため、安全性の観点から、非水溶媒中のエーテル系溶媒の占める割合は、70質量%以下が好ましい。
非水溶媒は、本発明の効果を損なわない範囲内で、カーボネート系溶媒およびエーテル系溶媒以外の溶媒を含有していてもよい。その例としては、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒、スルホン系溶媒、ラクトン系溶媒等の非プロトン性溶媒が挙げられる。
非水電解質80は、支持塩を含有し、当該支持塩としてリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)が用いられる。非水溶媒がエーテル系溶媒を含有する場合には、非水溶媒の極性が高くなるために支持塩の分解が進行しやすくなる。しかしながら、支持塩として結合強度の高いLiFSIを用いることにより、非水溶媒がエーテル系溶媒を含有する場合でも支持塩の分解を進行し難くすることができる。よって、これにより自己放電による電圧降下を抑制することができる。
非水電解質80中のLiFSIの濃度は、0.8mol/L以上3mol/L以下である。LiFSIの濃度が0.8mol/L未満だと、支持塩不足となり、イオン伝導度が小さくなりすぎて電池特特性が低下する。一方、LiFSIの濃度が3mol/Lを超えると、支持塩の分解量が増加して、自己放電による電圧低下量が増加する。
非水電解質80は、被膜形成剤として、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)を含有する。
LiBOBの非水電解質80に対する重量割合は、0.2質量%以上0.4質量%以下である。LiBOBの重量割合が0.2質量%未満だと、十分な量の被膜を形成することができない。一方、LiBOBの重量割合が0.4質量%を超えると、Na[B(C]が析出し易くなり、電極体上に形成されるLiBOB由来の被膜が不均一となり、その結果、電荷担体に由来する物質(本実施形態では金属リチウム)の析出耐性が低下する。
また、非水電解質80においては、LiBOBに対するエーテル系溶媒の質量比(エーテル系溶媒/LiBOB)が、25以上である。当該質量比が25未満だと、エーテル系溶媒によるNa[B(C]の析出抑制効果を十分に得ることができず、電荷担体に由来する物質(本実施形態では金属リチウム)の析出耐性向上効果を十分に得ることができなくなる。
このようにLiFSIの非水電解質中の濃度が特定範囲にあり、LiBOBの非水電解質に対する質量割合が特定範囲にあり、かつLiBOBに対するエーテル系溶媒の質量比が特定範囲にあることにより、電荷担体に由来する物質の析出の抑制と、自己放電による電圧降下の抑制とを両立させることができる。
なお、非水電解質80中には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;分散剤;増粘剤;等の各種添加剤を含み得る。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池10は、各種用途に利用可能であり、好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池10は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<評電用電池の作製>
[電池No.1]
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=94:3:3の質量比でNMPと混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ15μmの長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより正極を作製した。
また、負極活物質としての球状化黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ10μmの長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより負極を作製した。
また、2枚のセパレータシート(厚さ20μmのPP/PE/PPの三層構造の多孔質ポリオレフィンシート)を用意した。
作製した正極と負極と用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。このとき、正極と負極との間にセパレータが介在するようにした。
この作製した捲回電極体を、注液口を有する角型の電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解質を注入し、当該注液口を気密に封止してNo.1のリチウムイオン二次電池(電池容量:5Ah)を作製した。
なお、非水電解質には、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、およびジメトキシエタン(DME)を、EC:DMC:EMC:DME=35:33:27:5の質量比で含有する非水溶媒に、添加剤としてのリチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)を非水電解質に対する重量割合が0.2質量%となるように、また、支持塩としてのリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)を非水電解質中の濃度が1.0mol/Lとなるように添加したものを用いた。
[電池No.2〜No.11]
非水電解質の組成を、表1に示すように変更した以外は、電池No.1と同様にして、No.2〜No.11のリチウムイオン二次電池を作製した。なお、No.9およびNo.10では、支持塩として、LiFSIに代えてLiPFを用いた。
<電池の評価>
[限界析出耐性]
上記作製したNo.1〜No.11のリチウムイオン二次電池に初期充電を施した後、25℃の環境下に置き、SOC50%の充電状態に調整した。そして所定の電流値で定電流(CC)充電を500秒間行った。その後、各リチウムイオン二次電池を解体し、負極上での金属リチウムの析出の有無を確認した。負極上での金属リチウムの析出が確認されなかった電流値のうち、最大の電流値(C)を求めた。結果を表1に示す。
[電圧低下量]
上記作製したNo.1〜No.11のリチウムイオン二次電池に初期充電を施した。25℃の環境下に置き、3.0Vになるまで定電流(CC)放電した。その後24時間放置して自己放電させ、このときの電圧低下量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2018190624
表1より、本実施形態に係る非水電解質二次電池に該当するNo.1〜No.7のリチウムイオン二次電池は、限界析出耐性が高く(35C以上の電流値)、かつ自己放電時の電圧低下量が小さい(0.050V以下の電圧低下量)ことがわかる。また、No.1〜No.4のリチウムイオン二次電池の比較より、エーテル系溶媒の添加量を増加させるにつれ、限界析出耐性がより高くなることがわかる。
一方、No.1のリチウムイオン二次電池とNo.8のリチウムイオン二次電池との比較より、非水溶媒がエーテル系溶媒を含まず、また支持塩がLiPFである従来の一般的な非水電解質を用いた場合には、限界析出耐性が低いことがわかる。
No.4のリチウムイオン二次電池とNo.9のリチウムイオン二次電池との比較より、支持塩がLiPFである非水電解質にエーテル系溶媒を含有させると、限界析出耐性が高いものの、支持塩の分解量が多いため、自己放電による電圧低下量が非常に大きいことがわかる。
No.4のリチウムイオン二次電池とNo.10のリチウムイオン二次電池との比較より、LiBOBの添加量が多すぎるとNa[B(C]が析出し、その結果、限界析出耐性が低くなることがわかる。
No.4〜No.7のリチウムイオン二次電池とNo.11のリチウムイオン二次電池との比較より、LiFSIの濃度が高すぎると、支持塩の分解量が多いため、自己放電による電圧低下量が大きくなることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 リチウムイオン二次電池
20 電池ケース
21 ケース本体
22 封口板
23 正極端子
24 負極端子
30 安全弁
32 注液口
33 封止材
40 捲回電極体
50 正極シート
51 正極集電箔
52 露出部
53 正極活物質層
60 負極シート
61 負極集電箔
62 露出部
63 負極活物質層
72,74 セパレータ
80 非水電解質
WL 捲回軸

Claims (1)

  1. 正極および負極を含む電極体と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池であって、
    前記非水電解質は、カーボネート系溶媒と、エーテル系溶媒と、支持塩と、リチウムビス(オキサラト)ボレートとを含有し、
    前記支持塩が、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドであり、
    リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドの前記非水電解質中の濃度が、0.8mol/L以上3mol/L以下であり、
    リチウムビス(オキサラト)ボレートの前記非水電解質に対する重量割合が、0.2質量%以上0.4質量%以下であり、
    リチウムビス(オキサラト)ボレートに対する前記エーテル系溶媒の質量比(エーテル系溶媒/リチウムビス(オキサラト)ボレート)が、25以上である、
    非水電解質二次電池。
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