JP7273778B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液二次電池においては、一般的に、電荷担体となるイオンを吸蔵および放出可能な活物質が用いられている。正極に用いられる活物質としては、リチウム複合酸化物が一般的であり、リチウム複合酸化物として、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物等の、スピネル型の結晶構造を有し、マンガンを含有する複合酸化物(以下、「スピネル型マンガン含有複合酸化物」と呼ぶことがある)が使用可能であることが知られている(例えば、特許文献1~4参照)。
特開平10-112318号公報 特開平10-241685号公報 特開2001-76722号公報 国際公開2014/175355号
スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、熱安定性が高く安価であるという利点がる。しかしながら、特許文献3および4に記載があるように、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を用いた非水電解液二次電池に充放電を繰り返し行った際には、容量の劣化が大きいという問題が古くから存在する。この容量の劣化は、複合酸化物からのMnの溶出に起因しており、スピネル型マンガン含有複合酸化物全体で問題となっている。したがって、スピネル型マンガン含有複合酸化物を用いた非水電解液二次電池においては、充放電を繰り返した際の容量の劣化を抑制する技術の開発が長年の課題となっている。
そこで本発明の目的は、スピネル構造のマンガン含有複合酸化物を用いた非水電解液二次電池であって、充放電を繰り返した際の容量の劣化が抑制された非水電解液二次電池を提供することにある。
ここに開示される非水電解液二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。前記正極は、正極活物質を含有する。前記負極は、負極活物質を含有する。前記正極活物質は、スピネル型結晶構造を有し、かつMnを含有するリチウム複合酸化物である。前記負極は、フィチン酸化合物を、前記負極活物質に対して0.1質量%以上1.0質量%以下含有する。前記フィチン酸化合物は、フィチン酸、またはフィチン酸の一部のリン酸基のHがLiで置換されたフィチン酸塩である。このような構成によれば、スピネル構造のマンガン含有複合酸化物を用いた非水電解液二次電池であって、充放電を繰り返した際の容量の劣化が抑制された非水電解液二次電池を提供することができる。
ここに開示される非水電解液二次電池の好ましい一態様においては、前記正極活物質が、LiMnである。このような構成によれば、非水電解液二次電池は熱安定性に優れる。またコスト面にも優れる。
ここに開示される非水電解液二次電池の好ましい一態様においては、前記フィチン酸化合物が、フィチン酸またはフィチン酸モノリチウム塩である。このような構成によれば、充放電を繰り返した際の容量の劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、本明細書において言及していない事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイスをいい、いわゆる蓄電池、および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
以下、扁平形状の捲回電極体と扁平形状の電池ケースとを有する扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36とが設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。なお、図1は、非水電解液80の量を正確に表すものではない。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、正極シート50と、負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。正極シート50は、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された構成を有する。負極シート60は、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成されている構成を有する。正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)および負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)は、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成されている。正極活物質層非形成部分52aおよび負極活物質層非形成部分62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属製のシートまたは箔状体を用いることができ、好適にはアルミニウム箔が用いられる。正極集電体52としてアルミニウム箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
正極活物質層54は、正極活物質を含有する。本実施形態においては、正極活物質には、スピネル型結晶構造を有し、かつMnを含有するリチウム複合酸化物(スピネル構造のマンガン含有複合酸化物)が用いられる。このような複合酸化物としては、例えば、スピネル構造のマンガン酸リチウム(LiMn)、およびマンガン酸リチウムのマンガンの一部がリチウムやその他の元素で置換されたスピネル構造の複合酸化物(例えば、LiNi0.5Mn1.5等)などが挙げられる。
スピネル構造のマンガン含有複合酸化物として具体的に、例えば、下記式(I)で表される組成の複合酸化物を用いることができる。
Li(M1M2Mn2-x-y-z)O4-δ・・・(I)
式(I)において、M1は、Ni、Co、およびFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、好ましくはNiである。M2は、Na、Mg、Al、P、K、Ca、Ba、Sr、Ti、V、Cr、Cu、Ga、Y、Zr、Nb、Mo、In、Ta、W、Re、およびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、好ましくはTiである。
式(I)において、xは、1.00≦x≦1.20を満たし、好ましくは1.00≦x≦1.05を満たし、より好ましくは1.00である。yは、0≦y≦1.20を満たし、好ましくは、0≦y≦0.60を満たし、より好ましくは0である。zは、0≦z≦0.5を満たし、好ましくは0≦z≦0.10を満たし、より好ましくは0である。δは、0≦δ≦0.20を満たし、好ましくは0≦δ≦0.05を満たし、より好ましくは0である。
正極活物質として、このようなスピネル構造のマンガン含有複合酸化物を単独で用いてもよく、2種以上のスピネル構造のマンガン含有複合酸化物を組合わせて用いてもよい。リチウムイオン二次電池100に高い熱安定性を付与でき、また低コスト化が可能であることから、正極活物質として好ましくは、LiMnである。
正極活物質の平均粒子径(メジアン径D50)は、特に制限はないが、例えば0.05μm以上25μm以下であり、好ましくは0.5μm以上23μm以下であり、より好ましくは3μm以上22μm以下である。なお、正極活物質の平均粒子径(メジアン径D50)は、例えば、レーザ回折散乱法等により求めることができる。
正極活物質の含有量は、特に限定されないが、正極活物質層54中(すなわち、正極活物質の全質量に対し)、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは85質量%以上である。
正極活物質層54は、正極活物質以外の成分を含み得る。その例としては、導電材、バインダ等が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。正極活物質層54中の導電材の含有量は、特に限定されないが、例えば0.1質量%以上20質量%以下であり、好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。正極活物質層54中のバインダの含有量は、特に限定されないが、例えば0.5質量%以上15質量%以下であり、好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、より好ましくは1.5質量%以上8質量%以下である。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等の金属製のシートまたは箔状体を用いることができ、好適には銅箔が用いられる。負極集電体62として銅箔を用いる場合には、その厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上35μm以下であり、好ましくは7μm以上20μm以下である。
本実施形態においては、負極活物質層64は、負極活物質、およびフィチン酸化合物を含有する。
負極活物質としては、例えば、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。
負極活物質層中の負極活物質の含有量は、特に限定されないが、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
本実施形態においては、フィチン酸化合物を負極60に使用する。典型的には、フィチン酸化合物を負極活物質層64に含有させる。本実施形態において用いられるフィチン酸化合物は、フィチン酸、またはフィチン酸の一部のリン酸基のH(水素原子)がLi(リチウム原子)で置換されたフィチン酸塩である。
スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を用いた非水電解液二次電池に充放電を繰り返した際には、当該複合酸化物からMnがイオンとなって溶出する。この溶出したMnイオンが負極に達すると、Liを失活させ、容量劣化を引き起こす。これに対し、本実施形態において、負極60に使用されるフィチン酸化合物は、強いキレート作用を有する。そのため、溶出したMnイオンを錯形成によって捕捉して、Mnイオンを不活性化することができる。これにより、MイオンによるLiの失活を防止して、充放電を繰り返した際のMnイオンの溶出に起因する容量劣化を抑制することができる。
フィチン酸は、イノシトール6リン酸とも呼ばれ、イノシトールが有する6個のヒドロキシ基の全てがリン酸エステル化された構造を有する化合物である。したがって、フィチン酸は、6個のリン酸基を有する。フィチン酸については、9種類の異性体が知られているが、一般的にはmyo-イノシトール-1,2,3,4,5,6-六リン酸である。本実施形態においては、フィチン酸は、いずれの異性体であってもよい。
フィチン酸塩は、フィチン酸の6個のリン酸基のうちの一部(1個~6個、好ましくは1個~3個)のリン酸基のHがLiで置換された塩であり、具体的には、フィチン酸モノリチウム塩、フィチン酸時リチウム塩、フィチン酸トリリチウム塩、フィチン酸テトラリチウム塩、フィチン酸ペンタリチウム塩である。
フィチン酸化合物は、上記したものを単独で用いてよく、2種以上を組合わせて用いてもよい。リチウムイオン二次電池100の容量劣化を効果的に抑制できることから、フィチン酸化合物としては、フィチン酸、およびフィチン酸モノリチウム塩が好ましい。
負極60におけるフィチン酸化合物の含有量は、負極活物質に対して0.1質量%以上1.0質量%以下である。フィチン酸化合物の含有量が、0.1質量%未満だと、フィチン酸化合物による容量劣化抑制効果が不十分となる。一方、フィチン酸化合物の含有量が1.0質量%を超えると、初回効率が低下する。フィチン酸化合物の含有量は、好ましくは0.2質量%以上0.7質量%以下である。
負極活物質層64は、負極活物質およびフィチン酸化合物以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。
バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンラバー(SBR)およびその変性体、アクリロニトリルブタジエンゴムおよびその変性体、アクリルゴムおよびその変性体、フッ素ゴム等を使用し得る。なかでも、SBRが好ましい。負極活物質層64中のバインダの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1質量%以上8質量%以下であり、より好ましくは0.2質量%以上3質量%以下である。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA)等を使用し得る。なかでも、CMCが好ましい。負極活物質層64中の増粘剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.3質量%以上3質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以上2質量%以下である。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から構成される多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液80は、典型的には、非水溶媒と電解質塩(言い換えると、支持塩)とを含有する。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。なかでも、カーボネート類が好ましく、その具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
電解質塩としては、例えば、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)等のリチウム塩を用いることができ、なかでも、LiPFが好ましい。電解質塩の濃度は、特に限定されないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液80は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、オキサラト錯体等の被膜形成剤、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以上のように構成されるリチウムイオン二次電池100は、充放電を繰り返した際の容量の劣化が起こり難くなっている。すなわち、リチウムイオン二次電池100は、サイクル特性に優れる。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。また、リチウムイオン二次電池100は、小型電力貯蔵装置等の蓄電池として使用することができる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示される非水電解液二次電池は、積層型電極体(すなわち、複数の正極と、複数の負極とが交互に積層された電極体)を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液二次電池は、円筒形リチウムイオン二次電池、ラミネート型リチウムイオン二次電池、コイン型リチウムイオン二次電池等として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液二次電池は、公知方法に準じて、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質としてスピネル型構造のLiMn(LMO)と、導電材としてのカーボンブラック(CB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とをLMO:CB:PVdF=90:8:2の質量比で、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)中で混合し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥した後、ロールプレスによる高密度化処理を行うことにより、正極シートを作製した。この正極シートを120mm×100mmの寸法に裁断した。
また、負極活物質としての球状化黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比で、イオン交換水に添加し、さらに、表1に示す添加剤を、負極活物質に対し表1に示す量添加した。ただし、比較例1においては、添加剤を使用しなかった。なお、フィチン酸モノリン酸塩は、下記の手法により合成し、水溶液のまま用いた。
これを混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。この負極活物質層形成用ペーストを、銅箔上に塗布し、乾燥した後、ロールプレスによる高密度化処理を行うことにより、負極シートを作製した。この負極シートを122mm×102mmの寸法に裁断した。
セパレータシートとして多孔性ポリオレフィンシートを用意した。上記の正極シート、負極シート、およびセパレータを用いて電極体を作製し、当該電極体に電極端子を取り付けた後、非水電解液と共に電池ケースに収容した。非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを、3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、LiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。このようにして、各実施例および各比較例の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<フィチン酸モノリチウム塩の合成>
50質量%濃度のフィチン酸水溶液を調製した。これに、フィチン酸1モルに対し0.083モルのLiCOを、撹拌しながらゆっくりと添加した。このようにしてフィチン酸モノリチウム塩を水溶液の形態で得た。
<活性化および初期容量測定>
上記作製した各評価リチウムイオン二次電池を25℃の環境下に置いた。活性化(初回充電)は、定電流-定電圧方式とし、各評価用リチウムイオン二次電池を0.1Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、各評価用リチウムイオン二次電池を0.1Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した。そして、このときの放電容量を測定して初期容量を求めた。
<サイクル特性評価>
活性化した各評価用リチウムイオン二次電池を60℃の環境下に置き、0.5Cで4.2Vまで定電流充電および0.5Cで3.0Vまで定電流放電を1サイクルとする充放電を40サイクル繰り返した。40サイクル後の放電容量を、初期容量と同様の方法で求めた。サイクル特性(容量劣化耐性)の指標として、(充放電40サイクル後の放電容量/初期容量)×100より、容量維持率(%)を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0007273778000001
実施例1~4および比較例1~3の比較より、スピネル構造のマンガン酸リチウムを用いたリチウムイオン二次電池において、フィチン酸化合物を負極に添加することによって、容量維持率が増加していることがわかる。すなわち、容量劣化耐性が向上していることがわかる。したがって、ここに開示される非水電解液二次電池によれば、スピネル構造のマンガン含有複合酸化物を用いながらも、充放電を繰り返した際の容量の劣化を抑制できることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (3)

  1. 正極と、負極と、非水電解液と、を備える非水電解液二次電池であって、
    前記正極は、正極活物質を含有し、
    前記負極は、負極活物質、およびバインダを含有し、
    前記正極活物質は、スピネル型結晶構造を有し、かつMnを含有するリチウム複合酸化物であり、
    前記バインダは、スチレンブタジエンラバー、スチレンブタジエンラバーの変性体、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムの変性体、アクリルゴム、アクリルゴムの変性体、またはフッ素ゴムであり、
    前記負極は、さらにフィチン酸化合物を、前記負極活物質に対して0.1質量%以上1.0質量%以下含有し、
    前記フィチン酸化合物は、フィチン酸、またはフィチン酸の一部のリン酸基のHがLiで置換されたフィチン酸塩である、
    非水電解液二次電池。
  2. 前記正極活物質が、LiMnである、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記フィチン酸化合物が、フィチン酸またはフィチン酸モノリチウム塩である、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
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