JP2021089805A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非水電解液二次電池の低温抵抗を低減し、かつ高電圧条件に対する耐久性を改善すること。【解決手段】非水電解液二次電池の製造方法が提供される。その方法は、一般式(I):X(PO2Z2)n(I)(式中、XはLi,K,MgおよびCaからなる群から選択され、ZはH,CH3およびC2H5からなる群から選択され、XがLiまたはKである場合はn=1であり、XがMgまたはCaである場合はn=2である。);で表される化合物が添加された非水電解液を用意することと、正極、負極および上記非水電解液を電池ケースに収容することと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解液二次電池の製造方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液二次電池はその普及に伴い、さらなる高性能化が望まれている。非水電解液二次電池の低温抵抗(低温での反応抵抗)を低減するために、非水電解液にジフルオロリン酸リチウムを含有させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−098099号公報
本発明者らは、鋭意検討の結果、ジフルオロリン酸リチウムを用いて低温抵抗を低下させる従来の技術には、高電圧条件に対する耐久性の点で、なお改善の余地があることを見出した。そこで本発明は、非水電解液二次電池の低温抵抗を低減し、かつ高電圧条件に対する耐久性を改善する技術を提供することを課題とする。
本明細書により、非水電解液二次電池の製造方法が提供される。その製造方法は、下記一般式(I):
X(PO (I)
(式中、XはLi,K,MgおよびCaからなる群から選択され、ZはH,CHおよびCからなる群から選択され、XがLiまたはKである場合はn=1であり、XがMgまたはCaである場合はn=2である。);
で表される化合物が添加された非水電解液を用意することを含む。また、上記製造方法は、正極、負極および上記非水電解液を電池ケースに収容することを含む。
上記製造方法によると、低温抵抗が低減され、かつ高電圧条件に対する耐久性が改善された非水電解液二次電池を製造することができる。
本発明の一実施形態において作製されるリチウムイオン二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 図1のリチウムイオン二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付している。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池および電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、「非水電解液二次電池」とは、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持電解質を含む非水電解液)を備えた電池をいう。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
ここに開示される非水電解液二次電池製造方法は、下記一般式(I):
X(PO (I)
(式中、XはLi,K,MgおよびCaからなる群から選択され、ZはH,CHおよびCからなる群から選択され、XがLiまたはKである場合はn=1であり、XがMgまたはCaである場合はn=2である。);
で表される化合物が添加された非水電解液を用いて実施される。上記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」と表記することがある。)は、一種を単独でまたは二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記化合物(I)を含有する非水電解液を用いることにより、製造される電池の低温抵抗を低減し、かつ高電圧条件に対する耐久性を改善することができる。本発明の実施にあたり、かかる効果が得られる理由を解明する必要はないが、非水電解液に化合物(I)を含有させることにより、非水電解液が酸化分解して正極上に形成される被膜が強化されて高電圧時にも正極から脱落しにくくなり、これにより低温抵抗を低減しつつ高電圧条件下での抵抗上昇が抑制されるものと考えられる。
低温抵抗低減効果をよりよく発揮する観点から、上記一般式(I)におけるXがLi,MgまたはCaである化合物(I)が好ましく、XがLiまたはMgである化合物(I)がより好ましく、XがLiである化合物(I)が特に好ましい。また、いくつかの態様において、上記一般式(I)におけるZがCHまたはCである化合物(I)が好ましく、ZがCHである化合物(I)がより好ましい。他のいくつかの態様において、上記一般式(I)におけるZがHである化合物(I)を好ましく採用し得る。
非水電解液中の化合物(I)の含有量は、該化合物(I)の使用による効果が適切に発揮されるように設定される。いくつかの態様において、非水電解液中の化合物(I)の含有量は、例えば0質量%を超えて5.0質量%以下とすることができ、0.1質量%以上3.0質量%以下としてもよく、0.5質量%以上1.5質量%以下としてもよく、0.8質量%以上1.2質量%以下としてもよい。化合物(I)の含有量が多すぎると、非水電解液に溶解させることが困難となり、あるいは被膜形成量が大きくなり過ぎて抵抗増加を招くことがあり得る。また、化合物(I)の含有量が少なすぎると、該化合物(I)の使用による効果が低下傾向となることがあり得る。
上述のように、化合物(I)が添加された非水電解液によると、該非水電解液を用いて製造される電池の低温抵抗を低減し、かつ高電圧条件に対する耐久性を改善することができる。したがって、この明細書により開示される事項には、以下のものが含まれる。
(1)上記一般式(I)で表される化合物からなる、非水電解液添加剤。
(2)上記(1)に記載の非水電解液添加剤を含む、非水電解液。
(3)上記(2)に記載の非水電解液を用いて構築された、非水電解液二次電池。
化合物(I)を含む非水電解液は、通常、該化合物(I)の他に、非水溶媒と、支持電解質としての支持塩とを少なくとも含む。
非水溶媒としては、二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)用の非水電解液に用いられ得る各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が挙げられる。このような非水溶媒は、一種を単独でまたは二種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)用の非水電解液に用いられ得る公知の支持塩を特に制限なく用いることができ、具体的には例えばリチウム塩(特に、フッ素原子を含むリチウム塩)を用いることができる。リチウム塩の例としては、LiPF、LiBF、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホンイミド(LiTFSI)等などが挙げられる。このような支持塩は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。支持塩の濃度は、好ましくは0.5mol/L以上3mol/L以下であり、より好ましくは0.7mol/L以上1.6mol/L以下(例えば0.7mol/L以上1.3mol/L以下)である。
化合物(I)を含む非水電解液には、所望により、リチウムビス(オキサラト)ボレートをさらに含有させることができる。このとき、リチウムビス(オキサラト)ボレートが非水電解液の分解反応を促進し、より均一な被膜を得ることができ、非水電解液二次電池の低温性能がより向上する。リチウムビス(オキサラト)ボレートの非水電解液中の含有量は、リチウムビス(オキサラト)ボレートによる被膜の均一化効果が高くなって非水電解液二次電池の低温性能がより向上することから、好ましくは0.1質量%以上である。一方、リチウムビス(オキサラト)ボレートの含有量が高過ぎると、非水電解液の分解反応が起こり過ぎて、被膜の均一化効果が小さくなるおそれがある。したがって、リチウムビス(オキサラト)ボレートの非水電解液80中の含有量は、好ましくは4.0質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下である。
化合物(I)を含む非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えばビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;被膜形成剤;分散剤;増粘剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
以下、リチウムイオン二次電池を例として、ここに開示される技術(非水電解液二次電池の製造方法、非水電解液添加剤、非水電解液および非水電解液二次電池を包含する。以下同じ。)の一実施形態を説明するが、本発明の適用対象を限定する意図ではない。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液80とを扁平な角形の電池ケース(すなわち外装容器)30に収容することにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(すなわち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(すなわち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(すなわち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50および負極シート60には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられているものと同様のものを特に制限なく使用することができる。典型的な一態様を以下に示す。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54に含まれる正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)、リチウム遷移金属リン酸化合物(例、LiFePO等)等が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液80としては、上述した化合物(I)を含む非水電解液が用いられる。なお、図1は、電池ケース30内に注入される非水電解液80の量を厳密に示すものではない。電池ケース30には、非水電解液80を注入するための注入口(図示せず)が設けられており、捲回電極体20を収容した電池ケース30に上記注入口から非水電解液を注入した後、該注入口を封止して、リチウムイオン二次電池100が構築される。その後、公知のコンディショニング処理やエージング処理等の活性化処理を施してもよい。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、ここでは一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウムイオン二次電池100について説明したが、ここに開示される非水電解液二次電池は、積層型電極体を備えるリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液二次電池は、円筒形、ラミネート型、コイン型等のリチウムイオン二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液二次電池は、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)ととを3:4:3の体積比で含む混合溶媒を準備し、これに支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させた。さらに、リチウムビス(オキサラト)ボレート(LiBOB)を0.5質量%の含有量となるように添加するとともに、比較例1を除く各例では表1に示す電解液添加剤を、表1に示す含有量となるように添加することにより、各実施例および各比較例の非水電解液を調製した。
なお、実施例1〜3および実施例7〜12で使用した電解液添加剤(化合物(I))ならびに比較例3〜5で使用した電解液添加剤は、それぞれ、実施例4〜6で用いた電解液添加剤(KPO)であって対応するZを有する化合物の水溶液に、1当量のLi,MgC,CaCまたはNaCを加えて12時間攪拌した後、ロータリーエバポレータにて濃縮して得られた固体をエタノールに投入して12時間攪拌し、残った固体を吸引濾過して取り出すことにより得たものである。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=90:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーをアルミニウム箔に塗布し、乾燥した後、プレス処理を行うことにより、正極シートを作製した。
また、負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを銅箔に塗布し、乾燥した後、プレス処理を行うことにより、負極シートを作製した。
上記で作製した正極シートと負極シートとを、セパレータシートを介して対向させて電極体を作製した。セパレータシートとしては多孔性ポリエチレンシートを使用した。
作製した電極体に集電体を取り付け、これを、各実施例および各比較例の非水電解液とともにラミネートケースに収容した。ラミネートケースを封止することにより、評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
<活性化処理>
上記で作製した各評価用リチウムイオン二次電池に対し、1/3Cの電流値で4.1Vまで定電流充電した後、10分間休止し、次いで1/3Cの電流値で3.0Vまで定電流放電した後、10分間休止することにより、コンディショニング処理を施した。このコンディショニング処理後の電池を1Cの電流値で3.7Vまで定電流充電し、60℃の環境下で9時間静置するエージング処理を行った。以下の評価は、上記活性化処理(コンディショニング処理およびエージング処理)後の電池を用いて行った。
<低温抵抗評価>
各電池を1Cの電流値で3.7Vまで定電流充電した後、−10℃の低温環境下において1Cの電流値で10秒間の充電を行い、充電前後の電圧差からIV抵抗を算出した。得られた結果を、比較例1の結果を100とする相対値に換算して表1に示した。
<高電圧条件に対する耐久性の評価>
各電池を4.3Vまで定電流−定電圧充電(電流値2C、カット電流0.1C)した後、4.3Vが維持されるように定電流−定電圧充電(電流値2C、カット電流0.1C)を行うことを1時間毎に14日間繰り返す4.3Vフロート試験を行った。
上記フロート試験後の電池を、1Cの電流値で3.0Vまで定電流放電し、次いで1Cの電流値で3.7Vまで定電流充電した後、−10℃の低温環境下において1Cの電流値で10秒間の充電を行い、充電前後の電圧差からフロート試験後のIV抵抗を算出した。各電池のフロート試験前の抵抗値(上記低温抵抗評価により得られたIV抵抗)を100%として、フロート試験後の抵抗値のフロート試験前の抵抗値に対する増加率を算出した。結果を表1に示した。
Figure 2021089805
表1に示された結果より、電解液添加剤として化合物(I)を含む非水電解液を用いて作製された実施例1〜12の電池によると、かかる電解液添加剤を含まない非水電解液を用いて作製された比較例1の電池に比べて低温抵抗を10%以上低減することができた。また、実施例1〜12の電池は、電解液添加剤としてLiPOを含む非水電解液を用いて作製された比較例2の電池に比べてフロート試験による抵抗増加率が明らかに低く、高電圧条件に対してより高い耐久性を示した。
なお、上記表1には、上記フロート試験後の電池を分解して取り出した正極シートの表面について、ULVAC−PHI製のX線光電子分光(XPS)装置「PHI 5000 VersaProbeII」を用いて、X線源:AlKα単色光、X線出力:100W、20kV、X線ビームサイズ:φ100μmの条件で、46.95−117.40eVの範囲で0.1eVステップのナロースキャン測定を行ってリン(P)の存在比(atomic %)を求めた結果を併せて示している。この結果から、比較例2〜5に比べて実施例1〜12では4.3Vフロート試験後における正極表面のP量が多く、高電圧条件におかれた後にも正極表面の被膜が良好に維持されていることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
80 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 非水電解液二次電池を製造する方法であって、
    下記一般式(I):
    X(PO (I)
    (式中、XはLi,K,MgおよびCaからなる群から選択され、ZはH,CHおよびCからなる群から選択され、XがLiまたはKである場合はn=1であり、XがMgまたはCaである場合はn=2である。);
    で表される化合物が添加された非水電解液を用意することと、
    正極、負極および前記非水電解液を電池ケースに収容することと、
    を含む、非水電解液二次電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113903995A (zh) * 2021-09-27 2022-01-07 远景动力技术(江苏)有限公司 锂电池用非水电解液及其制备方法和锂离子电池

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