JP2008065180A - 機能性粒子およびその製造方法 - Google Patents

機能性粒子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008065180A
JP2008065180A JP2006244724A JP2006244724A JP2008065180A JP 2008065180 A JP2008065180 A JP 2008065180A JP 2006244724 A JP2006244724 A JP 2006244724A JP 2006244724 A JP2006244724 A JP 2006244724A JP 2008065180 A JP2008065180 A JP 2008065180A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
core
functional
resin
shell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006244724A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4268179B2 (ja
Inventor
Keiichi Kikawa
敬一 紀川
Katsuru Matsumoto
香鶴 松本
Yoshihiro Maezawa
宜宏 前澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2006244724A priority Critical patent/JP4268179B2/ja
Priority to US11/898,005 priority patent/US8067143B2/en
Priority to CN2007101496678A priority patent/CN101144991B/zh
Publication of JP2008065180A publication Critical patent/JP2008065180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4268179B2 publication Critical patent/JP4268179B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09392Preparation thereof
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09307Encapsulated toner particles specified by the shell material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09307Encapsulated toner particles specified by the shell material
    • G03G9/09314Macromolecular compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/09307Encapsulated toner particles specified by the shell material
    • G03G9/09314Macromolecular compounds
    • G03G9/09321Macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/0935Encapsulated toner particles specified by the core material
    • G03G9/09357Macromolecular compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/093Encapsulated toner particles
    • G03G9/0935Encapsulated toner particles specified by the core material
    • G03G9/09357Macromolecular compounds
    • G03G9/09371Macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 コア粒子の表面にシェル粒子からなる被覆層を形成して機能性粒子を製造するに際し、形状が揃い、適度に小径化され、粒度分布の幅が狭く、特性のばらつきが少ない機能性粒子を収率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】 凝集工程S11と、減圧工程S12と、冷却工程S13とを含む製造方法によって、機能性粒子を製造する。凝集工程S11では、コア粒子とシェル粒子とを含む水性スラリーを加熱加圧状態でコイル状配管に流過させてコア粒子表面にシェル粒子を付着させて機能性粒子を得る。減圧工程S12では機能性粒子の粒度調整および粗大粒子の解砕を行い、機能性粒子の粒径を均一化する。冷却工程S13では粒径が均一化された機能性粒子の再凝集を防止する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、機能性粒子およびその製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成に用いられるトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤などを含む。トナーの代表的な製造方法には粉砕法がある。粉砕法によれば、結着樹脂、着色剤、ワックスなどの溶融混練物を冷却固化し、得られる固化物を機械的に粉砕することによって、不定形状のトナーが製造される。このトナーにおいては、粉砕時の破砕面が表面に表れることから、その表面に着色剤が露出することが多い。表面に露出する着色剤はトナーの帯電性能が影響を及ぼすので、トナーの帯電性能にばらつきを生じる。その結果、画像むらなどの画像欠陥が発生し易くなり、高画質画像を形成できない。粉砕による小径化では、トナーの表面状態を制御することは非常に困難である。トナーの帯電性能を均一にするためには、トナー表面に着色剤が露出しないことが重要である。さらに、トナーの形状が揃いかつ粒度分布の幅が狭いことが重要である。
また、トナーに含まれる離型剤は、トナー表面に経時的にブリードアウトする特性を有する。離型剤は粘着性を有するので、トナー同士の凝集(ブロッキング)を引き起こし易い。トナーとキャリアとを含む2成分現像剤が使用される場合には、離型剤がキャリア表面に付着するフィルミングという現象が発生し、キャリアが劣化するとともに、トナーの帯電が不充分になる。一方、離型剤のブリードアウトによってトナー中の離型剤量が減少する。このため、トナーが記録媒体ではなくて、トナー像を記録媒体に熱融着させる部材である定着ローラに付着するオフセット現象が非常に発生し易くなり、トナーの記録媒体への定着性が低下する。ブロッキング、フィルミングおよびオフセット現象をなくするためには、離型剤のトナー表面へのブリードアウトを防止することが重要である。また、消費電力を低減化するため、ガラス転移温度が相対的に低い結着樹脂を含み、定着温度の低いトナーが開発されている。しかしながら、このトナーは、結着樹脂が熱によって軟化し易いので、ブロッキングを起し易い。このトナーを用いる場合は、定着可能温度範囲が狭まるので、定着時の温度管理などを精密に行う必要が生じ、定着時の制御が煩雑になる。ブロッキングをなくするためには、結着樹脂が軟化した状態でトナー同士が接触するのを防止することが重要である。
上記課題に鑑み、トナー表面に被覆層を形成してなるカプセルトナーが注目される。トナー表面に被覆層を形成すれば、トナー表面に露出する着色剤を隠蔽し、離型剤のブリードアウトを低減化でき、さらに軟化状態でのトナー同士の接触を防止できる。このため、カプセルトナーについて、種々の提案がなされる。たとえば、ポリブタジエンのメチルエチルケトン溶液をスプレードライ法によって芯物質の周囲に噴霧し、高温空気中で溶媒を除去して得られるカプセル化トナーが提案される(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、スプレードライ法では粗大凝集物の生成を避け得ず、粒度分布幅が大きくなってトナーの帯電性能にばらつきを生じる。さらに、特許文献1の製造方法では、有機溶剤であるメチルエチルケトンの蒸気が大量に生成し、そのまま大気中に排気することはできない。このため、特別な回収設備が必要になり、工業的規模での生産には適しない。
また、着色剤を含む結着樹脂の粒状化物である着色樹脂粒子(コア粒子)と、着色剤樹脂粒子の表面に形成される離型剤層と、離型剤層の表面に形成されてカプセル用樹脂粒子(シェル粒子)からなる樹脂被覆層とを含むカプセルトナーが提案される(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の技術によれば、まず、結着樹脂中に着色剤と該結着樹脂に対して相溶性を有しない離型剤とを分散させたコア粒子の前段階粒子を粉砕法によって製造する。この前段階粒子の表面に、機械的衝撃力または乾式メカノケミカル法によって、カプセル用樹脂粒子を付着させる。つぎに、カプセル用樹脂粒子が付着した前段階粒子を熱気流に晒し、カプセル用樹脂粒子を前段階粒子に融着させて樹脂被覆層を形成させる。それとともに、前段階粒子から離型剤が溶出することによって、前段階粒子は着色樹脂粒子になり、かつ着色樹脂粒子と樹脂被覆層との間に離型剤層が形成され、特許文献2のカプセルトナーが製造される。しかしながら、機械的衝撃力または乾式メカノケミカル法は粒子濃度の低い気流中で実施する必要があり、生産効率が低いので、工業的規模での生産には適しない。また、着色樹脂粒子の全面に樹脂被覆層が形成されない場合があり、着色剤の表面露出などによって帯電性能にばらつきを生じるおそれがある。
一方、水性媒体中で、粒子の凝集作用などを利用してトナーを製造する湿式法も良く知られている。湿式法の利点は、得られるトナーの形状が揃いかつ粒度分布の幅が比較的に狭くなるということである。すなわち、湿式法にてカプセルトナーを製造することによって、トナーの課題を一掃できる可能性がある。たとえば、中和剤によって水への分散性を示す樹脂(以下「自己分散性樹脂」という)、着色剤、ワックス微粒子および有機溶剤を含むトナー原料混合物と、水性媒体とを、中和剤の存在下に混合して転相乳化する製造方法が提案される(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3の製造方法によれば、着色剤およびワックス微粒子を内包する自己分散性樹脂粒子であるカプセルトナーが得られる。この製造方法には、着色剤が水に対して分散し難いことに起因して、トナー原料混合物と水性媒体とを混合する際に着色剤の凝集が発生し易いという問題点がある。着色剤の凝集体は樹脂粒子の凝集を誘発する。また、着色剤が凝集することによって、最終的に得られるカプセルトナーにおいて着色剤含有量のばらつきを発生させ、帯電性能を不均一にする。
また、バッチ方式で、母粒子(コア粒子)と子粒子(シェル粒子)とをホモジナイザ処理し、母粒子表面に子粒子を凝集させてカプセル粒子を製造する方法が提案される(たとえば、特許文献4参照)。ここで、母粒子(コア粒子)の数平均粒子径は0.1〜100μmである。子粒子の数平均粒子径は母粒子の数平均粒子径が1/5以下である。ホモジナイザ処理における噴射圧力29.4MPa(300kgf/cm)以上である。特許文献4の技術において、過凝集の発生を防止し、粒径の均一な粒子を得るためには、54.8MPa以上に加圧する必要がある。特許文献4の技術で用いられるホモジナイザは、特許文献4の公報の第3頁第5欄第8〜18行によれば、高圧の分散体を互いに衝突させる形式のホモジナイザ(たとえばマイクロフルイダイザーなど)または高圧の分散体を内壁に衝突させる形式のホモジナイザ(たとえばマントンガウリンホモジナイザなど)である。これらのホモジナイザは、いずれも、コイル状配管を有しないので、剪断力を付加しても、遠心力の付加は少ない。したがって、母粒子同士または子粒子同士の凝集が発生し、目的とするカプセル粒子を工業的に満足できる程度の収量で得ることができない。しかも、得られるカプセル粒子は粒径が不均一で、粒度分布幅が大きい。また、特許文献4の技術では、29.4MPa以上、場合によって54.8MPa以上の高圧下に凝集を行うので、工業的な規模での実施には耐圧設備および避難設備が必須になり、ホモジナイザの大型化も必要になるので、現実的な方法ではない。また、母粒子の体積平均粒子径の1/5以下の体積平均粒子径を持つ子粒子しか使用できないので、使用可能な子粒子が制限される。
特開平4−174861号公報 特開2001−324831号公報 特開平10−186714号公報 特開昭63−278547号公報
本発明の目的は、コア粒子の表面にコア粒子よりも粒径の小さなシェル粒子が均一に付着して被覆層を形成する機能性粒子であって、形状が揃い、適度に小径化され、粒度分布の幅が狭く、特性のばらつきが少ない機能性粒子を収率良く製造できる工業的に有利な製造方法および該製造方法によって得られる機能性粒子を提供することである。
本発明は、樹脂粒子であるコア粒子とコア粒子よりも体積平均粒子径の小さい樹脂粒子または無機粒子であるシェル粒子とを含む混合スラリーを、コア粒子のガラス転移点以上の温度に加熱しながらコイル状配管に流過させ、コア粒子表面にシェル粒子が付着してなる機能性粒子を得ることを特徴とする機能性粒子の製造方法である。
また本発明の製造方法は、
機能性粒子を含むスラリーを突沸による泡立ちが発生しないように減圧する減圧工程と、
機能性粒子を含むスラリーを冷却する冷却工程とをさらに含むことを特徴とする。
さらに本発明の製造方法は、シェル粒子が樹脂粒子であり、コア粒子とシェル粒子とを含む混合スラリーのコイル状配管内における加熱温度Aが、下記関係式を満たすことを特徴とする。
Tg(c)<A<Tg(s)<Mp(c) …(1)
〔式中、Tg(c)はコア粒子のガラス転移温度を示す。Tg(s)はシェル粒子のガラス転移温度を示す。Mp(c)はコア粒子の融点を示す。〕
さらに本発明の製造方法は、シェル粒子が樹脂粒子であり、コア粒子とシェル粒子とが下記関係式を満たすことを特徴とする。
Tg(s)−Tg(c)≧15(℃) …(2)
〔式中、Tg(c)およびTg(s)は上記に同じ。〕
さらに本発明の製造方法は、無機粒子が難水溶性無機粒子であることを特徴とする。
さらに本発明の製造方法は、難水溶性無機粒子が難水溶性アルカリ金属塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
さらに本発明の製造方法は、コア粒子の体積平均粒子径が3.0〜6.0μm(3.0μm以上、6.0μm以下)であり、かつシェル粒子の体積平均粒子径が0.01〜1.0μm(0.01μm以上、1.0μm以下)であることを特徴とする。
さらに本発明の製造方法は、コア粒子が合成樹脂とともに着色剤と離型剤とを含むことを特徴とする。
また本発明は、前述のいずれか1つの製造方法によって製造されてなる機能性粒子であることを特徴とする。
さらに本発明の機能性粒子は、電子写真方式の画像形成装置において静電潜像を現像するためのトナーとして用いられることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂粒子であるコア粒子とコア粒子よりも体積平均粒子径の小さいシェル粒子とを含む混合スラリーを、コア粒子のガラス転移点以上の温度に加熱しながらコイル状配管に流過させる機能性粒子の製造方法が提供される。以下において前記混合スラリーをコア粒子のガラス転移点以上の温度下にコイル状配管に流過させる工程を「凝集工程」とする。本発明の製造方法によれば、コア粒子同士またはシェル粒子同士の凝集が非常に起こり難く、コア粒子とシェル粒子との凝集のみが選択的に起こるので、コア粒子表面にシェル粒子が均一に付着した機能性粒子を収率良く製造できる。この機能性粒子は、形状が揃い、適度に小径化され(たとえば5〜7μm程度)、粒度分布の幅が狭く、特性のばらつきが少ない。また、前記したように、特定の温度に加熱しかつコイル状配管を流過させるという比較的簡便な構成によって、粒子の選択的凝集が起こるので、工程管理および工程のスケールアップも容易である。したがって、本発明の製造方法は工業的規模での実施に有利である。
本発明によれば、本発明の製造方法は、凝集工程とともに、減圧工程および冷却工程を含むことが好ましい。凝集工程では、コア粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱するので、コア粒子同士が凝集して粗大粒子が生成する可能性が残る。このような粗大粒子を機能性粒子とともに含むスラリーを、減圧工程において突沸による泡立ちが発生しないように減圧すると、粗大粒子のみにおいて選択的にコア粒子が分離する。粗大粒子は減圧工程における加熱によって生成するけれども、その加熱温度はガラス転移温度よりもせいぜい5〜10℃程度高いだけであるので、コア粒子の軟化は融着が起こるほどではない。このため、粗大粒子におけるコア粒子同士の付着力は弱い。これに対し、機能性粒子では、適度に軟化したコア粒子表面にコア粒子よりも粒径の小さいシェル粒子が埋る形で存在するので、コア粒子とシェル粒子との付着力がコア粒子同士の付着力よりも強くなる。したがって、減圧工程において粗大粒子におけるコア粒子の分離が選択的に起こる。減圧工程は粒度制御工程とも言うことができる。また、冷却工程は、たとえば、機能性粒子同士の二次凝集防止工程とも言うことができる。凝集工程、減圧工程および冷却工程を繰り返して行えば、得られる機能性粒子は適度に小径化された点はそのままで、形状の一致性が一層高まり、粒度分布の幅もさらに狭くなり、特性もさらに均一化する。
本発明によれば、シェル粒子が樹脂粒子である場合、凝集工程におけるコイル状配管内での混合スラリーの加熱温度Aが上記(1)の関係式を満たすように制御することによって、コア粒子のみが選択的に軟化し、シェル粒子は付着を起す程度に軟化しないので、シェル粒子同士の凝集を防止でき、機能性粒子の収量を一層高め得る。
本発明によれば、シェル粒子が樹脂粒子である場合、コア粒子とシェル粒子とが上記(2)の関係式を満たすのが好ましい。これによって、コア粒子のマトリックス樹脂がガラス転移温度または軟化点の低い合成樹脂であっても、機能性粒子の粒子形状がそのまま保持され、機能性粒子の特性のばらつきなども起こり難い。また、機能性粒子同士の付着も起こらない。
本発明によれば、シェル粒子が無機粒子である場合、無機粒子として難水溶性無機粒子を用いるのが好ましく、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの難水溶性アルカリ金属塩を用いるのが特に好ましい。難水溶性無機粒子はほとんど水に溶解しないので、コア粒子とシェル粒子とを水性媒体に分散させる場合でも、コア粒子表面にシェル粒子を効率良くかつ確実に付着させ得る。また、混合スラリーの媒体として水、水性スラリーなどを使用できるので、作業上での安全性が高く、機能性粒子製造後の廃液処理も容易である。
本発明によれば、体積平均粒子径3.0〜6.0μmのコア粒子と、体積平均粒子径0.01〜1.0μmのシェル粒子とを用いることによって、コア粒子表面のシェル粒子による被覆率が向上する。その結果、コア粒子表面に、層厚が均一で、緻密で、機械的強度が良好で形状保持性に優れる被覆層が形成される。
本発明によれば、コア粒子が、マトリックスである合成樹脂中に着色剤と離型剤とを含むものであることが好ましい。さらに具体的には、マトリックスである合成樹脂中に、コア粒子よりも粒径がさらに小さい着色剤粒子と離型剤粒子とが均一に分散したものであることが好ましい。このコア粒子を含む機能性粒子は、所望の色に着色され、100℃前後の比較的低い温度で軟化して適度な変形性を有する。したがって、該機能性粒子をたとえば塗料の充填材として用いると、被塗面と塗膜との密着性、塗膜の機械的強度などが向上するとともに、塗膜表面に微妙な色目が付与される。したがって、本発明の機能性粒子を含む塗料を用いれば、美麗な外観を呈し、塗膜の剥離、損傷などが少なく、商品価値の高い被塗体が得られる。
本発明によれば、本発明の製造方法によって製造されてなる機能性粒子が提供される。本発明の機能性粒子は、上記したように、形状が揃い、適度に小径化され、粒度分布の幅が狭く、特性のばらつきが少ないカプセル粒子である。また、本発明の機能性粒子は適度な形状保持性を有し、無応力下ではその形状を保持し、形状変化に伴う特性のばらつきを起すことがない。すなわち、保存中にあっては、製造直後の設計特性がそのまま維持される。これに対し、適切な応力下では、設計特性を充分に発揮しながら所望の形状に変化するので、種々の用途に応用可能である。
本発明によれば、本発明の機能性粒子を電子写真方式の画像形成装置において静電潜像を現像するためのトナーとして使用できる。本発明の機能性粒子は形状が均一であり、粒度分布の幅が非常に狭く、帯電性能が均一であることから、静電潜像に均一に付着してトナー像を形成し得る。また、適度に小粒径化されていることから、原稿の画像を高精細に再現した画像を形成できる。さらに、コア粒子に着色剤および離型剤を分散させ、その表面にシェル粒子からなる被覆層が形成される場合には、コア粒子表面に着色剤が露出しても被覆層によって隠蔽される。また、コア粒子表面に離型剤がブリードアウトしても、被覆層によってそれ以上のブリードアウトが抑制される。したがって、帯電性能のばらつきが起こらず、ブロッキング、フィルミング、オフセットなどがほとんど起こることがなく、帯電性能が安定し、保存性にも優れるトナーが得られる。また、コア粒子のマトリックス樹脂にガラス転移温度が比較的低い合成樹脂を用い、該合成樹脂が軟化しても、被覆層が存在するので、コア粒子同士が付着することがない。したがって、低温定着性に優れるトナーを容易に得ることができる。さらに、個々の機能性粒子で成分組成が変化することもほとんどない。この点からも本発明の機能性粒子は帯電性能が均一である。このような好ましい特性を有する本発明の機能性粒子を用いれば、画像濃度が高く、画質品位および画像再現性に優れる高画質画像を安定的に形成できる。
本発明の機能性粒子は、樹脂粒子であるコア粒子と、コア粒子の表面に形成される被覆層とからなるカプセル粒子である。機能性粒子は、好ましくはその体積平均粒子径が5〜6μmになるように、粒度制御して製造される。体積平均粒子径5〜6μmの機能性粒子は、たとえば、トナーとして用いられる場合に、現像槽などの加熱下における保存安定性に優れ、高濃度かつ高精細で、画像再現性が良好で、画像不良のない高画質画像を安定的に製造できる。機能性粒子の表面に形成される被覆層は、コア粒子よりも体積平均粒子径の小さいシェル粒子を含む。被覆層の厚みは特に制限されないけれども、好ましくは0.1〜1.0μmである。被覆層の厚みが0.1μm未満では、たとえば、機能性粒子を電子写真方式の画像形成用トナーとして用いた場合に、ブロッキングの発生を充分に抑制できないおそれがある。また、被覆層の厚みが1.0μmを超えると、加熱を受けた際の変形性が低下するおそれがある。また、トナーとして用いる場合に、コア粒子に低温定着が可能な樹脂を使用しても、充分な低温定着性が得られないおそれがある。
(コア粒子)
コア粒子は、体積平均粒子径が好ましくは3.0〜6.0μm、さらに好ましくは4.0〜5.0μmの樹脂粒子である。コア粒子の体積平均粒子径が3.0μm未満では、シェル粒子の選択の幅が狭まる。また、この体積平均粒子径よりも体積平均粒子径の小さいシェル粒子を用いると、製造時にシェル粒子の空気中への飛散などが生じ易く、スラリー化するにも手間を要し、スラリーの粘性が上昇して作業性を低下させる。コア粒子の体積平均粒子径が6.0μmを超えると、得られる機能性粒子の粒径が大きくなり過ぎ、機能性粒子の用途範囲が狭まる。
コア粒子は、好ましくは、合成樹脂の粒状化物である。合成樹脂としては溶融状態で造粒可能であれば特に制限されず、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。合成樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。これらの中でも、水系における湿式造粒によって高い表面平滑性を有する粒子が得易いポリエステル、スチレン系ポリマー、(メタ)アクリル酸系ポリマー、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。
ポリエステルとしては公知のものを使用でき、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多価アルコールとしてもポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化点などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変性できる。また、多塩基酸として無水トリメリット酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステルが得られる。なお、ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性ポリエステルも使用できる。
スチレン系ポリマーとしては、スチレン系モノマーのホモポリマー、スチレン系モノマーとスチレン系モノマーに共重合可能なモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、たとえば、スチレン、o−メチルスチレン、エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどが挙げられる。他のモノマーとしては、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリルアミド、グリシジルメタアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールなどのN−ビニル化合物などが挙げられる。スチレン系モノマーおよびスチレン系モノマーに共重合可能なモノマーは、それぞれ1種または2種以上を使用できる。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル類のホモポリマー、(メタ)アクリル酸エステル類と(メタ)アクリル酸エステル類に共重合可能なモノマーとのコポリマーなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル類としては前述のものと同様のものを使用できる。(メタ)アクリル酸エステル類に共重合可能なモノマーとしては、(メタ)アクリル系モノマー類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、N−ビニル化合物などが挙げられる。これらは前述のものと同様のものを使用できる。(メタ)アクリル樹脂としては、酸性基含有アクリル樹脂も使用できる。酸性基含有アクリル樹脂は、たとえば、アクリル樹脂モノマーまたはアクリル樹脂モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基もしくは親水性基を含有するアクリル樹脂モノマーおよび/または酸性基もしくは親水性基を有するビニル系モノマーを併用することによって製造できる。アクリル樹脂モノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのあるアクリル酸、置換基を有することのあるメタアクリル酸、置換基を有することのあるアクリル酸エステルおよび置換基を有することのあるメタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリル樹脂モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、臭化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリルおよびメタアクリロニトリルなどが挙げられる。ビニル系モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。スチレン系ポリマーおよび(メタ)アクリル樹脂の重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などにより行われる。
ポリウレタンとしては特に制限されないけれども、たとえば、酸性基または塩基性基含有ポリウレタンを好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有ポリウレタンは、公知の方法に従って製造できる。たとえば、酸性基または塩基性基含有ジオール、ポリオールおよびポリイソシアネートを付加重合させればよい。酸性基または塩基性基含有ジオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸およびN−メチルジエタノールアミンなどが挙げられる。ポリオールとしては、たとえば、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールおよびポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これら各成分はそれぞれ1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。エポキシ樹脂としては特に制限されないけれども、酸性基または塩基性基含有エポキシ系樹脂を好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有エポキシ樹脂は、たとえば、ベースになるエポキシ樹脂にアジピン酸および無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
最終的に得られる機能性粒子を電子写真方式の画像形成に用いるトナーとする場合には、これらの合成樹脂の中でも、ポリエステルが好ましい。ポリエステルは透明性に優れ、機能性粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。また、ポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。また、これらの合成樹脂の中でも、コア粒子への造粒操作を容易に実施すること、合成樹脂への添加剤との混練性、コア粒子の形状および大きさを一層均一にすることなどを考慮すると、軟化点150℃以下の合成樹脂が好ましく、軟化点60〜150℃の合成樹脂が特に好ましい。さらにその中でも、重量平均分子量が5000〜500000の合成樹脂が好ましい。合成樹脂は1種を単独で使用できまたは異なる2種以上を併用できる。さらに、同じ樹脂であっても、分子量、単量体組成などのいずれかがまたは全部が異なるものを複数種用いることができる。
本発明では、合成樹脂として、自己分散型樹脂を用いても良い。自己分散型樹脂とは、その分子内に親水性基を有し、水などの液体に対して分散性を有する樹脂である。親水性基としては、たとえば、−COO−基、−SO−基、−CO基、−OH基、−OSO−基、−PO、−PO−基、これらの塩などが挙げられる。これらの中でも、−COO−基、−SO−基などのアニオン性親水性基が特に好ましい。このような親水性基の1種または2種以上を有する自己分散型樹脂は、分散剤を用いることなくまたは極めて少量の分散剤を用いるだけで、水に分散する。自己分散型樹脂に含有される親水性基量は特に制限されないけれども、好ましくは自己分散型樹脂100gに対して0.001〜0.050モルであり、さらに好ましくは0.005〜0.030モルである。自己分散型樹脂は、たとえば、樹脂に親水性基および不飽和2重結合を有する化合物(以下「親水性基含有化合物」という)を結合させることによって製造できる。親水性基含有化合物の樹脂への結合は、グラフト重合、ブロック重合などの手法に従って実施できる。また、親水性基含有化合物または親水性基含有化合物とそれに共重合可能な化合物とを重合させることによっても、自己分散型樹脂を製造できる。
親水性基含有化合物を結合させる樹脂としては、たとえば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体などのスチレン系樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂などが挙げられる。
親水性基含有化合物には、たとえば、不飽和カルボン酸化合物、不飽和スルホン酸化合物などが挙げられる。不飽和カルボン酸化合物としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などの不飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などの酸無水物、これらのアルキルエステル、ジアルキルエステル、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。不飽和スルホン酸化合物としては、たとえば、スチレンスルホン酸類、スルホアルキル(メタ)アクリレート類、これらの金属塩、アンモニウム塩等を用いることができる。親水性基含有化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。また、親水性基含有化合物以外のモノマー化合物として、たとえば、スルホン酸化合物などを使用できる。スルホン酸化合物としては、たとえば、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、スルホコハク酸、スルホ安息香酸、スルホサリチル酸、これらの金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
本発明で使用する合成樹脂には、一般的な合成樹脂用添加剤の1種または2種以上が含まれてもよい。該合成樹脂用添加剤の具体例としては、たとえば、各種形状(粒子状、繊維状、鱗片状)の無機質充填剤、着色剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤、電荷制御剤、潤滑剤、熱安定剤、難燃剤、ドリップ防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、遮光剤、金属不活性剤、老化防止剤、滑剤、可塑剤、衝撃強度改良剤、相溶化剤などが挙げられる。
最終的に得られる機能性粒子をトナーとして用いる場合には、好ましくは、着色剤、離型剤、電荷制御剤などを合成樹脂中に含有させる。着色剤としては特に制限されず、たとえば、有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。黒色着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイトなどが挙げられる。黄色着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。橙色着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。赤色着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。紫色着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。青色着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。緑色着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また、同色であっても、2種以上を併用できる。コア粒子における着色剤の含有量は特に制限されないけれども、好ましくはコア粒子の全量の0.1〜20重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%である。
離型剤としても特に制限されず、たとえば、パラフィンワックスとその誘導体、マイクロクリスタリンワックスとその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスとその誘導体、ポリオレフィンワックスとその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスとその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)とその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスとその誘導体、ライスワックスとその誘導体、キャンデリラワックスとその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸とその誘導体、長鎖アルコールとその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。これらの中でも、造粒工程における水溶性分散剤水溶液の液温以上の融点を有するワックスが好ましい。コア粒子における離型剤の含有量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは、コア粒子全量の0.2〜20重量%である。
電荷制御剤としても特に制限されず、正電荷制御用および負電荷制御用のものを使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。コア粒子における電荷制御剤の含有量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくはコア粒子全量の0.5〜3重量%である。
本発明の機能性粒子を電子写真方式におけるトナーとして用いる場合、外添剤を用いて機能性粒子に表面改質を施してもよい。外添剤としては電子写真分野で常用のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタン、シリコーン樹脂、シランカップリング剤で表面処理したシリカ、酸化チタンなどが挙げられる。外添剤の使用量は、たとえば、機能性粒子100重量部に対して1〜10重量部である。
本発明の機能性粒子を電子写真方式におけるトナーとして用いる場合、1成分現像剤または2成分現像剤のいずれの形態を採ってもよい。1成分現像剤として用いる場合、キャリアを使用せず、機能性粒子のみを使用し、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させてスリーブ上に機能性粒子を付着させることで搬送して画像形成する。2成分現像剤として使用する場合、機能性粒子とキャリアとを併用する。キャリアとしては電子写真分野で常用されるものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどから選ばれる1種または2種以上を含むフェライトなどが挙げられる。キャリアの表面には被覆層が形成されてもよい。被覆層の材質としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル、ジtert−ブチルサリチル酸金属塩、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ粉末、アルミナ粉末などが挙げられる。被覆層の材質は機能性粒子の含有成分に応じて適宜選択される。被覆層の材質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。キャリアの平均粒径は、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。
(コア粒子の製造方法)
コア粒子は粉砕法および湿式法のいずれでも製造できるけれども、コア粒子自体の形状および粒径の均一性などを考慮すると、湿式法が好ましい。湿式法としては公知の方法を利用でき、たとえば、懸濁重合法、転相乳化法、溶融乳化法、乳化分散法、高圧ホモジナイザ法などが挙げられる。懸濁重合法によれば、合成樹脂のモノマーを有機系懸濁安定剤の存在下に有機溶媒中に分散させ、合成樹脂モノマーを重合させることによって、コア粒子が得られる。転相乳化法によれば、水分散性樹脂の有機溶媒溶液に、撹拌下に該水分散性樹脂の解離基を中和する中和剤および水を加えて樹脂滴を生成させ、これを転相乳化することによって、コア粒子が得られる。溶融乳化法によれば、合成樹脂の溶融混練物と水溶性分散剤の水溶液とを加熱下に混合することによって、コア粒子が得られる。乳化分散法によれば、合成樹脂の有機溶媒溶液を、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの分散安定剤を含む水媒体中に乳化分散させた後、有機溶媒を除去することによって、コア粒子が得られる。高圧ホモジナイザ法によれば、合成樹脂を高圧ホモジナイザによって加圧下に粉砕することによって、コア粒子が得られる。これらの方法の中でも、形状および粒径の均一性を考慮すると、高圧ホモジナイザ法が好ましい。高圧ホモジナイザ法において用いられる高圧ホモジナイザとしては、市販品、特許文献に記載のものなどが知られる。高圧ホモジナイザの市販品としては、たとえば、マイクロフルイダイザー(商品名、マイクロフルディクス(Microfluidics)社製)、ナノマイザー(商品名、ナノマイザー社製)、アルティマイザー(商品名、(株)スギノマシン製)などのチャンバ式高圧ホモジナイザ、高圧ホモジナイザ(商品名、ラニー(Rannie)社製)、高圧ホモジナイザ(商品名、三丸機械工業(株)製)、高圧ホモゲナイザ(商品名、(株)イズミフードマシナリ製)などが挙げられる。また、特許文献に記載の高圧ホモジナイザとしては、たとえば、国際公開第03/059497号パンフレットに記載のものが挙げられる。これらの中でも、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の高圧ホモジナイザが好ましい。
国際公開第03/059497号パンフレットに記載の高圧ホモジナイザを用いるコア粒子の製造方法の一例を図1に示す。図1は、コア粒子の製造方法を概略的に示すフローチャートである。図1に示す製造方法は、粗粉調製工程S1と、スラリー調製工程S2と、粉砕工程S3と、減圧工程S4と、冷却工程S5とを含む。これらの工程のうち、粉砕工程S3、減圧工程S4および冷却工程S5は、たとえば、図2に示す高圧ホモジナイザ1を用いて行われる。図2は、高圧ホモジナイザ1の構成を簡略化して示す系統図である。高圧ホモジナイザ1は、タンク2と、送りポンプ3と、加圧ユニット4と、加熱器5と、粉砕用ノズル6と、減圧モジュール7と、冷却機8と、配管9と、取り出し口10とを含む。高圧ホモジナイザ1においては、タンク2、送りポンプ3、加圧ユニット4、加熱器5、粉砕用ノズル6、減圧モジュール7および冷却機8はこの順番で配管9によって連結される。配管9によって連結する系内においては、冷却機8によって冷却された後の混合スラリーを取り出し口10から系外に取り出しても良く、また冷却機8によって冷却された後の混合スラリーを再度タンク2に戻し、矢符11の方向に繰返し循環してもよい。粗粉スラリーが粉砕用ノズル6を通過するまでが粉砕工程S3であり、減圧モジュール7を通過する工程が減圧工程S4であり、冷却機8を通過する工程が冷却工程である。
タンク2は内部空間を有する容器状部材であり、スラリー調製工程S2で得られる粗粉スラリーを貯留する。送りポンプ3は、タンク2内に貯留される粗粉スラリーを加圧ユニット4に向けて送給する。加圧ユニット4は、送りポンプ3から供給される粗粉スラリーを加圧して加熱器5に送給する。加圧ユニット4には、たとえば、プランジャと、プランジャによって吸入吐出駆動されるポンプとを含むプランジャポンプを使用できる。加熱器5は、加圧ユニット4から供給される加圧状態にある粗粉スラリーを加熱する。加熱器5には、たとえば、図示しないコイル状(または螺旋状)配管と、図示しない加熱手段とを含むものを使用できる。コイル状配管は、その内部に図示しない流路を有し、粗粉スラリーを流過させるパイプ状部材がコイル状(または螺旋状)に巻かれた部材である。加熱手段は、コイル状配管の外周面に沿って設けられ、水蒸気、熱媒体などが流過可能な配管と、該配管に水蒸気、熱媒体などを供給する加熱媒体供給手段とを含む。加熱媒体供給手段は、たとえば、ボイラである。加熱器5におけるコイル状配管に、粒子を含む水性スラリーを流過させると、加熱加圧状態で遠心力と剪断力とが付与される。遠心力と剪断力とが同時に作用することによって、流路内に乱流が発生する。粒子が体積平均粒子径0.4〜3μmのコア粒子のような充分に小さい粒子であれば、粒子は乱流による影響を受けて不規則に流過し、粒子同士の衝突回数が顕著に多くなり、凝集が起こる。一方、粒子が粒径100μm程度の粗粉であれば、粒子が充分に大きいため、粒子は遠心力によって流路内壁面近傍を安定した状態で流過し、乱流の影響を受け難いので凝集は起こり難い。
粉砕用ノズル6は、加熱器5から供給される加熱加圧状態にある粗粉スラリーを、その内部に形成される流路に流過させることによって、粗粉をコア粒子に粉砕する。粉砕用ノズル6には、液体流過が可能な一般的な耐圧ノズルを使用できるけれども、たとえば、流路を複数有する多重ノズルを好ましく使用できる。多重ノズルの流路は多重ノズルの軸心を中心とする同心円上に形成されても良く、また複数の流路が多重ノズルの長手方向にほぼ平行に形成されてもよい。多重ノズルの具体例としては、入口径および出口径0.05〜0.35mm程度、並びに長さ0.5〜5cmの流路が1または複数、好ましくは1〜2程度形成されたものが挙げられる。また、流路がノズル内部において直線状に形成されない耐圧ノズルも使用できる。このような耐圧ノズルとしては、たとえば、図3に示すものが挙げられる。図3は、耐圧ノズル15の構成を模式的に示す断面図である。耐圧ノズル15はその内部に流路16を有する。該流路16は鉤状に屈曲し、矢符18の方向から流路16内に新入する粗粉スラリーが衝突する衝突壁17を少なくとも1つ有する。粗粉スラリーは衝突壁17に対してほぼ直角に衝突し、これによって粗粉が粉砕され、より小径化されたコア粒子になって耐圧ノズル15の出口から排出される。耐圧ノズル15において、入口径と出口径とが同寸法に形成されるけれども、それに限定されず、出口径を入口径よりも小さく形成しても良い。なお、出口および入口は通常は真円状に形成されるけれども、それに限定されず、正多角形状などに形成されてもよい。耐圧ノズルは1つ設けてもよく、複数設けてもよい。
減圧モジュール7には、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の多段減圧装置を用いるのが好ましい。該多段減圧装置は、入口通路と、出口通路と、多段減圧通路とを含む。入口通路は、一端が配管9に連結されかつ他端が多段減圧通路に連結され、コア粒子を含み加熱加圧状態にあるスラリーを多段減圧通路に導入する。多段減圧通路は、一端が入口通路に連結されかつ他端が出口通路に連結され、入口通路を介してその内部に導入される加熱加圧状態にあるスラリーを突沸による泡の発生(バブリング)が起こらないように減圧する。多段減圧通路は、たとえば、複数の減圧部材と、複数の連結部材とを含む。減圧部材にはたとえばパイプ状部材が用いられる。連結部材にはたとえばリング状シール部材が用いられる。内径の異なる複数のパイプ状部材をリング状シール部材にて連結することによって、多段減圧通路が構成される。たとえば、入口通路から出口通路に向けて、同じ内径を有するパイプ状部材Aをリング状シール部材によって2〜4個連結し、次のパイプ状部材Aよりも内径が2倍程度大きいパイプ状部材Bをリング状シール部材によって1個連結し、さらにパイプ状部材Bよりも内径が5〜20%程度小さいパイプ状部材Cをリング状シール部材によって1〜3個程度連結してなる多段減圧通路が挙げられる。このような多段減圧通路内に加熱加圧状態にあるスラリーを流過させると、バブリングを起すことなく、該スラリーを大気圧またはそれに近い加圧状態にまで減圧できる。多段減圧通路の周囲に、冷媒または熱媒を用いる熱交換手段を設け、スラリーに付加される圧力値に応じて減圧と同時に冷却または加熱を行ってもよい。出口通路は、一端が多段減圧通路に連結され、他端が配管9に連結され、多段減圧通路によって減圧されるスラリーを配管9に送給する。この多段減圧装置では、入口径と出口径とが同じになるように構成しても良く、または出口径が入口径よりも大きくなるように構成しても良い。
本実施の形態では、減圧モジュール7としては、前記のような構成を有する多段減圧装置に限定されず、たとえば、減圧ノズルも使用できる。図4は、減圧ノズル20の構成を模式的に示す長手方向断面図である。減圧ノズル20には、その内部を長手方向に貫通する流路21が形成される。流路21の入口21aおよび出口21bがそれぞれ配管9に連結される。流路21は、入口径が出口径よりも大きくなるように形成される。さらに本実施の形態では、流路21は、スラリーの流過方向である矢符22の方向に垂直な方向の断面が、入口21aから出口21bに近づくにつれて徐々に小さくなり、かつ該断面の中心(軸線)が矢符22の方向に平行な同一軸線(減圧ノズル20の軸線)上に存在する。減圧ノズル20によれば、加圧加熱状態にあるスラリーが入口21aから流路21内に導入され、減圧を受けた後、出口21bから配管9に向けて排出される。前記のような多段減圧装置または減圧ノズルは1つまたは複数設けることができる。複数設ける場合には、直列に設けてもよく、並列に設けてもよい。
冷却機8には、耐圧構造を有する一般的な液体冷却機を使用でき、たとえば、スラリーが流過する配管の周囲に冷却水を循環させる配管を設け、冷却水を循環させることによってスラリーを冷却する冷却機を使用できる。その中でも、蛇管式冷却機のような冷却面積の大きい冷却機が好ましい。また、冷却機入口から冷却機出口に向けて、冷却勾配が小さくなるように(または冷却能力が低下するように)構成するのが好ましい。これによって、粉砕されたコア粒子の再凝集が一層防止されるので、粗粉の微粒化が一層効率的に達成され、コア粒子の収率も向上する。冷却機8は1つ設けてもよくまたは複数設けてもよい。複数設ける場合は、直列に設けても良くまたは並列に設けてもよい。直列に設ける場合は、スラリーの流過方向において、冷却能力が徐々に低下するように冷却機を設けるのが好ましい。減圧モジュール7から排出される、コア粒子を含みかつ加熱状態にあるスラリーは、たとえば、冷却機8の配管9に連結される入口8aから冷却機8内に導入され、冷却勾配を有する冷却機8の内部での冷却を受け、冷却機8の出口8bから配管9に排出される。
高圧ホモジナイザ1は市販されている。その具体例としては、たとえば、NANO3000(商品名、(株)美粒製)などが挙げられる。高圧ホモジナイザ1によれば、タンク2内に貯留される粗粉スラリーを、加熱加圧状態で粉砕用ノズル6内に導入して粗粉をコア粒子に粉砕し、粉砕用ノズル6から排出される加熱加圧状態にあるコア粒子のスラリーを減圧モジュール7内に導入してバブリングが起こらないように減圧し、減圧モジュール7から排出される加熱状態にあるコア粒子のスラリーを冷却機8に導入して冷却し、コア粒子のスラリーを得る。コア粒子のスラリーは取り出し口10から排出されるか、または再度タンク2内に循環され、同様の粉砕処理が施される。
〔粗粉調製工程S1〕
本工程では、合成樹脂の粗粉を調製する。このとき、合成樹脂は合成樹脂用添加剤の1種または2種以上を含んでもよい。合成樹脂の粗粉は、たとえば、合成樹脂および必要に応じて合成樹脂用添加剤の1種または2種以上を含む混練物の固化物を粉砕することによって製造できる。混練物は、たとえば、合成樹脂および必要に応じて合成樹脂用添加剤の1種または2種以上を混合機で乾式混合し、得られる粉体混合物を混練機で混練することによって製造できる。混練温度は、結着樹脂の溶融温度以上の温度(通常は80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度)である。ここで混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山(株)製)、スーパーミキサ(商品名、(株)カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工(株)製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、(株)奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業(株)製)などが挙げられる。混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械(株)製)、PCM−65/87(商品名、(株)池貝製)などの1軸もしくは2軸の押出機、ニーディックス(商品名、三井鉱山(株)製)などのオープンロール方式のものが挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式のものが好ましい。なお、着色剤などの合成樹脂用添加剤を混練物中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また、合成樹脂用添加剤の2種以上を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、合成樹脂用添加剤の2種以上に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際に粉体混合物に混入される。
固化物は、混練物を冷却することによって得られる。固化物の粉砕には、カッターミル、フェザーミル、ジェットミルなどの粉体粉砕機が用いられる。これによって合成樹脂の粗粉が得られる。粗粉の粒径は特に制限されないけれども、好ましくは450〜1000μm、さらに好ましくは500〜800μmである。
〔スラリー調製工程S2〕
スラリー調製工程S2では、粗粉調製工程で得られる合成樹脂粗粉と液体とを混合し、液体中に合成樹脂粗粉を分散させることによって、粗粉スラリーを調製する。合成樹脂粗粉と混合する液体としては、合成樹脂粗粉を溶解せずかつ均一に分散させ得る液状物であれば特に制限されないけれども、工程管理の容易さ、全工程後の廃液処理、取扱い易さなどを考慮すると、水が好ましく、分散安定剤を含む水がさらに好ましい。分散安定剤は、合成樹脂粗粉を水に添加する前に、水に添加しておくのが好ましい。分散安定剤としては、この分野で常用されるものを使用できる。その中でも水溶性高分子分散安定剤が好ましい。水溶性高分子分散安定剤としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのアクリル系単量体、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有アクリル系単量体、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステルなどのエステル系単量体、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのビニルアルコール系単量体、ビニルアルコールとのエーテル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなどのビニルアルキルエーテル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルアルキルエステル系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、これらのメチロール化合物などのアミド系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド系単量体、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどのビニル窒素含有複素環系単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどの架橋性単量体などから選ばれる1種または2種の親水性単量体を含む(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系ポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウムなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩などが挙げられる。分散安定剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。なお、分散安定剤として後記するアニオン系分散剤を用いて得られるコア粒子のスラリーをそのまま機能性粒子の製造に用いれば、機能性粒子の製造方法の仮凝集工程S11におけるアニオン系分散剤の添加を省略できる。分散安定剤の添加量は特に制限されないけれども、好ましくは粗粉スラリーの0.05〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%である。
粗粉スラリーには、分散安定剤とともに、増粘剤、界面活性剤などを添加してもよい。増粘剤は、たとえば、粗粉の一層の微粒化に有効である。界面活性剤は、たとえば、合成樹脂粗粉の水に対する分散性を一層向上させる。増粘剤としては、合成高分子多糖類および天然高分子多糖類から選ばれる多糖類系増粘剤が好ましい。合成高分子多糖類としては公知のものを使用でき、たとえば、カチオン化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、イオン化デンプン誘導体、デンプンと合成高分子のブロック重合体などが挙げられる。天然高分子多糖類としてはたとえば、ヒアルロン酸、カラギーナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガムなどが挙げられる。増粘剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。増粘剤の添加量は特に制限されないけれども、好ましくは粗粉スラリー全量の0.01〜2重量%である。界面活性剤としては、たとえば、スルホコハク酸ラウリル・2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル・2ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル(C12〜C14)スルホコハク酸・2ナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウロイルエタノールアミド・2ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩が挙げられる。界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。界面活性剤の添加量は特に制限されないけれども、好ましくは粗粉スラリー全量の0.05〜0.2重量%である。
合成樹脂粗粉と液体との混合は、一般的な混合機を用いて行われ、それによって粗粉スラリーが得られる。ここで、液体に対する合成樹脂粗粉の添加量は特に制限はないけれども、好ましくは合成樹脂粗粉と液体との合計量の3〜45重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。また、合成樹脂粗粉と水との混合は、加熱下または冷却下に実施してもよいけれども、通常は室温下に行われる。混合機としては、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山(株)製)、スーパーミキサ(商品名、(株)カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工(株)製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、(株)奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業(株)製)などが挙げられる。こうして得られる粗粉スラリーは、そのまま粉砕工程S3に供してもよいけれども、たとえば、前処理として、一般的な粉砕処理を施し、合成樹脂粗粉の粒径を好ましくは100μm前後、さらに好ましくは100μm以下に粉砕してもよい。前処理である粉砕処理は、たとえば、粗粉スラリーを高圧下にて一般的な耐圧ノズルに通過させることによって行われる。
〔粉砕工程S3〕
粉砕工程S3では、スラリー調製工程S2で得られる粗粉スラリーを加熱加圧下に粉砕して、コア粒子の水性スラリーを得る。粗粉スラリーの加熱加圧には高圧ホモジナイザ1における加圧ユニット4および加熱器5が用いられる。粗粉の粉砕には高圧ホモジナイザ1におけるにおける粉砕用ノズル6が用いられる。粗粉スラリーの加圧加熱条件は特に制限されないけれども、50〜250MPaに加圧されかつ50℃以上に加熱されるのが好ましく、50〜250MPaに加圧されかつ粗粉中に含まれる合成樹脂の融点以上に加熱されるのがさらに好ましく、50〜250MPaに加圧されかつ粗粉中に含まれる合成樹脂の融点〜Tm+25℃(Tm:合成樹脂のフローテスターにおける1/2軟化温度)に加熱されるのが特に好ましい。ここで、粗粉が2種以上の合成樹脂を含む場合は、合成樹脂の融点およびフローテスターにおける1/2軟化温度は、いずれも、最も高い融点または1/2軟化温度を有する合成樹脂の値である。圧力が50MPa未満では、せん断エネルギーが小さくなり、粉砕が充分に進まないおそれがある。250MPaを超えると、実際の生産ラインにおいて危険性が大きくなり過ぎ、現実的ではない。粗粉スラリーは、前記範囲の圧力および温度で粉砕用ノズル6の入口から粉砕用ノズル6内に導入される。粉砕用ノズル6の出口から排出される水性スラリーは、たとえば、コア粒子を含み、60〜Tm+60℃(Tmは前記に同じ)に加熱されかつ5〜80MPa程度に加圧される。
〔減圧工程S4〕
減圧工程S4では、粉砕工程S3で得られる加熱加圧状態にあるコア粒子の水性スラリーを、バブリングが発生しない状態に保持しながら大気圧またはそれに近い圧力まで減圧する。減圧には高圧ホモジナイザ1における減圧モジュール7が用いられる。減圧工程S4終了後の水性スラリーは、たとえば、コア粒子を含み、液温が60〜Tm+60℃程度である。本明細書においてTmはコア粒子の軟化点である。
本明細書において、合成樹脂の軟化点は流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。流動特性評価装置(フローテスターCFT−100C)において、荷重10kgf/cm(9.8×10Pa)与えて試料(カルボキシル基含有樹脂)1gがダイ(ノズル、口径1mm、長さ1mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化点とした。また、合成樹脂または樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、次のようにして求められる。示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業(株)製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じて、試料(合成樹脂または樹脂粒子)1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。合成樹脂の融点は、示差走査熱量計(DSC220)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、合成樹脂によっては複数の融解ピークを示す場合があるけれども、本発明においては、最大のピークを融点とする。
〔冷却工程S5〕
冷却工程S5では、減圧工程S4において減圧され、液温60〜Tm+60℃(Tmは上記に同じ)程度の水性スラリーを冷却し、20〜40℃程度のスラリーにする。冷却には、高圧ホモジナイザ1の冷却機8が用いられる。これによって、コア粒子を含む水性スラリーが得られる。この水性スラリーは、そのまま機能性粒子の製造に使用できる。また、該水性スラリーからコア粒子を単離し、該コア粒子を新たにスラリー化して機能性粒子の原料として用いてもよい。該水性スラリーからコア粒子を単離するには、濾過、遠心分離などの一般的な分離手段が用いられる。本製造方法では、粉砕用ノズル6を流過させる際に水性スラリーに付加される温度および/または圧力、該水性スラリー中の粗粉濃度、粉砕の回数などを適宜調整することによって、得られるコア粒子の粒径を制御できる。
なお、本明細書において、体積平均粒子径および変動係数(CV値)は次のようにして求められる値である。電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、STM社製)により超音波周波数20kzで3分間分散処理して測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:20μm、測定粒子数:50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒子径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値、%)は、下記式に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
(シェル粒子)
シェル粒子は、コア粒子よりも体積平均粒子径の小さい樹脂粒子または無機粒子である。シェル粒子の体積平均粒子径は、好ましくは0.01〜1.0μm、さらに好ましくは0.03〜0.5μmである。シェル粒子の体積平均粒子径が0.01μm未満では、シェル粒子が小さすぎて、コア粒子表面に埋り込み難くなる。したがって、シェル粒子によるコア粒子表面の被覆に長時間を要し、その割には、被覆層の特性のさらなる向上が認められない。被覆層のコア粒子に対する接着力が弱くなる場合がある。シェル粒子の体積平均粒子径が1.0μmを超えると、コア粒子を充分に被覆できない。特に、コア粒子がたとえば着色剤を含み、その表面に着色剤が露出する場合には、表面に露出した着色剤を充分に隠蔽できないおそれがある。また、コア粒子がたとえば離型剤を含み、その表面に離型剤がブリードアウトしてきた場合には、離型剤のそれ以上のブリードアウトを充分に防止できないおそれがある。また、被覆層の厚みが厚くなり過ぎるという不具合もある。
シェル粒子が樹脂粒子である場合は、シェル粒子のガラス転移温度は特に制限されないけれども、45〜75℃程度のものが好ましい。また、シェル粒子のガラス転移温度は、コア粒子のガラス転移温度よりも高くなるように設定される。好ましくは両者のガラス転移温度が、下記関係式(2)を満たすように設定される。両者のガラス転移温度の差を15℃以上とすることによって、コア粒子用樹脂としてガラス転移温度または軟化点の低い合成樹脂を用いても、機能性粒子の粒子形状がそのまま保持され、機能性粒子の特性のばらつきなども起こり難い。また、機能性粒子同士の付着も起こらない。したがって、シェル粒子はコア粒子の体積平均粒子径およびガラス転移温度に応じて選択される。すなわち、シェル粒子として好適な前記体積平均粒子径を持つ樹脂粒子の中から、コア粒子の体積平均粒子径よりも小さい体積平均粒子径を持ち、かつコア粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂粒子を選択し、シェル粒子として用いればよい。
Tg(s)−Tg(c)≧15(℃) …(2)
〔式中、Tg(s)はシェル粒子のガラス転移温度を示す。Tg(c)はコア粒子のガラス転移温度を示す。〕
樹脂粒子であるシェル粒子は、コア粒子に用いられるのと同様の合成樹脂を用い、コア粒子の製造方法と同様の製造方法によって製造できるけれども、乳化重合法またはソープフリー乳化重合法によって合成されたシェル粒子が好ましい。乳化重合法によれば、重合用モノマーを乳化剤によって水性媒体中に乳化させた状態で、重合を行うことによって、樹脂粒子が得られる。重合用モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、スチレン化合物などを使用できる。重合用モノマーの具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート化合物、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンなどのスチレン化合物が挙げられる。これら以外にも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどを重合用モノマーとして使用できる。さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多官能性モノマーも使用できる。重合用モノマーは、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤などを使用できる。アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウムなどの脂肪酸塩、ラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテートなどのアルキルアミン塩、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩などが挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ステアリルベタイン等がある。重合は、重合開始剤の存在下に行われる。重合開始剤としては、水溶性重合開始剤、油溶性重合開始剤などが挙げられる。水溶性重合開始剤としては、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノバレリックアシッド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメン−ハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。油溶性重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイトなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチルバレロニトリルなどのアゾ系化合物などが挙げられる。これらの中でも、水溶性重合開始剤を好ましく使用できる。より具体的には、乳化重合は、たとえば、乳化剤を含む水性媒体中に重合用モノマーの1種または2種以上を乳化分散させ、これに重合開始剤を添加し、攪拌下に加熱することによって行われる。重合用モノマーの乳化分散は、たとえば、ホモミキサ、ホモジナイザなどを用いて行われる。生成する樹脂粒子の粒径は、たとえば、攪拌の回転数を調整することによって、制御できる。また、重合反応系に連鎖移動剤を添加することによって、生成する樹脂の分子量を制御できる。連鎖移動剤としては、たとえば、ラウリルメルカプタンなどのメルカプタン化合物、チオグリコール酸オクチルなどを使用できる。
シェル粒子が無機粒子である場合、機能性粒子が水系で製造されることを考慮すれば、シェル粒子としては水不溶性無機粒子および難水溶性無機粒子から選ばれる1種または2種以上であることが好ましい。水不溶性無機粒子としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタン、アルミナなどの無機酸化物が挙げられる。難水溶性無機粒子とは、常温における水に対する溶解性が10mg/100g以下、好ましくは3mg/100g以下の無機粒子である。このような無機粒子としては、たとえば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなどの難水溶性アルカリ金属塩が挙げられる。これらの中でも、難水溶性無機粒子が好ましく、難水溶性アルカリ金属塩が特に好ましい。ここに挙げた無機粒子の中から、シェル粒子としての好ましい体積平均粒子径を持ち、かつコア粒子よりも体積平均粒子径の小さい無機粒子を選択して用いればよい。
(機能性粒子の製造)
機能性粒子は、たとえば、図5に示す製造方法によって得ることができる。図5は、本発明における機能性粒子の製造方法の一例を概略的に示すフローチャートである。図5に示す本発明の機能性粒子の製造方法は、凝集工程S11と、減圧工程S12と、冷却工程S13とを含む。
〔凝集工程S11〕
本工程では、コア粒子とシェル粒子とを含む水性混合スラリー(以下特に断わらない限り単に「混合スラリー」という)を調製する。次いで、この混合スラリーを加熱加圧下にコイル状配管に流過させることによって、コア粒子表面にシェル粒子が凝集して付着し、コア粒子表面にシェル粒子を含む被覆層が形成された機能性粒子の水性スラリー(以下特に断わらない限り「機能性粒子スラリー」という)が得られる。混合スラリーにおける固形分濃度(コア粒子とシェル粒子との合計濃度)は特に制限されないけれども、好ましくは混合スラリー全量の2〜40重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。2重量%未満では、コア粒子に対するシェル粒子の凝集力が小さくなり、粒径制御が困難になるおそれがある。40重量%を超えると、シェル粒子のコア粒子表面において過凝集が起こるおそれがある。また、コア粒子とシェル粒子との使用割合は特に制限されないけれども、コア粒子100重量部に対して好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは7〜13重量部である。
混合スラリーにはカチオン系分散剤を添加できる。カチオン系分散剤の添加によって、混合スラリーにおけるシェル粒子の分散性が低下する。この状態でパイプ状配管を混合スラリーが流過することによって、シェル粒子のコア粒子表面への凝集が無理なく円滑に進行し、形状および粒子径のばらつきが少ない機能性粒子が得られる。すなわち、本発明では、カチオン系分散剤は凝集剤として作用する。カチオン系分散剤としては公知のものを使用できるけれども、たとえば、アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤、アルキルアミドアミン型カチオン系分散剤、アルキルジメチルベンジルアンモニウム型カチオン系分散剤、カチオン化多糖型カチオン系分散剤、アルキルベタイン型カチオン系分散剤、アルキルアミドベタイン型カチオン系分散剤、スルホベタイン型カチオン系分散剤、アミンオキサイド型カチオン系分散剤などが好ましい。これらの中でも、アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤がさらに好ましい。アルキルトリメチルアンモニウム型カチオン系分散剤の具体例としては、たとえば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなどが挙げられる。カチオン系分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。カチオン系分散剤は、たとえば、混合スラリーに添加して用いられる。カチオン系分散剤の添加量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは混合スラリー全量の0.1〜5重量%である。添加量が0.1重量%未満では、シェル粒子の分散性を弱める能力が不充分になり、シェル粒子の凝集が不充分になるおそれがある。添加量が5重量%を超えると、カチオン系分散剤の分散効果が発現するようになり、凝集が不充分になるおそれがある。
混合スラリーには、カチオン系分散剤とともにアニオン系分散剤を添加してもよい。アニオン系分散剤は、シェル粒子のマトリックス成分である合成樹脂が自己分散型樹脂以外の樹脂である場合に、混合スラリーに添加するのが好ましい。アニオン系分散剤はコア粒子の水中での分散性を向上させる作用を有し、その添加によって主にシェル粒子の過凝集が防止される。したがって、混合スラリーにアニオン系分散剤を添加しておき、さらにカチオン性分散剤を添加することによって、コア粒子の凝集が円滑に進行するとともに過凝集の発生が防止され、粒度分布幅の狭い機能性粒子を収率良く製造できる。なお、アニオン系分散剤は粗粉スラリーを調製する段階で、粗粉スラリーに添加しても良い。アニオン系分散剤としては公知のものを使用できるけれども、スルホン酸型アニオン系分散剤、硫酸エステル型アニオン系分散剤、ポリオキシエチレンエーテル型アニオン系分散剤、リン酸エステル型アニオン系分散剤、ポリアクリル酸塩などが挙げられる。アニオン系分散剤の具体例としては、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンフェニルエーテルなどを好ましくは使用できる。アニオン系分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。アニオン系分散剤の添加量は特に制限されないけれども、好ましくは混合スラリー全量の0.1〜5重量%である。0.1重量%未満ではアニオン系分散剤によるシェル粒子の分散効果が不充分になり、過凝集が起こるおそれがある。5重量%を超えて添加しても分散効果はそれ以上向上せず、却って混合スラリーの粘性が高くなることによってシェル粒子の分散性が低下する。その結果過凝集が起こるおそれがある。また、カチオン系分散剤とアニオン系分散剤との使用割合は特に制限されず、カチオン系分散剤の使用によってアニオン系分散剤の分散効果が低下する使用割合であれば特に制限されない。ただし、機能性粒子の粒径制御の容易性、凝集の起こり易さ、過凝集の発生防止、機能性粒子の粒度分布幅のさらなる狭小化などを考慮すると、アニオン系分散剤とカチオン系分散剤とを、重量比で、好ましくは10:1〜1:10、さらに好ましくは10:1〜1:3、特に好ましくは5:1〜1:2の割合で用いるのがよい。
混合スラリーは、コイル状配管内において、コア粒子のガラス転移温度以上の温度で加熱される。これによって、コア粒子のみが選択的に軟化し、コア粒子表面にシェル粒子が付着および凝集する。加熱温度がコア粒子のガラス転移温度未満の温度では、コア粒子の軟化が進まないので、コア粒子表面へのシェル粒子の付着が起こり難い。また、シェル粒子が樹脂粒子である場合は、コイル状配管内における混合スラリーの加熱温度は、下記関係式(1)を満たすことが好ましい。すなわち、コイル状配管内における混合スラリーの加熱温度はコア粒子のガラス転移温度よりも高く、シェル粒子のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。かつ、シェル粒子のガラス転移温度がコア粒子の融点よりも低いことが好ましい。したがって、シェル粒子として、コア粒子のガラス転移温度と融点との間の温度域にガラス転移温度を有する樹脂粒子を選択するのが好ましい。この構成によって、コア粒子のみが軟化するので、シェル粒子がコア粒子表面に埋め込まれるように付着して固定化された機能性粒子が得られるとともに、シェル粒子同士の凝集が防止される。また、混合スラリーは、コイル状配管内において加圧される。加圧圧力は特に制限されないけれども、好ましくは5〜100MPa、さらに好ましくは5〜20MPaである。圧力が5MPa未満では、混合スラリーがコイル状配管内で円滑に流過しない。加圧圧力が100MPaを超えると、シェル粒子の凝集が非常に起こり難くなる。
Tg(c)<A<Tg(s)<Mp(c) …(1)
〔式中、Aはコイル状配管内における混合スラリーの加熱温度である。Tg(c)はコア粒子のガラス転移温度を示す。Tg(s)はシェル粒子のガラス転移温度を示す。Mp(c)はコア粒子の融点を示す。〕
混合スラリーを流過させるコイル状配管は、内部に流路を有するパイプ状配管がコイル状または螺旋状に巻かれた部材である。コイル状配管のコイル巻き数は、好ましくは1〜200、さらに好ましくは5〜80、特に好ましくは20〜60である。コイル巻き数が1未満では、コア粒子ではなく適度な粒径を有する機能性粒子の凝集が起こり、粗大粒子が生成する。コイル巻き数が200を超えると、遠心力を付加される時間が長くなるので、粒径制御が困難になる。その結果、適度な粒径を有する機能性粒子の収率が低下する。コイル巻き数が20〜60の範囲にあれば、粒径制御が特に容易であり、形状および粒径の揃った機能性粒子を収率良く得ることができる。また、1個のコイルにおけるコイル半径は特に制限されないけれども、好ましくは25〜200mm、特に好ましくは30〜80mmである。コイル半径が25mm未満では、コイル状配管の流路内で角速度が支配的になり、コア粒子が流路の内壁面およびその近傍に安定的に偏在する傾向がある。その結果、コア粒子の過凝集が起こり易くなり、粒径制御が困難になり、適度の粒径を有する機能性粒子の収率が低下する。コイル半径が200mmを超えると、流路内で遠心力が大きくなって乱流が発生し難くなり、コア粒子同士が衝突する機会が減少し、コア粒子の凝集が起こり難くなる。したがって、粒径制御が困難になり、適度な粒径を有する機能性粒子の収量が低下する。
混合スラリーが加熱加圧状態でコイル状配管を流過することによって、凝集が起こる理由は充分明らかではないけれども、次のように考えられる。混合スラリーは、直線状配管の流路内では層流を形成して流過する。層流では、流路の中心には粒径の大きな粒子がほぼ整列して流れ、流路の内壁面近傍には粒径の小さな粒子がほぼ整列して流れる。この時は、流れに乱れがないので、粒子同士が衝突することは少なく、凝集はほとんど起こらない。これに対し、混合スラリーがパイプ状配管の流路内に導入されると、流路の内壁面近傍では流路の外方へ向う遠心力Fが加わる。遠心力FはF=mrω(式中mは遠心力を付加される物体の質量を示す。rは回転半径を示し、ここではコイル半径を示す。ωは角速度を示す。)で表される。大粒子(コア粒子)と小粒子(シェル粒子)とが共存する系では、移動速度の速い小粒子の方が大きな遠心力を受ける。したがって、小粒子であるシェル粒子が先にコイル状配管の流路内壁面近傍に移動し、後からガラス転移温度以上に加熱されて軟化した大粒子であるコア粒子が流路内壁面近傍に移動する。そして、先に移動していたシェル粒子が軟化したコア粒子表面に付着および凝集する。これに基づき、コア粒子の質量、シェル粒子の質量、コア粒子の角速度およびシェル粒子の角速度が、下記の関係式(3)を満たすように、構成するのが好ましい。これによって、コア粒子表面に層厚が一層均一な被覆層を形成できる。なお、コア粒子表面がシェル粒子によって被覆されると、シェル粒子自体は軟化しておらず粘着性を示さないので、過凝集は起こり難い。
m(c)/m(s)<(ω(s)/ω(c)) …(3)
〔式中、m(c)はコア粒子の質量を示す。m(s)はシェル粒子の質量を示す。ω(c)はコア粒子の角速度を示す。ω(s)はシェル粒子の角速度を示す。〕
〔減圧工程S12〕
減圧工程S12では、凝集工程S11で得られる加熱加圧状態にある機能性粒子スラリーを、突沸による泡立ち(バブリング)が発生しないように、大気圧またはそれに近い圧力まで減圧する。減圧に並行して粒度調整が行われる。粒度調整は、主に、粗大粒子の小径化である。したがって、減圧後の機能性粒子スラリーは粗大粒子をほとんど含まず、形状および粒径のほぼ均一な機能性粒子を含み、液温が50〜80℃程度である。
機能性粒子スラリーの減圧は、たとえば、減圧ノズルを用いて行われる。減圧ノズルとしては、たとえば、図6に示す減圧ノズル25を使用できる。図6は減圧ノズル25の構成を模式的に示す長手方向断面図である。減圧ノズル25には、その内部を長手方向に貫通するように流路26が形成される。流路26の長手方向の一端が入口27であり、他端が出口28である。入口27から加熱加圧状態にある機能性粒子スラリーが減圧ノズル25内に導入され、出口28から減圧され加熱状態にある機能性粒子スラリーが減圧ノズル25の外方に排出される。流路26は、その長手方向軸線が減圧ノズル25の長手方向軸線に一致しかつ出口径が入口径よりも大きくなるように形成される。さらに本実施の形態では、流路26は、スラリー流過方向(矢符29の方向)に垂直な方向の断面径が相対的に小さい部分と相対的に大きい部分とが交互に連なるように形成される。さらに、流路26の入口27付近は断面径が相対的に小さい部分になり、出口28付近は断面径が相対的に大きい部分になるように形成される。加熱加圧状態にある機能性粒子スラリーが入口27から減圧ノズル25の流路26に導入されると、該スラリーは減圧を受けながら流路26内を流過する。そして、機能性粒子のうち過度に粒径の大きいものだけが流路26の内壁面26aに接触し、余分なシェル粒子が解離されて適度な大きさの機能性粒子になり、出口28から排出される。減圧ノズル25では流路26の出口径が入口径よりも大きくなることから、スラリーが内壁面26aと接触することによって適度なズリ剪断力が付加される。このため、過度に粒径の大きい機能性粒子(粗大粒子)のみが粒径制御を受ける。また、コア粒子同士の凝集体ではコア粒子の解離が起こる。一方、入口径が出口径よりも大きい場合には強いズリ剪断力が付加されるので、過度に粒径の大きい機能性粒子だけでなく、それ以外の機能性粒子からもシェル粒子が脱離する。このため、機能性粒子の粒度分布幅が必要以上に大きくなる。
本実施の形態では、減圧ノズル25に限定されず、出口径が入口径よりも大きくなるように形成される流路を有する各種減圧ノズルを使用できる。出口径を入口径よりも大きくすることによって、減圧ノズル内で適度に粉砕された機能性粒子の再凝集による粗大化粒子の生成が防止される。図7は、別形態の減圧ノズル30の構成を模式的に示す長手方向断面図である。減圧ノズル30は、その内部を長手方向に貫通するように流路31が形成される。流路31の一端が入口32であり、他端が出口33である。流路31は、その長手方向軸線が減圧ノズル30の長手方向軸線に一致しかつ出口径が入口径よりも大きくなるように形成される。さらに本実施の形態では、流路31は、スラリー流過方向(矢符34の方向)に垂直な方向の断面径が入口32から出口33に向けて連続的にかつ徐々に大きくなるように形成される。減圧ノズル30は、減圧ノズル25と同様の効果を有する。さらに本実施の形態では、減圧ノズルのみに限定されず、高圧ホモジナイザ1における減圧モジュール7をも使用できる。
本実施の形態では、コイル状配管と減圧ノズルまたは減圧モジュールとを交互に複数個ずつ並べて設置し、凝集および減圧を交互にかつ繰返し行えば、機能性粒子の形状および粒子径が一層均一になる。コイル状配管と減圧ノズルまたは減圧モジュールとの組み合わせを1組とすると、2〜5組を設置するのが好ましい。1組では機能性粒子の粒径制御を充分に実施できないおそれがある。5組を超えて設置しても、粒度制御効果のさらなる向上は望めず、さらに装置構成が複雑になるという問題がある。
〔冷却工程S13〕
冷却工程S13では、減圧工程S12で得られる液温50〜80℃程度の機能性粒子スラリーを冷却する。この機能性粒子スラリーから機能性粒子を分離し、必要に応じて洗浄した後、乾燥させることによって、機能性粒子が得られる。機能性粒子の分離には、ろ過、遠心分離、デカンテーションなどの一般的な固液分離手段を採用できる。機能性粒子の洗浄は、未凝集のコア粒子およびシェル粒子、アニオン系分散剤、カチオン系分散剤などを除去するために行われる。具体的には、たとえば、導電率20μS/cm以下の純水を用いて洗浄する。機能性粒子と純水とを混合し、この混合物から機能性粒子を分離した後に残る洗浄水の導電率が50μS/cm以下になるまで、前記純水による洗浄を繰返し実施する。洗浄後、乾燥させることによって、本発明の機能性粒子が得られる。本発明の機能性粒子は、好ましくは5〜6μm程度の体積平均粒子径を有し、形状および粒径が均一で、粒度分布幅が非常に狭い。体積平均粒子径が5〜6μm程度である本発明の機能性粒子を得るためには、たとえば、最適な時間に終了させることが重要である。なお、本発明では、冷却工程S13の直後に、減圧工程を設けてもよい。この減圧工程は減圧工程S12と同様である。
上記した凝集方法は、たとえば、国際公開第03/059497号パンフレットに記載の高圧ホモジナイザを用いて実施できる。図8は、図5に示す本発明の機能性粒子の製造方法を実施するための高圧ホモジナイザ35の構成を簡略化して示す系統図である。高圧ホモジナイザ35は高圧ホモジナイザ1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。高圧ホモジナイザ35は、粉砕用ノズル6を含まず、減圧モジュール7とは異なる減圧モジュール36,38,39を含みかつコイル状配管37を含む点で高圧ホモジナイザ1とは異なる。高圧ホモジナイザ35は粒子を粉砕するのではなく、粒子を凝集させるための高圧ホモジナイザである。高圧ホモジナイザ35は、タンク2と、送りポンプ3と、加圧ユニット4と、加熱器5と、減圧モジュール36と、コイル状配管37と、減圧モジュール38と、冷却機8と、減圧モジュール39と、配管9と、取り出し口10とを含む。高圧ホモジナイザ35では、タンク2、送りポンプ3、加圧ユニット4、加熱器5、減圧モジュール36、コイル状配管37、減圧モジュール38、冷却機8および減圧モジュール39がこの順番で配管9によって連結される。配管9によって連結される系内においては、冷却機8によって冷却された後のスラリーを取り出し口10から系外に取り出しても良く、また冷却機8によって冷却された後のスラリーを再度タンク2に戻し、矢符11の方向に繰返し循環してもよい。
タンク2、送りポンプ3および加圧ユニット4には、高圧ホモジナイザ1におけるのと同様のものが用いられる。タンク2内の混合スラリーは、送りポンプ3および加圧ユニット4によって、加圧された状態で加熱器5に送給される。加熱器5にも、高圧ホモジナイザ1におけるのと同様のものが用いられる。すなわち、図示しないコイル状配管と図示しない加熱手段とを含む加熱器5が用いられる。コイル状配管の両端は、それぞれ配管9に接続される。加熱器5内を流過させることによって、混合スラリーが加熱加圧状態になり、減圧モジュール36に供給される。減圧モジュール36には、たとえば、減圧ノズルが用いられる。減圧ノズルは、その内部を長手方向に貫通するように流路が形成されたノズルである。流路の長手方向の一端部が入口であり、他端部が出口であり、出口径が入口径よりも大きくなるように形成される。入口および出口はそれぞれ配管9に接続され、入口から加熱加圧状態にあるスラリーが流路内に導入され、出口から減圧されたスラリーが排出される。減圧ノズルとしては、たとえば、減圧ノズル25,30などが挙げられる。また、減圧ノズルに代えて、高圧ホモジナイザ1における減圧モジュール7も使用できる。減圧モジュール36によって、加熱器5内で生成する粗大粒子が粉砕される。コイル状配管37内ではコア粒子の凝集工程が行われ、機能性粒子スラリーが得られる。コイル状配管37は、上記凝集工程S11で説明したものと同じものを使用できる。減圧モジュール38内では、減圧工程が実施される。すなわち、機能性粒子スラリーの減圧が行われるとともに、粗大粒子のみが選択的に粉砕され、機能性粒子の粒度制御が行われる。冷却機8では冷却工程が行われ、機能性粒子スラリーが冷却される。冷却機8には、高圧ホモジナイザ1におけるのと同様のものが用いられる。冷却された機能性粒子スラリーは減圧モジュール39内で再度の粒度制御を受けることによって、本発明の機能性粒子が得られる。
高圧ホモジナイザ35によれば、まず、タンク2に混合スラリーが充填され、カチオン系凝集剤が添加された後に加熱器5のコイル状配管に導入され、加熱加圧状態にされる。その後減圧モジュール36によって粗大粒子の解砕を受けた後、コイル状配管37によって加熱加圧下にコア粒子に遠心力と剪断力とが付加され、コア粒子が選択的に凝集し、機能性粒子スラリーが生成する。この機能性粒子スラリーは次に減圧モジュール38に導入され、減圧を受けるとともに、過度の粒径を有する機能性粒子からコア粒子が脱離し、機能性粒子の粒径が揃えられる。この機能性粒子スラリーは冷却機8に導入され、冷却された後、減圧モジュール39において再度の粒度制御を受ける。これによって、凝集工程S11〜減圧工程12〜冷却工程S13が終了する。これらの一連の工程を繰返し実施しても良い。その場合、冷却工程S13で得られる機能性粒子スラリーはタンク2に再循環され、再度同じ処理に付される。
図9は、別形態の高圧ホモジナイザ40の構成を簡略化して示す系統図である。高圧ホモジナイザ40は高圧ホモジナイザ35に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。高圧ホモジナイザ40は、高圧ホモジナイザ35における減圧モジュール38と冷却機8との間に、コイル状配管41および減圧モジュール42が設けられることを特徴とする。コイル状配管41は凝集工程S11の項で説明したものと同様のものである。減圧モジュール42は減圧モジュール36と同様のものである。高圧ホモジナイザ40によれば、コイル状配管と減圧モジュールとを1セットとし、このセットを複数設けることによって、コア粒子の凝集と過度の粒径を有する機能性粒子の粒径制御(小径化)とを繰返し実施できる。したがって、機能性粒子の粒径が一層均一になり、最終的に得られる機能性粒子の粒度分布幅が一層狭くなる。
以下に、製造例、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断わらない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
(製造例1)
[粗粉スラリーの調製]
ポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg:60℃、軟化点Tm:110℃)100部を二軸押出機(商品名:PCM−30、(株)池貝製)にてシリンダ温度145℃、バレル回転数300rpmで溶融混練し、トナー原料の溶融混練物を調製した。この溶融混練物を室温まで冷却した後、カッターミル(商品名:VM−16、(株)セイシン企業製)で粗粉砕し、粒径100μm以下の粗粉を調製した。この粗粉40g、キサンタンガム13.3g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ルノックスS−100、アニオン系分散剤、東邦化学工業(株)製)4g、スルホコハク酸系界面活性剤(商品名:エアロールCT−1p、主成分:スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、東邦化学工業(株)製)0.67gおよび水742gを混合し、得られた混合物を混合機(商品名:ニュージェネレーションミキサNGM−1.5TL、(株)美粒製)に投入し、2000rpmで5分間撹拌した後に脱気して粗粉スラリーを調製した。
[コア粒子の調製]
上記で得られた粗粉スラリー800gを高圧ホモジナイザ(商品名:NANO3000、(株)美粒製)のタンクに投入し、温度を100℃に維持しかつ210MPaの加圧下に該高圧ホモジナイザ内を40分間循環させ、体積平均粒子径4.2μm、CV値25%、ガラス転移温度53℃および融点107℃のコア粒子を含む水性スラリーを調製した。ここで用いられる高圧ホモジナイザは、図2に示す粉砕用高圧ホモジナイザ1である。このとき、加圧ユニット4においてスラリーに210MPaの圧力を付加した。加熱器5において120℃以上に加熱した。加熱器5におけるコイル状配管は、コイル内径4.0mm、コイル半径(コイル曲率半径)40mm、コイル巻き数は50であった。粉砕用ノズル6には、ノズル長0.4mmでかつ長手方向に貫通する径0.09mmの流路1本が形成されたノズルを用いた。減圧モジュール7には図4に示す耐圧ノズル20を用いた。本実施例では、ノズル長150mm、ノズル入口径2.5mm、ノズル出口径0.3mmであった。
(製造例2)
[コア粒子の調製]
ポリエステル樹脂100部に代えて、ポリエステル樹脂87.5部、帯電制御剤(商品:TRH、保土ヶ谷化学工業(株)製)1.5部、ポリエステル系ワックス(融点85℃)3部および着色剤(KET.BLUE111)8部を混合機(商品名:ヘンシェルミキサ、三井鉱山(株)製)で混合して得られる混合物100部を使用する以外は、製造例2と同様にして、体積平均粒子径4.4μm、CV値23%、ガラス転移温度53℃および融点110℃のコア粒子を含む水性スラリーを調製した。
(製造例3)
[シェル粒子の調製]
セパラブルフラスコにアンカー型攪拌羽根を取り付け、イオン交換水390部にドデシルスルホン酸アンモニウム(乳化剤)0.1部を溶解して投入し、80℃に昇温した。80℃に保温し、2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパンジハイドロクロライド(重合開始剤、商品名:V−50、和光純薬工業(株)製)1部とイオン交換水10部とからなる水溶液ならびに重合用モノマー(スチレンモノマー10部、メタクリル酸メチル40部およびメタクリル酸n−ブチル15部)とチオグリコール酸オクチル(連鎖移動剤)1部との混合物をそれぞれ60分かけて滴下した。滴下終了後30分を経過して、さらにスチレン10部、メタクリル酸メチル15部およびメタクリル酸n−ブチル5部の混合モノマーを30分かけて滴下した。滴下終了後、80℃で2時間撹拌して重合を完結させ、固形分濃度20%のスチレン−アクリル樹脂粒子のエマルションを得た。このエマルションを洗浄・乾燥を施し、体積平均粒子径1.11μmおよびガラス転移温度68℃のスチレン−アクリル樹脂粒子(シェル粒子)を得た。なお、重合反応は攪拌下に行った。攪拌羽根の回転速度は250rpmであった。
(製造例4〜7)
[シェル粒子の調製]
攪拌羽根の回転速度を表1に記載の回転速度に変更する以外は、製造例3と同様にして、表1に記載の特性を有するスチレン−アクリル樹脂粒子を製造した。
(製造例8)
[シェル粒子の調製]
攪拌羽根の回転速度を250rpmから500rpmに変更しかつ2度目の混合モノマーの滴下に際し、メタクリル酸メチルの量を15部から10部に変更する以外は、製造例1と同様にして表1に記載の特性を有するスチレン−アクリル樹脂粒子を製造した。
Figure 2008065180
(実施例1)
製造例1のコア粒子500gおよび炭酸カルシウム(CaCO、融点839℃、体積平均粒子径0.81μm、CV値28%)であるシェル粒子2.5gを水0.1リットルに分散させて混合スラリーを調製した。この混合スラリー全量と塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(商品名:コータミン86W、花王(株)製)の20%水溶液10gとを、混合機(ニュージェネレーションミキサNGM−1.5TL)に投入し、2000rpmで5分間撹拌した後に脱気し、カチオン系分散剤を含む混合スラリーを調製した。この混合スラリー全量を高圧ホモジナイザのタンクに投入し、該スラリーを75℃、13MPaの加熱加圧下に該高圧ホモジナイザ内に40分間循環させ、本発明の機能性粒子を含む機能性粒子スラリーを製造した。ここで用いられる高圧ホモジナイザは、高圧ホモジナイザ(商品名:NANO3000、(株)美粒製)を一部変更した図8に示す粒子凝集用高圧ホモジナイザ35である。加熱器5におけるコイル状配管は、コイル内径4.0mm、コイル半径(コイル曲率半径)40mm、コイル巻き数は50であった。コイル状配管37のコイル曲率半径は38mm、巻き数は54であった。減圧モジュール36,38,39には、図7に示す減圧ノズル30を用いた。本実施例では、ノズル長150mm、ノズル入口径0.3mm、ノズル出口径2.5mmであった。上記で得られた機能性粒子スラリーを濾過することによって、機能性粒子を取り出し、水洗を5回行った後、75℃の熱風で乾燥し、本発明の機能性粒子を製造した。この機能性粒子は表2に示す体積平均粒子径(μm)およびCV値(%)を有していた。
(実施例2〜10および比較例1〜8)
コア粒子およびシェル粒子、高圧ホモジナイザ35における加熱温度、コイル状配管37の有無、減圧モジュール38の設置位置、およびセット数を表2に示すようにする以外は、実施例1と同様にして、本発明品および比較品の機能性粒子を製造した。これらの機能性粒子の体積平均粒子径(μm)およびCV値(%)を表2に併記する。ここで、製造例2は、高圧ホモジナイザ35においてコイル状配管37を取り除き、減圧モジュール36と減圧モジュール38とを直接接続した改造機を用いてカプセル化を実施した。また、減圧モジュール38は、図8に示すようにコイル状配管37の直後に配置されるのが普通であるけれども、比較例3ではコイル状配管37の前に減圧モジュール38を配置した。すなわち、「コイル前」とはコイル状配管37の前に減圧モジュール38を配置することであり、「コイル後」とは減圧モジュール38の前にコイル状配管37を配置することである。また、「セット」とは、1個のコイル状配管37と1個の減圧モジュール38とをこの順番で接続したものであり、「1セット」とはこのセットを1個だけ配置し、「2セット」とはこのセットを2個接続したものを配置することである。以下、セット数が増えても同様である。
Figure 2008065180
比較例1は、加熱温度がコア粒子のガラス転移温度よりも低いので、シェル粒子がコア粒子表面を均一に被覆しておらず、コア粒子表面の露出部分が多く、カプセル化不良であった。比較例2は、コイル状配管を有しない高圧ホモジナイザを利用したので、比較例1と同様にカプセル化不良であった。比較例3は、コイル状配管と減圧モジュールの位置が逆である高圧ホモジナイザを用いたので、比較例1と同様にカプセル化不良であった。比較例4は、加熱温度がコア粒子の融点よりも高いので、コア粒子同士の凝集が発生した。比較例5は、加熱温度がシェル粒子のガラス転移温度よりも高いので、シェル粒子同士の凝集が発生した。比較例6は、コア粒子とシェル粒子のガラス転移温度の差が15℃未満なので、比較例1と同様にカプセル化不良であった。比較例7は、製造例3の1.11μmの比較的大き目のシェル粒子を使用しているので粒子表面を均一に被覆できず、カプセル化不良であった。比較例8は、製造例7の0.49μmの比較的小さなシェル粒子を使用しており、粒子が小さ過ぎると単位質量あたりの表面積が広くなり、液中での分散安定性が悪くなるので、均一にシェル層を形成することができず、カプセル化不良となった。
コア粒子の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 高圧ホモジナイザの構成を簡略化して示す系統図である。 耐圧ノズルの構成を模式的に示す断面図である。 減圧ノズルの構成を模式的に示す断面図である。 本発明における機能性粒子の製造方法の一例を概略的に示すフローチャートである。 別形態の減圧ノズルの構成を模式的に示す断面図である。 別形態の減圧ノズルの構成を模式的に示す断面図である。 別形態の高圧ホモジナイザの構成を簡略化して示す系統図である。 別形態の高圧ホモジナイザの構成を簡略化して示す系統図である。
符号の説明
1,35,40 高圧ホモジナイザ
2 タンク
3 送りポンプ
4 加圧ユニット
5 加熱器
6 粉砕用ノズル
7,36,38,39,42,44,45 減圧モジュール
8 冷却機
9 配管
10 取り出し口
15 耐圧ノズル
16,21,26,31 流路
17 衝突壁
20,25,30 減圧ノズル
37,41 コイル状配管

Claims (10)

  1. 樹脂粒子であるコア粒子とコア粒子よりも体積平均粒子径の小さい樹脂粒子または無機粒子であるシェル粒子とを含む混合スラリーを、コア粒子のガラス転移点以上の温度に加熱しながらコイル状配管に流過させ、コア粒子表面にシェル粒子が付着してなる機能性粒子を得ることを特徴とする機能性粒子の製造方法。
  2. 機能性粒子を含むスラリーを突沸による泡立ちが発生しないように減圧する減圧工程と、
    機能性粒子を含むスラリーを冷却する冷却工程とを含むことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. シェル粒子が樹脂粒子であり、コア粒子とシェル粒子とを含む混合スラリーのコイル状配管内における加熱温度Aが、下記関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
    Tg(c)<A<Tg(s)<Mp(c) …(1)
    〔式中、Tg(c)はコア粒子のガラス転移温度を示す。Tg(s)はシェル粒子のガラス転移温度を示す。Mp(c)はコア粒子の融点を示す。〕
  4. シェル粒子が樹脂粒子であり、コア粒子とシェル粒子とが下記関係式を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の製造方法。
    Tg(s)−Tg(c)≧15(℃) …(2)
    〔式中、Tg(c)はコア粒子のガラス転移温度を示す。Tg(s)はシェル粒子のガラス転移温度を示す。〕
  5. 無機粒子が難水溶性無機粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  6. 難水溶性無機粒子が難水溶性アルカリ金属塩から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. コア粒子の体積平均粒子径が3.0〜6.0μmであり、かつシェル粒子の体積平均粒子径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の製造方法。
  8. コア粒子が合成樹脂とともに着色剤と離型剤とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つの製造方法によって製造されてなることを特徴とする機能性粒子。
  10. 電子写真方式の画像形成装置において静電潜像を現像するためのトナーとして用いられることを特徴とする請求項9記載の機能性粒子。
JP2006244724A 2006-09-08 2006-09-08 機能性粒子およびその製造方法 Active JP4268179B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006244724A JP4268179B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 機能性粒子およびその製造方法
US11/898,005 US8067143B2 (en) 2006-09-08 2007-09-07 Functional particle and manufacturing method thereof
CN2007101496678A CN101144991B (zh) 2006-09-08 2007-09-10 功能性粒子及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006244724A JP4268179B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 機能性粒子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008065180A true JP2008065180A (ja) 2008-03-21
JP4268179B2 JP4268179B2 (ja) 2009-05-27

Family

ID=39170121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006244724A Active JP4268179B2 (ja) 2006-09-08 2006-09-08 機能性粒子およびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8067143B2 (ja)
JP (1) JP4268179B2 (ja)
CN (1) CN101144991B (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010020324A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Toshiba Corp 現像剤、及び現像剤の製造方法
JP2010160365A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Canon Inc トナー
JP2010210960A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Sharp Corp トナーおよび二成分現像剤
JP2014508840A (ja) * 2011-03-18 2014-04-10 シェーファー カルク ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー 微細構造複合粒子
JP2014085443A (ja) * 2012-10-22 2014-05-12 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成方法
JP2014174422A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Ricoh Co Ltd コア・シェル型電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤及び現像装置、前記トナーの製造方法
JP2015075737A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トナー及びその製造方法
JP2015175950A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 株式会社リコー 貯留設備及びトナー製造装置
KR20160116790A (ko) * 2015-03-31 2016-10-10 (주)아모레퍼시픽 자기이온영동 성능을 가지는 콜로이드, 이의 제조방법 및 이를 함유한 화장료 조성물

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4256439B2 (ja) * 2006-08-01 2009-04-22 シャープ株式会社 凝集粒子の製造方法
JP4268179B2 (ja) 2006-09-08 2009-05-27 シャープ株式会社 機能性粒子およびその製造方法
JP4423316B2 (ja) * 2007-08-08 2010-03-03 シャープ株式会社 トナー粒子の製造方法
DE102007049936A1 (de) * 2007-10-18 2009-04-30 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zum Herstellen funktioneller Oberflächenbereiche auf einem Flächensubstrat
JP4693876B2 (ja) * 2008-07-25 2011-06-01 シャープ株式会社 合一樹脂粒子の製造方法
US20120282456A1 (en) * 2011-05-02 2012-11-08 University Of Florida Research Foundation, Inc. Epoxy resin composites and methods of use thereof
CN102445869B (zh) * 2011-12-28 2013-07-03 深圳市乐普泰科技股份有限公司 静电显影用彩色墨粉制备方法
CN105051256A (zh) * 2012-11-26 2015-11-11 凯密特尔有限责任公司 涂敷基材的金属表面的方法和根据该方法涂敷的物体
WO2015030208A1 (ja) * 2013-08-29 2015-03-05 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナー
RU2708271C9 (ru) * 2014-12-24 2020-08-12 Нэшнл Рисерч Каунсил Оф Канада Устройство динамической защиты
CN108290347B (zh) * 2015-11-30 2020-10-09 柯尼卡美能达株式会社 粉末材料、立体造型物的制造方法及立体造型装置
JP2022151295A (ja) * 2021-03-26 2022-10-07 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 圧力応答性粒子の製造方法、印刷物の製造方法、印刷物製造用シートの製造方法、及び、圧力応答性粒子
JP2022179070A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

Family Cites Families (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0775666B2 (ja) 1987-05-08 1995-08-16 日本合成ゴム株式会社 カプセル化粒子の製造方法
JPH0356969A (ja) 1989-07-26 1991-03-12 Canon Inc マイクロカプセルトナーの製造方法
JPH04174861A (ja) 1990-11-08 1992-06-23 Fujitsu Ltd 圧力定着用トナーおよびその製造方法
US5424162A (en) * 1992-11-24 1995-06-13 Minolta Camera Kabushiki Kaisha Toner for electrophotography containing wax-particles dispersed in binder resin
JPH0775666A (ja) 1993-07-14 1995-03-20 Matsumoto Yushi Seiyaku Co Ltd ゲル芳香剤
JPH08146657A (ja) 1994-11-25 1996-06-07 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷現像用トナーおよびその製造方法
US5552502A (en) 1995-11-16 1996-09-03 Xerox Corporation Polymerization process and compositions thereof
US6017670A (en) * 1996-02-29 2000-01-25 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Electrophotographic toner and process for the preparation thereof
JP3351505B2 (ja) * 1996-03-21 2002-11-25 大日本インキ化学工業株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JPH09277348A (ja) 1996-04-18 1997-10-28 Minolta Co Ltd 混練押出装置及びこれを用いたトナーの製造方法
US5885743A (en) * 1996-09-06 1999-03-23 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. Electrophotographic toner and process for the preparation thereof
JP4051583B2 (ja) 1996-10-30 2008-02-27 大日本インキ化学工業株式会社 静電印刷用トナーの製法
US5725987A (en) 1996-11-01 1998-03-10 Xerox Corporation Supercritical processes
US6270708B1 (en) 1999-03-12 2001-08-07 Tamer International, Ltd. Agglomerating and drying apparatus
JP3724309B2 (ja) 2000-01-26 2005-12-07 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP3778267B2 (ja) 2000-03-10 2006-05-24 セイコーエプソン株式会社 電子写真用乾式トナーの製造方法
ATE345519T1 (de) 2000-03-10 2006-12-15 Seiko Epson Corp Elektrophotographischer trockentoner und herstellungsverfahren
JP4141078B2 (ja) * 2000-03-14 2008-08-27 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用現像剤、並びに画像形成方法
CA2305002C (en) 2000-04-11 2008-02-19 Ticona Gmbh Toner for development of electrostatically charged image
CA2407323A1 (en) 2000-04-27 2001-11-08 Ticona Gmbh Toner for electrostatically charged image development
US6858369B1 (en) 2000-04-27 2005-02-22 Sharp Kabushiki Kaisha Toner and manufacturing method thereof
US6617091B2 (en) * 2000-08-03 2003-09-09 Konica Corporation Production method of toner
US6596453B2 (en) * 2000-09-29 2003-07-22 Zeon Corporation Production process of polymerized toner
JP2002351140A (ja) 2001-05-29 2002-12-04 Dainippon Ink & Chem Inc 静電荷像現像用トナーの製造方法および該トナーを用いた画像形成方法
JP3913502B2 (ja) 2001-08-29 2007-05-09 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法
EP1470855B1 (en) 2002-01-09 2008-06-18 BeRyu Co., Ltd. Emulsifying/dispersing system
JP2003345063A (ja) 2002-05-27 2003-12-03 Konica Minolta Holdings Inc 樹脂粒子からなるトナー
JP2005128176A (ja) 2003-10-22 2005-05-19 Fuji Photo Film Co Ltd トナーの製造方法
JP4130172B2 (ja) 2003-12-03 2008-08-06 シャープ株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
US7402371B2 (en) * 2004-09-23 2008-07-22 Xerox Corporation Low melt toners and processes thereof
JP4086039B2 (ja) * 2005-01-07 2008-05-14 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 トナーの製造方法およびトナー製造装置
US8080360B2 (en) 2005-07-22 2011-12-20 Xerox Corporation Toner preparation processes
JP4599272B2 (ja) * 2005-10-14 2010-12-15 花王株式会社 トナーの製造方法
JP4252580B2 (ja) 2006-01-13 2009-04-08 シャープ株式会社 トナーの製造方法およびトナー
JP2007219451A (ja) 2006-02-20 2007-08-30 Sharp Corp トナーの製造方法およびトナー
JP4256439B2 (ja) * 2006-08-01 2009-04-22 シャープ株式会社 凝集粒子の製造方法
JP4268179B2 (ja) 2006-09-08 2009-05-27 シャープ株式会社 機能性粒子およびその製造方法
JP4423316B2 (ja) * 2007-08-08 2010-03-03 シャープ株式会社 トナー粒子の製造方法
JP4693876B2 (ja) * 2008-07-25 2011-06-01 シャープ株式会社 合一樹脂粒子の製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010020324A (ja) * 2008-07-14 2010-01-28 Toshiba Corp 現像剤、及び現像剤の製造方法
JP2010160365A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Canon Inc トナー
JP2010210960A (ja) * 2009-03-10 2010-09-24 Sharp Corp トナーおよび二成分現像剤
JP2014508840A (ja) * 2011-03-18 2014-04-10 シェーファー カルク ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー 微細構造複合粒子
JP2014085443A (ja) * 2012-10-22 2014-05-12 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、並びに、画像形成方法
JP2014174422A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Ricoh Co Ltd コア・シェル型電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤及び現像装置、前記トナーの製造方法
JP2015075737A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トナー及びその製造方法
JP2015175950A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 株式会社リコー 貯留設備及びトナー製造装置
KR20160116790A (ko) * 2015-03-31 2016-10-10 (주)아모레퍼시픽 자기이온영동 성능을 가지는 콜로이드, 이의 제조방법 및 이를 함유한 화장료 조성물
JP2018512489A (ja) * 2015-03-31 2018-05-17 株式会社アモーレパシフィックAmorepacific Corporation 自己イオン泳動性能を持つコロイド、その製造方法、及びこれを含有した化粧料組成物
KR102394634B1 (ko) 2015-03-31 2022-05-09 (주)아모레퍼시픽 자기이온영동 성능을 가지는 콜로이드, 이의 제조방법 및 이를 함유한 화장료 조성물

Also Published As

Publication number Publication date
CN101144991B (zh) 2010-06-02
US20080063970A1 (en) 2008-03-13
CN101144991A (zh) 2008-03-19
US8067143B2 (en) 2011-11-29
JP4268179B2 (ja) 2009-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4268179B2 (ja) 機能性粒子およびその製造方法
JP4256439B2 (ja) 凝集粒子の製造方法
JP4283861B2 (ja) 樹脂粒子の製造方法
JP4220538B2 (ja) トナーおよびその製造方法
JP4252580B2 (ja) トナーの製造方法およびトナー
JP4570585B2 (ja) 電子写真用カプセルトナー
US7910279B2 (en) Method of manufacturing aggregate particles and toner
US7659045B2 (en) Method for manufacturing toner and toner
JP2007219451A (ja) トナーの製造方法およびトナー
JP2011052058A (ja) 樹脂微粒子分散液の製造方法
JP4818946B2 (ja) 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP2007316164A (ja) トナーの製造方法
JP2006106288A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JP2010210957A (ja) トナーの製造方法
JP2008116503A (ja) 凝集粒子の製造方法およびトナー
JP2010020324A (ja) 現像剤、及び現像剤の製造方法
JP5448958B2 (ja) カプセルトナーの製造方法、カプセルトナーおよび現像剤
JP2010282198A (ja) 現像剤の製造方法
JP2013164521A (ja) カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナー
JP2010181753A (ja) トナーの製造方法およびトナー
JP2008310268A (ja) トナー粒子、トナー粒子の製造方法、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置
JP2010044387A (ja) 現像剤の製造方法
JP2004325697A (ja) トナーの製造方法
JP2011090270A (ja) カプセルトナーの製造方法、カプセルトナーおよび現像剤
JP2010044380A (ja) 現像剤の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4268179

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 5