JP3913502B2 - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。詳しくは本発明は、電子写真方式の複写機及びプリンターに用いられる静電荷像現像用トナーに関する。さらに詳しくは粒度分布がシャープで鮮明な画像が得られ、また球形度を自由にコントロールすることにより高転写性や高耐久性が得られる静電荷像現像用トナー及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法において従来一般に広く用いられてきた静電荷像現像用トナーは、スチレン/アクリレート系共重合体のような樹脂に、カーボンブラックや顔料のような着色剤、帯電制御剤及び/又は磁性体を含む混合物を押出機により溶融混練し、ついで粉砕・分級することによって製造されてきた。しかし、上記のような溶融混練粉砕法で得られる従来のトナーは、トナーの粒径制御に限界があり、実質的に10μm以下、特に8μm以下の平均粒径のトナーを歩留まり良く製造することが困難であり、今後の電子写真に要求される高解像度化を達成するためには十分なものとは言えなかった。
【0003】
特開昭63−186253号公報には、粒径制御の問題を克服し、高解像度化を達成するために、乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。この方法において粒径分布は溶融混練粉砕法に比較すれば改善されているが、必ずしも十分とは言えず、また溶融粘度を高く設計すると十分に球形度を上げることが難しく、転写性と耐久性に問題があった。さらに、特開平6−329947号公報に開示された方法は、凝集工程で凝集剤と共に水に無限溶解する有機溶媒を添加する方法であり、粒径分布の狭い凝集粒子を得ることが可能な方法ではあるが、制御因子が多いために再現性が悪く、また廃水処理の負担が大きい、等の問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来用いられていた静電荷像現像用トナーの欠点を克服し、高解像度、高転写性、高耐久性を満足させる新規なトナーを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、乳化重合凝集法によって、トナーを製造するに際して、その製造工程において特定の処理を行うことにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に達した。
即ち、本発明の要旨は、少なくとも樹脂及び着色剤を含み、少なくとも乳化重合工程、凝集工程及び熟成工程を含む乳化重合凝集法によって得られたトナーであって、凝集工程及び/又は熟成工程において減圧によって脱泡処理を受けたものであることを特徴とする静電荷像現像トナー、に存する。
【0006】
また、本発明の他の要旨は、酸性極性基又は塩基性極性基を有するモノマー混合物を逐次添加して乳化重合を行う乳化重合工程、得られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子及び/又は帯電制御剤一次粒子を含有する分散液との混合液中の一次粒子を凝集させて粒子凝集体とする凝集工程、並びに粒子凝集体を含有する分散液を加熱して融着を起こさせる熟成工程を含むトナーの製造方法において、凝集工程及び/又は熟成工程において減圧によって脱泡処理を行うことを特徴とする静電荷像現像トナーの製造方法、に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
乳化重合凝集法によるトナーの製造は、少なくとも乳化重合工程、凝集工程及び熟成工程から構成される。より詳細には、乳化重合凝集法によるトナーの製造は、通常、乳化重合工程、混合工程、凝集工程、熟成工程、及び洗浄・乾燥工程を含む。
【0008】
即ち、乳化重合凝集法によるトナーの製造は、通常、酸性極性基又は塩基性極性基を有するモノマーを含むモノマー混合物を逐次添加して乳化重合を行って重合体一次粒子を得る乳化重合工程、得られた重合体一次粒子を含む分散液に着色剤、荷電制御剤等の各一次粒子の分散液を混合する混合工程、この分散液中の一次粒子を凝集させて粒子凝集体とする凝集工程、粒子凝集体を加熱して融着させる熟成工程、並びに得られたトナー粒子を洗浄、乾燥して製品トナー粒子を得る洗浄・乾燥工程、から構成されている。
【0009】
本発明による乳化重合凝集法によるトナーの製造は、上記各工程からなるトナーの製造方法において、凝集工程及び/又は熟成工程において脱泡処理を行うことを特徴としている。
脱泡処理は、凝集工程、熟成工程の内、何れか一方の工程で行ってもよいし、その両方の工程で行ってもよい。ここで言う脱泡処理とは凝集液中に内包される泡を破泡する処理のことである。
【0010】
本発明で用いられる脱泡処理の方法としては、物理的に破泡する方法でもよいし、また消泡剤を用いて化学的に破泡する方法でもよい。
物理的に破泡する方法としては、加圧して泡の体積を減らす方法、また減圧により泡を破裂させる方法、あるいは注水して温度変化と容器の気相体積の減少との両方の効果により破泡する方法などが効果的である。中でも減圧による方法が特に効果的である。
【0011】
また消泡剤による化学的破泡の方法としては、低分子消泡剤を添加する方法と高分子消泡剤を添加する方法とがある。低分子消泡剤としてはアルコール類、有機溶剤類、金属石けん類、鉱物油類などがあげられる。これらの中でもヘキサンやキシレンあるいはスチレン等の有機溶剤類が特に効果的である。高分子消泡剤としてはポリエーテル系やシリコーン系がある。ただし高分子消泡剤はトナーの帯電性に悪影響する場合があるので、注意して使用しなければならない。
【0012】
本発明の、凝集工程及び/又は熟成工程において脱泡処理することによって得られるトナーは、脱泡処理を受けていないトナーと比較して粒度分布がよりシャープになり、また球形度もコントロールしやすい。特にトナーの溶融粘度を高く設計する必要のあるトナーにおいては、一般に球形度の高いトナーが得られにくい傾向にあるが、脱泡処理を行うことによりそれが容易になる。また一定の球形度を得るための熟成に要する時間が短くなり、トナーの生産性が向上する。
【0013】
脱泡処理により上記のような効果が発現する理由はよく解っていないが、乳化重合凝集法における凝集の力は粒子間に働く静電気力によるところが大きいと考えられているので、この粒子間に泡が存在すると静電気力を弱めたり、均一に働くことを阻害したりすることの理由によると推測される。
脱泡処理の時期については、乳化重合粒子が凝集を始めて懸濁粒子に至る過程で凝集液の粘度が上がるが、この過程の前後から行うのが粒度分布をシャープにすることに特に効果的である。さらに工程を進めて凝集粒子界面を熱的に融着させる熟成工程で脱泡処理することは球形度を容易にコントロールすることに特に効果的である。
【0014】
脱泡処理を行うことにより粒径分布のシャープなトナーが得られ、さらに帯電性の良好なトナーが得られる。このことの効果は小粒径トナーを製造しても良好な流動性が発現し、高解像度のトナーを得ることに寄与する。また高転写性のトナーを得ることにも寄与する。脱泡処理を行うことにより容易にコントロールされた球形度のトナーが得られ、球形度の大きいトナーの場合、非磁性1成分現像に使用されると球形度の小さいトナーと比較して外添剤が均一に分布するので、高品質の画像が得られ、またロングライフの試験をしたとき外添剤の埋まり込みが少ないので、画像劣化を起こしにくい。また2成分現像の場合などでクリーニングの必要な現像の場合、球形度の小さいトナーはクリーニングを容易にする。
【0015】
乳化重合をするに当たっては、逐次、ブレンステッド酸性基(以下、酸性極性基ということがある)を有するモノマーもしくはブレンステッド塩基性基(以下、塩基性極性基ということがある)を有するモノマー、及び、ブレンステッド酸性基又はブレンステッド塩基性基をいずれも有しないモノマー(以下、その他のモノマーということがある)とを添加することにより重合を進行させる。この際、モノマー同士は別々に加えてもよいし、予め複数のモノマーを混合しておいてから添加してもよい。更に、モノマー添加中にモノマー組成を変更することも可能である。また、モノマーはそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。乳化剤としては、後記の界面活性剤から1種又は2種以上の併用系が選択される。
【0016】
本発明で用いられる酸性極性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有するモノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー、スチレンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有するモノマー等があげられる。
また、塩基性極性基を有するモノマーとしては、アミノスチレン等のアミノ基を有するモノマー、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環基を有するモノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、等のジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0017】
その他のモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。この中で、スチレン、ブチルアクリレート等が特に好ましい。
【0018】
これらのモノマーは単独、または混合して用いられるが、その際、重合体のガラス転移温度が40〜80℃となることが好ましい。ガラス転移温度が80℃を越えると定着温度が高くなりすぎたり、OHP透明性の悪化が問題となることがあり、一方、重合体のガラス転移温度が40℃未満の場合は、トナーの保存安定性が悪くなりすぎて問題を生じる。本発明では、酸性極性基を持つモノマーとしてアクリル酸が、その他のモノマーとしてスチレン、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが好適に使用される。
【0019】
乳化重合に用いる乳化剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤の中から選ばれる乳化剤が挙げられる。
カチオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルピリジニウムクロリド、ドデシルピリジニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等があげられる。
【0020】
また、アニオン界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石けん、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等があげられる。
さらに、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等があげられる。
【0021】
これらの界面活性剤の内、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビスイソブチロニトリル等が用いられる。これら重合開始剤は、モノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
【0022】
本発明では、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができるが、そのような連鎖移動剤の具体的な例としては、t―ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等があげられる。連鎖移動剤は単独でもまたは2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して通常、0〜5重量%用いられる。
【0023】
重合体一次粒子の平均粒径は、通常0.05〜3μmの範囲であり、好ましくは0.1〜1μm、更に好ましくは0.1〜0.5μmである。なお、平均粒径は、例えば日機装社製 マイクロトラックUPAを用いて測定することができる。粒径が上記範囲より小さくなると凝集速度の制御が困難となり好ましくない。また、上記範囲より大きいと凝集して得られるトナー粒径が大きくなりすぎるため、トナーとして高解像度を要求される用途には不適当である。
【0024】
本発明では、重合体一次粒子を得る際に、顔料をワックスと同時にシードとして用いたり、着色剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いたりしてもよいが、重合体一次粒子と同時に着色剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成し、トナーとすることが好ましい。この時、ワックスを内包化した重合体一次粒子を用いるのがよいが、必要に応じて2種類以上の重合体一次粒子を用いてもよい。
【0025】
ここで用いられる着色剤としては、無機顔料又は有機顔料、有機染料のいずれでもよく、またはこれらの組み合わせでもよい。これらの具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、通常、バインダー樹脂100重量部に対して3〜20重量部となるように用いられる。
【0026】
これらの着色剤も乳化剤の存在下で水中に乳化させてエマルションの状態で用いるが、平均粒径としては、0.01〜3μmのものを用いるのが好ましい。
帯電制御剤としては、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができる。カラートナー適応性(帯電制御剤自体が無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がないこと)を勘案すると、正荷電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負荷電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物等が好ましい。その使用量はトナーに所望の帯電量により決定すればよいが、通常はバインダー樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部用い、更に好ましくは0.1〜10重量部用いる。
【0027】
本発明では、重合体一次粒子を得る際に、帯電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、帯電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いてもよいが、重合体一次粒子と同時に帯電制御剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成し、トナーとすることが好ましい。この場合、帯電制御剤も水中で平均粒径0.01〜3μmのエマルションとして使用する。添加する時期は、重合体一次粒子と着色剤一次粒子を凝集させる工程で同時に添加して凝集させてもよいし、これらの一次粒子が会合して粒子凝集体が生成した段階で加えてもよいし、さらには粒径が最終的なトナーの粒径まで粒子凝集体が成長した後に添加してもよい。
【0028】
本発明のトナーを製造するに当たっては、凝集粒子の粒径が実質的に最終的なトナーの粒径まで成長した後に、更に同種又は異なった種類のバインダー樹脂エマルションを添加し、粒子を表面に付着させることにより、表面近傍のトナー性状を修飾することも可能である。
また、本発明のトナーは、必要により流動化剤等の添加剤と共に用いることができ、そのような流動化剤としては、具体的には、疎水性シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の微粉末を挙げることができ、通常、バインダー樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部用いられる。
【0029】
さらに、本発明のトナーは、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末やスチレン樹脂、アクリル樹脂等の抵抗調節剤や滑剤などが内添剤又は外添剤として用いられる。これらの添加剤の使用量は所望する性能により適宜選定すれば良く、通常、バインダー樹脂100重量部に対し0.05〜10重量部程度が好適である。
【0030】
本発明の静電荷像現像用トナーは2成分系現像剤又は非磁性1成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。2成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
【0031】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、重合体粒子の平均粒径及び分子量は、それぞれ下記の方法により測定した。
平均粒径:日機装社製、マイクロトラックUPA、またはコールター社製、サブミクロン粒子アナライザーN4Sによって測定した。
球形度:Sysmex社製、FPIA2100にて測定した。
【0032】
実施例1
<重合体一次粒子の製造>
攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えたガラス製反応器に下記の乳化剤、脱塩水、及びモンタン酸グリセライドとベヘン酸ベヘニルの混合物をノニオン系界面活性剤で乳化したワックスエマルションを仕込み、窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、下記のモノマー類、開始剤を添加し、7時間乳化重合を行った。
【0033】
【表1】
ワックスエマルション(粒径300nm) 10部
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.4部
脱イオン水(ワックスエマルション中の水分を含む) 400部
[モノマー類]
スチレン 79部
アクリル酸ブチル 21部
アクリル酸 3部
トリクロロブロモメタン 1部
[架橋剤]
ジビニルベンゼン 0.2部
[開始剤]
8%過酸化水素水溶液 10.5部
8%アスコルビン酸水溶液 10.5部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子エマルションを得た。(以下、重合体一次粒子分散液Aという。)
得られたエマルションの平均粒子径は200nm、重合体の重量平均分子量は160000であった。
<会合粒子の形成(トナーの調製)及び評価>
【0034】
【表2】
Figure 0003913502
以上の混合物をディスパーザーで分散攪拌しながら30〜40℃に2時間保持した(凝集工程)。続いてこの凝集液の入った重合機内を緩やかに減圧にし740mmHgでの脱泡処理を30分間続けた。この後、攪拌しながら70℃に昇温して3時間保持し、更に会合粒子の結合強度を上げるため、95℃に昇温して3時間保持した(熟成工程)。その後得られた会合粒子のスラリーを冷却し、桐山ロートで濾過、水洗し、45℃の送風乾燥機で10時間乾燥することによりトナー用母粒子が得られた。この母粒子の体積平均粒子径は7.5μm、また数平均粒子径は6.7μmの非常にシャープな粒度分布を示した。この母粒子の球形度は0.96であった。この母粒子に疎水性シリカ(R972、日本アエロジル社製)1.2部をケミカルミキサーを用いて外添して試験用トナーとした。このトナーを市販のプリンター(レーザージェット4500 ヒューレット パッカード社製)に入れプリント試験をしたところ非常に鮮明な画像が得られ、また6000枚のライフ試験においてはやや濃度の低下が見られたが良好な画像が得られた。
【0035】
実施例2
実施例1の会合粒子の形成における脱泡処理操作を、凝集工程でなく、熟成工程の70℃に昇温直後に変更した以外は全く同じ操作を行い、トナー用母粒子を得た。この母粒子の体積平均粒子径は8.3μmで、また数平均粒子径は6.5μmであり、やや広い粒度分布であった。この母粒子の球形度は0.98であった。この母粒子を実施例1と同様に外添処理をし、プリント試験をしたところ、実施例1よりやや画質の鮮明さは劣るが、初期の画質を6000枚維持する良好な結果が得られた。
【0036】
比較例1
実施例1において脱泡処理を行わず、それ以外は同じ手順で試験用母粒子を得た。この母粒子の体積平均粒子径は8.5μmで、また数平均粒子径は6.1μmであり、広い粒度分布となった。この母粒子の球形度は0.93であり、走査電子顕微鏡で粒子を観察したところ、ブドウの房状であった。この母粒子を実施例1と同様に外添処理をし、プリント試験をしたところ、実施例1の画質に比較してかなり劣っており、またライフ試験においては2000枚において濃度がかなり低下して劣悪な画像となった。ライフ試験後のトナーを走査電子顕微鏡で観察するとトナー表面の突部のシリカが消失していることが確認され、このシリカの消失がライフ試験における画像劣化の原因となったと推測される。
【0037】
【発明の効果】
本発明により画質の優れた、また耐久性の優れたトナーが得られる。また、本発明のトナーは、高解像度用のプリンター、複写機等に適用することができる。

Claims (2)

  1. 少なくとも樹脂及び着色剤を含み、少なくとも乳化重合工程、凝集工程及び熟成工程を含む乳化重合凝集法によって得られたトナーであって、凝集工程及び/又は熟成工程において減圧によって脱泡処理を受けたものであることを特徴とする静電荷像現像トナー。
  2. 酸性極性基又は塩基性極性基を有するモノマー混合物を逐次添加して乳化重合を行う乳化重合工程、得られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子及び/又は帯電制御剤一次粒子を含有する分散液との混合液中の一次粒子を凝集させて粒子凝集体とする凝集工程、並びに粒子凝集体を含有する分散液を加熱して融着を起こさせる熟成工程を含むトナーの製造方法において、凝集工程及び/又は熟成工程において減圧によって脱泡処理を行うことを特徴とする静電荷像現像トナーの製造方法。
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