JP2007508951A - 工作機械変速機 - Google Patents

Abstract

本発明は、工作機械変速機、特にはスピンドル変速機、に関している。そこでは、パワー及び／またはトルクが、変速機（１）の出力軸（３）から直接にスピンドル（１５）に伝達される。スピンドル（１５）は、出力軸（３）に対して同軸状に配置されている。

Description

本発明は、特許請求の範囲の請求項１の上位概念に従う、工作機械変速機、特にはスピンドル変速機、に関している。

従来技術から、通常二段の遊星歯車変速機と対応する切換装置とを備えてスピンドルに軸平行に配置されるタイプの変速機が知られている。その場合、スピンドルへのパワー伝達は、ベルト（Riemen）または歯車（Zahnraeder ）によって行われている。パワー伝達のためにベルトを利用する場合、高い駆動トルクで引っ張られる（zugfeste und vorgespannte）ベルトと、幅広のサイズのベルトプーリのための幅広の軸受ベース（Lagerbasis）と、を要求する。更に、ベルト力が高いために、変速機の出力部において、円筒転がり軸受または類似の転がり軸受が必要である。好ましくないことに、高い回転数の場合、より大きな転がり軸受だけが制限的に適用可能である。また、転がり軸受は、当然、半径方向の遊びを有している。このことは、変速機の遊星キャリヤにおけるアンバランス及び振動に帰結する。スピンドルの歯車駆動の場合、らせん歯（Schraegverzahnung）付きの歯車によって、変速機出力部に軸方向力が発生してしまう。それは、追加的に、受容されなければならない。これらの解決は、変速機とスピンドルとの間のパワー伝達に基づいてノイズが一般に高い、という更なる欠点を有する。

本発明は、従来技術の欠点を回避するような、工作機械、特にはスピンドル変速機、を提供することを課題とする。

特に、本発明による変速機によって、ノイズが低減されるであろうし、望まれない振動が大幅に回避されるであろう。更に、製造コストが低減されるであろうし、必要な構造空間も最適化されるであろう。

この課題は、特許請求の範囲の請求項１の特徴部分によって解決される。更なる実施の形態及び利点が、下位請求項から明らかである。

これに従って、パワー及び／またはトルクの伝達が変速機の出力軸から直接にスピンドルに対して行われ、スピンドルは好ましくは出力軸に対して同軸状に配置されている、というスピンドル変速機が提案される。

ここで、変速機の出力軸は、スピンドルに直接に接続されるし、スピンドルと出力軸との間の回転しない結合が、噛み合い結合（formschluessig）や接着結合（Kraftschluessig）によって形成され得る。スピンドルと出力軸との間には、コネクタ（Verbindungsteil）も設けられ得る。

本発明の特に有利な実施の形態によれば、短い軸受ハウジング内に軸支された出力軸が設けられ、当該出力軸がスピンドルを駆動する。これにより、変速機の全長が顕著に短縮されるという利点が生じる。

本発明によれば、出力軸の軸受には、例えばアンギュラ玉軸受のような、ほとんど遊びの無い軸受が適している。これにより、回転トルクが振動無しにスピンドルに伝達され得る。

本発明による概念により、スピンドルのためのベルト駆動または歯車駆動の必要性が無くなり、それらによって引き起こされる振動及びノイズ、ベルトの曲げ（Walkarbeit）による温度上昇、及び、構造に起因する回転数制限、が回避される。更に、ベルト、ベルトプーリまたは歯車の撤去によって、顕著なコスト節約が達成される。例えば、出力部の歯車の追加の潤滑及び冷却は全く不要である。

本発明の更なる利点として、軸受間のオイル液飛びによる損失（Oelpantschverluste）の大幅な低減が挙げられる。なぜなら、この領域では、より僅かなオイル量が存在するからである。

この変速機は、有利な態様では、出力部において、何らのメンテナンス（Wartung）も必要としない。従来技術の変速機では、ベルトの張力調整（Nachspannen）や交換が必要である。更に、直接の回転トルク伝達により、ベルト張力の誤った調節（設定）が回避される。それは、一方では、スピンドル軸受の損傷を引き起こし得るし、他方では、ベルトのすべりを引き起こし得る。ベルト力、歯縁力（Zahnumfangskraefte）及び軸方向力による横方向力がスピンドル軸受上に作用しないので、スピンドル軸受の寿命が高められる。

本発明によれば、変速機の全ての部分がハウジング内に配置される。このことは、外部の影響からの運転の独立性をもたらす。（例えば、ベルト駆動の場合には、冷媒ミストがベルトのすべりを引き起こし得た。）ハウジング内の当該配置によって、自由回転部分が一つも存在しないために、産業上の安全性（Arbeitssicherheit）も高められる。

本発明は、本発明に従う変速機の好適な実施の形態の概略断面図である添付の図面に基づいて、以下に例示的に詳細に説明される。工作機械変速機、特にはスピンドル変速機の場合に適用されるような遊星歯車変速機が、例えば本件出願人によるＥＰ１１６９５８２Ｂ１から、当業者に知られている。更に別の変速機タイプにも、それは適用可能である。

図面は、スピンドル変速機１を示しており、それは、駆動軸２と、出力軸３と、駆動軸及び出力軸の間のパワーフロー方向に配置された二段の遊星歯車変速機と、を備えている。この遊星歯車変速機は、駆動軸に結合された太陽歯車４と、内歯歯車ベアリング６に軸支された内歯歯車５と、遊星歯車（Planeten）８を伴う遊星キャリア７と、を有している。遊星歯車８を伴う遊星キャリア７が、遊星歯車変速機の出力部を形成している。

変速機の切り換えのために、摺動スリーブ９と、切換フォーク１０と、ブレーキディスク１１と、が設けられている。この切換装置は、ソレノイド（Hubmagneten）１２を有しており、それは切換フォーク１０に接続された切換レバー１３に作用する。ここで、摺動スリーブは、中立位置と、内歯歯車５が変速機ハウジング１４と結合される第一切換位置と、内歯歯車５が太陽歯車４と結合される第二切換位置と、をとることができる。

出力軸３は、軸受ハウジング１５内に配置されたアンギュラ玉軸受１６、１７によって軸支されている。これによって、出力軸３からの回転トルクが、振動無しに、スピンドルに伝達され得る。このことは、出力軸３のスピンドルとの直接接続を可能にし、同軸かつ必要空間をセイブ（節約）した配置を可能にする。

勿論、各構成の形態、特には変速機成分や切換及び切換装置の自身の及び互いの技術的に意味がある限りの各空間配置も、そのような形態が添付の図または前記説明に明示されていなくとも、本願請求項に記載されたような変速機の機能に影響することなく、本願請求項の保護範囲内にある。

本発明に従う変速機の好適な実施の形態の概略断面図。

Claims (4)

1. パワー及び／またはトルクの伝達が変速機の出力軸（３）から直接にスピンドルに対して行われ、
   スピンドルは、好ましくは出力軸（３）に対して同軸状に配置されている、
   ことを特徴とする工作機械変速機、特にはスピンドル変速機。
2. 変速機（１）の出力軸（３）は、スピンドルに接続されており、
   スピンドルと出力軸（３）との間の回転しない結合が、噛み合い結合（formschluessig）や接着結合（Kraftschluessig）によって形成される
   ことを特徴とする請求項１に記載の工作機械変速機。
3. 出力軸（３）は、軸受ハウジング（１５）内に軸支されて、短いサイズにされており、そのために変速機（１）の全長が短くなっている
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の工作機械変速機。
4. 出力軸（３）の軸受のために、アンギュラ玉軸受（１６，１７）が設けられている
   ことを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の工作機械変速機。

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