JP3397571B2 - 多軸ヘッド - Google Patents

多軸ヘッド

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JP3397571B2
JP3397571B2 JP08421196A JP8421196A JP3397571B2 JP 3397571 B2 JP3397571 B2 JP 3397571B2 JP 08421196 A JP08421196 A JP 08421196A JP 8421196 A JP8421196 A JP 8421196A JP 3397571 B2 JP3397571 B2 JP 3397571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク、例えば、
自動車用エンジンにおけるシリンダブロックの複数箇所
に穴加工を施すのに利用される多軸ヘッドおよび多軸ヘ
ッドのシール交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記した多軸ヘッドとしては、例
えば、図5に示すものがあった。
【0003】図5に示すように、この多軸ヘッド101
は、数値制御により送り移動するタレット110に取り
外し可能に装着されるものであり、この数値制御加工機
100では、タレット110の4つのヘッド取り付け面
110aに、互いに異なる工具Tを互いに異なるピッチ
で配置した4個の多軸ヘッド101をそれぞれ装着し
て、4パターンの同時穴加工を行うことができるように
なっている。
【0004】この多軸ヘッド101の複数の回転軸10
3には、ヘッド本体102にタレット110を介して供
給される切削油を工具T側に送給する図示しない流路が
設けられており、回転軸103の流路およびヘッド本体
102には、互いに接触する流路側シールおよび本体側
シールが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来におけ
る多軸ヘッド101において、流路側シールおよび本体
側シールの交換は、多軸ヘッド101のヘッド本体10
2の裏側(ヘッド取り付け面110a側)から行わなく
てはならないため、重量の嵩む多軸ヘッド101をタレ
ット110のヘッド取り付け面110aから取り外す必
要があり、この交換作業の際には、多軸ヘッド101の
着脱に要する時間および多軸ヘッド101を吊り下げる
ための装置が必要となり、加えて、シール交換後におけ
るタレット110のヘッド取り付け面110aへのヘッ
ド再取り付け時には、精度を維持するための位置調整を
行わなくてはならず、その分だけ、工数が増えてしまう
という問題があり、この問題を解決することが従来の課
題となっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題に着目し
てなされたもので、シール交換後の精度を悪化させるこ
となくシールを簡単に交換することができ、その結果、
シール交換時間の短縮およびシール交換コストの低減を
実現できる多軸ヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る多軸ヘッドは、駆動ユニットの出力軸と接続・離間可
能な駆動力伝達機構を具備したヘッド本体と、工具ホル
ダを着脱可能でかつ前記駆動力伝達機構と離間可能に接
続する回転軸を具備すると共に前記ヘッド本体に取外し
可能に装着される複数の軸ユニットと、前記ヘッド本体
に供給される切削油を複数の軸ユニットの各回転軸に設
けた流路を介して工具ホルダ側に供給する切削油供給路
と、前記切削油供給路に設けられて前記複数の軸ユニッ
トの各流路の端部にそれぞれ装着した流路側シールと離
間可能に接触する複数の供給路側シールを備え、前記ヘ
ッド本体の前記回転軸に沿う周壁には、前記供給路側シ
ールを出し入れする供給路側シール交換口を設け、この
供給路側シール交換口を通して出し入れされかつ複数の
供給路側シールをそれぞれ取り外し可能に装着するシー
ル取付け部を有するシール保持体に切削油供給路を設け
た構成としたことを特徴としており、この多軸ヘッドの
構成を前述した従来の課題を解決するための手段として
いる。
【0008】本発明の請求項2に係わる多軸ヘッドは、
駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能な駆動力伝達機
構を具備したヘッド本体と、工具ホルダを着脱可能でか
つ前記駆動力伝達機構と離間可能に接続する回転軸を具
備すると共に前記ヘッド本体に対してその正面壁側から
着脱される複数の軸ユニットと、前記ヘッド本体に供給
される切削油を複数の軸ユニットの各回転軸に設けた流
路を介して工具ホルダ側に供給する切削油供給路と、前
記切削油供給路に設けられて前記複数の軸ユニットの各
流路の端部に装着されかつ前記ヘッド本体のシール嵌合
孔に保持される流路側シールと離間可能に接触する複数
の供給路側シールを備え、前記ヘッド本体の流路側シー
ルを保持するシール嵌合孔の口径を前記供給路側シール
の直径よりも大きく設定して、前記供給路側シールを前
記ヘッド本体の軸ユニットを着脱する正面壁側から交換
可能とした構成としたことを特徴としており、この多軸
ヘッドの構成を前述した従来の課題を解決するための手
段としている。
【0009】本発明の請求項3に係わる多軸ヘッドは、
切削油供給路は複数の供給路側シールをそれぞれ取り外
し可能に装着するシール取付け部を有するシール保持体
に設けられ、ヘッド本体の回転軸に沿う周壁に、前記供
給路側シールとともにシール保持体を出し入れする供給
路側シール交換口を設けた構成としている。
【0010】本発明の請求項4に係わる多軸ヘッドは、
駆動力伝達機構を歯車駆動機構とし、前記歯車駆動機構
の互いに噛み合う歯車を同一平面に配置した構成として
いる。
【0011】本発明の請求項5に係わる多軸ヘッドは、
複数の軸ユニットのうちの少なくとも1個の軸ユニット
に変速機構を設けた構成としている。
【0012】本発明の請求項6に係わる多軸ヘッドにお
いて、複数の軸ユニットのうちの少なくとも1個の軸ユ
ニットは、工具ホルダを着脱可能でかつ駆動力伝達機構
を介して伝えられる駆動力により回転する回転軸を複数
具備している構成としている。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる多軸ヘッドに
おいて、新たに多軸ヘッドを設計製作する場合には、軸
ユニットや駆動力伝達機構などのヘッド本体以外の部品
は、既に製作されている上記した構成を有する多軸ヘッ
ドの部品を転用すればよく、一方、軸ユニットや駆動力
伝達機構などの部品に不具合や切削条件の変更が生じた
場合には、軸ユニットをヘッド本体から取り外して、修
理調整作業がなされるので、設計製作時間,修理調整時
間の短縮および設計製作コスト,保守管理コストの低減
が図られると共に、切削油供給路から軸ユニットの流路
を通して工具ホルダ側に切削油が供給されることから、
穴加工の高速化および深穴化が図られることとなり、加
えて、供給路側シールの交換に際しては、ヘッド本体の
回転軸に沿う周壁に設けられた供給路側シール交換口を
通して供給路側シールの交換がなされるので、この作業
が簡単なものとなり、シール交換後の位置調整を行う必
要がないこととも相俟って、シール交換時間の短縮化お
よびシール交換コストの低減化が図られることとなる。
この際、複数の供給路側シールがシール保持体の各シー
ル取付け部に各々装着してあるので、例えば、複数の供
給路側シールの全部を交換する場合には、ヘッド本体の
供給路側シール交換口を通してのシール保持体の出し入
れにより、複数の供給路側シールの一括した交換がなさ
れることとなり、したがって、ヘッド本体に切削油を供
給する配管をヘッド本体から外したりする必要がないの
で、シール交換作業がより一層簡単なものとなる。
【0016】また、本発明の請求項1に係わる多軸ヘッ
ドでは、複数の供給路側シールがシール保持体の各シー
ル取付け部に各々装着してあるので、例えば、複数の供
給路側シールの全部を交換する場合には、ヘッド本体の
供給路側シール交換口を通してのシール保持体の出し入
れにより、複数の供給路側シールの一括した交換がなさ
れることとなり、したがって、ヘッド本体に切削油を供
給する配管をヘッド本体から外したりする必要がない分
だけ、シール交換作業がより一層簡単なものとなる。
【0017】さらに、本発明の請求項2に係わる多軸ヘ
ッドでは、本発明の請求項1に係わる多軸ヘッドと同じ
く、設計製作時間,修理調整時間の短縮および設計製作
コスト,保守管理コストの低減ならびに穴加工の高速化
および深穴化が図られるのに加えて、供給路側シールの
交換に際しては、軸ユニットをヘッド本体の正面壁から
取り外した後、流路側シールが保持されていたシール嵌
合孔を通してヘッド本体の正面壁側から供給路側シール
の交換を行い得るので、この作業が簡単であると同時に
供給路側シールの選択的な交換がなされることとなり、
本発明の請求項3に係わる多軸ヘッドでは、供給路側シ
ールの選択的な交換がなされるのに加えて、ヘッド本体
の供給路側シール交換口を通してのシール保持体の出し
入れにより、例えば、複数の供給路側シールの一括した
交換もなされることとなる。
【0018】さらにまた、本発明の請求項4に係わる多
軸ヘッドでは、軸ユニットをヘッド本体から取り外す作
業が極めて簡単なものとなることから、修理調整時間の
短縮および保守管理コストのより一層の低減が実現する
こととなり、本発明の請求項5に係わる多軸ヘッドで
は、歯車列からなる駆動力伝達機構において変速を行う
必要がなくなり、例えば、増速に際しては、従来なし得
なかったより一層の高速穴加工が実現し、加えて、増速
歯車,減速歯車などの部品を必要としないことから、軽
量小形化が図られると共に駆動力伝達機構の設計製作時
間の短縮および設計製作コストの低減がなされることと
なり、本発明の請求項6に係わる多軸ヘッドでは、回転
軸を複数具備している分だけ、回転軸の軸配置の自由度
が拡がることとなり、ワーク、例えば、自動車用エンジ
ンにおけるシリンダブロックの複数箇所に穴加工を施す
に際して、小さいピッチでの高速加工がなされることに
なるのに加えて、回転軸がひとつの軸ユニットを複数組
採用する場合と比べて、部品点数が大幅に増加すること
がないため、コストの低減が図られることとなる。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる多軸ヘッドで
は、新たに多軸ヘッドを設計製作する場合、軸ユニット
などのヘッド本体以外の部品は、既に製作されている多
軸ヘッドの部品の転用が可能であり、一方、軸ユニット
などの部品に不具合や切削条件の変更が生じた場合は、
軸ユニットをヘッド本体から取り外して、修理調整作業
を行うことができるので、設計製作時間,修理調整時間
の短縮および設計製作コスト,保守管理コストの低減が
実現できると共に、切削油供給路から軸ユニットの流路
を通して工具ホルダ側に切削油を供給できるため、穴加
工の高速化および深穴化を実現可能であり、加えて、供
給路側シールの交換に際しては、ヘッド本体の回転軸に
沿う周壁の供給路側シール交換口を通して簡単に供給路
側シールを交換でき、例えば、複数の供給路側シールの
全部を交換する場合には、ヘッド本体の供給路側シール
交換口を通してのシール保持体の出し入れにより、複数
の供給路側シールの一括した交換ができ、この際、ヘッ
ド本体に対する切削油供給配管をヘッド本体から外した
りしなくてもよいので、シール交換をより一層簡単に行
うことができるという極めて優れた効果がもたらされ
る。
【0022】本発明の請求項2に係わる多軸ヘッドで
は、請求項1に係わる多軸ヘッドと同じ効果が得られる
うえ、供給路側シールの交換に際しては、シール嵌合孔
を通してヘッド本体の正面壁側から磨耗の激しい供給路
側シールのみを簡単に交換することができ、本発明の請
求項3に係わる多軸ヘッドでは、供給路側シールの選択
的な交換ができるのに加えて、ヘッド本体の供給路側シ
ール交換口を通して、例えば、複数の供給路側シールの
一括した交換も行うことが可能であるという極めて優れ
た効果がもたらされる。
【0023】本発明の請求項4に係わる多軸ヘッドで
は、軸ユニットをヘッド本体から取り外す作業を極めて
簡単に行うことができるので、修理調整時間の短縮およ
び保守管理コストのより一層の低減を実現することが可
能であり、本発明の請求項5に係わる多軸ヘッドでは、
歯車列からなる駆動力伝達機構において変速を行う必要
がなくなり、例えば、増速に際しては、従来なし得なか
ったより一層の高速穴加工を行うことが可能であり、増
速歯車,減速歯車,アイドル軸などの部品を必要としな
いため、軽量小形化を実現できるうえ、駆動力伝達機構
の設計製作時間の短縮および設計製作コストの低減を実
現できる。
【0024】本発明の請求項6に係わる多軸ヘッドで
は、回転軸の軸配置の自由度を拡げることができ、ワー
ク、例えば、自動車用エンジンにおけるシリンダブロッ
クの複数箇所に穴加工を施すに際して、小さいピッチで
の高速加工を行うことが可能であるのに加えて、回転軸
がひとつの軸ユニットを複数組採用する場合と比べて、
部品点数の増加を少なく抑えることができることから、
コストの低減を実現できるという極めて優れた効果がも
たらされる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0029】図1〜3は本発明に係わる多軸ヘッドの一
実施例を示しており、図1に示すように、この多軸ヘッ
ド1は、ヘッドケース3Aおよびこのヘッドケース3A
に装着されるヘッドカバー3Bからなるヘッド本体2
と、このヘッド本体2に保持される2組の多軸ユニット
10と、2組の単軸ユニット20と、駆動ユニット側の
出力軸P1と接続・離間可能としたカップリング3を介
して伝達される駆動力を多軸ユニット10および単軸ユ
ニット20に各々伝える歯車駆動機構(駆動力伝達機
構)30と、切削油供給部50を備えている。
【0030】多軸ユニット10は2つの軸挿通孔11
a,11bを有する軸ハウジング11を具備しており、
2組の多軸ユニット10のうち図示上側に位置する多軸
ユニット10Aの軸ハウジング11には、先端側が上側
軸挿通孔11aの後部分に軸受7を介して保持されかつ
後端側がヘッドケース3Aに軸受8を介して保持される
伝達軸12と、小径ドリルDsをセットしたホルダDh
を取外し可能に装着した先端側が上側軸挿通孔11aの
前部分に軸受7を介して保持されかつ後端側が伝達軸1
2に形成された中空部分に回転自在に嵌合された回転軸
13と、伝達軸12および回転軸13を連結する増速機
構(変速機構)16が設けてあると共に、ドリルDをセ
ットしたホルダDHを取外し可能に装着した先端側が下
側軸挿通孔11bに軸受7を介して保持されかつ後端側
がヘッドケース3Aに軸受8を介して保持される回転軸
15が設けてある。
【0031】この場合、増速機構16は、伝達軸12に
おける先端部の外周面に90゜の間隔をおいて設けた4
個(図では2個のみ示す)の遊星軸14aと、これらの
遊星軸14aに嵌装した遊星ローラ17と、回転軸13
における中央部分に形成した太陽軸部13aを具備して
おり、軸ハウジング11の内部において、太陽軸部13
aの周囲に遊星ローラ17を位置させてトラクションオ
イルの油膜を介して互いに接触させることにより、回転
軸13を伝達軸12の2〜6倍の回転数で回転させるよ
うにしている。なお、図では遊星ローラタイプを示して
いるが、ローラの数は限定しない。また、増速機構であ
れば、遊星歯車でも可能である。
【0032】また、2組の多軸ユニット10のうち図示
下側に位置する多軸ユニット10Bの軸ハウジング11
には、先端側が軸挿通孔に保持されかつ後端側がヘッド
ケース3Aに軸受8を介して保持される回転軸15が2
組設けてある。
【0033】一方、単軸ユニット20は、軸ハウジング
21と、先端側が軸ハウジング21に図示しない軸受を
介して保持されかつ後端側がヘッドケース3Aに軸受8
を介して保持される回転軸22を備えており、多軸ユニ
ット10および単軸ユニット20は、ヘッドカバー3B
の正面壁3aに形成した軸ユニット装着孔3b,3c
に、軸ハウジング11,21の各基端側部分をそれぞれ
嵌合して取外し可能に装着してあり、この場合、多軸ユ
ニット10には、軸ハウジング11の図示上側に位置す
る回転軸13を貫通して切削油供給部50と工具ホルダ
側とを連通する流路18と、軸ハウジング11の図示下
側に位置する回転軸15を貫通して同じく切削油供給部
50と工具ホルダ側とを連通する流路19が設けてあ
り、一方、単軸ユニット20にも、回転軸22を貫通し
て切削油供給部50と工具ホルダ側とを連通する流路2
3が設けてある。
【0034】歯車駆動機構30は、カップリング3を端
部に装着しかつヘッド本体2に軸ホルダ5および軸受6
を介して支持される入力軸31に伝達歯車32を固定
し、この伝達歯車32の図示上方に、第1中間軸33に
固定した第1アイドル歯車34と、単軸ユニット20の
回転軸22に固定した出力歯車35と、第2中間軸36
に固定した第2アイドル歯車37と、多軸ユニット10
Aの回転軸15に固定した出力歯車38と、多軸ユニッ
ト10Aの伝達軸12に固定した増速側出力歯車39と
を同一平面に配置して順次噛合わせると共に、伝達歯車
32の図示下方に、図示しない第3中間軸に固定した第
3アイドル歯車40と、単軸ユニット20の回転軸22
に固定した出力歯車41と、第4中間軸42に固定した
第4アイドル歯車43と、多軸ユニット10Bの上側の
回転軸15に固定した出力歯車44と、多軸ユニット1
0Bの下側の回転軸15に固定した出力歯車45とを同
じく同一平面に配置して順次噛合わせた構成をなしてい
る。
【0035】切削油供給部50は、図2にも示すよう
に、ヘッド本体2におけるヘッドケース3A内の所定位
置に収納されるプレート(シール保持体)51と、プレ
ート51に形成されてヘッド本体2に配管60を介して
供給される切削油を軸ユニット10,20の各流路1
8,19,23を介してホルダDH,Dh側に供給する
切削油供給路52と、この切削油供給路52と連通状態
でプレート51に形成された複数のシール取付け部51
aにそれぞれ取り外し可能に装着された供給路側シール
53を備えており、複数の供給路側シール53は、軸ユ
ニット10,20における回転軸13,15,22の各
基端部と対向して配置され、軸ユニット10,20の各
流路18,19,23の端部にそれぞれ装着した流路側
シール54とともにロータリージョイント(ロータリー
シール)を構成している。このロータリージョイントを
構成する供給路側シール53は、プレート51のシール
取付け部51aに装着したガイドピン57に軸方向に移
動可能に支持されると共に、切削油の供給時において、
ガイドピン57に嵌装されかつこのガイドピン57と供
給路側シール53とを連結するコイルばね58の押圧力
に抗して、流路側シール54に離間可能に接触するよう
になっており、その先端部には、軸ユニット10,20
の回転軸13,15,22とともに回転する流路側シー
ル54との接触抵抗を減らすコーティング加工が施して
ある。
【0036】この場合、図3に簡略的に示すように、ヘ
ッド本体2におけるヘッドケース3Aの回転軸13,1
5,22に沿う側壁(周壁)3dには、供給路側シール
交換口3fが設けてあり、プレート51は供給路側シー
ル53とともにこの供給路側シール交換口3fを通して
出し入れされ、ヘッドケース3A内の所定位置まで摺動
できるようになっている。そして、ヘッドケース3A内
の所定位置においては、ヘッドカバー3B側からプレー
ト51にかけて挿通されるピン55により固定されるも
のとなっており、この際、プレート51には、固定状態
において歯車駆動機構30の入力軸31との干渉を避け
るためのU字形状をなす切欠部51bが設けてある。
【0037】上記多軸ヘッド1の供給路側シール53を
交換するに際しては、まず、ヘッド本体2におけるヘッ
ドカバー3Bからピン55を引き抜き、次いで、ヘッド
ケース3Aの供給路側シール交換口3fを通してプレー
ト51を取り出す。
【0038】次に、プレート51の各シール取付け部5
1aに装着してある複数の供給路側シール53のうちの
1個ないし全部を新しい供給路側シール53に交換した
後、プレート51を供給路側シール交換口3fを通して
ヘッドケース3A内に挿入して所定部位に位置させ、再
びヘッドカバー3B側からプレート51にかけてピン5
5を挿通してプレート51を固定する。
【0039】また、軸ユニット10,20の各流路1
8,19,23の端部にそれぞれ装着した流路側シール
54を交換する場合には、多軸ユニット10および単軸
ユニット20を一旦ヘッド本体2から取り外して交換す
る。
【0040】したがって、この多軸ヘッド1では、多軸
ヘッド1を加工機母体Bから取り外すことなく供給路側
シール53の交換がなされるので、とくに、全部の供給
路側シール53を交換する場合には一括した交換がなさ
れることから、この交換作業が極めて簡単なものとなる
うえ、精度を維持するためのシール交換後の位置調整も
行う必要がないので、シール交換時間の短縮およびシー
ル交換コストの低減が図られることとなり、この際、ヘ
ッド本体2に対する切削油供給用の配管60をヘッド本
体2のヘッドケース3Aから外したりしなくてもよいた
め、シール交換作業がより一層簡単なものとなる。
【0041】また、この多軸ヘッド1では、多軸ユニッ
ト10,単軸ユニット20や歯車駆動機構30などの部
品に不具合が生じた場合や切削条件に変更が生じた場合
には、多軸ユニット10および単軸ユニット20を一旦
ヘッド本体2から取り外してこれらの軸ユニット10,
20と歯車駆動機構30とを別けて、修理調整作業ある
いは改造作業がなされるため、修理調整時間や改造時間
が大幅に短縮されると共に保守管理コストや改造コスト
が低減することとなり、とくに、この多軸ヘッド1で
は、歯車駆動機構30の伝達歯車32,第1アイドル歯
車34,出力歯車35,第2アイドル歯車37,出力歯
車38,増速側出力歯車39,第3アイドル歯車40,
出力歯車41,第4アイドル歯車43,出力歯車44,
45を同一平面に配置しているので、軸ユニット10,
20をヘッド本体2から取り外す作業が極めて簡単なも
のとなり、その結果、修理調整時間や改造時間の短縮お
よび保守管理コストや改造コストのより一層の低減が実
現することとなる。
【0042】さらに、新たに他の多軸ヘッドを設計製作
する場合、ヘッド本体2以外の部品は、上記多軸ヘッド
1の多軸ユニット10および単軸ユニット20をヘッド
本体2から取り外して転用すればよいことから、ヘッド
本体の設計製作だけを行えば済むこととなり、設計製作
時間が短くなると共に設計製作コストの低減が実現する
こととなる。
【0043】さらにまた、この多軸ヘッド1において、
多軸ユニット10に増速機構16を設けているので、増
速に際して従来なし得なかったより一層の高速穴加工が
実現することとなるうえ、この多軸ヘッド1では、多軸
ユニット10に2個の回転軸13,15を設けた構成と
しているので、回転軸の軸配置の自由度が拡がることと
なって、例えば、自動車用エンジンにおけるシリンダブ
ロックの複数箇所に穴加工を施すに際して、小さいピッ
チでの高速加工が可能になるのに加えて、単軸ユニット
20を複数組採用する場合と比較して、部品点数の大幅
な増加を抑えることができるため、コストの低減が図ら
れることとなる。
【0044】さらにまた、この多軸ヘッド1では、切削
油供給部50から軸ユニット10,20の各流路18,
19,23を通して工具ホルダ側に切削油が供給される
ことから、とくに多軸ユニット10においてより一層の
高速穴加工および深穴加工が実現することとなり、加え
て、工具の長寿命化が図られることとなる。
【0045】図4は本発明に係わる多軸ヘッドの他の実
施例を示しており、図4に部分的に示すように、この実
施例に係わる多軸ヘッド71が先の実施例に係わる多軸
ヘッド1と相違するところは、ヘッド本体2におけるヘ
ッドケース3Aのシール嵌合孔3gの口径を供給路側シ
ール53の直径よりも大きく設定し、このシール嵌合孔
3gとの間に複数の隙間72aを形成するようにして流
路側シールとしてのラビリンスシール72を嵌合した点
にあって、他の構成は先の実施例に係わる多軸ヘッド1
と同じであり、同じ構成としたことにより得られる作用
効果も同じである。
【0046】つまり、この多軸ヘッド71では、ヘッド
本体2におけるヘッドケース3Aのシール嵌合孔3gの
口径を供給路側シール53の直径よりも大きく設定した
ことにより、このシール嵌合孔3gを通してヘッド本体
2の正面壁3a側から供給路側シール53を交換可能と
している。
【0047】この多軸ヘッド71の供給路側シール53
を交換するに際しては、軸ユニット10,20のうちの
適宜軸ユニット10(あるいは軸ユニット20)をその
軸ユニット10の回転軸13,15(あるいは回転軸2
2)と歯車駆動機構30とを離間させて、流路18,1
9(あるいは流路23)の各端部に装着したラビリンス
シール72とともにヘッド本体2の正面壁3aから取り
外し、ラビリンスシール72を除去したシール嵌合孔3
gを通して、ヘッド本体2の正面壁3a側から供給路側
シール53をそれぞれ交換した後、取り外した軸ユニッ
ト10(あるいは軸ユニット20)を再びヘッド本体2
に装着する。
【0048】したがって、この多軸ヘッド71において
も、多軸ヘッド71を加工機母体Bから取り外すことな
く供給路側シール53の交換がなされ、とくに、磨耗の
激しい供給路側シール53を選択して交換できるので、
シール交換作業が簡単かつ効率の良いものとなり、加え
て、この場合も、精度を維持するためのシール交換後の
位置調整を行う必要がないことから、シール交換時間の
短縮およびシール交換コストの低減が図られることとな
る。
【0049】上記した実施例では、切削油供給部50の
シール保持体を1枚のプレート51とした場合を示した
がこれに限定されるものではなく、プレート51の重量
が嵩む場合には、プレート51を2枚ないしそれ以上に
分割した複数のプレートからなるものとすることも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる多軸ヘッドの一実施例を示す断
面説明図である。
【図2】図1における多軸ヘッドの流路側シールと供給
路側シールとの配置状況を示す拡大断面説明図である。
【図3】図1における多軸ヘッドを簡略的に示す斜視説
明図(a)および正面説明図(b)である。
【図4】本発明に係わる多軸ヘッドの他の実施例におけ
る流路側シールと供給路側シールとの配置状況を示す拡
大断面説明図である。
【図5】従来の多軸ヘッドを示す側面説明図である。
【符号の説明】
1,71 多軸ヘッド 2 ヘッド本体 3A ヘッドケース(ヘッド本体) 3B ヘッドカバー(ヘッド本体) 3a ヘッドカバーの正面壁 3d ヘッドケースの側壁(周壁) 3f 供給路側シール交換口 3g シール嵌合孔 10 多軸ユニット 13,15,22 回転軸 16 増速機構(変速機構) 18,19,23 流路 20 単軸ユニット 30 歯車駆動機構(駆動力伝達機構) 51 プレート(シール保持体) 51a シール取付け部 52 切削油供給路 53 供給路側シール 54 流路側シール DH,Dh ホルダ(工具ホルダ) P1 出力軸 PU 駆動ユニット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−241366(JP,A) 特開 平2−9549(JP,A) 特開 平2−48105(JP,A) 実開 平2−100714(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23B 39/18 B23B 47/00 B23Q 11/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能
    な駆動力伝達機構を具備したヘッド本体と、工具ホルダ
    を着脱可能でかつ前記駆動力伝達機構と離間可能に接続
    する回転軸を具備すると共に前記ヘッド本体に取外し可
    能に装着される複数の軸ユニットと、前記ヘッド本体に
    供給される切削油を複数の軸ユニットの各回転軸に設け
    た流路を介して工具ホルダ側に供給する切削油供給路
    と、前記切削油供給路に設けられて前記複数の軸ユニッ
    トの各流路の端部にそれぞれ装着した流路側シールと離
    間可能に接触する複数の供給路側シールを備え、前記ヘ
    ッド本体の前記回転軸に沿う周壁には、前記供給路側シ
    ールを出し入れする供給路側シール交換口を設け、この
    供給路側シール交換口を通して出し入れされかつ複数の
    供給路側シールをそれぞれ取り外し可能に装着するシー
    ル取付け部を有するシール保持体に切削油供給路を設け
    たことを特徴とする多軸ヘッド。
  2. 【請求項2】 駆動ユニットの出力軸と接続・離間可能
    な駆動力伝達機構を具備したヘッド本体と、工具ホルダ
    を着脱可能でかつ前記駆動力伝達機構と離間可能に接続
    する回転軸を具備すると共に前記ヘッド本体に対してそ
    の正面壁側から着脱される複数の軸ユニットと、前記ヘ
    ッド本体に供給される切削油を複数の軸ユニットの各回
    転軸に設けた流路を介して工具ホルダ側に供給する切削
    油供給路と、前記切削油供給路に設けられて前記複数の
    軸ユニットの各流路の端部に装着されかつ前記ヘッド本
    体のシール嵌合孔に保持される流路側シールと離間可能
    に接触する複数の供給路側シールを備え、前記ヘッド本
    体の流路側シールを保持するシール嵌合孔の口径を前記
    供給路側シールの直径よりも大きく設定して、前記供給
    路側シールを前記ヘッド本体の軸ユニットを着脱する正
    面壁側から交換可能としたことを特徴とする多軸ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 切削油供給路は複数の供給路側シールを
    それぞれ取り外し可能に装着するシール取付け部を有す
    るシール保持体に設けられ、ヘッド本体の回転軸に沿う
    周壁に、前記供給路側シールとともにシール保持体を出
    し入れする供給路側シール交換口を設けた請求項2に記
    載の多軸ヘッド。
  4. 【請求項4】 駆動力伝達機構を歯車駆動機構とし、前
    記歯車駆動機構の互いに噛み合う歯車を同一平面に配置
    した請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の多軸ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 複数の軸ユニットのうちの少なくとも1
    個の軸ユニットに変速機構を設けた請求項1〜4のいず
    れか1つの項に記載の多軸ヘッド。
  6. 【請求項6】 複数の軸ユニットのうちの少なくとも1
    個の軸ユニットは、工具ホルダを着脱可能でかつ駆動力
    伝達機構を介して伝えられる駆動力により回転する回転
    軸を複数具備している請求項1〜5のいずれか1つの項
    に記載の多軸ヘッド。
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